特許第6227908号(P6227908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227908
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】移動局
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20171030BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20171030BHJP
【FI】
   H04W72/04 111
   H04W72/04 136
   H04W16/32
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-132781(P2013-132781)
(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公開番号】特開2015-8402(P2015-8402A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2016年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】内野 徹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−519497(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/096195(WO,A1)
【文献】 特表2015−530042(JP,A)
【文献】 Nokia Siemens Networks, Nokia Corportation,Periodic CSI feedback modes for DL CoMP,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #70 R1-123641,[online],2012年 8月 5日,pages 1-3,[検索日 2017.08.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123641.zip
【文献】 CATT,Discussion on C- plane architecture for dual connectivity,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #81bis R2-130983,[online],2013年 4月 5日,pages 1-5,[検索日 2017.08.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_81bis/Docs/R2-130983.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線基地局配下のセル及び第2無線基地局配下のセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動局であって、
各無線基地局、各セル或いは各RRCメッセージの優先度を管理するように構成されている優先度管理部と、
前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局からRRCメッセージが受信された場合に、前記優先度に基づいて、該RRCメッセージを処理するように構成されている処理部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項2】
前記優先度管理部は、前記移動局がアイドル状態から接続状態に遷移した際に最初に接続した無線基地局の優先度を他の無線基地局の優先度よりも高くするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項3】
前記優先度管理部は、アンカー無線基地局の優先度を他の無線基地局の優先度よりも高くするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項4】
前記アンカー無線基地局は、移動管理ノードとの間で制御信号用コネクションが確立されている無線基地局であることを特徴とする請求項3に記載の移動局。
【請求項5】
前記アンカー無線基地局は、前記移動局のプライマリセルが設定されている無線基地局であることを特徴とする請求項3に記載の移動局。
【請求項6】
前記優先度は、各無線基地局によって送信された報知情報によって通知されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項7】
前記優先度管理部は、前記報知情報によって前記優先度が通知されていない場合には、デフォルト無線基地局として設定されている無線基地局の優先度を他の無線基地局の優先度よりも高くするように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の移動局。
【請求項8】
前記優先度は、各無線基地局からの個別シグナリングによって通知されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動局。
【請求項9】
前記優先度は、前記キャリアアグリゲーションを設定する際に送信されるセカンダリセル追加メッセージによって通知されるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の移動局。
【請求項10】
前記優先度は、各RRCメッセージによって通知されるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の移動局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)のRelease-10方式において、「backward compatible」を維持しつつ、20MHzを超える広帯域通信を実現する制御として、CA(Carrier Aggregation)が導入された。
【0003】
CAでは、複数のCC(Component Carrier)を束ねて通信を行い、高スループットを実現することができる。
【0004】
しかしながら、LTEのRelease-10方式におけるCA(「Intra-eNB CA」)では、図4に示すように、「束ねるCCは、同一の無線基地局eNB配下でなければならない」という制約がある。
【0005】
このため、通信事業者が、かかるCAを行いたい場合には、常に、CCが、同一無線基地局eNB配下になるようにネットワーク配置(Network deployment)を行わなければならず、柔軟なネットワーク配置が難しいという問題点があった。
【0006】
かかる問題点を解決するために、LTEのRelease-12方式以降の「SCE(Small Cell Enhancement)」における技術の1つとして、図5に示すように、異なる無線基地局eNB配下のCCを束ねてCAを行う「Inter-eNB CA」の導入が検討されている。
【0007】
図6(a)に示すように、既存の「Intra-eNB CA」では、RRC(Radio Resource Control)メッセージは、常に1つの無線基地局eNBから送信されるように構成されている。
【0008】
これに対して、図6(b)に示すように、「Inter-eNB CA」において、各無線基地局eNBが、それぞれRRCメッセージを送信することが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0009】
例えば、各無線基地局eNB専用のコンフィグレーション(例えば、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)リソースや、SRSリソース等)の設定や変更を行うためのRRCメッセージは、各無線基地局eNBから移動局UEに対して直接送信されることが想定される。
【0010】
したがって、移動局UEは、異なる無線基地局eNBから異なるRRCメッセージを同時に受信する可能性があることが想定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】3GPP寄書R2-131673
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、移動局UEが、異なる無線基地局eNBから異なるRRCメッセージを同時に受信した場合、移動局UEの実装(例えば、移動局UEのCPU処理量やメモリのような物理的な能力等)によっては、複数のRRCメッセージをパラレルに処理できない可能性がある。
【0013】
かかる場合、移動局UEにおいて、同時に受信された複数のRRCメッセージのうち、どのRRCメッセージを優先的に処理するかは、移動局UEのインプリマターとなる。
【0014】
したがって、かかる移動局UEでは、優先度の高いRRCメッセージを優先的に処理できないため、移動局UEの接続性に関するような重要なコンフィグレーションの設定が遅延する可能性があり、接続性の観点から好ましくない状況が発生し得るという問題点があった。
【0015】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、「Inter-eNB CA」が行われている場合において重要なコンフィグレーションの設定が遅延するという事態を回避することができる移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の特徴は、第1無線基地局配下のセル及び第2無線基地局配下のセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動局であって、各無線基地局、各セル或いは各RRCメッセージの優先度を管理するように構成されている優先度管理部と、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局からRRCメッセージが受信された場合に、前記優先度に基づいて、該RRCメッセージを処理するように構成されている処理部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、「Inter-eNB CA」が行われている場合において重要なコンフィグレーションの設定が遅延するという事態を回避することができる移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
図4】従来技術を説明するための図である。
図5】従来技術を説明するための図である。
図6】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0020】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE-Advanced方式の移動通信システムであって、図1に示すように、無線基地局eNB#1と、無線基地局eNB#2とを具備している。
【0021】
本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UEは、無線基地局eNB#1配下のセル及び無線基地局eNB#2配下のセルを用いて「Inter-eNB CA」を行うことができるように構成されている。
【0022】
図2に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、受信部11と、RRCメッセージ処理部12と、優先度管理部13とを具備している。
【0023】
受信部11は、無線基地局eNB#1及び無線基地局eNB#2から各種情報を受信するように構成されている。
【0024】
例えば、上述の「Inter-eNB CA」が行われている場合には、受信部11は、無線基地局eNB#1及び無線基地局eNB#2の双方から、RRCメッセージを受信するように構成されている。
【0025】
RRCメッセージ処理部12は、所定の優先度に基づいて、かかるRRCメッセージを処理するように構成されている。
【0026】
ここで、かかる優先度は、各無線基地局eNBに対して設定されている無線基地局eNBの優先度であってもよいし、各セルに対して設定されているセルの優先度であってもよいし、各RRCメッセージに対して設定されているRRCメッセージの優先度であってもよい。
【0027】
また、かかる優先度は、「High」/「Low」の2種類であってもよいし、「1」〜「N」というN種類であってもよい。
【0028】
例えば、RRCメッセージ処理部12は、無線基地局eNB#1及び無線基地局eNB#2の双方から受信した2つのRRCメッセージのうち、無線基地局eNBの優先度が高い方のRRCメッセージを処理した後に、無線基地局eNBの優先度が低い方のRRCメッセージを処理するように構成されている。
【0029】
優先度管理部13は、上述の優先度を管理するように構成されている。例えば、優先度管理部13は、かかる優先度として、予め決められている優先度を管理するように構成されていてもよいし、ネットワークから通知された優先度を管理するように構成されていてもよい。
【0030】
また、優先度管理部13は、移動局UEがRRC_Idle状態からRRC_Connected状態に遷移した際に最初に接続した無線基地局eNBの優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くするように構成されていてもよい。
【0031】
或いは、優先度管理部13は、Anchor-eNBの優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くするように構成されていてもよい。
【0032】
例えば、Anchor-eNBは、移動管理ノードMMEとの間で「S1-C I/F」が確立されている無線基地局eNBであってもよいし、移動局UEのPcellが設定されている無線基地局eNBであってもよい。
【0033】
また、上述の優先度は、各無線基地局eNBによって送信された報知情報によって通知されるように構成されていてもよい。
【0034】
ここで、優先度管理部13は、上述の報知情報によって上述の優先度が通知されていない場合には、デフォルト無線基地局eNBとして設定されている無線基地局eNBの優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くするように構成されていてもよい。
【0035】
また、上述の報知情報に、上述の優先度として所定情報(例えば、「Any」)が設定されている場合には、RRCメッセージ処理部12は、上述の優先度に基づくRRCメッセージの処理(優先制御)を行わないように構成されていてもよい。
【0036】
また、上述の優先度は、各無線基地局eNBからの個別シグナリングによって通知されるように構成されていてもよい。
【0037】
例えば、上述の優先度(例えば、セカンダリセルの優先度)は、CAを設定する際に送信される「Scell additionメッセージ」によって通知されるように構成されていてもよい。
【0038】
或いは、上述の優先度(例えば、RRCメッセージの優先度)は、各RRCメッセージによって通知されるように構成されていてもよい。
【0039】
以下、図3を参照して、本実施形態に係る移動通信システム、具体的には、本実施形態に係る移動局UEの動作について説明する。
【0040】
図3に示すように、移動局UEは、ステップS101において、無線基地局eNB#1からRRCメッセージを受信すると共に、ステップS102において、無線基地局eNB#2からRRCメッセージを受信すると、ステップS104において、上述の優先度に基づいて、RRCメッセージを処理する。
【0041】
具体的には、無線基地局eNB#1の優先度が無線基地局eNB#2の優先度よりも高い場合、無線基地局eNB#1配下のセルの優先度が無線基地局eNB#2配下のセルの優先度よりも高い場合、或いは、無線基地局eNB#1から受信したRRCメッセージの優先度が無線基地局eNB#2から受信したRRCメッセージの優先度よりも高い場合、移動局UEは、無線基地局eNB#1から受信したRRCメッセージを処理した後に、無線基地局eNB#2から受信したRRCメッセージを処理する。
【0042】
一方、無線基地局eNB#2の優先度が無線基地局eNB#1の優先度よりも高い場合、無線基地局eNB#2配下のセルの優先度が無線基地局eNB#1配下のセルの優先度よりも高い場合、或いは、無線基地局eNB#2から受信したRRCメッセージの優先度が無線基地局eNB#1から受信したRRCメッセージの優先度よりも高い場合、移動局UEは、無線基地局eNB#2から受信したRRCメッセージを処理した後に、無線基地局eNB#1から受信したRRCメッセージを処理する。
【0043】
また、移動局UEは、ステップS101において、無線基地局eNB#1からRRCメッセージを受信せず、ステップS103において、無線基地局eNB#2からRRCメッセージを受信すると、ステップS105において、無線基地局eNB#2から受信したRRCメッセージを処理する。
【0044】
また、移動局UEは、ステップS101において、無線基地局eNB#1からRRCメッセージを受信し、ステップS102において、無線基地局eNB#2からRRCメッセージを受信しないと、ステップS105において、無線基地局eNB#1から受信したRRCメッセージを処理する。
【0045】
さらに、移動局UEは、ステップS101において、無線基地局eNB#1からRRCメッセージを受信せず、ステップS103において、無線基地局eNB#2からRRCメッセージを受信しない場合、本動作は、終了する。
【0046】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0047】
本実施形態の第1の特徴は、無線基地局eNB#1(第1無線基地局)配下のセル及び無線基地局eNB#2(第2無線基地局)配下のセルを用いて「Inter-eNB CA(キャリアアグリゲーション)」を行うことができるように構成されている移動局UEであって、各無線基地局eNB、各セル或いは各RRCメッセージの優先度を管理するように構成されている優先度管理部13と、無線基地局eNB#1及び無線基地局eNB#2からRRCメッセージが受信された場合に、上述の優先度に基づいて、かかるRRCメッセージを処理するように構成されているRRCメッセージ処理部12とを具備することを要旨とする。
【0048】
かかる特徴によれば、所定の優先度に基づいて、異なる無線基地局eNB#1及び無線基地局eNB#2から受信した異なるRRCメッセージを処理するため、「Inter-eNB CA」が行われている場合において重要なコンフィグレーションの設定が遅延するという事態を回避することができる。
【0049】
本実施形態の第1の特徴において、優先度管理部13は、移動局UEがRRC_Idle状態(アイドル状態)からRRC_Connected状態(接続状態)に遷移した際に最初に接続した無線基地局eNBの優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くするように構成されていてもよい。
【0050】
かかる特徴によれば、接続性の担保の観点から重要な役割を果たすと考えられる上述の無線基地局eNBの優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くことで、「Inter-eNB CA」が行われている場合において重要なコンフィグレーションの設定が遅延するという事態を回避することができる。
【0051】
ここで、重要なコンフィグレーションとしては、具体的には、移動局UEのmeasurementに関するものや、レイヤ2リセットや、セキュリティ更新等が考えられる。
【0052】
例えば、移動局UEは、下りリンクにおける品質を監視し、常に最適なセルに接続する必要がある。したがって、このような品質監視に関する設定は、移動局UEと無線基地局eNBとの間の接続性に関わるため、常に優先される必要がある。
【0053】
また、移動局UEと無線基地局eNBとの間でレイヤ2の状態不一致が発生する場合、無線基地局eNBは、移動局UEのレイヤ2の状態をリセットして、レイヤ2の状態を一致させるためのRRCメッセージを通知する(そうでなければ、データの送受信が不通となる)。したがって、このようなレイヤ2リセットに関する設定は、ベアラのデータ疎通に関わるため、優先される必要がある。
【0054】
さらに、無線基地局eNBは、移動局UEとの通信中に、接続時間が所定期間を超過した場合や、コアネットワークからの指示によりセキュリティ鍵を更新する処理を行う。したがって、このようなセキュリティ更新に関する設定は、ユーザデータやシグナリング信号の秘匿性や完全性を保つために、優先される必要がある。
【0055】
本実施形態の第1の特徴において、優先度管理部13は、Anchor-eNB(アンカー無線基地局)の優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くするように構成されていてもよい。
【0056】
かかる特徴によれば、接続性の担保の観点から重要な役割を果たすと考えられるAnchor-eNBの優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くことで、「Inter-eNB CA」が行われている場合において重要なコンフィグレーションの設定が遅延するという事態を回避することができる。
【0057】
本実施形態の第1の特徴において、Anchor-eNBは、移動管理ノードMMEとの間で「S1-C I/F(制御信号用コネクション)」が確立されている無線基地局eNBであってもよい。
【0058】
本実施形態の第1の特徴において、Anchor-eNBは、移動局UEのPcell(プライマリセル)が設定されている無線基地局eNBであってもよい。
【0059】
これらの特徴によれば、接続性の担保の観点から重要な役割を果たすと考えられる無線基地局eNBを、Anchor-eNBとすることができる。
【0060】
本実施形態の第1の特徴において、上述の優先度は、各無線基地局eNBによって送信された報知情報によって通知されるように構成されていてもよい。
【0061】
かかる特徴によれば、無線リソースを有効に活用して、移動局UEに対して、上述の優先度を通知することができる。
【0062】
本実施形態の第1の特徴において、優先度管理部13は、上述の報知情報によって優先度が通知されていない場合には、デフォルト無線基地局eNBとして設定されている無線基地局eNBの優先度を他の無線基地局eNBの優先度よりも高くするように構成されていてもよい。
【0063】
かかる特徴によれば、上述の報知情報によって優先度が通知されていない場合であっても、移動局UEは、適切にRRCメッセージを処理することができる。
【0064】
本実施形態の第1の特徴において、上述の優先度は、各無線基地局eNBからの個別シグナリングによって通知されるように構成されていてもよい。
【0065】
かかる特徴によれば、移動局UEごとに、上述の優先度の設定を変えることができる。
【0066】
本実施形態の第1の特徴において、上述の優先度は、CAを設定する際に送信される「Scell additionメッセージ(セカンダリセル追加メッセージ)」によって通知されるように構成されていてもよい。
【0067】
かかる特徴によれば、CAを設定する際に、既存のメッセージを活用して、Scellの優先度を設定することができる。
【0068】
本実施形態の第1の特徴において、上述の優先度は、各RRCメッセージによって通知されるように構成されていてもよい。
【0069】
かかる特徴によれば、RRCメッセージごとに、上述の優先度の設定を変えることができる。
【0070】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNB#1/eNB#2の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0071】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0072】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNB#1/eNB#2内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNB#1/eNB#2内に設けられていてもよい。
【0073】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0074】
eNB#1/eNB#2…無線基地局
UE…移動局
11…受信部
12…RRCメッセージ処理部
13…優先度管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6