【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を備えたオプトエレクトロニクス半導体モジュールによって達成される。さらに、この目的は、請求項13に記載のモジュールを複数有するディスプレイによって達成される。従属請求項は、モジュールおよびディスプレイの有利な発展形態に関する。
【0008】
実施形態においては、本オプトエレクトロニクス半導体モジュールは、複数の動作時発光領域を備えており、少なくとも1つの発光領域の少なくとも2本の相互に隣接する側辺が、0゜より大きく90゜より小さい角度に互いに配置されている。
【0009】
したがって、少なくとも1つの発光領域は、正方形または長方形の形には具体化されておらず、斜めの側辺を有する。側辺を斜めに具体化することによって、特に高いコントラストおよび直線状の縁部を有する、ロービームに規定されている角度明暗境界を形成することが可能になり、これは有利である。したがって、本発明によるモジュールでは、機械的に可動の部品なしに、例えば自動車の前照灯の領域における照明が可能となり、この照明は、有利に高い空間解像度(spatial resolution)と同時に、要求される照度を有することを特徴とする。
【0010】
複数の動作時発光領域は、一体式に具体化することができる。この場合、複数の発光領域は、放射を生成するのに適した活性層を有する共通の半導体ボディを有する。この場合、発光領域は、半導体ボディの領域の対応する通電によって形成される。
【0011】
これに代えて、発光領域を、個別かつ個々に具体化することができる。この場合、各発光領域は、放射を生成するための活性層を有する個別の半導体ボディを有する。
【0012】
半導体モジュールは、少なくとも2×2個の発光領域、好ましくは少なくとも10×10個の発光領域、特に好ましくは少なくとも20×20個の発光領域を有することが好ましい。
【0013】
少なくとも1つの発光領域の少なくとも2本の相互に隣接する側辺の長さは、同じ長さに具体化することができる。これに代えて、側辺の長さは、異なる長さ比を有する。
【0014】
発展形態においては、本モジュールのすべての発光領域は、0゜より大きく90゜より小さい角度に互いに配置されている2本の相互に隣接する側辺を有する。したがって、すべての発光領域は、明暗境界の特に高いコントラストおよび直線状の縁部を形成するのに適している斜めの側辺を有する。
【0015】
発展形態においては、モジュールが同様に斜めの側辺を有するように、すなわち、0゜より大きく90゜より小さい角度に互いに配置されている少なくとも2本の相互に隣接する側辺を有するように、モジュールの発光領域が互いに配置されている。
【0016】
発展形態においては、発光領域は、面発光領域である。発光領域は、電子的に生成されたデータまたはエネルギを光の放射に変換する、またはこの逆に変換するのに適していることが好ましい。発光領域は、特に、オプトエレクトロニクス領域または放射放出領域である。例えば、発光領域は、LEDである、特に好ましくは薄膜LEDである。薄膜LEDとは、本出願においては、上に1つまたは複数の半導体ボディをエピタキシャルに成長させた成長基板が製造中に好ましくは完全に剥離されたLEDであるものとする。
【0017】
発光領域それぞれは、放射を生成するためのpn接合部、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸(SQW)構造、または多重量子井戸(MQW)構造を有することが好ましい活性層または活性層の領域を備えている。発光領域、特に発光領域の層は、III−V族半導体材料を含んでいることが好ましい。III−V族半導体材料は、紫外スペクトル領域から可視スペクトル領域、さらには赤外スペクトル領域における放射を生成するのに特に適している。発光領域は青色発光領域であることが好ましい。
【0018】
発展形態においては、2本の相互に隣接する側辺の間の角度は、15゜〜45゜の範囲内(両端値を含む)である。側辺がこのような範囲内の角度を有する場合、モジュールの特に高いコントラストおよび直線状の縁部を有する特に良好な明暗境界を確保することが可能である。一発展形態においては、相互に隣接する側辺によってそれぞれ形成される、少なくとも1つの発光領域のすべての角度は、90゜からずれている。モジュールのすべての発光領域のすべての角度が90゜からずれていることが好ましい。
【0019】
発展形態においては、少なくとも1つの発光領域は、平行四辺形の形に具体化されている。少なくとも1つの発光領域は、菱形の形に具体化されていることが好ましい。モジュールのすべての発光領域が平行四辺形の形に具体化されていることが好ましい。特に好ましくは、モジュールが同様に平行四辺形の形に具体化されるように、モジュールの発光領域が互いに配置されている。
【0020】
発展形態においては、少なくとも1つの発光領域は、三角形の形に具体化されている。したがって、この場合、平行四辺形が中央でもう一度分割されて2つの個別の領域が形成される。モジュールのすべての発光領域が三角形の形に具体化されていることが好ましい。特に好ましくは、モジュール全体が平行四辺形の形に具体化されるように、三角形の発光領域が互いに配置されている。
【0021】
発展形態においては、モジュールの発光領域は、行列状に配置されている。ここで、「行列状に」とは、発光領域が行および列に配置されており、したがって規則的な格子を形成していることを意味する。この場合、隣り合う発光領域は、互いに一定の同じ距離にあることが好ましい。
【0022】
モジュールの特定の列または行の発光領域を、モジュールの残りの列または行とは個別に電子的に駆動できることが好ましい。これにより、所望の行または列を駆動することによって、拡張された調整が可能になり、これは有利である。
【0023】
発展形態においては、モジュールの発光領域は、線形の一連の発光領域として、または向きが交互に並ぶ一連の発光領域として、またはブロック単位で、均一に配置されている。線形の一連の発光領域としての配置では、例えば、モジュールを平行四辺形として成形することが可能になる。向きが交互に並ぶ一連の発光領域とは、特に、対称軸線を中心に鏡像対称に具体化されている一連の発光領域を意味するものと理解されたい。ブロック単位の配置とは、特に、発光領域がグループ単位で配置されており、発光領域の異なるグループそれぞれに属する発光領域の形状が異なることを意味するものと理解されたい。一例として、発光領域の第1のグループが長方形形状を有し、発光領域の第2のグループが平行四辺形の形に具体化される。
【0024】
発展形態においては、2つの発光領域の間の距離は、1μm〜100μmの範囲内(両端値を含む)である。2つの発光領域の間の距離は、100μm未満、好ましくは20μm未満、特に好ましくは10μm未満であることが好ましい。
【0025】
発展形態においては、各発光領域の少なくとも1本の側辺は、30μm〜1mmの範囲内(両端値を含む)の長さを有する。発光領域の横方向長さは、1mm未満、好ましくは300μm未満、特に好ましくは150μm未満であることが好ましい。
【0026】
発展形態においては、放射特性を変化させる目的で、放出方向において発光領域の下流に、一次光学ユニットもしくは二次光学ユニットまたはその両方が配置されている。この場合、共通の一次光学ユニットもしくは共通の二次光学ユニットまたはその両方を、発光領域の下流に配置することができる。これに代えて、各発光領域が、個別の一次光学ユニットもしくは二次光学ユニットまたはその両方を有することができる。この場合、発光領域は、100μmよりもずっと大きい距離だけ互いに隔てることができる。
【0027】
発展形態においては、放出方向において発光領域の下流に変換層が配置されている。この場合、変換層は、モジュールのすべての発光領域に共通である層からなることができる。これに代えて、各発光領域が個別の変換層を有することができる。変換層の材料としては、透明なマトリックス(例えばシリコーンマトリックスなど)に埋め込まれた蛍光体粒子、またはセラミック変換体が使用される。
【0028】
発光領域は、青色放射を放出することが好ましい。例えば、モジュールが全体として白色の色度座標範囲における放射を放出するように、変換層は、青色放射を黄色放射に変換するのに適していることが好ましい。
【0029】
モジュールによって放出される放射の光色および光強度の可能なプロファイルは、変換層の散乱の程度もしくは幾何学形状またはその両方を変化させることによって設定することができる。
【0030】
個々の発光領域によって放出される放射のクロストークは、取り出し面とは反対側に配置されているミラー層が、発光領域の活性層から距離を隔てて設定されていることによって、回避できることが好ましく、この場合、発光領域の放射特性として放射が順方向の好ましい方向に放出されるように、活性層によって取り出し面の方向に放出される放射が、ミラー層において反射される放射と干渉するようにする。さらに、クロストークは、発光領域の間の吸収性構造または反射性構造(absorbent or reflective webs)によって回避することもできる。
【0031】
発展形態においては、発光領域には、それぞれ互いに独立して通電することができる。これを目的として、一例として、各発光領域は、1対1の関係でアクティブマトリクス駆動装置のトランジスタに割り当てられている。
【0032】
発展形態においては、ディスプレイは、横方向に互いに並んで配置されている複数のオプトエレクトロニクス半導体モジュールを備えている。したがって、例えば自動車のヘッドライトとして使用されるディスプレイを得ることができる。この場合、ディスプレイの個々のモジュールは、互いに直接並ぶように配置することができ、したがって、すべてのモジュールにわたり発光領域の規則的な行列が形成される。これに代えて、ディスプレイのモジュールを任意に分布させることができ、すなわち、互いに異なる距離に配置される。これにより、小型の非集中型イメージング光学ユニット(decentralized imaging optical unit)が得られ、したがって極めて平坦なヘッドライト設計が可能となる。この場合、モジュールの下流に配置される投影光学ユニット(projection optical unit)は、モジュールによって放出される放射の個々の光を結合して、連続的な光を形成する。
【0033】
モジュールに関連して記載した特徴は、ディスプレイに関してもあてはまり、逆も同様である。
【0034】
発展形態においては、1つのモジュールに属する発光領域は、隣接するモジュールの発光領域とは独立して動作させることができる。一例として、ディスプレイのモジュールは、アクティブマトリクス駆動装置に接続されており、したがって互いに個別に通電することができる。例えば各発光領域がアクティブマトリクス駆動装置のトランジスタに1対1の関係で割り当てられていることによって、モジュールの発光領域それぞれを互いに独立して通電できることが好ましい。
【0035】
ディスプレイは、少なくとも1つのモジュールの発光領域を動作させるための少なくとも1つの駆動回路を備えていることが好ましい。一例として、オプトエレクトロニクスモジュールを有するディスプレイは、例えば、外部からの符号化された信号を、発光領域の配置編成(例えば行および列)のスイッチングパターンに変換する電子部品によって拡張されている。この場合、例えば、CANバスまたはI
2Cインタフェースの入力信号が考慮される。この場合、電子部品および制御要素は、モジュールにモノリシックに集積化されるように具体化する、または個別の部品として具体化することができる。
【0036】
ディスプレイのアクティブマトリクス駆動装置は、Siにおいて実施されたCMOS構造の形のトランジスタを有し、このCMOS構造にモジュールの発光領域が接続されている。この接続は、例えば、発光領域の半導体層とSiウェハを直接接合することによって、または、Siウェハの実装領域上に発光領域の層を同時かつ連続して実装することによって、行うことができる。これに代えて、発光領域の成長基板を、例えば薄膜トランジスタを堆積およびパターニングするための基板として使用することもできる。
【0037】
発展形態においては、ディスプレイは、例えばモジュール内またはモジュール上に組み込まれる光センサ、カラーセンサ、または温度センサなどのさらなる部品を備えている。
【0038】
実施形態においては、複数のモジュールを有するディスプレイは、発光領域の駆動に応じて複数の異なる光機能を実行する自動車用ヘッドライトとして使用される。適切な光機能の例としては、都市の道路、田舎の道路、および高速道路用の適応型眩惑防止性ハイビーム光/ロービーム光、日中走行灯、位置標示灯、スポットライト、コーナリングライト、方向指示器、発光範囲自動制御装置(automatic luminous range regulation)、運転者に依存する自動車用ヘッドライトの設計が挙げられる。
【0039】
本発明のさらなる利点および有利な発展形態は、以下に
図1〜
図4を参照しながら説明する例示的な実施形態から明らかになるであろう。