(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の防火タイプのシャッター装置は、ガイドレールなどの部材そのものを防火専用品にしたり、ガイドレール内部に補強部材を組み込んだりしている。このため、専用部品が増加し、生産効率を低下させた。また、既設のシャッター装置の防火性能を向上させたい場合においても、従来部品をこれらの防火専用部品に交換する必要があり、既設の部品を撤去するなど施工が煩雑となった。さらに、特許文献1の構造では、火災時の加熱などにより外側のガイドレール本体が変形し内側の補強材から分離する恐れがあった。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、既設のシャッター装置の防火性能を容易に向上させることができ、火災時の加熱などにより外側のガイドレール本体が内側の補強材から分離する恐れのない改良されたシャッター用ガイドレールの防火構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面(
図9〜
図11)を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のシャッター用ガイドレールの防火構造は、カーテン部13を案内するガイド部125と、ガイド部125の内表面を覆う
略コ字状のガイド部補強材131と、ガイド部を支持して建物躯体に固定される枠部127と、を有し、ガイド部補強材131の対向する内壁面には抜け止め片153,153が突設され、カーテン部のカーテン縁部には抜け止め部材49が突設され、抜け止め部材49が対向する抜け止め片153,153間のスリット47の奥部に位置して抜け止めされているシャッター用ガイドレール11Dにおいて、
前記ガイド部補強材131の
一方の係止先端縁部149が、ガイド部125の内表面129の開口縁側における内面に形成された係止溝146にガイド部125の内側から係入され
、ガイド部補強材131の他方の係止先端部とガイド部125とは、抜け止め片153に対して抜け止め部材49とは反対側の位置において、固定手段により固定されている。
前記ガイド部125は、その壁部の一部が前記ガイド部補強材131と前記枠部127に連結された内側補強材133によって挟持されており、この挟持部分において、ガイド部125、ガイド部補強材131及び内側補強材133が前記固定手段によって固定されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシャッター用ガイドレールの防火構造であって、
前記ガイド部における前記係止溝と対向する壁面には断面略外向きコ字状の取付凹部147が形成され、前記ガイド部補強材の前記他方の係止先端部には、取付凹部147内に嵌合する断面略コ字状の嵌合部151が形成され、前記内側補強材133の先端には、取付凹部147の外壁角部に当接される略L形の折り曲げ部71が形成され、ガイド部補強材の他方の係止先端部とガイド部と内側補強材133とは、取付凹部147、嵌合部151及び折り曲げ部71において前記固定手段により固定されていることを特徴とするシャッター用ガイドレールの防火構造にある。
【0009】
請求項
3記載の構造では、上記請求項1又は2記載のシャッター用ガイドレールの防火構造であって、前記係止溝146に係入される係止先端縁部149が、カーテン縁部と重なる掛かり代部73を有している。
【0010】
請求項
4記載の構造では、上記請求項1又は2記載のシャッター用ガイドレールの防火構造であって、前記ガイド部125は、アルミ合金により一体に形成され、前記ガイド部補強材131は、鋼板により形成され、
前記固定手段は、リベットにより形成されている。
【0011】
上記シャッター用ガイドレールの防火構造では、ガイド部補強材131の係止先端縁部149が、ガイド部125の内表面129の開口縁側における内面に形成された係止溝146にガイド部125の内側から係入されていることから、外側のガイド部125が、火災時の加熱変形などにより、軟化し又は変形した場合でも、内側のガイド部補強材131に沿って保持されており外方又は内方への変形や脱落などが防止される。
さらに、ガイド部補強材の他方の係止先端部とガイド部とは、固定手段により固定されているところから、火災時などにおける、シャッターカーテンの開閉動作が確保され、脱落などによる危険が回避される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るシャッター用ガイドレールの防火構造によれば、ガイド部内側のガイド部補強材の係止先端縁部が、ガイド部外側のガイド部の内表面の開口縁側における内面に形成された係止溝に、ガイド部の内側から係入されている。これにより、外側のガイド部が、火災時の加熱変形などにより、軟化し又は変形した場合でも、内側のガイド部補強材に沿って保持されており外方又は内方への変形や脱落などが防止され、火災時などにおける、シャッターカーテンの開閉動作が確保され、脱落などによる危険が回避される。
さらに、本発明では、ガイド部補強材の他方の係止先端部とガイド部とは、固定手段により固定されているところから、火災時などにおける、シャッターカーテンの開閉動作が確保され、脱落などによる危険が回避されるという効果がある。
【0013】
また、本願請求項1発明によれば、そのガイド部125の内外壁部が内側補強材133とガイド部補強材131とによって挟持され、さらに、ガイド部補強材131は枠部127に連結されているところから、火災時などにおける、ガイド部の脱落などによる危険が一層有効に回避される。
【0014】
本願請求項2発明によれば、ガイド部125の断面略外向きコ字状の取付凹部147における内外壁部が内側補強材133とガイド部補強材131とによって嵌合挟持され、火災時などにおける、ガイド部の脱落などによる危険が一層有効に回避される。
さらに、上記固定手段が取付凹部147内に嵌合する断面略コ字状の嵌合部151に位置するところから、剛性も向上することとなり、スラット25とガイド部125との隙間にバールなどを差込みこじ開けるなどの不正な破壊的な行為に対して、ガイド部125の損壊を抑止でき、防犯性が向上する。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
本発明に係る請求項
3記載のシャッター用ガイドレールの防火構造によれば、カーテン部の抜け止め部材が溶けた場合であっても、内側補強材の掛かり代部でカーテン縁部を引っ掛けることができるので、カーテン部の脱落を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
下記第1実施態様から第3実施態様は、本願発明の参考例であり、第4実施形態は本願発明の実施態様である。
図1は本発明に係るシャッター用ガイドレール11Aの防火構造を備えたシャッター全体の斜視図である。
本実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Aの防火構造は、例えばカーテン部13を用いて建物開口部15を開閉するシャッター装置17に好適に用いることができる。
シャッター装置17は、住宅の外壁19に設けられたサッシ窓21の外側に取り付けられる。建物開口部15の上方にはシャッター装置17の収納部23が取り付けられている。カーテン部13は、アルミ製やスチール製のスラット25を複数連結した一般的なカーテン部13の他、パネル材や樹脂製シート状のカーテン部13とすることもできる。
【0037】
なお、シート状のカーテン部13は、他の樹脂にて構成されるシート材や、ゴムシート材、織布や、樹脂製ネットスクリーン、金属製ネットスクリーン、シリカクロス、ガラスクロスなどを素材とする構成や、これら素材を複合や積層させた素材などとしてもよく、このカーテン部13を構成する素材を、耐火性,防火性,防炎性を有する素材とすることができる。
【0038】
図2は
図1に示したシャッター装置17におけるガイド部及びその固定部分の平断面図、
図3は
図2に示した化粧枠材、ガイド部、外側補強材、内側補強材の分解平断面図である。
シャッター用ガイドレール11Aの防火構造は、カーテン部13を案内するガイド部である第1ガイド部27と、第1ガイド部27を支持して建物躯体29に固定される枠部である第1枠部31と、を有する。また、第1ガイド部27の外表面33を覆うとともに、第1ガイド部27と第1枠部31との連結部分35となる出隅部37を覆う外側補強材である第1外側補強材39と、第1枠部31の内側に配設される内側補強材である第1内側補強材41と、を具備する。第1内側補強材41と第1外側補強材39とは、第1ガイド部27の一部または第1枠部31の一部の少なくとも一方を挟み、これらを貫通する固定手段であるビス43にて固定する。
【0039】
第1ガイド部27と第1枠部31とは、アルミ押出成形材よりなる。第1ガイド部27は、カーテン部13の操出巻取方向に沿うカーテン縁部45のそれぞれをスリット47に抜け止め規制して案内する。抜け止め規制は、断面T字状の樹脂材よりなる抜け止め部材49をカーテン縁部45に取り付け、この抜け止め部材49をスリット47に係合して行われる。
【0040】
第1ガイド部27は、第1枠部31と連結部分35にて連結される。連結部分35は、第1ガイド部27に形成される凹状爪51と、第1枠部31に形成されるL字状爪53と、からなる。連結部分35によって連結された第1ガイド部27と第1枠部31は、出隅部37が平断面形状がL字状の第1外側補強材39によって覆われる。出隅部37を覆った第1外側補強材39は、第1ガイド部27の延出片55を挟んで第1内側補強材41にビス43で固定される。つまり、延出片55は、第1外側補強材39と第1内側補強材41とに挟持される。なお、第1ガイド部27には開口側延出片57が形成され、開口側延出片57は第1枠部31の開口側起立片61に固定手段にて固定される。
【0041】
第1内側補強材41は、他端が、第1枠部31の支持片63に固定手段であるリベット65によって固定される。第1枠部31は、基部が建物躯体29に固定される。つまり、第1ガイド部27を覆った第1外側補強材39と第1内側補強材41は、第1枠部31を介して建物躯体29に支持されている。第1枠部31には、第1外側補強材39または第1内側補強材41に覆われない部分が存在するが、その殆どは建物外装材67によって覆われ、外側からの延焼による直接的な影響は受けない。
【0042】
また、第1ガイド部27と第1内側補強材41との間には空隙69が形成される。この空隙69は、断熱兼放熱層となる。空隙69を形成することで、第1ガイド部27からの熱を伝わりにくくし、かつ高温となった場合の第1ガイド部27の熱を放熱可能としている。
【0043】
第1外側補強材39の外側には化粧枠材である第1化粧枠材59が設けられ、第1化粧枠材59は第1外側補強材39を覆う。高温を遮断するために第1ガイド部27の外表面33を覆って設けられた第1外側補強材39が、さらにその外側に設けられた第1化粧枠材59によって覆われる。高温の阻止に特化された第1外側補強材39は、外観からは見えなくなる。このように、第1外側補強材39は、第1化粧枠材59で覆われるので、外部からは第1外側補強材39が見えなくなり、デザイン性を損ねることがない。
【0044】
第1外側補強材39と、第1内側補強材41は鋼板よりなる。鋼板の板厚は0.8〜2mm程度が好適となる。あまり厚いと重量が増すためである。第1外側補強材39、第1内側補強材41は、第1ガイド部27に沿う方向が、全通しに連続であってもよいし、断続で複数で構成されてもよい。全通しのほうが、補強として、より効果的である。また、第1外側補強材39や第1内側補強材41は、第1ガイド部27の長手方向に複数に分割して製作すれば、製作、施工を容易にできる。第1外側補強材39は、帯状の鋼板を長手方向に沿う折り曲げ部71で折り曲げることで、出隅部37を覆うL字形に、安価かつ容易に製作可能となる。
【0045】
図4は外側補強材の掛かり代部73を説明する
図2の要部拡大図である。
第1外側補強材39は、カーテン縁部45と重なる掛かり代部73を有する。アルミ合金製の第1ガイド部27は火災による熱で変形を起こし、さらには溶ける虞がある。また、抜け止め部材49は、樹脂製であり、耐風機能としては有効であるが、火災による熱で溶けて無くなってしまう虞がある。第1外側補強材39は、掛かり代部73が設けられていることで、カーテン縁部45の抜け止め部材49が溶けても、カーテン縁部45に重なる掛かり代部73を残すことができる。すなわち、左右のガイド部の間隔距離が、カーテン部13の幅長よりも短くなり、これにより、アルミ製の第1ガイド部27が熱で変形したり溶けたりしても、掛かり代部73がカーテン縁部に引っ掛かり、カーテン部13が第1ガイド部27から外れなくなる。このようにして、耐火材である第1外側補強材39の掛かり代部73で両側縁の掛かりを担保してカーテン部13の脱落を防ぐことができる。
【0046】
次に、第1実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Aの防火構造の作用を説明する。
第1実施形態の防火構造では、第1ガイド部27の外表面33が、第1ガイド部27と第1枠部31との連結部分35となる出隅部37を含んで第1外側補強材39によって覆われる。第1ガイド部27を覆った第1外側補強材39は、第1枠部31の内側に配置される第1内側補強材41と第1枠部31を挟んで固定手段にて固定される。つまり、第1ガイド部27は、外部からの延焼が第1外側補強材39によって阻止される。第1外側補強材39は、高温となっても、第1枠部31を挟んで第1内側補強材41に固定されているので、建物躯体29への支持を高温下で長時間、維持し続けることができる。
【0047】
従って、第1実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Aの防火構造によれば、第1ガイド部27の外表面33を第1外側補強材39で覆い、この第1外側補強材39を、第1ガイド部27の一部または第1枠部31の一部の少なくとも一方を挟んで第1内側補強材41に固定手段で固定するので、既設のシャッター装置17の防火性能を容易に向上させることができる。また、第1ガイド部27を外側補強材39で覆うことで、剛性も向上することとなり、スラット25と第1ガイド部27との隙間にバールなどを差込みこじ開けるなどの不正な破壊的な行為に対して、第1ガイド部27の損壊を抑止でき、防犯性の向上にもなる。
【0048】
次に、本発明に係るシャッター用ガイドレール11Bの防火構造の第2実施形態を説明する。
図5は第2実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Bの防火構造を表す平断面図、
図6は
図5に示した防火構造の分解平断面図である。
第2実施形態に係る防火構造は、カーテン部13を案内するガイド部である第2ガイド部75と、第2ガイド部75を支持して建物躯体29に固定される枠部である第2枠部77と、を有する。第2ガイド部75と第2枠部77とは、アルミ押出成形材よりなる。そして、防火構造は、第2ガイド部75の外表面33を覆って第2ガイド部75に固定される外側補強材である第2外側補強材79と、第2ガイド部75に沿い第2枠部77の内側に配設される内側補強材である第2内側補強材81と、第2枠部77の内側に配設されて第2枠部77とともに建物躯体29にビス43にて固定される支持補強材である第1支持補強材83と、を具備している。
【0049】
この防火構造は、第2ガイド部75を、第2外側補強材79と第2内側補強材81によって挟んでビス43にて固定する。第2内側補強材81と第1支持補強材83とで第2ガイド部75の一部と第2枠部77の一部とを挟み固定し、第1支持補強材83を第2枠部77とともに建物躯体29に固定している。
【0050】
第2ガイド部75は、屋内側に延出する延出短片85と、延出長片87と、有する。また、第2内側補強材81は、屋内側に延出する補強短片89と、補強長片91と、を有する。第2ガイド部75の延出短片85は、第2外側補強材79と、補強短片89とによって挟まれてビス43にて固定される。第2内側補強材81の補強長片91は、延出長片87と、第2枠部77、第1支持補強材83と、によって挟まれ、ビス43にて固定される。
【0051】
第2外側補強材79、第2内側補強材81、第1支持補強材83は、鋼板よりなる。第2外側補強材79、第2内側補強材81、第1支持補強材83は、第2ガイド部75に沿う方向が、全通しに連続であってもよいし、断続で複数で構成されてもよい。全通しのほうが、補強として、より効果的である。また、第2外側補強材79、第2内側補強材81、第1支持補強材83は、第2ガイド部75の長手方向に複数に分割して製作すれば、製作、施工を容易にできる。第2外側補強材79、第1支持補強材83は、帯状の鋼板を長手方向に沿う折り曲げ部71でL字形に折り曲げることで、安価かつ容易に製作可能となる。
【0052】
第2外側補強材79の外側には化粧枠材である第2化粧枠材93が設けられ、第2化粧枠材93は第2外側補強材79を覆う。第2化粧枠材93の建物開口部側の先端には挿入爪95が形成され、挿入爪95は第2ガイド部75に形成される係止溝97に挿入係止される。高温を遮断するために第2ガイド部75の外表面33を覆って設けられた第2外側補強材79が、さらにその外側に設けられた第2化粧枠材93によって覆われる。高温の阻止に特化された第2外側補強材79は、外観からは見えなくなる。このように、外部からは第2外側補強材79が見えなくなり、デザイン性を損ねることがない。
【0053】
なお、第2実施形態に係る防火構造においても、第2外側補強材79は、カーテン縁部45と重なる掛かり代部73を有する。これにより、アルミ製の第2ガイド部75が熱で変形したり溶けたりしても、掛かり代部73がカーテン縁部引っ掛かり、カーテン部13が第2ガイド部75から外れなくなる。このようにして、耐火材である第2外側補強材79の掛かり代部73で両側縁の掛かりを担保してカーテン部13の脱落を防ぐことができる。
【0054】
次に、第2実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Bの防火構造の作用を説明する。
第2実施形態の防火構造では、第2ガイド部75の外表面33が、第2外側補強材79によって覆われ、第2ガイド部75は、外部からの延焼が第2外側補強材79によって阻止される。その第2外側補強材79が、第2枠部77の内側に配置される第2内側補強材81に、第2ガイド部75を挟んで固定される。第2内側補強材81は、第2枠部77を挟んで第1支持補強材83に固定される。第2内側補強材81が固定された第1支持補強材83は、第2枠部77とともに建物躯体29に固定される。つまり、第2ガイド部75を覆った第2外側補強材79が、第2ガイド部75や第2枠部77を挟みながら、第2内側補強材81、第1支持補強材83に連結されて建物躯体29に固定される。
【0055】
第2実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Bの防火構造によれば、第2ガイド部75を第2外側補強材79と第2内側補強材81で挟んでビス43にて固定し、第2内側補強材81と第1支持補強材83とで第2ガイド部75の一部と第2枠部77の一部とを挟み固定し、第1支持補強材83を第2枠部77とともに建物躯体29に固定するので、既設のシャッター装置17の防火性能を容易に向上させることができる。また、第2ガイド部75を第2外側補強材79で覆うことで、剛性も向上することとなり、スラット25と第2ガイド部75との隙間にバールなどを差込みこじ開けるなどの不正な破壊的な行為に対して、第2ガイド部75の損壊を抑止でき、防犯性の向上にもなる。
【0056】
次に、本発明に係るシャッター用ガイドレール11Cの防火構造の第3実施形態を説明する。
図7は第3実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Cの防火構造を表す平断面図、
図8は
図7に示した防火構造の分解平断面図である。
第3実施形態に係る防火構造は、カーテン部13を案内するガイド部である第3ガイド部99と、第3ガイド部99を支持して建物躯体29に固定される枠部である第3枠部101と、を有する。第3ガイド部99と第3枠部101とは、アルミ押出成形材よりなる。そして、防火構造は、第3ガイド部99の内表面103を覆うガイド部補強材105と、第3ガイド部99に沿い第3枠部101の内側に配設される内側補強材である第3内側補強材107と、第3枠部101の内側に配設されて第3枠部101とともに建物躯体29にビス43にて固定される支持補強材である第2支持補強材109と、を具備する。
【0057】
この防火構造では、第3ガイド部99を、第3ガイド部99の内側に設けたガイド部補強材105と、第3ガイド部99の外側に設けた第3内側補強材107とで挟んで固定手段としてのリベット65にて固定する。第3内側補強材107と第2支持補強材109とは、第3ガイド部99の一部と第3枠部101の一部とを挟み固定し、第2支持補強材109を第3枠部101とともに建物躯体29に固定する。すなわち、第3ガイド部99には垂直片111が形成され、第3内側補強材107は、垂直片111と、第3枠部101、第2支持補強材109と、によって挟まれ、ビス43にて固定される。なお、第3枠部101には起立板部113が形成され、起立板部113は起立先端115にフック部117が形成される。第3枠部101と第3ガイド部99とは、このフック部117と、第3ガイド部99に形成された取付爪119とを係止することで係合する。また、第3ガイド部99には、内表面103の開口縁側に係止溝104が形成され、ガイド部補強材105の係止先端縁部106が係入されて、リベット65による固定にて第3ガイド部99へのガイド部補強材105の固定が行われる。
【0058】
第3ガイド部99にはガイド部抜け止め片121が内側に突設される。ガイド部補強材105には、ガイド部抜け止め片121に対向する補強材抜け止め片123が突設される。カーテン部13には、ガイド部抜け止め片121と補強材抜け止め片123に抜け止めされる抜け止め部材49がカーテン縁部45に設けられている。第3ガイド部99にガイド部補強材105が挿入されると、このガイド部補強材105に突設された補強材抜け止め片123が、第3ガイド部99に形成されているガイド部抜け止め片121と対向配置される。つまり、第3ガイド部99に設けられたガイド部抜け止め片121と、ガイド部補強材105に設けられた補強材抜け止め片123とによって、カーテン部13の脱落が規制される。このように、ガイド部補強材105に、補強材抜け止め片123を突設することで、第3ガイド部99の内側に一対のガイド部抜け止め片121を対向して形成せずに済み、ガイド部補強材105をガイド部の内側に容易に挿入できる。なお、ガイド部補強材105は、リベット65を取り除き、係止溝104から係止先端縁部106を抜脱させることで、第3ガイド部99から取り外すことが可能であり、このことから、補強材抜け止め片123がガイド部抜け止め片121との対向配置が解かれ、カーテン部13に対する脱落規制を解除可能となる。すなわち、ガイド部補強材105が脱着可能な構成とされ、カーテン部13のメンテナンスが可能となる。なお、このメンテナンス性をさらに容易なものとするために、上記リベットよりなる固定手段65をビスやボルト・ナットなどで構成させても良い。
【0059】
ガイド部補強材105と、第3内側補強材107と、第2支持補強材109と、は鋼板よりなる。ガイド部補強材105、第3内側補強材107、第2支持補強材109は、第3ガイド部99に沿う方向が、全通しに連続であってもよいし、断続で複数で構成されてもよい。全通しのほうが、補強として、より効果的である。また、ガイド部補強材105、第3内側補強材107、第2支持補強材109は、第3ガイド部99の長手方向に複数に分割して製作すれば、製作、施工を容易にできる。第3内側補強材107、第2支持補強材109は、帯状の鋼板を長手方向に沿う折り曲げ部71でL字形、W状に折り曲げることで、安価かつ容易に製作可能となる。
【0060】
なお、第3実施形態に係る防火構造においても、ガイド部補強材105は、カーテン縁部45と重なる掛かり代部73を有する。これにより、アルミ製の第3ガイド部99が熱で変形したり溶けたりしても、掛かり代部73がカーテン縁部引っ掛かり、カーテン部13がガイド部補強材105から外れなくなる。このようにして、耐火材であるガイド部補強材105の掛かり代部73で両側縁の掛かりを担保してカーテン部13の脱落を防ぐことができる。
【0061】
次に、第3実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Cの防火構造の作用を説明する。
第3実施形態の防火構造では、第3ガイド部99の内方にガイド部補強材105が設けられ、このガイド部補強材105は、第3ガイド部99を挟んで第3内側補強材107に固定される。第3内側補強材107は、第3ガイド部99、第3枠部101、第2支持補強材109に固定される。第2支持補強材109は、第3枠部101とともに建物躯体29に固定される。つまり、第3ガイド部99は、内表面103を覆ったガイド部補強材105によって、高温による変形が生じにくくなる。このガイド部補強材105は、第3内側補強材107を介して第2支持補強材109に固定され、さらに第2支持補強材109が第3枠部101とともに建物躯体29に固定される。
【0062】
第3実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Cの防火構造によれば、第3ガイド部99を、ガイド部補強材105と第3内側補強材107とで挟んで固定手段にて固定し、第3内側補強材107と第2支持補強材109とで第3ガイド部99の一部と第3枠部101の一部とを挟み固定し、第2支持補強材109を第3枠部101とともに建物躯体29に固定するので、既設のシャッター装置17の防火性能を容易に向上させることができる。また、第3ガイド部99の内側をガイド部補強材105で覆うことで、剛性も向上することとなり、スラット25と第3ガイド部99との隙間にバールなどを差込みこじ開けるなどの不正な破壊的な行為に対して、第3ガイド部99の損壊を抑止でき、防犯性の向上にもなる。
【0063】
次に、本発明に係るシャッター用ガイドレール11Dの防火構造の第4実施形態を説明する。
図9は第4実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Dの防火構造を表す平断面図、
図10は
図9に示した防火構造の分解平断面図、
図11は
図9に示した防火構造の組立手順を示した平断面図である。
第4実施形態に係る防火構造は、カーテン部13を案内するガイド部である第4ガイド部125と、第4ガイド部125を支持して建物躯体29に固定される枠部である第4枠部127と、を有する。第4ガイド部125と第4枠部127とは、アルミ押出成形材よりなる。そして、防火構造は、第4ガイド部125の内表面129を覆う第2ガイド部補強材131と、第4ガイド部125に沿い第4枠部127の内側に配設される内側補強材である第4内側補強材133と、第4枠部127の内側に配設されて第4枠部127とともに建物躯体29にビス43にて固定される支持補強材である第3支持補強材135と、を具備する。
【0064】
この防火構造では、第4ガイド部125を、第4ガイド部125の内側に設けた第2ガイド部補強材131と、第4ガイド部125の外側に設けた第4内側補強材133とで挟んで固定手段としてのリベット65にて固定する。第4内側補強材133と第3支持補強材135とは、第4ガイド部125の一部と第4枠部127の一部とを挟み固定し、第3支持補強材135を第4枠部127とともに建物躯体29に固定する。すなわち、第4ガイド部125には垂直片137が形成され、第4内側補強材133は、垂直片137と、第4枠部127、第3支持補強材135と、によって挟まれ、ビス43にて固定される。なお、第4枠部127には起立板部139が形成され、起立板部139は起立先端141にフック部143が形成される。第4枠部127と第4ガイド部125とは、このフック部143と、第4ガイド部125に形成された取付爪145とを係止することで係合する。また、第4ガイド部125には、内表面129の開口縁側における対向する面の一方に係止溝146が形成され、他方の面には取付凹部147が凹設され、第2ガイド部補強材131の係止先端縁部149が係入されるとともに、断面略コ字状の嵌合部151を取付凹部147に嵌めて、リベット65による固定にて第4ガイド部125への第2ガイド部補強材131の固定が行われる。なお、リベット65は、嵌合部151と取付凹部147による略コ字状の凹溝形状の内側に打設されるので、第2ガイド部補強材131の内側に突出せず、カーテン部13の干渉とならない。
【0065】
第2ガイド部補強材131には、対向する内面に補強材抜け止め片153が対となって突設される。カーテン部13には、これら一対の補強材抜け止め片153,153に抜け止めされる抜け止め部材49がカーテン縁部45に設けられている。これら補強材抜け止め片153が対向配置されることで、カーテン部13の脱落が規制される。このように、第2ガイド部補強材131に、補強材抜け止め片153を突設することで、第4ガイド部125の内側に抜け止め片等を形成せずに済み、第2ガイド部補強材131をガイド部の内側に容易に挿入できる。なお、第2ガイド部補強材131は、リベット65を取り除くことで、第4ガイド部125から取り外すことが可能であり、このことから、カーテン部13に対する脱落規制を解除可能となる。すなわち、第2ガイド部補強材131が脱着可能な構成とされ、カーテン部13のメンテナンスが可能となる。なお、このメンテナンス性をさらに容易なものとするために、上記リベットよりなる固定手段65をビスやボルト・ナットなどで構成させても良い。
【0066】
第2ガイド部補強材131と、第4内側補強材133と、第3支持補強材135と、は鋼板よりなる。第2ガイド部補強材131、第4内側補強材133、第3支持補強材135は、第4ガイド部125に沿う方向が、全通しに連続であってもよいし、断続で複数で構成されてもよい。全通しのほうが、補強として、より効果的である。また、第2ガイド部補強材131、第4内側補強材133、第3支持補強材135は、第4ガイド部125の長手方向に複数に分割して製作すれば、製作、施工を容易にできる。第4内側補強材133、第3支持補強材135は、帯状の鋼板を長手方向に沿う折り曲げ部71でZ字形、略W字状に折り曲げることで、安価かつ容易に製作可能となる。
【0067】
なお、第4実施形態に係る防火構造においても、第2ガイド部補強材131は、カーテン縁部45と重なる掛かり代部73を有する。これにより、アルミ製の第4ガイド部125が熱で変形したり溶けたりしても、掛かり代部73がカーテン縁部に引っ掛かり、カーテン部13が第2ガイド部補強材131から外れなくなる。このようにして、耐火材である第2ガイド部補強材131の掛かり代部73で両側縁の掛かりを担保してカーテン部13の脱落を防ぐことができる。
【0068】
次に、第4実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Dの防火構造の作用を説明する。
第4実施形態の防火構造では、第4ガイド部125の内方に第2ガイド部補強材131が設けられ、この第2ガイド部補強材131は、第4ガイド部125を挟んで第4内側補強材133に固定される。第4内側補強材133は、第4ガイド部125、第4枠部127、第3支持補強材135に固定される。第3支持補強材135は、第4枠部127とともに建物躯体29に固定される。つまり、第4ガイド部125は、内表面129を覆った第2ガイド部補強材131によって、高温による変形が生じにくくなる。この第2ガイド部補強材131は、第4内側補強材133を介して第3支持補強材135に固定され、さらに第3支持補強材135が第4枠部127とともに建物躯体29に固定される。なお、
図11に示すように、第4ガイド部材125に第ガイド部補強材131を嵌合し、第4内側補強材133とともに、リベット65にてこれらを固定状態とした後に、予め建物躯体29側に固定されている第4枠部127及び第3支持補強材135に対して、取付爪145とフック部143とを係止し、ビス43にて固定する手順とする。
【0069】
第4実施形態に係るシャッター用ガイドレール11Dの防火構造によれば、第4ガイド部125を、第2ガイド部補強材131と第4内側補強材133とで挟んで固定手段65にて固定し、第4内側補強材133と第3支持補強材135とで第4ガイド部125の一部(垂直片137)と第4枠部127の一部とを挟み固定し、第3支持補強材135を第4枠部127とともに建物躯体29に固定するので、既設のシャッター装置17の防火性能を容易に向上させることができる。また、第2ガイド部補強材131の内側に補強材抜け止め片153を対向突出させたので、高温による変形が生じず、カーテン部13の脱落を起こし難くするとともに、この第2ガイド部補強材131が、係止先端縁部149と嵌合部151により第4ガイド部125に嵌合状態を保ち、加熱による変形を遅らせ、この第2ガイド部補強材131が第4ガイド部125の形状を維持させる。さらに、第4ガイド部125の内側を略コ字状の第2ガイド部補強材131で覆うことで、さらに剛性も向上することとなり、スラット25と第4ガイド部125との隙間にバールなどを差込みこじ開けるなどの不正な破壊的な行為に対して、第4ガイド部125の損壊を抑止でき、防犯性の向上にもなる。
【0070】
なお、上記実施形態では、外側補強材、内側補強材、支持補強材として鋼板が使用される例を説明したが、これら部材はこの他、セラミックなどとすることもできる。また、例えば脱落などを起こさず補強することが可能なように、セラミックを吹き付けた他の素材との複合構造とすることもできる。また、化粧枠材は、不燃材料であればよく、アルミ合金以外のその他の素材であってもよい。