特許第6227881号(P6227881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227881
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】無線基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/02 20090101AFI20171030BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20171030BHJP
   H04W 28/10 20090101ALI20171030BHJP
【FI】
   H04W76/02
   H04W72/04 111
   H04W28/10
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-79796(P2013-79796)
(22)【出願日】2013年4月5日
(65)【公開番号】特開2014-204334(P2014-204334A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】内野 徹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】花木 明人
(72)【発明者】
【氏名】青柳 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−533222(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/079715(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/092888(WO,A2)
【文献】 特開2014−204193(JP,A)
【文献】 Telecom Italia, Nokia Siemens Networks, Qualcomm Incorporated,Views on RAN User Plane congestion mitigation,SA WG2 Meeting #95 S2-130060,2013年 1月22日,3.2.2 Introduce a further level of prioritization for IP flows mapped on the same bearer,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_95_Prague/Docs/S2-130060.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局であって、
コアネットワーク装置と前記無線基地局の間で確立されるベアラを介して前記コアネットワーク装置から受信するデータフローに割り当てられているフロー優先度を管理するように構成されているベアラ管理部と、
前記ベアラを介して前記コアネットワーク装置から受信したデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部とを具備しており、
前記ベアラ管理部は、移動局との間で、前記フロー優先度の各々に対応する無線ベアラを確立するように構成されており、
前記優先制御部は、前記ベアラを介して前記コアネットワーク装置から受信したデータフローを、該データフローに割り当てられているフロー優先度に対応する無線ベアラに転送するように構成されていることを特徴とする無線基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式では、QCI(QoS Class Identifier)ごとにベアラ(LCH:Logical Channel)を確立し、ベアラごとに優先度(Logical Channel Priority)付けを行った上で優先制御を行うように構成されている。
【0003】
ここで、同一ベアラ内のデータについては、同一優先度と見なされる。また、かかる優先制御は、無線基地局eNB及び移動局UEの双方で行われている。
【0004】
また、LTE方式では、無線アクセスネットワークにおいて、MACレイヤによって優先制御が行われるように構成されている。例えば、図7に示すように、無線基地局eNBのMACレイヤは、ベアラごとに割り当てられている優先度に基づいて、無線ベアラに送出するデータの順番を決定するように構成されている。
【0005】
一方、LTE方式のRelease-12では、「UPCON(U-Plane Congestion Management) WI(Working Item)」において、U-plane信号による無線アクセスネットワーク側の輻輳の回避について検討されている。
【0006】
最近は、同じウェブブラウザのサービスであっても、文字や画像や動画やストリーミング等が混在している。
【0007】
このような状況下で、無線アクセスネットワーク側において輻輳が発生している場合、例えば、ストリーミング、文字、画像、動画という順番で送信したい。
【0008】
現状では、QoS(Quality of Service)制御を行うために、QCIを用いてEPS(Enhanced Packet System)ベアラにおける優先制御を行っている。
【0009】
「UPCON WI」では、QCIに加えて、より細かい優先制御を行うために、データフロー(IPフロー)ごとの優先度としての「FPI(Flow Priority Indicator)」を定義し、無銭基地局eNB(のスケジューラ)が、かかるFPIによってQoS制御及び優先制御を行うための解決手段について議論されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP寄書 S2-130060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、現在のLTE方式における無線アクセスネットワークの構成では、無線基地局eNB及び移動局UEの両方が、FPIを考慮していないため、図8に示すように、かかるFPIを用いて優先制御を行うことができないという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、FPIを用いて優先制御を行うことができる無線基地局及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の特徴は、無線基地局であって、S1ベアラを介してコアネットワーク装置から受信するデータフローに割り当てられているフロー優先度を管理するように構成されているベアラ管理部と、前記S1ベアラを介して前記コアネットワーク装置から受信したデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部とを具備しており、前記ベアラ管理部は、移動局との間で、前記フロー優先度の各々に対応する無線ベアラを確立するように構成されており、前記優先制御部は、前記S1ベアラを介して前記コアネットワーク装置から受信したデータフローを、該データフローに割り当てられているフロー優先度に対応する無線ベアラに転送するように構成されていることを要旨とする。
【0014】
本発明の第2の特徴は、移動局であって、無線ベアラを介して無線基地局に対して送信されるデータフローに割り当てられているフロー優先度を管理するように構成されているベアラ管理部と、前記無線ベアラを介して前記無線基地局に対して送信されるデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部とを具備しており、前記ベアラ管理部は、前記無線基地局との間で、前記フロー優先度の各々に対応する無線ベアラを確立するように構成されており、前記優先制御部は、前記無線ベアラを介して前記無線基地局に対して送信されるデータフローを、該データフローに割り当てられているフロー優先度に対応する無線ベアラに転送するように構成されていることを要旨とする。
【0015】
本発明の第3の特徴は、無線基地局であって、PDCPレイヤにおいて、コアネットワーク装置から受信したデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部を具備しており、前記優先制御部は、前記コアネットワーク装置から受信するデータフローに割り当てられているフロー優先度と、PDCPレイヤにおける優先度とを関連付けて管理するように構成されており、前記優先制御部は、前記コアネットワーク装置から受信したデータフローに割り当てられているフロー優先度に関連付けられているPDCPレイヤにおける優先度に基づいて、該データフローに対する優先制御を行うように構成されていることを要旨とする。
【0016】
本発明の第4の特徴は、移動局であって、PDCPレイヤにおいて、無線基地局に対して送信するデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部を具備しており、前記優先制御部は、前記無線基地局に対して送信するデータフローに割り当てられているフロー優先度に関連付けられているPDCPレイヤにおける優先度に基づいて、該データフローに対する優先制御を行うように構成されていることを要旨とする。
【0017】
本発明の第5の特徴は、移動局であって、無線基地局eNBに対して、データフローに割り当てられるフロー優先度に関する能力を通知するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、FPIを用いて優先制御を行うことができる無線基地局及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局eNBの機能ブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動局UEの機能ブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る無線基地局及び移動局の動作を説明するためのフローチャートである。
図7】従来技術を説明するための図である。
図8】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、コアネットワーク装置P-GWと、コアネットワーク装置S-GWと、無線基地局eNBと、移動局UEとを具備している。
【0022】
本実施形態に係る移動通信システムでは、各S1ベアラは、QCIごとに確立されるように構成されており、各無線ベアラは、同一QCIのS1ベアラを介して送信され得るデータフローに割り当てられるFPI#X〜#Zごとに確立されるように構成されている。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各EPSベアラは、複数の無線ベアラと、1つのS1ベアラと、1つのS5/S8ベアラとによって構成されている。
【0024】
また、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各E-RABは、複数の無線ベアラと、1つのS1ベアラとによって構成されている。
【0025】
ここで、無線ベアラは、移動局UEと無線基地局eNBとの間で確立されるように構成されており、S1ベアラは、無線基地局eNBとコアネットワーク装置S-GWとの間で確立されるように構成されており、S5/S8ベアラは、コアネットワーク装置S-GWとコアネットワーク装置P-GWとの間で確立されるように構成されている。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係る無線基地局eNBは、受信部11と、ベアラ管理部12と、優先制御部13と、送信部14とを具備している。
【0027】
受信部11は、移動局UEやコアネットワーク装置S-GWから各種信号を受信するように構成されている。
【0028】
ベアラ管理部12は、上述の無線ベアラやS1ベアラについて管理するように構成されている。
【0029】
例えば、ベアラ管理部12は、各S1ベアラに割り当てられているQCIや、各S1ベアラを介してコアネットワーク装置S-GWから受信する各データフローに割り当てられているFPIを管理するように構成されている。
【0030】
また、ベアラ管理部12は、コアネットワーク装置S-GWとの間で、各QCIに対応するS1ベアラを確立するように構成されており、移動局UEとの間で、各FPIに対応する1つ又は複数の無線ベアラを確立するように構成されている。
【0031】
優先制御部13は、S1ベアラを介してコアネットワーク装置S-GWから受信したデータフローに対する優先制御を行うように構成されている。
【0032】
例えば、優先制御部13は、S1ベアラを介してコアネットワーク装置S-GWから受信したデータフローを、かかるデータフローに割り当てられているFPIに対応する無線ベアラに転送するように構成されている。
【0033】
送信部14は、移動局UEやコアネットワーク装置S-GWに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0034】
例えば、送信部14は、各無線ベアラを介して優先制御部13によって転送されたデータフローを移動局UEに対して送信するように構成されている。
【0035】
図3に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、ベアラ管理部21と、優先制御部22と、送信部23とを具備している。
【0036】
ベアラ管理部21は、上述の無線ベアラについて管理するように構成されている。
【0037】
例えば、ベアラ管理部21は、各無線ベアラを介して無線基地局eNBに対して送信されるデータフローに割り当てられているFPIを管理するように構成されている。
【0038】
また、ベアラ管理部21は、無線基地局eNBとの間で、FPIの各々に対応する無線ベアラを確立するように構成されている。
【0039】
優先制御部22は、各無線ベアラを介して無線基地局eNBに対して送信されるデータフローに対する優先制御を行うように構成されている。
【0040】
例えば、優先制御部22は、無線ベアラを介して無線基地局eNBに対して送信されるデータフローを、かかるデータフローに割り当てられているFPIに対応する無線ベアラに転送するように構成されている。
【0041】
送信部23は、無線基地局eNBやコアネットワーク装置S-GWに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0042】
例えば、送信部23は、各無線ベアラを介して優先制御部22によって転送されたデータフローを無線基地局eNBに対して送信するように構成されている。
【0043】
以下、図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0044】
図4に示すように、無線基地局eNBは、ステップS1000において、新しい無線ベアラの設定トリガ(或いは、既存の無線ベアラのFPIが変更されたこと)を検出すると、ステップS1001において、移動局UEに対して、FPIを通知する「RRC connection reconfiguration」を送信する。
【0045】
かかる「RRC connection reconfiguration」に基づいて、かかるFPIに対応する無線ベアラが設定され(或いは、既存の無線ベアラのFPIが変更され)、ステップS1002において、移動局UEが、無線基地局eNBに対して、「RRC connection reconfiguration complete」を送信する。
【0046】
その後、ステップS1003において、無線基地局eNB及び移動局UEは、かかるFPIを用いて優先制御を行う。
【0047】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
以下、図5及び図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0048】
本実施形態に係る移動通信システムでは、既存の移動通信システムのベアラ構成と同様に、各S1ベアラ及び各無線ベアラは、QCIごとに確立されるように構成されている。
【0049】
本実施形態に係る無銭基地局eNBでは、優先制御部13は、「FPI」と「DFP(Data Flow Priority)」とを関連付けて管理するように構成されている。ここで、「FPI」は、コアネットワーク(移動管理ノードMME)から「GTP-u header」内で通知されるように構成されている。
【0050】
また、優先制御部13は、PDCPレイヤにおいて、コアネットワーク装置S-GWから受信したデータフローに対する優先制御を行うように構成されている。
【0051】
例えば、図5に示すように、優先制御部13は、コアネットワーク装置から受信したデータフローに割り当てられているFPI#X〜#Zに関連付けられているDFPに基づいて、かかるデータフローに対する優先制御を行うように構成されている。
【0052】
具体的には、DFPの値が小さいデータフローの方が高い優先度であるとすると、優先制御部13は、PDCPレイヤにおいて、DFPの値が小さいデータフローを優先して、RLC(Radio Link Control)レイヤに送出する(或いは、PDCP-PDU化する)ように構成されている。
【0053】
なお、優先制御部13は、FPIが割り当てられていないデータフローに対して、デフォルトのDFPに基づいて優先制御を行うように構成されていてもよい。
【0054】
ここで、優先制御部13は、MACレイヤにおいて、既存のQCIを用いた優先制御についても行うように構成されている。
【0055】
また、本実施形態に係る無銭基地局eNBでは、送信部14は、移動局UEに対して、FPIとDFPとを関連付けるための情報を通知するように構成されていてもよい。
【0056】
また、本実施形態に係る移動局UEでは、優先制御部22は、PDCPレイヤにおいて、無線基地局eNBに対して送信するデータフローに対する優先制御を行うように構成されている。
【0057】
例えば、優先制御部22は、無線基地局eNBに対して送信するデータフローに割り当てられているFPI#X〜#Zに関連付けられているDFPに基づいて、かかるデータフローに対する優先制御を行うように構成されている。
【0058】
なお、優先制御部22は、FPIが割り当てられていないデータフローに対して、デフォルトのDFPに基づいて優先制御を行うように構成されていてもよい。
【0059】
以下、図6を参照して、本実施形態に係る無線基地局eNB及び移動局UEの動作について説明する。
【0060】
図6に示すように、無線基地局eNB及び移動局UEは、DFPによる優先制御に係る設定が行われているか、すなわち、各FPIに対応するDFPが設定されているか否かについて判定する。
【0061】
「YES」の場合、本動作は、ステップS102に進み、「NO」の場合、本動作は終了する。
【0062】
ステップS102において、無線基地局eNB及び移動局UEは、PDCPレイヤにおいて、送信すべきデータフローに割り当てられているFPI#X〜#Zに関連付けられているDFPに基づいて、かかるデータフローに対する優先制御を行う。
【0063】
例えば、無線基地局eNB及び移動局UEは、PDCPレイヤにおいて、DFPの値が小さいデータフローを優先して、RLCレイヤに送出する(或いは、PDCP-PDU化する)。
【0064】
なお、PDCPレイヤは、ベアラ毎に破棄タイマを設けており、データのバッファリング時間が所定期間を超過する場合に、かかるデータを破棄しているが、加えて、FPI毎に破棄タイマを用意してもよい。これにより、データ破棄に際してより細かい優先度で破棄を行うことが可能である。
【0065】
(変更例)
上述の第2実施形態に係る移動通信システムにおいて、何個のDFPを設定することができるかは、移動局UEの能力に依存することが想定される。
【0066】
例えば、搭載可能なメモリ量が少ない移動局UEは、同時に設定することができるDFP数に制約があることが想定される。
【0067】
移動局UEの能力以上のDFPを設定する場合には、移動局UEの正常な動作を担保することができない。
【0068】
したがって、第2実施形態に係る移動局UEにおいて、送信部23は、無線基地局eNBに対して、DFPに関する能力を通知するように構成されている。
【0069】
例えば、送信部23は、「UE Capability」として、かかるDFPに関する能力を通知するように構成されていてもよい。
【0070】
ここで、送信部23は、かかるDFPに関する能力として、移動局UE内で設定可能なDFPの数、或いは、無線ベアラごとに設定可能なDFPの数を通知するように構成されていてもよい。
【0071】
例えば、無線基地局eNBは、かかるDFPに関する能力に応じて、各無線ベアラで設定するDFPの最大数を決定するように構成されていてもよい。かかる場合、無線基地局eNBが、決定した最大数を、移動局UEに対して送信することで、移動局UEは、適切なメモリ管理を行うことができる。
【0072】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0073】
本実施形態の第1の特徴は、無線基地局eNBであって、S1ベアラを介してコアネットワーク装置S-GWから受信するデータフローに割り当てられているFPI(フロー優先度)を管理するように構成されているベアラ管理部12と、S1ベアラを介してコアネットワーク装置S-GWから受信したデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部13とを具備しており、ベアラ管理部12は、移動局UEとの間で、FPIの各々に対応する無線ベアラを確立するように構成されており、優先制御部13は、S1ベアラを介してコアネットワーク装置S-GWから受信したデータフローを、かかるデータフローに割り当てられているFPIに対応する無線ベアラに転送するように構成されていることを要旨とする。
【0074】
かかる特徴によれば、無線基地局eNBは、S1ベアラを介してコアネットワーク装置S-GWから受信したデータフローを、かかるデータフローに割り当てられているFPIに対応する無線ベアラに転送することで、FPIを用いた優先制御を実現することができる。
【0075】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UEであって、無線ベアラを介して無線基地局eNBに対して送信されるデータフローに割り当てられているFPIを管理するように構成されているベアラ管理部21と、無線ベアラを介して無線基地局eNBに対して送信されるデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部22とを具備しており、ベアラ管理部21は、無線基地局eNBとの間で、FPIの各々に対応する無線ベアラを確立するように構成されており、優先制御部22は、無線ベアラを介して無線基地局eNBに対して送信されるデータフローを、かかるデータフローに割り当てられているFPIに対応する無線ベアラに転送するように構成されていることを要旨とする。
【0076】
かかる特徴によれば、移動局UEは、無線ベアラを介して無線基地局eNBに対して送信すべきデータフローを、かかるデータフローに割り当てられているFPIに対応する無線ベアラに転送することで、FPIを用いた優先制御を実現することができる。
【0077】
本実施形態の第3の特徴は、無線基地局eNBであって、PDCPレイヤにおいて、コアネットワーク装置S-GWから受信したデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部13を具備しており、優先制御部13は、FPIとDFP(PDCPレイヤにおける優先度)とを関連付けて管理するように構成されており、優先制御部13は、コアネットワーク装置から受信したデータフローに割り当てられているFPIに関連付けられているDFPに基づいて、かかるデータフローに対する優先制御を行うように構成されていることを要旨とする。
【0078】
かかる特徴によれば、無線基地局eNBは、PDCPレイヤにおいて、FPIに対応するDFPに基づいて優先制御を行うことで、FPIを用いた優先制御を実現することができる。
【0079】
本実施形態の第3の特徴において、優先制御部13は、FPIが割り当てられていないデータフローに対して、デフォルトのDFP(所定のPDCPレイヤにおける優先度)に基づいて優先制御を行うように構成されていてもよい。
【0080】
かかる特徴によれば、無線基地局eNBは、FPIが割り当てられていないデータフローに対しても適切に優先制御を行うことができる。
【0081】
本実施形態の第3の特徴において、移動局UEに対して、FPIとDFPとを関連付けるための情報を通知するように構成されている送信部14を具備してもよい。
【0082】
かかる特徴によれば、移動局UEと無線基地局eNBとの間で、FPIとDFPとのマッピングのズレが発生するという事態を回避することができる。
【0083】
本実施形態の第4の特徴は、移動局UEであって、PDCPレイヤにおいて、無線基地局eNBに対して送信するデータフローに対する優先制御を行うように構成されている優先制御部22を具備しており、優先制御部22は、無線基地局eNBに対して送信するデータフローに割り当てられているFPIに関連付けられているDFPに基づいて、かかるデータフローに対する優先制御を行うように構成されていることを要旨とする。
【0084】
かかる特徴によれば、移動局UEは、PDCPレイヤにおいて、FPIに対応するDFPに基づいて優先制御を行うことで、FPIを用いた優先制御を実現することができる。
【0085】
本実施形態の第4の特徴において、優先制御部22は、FPIが割り当てられていないデータフローに対して、デフォルトのDFPに基づいて優先制御を行うように構成されていてもよい。
【0086】
かかる特徴によれば、移動局UEは、FPIが割り当てられていないデータフローに対しても適切に優先制御を行うことができる。
【0087】
本実施形態の第5の特徴は、移動局であって、無線基地局eNBに対して、DFPに関する能力(データフローに割り当てられるフロー優先度に関する能力)を通知するように構成されている送信部23を具備することを要旨とする。
【0088】
本実施形態の第5の特徴において、かかるDFPに関する能力は、移動局UE内で設定可能なDFPの数、或いは、無線ベアラごとに設定可能なDFPの数であってもよい。
【0089】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNBやコアネットワーク装置S-GW/P-GWの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0090】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0091】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNBやコアネットワーク装置S-GW/P-GW内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNBやコアネットワーク装置S-GW/P-GW内に設けられていてもよい。
【0092】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0093】
eNB…無線基地局
UE…移動局
11…受信部
12、21…ベアラ管理部
13、22…優先制御部
14、23…送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8