特許第6227708号(P6227708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6227708通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227708
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/20 20150101AFI20171030BHJP
   G01S 19/35 20100101ALI20171030BHJP
   G01S 19/23 20100101ALI20171030BHJP
【FI】
   H04B17/20
   G01S19/35
   G01S19/23
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-102324(P2016-102324)
(22)【出願日】2016年5月23日
(65)【公開番号】特開2017-11688(P2017-11688A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2016年5月23日
(31)【優先権主張番号】10 2015 110 269.2
(32)【優先日】2015年6月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514045555
【氏名又は名称】インテル アイピー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ライナー ディルク クライエンカンプ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンリン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ハラルド ドップケ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ハンメス
【審査官】 木村 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−103713(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/052717(WO,A1)
【文献】 特開2009−246518(JP,A)
【文献】 特表2002−523959(JP,A)
【文献】 特開2009−092473(JP,A)
【文献】 米国特許第05640692(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/10− 1/14、 1/26− 1/28
1/60、 3/46− 3/493
15/00−17/40
G01S 5/00− 5/14、19/00−19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定する方法であって、
スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップであって、ローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有し、第2のローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の鏡面反転である周波数を有する、ステップと、
ダウンミックス信号を生成するために前記ローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスし、及び第2のダウンミックス信号を生成するために前記第2のローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスするステップと、
前記ダウンミックス信号の信号特性の値と前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値とを計算するステップと、
前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを有しない、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号のエネルギに関連する、請求項乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するステップは、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値との比を計算するステップを有する、請求項乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する方法であって、
スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップであって、ローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有し、第2のローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の鏡面反転である周波数を有する、ステップと、
ダウンミックス信号を生成するために前記ローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスし、及び第2のダウンミックス信号を生成するために前記第2のローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスするステップと、
前記ダウンミックス信号の信号特性の値と前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値とを計算するステップと、
前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するステップと、
を有する方法。
【請求項7】
前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、前記第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定するシステムであって、
スペクトルピークを有するテスト信号を生成するよう構成される信号生成器であって、
前記共通ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号と、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号と、を生成するよう構成され、
前記受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスし、第2のダウンミックス信号を生成するために、前記第2のローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、信号生成器と、
前記ダウンミックス信号の信号特性の値と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値と、を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号及び前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値を比較するよう構成される分析ユニットと、
を有するシステム。
【請求項9】
前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例は、イメージ除去自己診断に関する。特に、幾つかの例は、共通のローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定するシステム及び方法に関する。幾つかの例は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内蔵自己診断は、通信機の生産試験、監視、又は再較正のために使用され得る。ダウンミックス信号及びアップミックス信号を提供するために共通のローカル発振器を用いる通信機、例えば、(例えば受信信号に基づき)ダウンミックス信号を提供するために受信機の中で及び(例えば送信信号又はベースバンド信号に基づき)アップミックス信号を提供するために送信機の中で用いられるローカル発振器信号を提供する共通周波数合成器を有する通信機では、自己診断のためのテスト信号は、ローカル発振器信号の振幅変調により生成されても良い。生成されたテスト信号の周波数スペクトルは、搬送波周波数(つまり、ローカル発振器信号の周波数)に対して対称的な2つの側波帯を有する。通信機の多くのパラメータは、このような生成されたテスト信号の変調周波数を調整することによりテストされても良い。例えば、受信機の利得、周波数応答、及び線形性がテストされても良い。イメージ除去は、そのイメージ周波数、つまり受信機の中間周波数に対して等距離(equidistant)だが所望の周波数とは反対にある周波数における信号を排除する受信機の能力を表す。従来の方法で生成されるテスト信号は、ローカル発振器信号の周波数に対して同じ周波数オフセットを有する側波帯トーンの対を有する。したがって、それらは、(ローカル発振器信号の周波数に関して)互いにイメージとして作用する。したがって、テスト信号自体がイメージ成分を有するので、受信機のイメージ除去特性は、テスト信号によりテストすることができない。
【0003】
例えば、GPS(Global Positioning System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、ガリレオシステム又はBeiDouシステムを用いるGNSS受信機では、イメージ除去は重要な特長である。しかしながら、GNSS受信機を組み込んでいるシステムは、従来、送信段を有しないので、GNSS受信機のイメージ除去特性のために内部(内蔵)自己診断を提供することは、従来、可能ではない。
【0004】
したがって、通信機の中の受信機又は受信機のためのイメージ除去テストを向上するという要望がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
装置及び/又は方法の幾つかの例は、単に例として、及び添付の図面を参照して、以下に記載される。
図1】通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定するシステムの一例を示す。
図2】通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定するシステムの別の例を示す。
図3】周波数逓倍器の一例を示す。
図4】(a)は周波数逓倍器の入力信号の一例を示し、(b)は周波数逓倍器により提供される出力信号の一例を示し、(c)は(b)に示す出力信号のスペクトルの一例を示す。
図5】GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定するシステムの一例を示す。
図6】テスト信号のスペクトルの一例を示す。
図7】通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定するシステム及び/又はGNSS受信機のイメージ除去特性を決定するシステムを有するモバイル通信装置の一例を示す。
図8】GNSS受信機のイメージ除去特性を決定するシステムを有するナビゲーション装置を示す。
図9】通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定する方法の一例のフローチャートを示す。
図10】通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定する方法の別の例のフローチャートを示す。
図11】GNSS受信機のイメージ除去特性を決定する方法の一例のフローチャートを示す。
図12】GNSS受信機のイメージ除去特性を決定する方法の別の例のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
幾つかの例が示される添付の図面を参照して、種々の例が更に十分に記載される。図中、線、レイヤ、及び/又は領域の濃淡は、明確さのために誇張される場合がある。
【0007】
したがって、更なる例は種々の変更及び代替形式が可能であるが、それらの幾つかの例は、図に例として示され、以下に詳述される。しかしながら、例を開示の特定の形式に限定する意図はなく、むしろ、例は、本開示の範囲に包含される全ての変更、等価、及び代替をカバーすることが理解されるべきである。図の説明を通じて、同様の参照符号は、同様の又は類似の要素を表す。
【0008】
要素が別の要素に「接続される(connected)」又は「結合される(coupled)」として表されるとき、該要素が他の要素に直接接続又は結合され得ること又は中間要素が存在し得ることが理解される。対照的に、要素が別の要素に「直接接続される」又は「直接結合される」として表されるとき、中間要素は存在しない。要素間の関係を説明するために用いられる他の語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「間に」と「直接、間に」、「隣接して」と「直接隣接して」等)。
【0009】
本願明細書で用いられる用語は、特定の例を説明することのみを目的としており、更なる例の限定になることを意図しない。本願明細書で用いられるように、単数形(a、an、the)は、文脈上明確に示さない限り、複数形も包含する。用語「有する」、「含む」及び/又は「備える」(comprises、comprising、includes及び/真又はincluding)は、本願明細書で用いられるとき、記載される特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はそれらのグループの存在又は付加を排除しない。
【0010】
特に定められない限り、本願明細書で用いられる全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、例の関連する分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。さらに、用語、例えば一般に使用される辞書で定められる用語は、本願明細書で特に明示的に定めない限り、関連分野の文脈でそれらの意味に従う意味を有するとして解釈されるべきである。
【0011】
以下では、種々の例は、装置(例えば、携帯電話機、基地局)又は無線若しくはモバイル通信システムの中で使用される装置のコンポーネント(例えば、送信機、受信機)に関する。モバイル通信システムは、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、例えばGSM(Global System for Mobile Communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)、HSPA(High Speed Packet Access)、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)若しくはE−UTRAN(Evolved UTRAN)、LTE(Long Term Evolution)若しくはLTE−A(LTE−Advanced)により標準化されるモバイル通信システム、又は異なる標準、例えばWIMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)IEEE802.16又はWLAN(Wireless Local Area Network)IEEE802.11によるモバイル通信システム、通常、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)、等に基づく任意のシステムのうちの1つに対応しても良い。用語、モバイル通信システム及びモバイル通信ネットワークは、同義的に使用される場合がある。
【0012】
モバイル通信システムは、モバイル通信機と無線信号を通信するよう動作する複数の送信点又は基地局通信機を有しても良い。これらの例では、モバイル通信システムは、モバイル通信機、中継局通信機、及び基地局通信機を有しても良い。中継局通信機及び基地局通信機は、1又は複数の中央ユニット及び1又は複数のリモートユニットを有し得る。
【0013】
モバイル通信機又はモバイル装置は、スマートフォン、携帯電話機、ユーザ機器(UE)、ラップトップ、ノートブック、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、USB(Universal Serial Bus)スティック、タブレットコンピュータ、車、等に対応しても良い。モバイル通信機又は端末は、3GPP用語に従うとUE又はユーザとして表すこともできる。基地局通信機は、ネットワーク又はシステムの固定若しくは静止部分に置かれ得る。基地局通信機は、RRH(remote radio head)、送信点、アクセスポイント、マクロセル、スモールセル、マイクロセル、ピコセル、フェムトセル、メトロセル、等に対応しても良い。用語、スモールセルは、マクロセルより小さな任意のセル、つまりマイクロセル、ピコセル、フェムトセル、又はメトロセルを表しても良い。さらに、フェムトセルは、マイクロセルよりも小さいと考えられるピコセルより小さいと考えられる。基地局通信機は、有線ネットワークの無線インタフェースであり、UE、モバイル通信機又は中継通信機への無線信号の送信及び受信を可能にする。このような無線信号は、例えば、3GPPにより又は概して上述の列挙したシステムのうちの1又は複数に従って標準化されるような無線信号に従っても良い。したがって、基地局通信機は、NodeB、eNodeB、BTS、アクセスポイント、等に対応しても良い。中継局通信機は、基地局通信機と移動局通信機との間の通信経路の中にある中間ネットワークノードに対応しても良い。中継局通信機は、受信した信号をモバイル通信機から基地局通信機へ、又は受信した信号を基地局通信機から移動局通信機へ、それぞれ転送しても良い。
【0014】
モバイル通信システムは、セルラであっても良い。用語、セルは、送信点、リモートユニット、リモートヘッド、リモート無線ヘッド、基地局通信機、中継通信機、又はNodeB、eNodeBによりそれぞれ提供される無線サービスのカバレッジエリアを表す。用語、セル及び基地局通信機は、同義的に用いられる場合がある。幾つかの例では、セルは、セクタに対応しても良い。例えば、セクタは、基地局通信機又はリモートユニットの周りに角度のあるセクションをカバーする特性を提供するセクタアンテナを用いて達成され得る。幾つかの例では、基地局通信機又はリモートユニットは、例えば、それぞれ120度(3セルの場合)、60度(6セルの場合)のセクタをカバーする3個又は6個のセルを展開しても良い。同様に、中継通信機は、自身のカバレッジエリアの中に1又は複数のセルを確立しても良い。モバイル通信機は、少なくとも1つのセルに登録し又は関連付けされ得る。つまり、モバイル通信機は、セルに関連付けられて、専用チャネル、リンク若しくはコネクションを用いてデータがネットワークと関連付けられたセルのカバレッジエリアの中にいるモバイルとの間で交換できるようにしても良い。したがって、モバイル通信機は、中継局又は基地局通信機に直接又は間接的に登録し又は関連付けられても良い。ここで、間接的な登録又は関連付けは、1又は複数の中継通信機を通じても良い。
【0015】
図1は、通信機101の中の受信機110のイメージ除去特性を決定するシステム100の一例を示す。通信機101は、共通ローカル発振器130を用いて、ダウンミックス信号及びアップミックス信号を生成するために使用されるローカル発振器信号170を生成する(例えば、ローカル発振器信号170は、ダウンミックス信号を生成するために受信機110で、及びアップミックス信号を生成するために送信機で用いられる)。
【0016】
システム100は、テスト信号150を生成するために信号生成器120を有する。テスト信号150は、スペクトルピークを有する。つまり、テスト信号150の周波数スペクトルは、所与の周波数又は所与の周波数範囲において、近隣の周波数又は周波数範囲の振幅と比べて有意に増大した振幅を有する。テスト信号150は、受信機110の入力に供給される。
【0017】
ローカル発振器130(受信機110及び通信機101の送信機のための共通周波数合成器)は、ローカル発振器信号170を受信機110に供給する。ローカル発振器信号170は、テスト信号150のスペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有する。スペクトルピークの中心周波数は、例えば、スペクトルピークの下端カットオフ周波数及び上端カットオフ周波数の算術平均又は幾何平均として理解できる。したがって、ローカル発振器信号170の周波数は、スペクトルピークの中心周波数と比べて、オフセットの量だけ高く又は低くても良い。
【0018】
受信機110は、ダウンミックス信号160を生成するために、ローカル発振器信号170を用いてテスト信号150をダウンミックスする。例えば、受信機110は、ローカル発振器信号170を用いてテスト信号150を中間周波数(intermediate frequency:IF)にダウンコンバートするために1又は複数のミキサを有しても良い。幾つかの例では、IFはゼロ(つまり、0ヘルツ(Hz))であっても良い。ゼロのIFを用いる受信機は、ゼロIF受信機として知られている。幾つかの例では、IFは、非ゼロ周波数(例えば、数MHz)であっても良い。非ゼロIFを用いる受信機は、低IF受信機として知られている。
【0019】
ダウンミックス信号160は、分析ユニット140に供給される。分析ユニット140は、第1の周波数範囲におけるダウンミックス信号160の信号特性の第1の値を計算する。信号特性は、例えば、ダウンミックス信号160の信号強度又はエネルギであっても良い。例えば、分析ユニット140は、ダウンミックス信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)を決定しても良い。第1の周波数範囲は、ダウンミックス信号160の所望の信号成分に対応する。例えば、所望の信号成分は、ローカル発振器信号170の周波数をテスト信号のスペクトルピークの中心周波数から減算することにより、受信機110のミキサにより生成されても良い。したがって、所望の信号成分は、受信機110のIFから所望のオフセットを有する周波数を有しても良い。
【0020】
分析ユニットは、第2の周波数範囲におけるダウンミックス信号160の信号特性の第2の値を更に計算する。幾つかの例では、第1の周波数範囲及び第2の周波数範囲は、同じ幅を有しても良い。第2の周波数範囲は、ダウンミックス信号160の不要な成分に対応する。例えば(前段落の例を続けると)、所望の信号成分は、受信機110のIFに関して所望の信号成分の周波数オフセットの逆数である周波数オフセットを有するように、受信機110のミキサにより生成されても良い。つまり、所望の信号成分は、受信機110のIFに関して所望の信号成分のイメージであっても良い。
【0021】
分析ユニット140は、信号特性の第1の値と信号特性の第2の値とを比較する。信号特性の第1の値及び第2の値を比較することにより、分析ユニット140は、受信機110のイメージ除去特性を決定できる。例えば、信号特性は、エネルギであっても良い。したがって、分析ユニット140は、第1の周波数範囲のダウンミックス信号160のエネルギと、第2の周波数範囲のダウンミックス信号160のエネルギとを比較する。幾つかの例では、分析ユニット140は、信号特性の第1の値と信号特性の第2の値との比を計算しても良い。比は、不要な信号成分を除去する受信機110の能力を表すイメージ除去比と見なされても良い。
【0022】
信号生成器120は、ローカル発振器信号170とは独立に、テスト信号150を生成させても良い。特に、スペクトルピークの中心周波数は、ローカル発振器信号170の周波数とは独立であっても良い。したがって、テスト信号は、テスト信号150のダウンミックスのために使用される発振器信号170と独立である受信機110に供給されても良い。したがって、システム100は、テスト信号150に依存しない受信機110のイメージ除去特性を決定できる。したがって、システム100は、通信機の受信機について、イメージ除去自己診断を可能にできる。
【0023】
信号生成器120によりテスト信号150を生成することは、イメージ成分を有しないテスト信号の生成を可能にできる。幾つかの例では、テスト信号150は、ローカル発振器信号170の周波数に関してスペクトルピークの鏡面反転(mirror-inverted)である別のスペクトルピークを削除する(有しない)。例えば、テスト信号150は、ローカル発振器信号170の周波数と比べてオフセット分だけ高い中心周波数を有する(含む)スペクトルピークを有するが、ローカル発振器信号170の周波数と比べて該オフセット分だけ低い周波数においてスペクトルピークを有さなくても良い。テスト信号150はイメージ成分を有しないので、テスト信号150は、共通ローカル発振器を用いる通信機の中の受信機のイメージ除去特性を決定するために用いることができる。したがって、通信機の受信機の決定されたイメージ除去特性は、テスト信号と独立であり得る。したがって、システム100は、通信機の受信機について、イメージ除去自己診断を可能にできる。
【0024】
幾つかの例では、ローカル発振器130は、テスト信号150のスペクトルピークの中心周波数に関して、ローカル発振器信号170の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2の発振器信号171を更に生成しても良い。例えば、第2のローカル発振器信号171の周波数は、スペクトルピークの中心周波数と比べてオフセットの分だけ高くても良い。一方で、ローカル発振器信号170の周波数は、スペクトルピークの中心周波数と比べて該オフセットの分だけ低くても良い。つまり、ローカル発振器信号170及び第2のローカル発振器信号171は、スペクトルピークの中心周波数に関して対称である周波数を有して生成されても良い。ローカル発振器信号170は、ローカル発振器130により第1の時点で生成されても良い。一方で、第2のローカル発振器信号171は、ローカル発振器130により別の第2の時点で生成されても良い。
【0025】
受信機110は、第2のダウンミックス信号161を生成するために、第2のローカル発振器信号171を用いてテスト信号150をダウンミックスしても良い。幾つかの例では、テスト信号150は、ローカル発振器信号170の周波数に関してスペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを有しない、及び第2のローカル発振器信号171の周波数に関してスペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを有しない。分析ユニット140は、第1の周波数範囲における第2のダウンミックス信号161の信号特性の値を更に計算しても良い。前述の例では、第1の周波数範囲及び第2の周波数範囲は同じである。したがって、分析ユニット140は、第1の周波数範囲のダウンミックス信号160の信号特性の値を、第1の周波数範囲の第2のダウンミックス信号161の信号特性の値と比較することにより、イメージ除去特性を決定できる。
【0026】
ローカル発振器信号170及び第2のローカル発振器信号171を用いることにより、受信機110のイメージ除去特性は、単に第1の周波数範囲の信号成分を分析することにより決定できる。スペクトルピークの中心周波数に関して対称的な個別の周波数を有する2つの発振器信号の使用は、ダウンミックス信号160及び第2のダウンミックス信号161のうちの一方を、第1の周波数範囲の所望の信号成分として使用し、同時に、他方を第1の周波数範囲の不要な(イメージ)成分として使用することを可能にできる。したがって、第1の周波数範囲の両方の信号の信号特性を比較することにより、受信機110のイメージ除去特性は、従来の受信機のアーキテクチャのいかなる追加変更も有しないで決定できる。両方のローカル発振器信号について、個々のダウンミックス信号の信号強度又は信号エネルギは、第1の周波数範囲の中で決定されても良い。例えば、信号特性の値の比は、イメージ除去特性として、分析ユニット140により計算されても良い。
【0027】
システム100は、提案される概念の1又は複数の態様又は後述する1又は複数の例に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0028】
一般的に、幾つかの例は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定する手段に関する。イメージ除去特性を決定する手段は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段と、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成する手段と、を有する。受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、ローカル発振器信号を用いてテスト信号をダウンミックスするよう構成される。イメージ除去特性を決定する手段は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲のダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算し、ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲のダウンミックス信号の信号特性の第2の値を計算し、及びイメージ除去特性を生成するために第1の値及び第2の値を比較する手段を更に有する。
【0029】
幾つかの例は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定する手段に関する。イメージ除去特性を決定する手段は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段を有する。ローカル発振器は、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成し、及びスペクトルピークの中心周波数に関してローカル発振器信号の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号を生成するよう構成される。受信機は、ダウンミックス信号を生成するためにローカル発振器信号を用いてテスト信号をダウンミックスし、第2のダウンミックス信号を生成するために第2のローカル発振器信号を用いてテスト信号をダウンミックスするよう構成される。イメージ除去特性を決定する手段は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲のダウンミックス信号の信号特性の値及び第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算し、イメージ除去特性を生成するためにダウンミックス信号の信号特性の値及び第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算する手段を更に有する。
【0030】
受信機のイメージ除去特性を決定する手段は、上述の又は後述の受信機(例えば図1)のイメージ除去特性を決定するシステムにより実装されても良い。テスト信号を生成する手段は、上述の又は後述の信号生成器(例えば図1)により実装されても良い。信号特性の第1の値を計算し、信号特性の第2の値を計算し、及び第1の値と第2の値を比較する手段は、上述の又は後述の分析ユニット(例えば図1)により実装されても良い。ダウンミックス信号の信号特性の値を計算し、第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算し、及びダウンミックス信号の信号特性の値と第2のダウンミックス信号の信号特性の値とを比較する手段は、上述の又は後述の分析ユニット(例えば図1)により実装されても良い。
【0031】
図2は、通信機200の中の受信機110のイメージ除去特性を決定するシステムの別の例、及びテスト信号の生成の特定の例を示す。このような通信機の設計では、通信機の内部の全てのクロック信号は、基準周波数frefに基づいても良い。
【0032】
通信機200は、基準周波数frefを有する基準クロック信号275を生成するローカル発振器270を有する。基準クロック信号275は、周波数合成器230に供給される。周波数合成器230は、基準クロック信号275を用いて、周波数fLOを有するローカル発振器信号170を生成する。例えば、周波数合成器230は、基準クロック信号275に基づきローカル発振器信号170を生成するために、位相ロックドループ(Phase−locked loop:PLL)により制御される電圧制御発振器(Voltage−Controlled Oscillator:VCO)を有しても良い。
【0033】
ローカル発振器信号170は、受信機110の入力に供給される入力信号(RXIN)に基づきダウンミックス信号160(RXOUT)を生成するために、受信機110により使用される。受信機110は、入力信号を増幅するために第1の増幅器111を有する。さらに、受信機110は、増幅された入力信号をIFを有する信号にダウンミックスするミキサ112を有する。IFを有する信号は、ダウンミックス信号160を生成するために第2の増幅器113に供給される。
【0034】
ダウンミックス信号160は、処理ユニット240に供給される。(分析ユニットのような)処理ユニット240は、所与の周波数範囲について、ダウンミックス信号のRSSIを決定する。
【0035】
基準クロック信号275は、周波数逓倍器220に更に供給される。(信号生成器のような)周波数逓倍器220は、入力された基準クロック信号275の周波数frefの倍数である中心周波数を有するスペクトルピークを有するテスト信号150を生成する。例えば、テスト信号150は、n*fref(nは整数)の中心周波数を有するスペクトルピークを有する。テスト信号150は、高調波、つまり、...,(n−1)*fref,...,(n+1)*fref,...,において中心周波数を有するスペクトルピークを更に有しても良い。つまり、周波数逓倍器220は、通信機200のローカル発振器のために使用される、つまり受信機110のローカル発振器のために使用される基準信号の周波数を逓倍することにより、テスト信号150を生成する。
【0036】
テスト信号150は、受信機110のイメージ除去特性を決定するために、受信機110に入力として供給される。図2に示す通信機200は、半導体基板(例えば、半導体ダイ又は半導体チップ)に実装されても良い。幾つかの例では、テスト信号150は、半導体基板上の接続を介して(例えば、半導体チップの導電経路を介して)受信機110に供給されても良い。幾つかの例では、テスト信号150は、外部接続、つまり半導体チップの外部にある接続を介して、受信機110に供給されても良い。例えば、テスト信号150は、通信機の出力信号(TXOUT)として、通信機の出力280に供給されても良い。出力280は、(例えば、ワイヤ線を介して)通信機の入力290に結合されても良い。したがって、テスト信号150は、通信機の入力290を介して受信機110に供給される。
【0037】
受信機110のイメージ除去特性を決定するために、ダウンミックス信号160のRSSIは、第1の周波数範囲について及び第2の周波数範囲について、それぞれ、処理ユニット240により決定されても良い。処理ユニット240は、両方のRSSI値を比較することにより、イメージ除去特性を決定しても良い。代替で、周波数合成器230は、(ローカル発振器信号170の周波数に関してテスト信号150のスペクトルピークの中心周波数の鏡面反転である周波数を有する)第2の発振器信号を生成しても良い。したがって、受信機は、第2の発振器信号の第2のダウンミックス信号を生成できる。処理ユニット240は、共通(第1の)周波数範囲の2つのダウンミックス信号のRSSIを決定し、及び2つのRSSI値を比較することによりイメージ除去特性を決定できる。
【0038】
言い換えると、周波数逓倍器は、基準クロック又は任意の他の適切なデジタルクロックの逓倍である無線周波数(RF)テスト信号を生成するために使用されても良い。任意のクロック信号(例えば、図2に示す基準クロック)は、周波数逓倍器に供給されても良い。使用される高調波(テスト信号として提供される)のRF周波数は、受信機のローカル発振器周波数とは独立であっても良い。
【0039】
図2に示すシステムは、提案される概念の1又は複数の態様又は上述若しくは後述の1又は複数の例(例えば図1)に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0040】
図3は、図2に示す例において使用され得るときの、周波数逓倍器300の一例を示す。信号生成器300は、基準クロック発振器270に接続される。基準クロック信号275(基準信号)は、周波数逓倍器300のインバータ310に供給される。インバータ310は、基準クロック信号275により示される論理レベルを反転し、反転基準クロック信号をノード310に供給しても良い。したがって、基準信号に関連する信号は、ノード320に供給される。
【0041】
偶数個の直列接続された第1のインバータ330−1、...、330−8を有する第1の信号経路は、ノード310及びNANDゲート350の第1の入力に接続される。第1の信号経路は、図3に示すような8個の第1のインバータ330−1、...、330−8を有する実装に限定されない。第1の信号経路は、任意の偶数個のインバータを有しても良い。
【0042】
第2のインバータ340を有する第2の並列信号経路は、ノード及びNANDゲート350の第2の入力に接続される。第2の信号経路は、図3に示すような1個の第2のインバータ340を有する実装に限定されない。第2の信号経路は、任意の非偶数個のインバータを有しても良い。
【0043】
NANDゲート350は、その出力で、基準クロック信号275の周波数の逓倍である周波数におけるスペクトル成分を有する信号を提供する。つまり、NANDゲート350は、基準クロック信号275の高調波を含む信号を提供しても良い。信号生成器300は、NANDゲート350により提供される信号を反転するために、別のインバータ360を有する。反転された信号は、テスト信号150として提供されても良い。
【0044】
周波数逓倍器300は、提案される概念の1又は複数の態様又は前述若しくは後述の1又は複数の例に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0045】
図4(a)は、周波数逓倍器(例えば、図3に示す周波数逓倍器300)の入力信号400の一例を示す。例えば、図4(a)は、基準クロック信号275の一例を示しても良い。入力信号400は、約12ナノ秒(ns)の期間を有する等距離方形パルスを有する。しかしながら、周波数逓倍器の入力信号は、任意の期間を有するパルスを有しても良い。
【0046】
図4(b)は、周波数逓倍器(例えば、図3に示す周波数逓倍器300)により提供される出力信号410の一例を示す。例えば、出力信号410は、テスト信号150として提供されても良い。出力信号410は、図4(a)に示す入力信号400に基づく。出力信号410は、等距離方形パルスを有する。出力信号410のパルスの振幅は、実質的に、入力信号400のパルスの振幅と等しい。入力信号400のパルスの期間と比べて、出力信号410のパルスの期間は、有意に減少している。言い換えると、出力信号410は、基準クロック信号(例えば基準クロック信号275)によりクロック供給される狭いパルスを有し、及びほぼ等しい振幅を有する基準クロックの全ての高調波を含んでも良い。高調波の振幅は、パルス長及び供給電圧に依存しても良い。
【0047】
図4(c)は、図4(b)に示す出力信号410のスペクトル420の一例を示す。スペクトル420は、出力信号410が等距離スペクトルピーク420−1、...、420−6を有することを示す。スペクトルピーク420−1、...、420−6は、約50MHzだけ離れている。スペクトルピーク420−1、...、420−6の振幅は、近隣周波数又は周波数範囲においてスペクトル成分の振幅まで有意に増大される。出力信号410は、受信機のイメージ除去特性を決定するために使用されても良い。特に、受信機においてダウンミックスのために使用されるローカル発振器信号の周波数は、スペクトルピークの中心周波数と独立に選択されても良い。したがって、出力信号410は、イメージ成分を含まないように、提供されても良い。例えば、出力信号410は、隣接スペクトルピーク(例えば、スペクトルピーク420−3及び420−4)がローカル発振器信号の周波数に関して等距離周波数において設けられないように、提供されても良い。言い換えると、出力信号410は、隣接スペクトルピークがローカル発振器信号の周波数に関して対称的に提供されないように、提供されても良い。
【0048】
図5は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機510のイメージ除去特性を決定するシステム500の一例を示す。GNSS受信機110は、ダウンミックス信号560を生成するために使用されるローカル発振器信号570を生成するために、ローカル発振器530を有する(例えば、GNSS受信機510は、ローカル発振器信号570を用いて、入力信号をダウンミックス信号560にダウンコンバートするために、ミキサを有する)。GNSS受信機510のシステム500は、通信機101の受信機110のシステム100と同様に構成されても良い。
【0049】
システム500は、テスト信号550を生成するために信号生成器520を有する。テスト信号550はスペクトルピークを有する。テスト信号550は、GNSS受信機510の入力に供給される。ローカル発振器530は、ローカル発振器信号570をGNSS受信機510に供給する。ローカル発振器信号570は、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有する。GNSS受信機510は、ダウンミックス信号560を生成するために、ローカル発振器信号570を用いてテスト信号550をダウンミックスする。例えば、GNSS受信機510は、テスト信号550をダウンコンバートするために1又は複数のミキサを有しても良い。幾つかの例では、GNSS受信機510は、ゼロIF受信機であっても良い。幾つかの例では、GNSS受信機510は、低IF受信機であっても良い。
【0050】
ダウンミックス信号560は、分析ユニット540に供給される。分析ユニット540は、第1の周波数範囲におけるダウンミックス信号160の信号特性の第1の値を計算する。第1の周波数範囲は、ダウンミックス信号560の所望の信号成分に対応する。分析ユニットは、第2の周波数範囲におけるダウンミックス信号560の信号特性の第2の値を更に計算する。第2の周波数範囲は、ダウンミックス信号560の不要な成分に対応する。
【0051】
分析ユニット540は、信号特性の第1の値と信号特性の第2の値とを比較する。信号特性の第1の値及び第2の値を比較することにより、分析ユニット540は、GNSS受信機510のイメージ除去特性を決定できる。例えば、信号特性は、ダウンミックス信号560のエネルギであっても良い。したがって、分析ユニット540は、第1の周波数範囲のダウンミックス信号560のエネルギと、第2の周波数範囲のダウンミックス信号560のエネルギとを比較する。幾つかの例では、分析ユニット540は、信号特性の第1の値と信号特性の第2の値との比を計算しても良い。比は、不要な信号成分を除去するGNSS受信機510の能力を表すイメージ除去比と見なされても良い。
【0052】
信号生成器520は、ローカル発振器信号570とは独立に、テスト信号550を生成させても良い。特に、スペクトルピークの中心周波数は、ローカル発振器信号570の周波数とは独立であっても良い。したがって、テスト信号は、テスト信号550のダウンミックスのために使用される発振器信号570と独立であるGNSS受信機510に供給されても良い。したがって、システム550は、テスト信号550に依存しないGNSS受信機510のイメージ除去特性を決定できる。したがって、システム500は、GNSS受信機について、イメージ除去自己診断を可能にできる。
【0053】
信号生成器520によりテスト信号550を生成することは、イメージ成分を有しないテスト信号の生成を可能にできる。幾つかの例では、テスト信号550は、ローカル発振器信号570の周波数に関してスペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する(有しない)。例えば、テスト信号550は、ローカル発振器信号570の周波数と比べてオフセット分だけ高い中心周波数を有するスペクトルピークを有するが、ローカル発振器信号570の周波数と比べて該オフセット分だけ低い周波数においてスペクトルピークを有さなくても良い。テスト信号550はイメージ成分を有しないので、テスト信号550は、GNSS受信機のイメージ除去特性を決定するために用いることができる。したがって、GNSS受信機の決定されたイメージ除去特性は、テスト信号と独立であり得る。したがって、システム100は、GNSS受信機について、イメージ除去自己診断を可能にできる。
【0054】
図1に示すシステム100と同様に、幾つかの例では、ローカル発振器530は、テスト信号550のスペクトルピークの中心周波数に関して、ローカル発振器信号570の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2の発振器信号571を更に生成しても良い。ローカル発振器信号570は、ローカル発振器530により第1の時点で生成されても良い。一方で、第2のローカル発振器信号571は、ローカル発振器530により別の第2の時点で生成されても良い。
【0055】
GNSS受信機510は、第2のダウンミックス信号561を生成するために、第2のローカル発振器信号571を用いてテスト信号550をダウンミックスしても良い。分析ユニット540は、第1の周波数範囲における第2のダウンミックス信号561の信号特性の値を計算しても良い(つまり、第1の周波数範囲と第2の周波数範囲は同じである)。したがって、分析ユニット540は、第1の周波数範囲のダウンミックス信号560の信号特性の値を、第1の周波数範囲の第2のダウンミックス信号561の信号特性の値と比較することにより、イメージ除去特性を計算できる。
【0056】
ローカル発振器信号570及び第2のローカル発振器信号571を使用することにより、GNSS受信機510のイメージ除去特性は、単に第1の周波数範囲における信号成分を分析することにより決定できる。スペクトルピークの中心周波数に関して対称的な個別の周波数を有する2つの発振器信号の使用は、ダウンミックス信号560及び第2のダウンミックス信号561のうちの一方を、第1の周波数範囲の所望の信号成分として使用し、同時に、他方を第1の周波数範囲の不要な(イメージ)成分として使用することを可能にできる。したがって、第1の周波数範囲の両方の信号の信号特性を比較することにより、GNSS受信機510のイメージ除去特性は、従来のGNSS受信機のアーキテクチャのいかなる追加変更も有しないで決定できる。両方のローカル発振器信号について、個々のダウンミックス信号の信号強度又は信号エネルギは、第1の周波数範囲の中で計算されても良い。例えば、信号特性の値の比は、イメージ除去特性として、分析ユニット540により決定されても良い。
【0057】
システム500は、提案される概念の1又は複数の態様又は上述若しくは後述の1又は複数の例(例えば図1乃至4)に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0058】
概して、幾つかの例は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する手段に関する。イメージ除去特性を決定する手段は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段と、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成する手段と、を有する。受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、ローカル発振器信号を用いてテスト信号をダウンミックスするよう構成される。イメージ除去特性を決定する手段は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲のダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算し、ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲のダウンミックス信号の信号特性の第2の値を計算し、及びイメージ除去特性を生成するために第1の値及び第2の値を比較する手段を更に有する。
【0059】
幾つかの例は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する手段に関する。イメージ除去特性を決定する手段は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段を有する。ローカル発振器は、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成し、及びスペクトルピークの中心周波数に関してローカル発振器信号の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号を生成するよう構成される。受信機は、ダウンミックス信号を生成するためにローカル発振器信号を用いてテスト信号をダウンミックスし、第2のダウンミックス信号を生成するために第2のローカル発振器信号を用いてテスト信号をダウンミックスするよう構成される。イメージ除去特性を決定する手段は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲のダウンミックス信号の信号特性の値及び第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算し、イメージ除去特性を生成するためにダウンミックス信号の信号特性の値及び第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算する手段を更に有する。
【0060】
GNSS受信機のイメージ除去特性を決定する手段は、上述の又は後述のGNSS受信機(例えば図5)のイメージ除去特性を決定するシステムにより実装されても良い。テスト信号を生成する手段は、上述の又は後述の信号生成器(例えば図5)により実装されても良い。ローカル発振器信号を生成する手段は、上述の又は後述のローカル発振器(例えば図5)により実装されても良い。信号特性の第1の値を計算し、信号特性の第2の値を計算し、及び第1の値と第2の値を比較する手段は、上述の又は後述の分析ユニット(例えば図5)により実装されても良い。ダウンミックス信号の信号特性の値を計算し、第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算し、及びダウンミックス信号の信号特性の値と第2のダウンミックス信号の信号特性の値とを比較する手段は、上述の又は後述の分析ユニット(例えば図5)により実装されても良い。
【0061】
図6は、本願明細書に記載の例(例えば、テスト信号150又はテスト信号550)によるテスト信号650のスペクトルの一例を示す。テスト信号650の例は、周波数(n−1)*fref、n*fref、(n+1)*frefにおいて少なくとも3個のスペクトルピークを有する。つまり、テスト信号650は、複数のスペクトルピークを有しても良い。例えば、テスト信号650は、図2に示す周波数逓倍器220により生成されても良い。
【0062】
周波数fLO,RXを有するローカル発振器信号670は、ダウンミックス信号660を生成するために(例えばミキサを有する)受信機の中で使用されても良い。ダウンミックス信号660は、周波数(n−1)*fref−fLO,RX、n*fref−fLO,RX、及び(n+1)*fref−fLO,RXにおいて少なくとも3個のスペクトルピークを有する。
【0063】
周波数fwanted=n*fref−fLO,RXにおけるスペクトルピークは、ダウンコンバートされた信号660の所望の信号成分の一例であっても良い。周波数n*frefにおけるスペクトルピークをダウンミックスすることにより、受信機(例えば、受信機のミキサ)は、周波数fimageにおけるダウンミックス信号660の中の信号成分を更に生成しても良い。周波数fimageは、受信機のfIFにおけるIF(例えば、ゼロIF又は低IF)に関して所望のイメージ成分の周波数fwantedの鏡面反転である。
【0064】
図6から分かるように、テスト信号650は、ローカル発振器信号の周波数fLO,RXに関してn*frefにあるスペクトルピークと対称的なスペクトルピークを有しない。したがって、周波数fimageにおけるイメージ信号成分は、受信機の特性に関連するが、テスト信号650には関連しない。したがって、受信機のイメージ除去特性は、テスト信号による制限無しに決定され得る。
【0065】
代替で、周波数fLO,RX2を有する第2のローカル発振器信号は、第2のダウンコンバートされた信号を提供するために受信機の中で用いられても良い。第2のローカル発振器信号671の周波数fLO,RX2は、ローカル発振器信号670と比べて、n*frefにあるスペクトルピークからの鏡面反転オフセットを有する。したがって、受信機におけるスペクトルピークのダウンミックスは、n*fref−fLO,RX2=fimageにおける所望のスペクトルピーク及びfwantedにおける不要成分を提供する。fwantedにおけるダウンコンバートされた信号660の所望の信号成分の信号特性(例えば信号強度又は信号エネルギ)の値、及びfwantedにおける第2のダウンコンバートされた信号の不要信号成分の信号特性の値を比較することにより、fwantedにおける受信機のイメージ除去特性が決定され得る。例えば、信号特性の値の比が計算されても良い。
【0066】
言い換えると、ローカル発振器周波数の適切な設定により、高調波のうちの1つは、受信機(RX)帯域幅の内部に存在することができ、分析ユニットにより(例えば、図2に示すようなベースバンドRSSI検出により)検出され得る。使用される高調波のイメージ周波数には信号成分が存在しなくても良い。したがって、イメージ除去は、テスト信号による制限無しに決定され得る。例えば、イメージ除去は、受信機のローカル発振器周波数をfLO,RX1=n*fREF−fwantedに、及びfLO,RX2=n*fREF−fwantedに設定することにより測定され得る。2つの設定により、信号強度はfwantedにおいて測定され得る。2つの信号強度の比は、受信機のイメージ除去であり得る。
【0067】
提案の概念の1又は複数の態様に又は上述の1又は複数の例によるイメージ除去特性決定を用いる実装の一例は、図7に示される。図7は、本願明細書に記載の一例による通信機101の中の受信機110のイメージ除去特性を決定するシステム100及び/又は本願明細書に記載の一例によるGNSS受信機510のイメージ除去特性を決定するシステム500を有するモバイル通信装置の一例を概略的に示す。モバイル通信装置700のアンテナ要素710は、通信機101及び/又はGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機510に結合されても良い。この目的のために、モバイル通信装置700は、通信機の受信機及び/又はGNSS受信機のイメージ除去自己診断を可能にするよう提供され得る。例えば、優れたイメージ除去を要求するGSM技術を用いるモバイル通信装置700では、受信機の設定の再調整の必要性を検出するために、受信機110のイメージ除去特性は、その製品寿命の間に繰り返し決定されても良い。したがって、モバイル通信装置700の信頼できるGSM機能を保証するために必要な場合には、受信機110のイメージ除去能力は、再調整されても良い。
【0068】
図8は、提案の概念の1又は複数の態様に又は上述の1又は複数の例によるイメージ除去特性決定を用いる実装の一例を示す。図8は、本願明細書に記載の一例によるGNSS受信機510のイメージ除去特性を決定するシステム500を有するナビゲーション装置800の一例を概略的に示す。ナビゲーション装置800のアンテナ要素810は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機510に結合されても良い。ナビゲーションシステムは、例えばディスプレイ830(例えば、タッチディスプレイ)又は入力ボタン(図示しない)のような更なる任意的な要素を有しても良い。この目的のために、ナビゲーション装置は、GNSS受信機510のイメージ除去自己診断を可能にするよう提供され得る。
【0069】
図9は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部にある受信機のイメージ除去特性を決定する方法900の一例を、フローチャートを用いて示す。方法は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップ902を有する。さらに、方法は、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するステップ904を有する。方法は、ダウンミックス信号を生成するために、ローカル発振器信号を用いて、受信機においてテスト信号をダウンミックスするステップ906を有する。さらに、方法は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲におけるダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算するステップ908と、ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲におけるダウンミックス信号の信号特性の第2の値を計算するステップ910と、を有する。方法は、イメージ除去特性を生成するために、第1の値と第2の値を比較するステップ912を更に有する。
【0070】
方法の更なる詳細及び態様は、提案する概念又は上述若しくは後述の1又は複数の例(例えば、図1〜8)と関連して、説明される。方法は、提案される概念の1又は複数の態様又は前述若しくは後述の1又は複数の例に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0071】
図10は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部にある受信機のイメージ除去特性を決定する別の方法1000の一例を、フローチャートを用いて示す。方法は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップ1002を有する。さらに、方法は、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号と、スペクトルピークの中心周波数に関してローカル発振器信号の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号と、を生成するステップ1004を有する。方法は、ダウンミックス信号を生成するためにローカル発振器信号を用いて受信機においてテスト信号をダウンミックスするステップ1006と、第2のダウンミックス信号を生成するために第2のローカル発振器信号を用いて受信機においてテスト信号をダウンミックスするステップ1008と、を有する。さらに、方法は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲におけるダウンミックス信号の信号特性の値を計算するステップ1010と、該周波数範囲における第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算するステップ1012と、を有する。方法は、イメージ除去特性を生成するために、ダウンミックス信号の信号特性の値と、第2のダウンミックス信号の信号特性の値と、を比較するステップ1014を更に有する。
【0072】
方法の更なる詳細及び態様は、提案する概念又は上述若しくは後述の1又は複数の例(例えば、図1〜8)と関連して、説明される。方法は、提案される概念の1又は複数の態様又は前述若しくは後述の1又は複数の例に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0073】
図11は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する方法1100の一例を、フローチャートにより示す。方法は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップ1102を有する。さらに、方法は、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するステップ1104を有する。方法は、ダウンミックス信号を生成するために、ローカル発振器信号を用いて、受信機においてテスト信号をダウンミックスするステップ1106を有する。さらに、方法は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲におけるダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算するステップ1108と、ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲におけるダウンミックス信号の信号特性の第2の値を計算するステップ1110と、を有する。方法は、イメージ除去特性を生成するために、第1の値と第2の値を比較するステップ1112を更に有する。
【0074】
方法の更なる詳細及び態様は、提案する概念又は上述若しくは後述の1又は複数の例(例えば、図1〜8)と関連して、説明される。方法は、提案される概念の1又は複数の態様又は前述若しくは後述の1又は複数の例に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0075】
図12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する別の方法1200の一例を、フローチャートにより示す。方法は、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップ1202を有する。さらに、方法は、スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号と、スペクトルピークの中心周波数に関してローカル発振器信号の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号と、を生成するステップ1204を有する。方法は、ダウンミックス信号を生成するためにローカル発振器信号を用いて受信機においてテスト信号をダウンミックスするステップ1206と、第2のダウンミックス信号を生成するために第2のローカル発振器信号を用いて受信機においてテスト信号をダウンミックスするステップ1208と、を有する。さらに、方法は、ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲におけるダウンミックス信号の信号特性の値を計算するステップ1210と、該周波数範囲における第2のダウンミックス信号の信号特性の値を計算するステップ1212と、を有する。方法は、イメージ除去特性を生成するために、ダウンミックス信号の信号特性の値と、第2のダウンミックス信号の信号特性の値と、を比較するステップ1214を更に有する。
【0076】
方法の更なる詳細及び態様は、提案する概念又は上述の1又は複数の例(例えば、図1〜8)と関連して、説明される。方法は、提案される概念の1又は複数の態様又は前述の1又は複数の例に対応する1又は複数の追加の任意の特徴を有しても良い。
【0077】
本願明細書に記載のような例は、以下に纏められる。
【0078】
例1は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定する方法であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップと、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するステップと、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスするステップと、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算するステップと、前記ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の前記信号特性の第2の値を計算するステップと、前記イメージ除去特性を生成するために、前記第1の値及び前記第2の値を比較するステップと、を有する方法である。
【0079】
例2では、例1の方法において、前記第1の周波数範囲の中心周波数は、中間周波数からのオフセットを有し、前記第2の周波数範囲は、前記中間周波数に関して前記第1の周波数範囲の鏡面反転である。
【0080】
例3では、例2の方法において、中間周波数はゼロである。
【0081】
例4では、例1乃至3のいずれか一項に記載の方法において、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0082】
例5では、例4の記載の方法において、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0083】
例6では、例1乃至5のいずれか一項に記載の方法において、前記信号特性の前記第1の値は、前記第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記信号特性の前記第2の値は、前記第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0084】
例7では、例1乃至6のいずれか一項に記載の方法において、前記信号特性の前記第1の値及び前記信号特性の前記第2の値を比較するステップは、前記信号特性の前記第1の値と前記信号特性の前記第2の値との比を計算するステップを有する。
【0085】
例8は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定する方法であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップであって、ローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有し、第2のローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の鏡面反転である周波数を有する、ステップと、ダウンミックス信号を生成するために前記ローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスし、及び第2のダウンミックス信号を生成するために前記第2のローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスするステップと、前記ダウンミックス信号の信号特性の値と前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値とを計算するステップと、前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するステップと、を有する方法である。
【0086】
例9では、例8に記載の方法において、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを有しない。
【0087】
例10では、例9の記載の方法において、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0088】
例11では、例8乃至10のいずれか一項に記載の方法において、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0089】
例12では、例8乃至11のいずれか一項に記載の方法において、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するステップは、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値との比を計算するステップを有する。
【0090】
例13は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する方法であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップと、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するステップと、ダウンミックス信号を生成するために、前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスするステップと、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算するステップと、前記ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の前記信号特性の第2の値を計算するステップと、前記イメージ除去特性を生成するために、前記第1の値及び前記第2の値を比較するステップと、を有する方法である。
【0091】
例14では、例13の方法において、前記第1の周波数範囲の中心周波数は、中間周波数からのオフセットを有し、前記第2の周波数範囲は、前記中間周波数に関して前記第1の周波数範囲の鏡面反転である。
【0092】
例15では、例14の方法において、中間周波数はゼロである。
【0093】
例16では、例13乃至15のいずれか一項に記載の方法において、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0094】
例17では、例16の記載の方法において、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0095】
例18では、例13乃至17のいずれか一項に記載の方法において、前記信号特性の前記第1の値は、前記第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記信号特性の前記第2の値は、前記第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0096】
例19では、例13乃至18のいずれか一項に記載の方法において、前記信号特性の前記第1の値及び前記信号特性の前記第2の値を比較するステップは、前記信号特性の前記第1の値と前記信号特性の前記第2の値との比を計算するステップを有する。
【0097】
例20は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する方法であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するステップであって、ローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有し、第2のローカル発振器信号は、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の鏡面反転である周波数を有する、ステップと、ダウンミックス信号を生成するために前記ローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスし、及び第2のダウンミックス信号を生成するために前記第2のローカル発振器信号を用いて前記受信機において前記テスト信号をダウンミックスするステップと、前記ダウンミックス信号の信号特性の値と前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値とを計算するステップと、前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するステップと、を有する方法である。
【0098】
例21では、例20に記載の方法において、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0099】
例22では、例21の記載の方法において、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0100】
例23では、例20乃至22のいずれか一項に記載の方法において、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0101】
例24では、例20乃至23のいずれか一項に記載の方法において、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するステップは、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値との比を計算するステップを有する。
【0102】
例25は、プログラムがコンピュータ又はプロセッサにより実行されると、例1乃至24のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する該プログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体である。
【0103】
例26は、コンピュータプログラムがコンピュータ又はプロセッサにより実行されると、例1乃至24のいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成されるプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0104】
例27は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定するシステムであって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するよう構成される信号生成器であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するよう構成され、前記受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、信号生成器と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算し、前記ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の前記信号特性の第2の値を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記第1の値及び前記第2の値を比較するよう構成される分析ユニットと、を有するシステムである。
【0105】
例28では、例27のシステムにおいて、前記第1の周波数範囲の中心周波数は、中間周波数からのオフセットを有し、前記第2の周波数範囲は、前記中間周波数に関して前記第1の周波数範囲の鏡面反転である。
【0106】
例29では、例28のシステムにおいて、中間周波数はゼロである。
【0107】
例30では、例27乃至29のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0108】
例31では、例30の記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0109】
例32では、例27乃至31のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記信号特性の前記第1の値は、前記第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記信号特性の前記第2の値は、前記第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0110】
例33では、例27乃至32のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記分析ユニットは、前記信号特性の前記第1の値及び前記信号特性の前記第2の値の比を計算することにより、前記信号特性の前記第1の値と前記信号特性の前記第2の値とを比較するよう構成される。
【0111】
例34では、請求項27又は33に記載のシステムにおいて、前記信号生成器は、前記ローカル発振器のために使用される基準信号の周波数を逓倍することにより、前記テスト信号を生成するよう構成される。
【0112】
例35では、例34のシステムにおいて、前記信号生成器は、ノードとNANDゲートの第1の入力とに接続される偶数個の直列接続された第1のインバータと、前記ノードと前記NANDゲートの第2の入力とに接続される奇数個の直列接続された第2のインバータと、を有し、前記基準信号に関連する信号は前記ノードに供給される。
【0113】
例36は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定するシステムであって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するよう構成される信号生成器であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号と、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号と、を生成するよう構成され、前記受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスし、第2のダウンミックス信号を生成するために、前記第2のローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、信号生成器と、前記ダウンミックス信号の信号特性の値と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値と、を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号及び前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値を比較するよう構成される分析ユニットと、を有するシステムである。
【0114】
例37では、例36に記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0115】
例38では、例37の記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0116】
例39では、例36乃至38のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0117】
例40では、例36乃至39のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記分析ユニットは、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値との比を計算することにより、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するよう構成される。
【0118】
例41では、請求項36乃至40のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記信号生成器は、前記ローカル発振器のために使用される基準信号の周波数を逓倍することにより、前記テスト信号を生成するよう構成される。
【0119】
例42では、例41のシステムにおいて、前記信号生成器は、ノードとNANDゲートの第1の入力とに接続される偶数個の直列接続された第1のインバータと、前記ノードと前記NANDゲートの第2の入力とに接続される奇数個の直列接続された第2のインバータと、を有し、前記基準信号に関連する信号は前記ノードに供給される。
【0120】
例43は、ローカル発振器を用いるGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定するシステムであって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するよう構成される信号生成器であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するよう構成され、前記GNSS受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、信号生成器と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算し、前記ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の前記信号特性の第2の値を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記第1の値及び前記第2の値を比較するよう構成される分析ユニットと、を有するシステムである。
【0121】
例44では、例43のシステムにおいて、前記第1の周波数範囲の中心周波数は、中間周波数からのオフセットを有し、前記第2の周波数範囲は、前記中間周波数に関して前記第1の周波数範囲の鏡面反転である。
【0122】
例45では、例44のシステムにおいて、中間周波数はゼロである。
【0123】
例46では、例43乃至45のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0124】
例47では、例46の記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0125】
例48では、例43乃至47のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記信号特性の前記第1の値は、前記第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記信号特性の前記第2の値は、前記第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0126】
例49では、例43乃至48のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記分析ユニットは、前記信号特性の前記第1の値及び前記信号特性の前記第2の値の比を計算することにより、前記信号特性の前記第1の値と前記信号特性の前記第2の値とを比較するよう構成される。
【0127】
例50では、請求項43乃至49のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記信号生成器は、前記ローカル発振器のために使用される基準信号の周波数を逓倍することにより、前記テスト信号を生成するよう構成される。
【0128】
例51では、例50のシステムにおいて、前記信号生成器は、ノードとNANDゲートの第1の入力とに接続される偶数個の直列接続された第1のインバータと、前記ノードと前記NANDゲートの第2の入力とに接続される奇数個の直列接続された第2のインバータと、を有し、前記基準信号に関連する信号は前記ノードに供給される。
【0129】
例52は、ローカル発振器を用いるGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定するシステムであって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成するよう構成される信号生成器であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成し、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号を生成するよう構成され、前記受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスし、第2のダウンミックス信号を生成するために、前記第2のローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、信号生成器と、前記ダウンミックス信号の信号特性の値と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値と、を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号及び前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値を比較するよう構成される分析ユニットと、を有するシステムである。
【0130】
例53では、例52に記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、前記第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0131】
例54では、例53の記載のシステムにおいて、前記テスト信号は、複数の等距離スペクトルピークを有する。
【0132】
例55では、例52乃至54のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記ダウンミックス信号のエネルギに関連し、前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値は、前記周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号のエネルギに関連する。
【0133】
例56では、例52乃至55のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記分析ユニットは、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値との比を計算することにより、前記ダウンミックス信号の前記信号特性の前記値と前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値とを比較するよう構成される。
【0134】
例57では、請求項52乃至56のいずれか一項に記載のシステムにおいて、前記信号生成器は、前記ローカル発振器のために使用される基準信号の周波数を逓倍することにより、前記テスト信号を生成するよう構成される。
【0135】
例58では、例57のシステムにおいて、前記信号生成器は、ノードとNANDゲートの第1の入力とに接続される偶数個の直列接続された第1のインバータと、前記ノードと前記NANDゲートの第2の入力とに接続される奇数個の直列接続された第2のインバータと、を有し、前記基準信号に関連する信号は前記ノードに供給される。
【0136】
例59は、共通ローカル発振器を用いる通信機であって、例27乃至42のいずれか一項に記載の通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定するシステムを有する通信機である。
【0137】
例60では、例59の送信機は、ローカル発振器信号を用いてアップミックス信号を生成するよう構成される送信機を更に有する。
【0138】
例61は、例59又は60に記載の通信機及び/又は例43乃至58のいずれか一項に記載のGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定するシステムを有するモバイル通信装置である。
【0139】
例62では、例61のモバイル通信装置は、前記通信機及び/又は前記GNSS受信機に結合される少なくとも1つのアンテナを更に有する。
【0140】
例63は、例43乃至58のいずれか一項に記載のGNSS受信機のイメージ除去特性を決定するシステムを有するナビゲーション装置である。
【0141】
例64は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定する手段であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するよう構成され、前記受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、手段と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算し、前記ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の前記信号特性の第2の値を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記第1の値及び前記第2の値を比較する手段と、を有する手段である。
【0142】
例65では、例64の手段において、前記第1の周波数範囲の中心周波数は、中間周波数からのオフセットを有し、前記第2の周波数範囲は、前記中間周波数に関して前記第1の周波数範囲の鏡面反転である。
【0143】
例66は、共通ローカル発振器を用いる通信機の内部の受信機のイメージ除去特性を決定する手段であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成し、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号を生成するよう構成され、前記受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスし、第2のダウンミックス信号を生成するために、前記第2のローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、手段と、前記ダウンミックス信号の信号特性の値と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値と、を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号及び前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値を比較する手段と、を有する手段である。
【0144】
例67では、例66に記載の手段において、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、第2のローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0145】
例68は、ローカル発振器を用いるGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する手段であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成するよう構成され、前記GNSS受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、手段と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の信号特性の第1の値を計算し、前記ダウンミックス信号の不要な信号成分に対応する第2の周波数範囲における前記ダウンミックス信号の前記信号特性の第2の値を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記第1の値及び前記第2の値を比較する手段と、を有する手段である。
【0146】
例69では、例68の手段において、前記第1の周波数範囲の中心周波数は、中間周波数からのオフセットを有し、前記第2の周波数範囲は、前記中間周波数に関して前記第1の周波数範囲の鏡面反転である。
【0147】
例70は、ローカル発振器を用いるGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機のイメージ除去特性を決定する手段であって、スペクトルピークを有するテスト信号を生成する手段であって、前記ローカル発振器は、前記スペクトルピークの中心周波数からのオフセットを有する周波数を有するローカル発振器信号を生成し、前記スペクトルピークの前記中心周波数に関して前記ローカル発振器信号の周波数の鏡面反転である周波数を有する第2のローカル発振器信号を生成するよう構成され、前記受信機は、ダウンミックス信号を生成するために、前記ローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスし、第2のダウンミックス信号を生成するために、前記第2のローカル発振器信号を用いて前記テスト信号をダウンミックスするよう構成される、手段と、前記ダウンミックス信号の信号特性の値と、前記ダウンミックス信号の所望の信号成分に対応する第1の周波数範囲における前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の値と、を計算し、前記イメージ除去特性を生成するために、前記ダウンミックス信号及び前記第2のダウンミックス信号の前記信号特性の前記値を比較する手段と、を有する手段である。
【0148】
例71では、例70に記載の手段において、前記テスト信号は、前記ローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除し、前記テスト信号は、更なるローカル発振器信号の周波数に関して前記スペクトルピークの鏡面反転である別のスペクトルピークを削除する。
【0149】
例は、コンピュータプログラムがコンピュータ又はプロセッサにより実行されると、上述の方法のうちの1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムを更に提供し得る。当業者は、種々の上述の方法のステップがプログラムされたコンピュータにより実行されても良いことを直ちに理解する。本願明細書では、幾つかの例は、機械若しくはコンピュータ可読であり機械実行可能若しくはコンピュータ実行可能プログラム命令であって、該命令は上述の方法の動作のうちの一部若しくは全部を実行する、命令を符号化するプログラム記憶装置、例えばデジタルデータ記憶媒体も包含することを意図する。プログラム記憶装置は、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスク及び磁気テープのような磁気記憶媒体、ハードドライブ、又は光学可読デジタルデータ記憶媒体であっても良い。更なる例は、上述の方法の動作を実行するようプログラミングされるコンピュータ、又は上述の方法の動作を実行するようプログラミングされた(F)PLA((field)programmable logic array)若しくは(F)PGA((field)programmable gate array)も包含することを意図する。
【0150】
説明及び図面は、単に本開示の原理を説明するだけである。したがって、当業者は種々の構成を考案できることが理解される。これらの構成は、本願明細書に明示的に記載又は示されないが、本開示の原理を具現化し本発明の精神と範囲に包含される。さらに、本願明細書に記載された全ての例は、単に教育上の目的で、読者が本開示の原理及び発明者により考案された概念を理解するのを助け、技術を促進させるためであり、これらの特に記載された例及び条件に限定されないものと考えられるべきである。さらに、本願明細書における本開示の原理、態様、及び例、並びにそれらの特定の例を引用する全ての記載は、それらと等価なものを包含すると考えられる。
【0151】
(特定の機能を実行する)「〜する手段」のように示される機能ブロックは、それぞれ、特定の機能を実行するよう構成される開路を有する機能ブロックとして理解されるべきである。したがって、「〜する手段(means for s.th.)」は、「〜するよう構成される又は〜するのに適する手段(means configured to or suited for s.th.)」として理解できる。したがって、特定の機能を実行するよう構成される手段は、そのような手段が必ずしも(所与の時点において)該機能を実行していることを意味しない。
【0152】
「手段」、「センサ信号を提供する手段」、「送信信号を生成する手段」、等のようにラベル付けされる任意の機能ブロックを含む、図示される種々の要素の機能は、「信号プロバイダ」、「信号処理ユニット」、「プロセッサ」、「制御部」、等のような専用ハードウェア並びに適切なソフトウェアに関連するソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用を通じて提供されても良い。さらに、本願明細書に記載の任意のエンティティは、「1又は複数のモジュール」、「1又は複数の装置」、「1又は複数のユニット」等に対応し又はそのように実装されても良い。プロセッサにより提供されるとき、機能は、単一の専用プロセッサにより、単一の共有プロセッサにより、又はいくつかが共有され得る複数の個々のプロセッサにより、提供されても良い。さらに、用語「プロセッサ」又は「制御部」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に表すと考えられるべきではなく、DSP(digital signal processor)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)、ソフトウェアを格納するROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、不揮発性記憶装置、等を黙示的に包含するがこれらに限定されない。他のハードウェア、つまり従来及び/又はカスタムのものも含まれてもよい。
【0153】
当業者により、本願明細書で提示される任意のブロック図は本開示の原理を具現化する説明のための回路の概念図を提示するものであることが理解されるべきである。同様に、如何なるフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コード等は種々の処理を表し、コンピュータ可読媒体に実質的に表現されてもよく、従ってコンピュータ又はプロセッサにより実行されてもよく、該コンピュータ又はプロセッサが明示されているか否かを問題としないことが理解される。
【0154】
さらに、添付の請求項は、各請求項が別個の例として存在するとして、詳細な説明に組み込まれる。各々の請求項は別個の例として存在し得る。一方で、従属請求項は請求項の中で1又は複数の他の請求項との特定の組合せを表し得るが、他の例も、各々の他の従属又は独立請求項の主題と従属請求項との組合せを含み得ることに留意すべきである。特定の組合せが意図されないと断りのない限り、このような組合せは本願明細書において提案される。さらに、請求項が独立請求項に直接に依存しない場合でも、この請求項の特徴を任意の他の独立請求項に含むことが意図される。
【0155】
さらに、本願明細書又は請求項に開示される方法は、これらの方法の個々の動作の各々を実行する手段を有する装置により実施されても良いことに留意すべきである。
【0156】
さらに、明細書又は請求項に開示される複数の動作又は機能の開示は、特定の順序であると考えられないことが理解されるべきである。したがって、複数の動作又は機能の開示は、このような動作又は機能が技術的理由から交換可能でない限り、これらを特定の順序に限定しない。さらに、幾つかの例では、単一の動作は、複数の下位動作を含んでも良く、或いは、複数の下位動作に分解されても良い。このような下位動作は、明示的に除外されない限り、単一の動作の開示の部分であり又はそれに含まれても良い。
【符号の説明】
【0157】
100 システム
101 通信機
110 受信機
120 信号生成器
130 ローカル発振器
140 分析ユニット
150 テスト信号
160 ダウンミックス信号
170 ローカル発振器信号
200 通信機
220 周波数逓倍器
230 周波数合成器
240 処理ユニット
275 基準クロック信号
280 出力
290 入力
300 周波数逓倍器
500 システム
510 GNSS受信機
530 ローカル発振器
540 分析ユニット
550 テスト信号
560 ダウンミックス信号
570 ローカル発振器信号
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