特許第6227729号(P6227729)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6227729発光ダイオードのための5−置換2−フェニルキノリン錯体物質
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227729
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】発光ダイオードのための5−置換2−フェニルキノリン錯体物質
(51)【国際特許分類】
   C07F 15/00 20060101AFI20171030BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20171030BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   C07F15/00 ECSP
   C09K11/06 660
   H05B33/14 B
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】80
(21)【出願番号】特願2016-148395(P2016-148395)
(22)【出願日】2016年7月28日
(62)【分割の表示】特願2013-549526(P2013-549526)の分割
【原出願日】2012年1月11日
(65)【公開番号】特開2017-19801(P2017-19801A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2016年8月26日
(31)【優先権主張番号】13/006,016
(32)【優先日】2011年1月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503055897
【氏名又は名称】ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ビン・マー
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ディアンジェリス
(72)【発明者】
【氏名】チュアンジュン・シャ
(72)【発明者】
【氏名】ワジム・アダモヴィッチ
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−520882(JP,A)
【文献】 特開2009−152568(JP,A)
【文献】 特開2009−218571(JP,A)
【文献】 特開2009−191066(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01783132(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
C09K
H01L
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】
(式中、R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、アリールアルキル、及びアリールからなる群から選択され;
及びRのそれぞれがメチルであり、かつRが水素であるか;R及びRのそれぞれがメチルであり、かつRが水素であるか;又は、R、R、及びRのそれぞれがメチルであり、
が、少なくとも3つの炭素原子を有するアルキルであるか、又はRがシリル基であり;
mが1、2、又は3である。)
を有する、化合物。
【請求項2】
下記式:
【化2】
(式中、R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、アリールアルキル、及びアリールからなる群から選択され;
及びRのそれぞれがメチルであり、かつRが水素であるか;R及びRのそれぞれがメチルであり、かつRが水素であるか;又は、R、R、及びRのそれぞれがメチルであり、
が、シクロアルキル及び少なくとも3つの炭素原子を有するアルキルからなる群から選択されるか、又はRがシリル基であり;
mが1、2、又は3である。)
を有する、化合物
【請求項3】
前記シクロアルキルがシクロペンチル又はシクロヘキシルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
mが1又は2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
以下のものからなる群から選択される化合物。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【請求項6】
以下のものからなる群から選択される化合物。
【化12】
【化13】
【請求項7】
有機発光デバイスを含む第一のデバイスであって、
アノード;
カソード;及び
前記アノードとカソードの間に配置された有機層を含み、前記有機層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物を含む、第一のデバイス。
【請求項8】
前記有機層が発光層であり、かつ前記化合物が発光ドーパントである、請求項に記載の第一のデバイス。
【請求項9】
前記有機層がホストをさらに含む、請求項に記載の第一のデバイス。
【請求項10】
前記ホストが金属8−ヒドロキシキノラートである、請求項に記載の第一のデバイス。
【請求項11】
前記ホストが、
【化14】
である、請求項10に記載の第一のデバイス。
【請求項12】
前記第一のデバイスが消費者製品である、請求項に記載の第一のデバイス。
【請求項13】
有機発光デバイスである、請求項に記載の第一のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特許請求の範囲に記載した発明は、共同の大学・企業研究契約に関わる1つ以上の以下の団体:ミシガン大学評議員会、プリンストン大学、サザン・カリフォルニア大学、及びユニバーサル・ディスプレイ・コーポレーションにより、1つ以上の団体によって、1つ以上の団体のために、及び/又は1つ以上の団体と関係して行われた。上記契約は、特許請求の範囲に記載された発明がなされた日及びそれ以前に発効しており、特許請求の範囲に記載された発明は、前記契約の範囲内で行われた活動の結果としてなされた。
【0002】
本発明は有機発光デバイス(OLED)に関する。さらに詳細には、本発明は、5−置換2−フェニルキノリンを有する配位子を含むリン光物質に関する。これらの物質はOLEDに用いられて、向上した性能を有するデバイスをもたらしうる。
【背景技術】
【0003】
有機物質を用いるオプトエレクトロニクスデバイスは、多くの理由によりますます望ましいものとなってきている。そのようなデバイスを作るために用いられる多くの物質はかなり安価であり、そのため有機オプトエレクトロニクスデバイスは、無機デバイスに対してコスト上の優位性について潜在力をもっている。加えて、有機物質固有の特性、例えばそれらの柔軟性は、それらを柔軟な基材上への製作などの特定用途に非常に適したものにしうる。有機オプトエレクトロニクスデバイスの例には、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池、及び有機光検出器が含まれる。OLEDについては、有機物質は、従来の物質に対して性能上優位性をもちうる。例えば、有機発光層が発光する波長は、一般に、適切なドーパントで容易に調節することができる。
【0004】
OLEDは、そのデバイスを横切って電圧を印加した場合に光を発する薄い有機膜(有機フィルム)を用いる。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明、及びバックライトなどの用途で用いるためのますます興味ある技術となってきている。いくつかのOLEDの物質と構成が、米国特許第5,844,363号明細書、同6,303,238号明細書、及び同5,707,745号明細書に記載されており、これらの明細書はその全体を参照により本明細書に援用する。
【0005】
燐光発光分子の一つの用途はフルカラーディスプレイである。そのようなディスプレイのための工業規格は、「飽和」色といわれる特定の色を発光するように適合された画素(ピクセル)を要求している。特に、これらの規格は、飽和の赤、緑、及び青の画素を必要としている。色はCIE座標を用いて測定でき、CIE座標は当分野で周知である。
【0006】
緑色発光分子の一例は、Ir(ppy)と表されるトリス(2-フェニルピリジン)イリジウムであり、これは以下の構造を有する。
【化1】
【0007】
この式及び本明細書の後の図で、窒素から金属(ここではIr)への供与結合は直線で表す。
【0008】
本明細書で用いるように、「有機」の用語は、有機オプトエレクトロニクスデバイスを製作するために用いることができるポリマー物質並びに小分子有機物質を包含する。「小分子(small molecule)」とは、ポリマーではない任意の有機物質をいい、「小分子」は、実際は非常に大きくてもよい。小分子はいくつかの状況では繰り返し単位を含んでもよい。例えば、置換基として長鎖アルキル基を用いることは、分子を「小分子」の群から排除しない。小分子は、例えばポリマー主鎖上のペンダント基として、あるいは主鎖の一部として、ポリマー中に組み込まれてもよい。小分子は、コア残基上に作り上げられた一連の化学的殻からなるデンドリマーのコア残基として働くこともできる。デンドリマーのコア残基は、蛍光性又は燐光性小分子発光体であることができる。デンドリマーは「小分子」であることができ、OLEDの分野で現在用いられている全てのデンドリマーは小分子であると考えられる。
【0009】
本明細書で用いるように「トップ」は、基材から最も遠くを意味する一方で、「ボトム」は基材に最も近いことを意味する。第一の層が第二の層の「上に配置される」と記載した場合は、第一の層は基材から、より遠くに配置される。第一の層が第二の層と「接触している」と特定されていない限り、第一の層と第二の層との間に別な層があってよい。例えば、カソードとアノードとの間に様々な有機層があったとしても、カソードはアノードの「上に配置される」と記載できる。
【0010】
本明細書で用いるように、「溶液処理(加工)可能」とは、溶液もしくは懸濁液の形態で、液体媒体中に溶解され、分散され、又は液体媒体中で輸送され、及び/又は液体媒体から堆積されうることを意味する。
【0011】
配位子が発光物質の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合は、その配位子は「光活性」ということができる。配位子が発光物質の光活性特性に寄与していないと考えられる場合は、配位子は「補助」ということができるが、補助配位子は光活性配位子の特性を変えうる。
【0012】
本明細書で用いるように、かつ当業者によって一般に理解されているように、第一の「最高被占分子軌道」(HOMO)又は「最低空分子軌道」(LUMO)のエネルギー準位は、その第一のエネルギー準位が真空のエネルギー準位により近い場合には、第二のHOMO又はLUMOよりも「大きい」あるいは「高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は真空準位に対して負のエネルギーとして測定されるので、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さな絶対値をもつIPに対応する(より小さな負のIP)。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さな絶対値をもつ電子親和力(EA)に対応する(より小さな負のEA)。上(トップ)に真空準位をもつ従来のエネルギー準位図の上では、物質のLUMOエネルギー準位はその同じ物質のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりも、そのような図のトップのより近くに現れる。
【0013】
本明細書で用いるように、また当業者によって一般に理解されるように、第一の仕事関数は、その第一の仕事関数がより高い絶対値を有する場合には、第二の仕事関数よりも「大きい」あるいは「高い」。仕事関数は通常、真空準位に対して負の値として測定されるので、このことは「より高い」仕事関数は、より負であることを意味する。上(トップ)に真空準位をもつ従来のエネルギー準位図の上では、「より高い」仕事関数は真空準位から下向きの方向へさらに離れて図示される。したがって、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に従う。
【0014】
OLEDについてのさらなる詳細及び上述した定義は、米国特許第7,279,704号明細書に見ることができ、その全体を参照により本明細書に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5,844,363号明細書
【特許文献2】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献3】米国特許第5,707,745号明細書
【特許文献4】米国特許第7,279,704号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Baldoら,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998
【非特許文献2】Baldoら,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
[本発明のまとめ]
5−置換2−フェニルキノリンを有する配位子を含む化合物を提供する。この化合物は下記式:
【化2】
を有する配位子Lを含む。
【0018】
Aは、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。好ましくは、Aはフェニルである。Rは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができる。各Rは独立に、水素、重水素、アルキル、シリル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル(arylkyl)、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、及びシリルからなる群から選択される。配位子Lは、40より大きな原子番号を有する金属Mに配位している。好ましくは、MはIrである。
【0019】
一つの側面では、上記化合物は下記式:
【化3】
を有する。
【0020】
L′は補助配位子である。mは、1、2、又は3である。
【0021】
別の側面では、L′はモノアニオン性二座配位子である。なお別の側面では、L′は
【化4】
である。R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0022】
一つの側面では、上記化合物は下記式:
【化5】
を有する。
【0023】
、R、R、R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、シリル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、及びシリルからなる群から選択される。mは1、2、又は3である。好ましくは、R及びRのそれぞれは、カルボニル基のα位よりも遠い位置で分岐している分岐アルキルである。
【0024】
一つの側面では、R、R、及びRのそれぞれは独立にメチル及び水素から選択され、R、R、及びRのうち少なくとも1つはメチルである。別の側面では、R及びRのそれぞれがメチルであり、Rが水素である。なお別の側面では、R及びRのそれぞれがメチルであり、Rが水素である。さらなる側面では、R、R、及びRのそれぞれがメチルである。
【0025】
一つの側面では、Rは少なくとも4つの炭素原子を有するアルキル基である。別の側面では、Rは少なくとも3つの炭素原子を有するアルキル基である。
【0026】
5−置換2−フェニルキノリンを有する化合物の具体的な非限定的例を提供する。一つの側面では、上記化合物は、化合物1〜化合物50からなる群から選択される。一つの側面では、上記化合物は化合物51〜56からなる群から選択される。
【0027】
さらに、有機発光デバイスを含む第一のデバイスを提供する。この有機発光デバイスはさらに、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を含む。この有機層は、式Iを有する配位子Lを有する化合物を含む。
【0028】
Aは、5員又は6員の炭素環またはヘテロ環である。好ましくは、Aはフェニルである。Rは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができる。各Rは独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、及びシリルからなる群から選択される。配位子Lは、40より大きな原子番号を有する金属Mに配位している。好ましくは、MはIrである。
【0029】
上記化合物を含むデバイスの具体的な非限定的例を提供する。一つの側面では、上記第一のデバイスに用いられる化合物は、化合物1〜化合物50からなる群から選択される。一つの側面では、第一のデバイスに用いられる上記化合物は、化合物51〜56からなる群から選択される。
【0030】
式Iを有する配位子Lを含む化合物について上で論じた様々な具体的側面は、第一のデバイスに用いられる式Iを有する配位子Lを含む化合物に対しても適用できる。特に、上で論じた式Iを有する配位子Lを含む化合物のR、R、A、L′、M、m、R、R、R、R、R、R、及びRの具体的側面は、第一のデバイスに用いられる式Iを有する配位子Lを含む化合物にも適用できる。
【0031】
一つの側面では、上記有機層は発光層であり、上記化合物は発光ドーパントである。別の側面では、有機層はホストをさらに含む。なお別の側面では、ホストは、金属8−ヒドロキシキノラートである。好ましくは、ホストは、
【化6】
である。
【0032】
一つの側面では、第一のデバイスは消費者製品である。別の側面では、第一のデバイスは有機発光デバイスである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は有機発光デバイスを示す。
図2図2は、別個の電子輸送層をもたない倒置型有機発光デバイスを示す。
図3図3は、5−置換2−フェニルキノリン配位子を有する例示化合物(上)、及び5−置換2−フェニルキノリン化合物の好ましい態様(下)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[詳細な説明]
一般に、OLEDは、アノードとカソードとの間に配置され且つそれらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が流された場合、有機層(1又は複数)にアノードは正孔を注入し、カソードは電子を注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ反対に帯電した電極に向かって移動する。電子と正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在化された電子−正孔対である「励起子」が形成される。励起子が発光機構によって緩和するときに光が発せられる。いくつかの場合には、励起子はエキシマー又はエキシプレックス上に局在化されうる。非放射機構、例えば、熱緩和も起こりうるが、通常は好ましくないと考えられる。
【0035】
初期のOLEDは、一重項状態から光を発する(「蛍光」)発光性分子を用いており、例えば、米国特許第4,769,292号明細書(この全体を参照により援用する)に記載されているとおりである。蛍光発光は、一般に、10ナノ秒よりも短いタイムフレームで起こる。
【0036】
より最近、三重項状態から光を発する(「燐光」)発光物質を有するOLEDが実証されている。Baldoら,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998 (“Baldo-I”);
及び、Baldoら,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999) (“Baldo-II”)、これらを参照により全体を援用する。燐光は、米国特許第7,279,704号明細書の第5〜6欄に、より詳細に記載されており、これを参照により援用する。
【0037】
図1は有機発光デバイス100を示している。この図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子阻止層130、発光層135、正孔阻止層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、およびカソード160を含みうる。カソード160は、第一導電層162および第二導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記載した層を順次、堆積させることによって作製できる。これらの様々な層の特性及び機能、並びに例示物質は、米国特許第7,279,704号明細書の第6〜10欄により詳細に記載されており、これを参照により援用する。
【0038】
これらの層のそれぞれについてのより多くの例が得られる。例えば、可撓性且つ透明な基材−アノードの組み合わせが米国特許第5,844,363号明細書に開示されており、参照により全体を援用する。p型ドープ正孔輸送層の例は、50:1のモル比で、F−TCNQでドープしたm−MTDATAであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。発光物質及びホスト物質の例は、Thompsonらの米国特許第6,303,238号明細書に開示されており、その全体を参照により援用する。n型ドープ電子輸送層の例は、1:1のモル比でLiでドープされたBPhenであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。米国特許第5,703,436号明細書及び同5,707,745号明細書(これらはその全体を参照により援用する)は、上に重ねられた透明な電気導電性のスパッタリングによって堆積されたITO層を有するMg:Agなどの金属の薄層を有する複合カソードを含めたカソードの例を開示している。阻止層の理論と使用は、米国特許第6,097,147号明細書及び米国特許出願公開第2003/0230980号公報に、より詳細に記載されており、その全体を参照により援用する。注入層の例は、米国特許出願公開第2004/0174116号公報に提供されており、その全体を参照により援用する。保護層の記載は米国特許出願公開第2004/0174116号公報にみられ、その全体を参照により援用する。
【0039】
図2は倒置型(inverted)OLED200を示している。このデバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、およびアノード230を含む。デバイス200は記載した層を順に堆積させることによって製造できる。最も一般的なOLEDの構成はアノードの上方に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下方に配置されたカソード215を有するので、デバイス200を「倒置型」OLEDとよぶことができる。デバイス100に関して記載したものと同様の物質を、デバイス200の対応する層に使用できる。図2は、デバイス100の構造からどのようにいくつかの層を省けるかの1つの例を提供している。
【0040】
図1および2に例示されている簡単な層状構造は非限定的な例として与えられており、本発明の実施形態は多様なその他の構造と関連して使用できることが理解される。記載されている具体的な物質および構造は事実上例示であり、その他の物質および構造も使用できる。設計、性能、およびコスト要因に基づいて、実用的なOLEDは様々なやり方で上記の記載された様々な層を組み合わせることによって実現でき、あるいは、いくつかの層は完全に省くことができる。具体的に記載されていない他の層を含むこともできる。具体的に記載したもの以外の物質を用いてもよい。本明細書に記載されている例の多くは単一の物質を含むものとして様々な層を記載しているが、物質の組合せ(例えばホストおよびドーパントの混合物、または、より一般的には混合物)を用いてもよいことが理解される。また、層は様々な副層(sublayer)を有してもよい。本明細書において様々な層に与えられている名称は、厳格に限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し且つ発光層220に正孔を注入するので、正孔輸送層として、あるいは正孔注入層として説明されうる。一実施形態において、OLEDは、カソードとアノードとの間に配置された「有機層」を有するものとして説明できる。この有機層は単一の層を含むか、または、例えば図1および2に関連して記載したように様々な有機物質の複数の層をさらに含むことができる。
【0041】
具体的には説明していない構造および物質、例えばFriendらの米国特許第5,247,190号(これはその全体を参照により援用する)に開示されているようなポリマー物質で構成されるOLED(PLED)、も使用することができる。さらなる例として、単一の有機層を有するOLEDを使用できる。OLEDは、例えば、Forrestらの米国特許第5,707,745号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているように積み重ねられてもよい。OLEDの構造は、図1および2に示されている簡単な層状構造から逸脱していてもよい。例えば、基板は、光取出し(out-coupling)を向上させるために、Forrestらの米国特許第6,091,195号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているメサ構造、および/またはBulovicらの米国特許第5,834,893号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているピット構造などの、角度の付いた反射表面を含みうる。
【0042】
特に断らないかぎり、様々な実施形態の層のいずれも、何らかの適切な方法によって堆積されうる。有機層については、好ましい方法には、熱蒸着(thermal evaporation)、インクジェット(例えば、米国特許第6,013,982号および米国特許第6,087,196号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、有機気相成長(organic vapor phase deposition、OVPD)(例えば、Forrestらの米国特許第6,337,102号(その全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびに有機気相ジェットプリンティング(organic vapor jet printing、OVJP)による堆積(例えば、米国特許出願第10/233,470号(これはその全体を参照により援用する)に記載されている)が含まれる。他の適切な堆積方法には、スピンコーティングおよびその他の溶液に基づく方法が含まれる。溶液に基づく方法は、好ましくは、窒素または不活性雰囲気中で実施される。その他の層については、好ましい方法には熱蒸着が含まれる。好ましいパターニング方法には、マスクを通しての蒸着、圧接(cold welding)(例えば、米国特許第6,294,398号および米国特許第6,468,819号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびにインクジェットおよびOVJDなどの堆積方法のいくつかに関連するパターニングが含まれる。その他の方法も用いることができる。堆積される物質は、それらを特定の堆積方法に適合させるために改変されてもよい。例えば、分枝した又は分枝していない、好ましくは少なくとも3個の炭素を含むアルキルおよびアリール基などの置換基が、溶液加工性を高めるために、小分子に用いることができる。20個又はそれより多い炭素を有する置換基を用いてもよく、3〜20炭素が好ましい範囲である。非対称構造を有する物質は対称構造を有するものよりも良好な溶液加工性を有しうるが、これは、非対称物質はより小さな再結晶化傾向を有しうるからである。デンドリマー置換基は、小分子が溶液加工を受ける能力を高めるために用いることができる。
【0043】
本発明の実施形態により製造されたデバイスは多様な消費者製品に組み込むことができ、これらの製品には、フラットパネルディスプレイ、コンピュータのモニタ、医療モニター、テレビ、広告板、室内もしくは屋外の照明灯および/または信号灯、ヘッドアップディスプレイ、完全に透明な(fully transparent)ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンタ、電話機、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、乗り物、大面積壁面(large area wall)、劇場またはスタジアムのスクリーン、あるいは標識が含まれる。パッシブマトリクスおよびアクティブマトリクスを含めて、様々な制御機構を用いて、本発明にしたがって製造されたデバイスを制御できる。デバイスの多くは、18℃から30℃、より好ましくは室温(20〜25℃)などの、人にとって快適な温度範囲において使用することが意図されている。
【0044】
本明細書に記載した物質及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有しうる。例えば、その他のオプトエレクトロニクスデバイス、例えば、有機太陽電池及び有機光検出器は、これらの物質及び構造を用いることができる。より一般には、有機デバイス、例えば、有機トランジスタは、これらの物質及び構造を用いることができる。
【0045】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロ環基、アリール、芳香族基、及びヘテロアリールの用語は、当分野で公知であり、米国特許第7,279,704号明細書の第31〜32欄で定義されており、これを参照により援用する。
【0046】
新規な有機金属2−フェニルキノリンIr錯体を提供する。特に、これらの化合物は少なくとも2つの炭素原子を有するアルキルを含む。フェニルキノリンの5位に嵩高いアルキルを有する化合物は新規なものであると考えられる。さらに、その5位の嵩高いアルキルの存在が、自己消光を防ぐことによって効率を高めることができると考えられる。とりわけ、その2−フェニルキノリンの5位に嵩高いアルキルを置くことは、その発光波長を移動させず、その色を変えない。したがって、これらの化合物は向上した効率をもたらし、飽和赤色発光を維持することができる。これらの化合物は、有機発光デバイスにおいて、特にそのようなデバイスの発光層中の赤色発光体として有用でありうる。
【0047】
5−置換2−フェニルキノリンを有する配位子を含む化合物を提供する。これらの化合物は、下記式:
【化7】
を有する配位子Lを含む。
【0048】
Aは、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。好ましくは、Aはフェニルである。Rは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができる。各Rは独立に、水素、重水素、アルキル、シリル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル(arylkyl)、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。これらの化合物は完全に又は部分的に重水素化されていてもよい。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、及びシリルからなる群から選択される。配位子Lは、40より大きな原子番号を有する金属Mに配位している。好ましくは、MはIrである。
【0049】
一つの側面では、上記化合物は下記式:
【化8】
を有する。
【0050】
L′は補助配位子である。mは、1、2、又は3である。
【0051】
別の側面では、L′はモノアニオン性二座配位子である。なお別の側面では、L′は
【化9】
である。R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0052】
一つの側面では、上記化合物は下記式:
【化10】
を有する。
【0053】
、R、R、R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、シリル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、及びシリルからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0054】
好ましくは、R及びRのそれぞれは、カルボニル基のα位よりも遠い位置で分岐している分岐アルキルである。理論には束縛されないが、R及びRにおける分岐したアルキル置換基が、高いデバイス効率及び安定性と、非常に狭い発光スペクトルをもたらしうると考えられる。
【0055】
式IIIを有する化合物上での置換基の置き換えは、所望するスペクトルを維持すると同時に、効率を向上させうる。特に、式IIIに示すような、キノリンの隣のRのオルト位での水素以外の基での置換は、その化合物のスペクトルの幅を広くすることになりうる。さらに、キノリン上の3位でのアルキル置換は、発光スペクトルを広げうる。4、6、又は7位でのアルキル置換は、発光スペクトルをわずかにブルーシフトさせ、それによって発光をより飽和していないようにさせうる。したがって、ここに記載した5−置換2−フェニルキノリン化合物の置換パターンは、非常に望ましい化合物およびデバイス特性をもたらしうる。
【0056】
一つの側面では、R、R、及びRのぞれぞれは独立にメチル及び水素から選択され、R、R、及びRのうち少なくとも1つはメチルである。別の側面では、R及びRのそれぞれはメチルであり、Rは水素である。なお別の側面では、R及びRのそれぞれがメチルであり、Rは水素である。さらなる側面では、R、R、及びRのそれぞれがメチルである。
【0057】
一つの側面では、Rは少なくとも4つの炭素原子を有するアルキル基である。別の側面では、Rは少なくとも3つの炭素原子を有するアルキル基である。
【0058】
アルキル置換は特に重要であることができ、なぜなら、それが、蒸発温度、溶解性、エネルギーレベル、デバイス効率、及び発光スペクトルの狭さに関して広い範囲の調節性をもたらすからである。さらに、アルキル基は、化学的にかつデバイス中で、安定な官能基であることができる。
【0059】
5−置換2−フェニルキノリンを有する化合物の具体的な非限定的例を提供する。一つの側面では、上記化合物は以下のものからなる群から選択される。
【0060】
【化11】
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】
【化17】
【0067】
【化18】
【0068】
【化19】
【0069】
一つの側面では、上記化合物は以下のものからなる群から選択される。
【0070】
【化20】
【0071】
【化21】
【0072】
さらに、有機発光デバイスを含む第一のデバイスを提供する。この有機発光デバイスはさらに、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された有機層を含む。有機層は、下記式を有する配位子Lを含む化合物を含む。
【0073】
【化22】
【0074】
Aは、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。好ましくは、Aはフェニルである。Rは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表すことができる。各Rは独立に、水素、重水素、アルキル、シリル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル(arylkyl)、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、及びシリルからなる群から選択される。配位子Lは、40より大きな原子番号を有する金属Mに配位している。好ましくは、MはIrである。
【0075】
一つの側面では、上記化合物は下記式:
【化23】
を有する。
【0076】
L′は補助配位子である。mは、1、2、又は3である。
【0077】
別の側面では、L′はモノアニオン性二座配位子である。なお別の側面では、L′は
【化24】
である。R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0078】
一つの側面では、上記化合物は下記式:
【化25】
を有する。
【0079】
、R、R、R、R、及びRは独立に、水素、重水素、アルキル、シリル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有するアルキル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、及びシリルからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0080】
上記化合物を含むデバイスの具体的な非限定例を提供する。一つの側面では、上記第一のデバイスは、化合物1〜化合物50からなる群から選択される化合物を含む。
【0081】
一つの側面では、上記有機層は発光層であり、上記化合物は発光ドーパントである。別の側面では、有機層はさらにホストを含む。なお別の側面では、ホストは金属8−ヒドロキシキノラートである。好ましくは、ホストは、
【化26】
である。
【0082】
一つの側面では、第一のデバイスは消費者製品である。別の側面では、第一のデバイスは有機発光デバイスである。
【0083】
[その他の物質との組み合わせ]
有機発光デバイス中の特定の層に有用として本明細書に記載した物質は、そのデバイス中に存在するその他の広範囲にわたる物質と組み合わせて用いることができる。例えば、本明細書に開示した発光ドーパントは、存在してもよい広い範囲のホスト、輸送層、阻止層、注入層、電極、及びその他の層と組み合わせて用いることができる。以下に記載乃至言及した物質は、本明細書に記載した化合物と組み合わせて有用でありうる物質の非限定例であり、当業者は組み合わせて有用でありうるその他の物質を特定するために文献を容易に参考にすることができる。
【0084】
〔HIL/HTL〕
【0085】
本発明の態様に用いられる正孔注入/輸送物質は特に限定されず、その化合物が通常、正孔注入/輸送物質として用いられる限り任意の化合物を用いることができる。この物質の例には以下のものが含まれるがそれらに限定されない:
フタロシアニン又はポルフィリン誘導体;芳香族アミン誘導体;インドロカルバゾール誘導体;フルオロ炭化水素を含むポリマー;導電性ドーパントを伴うポリマー;導電性ポリマー、例えば、PEDOT/PSS;ホスホン酸及びシラン誘導体などの化合物から誘導される自己組織化モノマー;金属酸化物誘導体、例えば、MoO;p型半導体有機化合物、例えば、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル;金属錯体、及び架橋性化合物。
【0086】
HIL又はHTLに用いられる芳香族アミン誘導体の例には以下の構造のものが含まれるがそれらに限定されない。
【化27】
【0087】
Ar〜Arのそれぞれは、芳香族炭化水素環式化合物からなる群、例えば、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン;芳香族ヘテロ環化合物からなる群、例えば、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン、及びセレノフェノジピリジン;及び、前記の芳香族炭化水素環式基及び前記の芳香族ヘテロ環式基から選択された同じ種類又は異なる種類の基である2〜10の環状構造単位からなり、互いに直接又は少なくとも1つの酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位、及び脂肪族環式基を介して結合された基、から選択される。式中、各Arは、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基によってさらに置換されている。
【0088】
一つの側面では、Ar〜Arは以下のものからなる群から独立に選択される。
【化28】
【0089】
kは1〜20の整数であり;X〜XはCH又はNであり;Arは上で定義したものと同じ基を有する。
【0090】
HIL又はHTLに用いる金属錯体の例には以下の一般式のものが含まれるがそれらに限定されない。
【化29】
【0091】
Mは40より大きな原子量を有する金属であり;(Y−Y)は二座配位子であり、Y及びYは独立に、C、N、O、P、及びSから選択され;Lは補助配位子であり;mは1からその金属に結合しうる配位子の最大数までの整数値であり;m+nはその金属に結合しうる配位子の最大数である。
【0092】
一つの側面では、(Y−Y)は2−フェニルピリジン誘導体である。
【0093】
別の側面では、(Y−Y)はカルベン配位子である。
【0094】
別の側面では、Mは、Ir、Pt、Os、及びZnから選択される。
【0095】
さらなる側面では、この金属錯体は、溶液中でFc/Fcカップルに対して約0.6V未満の最小酸化電位を有する。
【0096】
〔ホスト〕
【0097】
本発明のいくつかの態様において有機ELデバイスの発光層は、発光物質として少なくとも金属錯体を含むことが好ましく、その金属錯体をドーパント物質として用いるホスト物質を含んでいてもよい。ホスト物質の例は特に限定されず、ホストの三重項エネルギーがドーパントの三重項エネルギーよりも大きい限り、任意の金属錯体又は有機化合物を用いることができる。
【0098】
ホストとして用いられる金属錯体の例は、下記一般式を有することが好ましい。
【化30】
【0099】
Mは金属であり、(Y−Y)は二座配位子であり、Y及びYは独立に、C、N、O、P、及びSから選択され;Lは補助配位子であり;mは1からその金属に結合しうる配位子の最大数までの整数値であり;m+nはその金属に結合しうる配位子の最大数である。
【0100】
一つの側面では、金属錯体は、
【化31】
である。
【0101】
(O−N)は二座配位子であり、金属をO及びN原子に配位させている。
【0102】
別の側面では、MはIr及びPtから選択される。
【0103】
ホストとして用いられる有機化合物の例は、以下のものからなる群から選択される:芳香族炭化水素環状化合物、例えば、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン;芳香族ヘテロ環状化合物からなる群、例えば、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン、及びセレノフェノジピリジン;並びに、前記の芳香族炭化水素環状基及び前記の芳香族ヘテロ環状基から選択される同じか又は異なる種類の基であり、且つ酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位、及び脂肪族環状基のうちの少なくとも1つを介して又は直接、互いに結合されている2〜10の環状構造単位からなる群。ここで各基は、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される置換基でさらに置換されている。
【0104】
一つの側面では、ホスト化合物はその分子内に以下の基のうちの少なくとも1つを含む:
【化32】
【0105】
〜Rは独立に、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、及びヘテロアリールなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合には、それは上述したAr類と同様の定義を有する。
【0106】
kは0〜20の整数である。
【0107】
〜XはCH又はNから選択される。
【0108】
〔HBL〕
【0109】
正孔阻止層(HBL)は、発光層を離れる正孔及び/又は励起子の数を減らすために用いることができる。デバイスにおけるそのような阻止層の存在は、阻止層をもたない類似のデバイスと比較して実質的に高い効率をもたらしうる。また、阻止層は、OLEDの所望の領域に発光を閉じ込めるために用いることもできる。
【0110】
一つの側面では、HBLに用いられる化合物は、上述したホストとして用いられるものと同じ分子を含む。
【0111】
別の側面では、HBLに用いられる化合物は、その分子中に以下の基のうち少なくとも1つを含む:
【化33】
【0112】
kは0〜20の整数であり;Lは補助配位子であり、mは1〜3の整数である。
【0113】
〔ETL〕
【0114】
電子輸送層(ETL)は、電子を輸送できる物質を含むことができる。電子輸送層はその本来的性質(非ドープ)であるか、あるいはドープされていてもよい。ドーピングは導電性を高めるために用いることができる。ETL物質の例は特に限定されず、それらが電子を輸送するために通常用いられる限り、任意の金属錯体又は有機化合物を用いることができる。
【0115】
一つの側面では、ETLに用いる化合物は、その分子内に以下の基のうち少なくとも1つを含む。
【化34】
【0116】
は、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合には、それは上述したAr類と同様の定義を有する。
【0117】
Ar〜Arは上述したAr類と同様の定義を有する。
【0118】
kは0〜20の整数である。
【0119】
〜XはCH又はNから選択される。
【0120】
別の側面では、ETLに用いられる金属錯体には以下の一般式のものが含まれるがこれらには限定されない。
【化35】
【0121】
(O−N)又は(N−N)は二座配位子であり、金属をO,N、又はN,N原子に配位させ;Lは補助配位子であり;mは、1からその金属に結合できる配位子の最大数までの整数値である。
【0122】
OLEDデバイスの各層に用いられる任意の上述した化合物においては、その水素原子は部分的に又は完全に重水素化されていることができる。
【0123】
本明細書に開示した物質に加えて、及び/又はそれと組み合わせて、多くの正孔注入物質、正孔輸送物質、ホスト物質、ドーパント物質、励起子/正孔阻止層物質、電子輸送及び電子注入物質をOLEDに用いてもよい。本明細書に開示した物質と組み合わせてOLEDに用いてもよい物質の非限定的な例を以下の表1に列挙している。表1には、非限定的な物質群、各群についての錯体の非限定的な例、及びその物質を開示している参考文献を挙げている。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】
【表6】
【0130】
【表7】
【0131】
【表8】
【0132】
【表9】
【0133】
【表10】
【0134】
【表11】
【0135】
【表12】
【0136】
【表13】
【0137】
【表14】
【0138】
【表15】
【0139】
【表16】
【0140】
【表17】
【0141】
【表18】
【0142】
【表19】
【0143】
【表20】
【0144】
【表21】
【0145】
【表22】
【0146】
【表23】
【実施例】
【0147】
[化合物例]
【0148】
例1.化合物1の合成
【化36】
【0149】
(2−アミノ−6−クロロフェニル)メタノールの合成
2−アミノ−6−クロロ安息香酸(25.0 g, 143 mmol)を、500mLの二口丸底フラスコ中で120mLの無水THFに溶かした。この溶液を氷水浴中で冷やした。215mLの1.0Mリチウムアルミニウムヒドリド(LAH)のTHF溶液をつぎに滴下により添加した。LAHの全てを添加した後、反応混合物を室温まで温まるままにし、次に室温で夜通し撹拌した。約10mLの水をその反応混合物に添加し、次に7gの15%NaOHを添加した。さらに20gの水をその反応混合物に添加した。有機THF相をデカンテーションし、約200mLの酢酸エチルをその固体に撹拌しながら添加した。NaSOを、一緒にした酢酸エチル部分とTHF部分に乾燥剤として添加した。その混合物を濾過し、蒸発させた。約20gの黄色固体を得て、これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0150】
【化37】
【0151】
5−クロロ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンの合成
(2−アミノ−6−クロロフェニル)メタノール(16 g, 102 mmol)、3,5−ジメチルアセトフェノン(22.6 g, 152 mmol)、RuCl(PPh(0.973 g, 1.015 mmol)、及びKOH(10.25 g, 183 mmol)を270mLのトルエン中で18時間還流させた。ディーン−スターク・トラップを使用してその反応物から水を集めた。その反応混合物を室温まで冷えるままにし、シリカゲルの詰め物を通して濾過し、ヘキサン中5%酢酸エチルで溶出させた。生成物をクーゲルロール蒸留によってさらに精製して、23.5gの粗生成物を得て、これを60mLのMeOHから再結晶して8.6g(32%収率)の所望の生成物を得た。
【0152】
【化38】
【0153】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソブチルキノリンの合成
5−クロロ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(4.3 g, 16.06 g)、イソブチルボロン酸(3.2 g, 31.4 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.538 g, 1.31 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(18.3 g, 79 mmol)を114mLのトルエン中で混合した。この系を20分間脱ガスした。Pd(dba)を次に添加し、この系を夜通し還流させた。室温まで冷やした後、反応混合物をセライト(登録商標)の詰め物を通して濾過し、ジクロロメタンで溶出させた。生成物をクーゲルロール蒸留によってさらに精製し、次に、ヘキサン中5%酢酸エチルを用いるクロマトグラフィーによって精製した。その次に別のクーゲルロール蒸留を行い、3.2g(72%収率)の生成物を得た。
【0154】
【化39】
【0155】
イリジウムダイマーの合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソブチルキノリン(3.2 g, 11.06 mmol)、IrCl・4HO(1.79 g, 4.83 mmol)、2−エトキシエタノール(45 mL)、及び水(105 mL)の混合物を窒素下で夜通し還流させた。その反応混合物を濾過し、MeOH(3 x 10 mL)で洗った。真空乾燥の後、約2.9gのダイマーを得た。このダイマーはさらに精製することなく次の工程で用いた。
【0156】
【化40】
【0157】
化合物1の合成
ダイマー(2.9 g, 1.80 mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(1.80 g, 18.02 mmol)、KCO(2.49 g, 18.02 mmol)、及び2−エトキシエタノール(22 mL)を室温で24時間撹拌した。沈殿物を濾過し、メタノールで洗った。その固体はそれをシリカゲルの詰め物(これはヘキサン中15%のトリエチルアミン(TEA)で前処理した)を通して濾過し、メチレンクロライドで溶出させた。2−プロパノールをその濾液に添加した。濾液を濃縮したが、乾燥するまでではない。濾過後、1.6gの生成物を得た。この固体を240℃にて高真空下で2回昇華させて1.0g(64%)の化合物1を得た。
【0158】
例2.化合物2の合成
【化41】
【0159】
化合物2の合成
前の工程からのイリジウムダイマー(2.55 g, 1.585 mmol)、2,8−ジメチルノナン−4,6−ジオン(2.92 g, 15.85 mmol)、NaCO(1.68 g, 15.8 mmol)、及び2−エトキシエタノール(60 mL)を、室温にて24時間撹拌した。沈殿物を濾過し、メタノールで洗った。その固体はそれをシリカゲルの詰め物(これはヘキサン中15%のトリエチルアミン(TEA)で前処理した)を通して濾過し、メチレンクロライドで溶出させた。2−プロパノールをその濾液に添加した。濾液を濃縮したが、乾燥するまでではない。濾過後、2.2gの生成物(73%)を得た。この生成物はLC−MSで確認した。
【0160】
例3.化合物3の合成
【化42】
【0161】
化合物3の合成
前の工程からのイリジウムダイマー(2.6 g, 1.616 mmol)、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン(2.6 g, 16.16 mmol)、NaCO(1.713 g, 16.16 mmol)、及び2−エトキシエタノール(60 mL)を、室温にて24時間撹拌した。沈殿物を濾過し、メタノールで洗った。その固体はそれをシリカゲルの詰め物(これはヘキサン中15%のトリエチルアミン(TEA)で前処理した)を通して濾過し、メチレンクロライドで溶出させた。2−プロパノールをその濾液に添加した。濾液を濃縮したが、乾燥するまでではない。濾過後、2.2gの生成物(73%)を得た。この生成物はLC−MSで確認した。
【0162】
例4.化合物9の合成
【化43】
【0163】
(2−アミノ−6−ブロモフェニル)メタノールの合成
2−アミノ−6−ブロモフェニル安息香酸(25.0 g, 116 mmol)を500mLの二口丸底フラスコ中で125mLの無水THF(テトラヒドロフラン)に溶かした。この溶液を氷水浴中で冷やし、100mLの1.0Mリチウムアルミニウムヒドリド(LAH)のTHF溶液を滴下により添加した。LAH溶液の全てを添加した後、反応混合物を室温まで温まるままにし、室温で夜通し撹拌した。水(7.7 mL)をその反応混合物に添加し、次に7.7mLの15%NaOHを添加した。追加の23mLの水をその反応混合物に添加した。そのスラリーを室温で1時間撹拌した。塩類を濾別し、THFで洗った。一緒にした濾液を濃縮して(2−アミノ−6−ブロモフェニル)メタノール(21.6 g, 92%収率)を得た。
【0164】
【化44】
【0165】
5−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンの合成
(2−アミノ−6−クロロフェニル)メタノール(21.6 g, 107 mmol)、3,5−ジメチルアセトフェノン(19.01 g, 128 mmol)、RuCl(PPh(0.463 g, 0.535 mmol)、及びKOH(4.04 g, 72.1 mmol)を265mLのトルエン中で18時間還流させた。ディーン−スターク・トラップを使用してその反応物から水を集めた。その反応混合物を室温まで冷えるままにし、シリカゲルの詰め物を通して濾過し、ジクロロメタンで溶出させた。濾液を濃縮し、220℃で真空蒸留し、メタノールから再結晶して5−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(10.4 g, 31.2%収率)を得た。
【0166】
【化45】
【0167】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルシリル)キノリンの合成
5−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(2.1 g, 6.73 mmol)及びTHF(20 mL)の混合物をドライアイス/アセトン浴中で冷やし、ブチルリチウム(2.83 mL, 7.06 mmol)を添加して45分間撹拌した。クロロトリメチルシラン(1.02 mL, 0.88 g, 8.07 mmol)を添加し、20分間撹拌した。ドライアイス浴を取り除き、反応物を夜通し室温で撹拌した。反応をメタノールで止め、水と3gのNHClを添加した。その反応混合物をジクロロメタンで抽出し、次に、残留物をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにかけて、1.2g(58.4%収率)の2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルシリル)キノリンを得た。
【0168】
【化46】
【0169】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルシリル)キノリンイリジウムクロライドダイマーの合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルシリル)キノリン(1.2 g, 3.93 mmol)、IrClxHO(0.69 g, 1.87 mmol)、2−エトキシエタノール(30 mL)、及び水(10.0 mL)の混合物をN下で夜通し還流させた。固体を濾別し、メタノールで洗って2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルシリル)キノリンイリジウムクロライドダイマー(0.7 g, 45%収率)を得た。
【0170】
【化47】
【0171】
化合物9の合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルシリル)キノリンイリジウムクロライドダイマー(0.7 g, 0.418 mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(0.419 g, 4.18 mmol)、炭酸カリウム(0.578 g, 4.18 mmol)、及び2−エトキシエタノール(60 mL)を室温で夜通し撹拌した。固体を濾別し、メタノールで洗い、次に(トリエチルアミンで前処理したシリカゲルカラム上で)フラッシュクロマトグラフィーにかけた(80:20%のヘキサン:ジクロロメタン、v/v)。得られた結晶を、それらをジクロロメタン及び2−プロパノールに溶かし、次に蒸発によってジクロロメタンを除去することによって再結晶した。得られた結晶を230℃において高真空下で昇華させて、化合物9(0.30 g, 66%収率)を得た。
【0172】
例5.化合物51の合成
【化48】
【0173】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−ネオペンチルキノリンの合成
5−クロロ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(6.73 g, 25.2 g)、ネオペンチルボロン酸(3.5 g, 30.2 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.826 g, 2.012 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(17.38 g, 75 mmol)を100mLのトルエン中で混合した。この系を窒素を用いて20分間脱ガスした。Pd(dba)(0.461 g, 0.503 mmol)を次に添加し、この系を夜通し還流させた。室温まで冷やした後、反応混合物をセライト(登録商標)の詰め物を通して濾過し、ジクロロメタンで溶出させた。生成物をクーゲルロール蒸留によってさらに精製し、次に、カラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、5.1g(67%収率)の生成物を得た。
【0174】
【化49】
【0175】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−ネオペンチルキノリンイリジウムクロライドダイマーの合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−ネオペンチルキノリン(5.0 g, 16.48 mmol)、IrCl(2.43 g, 6.59 mmol)、2−エトキシエタノール(90 mL)、及び水(30.0 mL)の混合物をN下で夜通し還流させた。固体を濾別し、メタノールで洗って2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−ネオペンチルキノリンイリジウムクロライドダイマー(5.0 g, 46%収率)を得た。
【0176】
【化50】
【0177】
化合物51の合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−ネオペンチルキノリンイリジウムクロライドダイマー(2.5 g, 1.50 mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(1.5 g, 15.0 mmol)、炭酸カリウム(1.59 g, 15.0 mmol)、及び2−エトキシエタノール(50 mL)を室温で夜通し撹拌した。固体を濾別し、メタノールで洗い、次に(トリエチルアミンで前処理したシリカゲルカラム上で)フラッシュクロマトグラフィー(85:15%のヘキサン:ジクロロメタン、v/v)にかけて、化合物51(0.80 g, 30%収率)を得た。
【0178】
例6.化合物52の合成
【化51】
【0179】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソペンチルキノリンの合成
5−クロロ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(6.3 g, 23.53 g)、イソペンチルボロン酸(5.46 g, 47.1 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.773 g, 1.88 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(27.1 g, 118 mmol)を100mLのトルエン中で混合した。この系を窒素を用いて20分間脱ガスした。Pd(dba)(0.431 g, 0.47 mmol)を次に添加し、この系を夜通し還流させた。室温まで冷やした後、反応混合物をセライト(登録商標)の詰め物を通して濾過し、DCMで溶出させた。生成物をクーゲルロール蒸留によってさらに精製し、次に、カラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、4.57g(64%収率)の生成物を得た。
【0180】
【化52】
【0181】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソペンチルキノリンイリジウムクロライドダイマーの合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソペンチルキノリン(4.57 g, 15.06 mmol)、IrCl(2.44 g, 6.58 mmol)、2−エトキシエタノール(60 mL)、及び水(20.0 mL)の混合物をN下で夜通し還流させた。固体を濾別し、メタノールで洗って2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソペンチルキノリンイリジウムクロライドダイマー(3.0 g, 24%収率)を得た。
【0182】
【化53】
【0183】
化合物52の合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソペンチルキノリンイリジウムクロライドダイマー(3.0 g, 1.80 mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(1.8 g, 18.0 mmol)、炭酸カリウム(2.49 g, 18.0 mmol)、及び2−エトキシエタノール(50 mL)を室温で夜通し撹拌した。固体を濾別し、メタノールで洗い、次に(トリエチルアミンで前処理したシリカゲルカラム上で)フラッシュクロマトグラフィーにかけて、化合物52(1.6 g, 50%収率)を得た。
【0184】
例7.化合物53の合成
【化54】
【0185】
2−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
1−クロロシクロペンタ−1−エン(10 g, 98 mmol)、エチルエーテル(40 mL)、及びリチウム(0.82 g, 118 mmol)の混合物と、いくらかの壊したガラス(顕微鏡スライド)を250mLの三ツ口フラスコ中で室温において夜通し撹拌した。上の反応混合物を次にドライアイス/アセトン浴中で冷やし、2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(23.11 g, 146 mmol)を約20分間にわたって滴下して添加した。浴を取り除き、反応混合物を夜通し室温で撹拌した。その反応物を次に200mLの水中の12gのNHClの溶液に注ぎ、形成されたエマルジョンを撹拌して壊し、次に分液ロートに移した。エーテル層を分離し、HO(2x)でエーテルを洗い(きれいに分離していない層は捨てた)、NaSOで乾燥させて、7.3gの2−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(64%粗収率)を得た。これをそのまま次の工程で使った。
【0186】
【化55】
【0187】
5−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンの合成
5−クロロ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(3.86 g, 14.42 mmol)、2−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(7.3 g, 47.1 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.473 g, 1.153 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(39.8 g, 173 mmol)、及びPd(dba)(0.264 g, 0.288 mmol)を240mLのトルエン及び40mLの水中で混合した。この系を窒素で20分間脱ガスし、次に夜通し還流させた。室温まで冷やした後、反応混合物をシリカゲルの小さな詰め物(上端にいくらかのセライト(登録商標)を有する)を通して濾過し、ジクロロメタンで溶出させた。生成物を95:5のヘキサン:酢酸エチル(v/v)で溶出させるシリカゲル上でのクロマトグラフィーによってさらに精製して、5.9g(粗生成物137%収率(いくらかの原料エステルを含んでいる))を得た。この粗混合物を次の工程に用いた。
【0188】
【化56】
【0189】
5−シクロペンチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンの合成
73%純度の5−(シクロペンタ−1−エン−1−イル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(7.84 g, 19.12 mmol)、10%パラジウムカーボン(1.96 g, 1.84 mmol)、及びエタノール(75 mL)の混合物を、パール水素化器に6時間取り付けた。反応物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濃縮した。残留物を真空蒸留した。>200℃で蒸留された画分(クーゲルロール蒸留)を集め、次にヘキサンから結晶化させて、5−シクロペンチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(3.6 g, 62.5%)を得た。
【0190】
【化57】
【0191】
5−シクロペンチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンイリジウムクロライドの合成
5−シクロペンチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(3.9 g, 12.9 mmol)、IrClxHO(1.45 g, 3.92 mmol)、エトキシエタノール(50 mL)、及び水(16 mL)の混合物をN下で夜通し還流させた。固体を濾別し、メタノールで洗って、5−シクロペンチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンイリジウムクロライドダイマー(2.17 g, 67%)を得た。
【0192】
【化58】
【0193】
化合物53の合成
5−シクロペンチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンイリジウムクロライドダイマー(2.17 g, 1.31 mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(1.31 g, 13.1 mmol)、炭酸カリウム(1.81 g, 13.1 mmol)、及び2−エトキシエタノール(70 mL)を室温で夜通し撹拌した。固体を濾別し、メタノールで洗い、次に(トリエチルアミンで前処理したシリカゲルカラム上で)フラッシュクロマトグラフィーにかけた(90:10から70:30%のヘキサン:ジクロロメタン、v/v)。得られた結晶を、ジクロロメタン及び2−プロパノールにそれらを再溶解させ、次にロータリーエバポレーターによって蒸発させることでジクロロメタンを除去することによって再結晶させた。得られた結晶を高真空下、260℃において昇華させて化合物53(1.67 g, 72%収率)を得た。
【0194】
例8:化合物55の合成
【化59】
【0195】
2−エチル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−d5の合成
コンデンサーと磁気撹拌棒を備えた乾燥した三ツ口丸底フラスコにマグネシウム(2.56 g, 105 mmol)を添加した。ジエチルエーテル中のエチルブロマイド−d5の溶液の一部を添加した。反応が始まった後、その溶液の残りを、還流が維持される速度で滴下により添加した。添加が完了した後、反応物をさらに20分間加熱し還流させた。得られたグリニャール試薬を、エーテル(50 mL)中の2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(13.86 g, 88 mmol)の溶液に−60℃(ドライアイス/イソプロパノール)において滴下により添加した。添加が完了した後、反応物を室温で夜通し撹拌しておいた。反応を塩化アンモニウム水溶液で止めた。有機層をNaSOで乾燥させ、次に濃縮して、未精製2−エチル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−d5(7.58 g, 54%)を得て、そのまま次の工程で用いた。
【0196】
【化60】
【0197】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−エチルキノリン−d5の合成
5−クロロ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(6.3 g, 23.53 mmol)、2−エチル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−d5(7.58g, 47.1 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.773g, 1.882 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(27.1 g, 113 mmol)、及びPd(dba)(0.43 g, 0.47 mmol)を150mLのトルエン及び27mLの水中で混合した。この系を窒素で20分間脱ガスし、次に夜通し還流させた。GC/MS分析は7.8%のクロロ出発物質が残っていることを示した。別の0.77gのジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィンと別の0.43gのPd(dba)の追加、窒素での20分間の脱ガス、及び夜通しの還流をさらに行った。室温まで冷やした後、反応物をシリカゲルの小さな詰め物(いくらかのセライト(登録商標)を上端部にもつ)を通して濾過し、ジクロロメタンで溶出させた。生成物を、100%のジクロロメタンで溶出させるシリカゲル上のクロマトグラフィー、次に逆相(C−18カラム)(4:1のアセトニトリル/水)上で再度のクロマトグラフィーによってさらに精製して3.15g(72.9%収率)の2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−エチルキノリン−d5を得た。
【0198】
【化61】
【0199】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−エチルキノリンイリジウムクロライドダイマーの合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−エチルキノリン−d5(3.15 g, 11.8 mmol)、IrClxHO(1.33 g, 3.58 mmol)、エトキシエタノール(40 mL)、及び水(13 mL)の混合物を、N下で夜通し還流させた。固体を濾別し、メタノールで洗って、2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−エチルキノリンイリジウムクロライドダイマー(2.4 g, 88%収率)を得た。
【0200】
【化62】
【0201】
化合物55の合成
ダイマー(1.95 g, 1.29 mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(1.29 g, 12.9 mmol)、炭酸カリウム(1.78 g, 12.9 mmol)、及びエトキシエタノール(60 mL)の混合物を、室温で夜通し撹拌した。固体を濾別し、メタノールで洗い、次にフラッシュクロマトグラフィーにかけた(トリエチルアミンで前処理したシリカゲルカラム上で)(80:20%のヘキサン:ジクロロメタン)。得られた結晶を、それをジクロロメタン及び2−プロパノールに再溶解し、次にジクロロメタンをロータリーエバポレーターで除去することによって再結晶化させた。得られた結晶を高真空下で240℃にて昇華して化合物55を得た(0.78 g, 79%収率)。
【0202】
例9.化合物56の合成
【化63】
【0203】
2−イソブチル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−d9の合成
コンデンサーと磁気撹拌棒を備えた乾燥した三ツ口丸底フラスコにマグネシウム(2.0 g, 82 mmol)を添加した。ジエチルエーテル(40 mL)中のイソブチルブロマイド−d9(10 g, 68.5 mmol)の溶液の一部を添加した。反応が始まった後、その溶液の残りを、還流が維持される速度で滴下により添加した。添加が完了した後、反応物をさらに20分間加熱し還流させた。得られたグリニャール試薬を、エーテル(40 mL)中の2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(10.82 g, 68.5 mmol)の溶液に−60℃(ドライアイス/イソプロパノール)において滴下により添加した。添加が完了した後、反応物を室温で夜通し撹拌しておいた。反応を塩化アンモニウム水溶液で止めた。有機層をNaSOで乾燥させ、次に濃縮して、未精製2−イソブチル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−d9(10.82 g, 57%)を得て、そのまま次の工程で用いた。
【0204】
【化64】
【0205】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソブチルキノリン−d9の合成
5−クロロ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(5.28 g, 19.73 mmol)、2−イソブチル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−d9(7.62g, 39.5 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.648g, 1.578 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(22.71 g, 99 mmol)、及びPd(dba)(0.36 g, 0.395 mmol)を125mLのトルエン及び23mLの水中で混合した。この系を窒素で20分間脱ガスし、次に夜通し還流させた。室温に冷やした後、反応混合物をシリカゲルの小さな詰め物(上端部にいくらかのセライト(登録商標)を有する)を通して濾過し、ジクロロメタンで溶出させた。生成物を、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより100%ジクロロメタンで溶出させ、次に逆相(C−18カラム)(アセトニトリル/水)上での再度のクロマトグラフィーによって精製して、1.88g(30.6%収率)の2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソブチルキノリン−d9を得た。
【0206】
【化65】
【0207】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソブチルキノリン−d9イリジウムクロライドダイマーの合成
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソブチルキノリン−d9(1.8 g, 6.03 mmol)、IrClxHO(1.0 g, 2.70 mmol)、エトキシエタノール(30 mL)、及び水(10 mL)の混合物を、N下で夜通し還流させた。固体を濾別し、メタノールで洗って、2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−イソブチルキノリン−d9イリジウムクロライドダイマー(0.6 g, 40%収率)を得た。
【0208】
【化66】
【0209】
化合物56の合成
ダイマー(0.6 g, 0.365 mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(0.365 g, 3.65 mmol)、炭酸カリウム(0.504 g, 3.65 mmol)、及び2−エトキシエタノール(30 mL)の混合物を、室温で夜通し撹拌した。固体を濾別し、メタノールで洗い、次にフラッシュクロマトグラフィーにかけた(トリエチルアミンで前処理したシリカゲルカラム上で)(90:10から70:30%のヘキサン:ジクロロメタン、v/v)。得られた結晶を、それをジクロロメタン及び2−プロパノールに再溶解し、次にジクロロメタンをロータリーエバポレーターで除去することによって再結晶化させた。得られた結晶を高真空下で235℃にて昇華させて化合物56を得た(0.31 g, 48%収率)。
【0210】
[デバイス例]
全ての例示デバイスは高真空(<10−7Torr)の熱蒸着によって作製した。アノード電極は1200Åのインジウム錫酸化物(ITO)である。カソードは10ÅのLiFとそれに続く1000ÅのAlからなるものだった。全てのデバイスは作製後直ちに窒素グローブボックス(<1ppmのHO及びO)中で、エポキシ樹脂で封止したガラス蓋で密封し、吸湿剤をパッケージの内側に組み込んだ。
【0211】
デバイス例の積層部は1200ÅのITO表面から順に、正孔注入層(HIL)として100Åの化合物A、正孔輸送層(HTL)として400Åの4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、発光層(EML)としてBAlqホスト中にドープした7質量%の本発明の化合物(300Å)、ETLとして550ÅのAlq(トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)からなっていた。
【0212】
化合物B、C、又はDをEML中の発光体として用いたことを除いて、上記デバイス例と同様にして比較例を作製した。
【0213】
ここで用いるとおり、以下の化合物は以下の構造を有する。
【0214】
【化67】
【0215】
OLEDの発光層のための具体的な発光ドーパントを提供する。これらの化合物は特に良好な特性を有するデバイスをもたらしうる。
【0216】
デバイス構造とデバイスデータを表2にまとめている。
【0217】
【表24】
【0218】
表2からわかるとおり、1000nitsにおける化合物1のEQEは、化合物B、C、及びDより大きく最大10%である。さらに、化合物1のELスペクトルの半値全幅(58 nm)は、化合物B(62 nm)及び化合物D(64 nm)よりも狭く、これは望ましいデバイス特性である。化合物1の半値全幅(FWHM)は、化合物CのFWHM(58 nm)と同じである。化合物1と化合物Bの色飽和度(CIE)も同じである。これらの結果は、化合物1が、望ましいより狭いFWHMをもち、化合物B、C、及びDよりも効率的な赤色発光体であることを示している。表2から、化合物2、3、9、51、53、及び56のEQEも全て比較化合物B、C、及びDよりも高いことが明らかである。それらは19.4%を超えている。これらの結果は、式Iの化合物上の5位置換(アルキル化、シクロアルキル化、アルキル重水素化、又はシリル化)がデバイス性能を向上させることができることをさらに示している。
【0219】
化合物1はまた、化合物Dと比較して室温でほぼ2倍の寿命をもっている。これら2つの化合物の間の唯一の違いは、化合物1は5位に嵩高い基を有することである。このことは、2−フェニルキノリンの5位におけるメチル基よりも嵩高い基が、全体でのデバイス性能に顕著な向上を実際にもたらしうることを明らかに示している。
【0220】
本明細書に記載した様々な態様は例示の目的であり、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。例えば、本明細書に記載した多くの物質及び構造は、本発明の精神から離れることなく、その他の物質及び構造で置き換えることができる。特許請求の範囲に記載した本発明は、したがって、本明細書に記載した具体的な例及び好ましい態様からの変形を含むことができ、それは当業者には明らかである。本発明が何故機能するのかについての様々な理論は限定することを意図していないことが理解される。
図1
図2
図3