(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、小形、大形を含む多種類の電動工具を用いるユーザーの場合、電動工具が小形か大形かに応じて複数種類のバッテリを使い分ける必要があり、電動工具使用上の取扱性が悪かった。
このような問題に鑑み本発明の課題は、比較的大形で高出力の電動工具である手持式電動切断機の電源として低出力用のバッテリを使用できるようにすることにより、低出力の電動工具とバッテリを共通化して、高出力用のバッテリを不要とし、低出力の電動工具と区別なくバッテリを使用可能として、手持式電動切断機の使用上の利便性及び取扱性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1発明は、バッテリを電源とするモータによって円形刃具が回転作動される手持式電動切断機であって、縦配置された前記円形刃具を上側と下側とに領域分割すると共に、円形刃具により切断される被切断材を上方から押えて、円形刃具による被切断材に対する切り込み深さを定めるベースと、前記モータを被うように設けられるモータハウジングと、前記円形刃具の上側領域を被うように設けられるブレードケースと、前記モータハウジング及び前記ブレードケースの少なくとも一方と一体に設けられ、手持式電動切断機の運搬及び使用時に把持可能とされるハンドルとを備えた手持式電動切断機において、前記モータハウジング又は前記ブレードケースには、前記電源として複数個のバッテリが取り付けられることによりこれら複数個のバッテリを直列接続させるバッテリ取付部が直接又は間接的に設けられていることを特徴とする。
第1発明によれば、手持式電動切断機が比較的大形で高出力の場合でも、その電源として複数個のバッテリが互いに直列接続して使用されるため、バッテリとして広く普及している低出力用のバッテリを使用することができる。そのため、低出力の電動工具と区別なくバッテリを使用可能として、手持式電動切断機の使用上の利便性及び取扱性を高めることができる。しかも、複数個のバッテリは、モータハウジング又はブレードケースに直接又は間接的に設けられたバッテリ取付部に取り付けられるため、ハンドルから離間した位置に取り付けられ、バッテリが複数個とされた結果、バッテリの占有スペースが大きくなっても、ハンドルを把持する際にバッテリが邪魔にならないようにすることができる。
【0006】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記モータの上部で、そのモータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記円形刃具の切断進行方向の後方に延びて設けられ、前記ブレードケースとして、前記円形刃具による被切断材の切断くずを収納するようにダストボックスが設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータハウジングの前部及び後部にそれぞれ取り付けられ、該前部のバッテリは前記ハンドルの前部に、また前記後部のバッテリは前記ハンドルの側部にハンドルから離間して取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第2発明によれば、ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0007】
本発明の第3発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記モータの上部で、そのモータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記円形刃具の切断進行方向の後方に延びて設けられ、前記ブレードケースとして、前記円形刃具による被切断材の切断くずを収納するようにダストボックスが設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記ハンドルと前記ダストボックスとの間の前側部分に取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第3発明によれば、ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0008】
本発明の第4発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記モータの上部で、そのモータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記円形刃具の切断進行方向の後方に延びて設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記ハンドルの前部で、且つ前記モータハウジングの前部に取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第4発明によれば、ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0009】
本発明の第5発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記モータの上部で、そのモータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記円形刃具の切断進行方向の後方に延びて設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータハウジングの前部及び後部にそれぞれ取り付けられ、且つ該前部のバッテリは前記ハンドルの前部に、また前記後部のバッテリは前記ハンドルの側部にハンドルから離間して取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第5発明によれば、ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0010】
本発明の第6発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が交差するように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータの後部に設けられた後部ハンドルと、前記モータの前部に設けられた前部ハンドルとから成り、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記モータハウジングの上部で、且つ前記後部ハンドルの上部に取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第6発明によれば、前部及び後部ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0011】
本発明の第7発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が交差するように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータの後部に設けられた後部ハンドルと、前記モータの前部に設けられた前部ハンドルとから成り、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記モータハウジングの側部で、前記ブレードケースから離間した側に取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第7発明によれば、前部及び後部ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0012】
本発明の第8発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータの後部に設けられた後部ハンドルと、前記モータの前部に設けられた前部ハンドルとから成り、しかも前記後部ハンドルは、前記モータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記モータの後方に延びて設けられ、前記前部ハンドルは、前記モータの回転中心線と平行な方向を長手方向として、前記後部ハンドルより反円形刃具側に延びて設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記モータハウジングの前部及び後部にそれぞれ取り付けられ、前記後部のバッテリは前記後部ハンドルより反円形刃具側に後部ハンドルから離間して取り付けられ、前記前部のバッテリは前記前部ハンドルの後方側に前部ハンドルから離間して取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第8発明によれば、前部及び後部ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0013】
本発明の第9発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータの後部に設けられた後部ハンドルと、前記モータの前部に設けられた前部ハンドルとから成り、しかも前記後部ハンドルは、前記モータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記モータの後方に延びて設けられ、前記前部ハンドルは、前記モータの回転中心線と平行な方向を長手方向として、前記後部ハンドルより反円形刃具側に延びて設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記モータハウジングの上部で、前記後部ハンドルより反円形刃具側、且つ前記前部ハンドルの後方に、前記後部ハンドル及び前部ハンドルから離間して取り付けられるように設けられている。
第9発明によれば、前部及び後部ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0014】
本発明の第10発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ハンドルは、前記モータの上部で、そのモータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記円形刃具の切断進行方向の後方に延びて設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータハウジングの上部で、前記ハンドルの前方に取り付けられるように設けられていることを特徴とする。
第10発明によれば、ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0015】
本発明の第11発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ブレードケースとして、前記円形刃具による被切断材の切断くずを収納するようにダストボックスが設けられ、前記ハンドルは、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記ダストボックスの後部に設けられた後部ハンドルと、前記ダストボックスの前部に設けられた前部ハンドルとから成り、しかも前記後部ハンドルは、前記モータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記モータの後方に延びて設けられ、前記前部ハンドルは、前記モータの回転中心線と平行な方向を長手方向として、前記後部ハンドルより前記モータ側に延びて設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記前部ハンドルに取り付けられるように設けられ、その位置は、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記モータハウジングの前方、且つ前記前部ハンドルの把持部から離間した位置であることを特徴とする。
第11発明によれば、前部及び後部ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【0016】
本発明の第12発明は、上記第1発明において、前記円形刃具の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるように前記モータが配置され、前記ブレードケースとして、前記円形刃具による被切断材の切断くずを収納するようにダストボックスが設けられ、前記ハンドルは、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記ダストボックスの後部に設けられた後部ハンドルと、前記ダストボックスの前部に設けられた前部ハンドルとから成り、しかも前記後部ハンドルは、前記モータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、前記モータの後方に延びて設けられ、前記前部ハンドルは、前記モータの回転中心線と平行な方向を長手方向として、前記後部ハンドルより前記モータ側に延びて設けられ、前記バッテリ取付部は、前記複数個のバッテリが、前記モータハウジングの前部に取り付けられるように設けられ、その位置は、前記円形刃具の切断進行方向に関して、前記前部ハンドルの後方、且つ前記前部ハンドルの把持部から離間した位置であることを特徴とする。
第12発明によれば、前部及び後部ハンドルを把持する際に邪魔とならない位置にバッテリを取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1〜3によって本発明の第1実施形態を説明する。第1実施形態は木工用丸鋸であり、この木工用丸鋸は定格電圧が36Vで、電源として18Vバッテリ10を2個直列接続して使用している。この第1実施形態において、バッテリ10を2個直列接続して使用している点を除いて従来公知の木工用丸鋸と同一であり、この木工用丸鋸についての詳細な説明は省略する。
なお、
図1、3の各図中、「切断進行方向」の表記と共に白抜き矢印で示す方向は、木工用丸鋸を使用して木材を切断する際に、木工用丸鋸を押しながら移動させる方向、即ち木材切断方向を示している。また、
図1〜3の各図中、交差する矢印で示す各方向は、木工用丸鋸を中心として、それぞれ表記したとおりの方向を示している。ここで、前、後の方向は、上記木材切断方向を前、その反対方向を後としており、上、下、右、左の各方向は、木工用丸鋸を木材切断方向に押しながら木材を切断する際の木工用丸鋸の上、下、右、左に対応している。更に、
図1〜3の各図中、本発明において重要なバッテリ10には目立つようにハッチングを施している。図面に関する以上の説明は、以下の各実施形態の各対応図において同様である。
【0019】
木工用丸鋸は、バッテリ10を電源とするモータ(不図示)によって円形刃具である丸鋸21が回転作動されるように構成されており、丸鋸21は縦配置され、丸鋸21の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるようにモータが配置されている。丸鋸21の上側と下側とに領域分割するようにベース51が設けられ、このベース51は、丸鋸21により切断される被切断材としての木材(不図示)を上方から押えて、丸鋸21による木材に対する切り込み深さを定めるようにされている。このベース51の上には、モータを被うように設けられたモータハウジング31と、丸鋸21の上側領域を被うように設けられたブレードケース22と、モータハウジング31の上に設けられ、木工用丸鋸の運搬及び使用時に把持可能とされるハンドル41とが一体化されて設けられている。ハンドル41は、モータの上部で、そのモータの回転中心線と直交する方向を長手方向として、丸鋸21の切断進行方向の後方、且つ下方に延びて設けられている。
【0020】
ブレードケース22の前端部は、ベース51の前端部に対してヒンジ部23により回動自在に結合され、ハンドル41を持ち上げることにより、ヒンジ部23を中心として、ベース51に対して、丸鋸21、モータ、モータハウジング31、及びブレードケース22を持ち上げられるようにしている。この木工用丸鋸の場合、ベース51の下にも丸鋸21の下側領域を被うように可動カバー24が設けられており、可動カバー24は図示した状態から丸鋸21の外周に沿って後方に回転しながら、ブレードケース22の内部に収納可能とされている。従って、ベース51の前端部を被切断材としての木材の上に載せて木工用丸鋸を切断進行方向へ押し進めると、木材の切断の進行に伴って、木材により可動カバー24の前端部が後方へ押されて、可動カバー24はブレードケース22の内部に収納され、丸鋸21は可動カバー24に邪魔されることなく木材を切断することができる。
【0021】
バッテリ10は、端子電圧が18Vのバッテリ10が2個直列に接続されるようにハンドル41の前部で、且つモータハウジング31の前部に、バッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。2個のバッテリ10は、ハンドル41の前部の前下がりの傾斜面に沿って傾斜して取り付けられ、
図1の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31の左右幅内に収まり、前方への突出量がブレードケース22に沿う位置とされ、上方への突出量がハンドル41の上方への突出量より低くされている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
【0022】
なお、
図1〜3では図示を省略したが、モータハウジング31の前部にはバッテリ取付部が設けられている。このバッテリ取付部の詳細を
図37に示す。
図37において、バッテリ取付部60には、2個のバッテリ10が取り付けられ、且つ電気的な接続を行うため、バッテリ2個分の接続端子61、62、各一対のレール受部63、爪係止部64が設けられている。接続端子61、62は各バッテリ10の正負各極の電極とそれぞれ接続するものであり、レール受部63はバッテリ10側に対応して設けられたレール部(不図示)と係合して、
図37で矢印で示す方向にバッテリ10を挿入することによりバッテリ10を機械的に保持するものである。また、爪係止部64はバッテリ10が上記のように挿入されて保持されたとき、その状態が維持されるように、バッテリ10側に設けられた爪部(不図示)と係合するものである。このようなバッテリ取付部60は、バッテリ1個分のバッテリ取付部が従来より公知であり、ここではバッテリ2個分とするためにバッテリ1個分のバッテリ取付部を2個並べて設けている。
【0023】
以上の第1実施形態によれば、定格電圧が36Vの木工用丸鋸に対して36Vのバッテリを使用するのではなく、18Vのバッテリ10を2個使用しているため、バッテリとして広く普及している18Vバッテリを使用することができる。そのため、低出力の電動工具と区別なく18Vバッテリを使用可能として、定格電圧が36Vの木工用丸鋸の使用上の利便性及び取扱性を高めることができる。しかも、2個のバッテリ10は、ハンドル41の前部で、且つモータハウジング31の前部に取り付けられるため、ハンドル41から離間した位置に取り付けられ、バッテリ10が2個とされた結果、バッテリの占有スペースが大きくなっても、ハンドル41を把持する際にバッテリ10が邪魔にならないようにすることができる。
【0024】
<第2実施形態>
図4〜6によって本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、2個のバッテリ10の木工用丸鋸内での取付位置を変えた点であり、その他は両者全く同一のため、同一部分には同一符号を付して再度の説明は省略する。
第2実施形態の木工用丸鋸では、端子電圧が18Vのバッテリ10が2個直列に接続されるようにモータハウジング31Aの前部及び後部にそれぞれ取り付けられ、且つ該前部のバッテリ10はハンドル41の前部に、また後部のバッテリ10はハンドル41の側部にハンドル41から離間して取り付けられている。このとき、後部のバッテリ10は、その左側端がモータハウジング31Aの左側端と一致する位置とされ、前部のバッテリ10は、左右方向において後部のバッテリ10よりも右側にずれて位置されている。また、モータハウジング31Aは前部及び後部にバッテリ10を取り付け易くするように、上述第1実施形態のモータハウジング31に比べて形状が変えられている。
この場合、2個のバッテリ10がモータハウジング31Aの前後に分けて取り付けられるため、図示を省略したが、バッテリ取付部もバッテリ1個分づつのバッテリ取付部がモータハウジング31Aの前部及び後部にそれぞれ設けられている。
【0025】
2個のバッテリ10は、
図6の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31Aの左右幅内に収まり、前方、後方及び上方への突出量がブレードケース22に沿う位置とされている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第2実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0026】
<第3実施形態>
図7〜9によって本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、2個のバッテリ10の木工用丸鋸内での取付位置を変えた点であり、その他は両者全く同一のため、同一部分には同一符号を付して再度の説明は省略する。
第3実施形態の木工用丸鋸では、端子電圧が18Vのバッテリ10が2個直列に接続されるようにハンドル41の後部に取り付けられている。ハンドル41の後部は、バッテリ10を取り付けるために、
図7、9に示されるように幅広に形成され、ここに第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)が設けられている。
【0027】
2個のバッテリ10は、
図7の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31の左右幅内に収まり、後方へは突出しているが、上方への突出量はハンドル41Aの下方への傾斜線の延長線上に沿うように形成されている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第3実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0028】
<第4実施形態>
図10〜12によって本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態はモータ・刃物平行タイプの木工用丸鋸であり、この木工用丸鋸は定格電圧が36Vで、電源として18Vバッテリ10を2個直列接続して使用している。この第4実施形態において、バッテリ10を2個直列接続して使用している点を除いて従来公知のモータ・刃物平行タイプの木工用丸鋸と同一であり、この木工用丸鋸についての詳細な説明は省略する。
【0029】
木工用丸鋸は、バッテリ10を電源とするモータ(不図示)によって円形刃具である丸鋸21Bが回転作動されるように構成されており、丸鋸21Bは縦配置され、丸鋸21Bの回転中心線に対して、自らの回転中心線が直交するようにモータが配置されている。丸鋸21Bの上側と下側とに領域分割するようにベース51Bが設けられ、このベース51Bは、丸鋸21Bにより切断される被切断材としての木材(不図示)を上方から押えて、丸鋸21Bによる木材に対する切り込み深さを定めるようにされている。このベース51Bの上には、モータを被うように設けられたモータハウジング31Bと、丸鋸21Bの上側領域を被うように設けられたブレードケース22Bと、モータハウジング31Bの上に設けられ、木工用丸鋸の運搬及び使用時に把持可能とされる後部ハンドル41及び前部ハンドル42とが一体化されて設けられている。
モータは回転中心軸がベース51Bに対して傾斜して配置され、モータハウジング31Bはモータの外形に沿って円柱状に形成されている。後部ハンドル41Bは、モータハウジング31Bの後端に後方側に膨らむリングを成すように一体に設けられ、前部ハンドル42は、モータハウジング31Bの前端に、後部ハンドル41Bのリング形状とは直交する形状のリングを成すように一体に設けられている。
【0030】
ブレードケース22Bの前端部は、ベース51Bの前端部に対してヒンジ部23Bにより回動自在に結合され、後部ハンドル41Bを持ち上げることにより、ヒンジ部23Bを中心として、ベース51Bに対して、丸鋸21B、モータ、モータハウジング31B、及びブレードケース22Bを持ち上げられるようにしている。この木工用丸鋸の場合、ベース51Bの下にも丸鋸21Bの下側領域を被うように可動カバー24が設けられており、可動カバー24は図示した状態から丸鋸21Bの外周に沿って後方に回転しながら、ブレードケース22Bの内部に収納可能とされている。従って、ベース51Bの前端部を被切断材としての木材の上に載せて木工用丸鋸を切断進行方向へ押し進めると、木材の切断の進行に伴って、木材により可動カバー24の前端部が後方へ押されて、可動カバー24はブレードケース22Bの内部に収納され、丸鋸21Bは可動カバー24に邪魔されることなく木材を切断することができる。
【0031】
バッテリ10は端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにモータハウジング31Bの上部で、且つ後部ハンドル41Bの上部に、第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。2個のバッテリ10は、後部ハンドル41Bの前部の前下がりの傾斜面に沿って傾斜して取り付けられ、
図10の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がベース51Bの左右幅内に収まり、前後方向が後部ハンドル41Bとモータハウジング31Bの前後長の範囲内に収まり、上方への突出量が後部ハンドル41Bの本来の上方への突出量より僅かに高くされている。バッテリ10の上方への突出量は、後部ハンドル41Bの前方上部にバッテリ10を固定するための傾斜面が形成されることにより、抑制されている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第4実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0032】
<第5実施形態>
図13〜15によって本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態が上述の第4実施形態に対して特徴とする点は、2個のバッテリ10の木工用丸鋸内での取付位置を変えた点であり、その他は両者全く同一のため、同一部分には同一符号を付して再度の説明は省略する。後部ハンドル41Cは第4実施形態における後部ハンドル41Bに比べて僅かに形状が変更されている。これはバッテリ10の取付位置が変更されたためであり、本質的な変更はない。
第5実施形態の木工用丸鋸では、端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにモータハウジング31Bの反丸鋸21B側の側部に、第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。
2個のバッテリ10は、
図13の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向が大略バッテリ10の厚み分だけベース51Bの右端から突出するが、前後方向は前部ハンドル42及び後部ハンドル41Cのレイアウト範囲内に収まり、上下方向もモータハウジング31Bと前部及び後部ハンドル42、41Cのレイアウト範囲内に収まるように形成されている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第5実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0033】
<第6実施形態>
図16〜18によって本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態は、被切断材である木材(不図示)に対して丸鋸21Dを上方からも移動できるようにした、プランジタイプと呼ばれる木工用丸鋸(英語名称:PLUNGE CUT SAW)であり、この木工用丸鋸は定格電圧が36Vで、電源として18Vバッテリ10を2個直列接続して使用している。この第6実施形態において、バッテリ10を2個直列接続して使用している点を除いて従来公知のプランジタイプの木工用丸鋸と同一であり、この木工用丸鋸についての詳細な説明は省略する。
【0034】
木工用丸鋸は、バッテリ10を電源とするモータ(不図示)によって円形刃具である丸鋸21Dが回転作動されるように構成されており、丸鋸21Dは縦配置され、丸鋸21Dの回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行になるようにモータが配置されている。丸鋸21Dの上側と下側とに領域分割するようにベース51Dが設けられ、このベース51Dは、丸鋸21Dにより切断される木材(不図示)を上方から押えて、丸鋸21Dによる木材に対する切り込み深さを定めるようにされている。このベース51Dの上には、モータを被うように設けられたモータハウジング31Dと、丸鋸21Dの上側領域を被うように設けられたブレードケース22Dと、モータハウジング31Dの上に設けられ、木工用丸鋸の運搬及び使用時に把持可能とされる後部ハンドル41D及び前部ハンドル42Dとが設けられている。ここで、ブレードケース22Dとベース51Dは互いに一体化され、丸鋸21D、モータ、モータハウジング31D、後部ハンドル41D及び前部ハンドル42Dは互いに一体化されている。
モータの後部に設けられた後部ハンドル41Dは、モータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、モータの後方、且つ下方に延びて設けられ、モータの前部に設けられた前部ハンドル42Dは、モータの回転中心線と平行な方向を長手方向として、後部ハンドル41Dより反丸鋸21D側に延びて設けられている。
【0035】
モータハウジング31Dの前部には前方に向けて延びるブラケット32Dが一体に設けられ、このブラケット32Dの前端部は、ベース51Dの前端部に対してヒンジ部33Dにより回動自在に結合され、後部ハンドル41Dを持ち上げることにより、ヒンジ部33Dを中心として、ベース51Dに対して、丸鋸21D、モータ、及びモータハウジング31Dを持ち上げられるようにしている。このように丸鋸21Dが持ち上げられたとき、丸鋸21Dがブレードケース22Dの内壁と干渉しないように、ブレードケース22Dは上方向への高さを高く形成されている。従って、後部ハンドル41Dを把持して丸鋸21Dを持ち上げ、その状態でベース51Dの下の木材を切断することができる。その状態から後部ハンドル41D及び前部ハンドル42Dを前方へ押すことにより、引続き丸鋸21Dによって木材を切断進行方向へ向けて切断することができる。
【0036】
バッテリ10は端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにモータハウジング31Dのモータハウジング31Dの前部及び後部に、第2実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介してそれぞれ取り付けられている。後部のバッテリ10は後部ハンドル41Dより反丸鋸21D側に後部ハンドル41Dから離間して取り付けられ、前部のバッテリ10は前部ハンドル42Dの後方側に前部ハンドル42Dから離間して取り付けられている。2個のバッテリ10は、
図17の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31Dの左右幅内に収まり、前後方向及び上下方向が大略ブレードケース22Dの形状の範囲内収まるようにされている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第6実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0037】
<第7実施形態>
図19〜21によって本発明の第7実施形態を説明する。第7実施形態が上述の第6実施形態に対して特徴とする点は、2個のバッテリ10の木工用丸鋸内での取付位置を変えた点であり、その他は両者全く同一のため、同一部分には同一符号を付して再度の説明は省略する。モータハウジング31Eは第6実施形態におけるモータハウジング31Dに比べて僅かに形状が変更されている。これはバッテリ10の取付位置が変更されたためであり、本質的な変更はない。
第7実施形態の木工用丸鋸では、端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにモータハウジング31Eの上部で、後部ハンドル41Dより反丸鋸21D側、且つ前部ハンドル42Dの後方に、後部ハンドル41D及び前部ハンドル42Dから離間して、第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。
2個のバッテリ10は、
図20の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31Eの左右幅内に収まり、前後方向は前部ハンドル42D及び後部ハンドル41Dのレイアウト範囲内に収まり、上下方向も後部ハンドル41Dの上下幅内に収まるように形成されている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第7実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0038】
<第8実施形態>
図22〜24によって本発明の第8実施形態を説明する。第8実施形態は、ダストボックス付きの木工用丸鋸であり、この木工用丸鋸は定格電圧が36Vで、電源として18Vバッテリ10を2個直列接続して使用している。この第8実施形態において、バッテリ10を2個直列接続して使用している点を除いて従来公知のダストボックス付きの木工用丸鋸と同一であり、この木工用丸鋸についての詳細な説明は省略する。
【0039】
木工用丸鋸は、バッテリ10を電源とするモータ(不図示)によって円形刃具である丸鋸21が回転作動されるように構成されており、丸鋸21は縦配置され、丸鋸21の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行になるようにモータが配置されている。丸鋸21の上側と下側とに領域分割するようにベース51Eが設けられ、このベース51Eは、丸鋸21により切断される木材(不図示)を上方から押えて、丸鋸21による木材に対する切り込み深さを定めるようにされている。このベース51Eの上には、モータを被うように設けられたモータハウジング31Fと、丸鋸21の上側領域を被うと共に丸鋸21による木材の切断くずを収納するように設けられたダストボックス25(本発明におけるブレードケースに相当する)と、モータハウジング31Fの上に設けられ、木工用丸鋸の運搬及び使用時に把持可能とされるハンドル41Eとが一体化されて設けられている。ハンドル41Eは、モータの上部で、そのモータの回転中心線と直交する方向を長手方向として、丸鋸21の切断進行方向の後方、且つ下方に延びて設けられている。ダストボックス25の後端部には、ダストボックス25内に収納された切断くずを外部に排出するため集塵機接続口26が設けられている。
【0040】
ダストボックス25の前端部は、ベース51Eの前端部に対してヒンジ部23により回動自在に結合され、ハンドル41を持ち上げることにより、ヒンジ部23Cを中心として、ベース51Eに対して、丸鋸21、モータ、モータハウジング31F、及びダストボックス25を持ち上げられるようにしている。この木工用丸鋸の場合、ベース51Eの下にも丸鋸21の下側領域を被うように可動カバー24が設けられており、可動カバー24は図示した状態から丸鋸21の外周に沿って後方に回転しながら、ダストボックス25の内部に収納可能とされている。従って、ベース51の前端部を被切断材としての木材の上に載せて木工用丸鋸を切断進行方向へ押し進めると、木材の切断の進行に伴って、木材により可動カバー24の前端部が後方へ押されて、可動カバー24はダストボックス25の内部に収納され、丸鋸21は可動カバー24に邪魔されることなく木材を切断することができる。
【0041】
バッテリ10は端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにモータハウジング31Fの前部及び後部に、第2実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介してそれぞれ取り付けられている。前部のバッテリ10はハンドル41Eの前部に、また後部のバッテリ10はハンドル41Eの側部にハンドル41Eから離間して取り付けられている。ここで、前部のバッテリ10は左右方向を縦長として取り付けられ、後部のバッテリ10は上下方向を縦長として取り付けられている。
これら2個のバッテリ10は、
図23の網かけ矢印で示す方向にそれぞれ押し込むことにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31Fの左右幅内に収まり、前後方向がベース51Eの前後長の範囲内に収まり、上下方向がモータハウジング31Fの上下幅内に収まるようにされている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第8実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0042】
図38〜40には、第8実施形態をノーマルな木工用丸鋸に応用し、具体化した実施例が示されている。
図38〜40において、
図22〜24と対応する部分には同じ符号を付して再度の説明は省略する。なお、
図38では、可動カバー24の構成を判り易く示すため、丸鋸21の記載を省略している。この実施例では、
図38、40から明らかなように集塵機接続口26の位置がブレードケースの右上部とされている。但し、
図39では集塵機接続口26の図示を省略している。また、この実施例では、
図38に示されるように、
図16に基づいて説明した第6実施形態の場合と同様に、前部ハンドル42Dが設けられている。但し、
図39、40では前部ハンドル42Dの図示を省略している。
図40には、モータハウジング31Fの後部に取り付けられたバッテリ10のバッテリ取付部60が示されている。ここでは、モータハウジング31F側に設けられた一対のレール受部63、63にバッテリ10側のレール部12、12が係合している様子が示されている。また、バッテリ10のモータハウジング31F側面には爪部11が示されている。この爪部11は、バッテリ10の端面に設けられたボタン13を押すことにより、モータハウジング31F側の爪係止部(不図示)との係合を解除可能とされている。
図40では、モータハウジング31F側の一対のレール受部63、63にバッテリ10側のレール部12、12が係合し、且つモータハウジング31F側の爪係止部にバッテリ10側の爪部11が係合して、モータハウジング31Fの後部にバッテリ10が取り付けられている状態が示されている。
【0043】
<第9実施形態>
図25〜27によって本発明の第9実施形態を説明する。第9実施形態が上述の第8実施形態に対して特徴とする点は、2個のバッテリ10の木工用丸鋸内での取付位置を変えた点であり、その他は両者全く同一のため、同一部分には同一符号を付して再度の説明は省略する。モータハウジング31G及びハンドル41Fは、第8実施形態におけるモータハウジング31F及びハンドル41Eに比べて僅かに形状が変更されている。これはバッテリ10の取付位置が変更されたためであり、本質的な変更はない。
第9実施形態の木工用丸鋸では、端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにハンドル41Fとダストボックス25との間の前側部分に、第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。ここで、ハンドル41Fは、前側部分にバッテリ10を固定し易くするように、ハンドル41Fのダストボックス25側壁面を前方に延長するフランジ部43が形成されている。
【0044】
2個のバッテリ10は、
図26の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、木工用丸鋸の電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がハンドル41Fとダストボックス25との間に収まり、前後方向がベース51Eの前後長の範囲内に収まり、上下方向がハンドル41Fの上下幅内に収まるようにされている。このため、2個のバッテリ10が木工用丸鋸を使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第9実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0045】
<第10実施形態>
図28〜30によって本発明の第10実施形態を説明する。第10実施形態は石工用カッタであり、この石工用カッタは定格電圧が36Vで、電源として18Vバッテリ10を2個直列接続して使用している。この第10実施形態において、バッテリ10を2個直列接続して使用している点を除いて従来公知の石工用カッタと同一であり、この石工用カッタについての詳細な説明は省略する。
【0046】
石工用カッタは、バッテリ10を電源とするモータ(不図示)によって円形刃具であるダイヤモンドホイール27が回転作動されるように構成されており、ダイヤモンドホイール27は縦配置され、ダイヤモンドホイール27の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるようにモータが配置されている。ダイヤモンドホイール27の上側と下側とに領域分割するようにベース51Fが設けられ、このベース51Fは、ダイヤモンドホイール27により切断される被切断材としての石材(不図示)を上方から押えて、ダイヤモンドホイール27による石材に対する切り込み深さを定めるようにされている。このベース51Fの上には、モータを被うように設けられたモータハウジング31Hと、ダイヤモンドホイール27の上側領域を被うように設けられたブレードケース22Eと、モータハウジング31Hの上から後部にかけて設けられ、石工用カッタの運搬及び使用時に把持可能とされるハンドル41Gとが一体化されて設けられている。ハンドル41Gは、モータハウジング31Hの上から後部にかけての部分で、モータの回転中心線と直交する方向を長手方向として、ダイヤモンドホイール27の切断進行方向の後方、且つ下方に延びて設けられている。
ブレードケース22Eの前端部は、ベース51Fの前端部に対してヒンジ部23Dにより回動自在に結合され、ハンドル41Gを持ち上げることにより、ヒンジ部23Dを中心として、ベース51Fに対して、ダイヤモンドホイール27、モータ、モータハウジング31H、及びブレードケース22Eを持ち上げられるようにしている。
【0047】
バッテリ10は端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにモータハウジング31Hの上部で、ハンドル41Gの前方に、第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。2個のバッテリ10は、
図28の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、石工用カッタの電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31Hの左右幅内に収まり、前後方向がベース51Fの前後長の範囲内に収まり、上下方向がハンドル41Gの上下幅内に収まるようにされている。このため、2個のバッテリ10が石工用カッタを使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第10実施形態によれば、上述の第1実施形態に対して木工用丸鋸が石工用カッタに変わるのみで、第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0048】
<第11実施形態>
図31〜33によって本発明の第11実施形態を説明する。第11実施形態は金工用チップソーカッタであり、この金工用チップソーカッタは定格電圧が36Vで、電源として18Vバッテリ10を2個直列接続して使用している。この第11実施形態において、バッテリ10を2個直列接続して使用している点を除いて従来公知の金工用チップソーカッタと同一であり、この金工用チップソーカッタについての詳細な説明は省略する。
【0049】
金工用チップソーカッタは、バッテリ10を電源とするモータ(不図示)によって円形刃具であるチップソー28が回転作動されるように構成されており、チップソー28は縦配置され、チップソー28の回転中心線に対して、自らの回転中心線が平行となるようにモータが配置されている。チップソー28の上側と下側とに領域分割するようにベース51Gが設けられ、このベース51Gは、チップソー28により切断される被切断材としての金属材(不図示)を上方から押えて、チップソー28による金属材に対する切り込み深さを定めるようにされている。このベース51Gの上には、モータを被うように設けられたモータハウジング31Jと、チップソー28の上側領域を被うと共にチップソー28による金属材の切断くずを収納するように設けられたダストボックス25A(本発明におけるブレードケースに相当する)と、ダストボックス25Aの上から後部にかけて設けられ、金工用チップソーカッタの運搬及び使用時に把持可能とされる後部ハンドル41H及び前部ハンドル42Eとが一体化されて設けられている。
ダストボックス25Aの後部に設けられた後部ハンドル41Hは、モータの回転中心線と交差する方向を長手方向として、モータの後方、且つ下方に延びて設けられ、ダストボックス25Aの前部に設けられた前部ハンドル42Eは、モータの回転中心線と平行な方向を長手方向として、後部ハンドル41Dよりモータハウジング31J側に延びて設けられている。
【0050】
この金工用チップソーカッタの場合、ベース51Gの下にもチップソー28の下側領域を被うように可動カバー24が設けられており、可動カバー24は図示した状態からチップソー28の外周に沿って後方に回転しながら、ダストボックス25Aの内部に収納可能とされている。従って、ベース51Gの前端部を被切断材としての金属材の上に載せて金工用チップソーカッタを切断進行方向へ押し進めると、金属材の切断の進行に伴って、金属材により可動カバー24の前端部が後方へ押されて、可動カバー24はダストボックス25Aの内部に収納され、チップソー28は可動カバー24に邪魔されることなく金属材を切断することができる。
【0051】
バッテリ10は端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるように前部ハンドル42Eの後部で、モータハウジング31Jの前方、且つ前部ハンドル42Eの把持部から離間した位置に、第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。前部ハンドル42Eの下部にはベース51Gに達する位置まで縦壁44が形成されており、この縦壁44によってバッテリ10は取り付けられている。2個のバッテリ10は、
図32の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、金工用チップソーカッタの電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31Jの左右幅内に収まり、前後方向が縦壁44とモータハウジング31Jとの間に収まり、上下方向がダストボックス25Aの上下幅内に収まるようにされている。このため、2個のバッテリ10が金工用チップソーカッタを使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第11実施形態によれば、上述の第1実施形態に対して木工用丸鋸が金工用チップソーカッタに変わるのみで、第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0052】
<第12実施形態>
図34〜36によって本発明の第12実施形態を説明する。第12実施形態が上述の第11実施形態に対して特徴とする点は、2個のバッテリ10の金工用チップソーカッタ内での取付位置を変えた点であり、その他は両者全く同一のため、同一部分には同一符号を付して再度の説明は省略する。但し、両実施形態間ではバッテリ10の取付位置が変更されたため若干の変更が施されているが、本質的な変更ではない。即ち、モータハウジング31Kの形状が第11実施形態におけるモータハウジング31Jに対して変更され、前部ハンドル42Fは第11実施形態における前部ハンドル42Eのような縦壁44を持っていない。また、ベース51Gの前端部とダストボックス25Aの前下端部との間にはヒンジ部23Eが設けられている。なお、ヒンジ部23Eに関しては、第11実施形態の各
図31〜33では図示を省略したが、実際には同様に設けられている。
【0053】
第12実施形態の金工用チップソーカッタでは、端子電圧が18Vのバッテリ10が、2個直列に接続されるようにモータハウジング31Kの前部に、第1実施形態と同様のバッテリ取付部(不図示)を介して取り付けられている。その取付位置は、前部ハンドル42Fの後方、且つ前部ハンドル42Fの把持部から離間した位置とされている。
2個のバッテリ10は、
図35の網かけ矢印で示す方向に押し込まれることにより、金工用チップソーカッタの電源端子(不図示)に2個のバッテリ10が直列に接続されるように構成されている。このようにバッテリ10が取り付けられたとき、2個のバッテリ10は、左右方向がモータハウジング31Kの左右幅内に収まり、前後方向が前部ハンドル42Fとモータハウジング31Kとの間に収まり、上下方向がダストボックス25Aの上下幅内に収まるようにされている。このため、2個のバッテリ10が金工用チップソーカッタを使用する作業に殆ど影響を与えない。
この第12実施形態によれば、上述の第1実施形態に対して木工用丸鋸が金工用チップソーカッタに変わるのみで、第1実施形態と同様な作用効果を達成することができる。
【0054】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、
1.上記実施形態では、バッテリとして18Vバッテリを使用する場合について説明したが、14.4Vバッテリ等、他の電圧のバッテリを用いても良い。本発明の課題を達成するためには、使用するバッテリは最も普及しているバッテリと同一規格のものを選択することが望ましい。
2.上記実施形態では、2個のバッテリを直列接続して使用する場合について説明したが、直列接続するバッテリの数は3個以上としても良い。本発明の課題を達成するためには、最も普及しているバッテリと同一規格のバッテリを使用できるように、適用する手持式電動切断機の定格電圧に合せてバッテリの使用個数を決定することが望ましい。例えば、普及しているバッテリが18Vバッテリで、手持式電動切断機の定格電圧が54Vの場合、使用するバッテリは18Vバッテリとし、使用個数は3個とする。