(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227795
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】取付装置及び取付方法
(51)【国際特許分類】
F01D 9/02 20060101AFI20171030BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20171030BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
F01D9/02 104
F02C7/00 D
F01D25/00 X
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-550961(P2016-550961)
(86)(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公表番号】特表2016-537562(P2016-537562A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】EP2014069854
(87)【国際公開番号】WO2015067395
(87)【国際公開日】20150514
【審査請求日】2016年8月3日
(31)【優先権主張番号】13191584.5
(32)【優先日】2013年11月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508008865
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ベンテレ
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ・ボイル
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ブルムビ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー・セランスキ
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル・エットラー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ヘルミス
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・リンデマン
(72)【発明者】
【氏名】アダム・マグワイア
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー・リッケン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・シュティーム
【審査官】
倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−257966(JP,A)
【文献】
特開2013−221517(JP,A)
【文献】
特開2011−045992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/30−5/32,
9/00−9/06,
25/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付けるべきガイドベーン(34)をタービン(31)のベーンスロット(32)に取り付けるための取付装置(10)において、
前記取付装置(10)が、固定ユニット(11)と押圧ユニット(12)とを備えており、
前記固定ユニット(11)が、周方向(24)において前記ベーンスロット(32)に圧力嵌めされるように構成されており、
前記周方向(24)が、前記取付装置(10)の動作位置において前記タービン(31)の回転軸線(30)に対して垂直に且つ前記回転軸線(30)の周りに一定距離で離隔して囲んでおり、
前記押圧ユニット(12)が、前記周方向(24)において前記固定ユニット(11)の後方に配置されており、
前記押圧ユニット(12)が、前記周方向(24)において前記固定ユニット(11)に当接されており、
前記押圧ユニット(12)が、押圧ピストン(15)によって前記周方向(24)の反対方向である取付方向(16)に押圧力を作用させるように、且つ、取り付けるべき前記ガイドベーン(34)に前記押圧力を伝達させるように構成され、
前記固定ユニット(11)が、ピストン斜面(20)に設けられている固定ピストン(19)を備えており、
前記固定ピストン(19)が、固定方向(23)において固定フォーク(18)のフォーク斜面(25)に接触した状態で移動可能とされることを特徴とする取付装置(10)。
【請求項2】
前記固定ユニット(11)が、流体駆動されることを特徴とする請求項1に記載の取付装置(10)。
【請求項3】
前記押圧ユニット(12)が、流体駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の取付装置(10)。
【請求項4】
前記押圧ピストン(15)が、端部ストッパ部分(17)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項5】
取り付けるべきガイドベーン(34)が、タービン(31)のベーンスロット(32)に固定される、取付方法(40)において、
取り付けるべき前記ガイドベーン(34)が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の取付装置によって、前記取付方向(16)において前記ベーンスロット(32)に沿って、前記ガイドベーンを固定するための押圧要素(36)を具備する地点に至るまで駆動されることを特徴とする取付方法(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドベーンをタービンのベーンスロットに取り付けるための取付装置及び取付方法に関する。
【0002】
従来技術では、ガイドベーンは手作業によるハンマー打撃によってタービンのベーンスロット内の最終位置に移動されることが一般的である。このことは、時間及び労力の観点において非常に厳しいものである。
【0003】
本発明の目的は、上述の作業のための装置を提供することである。
【0004】
当該目的は、請求項1に規定する取付装置と請求項6に規定する取付方法とによって達成される。本発明の優位な改善点は、従属請求項において特定されており、本明細書に説明されている。
【0005】
本発明における、取り付けるべきガイドベーンをタービンのベーンスロットに取り付けるための取付装置は、固定ユニットと押圧ユニットとを備えている。これに関連して、固定ユニットは、周方向における圧力嵌めをベーンスロット内において発生させるように構成されている。押圧ユニットは、周方向において固定ユニットの後方に配置されており、周方向において固定ユニットに当接している。押圧ユニットは、押圧ピストンによって、周方向に対して反対方向である取付方向に押圧力を作用させるように、且つ、取り付けるべきガイドベーンに当該押圧力を伝達させるように構成されている。
【0006】
本発明における取付装置は、優位には、ガイドベーンの取付作業を単純化及び高速化することができる。これにより、コスト及び作業時間を低減させることができる。
【0007】
本発明における取付装置の一の優位な構成では、固定ユニットは、ピストン斜面を備えている固定ピストンであって、固定フォークのフォーク斜面に当接した状態で固定方向において移動可能とされる固定ピストンを備えている。
【0008】
このような構成によって、容易に取付装置とタービンと圧力嵌めすることができる。固定ピストンが固定フォーク内に配置されていることによって、固定ピストンの移動に起因してベーンスロットが損傷されないことが確保される。
【0009】
本発明における取付装置のさらなる優位な実施例では、固定ユニットは流体駆動される。さらに、他の優位な実施例では、押圧ユニットが流体駆動される。これに関連して、「流体駆動」との用語は、液圧駆動式又は空圧駆動式を含んでいる。
【0010】
従って、取付装置は、製造工場でしばしば見受けられるような一般的な流体アセンブリによって駆動可能とされる。
【0011】
本発明における取付装置のさらなる優位な実施例では、押圧ピストンは、端部ストッパ部品を備えている。
【0012】
端部ストッパ部品を押圧ピストンに配置させることによって、本発明における取付装置の取り扱いを単純化することができる。端部ストッパ部品を所定位置に保持することが追加的に必要とされないからである。
【0013】
本発明における取付方法では、取り付けるべきガイドベーンが、本発明における取付装置によって、押圧要素が設けられた箇所に至るまで、取付方向においてベーンスロットに沿って駆動されるので、取り付けるべきガイドベーンは、タービンのベーンスロットの内部に固定される。従来通り、ガイドベーンは、押圧要素によって固定される。
【0014】
本発明における取付方法を実施すれば、据付作業者は、同一の目的のための従来利用されてきた取付方法より素早く且つ容易に取り付け作業をすることができる。
【0015】
本発明の典型的な実施例については、添付図面及び以下の説明に基づいて詳述する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明における、取り付けるべきガイドベーン34を取り付けるための取付装置10の典型的な構成を表わす。本発明における取付装置10は、固定ユニット11と押圧ユニット12とを備えている。固定ユニット11は、動作位置における典型的な構成として
図2に概略的に表わされている。
図3は、例えば本発明における取付方法40を実施している際に動作位置に位置している、本発明に係る取付装置10を表わす。
【0018】
本発明では、固定ユニット11が、取り付けるべきガイドベーン34を取り付けるために、周方向24においてタービン31のベーススロット32に圧力嵌めすることができるように構成されている。これに関連して、周方向24は、取付装置10の動作位置においてタービン31の回転軸線30に対して垂直に且つ回転軸線30の周りに一定の距離で離隔した状態で囲んでいる方向である。従って、周方向24は、ベーンスロット32の輪郭に対応している。
【0019】
本発明では、押圧ユニット12が、周方向24において固定ユニット11の後方に配置されている。従って、押圧ユニット12は、周方向24において固定ユニット11に当接している。周方向24において固定ユニット11と押圧ユニット12とが嵌合することができる。また、固定ユニット11と押圧ユニット12とは、このような当接を実現することができる共通のハウジングを有している。
【0020】
本発明では、押圧ユニット12は、押圧ピストン15を有しており、押圧ユニット12が押圧ピストン15を介して押圧力を取付方向16に作用させることができるように構成されている。これに関連して、取付方向16は、周方向24に対して反対方向に方向づけられている。
【0021】
特に、固定ユニット11及び/又は押圧ユニット12は流体駆動される。固定ユニット11及び押圧ユニット12は、空圧駆動又は液圧駆動される場合がある。押圧ユニット12の押圧ピストン15は、特に空圧式シリンダの空圧式ピストン又は液圧式シリンダの液圧式ピストンとされる。
図1では、本発明における取付装置は、供給配管14を介して、流体アセンブリ13に接続されている。流体アセンブリ13は、流体圧力を、場合によっては、取付装置10を動作させるために必要とされる減圧を発生させる。また、流体アセンブリ13と供給配管14とは、取付装置10の一部分を形成している。
【0022】
図1では、端部ストッパ部分17は、取付方向16において押圧ピストン15の前方に配置されている。端部ストッパ部分17は、ガイドベーンを損傷させないように、取り付けるべきガイドベーン34より軟質の材料から成る。
【0023】
端部ストッパ部分17は、特に青銅、黄銅、又は銅から作られている。また、端部ストッパ部分17は、取付装置10の一部分を形成しており、押圧ピストン15に固定状態で接続されている。
【0024】
周方向における圧力嵌めを実現させるために、固定ユニット11は、特に固定ピストン19と固定フォーク18とを備えている。これに関連して、固定フォーク18は、フォーク斜面25を具備する少なくとも1つの上側フォーク腕21を有している。また、
図2に表わす構成では、固定フォーク18は、下側フォーク腕22を有している。これに関連して、固定ピストン19は、上側フォーク腕21と下側フォーク腕22との間で案内される。当該実施例では、固定ピストン19は、変位可能に配置されている。当該実施例では、固定ピストン19は、固定方向23において及び固定方向23の反対方向において移動可能とされる。
【0025】
特に、固定ピストン19は、ピストン斜面20を有している。ピストン斜面20は、特にフォーク斜面25に当接している。固定ピストン19が固定方向23に移動された場合に、フォーク斜面25は固定方向23に対して横方向に押される。
図2では、固定ピストン19が固定方向23に移動された場合に、上側フォーク腕21が押圧方向26に付勢される。これにより、動作位置では、上側フォーク腕21がベーンスロット32の壁に押圧される。
【0026】
本発明における取付装置10の動作位置では、固定方向23が、回転軸線30に関してラジアル方向に延在している。押圧方向26は、固定方向23に対して横方向に且つ回転軸線30に対して略平行に延在している。
【0027】
固定ピストン19は、特に空圧式シリンダの空圧式ピストン又は液圧式シリンダの液圧式ピストンとされる。
【0028】
図2及び
図3に表わす実施例では、ベーンスロット32は、突出部39に配置されているアキシアル方向押圧溝35と、ラジアル方向押圧溝37とを有している。従って、本出願で図示のベーンスロット32の構成は一般的な態様に一致している。アキシアル方向押圧溝35は、アキシアル方向押圧要素36を挿入することを目的として設けられており、ラジアル方向押圧溝37は、ラジアル方向押圧要素38を挿入することを目的として設けられている。アキシアル方向押圧要素36がオーバーサイズであることに起因して、この地点に位置決めされているガイドベーン33が、ベーンスロット32の内部に固定される。本発明における取付方法40の目的は、挿入されたアキシアル方向押圧要素36及びラジアル方向押圧要素38と共に、取り付けるべきガイドベーン34をベーンスロット32の当該地点に移動させることである。
【0029】
図3は、本発明における取付方法40を示す。本発明における取付方法40では、取り付けるべきガイドベーン34が、タービン31のベーンスロット32に固定される。
【0030】
図示の状況では、2つのガイドベーン33がベーンスロット32の最終位置に既に配置されている。取り付けるべきガイドベーン34は、既に取り付けられたガイドベーン33に向かって押される。依然として取り付けられていないガイドベーン34の最終位置では、アキシアル方向押圧要素36及びラジアル方向押圧要素38が、この場合には既に挿入されている。当該最終位置において、本発明における取付方法40が機能し、取り付けるべきガイドベーン34が、取付装置10によって、取付方向16においてベーンスロット32に沿って駆動される。
【0031】
図面では、取付装置10及び場合によっては端部ストッパ部分17が、動作位置に既に移動されている。最初に、固定ユニット11が、特に固定方向23において固定ピストン19を延伸させることによって、周方向において取付装置10とベーンスロット32とを圧力嵌めするために利用される。圧力嵌めがなされると、押圧ピストン15が動作し、取付方向16に力を作用させる。端部ストッパ部分17は、押圧ピストン15と取り付けるべきガイドベーン34との間に配置されている。端部ストッパ部分17は、取付方向16において、押圧ピストン15によって作用される力を取り付けるべきガイドベーン34に伝達させるので、取り付けるべきガイドベーン34は最終位置に向かって押される。
【0032】
本発明について、好ましい典型的な実施例を用いてより詳細に説明したが、本発明は、開示された例示によって制限される訳ではなく、当業者であれば、本発明の保護範囲から逸脱することなく、当該例示から他の変形例を想到することができる。
【符号の説明】
【0033】
10 取付装置
11 固定ユニット
12 押圧ユニット
13 流体アセンブリ
14 供給配管
15 押圧ピストン
16 取付方向
17 端部ストッパ部分
18 固定フォーク
19 固定ピストン
21上側フォーク腕
22 下側フォーク腕
23 固定方向
24 周方向
25 フォーク斜面
26 押圧方向
30 回転軸線
31 タービン
32 ベーススロット
33 ガイドベーン
34 取り付けるべきガイドベーン
35 アキシアル方向押圧溝
36 アキシアル方向押圧要素
37 ラジアル方向押圧溝
38 ラジアル方向押圧要素
39 突出部
40 取付方法