(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1または第2の受動回路のうちの少なくとも1つは、並列構成の少なくとも2つのコンデンサのアレイを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の植込み型医療装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
必ずしも縮尺通りに描かれていない図面において、同じ番号は異なる図において同様な構成要素を示していることがある。異なる文字の接尾辞を有する同じ番号は、同様な構成要素の異なる事例を表すことがある。図面は、一般に、制限ではなく例として、本書に述べる様々な実施形態を図示する。
【0009】
図1は、全体として、植込み型医療装置(例、
図3に図示するような植込み型医療装置300)に含まれている集積回路の一部として含むことができるなど、静電気放電(ESD)保護回路102を含むことができる実施例100を示す。
図1の実施例では、ESD保護回路102は、能動回路106の制御入力「C」と(例、基準「REF」に対する電圧V
Pの)第1電源ノードとの間に結合されている第1受動回路などの第1回路「Z
1」を含むことができる。ESD保護回路102は、能動回路106の制御入力Cと(例、基準「REF」に対する電圧V
Nの)第2電源ノードとの間に結合されている第2受動回路などの第2回路「Z
2」を含むことができる。ある実施例において、V
Nは、REFと同じ電位など、V
Pよりも小さいDC電位であることができる。
【0010】
ある実施例では、第1および第2の回路Z
1およびZ
2の組合せが検出回路を提供することができる。検出回路は、制御入力Cを介して、能動回路106を実質的に非導通モード(例、「カットオフ」)から実質的に導通モード(例、「オン状態」)に移行または切替えるように能動回路106をトリガするように構成することができる。このように、V
PとV
N間のESD電圧過渡現象などのエネルギーは、能動回路106を介してクランプ、分路、またはその他の方法で消散することができる。トリガされると、能動回路106は制御入力Cに結合されている電圧を介して、第1または第2の電源ノードV
PまたはV
Nのうちの1以上に結合することのできる他の「下流の」回路系104を保護することができる。ある実施例では、能動回路106は、
図7Aから
図7Bの例示的な実施例で図示するものなど、1以上のトランジスタまたは駆動回路を含むことができる。
【0011】
ある実施例では、第1または第2の回路Z
1またはZ
2のうちの1以上は、レジスタ、コンデンサまたはインダクタなどの1以上の受動素子を含むことができる。当該受動素子は、能動植込み型医療装置に含まれるなど、集積回路100の一部として含むことができる。例えば、
図4Aから
図4C、または
図5に図示するように、Z
1またはZ
2のうちの1以上は、アレイに含まれている単一のコンデンサが故障した場合に、ESD保護回路102の信頼性を高めるためのコンデンサアレイを含むことができる。
【0012】
パッド108など、1以上の入力または出力パッドも、第1クランプD
1(例、第1ダイオード)、または第2クランプD
2(例、第2ダイオード)を含め、パッド108と各電源ノードとの間に結合されているクランプ回路110を用いて、ESD事象から保護することができる。当該クランプ回路は、ESD保護回路102によって提供される電源「レール(rail)」保護に加えて含むことができる。
【0013】
図2は、全体として、複数の「パワードメイン(power domain)」を有する集積回路の一部として含むことができるなどの、ESD保護回路のアレイ200Aの実施例を示す。一般に、2つの電源ノード(例、正電圧および基準)を使用する場合、
図1に図示するものなどの単一のESD保護回路102を使用することができる。(例、アナログまたは混合モード集積回路で各「パワードメイン」を供給するためなど)3以上の電源ノードを使用する場合、保護回路のアレイ200Aを使用することができる。例えば、第1ESD保護回路102Aは第1電源ノードV
1と第2電源ノードV
2との間に結合することができる。第2ESD保護回路102Bは第2電源ノードV
2と第3電源ノードV
3との間に結合することができ、第3ESD保護回路102Cは第3電源ノードV
3と第1電源ノードV
1との間に結合することができる。このように、各電源ノード間に結合されている(または2つの電源ノードと共同の)ESD過渡現象は、各ESD保護回路102A、102Bまたは102Cによってさらに消散または分路することができる。
図3の例示的な実施例では3つのノードだけを図示しているが、このようなアレイ200Aは4以上の電源ノードを収容するように適切に拡大することができる。
【0014】
図3は、全体として、ハウジング210および誘電体部220を含むことができるなど、能動植込み型医療装置(IMD:Implantable Medical Device)300を含むことができる実施例を示す。IMD300は、植込み型モニタ、植込み型ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD:Implantable Cardioverter−Defibrillator)、心臓再同期(CRT:Cardiac Resynchronization Therapy)装置、神経刺激機器(または1以上の他の生理的刺激、治療もしくは監視機能を含めて)、これらのうち1以上を含むことができる。
【0015】
ある実施例では、IMD300は、IMD300に対して遠位に配置されている1以上の電極を含め、1以上の植込み型リードアセンブリに結合することができる。例えば、1以上の血管内または皮下に植え込まれたリードは、IMD300に含まれている回路200Bに、誘電体部220上もしくは誘電体部220内に配置されているコネクタブロック250を介して結合できるであろう(例、誘電体部220およびコネクタブロック250は「ヘッダ」を具備することができる)。ハウジング210または固定電極240のうちの1以上を、回路200Bに結合するなどして、IMD300の一部として含むことができる。ハウジング210は、チタン製などの、ハーメチックシールを施した導電性ハウジング(hermetically-sealed conductive housing)を含むことができる。ハウジング210は電気的結合230を介して回路200Bに電気接続することができる。回路200Bは、
図1から
図2の実施例もしくは他のところで図示するようなESD保護回路102を含んで、ハウジング210、コネクタブロック250または電極240のうちの1以上を介して回路200Bに不用意に結合されるおそれのある電気蓄積エネルギーを消散することができる。ある実施例では、ハウジング210、電極240またはコネクタブロック250のうちの1以上の電位に相当する基準電位(例、「接地」または「REF」電位)を規定することができる。
【0016】
図4Aは、全体として、並列構成の第1コンデンサC
P1および第2コンデンサC
P2などの2以上のコンデンサと、レジスタR
1とを有する検出回路を含むことができるESD保護回路400の少なくとも一部の実施例を示す。
図4Aでは、レジスタR1の抵抗を乗じた並列静電容量C
P1およびC
P2の合計によって決定する時定数を、能動回路106の制御入力で規定することができる。このような検出回路構成は第1電源ノードV
PXと第2電源ノードV
NXとの間に発生する電気的過渡現象(例、ESD事象)をトリガ制御入力Cに結合するハイパス構成にすることができる。C
P1またはC
P2のうちの一方が開回路を生じさせるように故障しても、残りのコンデンサはまだハイパス構成を提供できるが、(増加したハイパスカットオフ周波数(high-pass cut-off frequency)に対応して時定数の継続時間が減少するなど)時定数はそれに応じて減少することがある。しかし、C
P1またはC
P2のうちの一方が短絡を生じさせるように故障する場合、能動回路106は望ましくない連続トリガ状態になることがある。
【0017】
図4Bは、全体として、直列構成の第1コンデンサC
S1および第2コンデンサC
S2などの2以上のコンデンサを有する検出回路を含むことができるESD保護回路400の少なくとも一部の実施例を示す。
図4Bでは、1を直列静電容量C
S1およびC
S2の逆数の合計で割り、レジスタR
1の抵抗を乗じて決定する時定数を、能動回路106の制御入力で規定できる。このような検出回路構成は、
図4Aの例示的な実施例のように、ハイパス構成も提供することができる。C
S1またはC
S2のうちの一方がTDDBによるなど短絡または低抵抗を生じさせるように故障しても、残りのコンデンサはまだハイパス構成を提供することができ、それに応じて時定数が増加する(例、ハイパスカットオフ周波数を減少させながら、時定数を長くすることができる)。このように、短絡または低抵抗(例、高い漏えい)コンデンサ故障モードの場合、単一のコンデンサが故障した場合に周波数が低くても制御入力をトリガすることがある代わりに、当初指定されたハイパス周波数範囲を保つことができる。C
S1またはC
S2のうちの一方が開回路を生じさせるように故障する場合、検出回路は能動回路106の制御入力のトリガをさせないようにすることができる。
【0018】
図4Cは、全体として、直列と並列(例、直列・並列)構成の2以上のコンデンサを有する検出回路を含むことができるESD保護回路400Cの少なくとも一部の実施例を示す。本発明者らは、特に、直列および並列両方のコンデンサを含むコンデンサアレイは、短絡および開回路の両故障モードに対し冗長性を提供できることを認識した。ある実施例では、第1から第4のコンデンサC
1からC
4を含むなどの(または1以上の他の構成)、アレイ内のコンデンサが、それぞれ特定の静電容量値または使用電圧定格を含むことができる。使用電圧定格はアレイ内の複数の直列の「段階」に対応して下げることができる。例えば、特定の単一(または複数)の短絡故障状態により、各コンデンサに流れる電圧が対応する使用電圧定格を必ず超えるわけではない。
【0019】
ある例示的な実施例では、第1電源ノードV
PXと第2電源ノードV
NXとの電圧差は約12ボルトにすることができる。各コンデンサの使用電圧範囲は、12ボルトを超えて指定することができる。
図4Cの実施例では、コンデンサC
1からC
4の直列抵抗がほぼ等しいと仮定すると、携帯動作中(ambulatory operation)(例、非故障操作シナリオ)で各コンデンサで約6ボルトの電圧が低下するであろう。単一の短絡故障の場合、故障により短絡しない残りのコンデンサに12ボルトを印加できる。例えば、コンデンサC
2が故障して短絡すると、コンデンサC
1およびC
3にV
PXとV
NXとの電圧差が印加されるであろう(例、コンデンサC
1およびC
3に、6Vではなく約12ボルトが印加されるであろう)。コンデンサC
4はC
2の短絡故障により迂回されるであろう。コンデンサC
1およびC
3はまだ確実に動作することができ、この例示的な実施例では少なくとも12Vに定格される。
図6の例示的な実施例に示すように、各コンデンサに異なるコンデンサ誘電材料またはコンデンサ構成を用いるなどすることによっても、冗長性を提供することができる。
【0020】
図5は、全体として、1以上の導電性特徴部M
1からM
4と、第1コンデンサC
A1または第2コンデンサC
A2を含むなどのコンデンサのアレイ、または第1レジスタR
1または第2レジスタR
2などのレジスタのアレイとを含むことのできるESD保護回路の一部として含むことのできる検出回路の少なくとも一部の実施例を示す。導電性特徴部M
1からM
4は、集積回路の製作前または製作中に、メタルオンリーマスク調整(metal-only mask adjustment)を用いるなど、所望の静電容量または抵抗を選択するために使用できる金属または1以上の他の導電材料を含むことができる。例えば、集積回路の他の層を変更する必要なく、様々な導電性(例、メタライゼーション層(metallization layer))特徴部M
1からM
4を含むかもしくは省くことによって、検出回路に所望の時定数(
図1、
図2もしくは
図4Aから
図4Cの実施例で述べるような)を選択することができる。
【0021】
図6は、全体として、植込み型医療装置の一部として含むことのできる2以上のコンデンサ、または電界効果トランジスタ(FET)機器を含むことができる集積回路600の少なくとも一部の断面図を示す。FET機器628は上記の実施例および他のところで述べる能動回路106の一部として含むことができる。例えば、FET機器628は、基板602の型とは逆の(または、ある実施例では、より大きなウェルもしくはFET機器628を囲むエピタキシャル成長領域の導電型とは逆の)導電型を含め、各第1および第2のウェル領域604Aおよび604Bを含むことができる。当該ウェル領域604Aおよび604Bはソース領域またはドレイン領域として指定することができる。ゲート誘電体616は、ウェル領域604Aおよび604Bの一部とやや側方に重なるなどして、形成することができる。ゲート616誘電体上に金属またはポリシリコン端子などの導電端子を形成して、ゲート端子614を設けることができる。ウェル領域604Aおよび604Bの1以上、またはゲート端子614は、上記または以下の他の実施例で述べるESD保護回路を提供するためなど、集積回路600の他の部分に電気結合することができる。
【0022】
図6に図示する実施例では、第1コンデンサは、(例、二酸化ケイ素(SiO
2)もしくは1以上の他の材料を含む)誘電体層608上に成長または蒸着されている第1ポリシリコン端子612を具備する(もしくは1以上の他の導電材料を含む)ポリ−ポリコンデンサ630を含むことができる。このような誘電体層608は半導体基板602の一部の上に配置することができ、または半導体基板602の一部を具備することができる。コンデンサ誘電材料610は、化学気相成長法、スピンオン法、スパッタリング法を用いて、または1以上の他の手法を用いて、第1ポリシリコン端子612上に形成することができる。第2ポリシリコン端子606は、例えば、第1ポリシリコン端子612の反対(例、
図6に図示するように、上)に、コンデンサ誘電材料610が第1および第2のポリシリコン端子612および606を分離した状態で形成することができる。
【0023】
第2コンデンサは単結晶シリコン上誘電体構成626を含むことができる。例えば、基板602は、正(p型)ドーピング不純物など、第1導電型を含むことができる。ウェル領域624はn型またはp型のドーピング不純物を含むことができる。第2コンデンサは、FET機器628の一部として形成されるゲート誘電体616と同様な態様などで、基板602上に形成される熱成長または「自然」酸化物層620を含むことができる。単結晶シリコン上誘電体構成626を含む第2コンデンサは、n型またはp型のドーピング不純物を含むなど、それぞれ第1および第2のウェル領域604Cおよび604Dを含むことができる。単結晶領域(monocrystalline region)上での酸化物層620の成長は酸化物層620への欠陥伝搬を低減または阻止することができ、ポリ−ポリコンデンサ630と比較してTDDBに対する脆弱性を低減する。ポリ−ポリコンデンサ630と異なり、単結晶シリコン上誘電体構成626はエンハンストメントモードまたは空乏モード機器として製作することができ、静電容量は、単結晶シリコン上誘電体構成626の基板602と端子618との間に印加される電圧の極性および大きさに、非線形依存などで依存させることができる。
【0024】
コンデンサのアレイは、ポリ−ポリコンデンサ630構成、もしくは単結晶シリコン上誘電体構成626を含む1以上のコンデンサ、または1以上の他の構成を用いるなどして形成することができる。1以上の導電層(例、1以上のメタライゼーション層)を形成もしくは蒸着して、単結晶シリコン上誘電体構成626に、ポリ−ポリコンデンサ630、FET機器628、または第2コンデンサのうちの1以上間で電気的な相互接続を提供することができる。
【0025】
図7Aは、全体として、シャント装置(shunt device)および駆動回路760を具備する能動回路706Aを含むことができるESD保護回路700Aの少なくとも一部の実施例を示す。上記他の実施例で述べたように、
図1または
図2の能動回路106は単一の機器である必要はない。例えば、
図6に図示するFET機器628は、劣化なく複数のESD事象を確実に分路するために指定することができる。バイポーラ接合トランジスタ、接合形FET、またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のうちの1以上など、1以上の他の能動回路を使用することができる。
【0026】
したがって、ある実施例では、ESD事象中に能動回路706Aを導通モードに確実にトリガするために、能動回路706Aの制御入力(例、ゲート)に結合するなど、1以上の駆動回路を使用することができる。このような駆動回路は、
図7Bの例示的な実施例に図示する相補型トランジスタペアなど、1以上のトランジスタを含むことができる。1以上の反転または非反転駆動構成など、他の構成を使用することができる。例えば、反転構成では、入力170は、高い電圧から低い電圧への電圧遷移に応答して、能動回路706Aをトリガすることができる。このような反転実施例では、
図4Aから
図4Cまたは
図5の実施例のコンデンサの位置はレジスタと交換されることになり、レジスタに対する位置はコンデンサと交換されることになろう。一般に、駆動回路760が反転であろうと、または非反転であろうと、能動回路706A(例、シャント装置)は携帯動作中に非導通モードにすることができ、駆動回路760によって導通モードに切り替えて、当該導通モードを少なくともESD事象の継続期間中保持することができる。
【0027】
図7Bは、全体として、FETシャント装置706Bと、第1導電型を有する第1FET機器760A(例、PMOS(P−channel MOS)素子)および第2導電型を有する第2FET機器760B(例、NMOS(N−channel MOS)機器)を含む相補型FET駆動回路とを含むことができるESD保護回路の少なくとも一部の実施例を示す。
図7Bの実施例では、駆動回路は反転構成を含むことができ、特定の電圧閾値を通過する高電圧から低電圧への電圧遷移に応答してシャント装置706Bをトリガする。
【0028】
図8は、全体として、802で植込み型医療装置(IMD)のハウジングを形成するステップと、
図1、
図2、
図3、
図4Aから
図4C、
図5、
図6、
図7Aから
図7Bの実施例または他のところで述べるESD保護回路の一部など、ハウジングに配置できる回路を形成するステップとを含むことができる方法などのテクニック800を示す。例えば、804で、1以上のトランジスタを含む能動回路を形成することができ、能動回路は制御入力を介して受信する制御信号に応答して、第1電源ノードを第2電源ノードに選択的に電気結合するように構成されている。
【0029】
806で、第1受動回路を形成でき、第1受動回路は第1電源ノードと能動回路の制御入力とを電気結合した。808で、第2受動回路を形成することができる。第2受動回路は、第2電源ノードと能動回路の制御入力間で電気結合することができる。ある実施例では、第1または第2の受動回路を形成するステップのうちの少なくとも一方は、直列構成、並列構成、または直列および並列構成の組合せでコンデンサのアレイを形成するステップを含む。ある実施例では、第1および第2の受動回路は特定の時定数を規定するように構成することができ、印加されるESDに応答して、第1および第2の受動回路は特定の時定数を使用して制御信号を制御入力に提供するように構成することができ、能動回路は制御信号に応答して実質的に非導通モードから実質的に導通モードに切り替えて、第1および第2の電源ノード間に印加されるESDの分路を提供するよう構成することができる。
様々な注記および実施例
実施例1は、ハウジングとハウジングに含まれている集積回路とを具備する植込み型医療装置を含むことができ、または植込み型医療装置である主題(例、装置、方法、作用を行う手段、もしくは機器で行うとき、機器に作用を行わせることができる命令を含む機器読取可能媒体)を含むまたは使用することができ、該集積回路は静電気放電(ESD)保護回路を具備しており、該静電気放電(ESD)保護回路は、制御入力を介して受信した制御信号に応答して、第1電源ノードを第2電源ノードに選択的に電気結合するように構成されている能動回路と、該第1電源ノードと該能動回路の制御入力との間で電気結合する第1受動回路と、該第2電源ノードと該能動回路の制御入力との間で電気結合する第2受動回路とを含み、該第1または第2の受動回路のうちの少なくとも1つは直列構成、並列構成、または直列および並列構成の組合せのコンデンサのアレイを含む。実施例1では、第1および第2の受動回路は特定の時定数を規定するように構成されており、印加されるESDに応答して、第1および第2の受動回路は特定の時定数を使用して制御信号を制御入力に提供するように構成されており、能動回路は、制御信号に応答して実質的に非導通モードから実質的に導通モードに切り替えて、第1および第2の電源ノード間に印加されるESDの分路を提供するように構成されている。
【0030】
実施例2は、実施例1の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、直列および並列構成のコンデンサのアレイを含む第1受動回路、レジスタを含む第2受動回路を任意で含むことができる。
【0031】
実施例3は、実施例1または2の1つもしくはそのいずれかの組合せの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路のうちの少なくとも1つが直列構成の少なくとも2つのコンデンサのアレイを含むことを任意で含むことができる。
【0032】
実施例4は、実施例1から3の1つもしくはそのいずれかの組合せの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路のうちの少なくとも1つが並列構成の少なくとも2つのコンデンサのアレイを含むことを任意で含むことができる。
【0033】
実施例5は、実施例1から4の1つもしくはいずれかの組合せの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路の1以上に含まれている第1コンデンサが、集積回路基板の単結晶領域に誘電体を含むコンデンサ誘電体を具備することを任意で含むことができる。
【0034】
実施例6は、実施例5の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路の1以上に含まれている第2コンデンサが、集積回路のポリシリコン領域間に配置されているコンデンサ誘電体を具備することを任意で含むことができる。
【0035】
実施例7は、実施例1から6のうちの1つもしくはそのあらゆる組合せの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1電源ノードを第2電源ノードに結合するように構成されているシャント電界効果トランジスタ(FET)を具備する能動回路を任意で含むことができる。
【0036】
実施例8は、実施例7の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、能動回路がシャントFETのゲートに結合されている駆動回路を具備し、制御入力が駆動回路の入力を具備することを任意で含むことができる。
【0037】
実施例9は、実施例8の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、相補型トランジスタペアを具備する駆動回路を任意で含むことができる。
実施例10は、実施例1から9のうちの1つもしくはそのいずれかの組み合わせの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1電源ノードが第1DC供給電圧を具備し、第2電源ノードが第2DC供給電圧を具備し、第1DC供給電圧が第2DC供給電圧に対して極性が正になることを任意で含むことができる。
【0038】
実施例11は、実施例10の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、基準ノードを具備する第2電源ノードを任意で含むことができる。
実施例12は、実施例11の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、導電性ハウジング、基準ノードがハウジングに電気結合されることを任意で含むことができる。
【0039】
実施例13は、実施例12の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、ハウジングに結合されている誘電体部、誘電体部が誘電体部上もしくはその内部に電極を含み、集積回路がボンドパッドを具備し、電極がボンドパッドに電気結合されており、集積回路がボンドパッドと少なくとも1つの電源ノードとの間に少なくとも1つのESDクランプ回路を具備することを任意で含むことができる。
【0040】
実施例14は、実施例1から13のうちの1つもしくはそのいずれかの組合せの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、ハウジングとハウジングに含まれている集積回路とを具備する植込み型医療装置を含むことのできる主題(例、装置、方法、作用を行う手段、もしくは機械で行うときに、機械に作用を行わせることのできる命令を含む機械読取可能媒体)であって、該集積回路は静電気放電(ESD)保護回路を具備し、該静電気放電(ESD)保護回路は、制御入力を介して受信した制御信号に応答して、第1電源ノードを第2電源ノードに選択的に電気結合するように構成されている能動回路と、該第1電源ノードと該能動回路の制御入力間で電気結合する第1受動回路と、該第2電源ノードと該能動回路の制御入力間で電気結合する第2受動回路とを含んでおり、該第1受動回路が直列および並列構成のコンデンサのアレイを含み、該第2受動回路がレジスタを含み、該第1および第2の受動回路が特定の時定数を規定するように構成されて、印加されるESDに応答して、該第1および第2の受動回路が特定の時定数を使用して制御信号を制御入力に提供するように構成され、該能動回路が制御信号に応答して実質的に非導通モードから実質的に導通モードに切り替えて、該第1および第2の電源ノード間に印加されるESDの分路を提供するように構成され、該第1または第2の受動回路の1以上に含まれている第1コンデンサが集積回路基板の単結晶領域上に誘電体を具備するコンデンサ誘電体を含み、該第1または第2の受動回路の1以上に含まれている第2コンデンサが集積回路のポリシリコン領域間に配置されるコンデンサ誘電体を含む該主題を含むことができる。
【0041】
実施例15は、実施例1から14のうちの1つもしくはそのいずれかの組合せの主題を含み、またはそれと任意に組み合わせて、植込み型医療装置で静電気放電(ESD)保護を提供する方法を含むことができるなど、主題(例、装置、方法、作用を行う手段、または機械で行ったときに、機械に作用を行わせることのできる命令を含む機械読取可能媒体)であって、該方法はハウジングを形成するステップと、静電気放電(ESD)保護回路を含む集積回路をハウジング内に形成するステップであって、該集積回路を形成するステップが制御入力を介して受信した制御信号に応答して第1電源ノードを第2電源ノードに選択的に電気結合するように構成されている能動回路を形成するステップを具備する形成ステップと、第1電源ノードと能動回路の制御入力との間で電気結合する第1受動回路を形成するステップと、第2電源ノードと能動回路の制御入力との間で電気結合する第2受動回路を形成するステップとを具備し、該第1または第2の受動回路を形成するステップのうちの少なくとも1つは直列構成、並列構成、もしくは直列および並列構成の組合せでコンデンサのアレイの形成するステップを含み、該第1および第2の受動回路は特定の時定数を規定するように構成されており、印加されたESDに応答して、該第1および第2の受動回路は特定の時定数を使用して制御信号を制御入力に提供するように構成されており、該能動回路は制御信号に応答して実質的に非導通モードから実質的に導通モードに切り替えて、第1および第2の電源ノード間に印加されるESDの分路を提供するように構成されている該主題を含むことができる。
【0042】
実施例16は、実施例15の主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1受動回路を形成するステップが直列および並列構成のコンデンサのアレイを形成するステップを含み、第2受動回路を形成するステップがレジスタを形成するステップを含むことを任意で含むことができる。
【0043】
実施例17は、実施例15または16のうちの1つもしくはそのいずれかの組み合わせの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路のうちの少なくとも1つを形成するステップが直列構成の少なくとも2つのコンデンサのアレイを形成するステップを含むことを任意で含むことができる。
【0044】
実施例18は、実施例15から17のうちの1つもしくはそのいずれかの組み合わせの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路のうちの少なくとも1つを形成するステップが並列構成の少なくとも2つのコンデンサのアレイを形成するステップを含むことを任意で含むことができる。
【0045】
実施例19は、実施例15から18のうちの1つもしくはそのいずれかの組合せの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路のうちの1以上に含まれる第1コンデンサを形成するステップが集積回路基板の単結晶領域に誘電体を具備するコンデンサ誘電体を形成するステップを含むことを任意で含むことができる。
【0046】
実施例20は、実施例15から19のうちの1つもしくはそのいずれかの組合せの主題を含み、またはそれと任意で組み合わせて、第1または第2の受動回路のうちの1以上に含まれる第2コンデンサを形成するステップが集積回路のポリシリコン領域間に配置されるコンデンサ誘電体を形成するステップを含むことを任意で含むことができる。
【0047】
以上の非制限的な実施例のそれぞれは単独で行うことができ、または他の実施例の1以上との様々な順列もしくは組合せで組み合わせることができる。
上記詳細な説明は、詳細な説明の一部を成す添付の図面の参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施できる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は本明細書において「実施例」ともいう。当該実施例は図示または説明する要素とは別の要素を含むことができる。しかし、本発明者らは、図示または説明する要素のみが提供される実施例も企図している。また、本発明者らは、特定の実施例(もしくはその1以上の側面)、またはここに図示もしくは説明する他の実施例(もしくはその1以上の側面)に関して、図示もしくは説明する要素(もしくはその1以上の側面)のあらゆる組合せまたは順列を用いた実施例も企図している。
【0048】
本書と参照によりそのように組み込まれた文書との間に矛盾した使用がある場合、本書の使用が優先する。
本書において、「1つの」という用語は、特許文書で一般的なように、他の「少なくとも1つの」もしくは「1以上の」の例もしくは使用とは独立して、1つまたは1より多くを含むために使用される。本書において、「または、もしくは」という用語は非排他的であることをいうために使用され、または別途示されない限り、「AまたはB」は「AであるがBではない」、「BであるがAではない」および「AおよびB」を含むように使用される。以下の請求項において、「含む」および「具備する」という用語は非限定的であり、すなわち、請求項でその用語の後に列挙されている要素の他に要素を含むシステム、機器、物品、組成、配合またはプロセスは、なおその請求項の範囲内にあると見なされる。さらに、以下の請求項において、「第1」、「第2」および「第3」等の用語は単なる符号として使用しており、その対象に対して数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0049】
ここに説明する方法の実施例は、少なくとも部分的に機械またはコンピュータに実装できる。いくつかの実施例は、上記実施例で説明される方法を行うように電子機器を構成するように動作可能な命令で符号化されたコンピュータ読取可能媒体または機械読取可能媒体を含むことができる。当該方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードまたは同様なものなどのコードを含むことができる。当該コードは様々な方法を行うためのコンピュータ読取可能命令を含むことができる。コードはコンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。また、ある実施例では、コードは、実行中または他の時などに、1以上の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形コンピュータ読取可能媒体に有形に格納することができる。これらの有形コンピュータ読取可能媒体の実施例には、ハードディスク、取り外し可能磁気ディスク、取り外し可能光学ディスク(例、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリーカードもしくはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および同様なものを含むことができるが、これらに限定されない。
【0050】
上記の説明は例示的なものであり、制限的なものではない。例えば、前述の実施例(もしくはその1以上の側面)は互いに組み合わせて使用してもよい。上記説明を検討した当業者などは、他の実施形態を使用することができる。これは請求項の範囲もしくは意味を解釈または制限するために使用されないという了解の下に提出される。また、上記詳細な説明において、本開示を効率化するために様々な特徴をまとめていることがある。これは請求されていない開示された特徴がいずれかの請求項に必須であると意図しているものとして解釈するべきではない。むしろ、発明の主題は具体的に開示される実施形態のすべての特徴にあるとは限らない。したがって、以下の請求項はこれにより実施例または実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は個別の実施形態として単独で成り立ち、当該実施形態は様々な組合せまたは順列で互いに組み合わせることができることが企図されている。本発明の範囲は、請求項に権利が与えられる均等物の全範囲とともに、添付の請求項を参照して判断されるべきである。