特許第6227807号(P6227807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6227807
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】フロントフェンダ及びホイールローダ
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/16 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   B62D25/16 A
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-575262(P2016-575262)
(86)(22)【出願日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】JP2016086646
【審査請求日】2017年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 庸平
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−106302(JP,A)
【文献】 特開2005−41405(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0274101(US,A1)
【文献】 米国特許第4268053(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部がホイールローダの前タイヤの上方に配置される第1部材と、
前記第1部材の下面と対向する上面を有する上板、及び前記上板の後端部と接続され前記前タイヤの後方に配置される後板を含む第2部材と、
前記上板の下面と前記後板の前面とに接続される傾斜板と、
前記上板と前記第1部材とを連結する連結部材と、を備え、
前記傾斜板は、前記連結部材の直下に設けられ前記連結部材が通過可能な通孔と、前記傾斜板の下端部に設けられる切欠孔と、を有する、
フロントフェンダ。
【請求項2】
前記切欠孔は、前記前タイヤの回転軸と平行な車幅方向において、前記傾斜板の中心とは異なる位置に設けられる、
請求項1に記載のフロントフェンダ。
【請求項3】
前記第1部材の下面は、前記上板の上面と接触する第1下面と、前記上板の上面と間隙を介して対向する第2下面とを含み、
前記第1部材において、前記第1下面を有する第1部分の厚みは、前記第2下面を有する第2部分の厚みよりも厚い、
請求項1又は請求項2に記載のフロントフェンダ。
【請求項4】
前記第1下面は、前記前タイヤの回転軸と平行な車幅方向において、間隔をあけて複数設けられる、
請求項3に記載のフロントフェンダ。
【請求項5】
前記第1部材は、前記第1下面に設けられ前記連結部材の雄ねじと結合される第1雌ねじ孔を有する、
請求項3又は請求項4に記載のフロントフェンダ。
【請求項6】
前記第1部材は、前記第1部材の上面に設けられ吊具の雄ねじと結合される第2雌ねじ孔を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のフロントフェンダ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のフロントフェンダが取り付けられる車体フレームを有するホイールローダ。
【請求項8】
前記車体フレームに固定され、前記第1部材の後部と接触して前記第1部材を位置決めする位置決め部材を備える、
請求項7に記載のホイールローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントフェンダ及びホイールローダに関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダは、前タイヤの周囲の一部に配置されるフロントフェンダを備える。フロントフェンダにより、ホイールローダの走行において飛散した土砂が運転台等に当たることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−321720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロントフェンダは、ボルトのような連結部材によりホイールローダの車体フレームに着脱可能に取り付けられることがある。フロントフェンダが車体フレームに着脱可能に取り付けられることにより、フロントフェンダの交換作業又は前タイヤの交換作業が円滑に実施される。しかし、フロントフェンダが大型である場合、フロントフェンダを車体フレームに取り付ける作業及び車体フレームから外す作業の困難性は高くなる。したがって、フロントフェンダの構造やフロントフェンダの車体フレームへの取付構造を最適化することにより、フロントフェンダの交換作業や前タイヤの交換作業の作業効率を向上することが期待できる。
【0005】
本発明の態様は、車体フレームに取り付ける作業及び車体フレームから外す作業を円滑に実施できるフロントフェンダ及びホイールローダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、少なくとも一部がホイールローダの前タイヤの上方に配置される第1部材と、前記第1部材の下面と対向する上面を有する上板、及び前記上板の後端部と接続され前記前タイヤの後方に配置される後板を含む第2部材と、前記上板の下面と前記後板の前面とに接続される傾斜板と、前記上板と前記第1部材とを連結する連結部材と、を備え、前記傾斜板は、前記連結部材の直下に設けられ前記連結部材が通過可能な通孔と、前記傾斜板の下端部に設けられる切欠孔と、を有する、フロントフェンダが提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様のフロントフェンダが取り付けられる車体フレームを有するホイールローダが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、車体フレームに取り付ける作業及び車体フレームから外す作業を円滑に実施できるフロントフェンダ及びホイールローダが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係るホイールローダの一例を示す側面図である。
図2図2は、本実施形態に係るホイールローダの一例を示す上面図である。
図3図3は、本実施形態に係るホイールローダの一例を示す正面図である。
図4図4は、本実施形態に係るフロントフェンダが取り付けられた前フレームを左斜め前方から見た図である。
図5図5は、本実施形態に係るフロントフェンダが取り付けられた前フレームを左斜め後方から見た図である。
図6図6は、本実施形態に係るフロントフェンダを前方から見た斜視図である。
図7図7は、本実施形態に係るフロントフェンダを後方から見た斜視図である。
図8図8は、本実施形態に係る第1部材を上方から見た斜視図である。
図9図9は、本実施形態に係る第1部材を下方から見た斜視図である。
図10図10は、本実施形態に係る第2部材を前方から見た斜視図である。
図11図11は、本実施形態に係る第2部材を後方から見た斜視図である。
図12図12は、本実施形態に係る第1部材と第2部材との連結構造の一例を示す断面図である。
図13図13は、本実施形態に係る第3部材を前方から見た斜視図である。
図14図14は、本実施形態に係る第3部材を後方から見た斜視図である。
図15図15は、本実施形態に係る前フレームの一部を拡大した斜視図である。
図16図16は、本実施形態に係るフロントフェンダを前フレームに取り付ける作業の一例を模式的に示す図である。
図17図17は、本実施形態に係るフロントフェンダを前フレームに取り付ける作業の一例を模式的に示す図である。
図18図18は、本実施形態に係るフロントフェンダの搬送作業の一例を模式的に示す図である。
図19図19は、本実施形態に係るフロントフェンダの搬送作業の一例を模式的に示す図である。
図20図20は、本実施形態に係るフロントフェンダの搬送作業の一例を模式的に示す図である。
図21図21は、本実施形態に係るフロントフェンダの搬送作業の一例を模式的に示す図である。
図22図22は、本実施形態に係る前タイヤの交換作業の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。なお、各図面において、説明を補助するために、隠れている部分を部分的に破線で示している。
【0011】
[ホイールローダ]
図1は、本実施形態に係るホイールローダ100の一例を示す側面図である。図2は、本実施形態に係るホイールローダ100の一例を示す上面図である。図3は、本実施形態に係るホイールローダ100の一例を示す正面図である。ホイールローダ100は、バケット202ですくった土砂を運搬機械に積み込む積込機械である。ホイールローダ100は、例えば、鉱山において、土砂や砕石を運搬したり、ダンプトラックに土砂や砕石を積み込む作業を行うために用いられる。
【0012】
図1図2、及び図3に示すように、ホイールローダ100は、車体フレーム102と、運転席が設けられる運転台103と、走行装置104と、車体フレーム102に支持される作業機200と、車体フレーム102に取り付けられるフロントフェンダ1とを備える。
【0013】
車体フレーム102は、前フレーム102Fと、後フレーム102Rとを含む。前フレーム102Fと後フレーム102Rとは、関節機構110を介して連結される。
【0014】
ホイールローダ100は、運転台103に搭乗した運転者に操作される。運転者に操作される運転操作装置が運転台103に配置される。運転操作装置は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、変速機シフトレバー、及び作業機200を操作するための作業機レバーを含む。運転者は、運転操作装置を操作して、ホイールローダ100の走行速度の調整、前進又は後進の切替え、及び作業機200の操作を実施する。
【0015】
走行装置104は、車輪105を有する。タイヤ106が車輪105に装着される。車輪105は、前フレーム102Fに支持される2つの前輪105Fと、後フレーム102Rに支持される2つの後輪105Rとを含む。タイヤ106は、前輪105Fに装着される前タイヤ106Fと、後輪105Rに装着される後タイヤ106Rとを含む。走行装置4は、地面RSを走行可能である。
【0016】
前輪105F及び前タイヤ106Fは、回転軸FXを中心に回転可能である。後輪105R及び後タイヤ106Rは、回転軸RXを中心に回転可能である。
【0017】
以下の説明においては、前タイヤ106Fの回転軸FXと平行な方向を適宜、車幅方向、と称し、地面RSと接触する前タイヤ106Fの接地面と直交する方向を適宜、上下方向、と称し、車幅方向及び上下方向の両方と直交する方向を適宜、前後方向、と称する。ホイールローダ1が直進状態で走行するとき、回転軸FXと回転軸RXとは平行である。
【0018】
また、以下の説明においては、車幅方向において車体フレーム102の中心に近い位置又は方向を適宜、車幅方向の内側又は内方、と称し、車体フレーム102の中心から遠い位置又は方向を適宜、車幅方向の外側又は外方、と称する。また、前後方向において作業機200に近い位置又は方向を適宜、前側又は前方、と称し、前側又は前方の逆側又は逆方向を適宜、後側又は後方、と称する。また、上下方向において前タイヤ106Fの接地面に近い位置又は方向を適宜、下側又は下方、と称し、下側又は下方の逆側又は逆方向を適宜、上側又は上方、と称する。
【0019】
また、以下の説明においては、車幅方向と平行な仮想軸を適宜、車幅軸、と称する。また、前後方向と平行な仮想軸を適宜、前後軸、と称する。また、上下方向と平行な仮想軸を適宜、上下軸、と称する。
【0020】
前フレーム102Fは、後フレーム102Rよりも前方に配置される。前輪105F及び前タイヤ106Fは、後輪105R及び後タイヤ106Rよりも前方に配置される。
【0021】
作業機200は、車体フレーム102に連結されるブーム201と、バケット202と、ベルクランク203と、リンク204とを有する。
【0022】
ブーム201は、ブームシリンダ211が発生する動力によって作動する。ブームシリンダ211は、ブーム201を移動するための動力を発生する油圧シリンダである。ブームシリンダ211の一端部は、車体フレーム102に連結される。ブームシリンダ211の他端部は、ブーム201に連結される。ブームシリンダ211は、2つ設けられる。一方のブームシリンダ211は、車幅方向において車体フレーム102の中心よりも右方に設けられる。他方のブームシリンダ211は、車幅方向において車体フレーム102の中心よりも左方に設けられる。運転者が作業機レバーを操作するとブームシリンダ211が伸縮する。これにより、ブーム201は上下方向に移動する。
【0023】
バケット202は、例えば、複数の刃202Bを有する掘削部材である。なお、掘削部材は、複数の刃を備えずに、刃先がストレートであるブレードでもよい。バケット202は、ブーム201の先端部と連結される。さらに、バケット202は、リンク204と連結される。ベルクランク203の一部がブーム201に回転可能に連結される。バケットシリンダ212の一端部は、車体フレーム102に連結される。バケットシリンダ212の他端部は、ベルクランク203の一端部に連結される。ベルクランク203の他端部は、リンク204を介してバケット202に連結される。したがって、バケット202は、バケットシリンダ212が発生する動力によって作動する。バケットシリンダ212は、バケット202を移動するための動力を発生する油圧シリンダである。バケットシリンダ212は、1つ設けられる。バケットシリンダ212は、車幅方向において中央に配置される。運転者が作業機レバーを操作するとバケットシリンダ212が伸縮する。これにより、バケット202はチルト動作あるいはダンプ動作する。
【0024】
フロントフェンダ1は、前フレーム102Fに取り付けられる。フロントフェンダ1は、前タイヤ106Fの周囲の一部に配置される。フロントフェンダ1は、前フレーム102Fの右部及び左部のそれぞれに取り付けられる。フロントフェンダ1は、ホイールローダ100の走行において地面RSから飛散した土砂が、運転台103、車体フレーム102、及び車体フレーム102に支持される外装板等に当たることを抑制する。
【0025】
[フロントフェンダ]
図4は、本実施形態に係るフロントフェンダ1が取り付けられた前フレーム102Fを左斜め前方から見た図である。図5は、本実施形態に係るフロントフェンダ1が取り付けられた前フレーム102Fを左斜め後方から見た図である。図6は、本実施形態に係るフロントフェンダ1を前方から見た斜視図である。図7は、本実施形態に係るフロントフェンダ1を後方から見た斜視図である。なお、図4及び図5においては、フロントフェンダ1と前フレーム102Fとの関係を見やすくするために、作業機200等の他の部材の図示を省略してある。
【0026】
図1図2図3図4、及び図5に示すように、フロントフェンダ1は、少なくとも一部が前タイヤ106Fの上方に配置される第1部材10と、前タイヤ106Fの後方に配置される第2部材30と、傾斜板45と、第2部材30の後部に設けられる第3部材50と、第2部材30の下部に設けられるガード部材70とを備える。第1部材10と第2部材30と第3部材50とガード部材70とは別々の部材である。
【0027】
第1部材10は、金属製である。図4図5図6、及び図7に示すように、第1部材10は、前端部11と、前端部11よりも後方に配置される後端部12と、内端部13と、内端部13よりも車幅方向の外側に配置される外端部14とを有する。
【0028】
第1部材10の少なくとも一部は、前タイヤ106Fの上方に配置される。第1部材10の前端部11は、前タイヤ106Fの上方において、前タイヤ106Fの回転軸FXよりも後方に配置され前タイヤ106Fの後端部よりも前方に配置される。第1部材10の後端部12は、前タイヤ106Fの上方において、前タイヤ106Fの後端部よりも後方に配置される。なお、前タイヤ106Fの前端部とは、前タイヤ106Fの最も前方の位置を示し、前タイヤ106Fの後端部とは、前タイヤ106Fの最も後方の位置を示す。
【0029】
車幅方向において、第1部材10の内端部13の位置と前タイヤ106Fの内端部の位置とは実質的に一致する。車幅方向において、第1部材10の外端部14は、前タイヤ106Fの外端部よりも内側に配置され前タイヤ106Fの中心よりも外側に配置される。すなわち、車幅方向において、第1部材10は、前タイヤ106Fの大部分を覆うように配置されるものの、前タイヤ106Fの外端部を含む一部分を覆わないように配置される。これにより、ホイールローダ100の旋回半径は、少なくとも前タイヤ106Fの外端部の軌跡に基づいて定められる。また、第1部材10の前端部11は、前タイヤ106Fの少なくとも前端部よりも後方にあって、前タイヤ106Fの前部の上部が第1部材10から露出する。したがって、運転席の運転者は、前タイヤ106Fの前端部を視認することができる。その結果、運転者は、旋回時の旋回半径を意識してホイールローダ100を運転することができる。また、運転者は、前タイヤ106Fの前方に岩などがないかどうかを確認しながらホイールローダ100を運転することができる。
【0030】
第2部材30は、金属製である。図4図5図6、及び図7に示すように、第2部材30は、上端部31と、上端部31よりも下方に配置される下端部32と、内端部33と、内端部33よりも車幅方向の外側に配置される外端部34とを有する。
【0031】
第2部材30は、前タイヤ106Fの後方に配置される。第2部材30の上端部31は、前タイヤ106Fの上端部よりも上方に配置される。第2部材30の下端部32は、前タイヤ106Fの上端部よりも下方に配置され前タイヤ106Fの回転軸FXよりも上方に配置される。
【0032】
車幅方向において、第2部材30の内端部33の位置と第1部材10の内端部13の位置とは実質的に一致する。車幅方向において、第2部材30の外端部34の位置と第1部材10の外端部14の位置とは実質的に一致する。
【0033】
傾斜板45は、金属製である。本実施形態において、傾斜板45は、例えば溶接により第2部材30に接続される。なお、傾斜板45は、第2部材30に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0034】
第3部材50は、金属製である。図5図6、及び図7に示すように、第3部材50は、上端部51と、上端部51よりも下方に配置される下端部52と、内端部53と、内端部53よりも車幅方向の外側に配置される外端部54とを有する。
【0035】
第3部材50は、第2部材30の後方に配置される。第3部材50の上端部51は、第2部材30の上端部31よりも下方に配置される。第3部材50の下端部52は、第2部材30の下端部32によりも上方に配置される。
【0036】
車幅方向において、第3部材50の内端部53の位置と第1部材10の内端部13の位置及び第2部材30の内端部33の位置とは実質的に一致する。車幅方向において、第3部材50の外端部54は、第1部材10の外端部14及び第2部材30の外端部34よりも内側に配置される。
【0037】
ガード部材70は、可撓性を有するゴム製又はプラスチック製である。図4図5図6、及び図7に示すように、ガード部材70は、上端部71と、上端部71よりも下方に配置される下端部72と、内端部73と、内端部73よりも車幅方向の外側に配置される外端部74とを有する。
【0038】
ガード部材70は、前タイヤ106Fの後方に配置される。ガード部材70の上端部71は、第2部材30の下端部32よりも上方に配置される。ガード部材70の下端部72は、第2部材30の下端部32及び前タイヤ106Fの回転軸FXよりも下方に配置され前タイヤ106Fの下端部よりも上方に配置される。
【0039】
車幅方向において、ガード部材70の内端部73の位置と第2部材30の内端部33の位置とは実質的に一致する。車幅方向において、ガード部材70の外端部74の位置と第2部材30の外端部34の位置とは実質的に一致する。
【0040】
図4図5図6、及び図7に示すように、第1部材10は、連結部材2により、前フレーム102Fと着脱可能に連結される。第1部材10は、連結部材3により、第2部材30と着脱可能に連結される。第2部材30は、連結部材6により、第3部材50と着脱可能に連結される。第2部材30は、連結部材7により、ガード部材70と着脱可能に連結される。本実施形態において、第2部材30と前フレーム102Fとは直接的に連結されない。第3部材50は、連結部材4により、前フレーム102Fと着脱可能に連結される。本実施形態において、第3部材50と第1部材10とは直接的に連結されない。本実施形態において、連結部材2、連結部材3、連結部材4、連結部材6、及び連結部材7は、ボルトである。
【0041】
[第1部材]
図8は、本実施形態に係る第1部材10を上方から見た斜視図である。図9は、本実施形態に係る第1部材10を下方から見た斜視図である。図6図7図8、及び図9に示すように、第1部材10は、少なくとも、上板21と、下板22と、車幅方向において内側に配置される内板23と、車幅方向において外側に配置される外板24と、内板23に固定される接続板25と、上板21の下面に設けられるリブ部材26とを有する。
【0042】
上板21は、上方を向く上面を有する平板部21Aと、平板部21Aよりも後方に配置され、後方を向く後面を有する後板部21Bと、平板部21Aと後板部21Bとの間に設けられる傾斜板部21Cとを有する。
【0043】
上板21、内板23、及び外板24は、1枚の金属板に曲げ加工などを施すことによって形成される。平板部21A、後板部21B、傾斜板部21C、内板23、及び外板24はそれぞれ、板厚が均一な平板である。
【0044】
平板部21Aの上面及び下面は、上下軸と実質的に直交する。後板部21Bの前面及び後面は、前後軸と実質的に直交する。傾斜板部21Cは、平板部21Aの後端部と後板部21Bの上端部とのそれぞれと接続される。傾斜板部21Cは、後方に向かって下方に傾斜する。
【0045】
内板23は、前フレーム102Fと対向可能な内面と、内面の逆方向を向く外面とを有する。内板23の内面及び外面は、車幅軸、すなわち車軸と実質的に直交する。内板23の上端部は、平板部21Aの内端部と接続される。内板23の後部は、傾斜板部21Cの内端部及び後板部21Bの内端部と接続される。内板23の下端部は、後方に向かって下方に傾斜する。
【0046】
外板24は、内板23の外面と間隙を介して対向する内面と、内面の逆方向を向く外面とを有する。外板24の内面及び外面は、車幅軸と実質的に直交する。外板24の上端部は、平板部21Aの外端部と接続される。外板24の後部は、傾斜板部21Cの外端部及び後板部21Bの外端部と接続される。外板24の下端部は、後方に向かって下方に傾斜する。
【0047】
本実施形態において、内板23の外形及び寸法と外板24の外形及び寸法とは実質的に同一である。なお、内板23の外形と外板24の外形とが異なってもよい。
【0048】
リブ部材26は、上板21の平板部21Aの下面に固定される。リブ部材26は、車幅方向に長い。リブ部材26の一端部は、内板23と接続される。リブ部材26の他端部は、外板24と接続される。リブ部材26は、間隔をあけて前後方向に複数設けられる。本実施形態において、リブ部材26は、上板21、内板23、及び外板24のそれぞれに溶接される。
【0049】
下板22は、第1部材10の後部に配置される平板部22Aと、平板部22Aに設けられた複数のスペーサ部22Bと、平板部22Aよりも前方に設けられる傾斜板部22Cとを有する。
【0050】
平板部22A及び傾斜板部22Cは、1枚の金属板に曲げ加工などを施すことによって形成される。平板部22A及び傾斜板部22Cは、板厚が均一な平板である。
【0051】
平板部22Aの上面及び下面は、上下軸と実質的に直交する。平板部22Aは、上板21の後板部21Bの下端部と、内板23の下端部の後部と、外板24の下端部の後部とに接続される。
【0052】
傾斜板部22Cは、後方に向かって下方に傾斜する。傾斜板部22Cは、上板21の平板部21Aの下面の前後方向の例えば中央部と平板部22Aの前端部とのそれぞれと接続される。
【0053】
スペーサ部22Bは、平板部22Aの下面に設けられる。スペーサ部22Bは、車幅方向において間隔をあけて複数設けられる。スペーサ部22Bは、平板部22Aの下面に溶接される。
【0054】
第1部材10の下面は、下方を向く下板22の下面を含む。本実施形態において、第1部材10の下面の一部と第2部材30とが対向する。第2部材30と対向する第1部材10の下面は、平板部22Aの下面及びスペーサ部22Bの下面を含む。スペーサ部22Bの下面は、平板部22Aの下面よりも下方に配置される。以下の説明においては、スペーサ部22Bの下面を適宜、第1下面15、と称し、平板部22Aの下面を適宜、第2下面16、と称する。
【0055】
上述のように、平板部22Aは、板厚が均一な平板である。したがって、第1部材10において、第1下面15を有する第1部分の厚みは、第2下面16を有する第2部分の厚みよりも厚い。第2部分は、第1部材10のうち下板22の平板部22Aのみによって構成される部分である。第1部分は、第1部材10のうち下板22の平板部22A及びスペーサ部22Bによって構成される部分である。
【0056】
第1下面15を含む第1部分は、車幅方向において間隔をあけて複数設けられる。第2下面16を含む第2部分は、第1部分の間に設けられる。
【0057】
また、第1部材10は、第1部材10の上面に設けられ吊具であるアイボルトの雄ねじと結合される雌ねじ孔17(第2雌ねじ孔)を有する。雌ねじ孔17は、上板21に設けられる。本実施形態において、雌ねじ孔17は、前後方向に間隔をあけて2つ設けられる。
【0058】
接続板25は、前フレーム102Fと接続される。接続板25は、板厚が均一な平板である。接続板25は、内板23に溶接される。接続板25の上端部は、内板23の上端部よりも上方に配置される。接続板25の後端部は、内板23の後端部よりも後方に配置される。
【0059】
接続板25は、前フレーム102Fと接触する内面と、内板23と固定される外面とを有する。連結部材2が配置される孔27が接続板25に設けられる。孔27は、接続板25の内面と外面とを貫通する。孔27に配置された連結部材2の雄ねじと、前フレーム102Fに設けられている雌ねじ孔とが結合されることにより、第1部材10と前フレーム102Fとが接続される。
【0060】
[第2部材]
図10は、本実施形態に係る第2部材30を前方から見た斜視図である。図11は、本実施形態に係る第2部材30を後方から見た斜視図である。図6図7図10、及び図11に示すように、第2部材30は、上板41と、後板42と、車幅方向において内側に配置される内板43と、車幅方向において外側に配置される外板44と、後板42の前面に設けられるリブ部材46とを有する。
【0061】
上板41、後板42、内板43、及び外板44は、1枚の金属板に曲げ加工などを施すことによって形成される。上板41、後板42、内板43、及び外板44はそれぞれ、板厚が均一な平板である。
【0062】
上板41の上面及び下面は、上下軸と実質的に直交する。上板41の上面は、第1下面15及び第2下面16を含む第1部材10の下面と対向する。第1部材10の第1下面15は、第2部材30の上板41の上面と接触する。第1部材10の第2下面16は、第2部材30の上板41の上面と間隙を介して対向する。
【0063】
後板42の前面及び後面は、前後軸と交差する。後板42の前面及び後面は、下方に向かって後方に傾斜する。後板42は、上板41の後端部と接続され、前タイヤ106Fの後方に配置される。
【0064】
内板43は、前フレーム102Fと対向可能な内面と、内面の逆方向を向く外面とを有する。内板43の内面及び外面は、車幅軸と実質的に直交する。内板43の上端部は、上板41の内端部と接続される。内板43の後端部は、後板42の内端部と接続される。内板43の前端部は、下方に向かって後方に傾斜する。
【0065】
外板44は、内板43の外面と間隙を介して対向する内面と、内面の逆方向を向く外面とを有する。外板44の内面及び外面は、車幅軸と実質的に直交する。外板44の上端部は、上板41の外端部と接続される。外板44の後端部は、後板42の外端部と接続される。外板44の前端部は、下方に向かって後方に傾斜する。
【0066】
本実施形態において、内板43の外形及び寸法と外板44の外形及び寸法とは実質的に同一である。なお、内板43の外形と外板44の外形とが異なってもよい。
【0067】
リブ部材46は、後板42の前面に固定される。リブ部材46は、車幅方向に長い。リブ部材46の一端部は、内板43と接続され、リブ部材46の他端部は、外板44と接続される。リブ部材46は、間隔をあけて上下方向に複数設けられる。リブ部材46は、後板42、内板43、及び外板44のそれぞれと溶接される。
【0068】
[傾斜板]
傾斜板45は、板厚が均一な平板である。傾斜板45は、後方に向かって下方に傾斜する。傾斜板45は、第2部材30の上板41の下面と後板42の前面とに接続される。本実施形態において、傾斜板45は、上板41の下面の前端部と、後板42の前面の一部の部位とのそれぞれと接続される。本実施形態において、傾斜板45が接続される後板42の前面の部位は、上下方向において上端部と中間部との間の部位である。傾斜板45は、上板41、後板42、内板43、及び外板44のそれぞれと溶接される。
【0069】
上板41と第1部材10とが連結部材3により連結される。連結部材3が配置される孔47が上板41に設けられる。孔47は、上板41の上面と下面とを貫通する。孔47に配置された連結部材3の雄ねじと、第1部材10に設けられている雌ねじ孔18(第1雌ねじ孔)とが結合されることにより、第2部材30と第1部材10とが取り付けられる。
【0070】
図9に示すように、本実施形態においては、連結部材3の雄ねじと結合される雌ねじ孔18は、第1部材10のスペーサ部22Bの第1下面15に設けられる。
【0071】
傾斜板45は、上板41と第1部材10とを連結する連結部材3の直下に設けられ、連結部材3が通過可能な通孔35と、傾斜板45の下端部に設けられる切欠孔36と、を有する。
【0072】
通孔35は、傾斜板45の下面と上面とを貫通する。本実施形態において、通孔35は、円形状である。なお、通孔35は、例えば矩形状でもよい。通孔35の大きさは、連結部材3及び連結部材3を操作する工具が通過可能な大きさであればよい。
【0073】
本実施形態において、上板41と第1部材10とは、異なる8つの部位のそれぞれにおいて連結部材3により連結される。すなわち、連結部材3は、例えば、8つ用いられる。通孔35は、8つの連結部材3のそれぞれの直下に設けられる。なお、連結部材3の数は、8つに限らず任意の複数でよい。通孔35は、複数の孔47のそれぞれの直下に対応する位置に複数設けられる。
【0074】
切欠孔36は、車幅方向において、傾斜板45の中心とは異なる位置に設けられる。本実施形態において、切欠孔36は、傾斜板45の中心よりも車幅方向の内側に設けられる内側切欠孔36と、傾斜板45の中心よりも車幅方向の外側に設けられる外側切欠孔36とを含む。なお、切欠孔36は、車幅方向において、傾斜板45の中心付近に設けてもよい。
【0075】
切欠孔36は、後板42の前面との間で、傾斜板45を貫通する貫通孔を形成する。本実施形態において、切欠孔36は、矩形状である。なお、切欠孔36は、例えば半円形状でもよい。本実施形態において、切欠孔36の大きさは、通孔35の大きさよりも大きい。なお、切欠孔36の大きさは、通孔35の大きさよりも小さくてもよい。
【0076】
また、第2部材30は、第2部材30の上面に設けられ吊具であるアイボルトの雄ねじと結合される雌ねじ孔37を有する。雌ねじ孔37は、上板41に設けられる。雌ねじ孔37は、車幅方向において、上板41の中央部に1つ設けられる。
【0077】
さらに、第2部材30の後板42には、連結部材6によって、第2部材30と第3部材50とを接続させるための貫通孔である通孔48が設けられている。
【0078】
[第1部材と第2部材との連結]
図12は、本実施形態に係る第1部材10と第2部材30との連結構造の一例を示す断面図である。図12に示すように、第2部材30の上板41の上面と第1部材10のスペーサ部22Bの第1下面15とは接触する。第2部材30の上板41の上面と第1部材10の平板部22Aの第2下面16とは間隙を介して対向する。第1下面15を有する第1部材10の第1部分の厚みは、第2下面16を有する第1部材10の第2部分の厚みよりも厚い。
【0079】
前後方向において、連結部材3は2つ設けられる。連結部材3の一部は、上板41に設けられた貫通孔である孔47に配置される。連結部材3の雄ねじは、第1部材10の第1部分の第1下面15に設けられた雌ねじ孔18と連結される。
【0080】
[第3部材]
図13は、本実施形態に係る第3部材50を前方から見た斜視図である。図14は、本実施形態に係る第3部材50を後方から見た斜視図である。図6図7図13、及び図14に示すように、第3部材50は、上板61と、下板62と、前フレーム102Fと接続される接続板63と、第2部材30と接続される接続板64と、外板65とを有する。
【0081】
接続板63及び接続板64は、1枚の金属板に曲げ加工などを施すことによって形成される。接続板63及び接続板64はそれぞれ、板厚が均一な平板である。
【0082】
接続板63は、前フレーム102Fと接続される。連結部材4が配置される孔67が接続板63に設けられる。孔67に配置された連結部材4の雄ねじと、前フレーム102Fに設けられている雌ねじ孔とが結合されることにより、第3部材50と前フレーム102Fとが連結される。
【0083】
接続板64は、第2部材30の後板42と接続される。連結部材6が配置される雌ねじ孔68が接続板64に設けられる。第2部材30の通孔48に配置される連結部材6の雄ねじと、第3部材50の接続板64に設けられている雌ねじ孔68とが結合されることにより、第3部材50と第2部材30とが連結される。
【0084】
上板61、下板62、及び外板65はそれぞれ、板厚が均一な平板である。上板61は、接続板63、接続板64、及び外板65と溶接される。下板62は、接続板63、接続板64、及び外板65と溶接される。
【0085】
また、第3部材50は、第3部材50の上面に設けられ吊具であるアイボルトの雄ねじと結合される雌ねじ孔57を有する。雌ねじ孔57は、上板61に設けられる。雌ねじ孔57は、上板61の面内において略中央部に1つ設けられる。
【0086】
[位置決め部材]
図15は、本実施形態に係る前フレーム102Fの一部を拡大した斜視図である。本実施形態において、前フレーム102Fには、第1部材10の後部と接触して第1部材10を位置決めする位置決め部材5が設けられる。位置決め部材5は、例えば溶接により前フレーム102Fに固定される。
【0087】
位置決め部材5は、前フレーム102Fの側面から車幅方向の外側に突出する。本実施形態において、位置決め部材5は、第1部材10の接続板25の下端部の後部と接触する位置に設けられる。位置決め部材5は、上板21とは接触しない。
【0088】
[フロントフェンダを車体フレームに取り付ける作業及び車体フレームから外す作業]
図16及び図17は、本実施形態に係るフロントフェンダ1を前フレーム102Fに取り付ける作業の一例を模式的に示す図である。図16に示すように、第3部材50が、連結部材4により、前フレーム102Fに取り付けられる。第3部材50が前フレーム102Fに接続された後、第2部材30が、連結部材6により、第3部材50に接続される。これにより、第2部材30は、第3部材50を介して、前フレーム102Fに取り付けられる。
【0089】
なお、第2部材30と第3部材50とが連結部材6により接続された後、前フレーム102Fに取り付けられてもよい。
【0090】
第3部材50及び第2部材30が前フレーム102Fに取り付けられた後、第1部材10が、連結部材2により、前フレーム102Fに連結される。本実施形態においては、前フレーム102Fに位置決め部材5が設けられる。したがって、位置決め部材5を使って第1部材10の孔27と前フレーム102Fに設けられている図示しない雌ねじ孔との位置決めが円滑に実施される。第1部材10の孔27と前フレーム102Fに設けられている雌ねじ孔とが位置決めされた後、連結部材2により、第1部材10と前フレーム102Fとが連結される。
【0091】
第1部材10と第2部材30とが、連結部材3により連結される。本実施形態において、傾斜板45は、連結部材3の直下に連結部材3が通過可能な通孔35を有する。そのため、連結部材3は、通孔35を介して、連結部材3を上板41の孔47に円滑に配置される。また、連結部材3を操作可能な工具も、通孔35を通過可能である。工具により連結部材3が操作されることにより、連結部材3の雄ねじと、第1部材10の第1下面15に設けられた雌ねじ孔18とが結合される。
【0092】
また、ガード部材70と第2部材30とが、連結部材7により結合される。以上により、フロントフェンダ1が前フレーム102Fに取り付けられる。
【0093】
次に、フロントフェンダ1を前フレーム102Fから外す作業について説明する。本実施形態において、第1部材10と第2部材30と第3部材50とは別々の部材である。したがって、第2部材30及び第3部材50が前フレーム102Fに取り付けられている状態で、第1部材10を前フレーム102Fから外すことができる。第1部材10のみを前フレーム102Fから外す場合、連結部材2による第1部材10と前フレーム102Fとの結合が解除されるとともに、連結部材3による第1部材10と第2部材30との結合が解除される。通孔35を介して工具により連結部材3が操作されることにより、連結部材3による第1部材10と第2部材30との結合が解除される。
【0094】
また、本実施形態においては、連結部材2による第1部材10と前フレーム102Fとの結合が解除され、連結部材6による第2部材30と第3部材50との結合が解除されることにより、第3部材50が前フレーム102Fに取り付けられている状態で、第1部材10及び第2部材30を前フレーム102Fから外すことができる。
【0095】
また、本実施形態においては、連結部材2による第1部材10と前フレーム102Fとの結合が解除され、連結部材4による第3部材50と前フレーム102Fとの結合が解除されることにより、第1部材10と第2部材30と第3部材50とを一緒に前フレーム102Fから外すことができる。
【0096】
[フロントフェンダの搬送作業]
図18図19図20、及び図21は、本実施形態に係るフロントフェンダ1の搬送作業の一例を模式的に示す図である。
【0097】
図18は、第1部材10と第2部材30と第3部材50とガード部材70とを一緒に搬送する例を示す。第1部材10の上面に設けられた2つの雌ねじ孔17のうち後方の雌ねじ孔17に吊具であるアイボルトEの雄ねじが結合される。クレーンのような搬送装置は、雌ねじ孔17に結合されたアイボルトEを介して、第1部材10と第2部材30と第3部材50とガード部材70とを一緒に吊り上げて搬送することができる。
【0098】
図19は、第1部材10を搬送する例を示す。第1部材10の上面に設けられた2つの雌ねじ孔17のそれぞれに吊具であるアイボルトEの雄ねじが結合される。搬送装置は、雌ねじ孔17に結合されたアイボルトEを介して、第1部材10を吊り上げて搬送することができる。
【0099】
図20は、第2部材30を搬送する例を示す。第2部材30の上面に設けられた雌ねじ孔37に吊具であるアイボルトEの雄ねじが結合される。搬送装置は、雌ねじ孔37に結合されたアイボルトEを介して、第2部材30を吊り上げて搬送することができる。
【0100】
図21は、第3部材50を搬送する例を示す。第5部材50の上面に設けられた雌ねじ孔57に吊具であるアイボルトEの雄ねじが結合される。搬送装置は、雌ねじ孔57に結合されたアイボルトEを介して、第3部材50を吊り上げて搬送することができる。
【0101】
[作用及び効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、第1部材10と第2部材30とが連結部材3により着脱可能に連結される。そのため、第1部材10と第2部材30とを別々に車体フレーム102に取り付けたり、第1部材10と第2部材30とを別々に車体フレーム102から外したりすることができる。したがって、フロントフェンダ1が大型である場合においても、フロントフェンダ1を車体フレーム102に取り付ける作業及び車体フレームから外す作業を円滑に実施することができる。
【0102】
また、第1部材10と第2部材30とが着脱可能なので、フロントフェンダ1の交換作業のみならず、前タイヤ106Fの交換作業も円滑に実施することができる。図22は、本実施形態に係る前タイヤ106Fの交換作業の一例を模式的に示す図である。図22では、作業機200の図示は省略している。図22に示すように、前タイヤ106Fを交換する場合、フロントフェンダ1の全部を前フレーム102Fから外さなくても、第1部材10のみを前フレーム102Fから外すことにより、図22の矢印に示すように、前タイヤ106Fを上方に吊り上げるといった作業を円滑に交換することができる。
【0103】
また、本実施形態においては、第1部材10と第2部材30とを連結する連結部材3を覆うように傾斜板45が設けられる。換言すれば、前タイヤ106Fと連結部材3との間に傾斜板45が設けられる。これにより、例えばホイールローダ100の走行において前タイヤ106Fの回転により土砂が飛び散っても、連結部材3に土砂が当たることが抑制される。土砂が連結部材3に当たると、連結部材3の頭部が摩耗したり変形したりしてしまう可能性がある。また、飛散した土砂が連結部材3に付着して固まってしまう可能性がある。連結部材3の頭部が変形したり、連結部材3に付着した土砂が固まったりすると、連結部材3を雌ねじ孔18から外す作業の作業性が低下する。本実施形態においては、傾斜板45が前タイヤ106Fと連結部材3との間に配置されているので、土砂が連結部材3に当たったり付着したりすることが抑制される。
【0104】
また、本実施形態においては、傾斜板45に通孔35が設けられる。これにより、連結部材3を雌ねじ孔18と結合する作業及び連結部材3を雌ねじ孔18から外す作業は円滑に実施される。
【0105】
また、本実施形態においては、傾斜板45の下端部に切欠孔36が設けられる。これにより、切欠孔36を介して、連結部材3を円滑に洗浄することができる。また、切欠孔36を介して、傾斜板45の上面と上板41の下面と後板42の前面と内板43の外面と外板44の内面とで規定される内部空間の異物を外部空間に円滑に排出することができる。例えば、前タイヤ106Fの回転により飛び散った土砂の一部が、通孔35を介して、傾斜板45の上面と上板41の下面と後板42の前面と内板43の外面と外板44の内面とで規定される内部空間に入り込み、連結部材3に付着したり、内部空間の内壁に付着したりする可能性がある。切欠孔36及び通孔35が設けられているので、洗浄工具を切欠孔36又は通孔35に挿入して、連結部材3又は内部空間の内壁を洗浄することができる。洗浄工具は、例えば洗浄液を噴射可能な洗浄ノズルを含む。洗浄工具から噴射された洗浄液によって、連結部材3又は内部空間の内壁に付着した土砂を除去することができる。切欠孔36は、傾斜板45の下端部に設けられている。そのため、洗浄後の洗浄液、連結部材3から除去された土砂、及び内部空間の内壁から除去された土砂の少なくとも一つを含む異物は、重力の作用により、切欠孔36を介して、内部空間の外側に円滑に排出される。このように、本実施形態においては、切欠孔36が設けられているため、連結部材3及び内部空間の内壁の洗浄作業が円滑に実施される。また、洗浄に寄与した洗浄液、及び連結部材3又は内部空間の内壁から除去された土砂は、切欠孔36を介して内部空間から円滑に排出される。
【0106】
また、本実施形態においては、切欠孔36は、車幅方向において傾斜板45の中心付近とは異なる位置に設けられる。内板43の外面、外板44の内面、傾斜板45の下面とで形成される内部空間において、前タイヤ106Fの回転により飛び散って、その内部空間に入り込んだ土砂は、内部空間の隅に溜まる可能性が高い。例えば、内部空間に入り込んだ土砂は、内板43の外面又は外板44の内面に溜まる可能性が高い。切欠孔36が内板43の外面の近傍又は外板44の内面の近傍に設けられることにより、その切欠孔36に洗浄工具を挿入して、溜まった土砂を円滑に除去することができる。
【0107】
また、本実施形態においては、第1部材10にスペーサ部22Bが設けられ、第2部材30の上板41の上面と接触する第1下面15と、上板41の上面と間隙を介して対向する第2下面16とが設けられる。本実施形態においては、第1部材10の第1下面15と第2部材30の上板41の上面とが接触し、第1部材10のうち第1下面15以外の部分は、第2部材30とは接触しない。これにより、第1部材10と第2部材30との位置決め精度が向上する。また、第1部材10において、第1下面15を有する第1部分の厚みは、第2下面16を有する第2部分の厚みよりも厚い。したがって、第1部材10のうち高強度の第1部分と第2部材30とが接続される。
【0108】
また、本実施形態においては、第1下面16は、車幅方向において間隔をあけて複数設けられる。したがって、第1部材10と第2部材30との位置決め精度はより向上する。
【0109】
また、本実施形態においては、連結部材3の雄ねじと結合される雌ねじ孔18が第1下面15に設けられる。高強度な第1部分に雌ねじ孔18が設けられるため、連結部材3の雄ねじと雌ねじ孔18とを締め付けても、第1部材10の変形が抑制される。
【0110】
また、本実施形態においては、第1部材10は、第1部材10の上面に設けられ吊具の雄ねじと結合される雌ねじ孔17を有する。したがって、雌ねじ孔17に吊具を結合することにより、図18を参照して説明したように、フロントフェンダ1全体を円滑に搬送することができる。また、図19を参照して説明したように、第1部材10のみを円滑に搬送することができる。
【0111】
また、本実施形態においては、前フレーム102Fに位置決め部材5が設けられる。したがって、第1部材10と前フレーム102Fとが円滑に位置決めされるため、第1部材10を前フレーム102Fに取り付ける作業性は向上する。
【0112】
本実施形態においては、鉱山で用いられるようなホイールローダ100のフロントフェンダ1について説明したが、本実施形態は、畜産や土木作業、除雪作業などで用いられるホイールローダを除外するものではない。また、フロントフェンダを有するバックホウローダやホイール式油圧ショベルを除外するものではなく、これらの作業車両にも適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1…フロントフェンダ、2…連結部材、3…連結部材、4…連結部材、5…位置決め部材、6…連結部材、7…連結部材、10…第1部材、11…前端部、12…後端部、13…内端部、14…外端部、15…第1下面、16…第2下面、17…雌ねじ孔(第2雌ねじ孔)、18…雌ねじ孔(第1雌ねじ孔)、21…上板、21A…平板部、21B…後板部、21C…傾斜板部、22…下板、22A…平板部、22B…スペーサ部、22C…傾斜板部、23…内板、24…外板、25…接続板、26…リブ部材、27…孔、30…第2部材、31…上端部、32…下端部、33…内端部、34…外端部、35…通孔、36…切欠孔、37…雌ねじ孔、41…上板、42…後板、43…内板、44…外板、45…傾斜板、46…リブ部材、47…孔、48…通孔、50…第3部材、51…上端部、52…下端部、53…内端部、54…外端部、57…雌ねじ孔、61…上板、62…下板、63…接続板、64…接続板、65…外板、67…孔、68…雌ねじ孔、70…ガード部材、71…上端部、72…下端部、73…内端部、74…外端部、100…ホイールローダ、102…車体フレーム、102F…前フレーム、102R…後フレーム、103…運転台、104…走行装置、105…車輪、105F…前輪、105R…後輪、106…タイヤ、106F…前タイヤ、106R…後タイヤ、110…関節機構、200…作業機、201…ブーム、202…バケット、202B…刃、203…ベルクランク、204…リンク、211…ブームシリンダ、212…バケットシリンダ、FX…回転軸、RS…地面、RX…回転軸。
【要約】
フロントフェンダは、少なくとも一部がホイールローダの前タイヤの上方に配置される第1部材と、第1部材の下面と対向する上面を有する上板、及び上板の後端部と接続され前タイヤの後方に配置される後板を含む第2部材と、上板の下面と後板の前面とに接続される傾斜板と、上板と第1部材とを連結する連結部材と、を備える。傾斜板は、連結部材の直下に設けられ連結部材が通過可能な通孔と、傾斜板の下端部に設けられる切欠孔と、を有する。
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