特許第6227918号(P6227918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227918
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/18 20060101AFI20171030BHJP
   G01R 31/02 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G01R29/18 D
   G01R29/18 F
   G01R31/02
   G01R29/18 Q
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-151669(P2013-151669)
(22)【出願日】2013年7月22日
(65)【公開番号】特開2015-21893(P2015-21893A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】591048830
【氏名又は名称】日本電設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100094787
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100097777
【弁理士】
【氏名又は名称】韮澤 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100091971
【弁理士】
【氏名又は名称】米澤 明
(74)【代理人】
【識別番号】100145920
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 武彦
(72)【発明者】
【氏名】原本 賢一
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−175328(JP,A)
【文献】 実開昭49−078746(JP,U)
【文献】 特開平03−103773(JP,A)
【文献】 特開昭54−104551(JP,A)
【文献】 実開平04−021983(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/18
G01R 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相の高圧側端子を有し、これらの高圧側端子から三相の高圧が入力されると共に、三相の低圧側端子を有し、これらの低圧側端子から三相の低圧が出力される電気設備を検査する検査装置と、
単相交流が入力され、受動素子のみからなり、電気設備の三相の高圧側端子のそれぞれに印加される低圧の三相交流を出力する電源変換装置と、を含む検査システムであって、
前記検査装置は、星形結線されてなる三相のうちの第1相に相順が正しい時に発光する正順時点灯発光ダイオードと、
前記星形結線されてなる三相のうちの第1相と異なる第2相に相順が逆転している時に発光する逆順時点灯発光ダイオードと、を含む相順検出回路部を有し、電源は具備せず、
前記電源変換装置の前記単相交流としては、商用の100Vが用いられることを特徴とする検査システム
【請求項2】
三相の高圧側端子を有し、これらの高圧側端子から三相の高圧が入力されると共に、三相の低圧側端子を有し、これらの低圧側端子から三相の低圧が出力される電気設備を検査する検査装置と、
単相交流が入力され、受動素子のみからなり、電気設備の三相の高圧側端子のそれぞれに印加される低圧の三相交流を出力する電源変換装置と、を含む検査システムであって、
前記検査装置は、星形結線されてなる三相のうちの第1相に相順が正しい時に発光する正順時点灯発光ダイオードと、
前記星形結線されてなる三相のうちの第1相と異なる第2相に相順が逆転している時に発光する逆順時点灯発光ダイオードと、を含む相順検出回路部を有し、電源は具備せず、
前記電源変換装置の前記単相交流としては、可搬形発電機の100V出力が用いられることを特徴とする検査システム
【請求項3】
前記相順検出回路部は、前記星形結線されてなる三相のうちの第1相及び第2相と異なる第3相にコンデンサが設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検査システム
【請求項4】
前記正順時点灯発光ダイオードは、第1相において、正順部分流用抵抗と正順部分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の検査システム
【請求項5】
前記逆順時点灯発光ダイオードは、第2相において、逆順部分流用抵抗と逆順部分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の検査システム
【請求項6】
星形結線されてなる三相のうちの第1相に設けられる第1発光ダイオードと、
第1相と異なる第2相に設けられる第2発光ダイオードと、
第1相及び第2相と異なる第3相に設けられる第3発光ダイオードと、を含む欠相・短絡検出回路部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の検査システム
【請求項7】
前記第1発光ダイオードは、第1相において、第1分流用抵抗と第1分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする請求項6に記載の検査システム
【請求項8】
前記第2発光ダイオードは、第2相において、第2分流用抵抗と第2分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の検査システム
【請求項9】
前記第3発光ダイオードは、第3相において、第3分流用抵抗と第3分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の検査システム
【請求項10】
電気設備からの出力を前記相順検出回路部に接続するか、前記欠相・短絡検出回路部に接続するかを切り換えるスイッチを有することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の検査システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気設備で相順が正しく配線されているかなどを検査する検査装置及びこの検査装置と共に利用される電源変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルディングなどの新規施工後、或いは、リニューアル工事後において、設置された電気設備が想定通り配線されているか否かに係る検査を行い、この検査により配線が正しく成されていることを確認後に、実際の通電を行うことが好ましい。
【0003】
上記のような電気設備には、6600Vの高圧の三相交流を、210Vの低圧三相交流に変換するトランスなどが含まれており、上記のような検査では、高圧側におけるR相、S相、T相が、それぞれ低圧側でR相、S相、T相に対応するように配線がなされているかを行う。このような検査を行うために利用されるものとして、検相器と呼ばれる検査装置が知られている。
【0004】
例えば、非特許文献1には、インバーターによって発生させた200Vの三相交流を、電気設備の高圧側に印加し、低圧側の出力を検相器に入力し、この検相器によって、R相、S相、T相の相順が正しいかを検査する検査装置が開示されている。
【非特許文献1】猪俣洋、山本善博「停電時間を短縮できるLL(低電圧回路)チェッカーの機能と使い方」電気と工事、2011年2月号、p.112−p.116
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に開示されている検相器は、内蔵されるアラゴの円盤の回転方向に基づいて、R相、S相、T相の相順が正順か逆順かを検出するものであり、ハードウエアとしての構成が複雑で高価であり、コストがかかる、という問題があった。
【0006】
そこで、本発明では上記のようなアラゴの円盤の原理を利用しない検査装置を採用するものであるが、電気設備の高圧側に印加する低圧の三相交流をインバーターで発生させると、本発明の検査装置では、検査を確度高く行うことができない、という新たな問題が発生した。これは、インバーターで発生させた低圧の三相交流が、擬似的なサイン波の交流であることに起因することが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、請求項1に係る発明は、三相の高圧側端子を有し、これらの高圧側端子から三相の高圧が入力されると共に、三相の低圧側端子を有し、これらの低圧側端子から三相の低圧が出力される電気設備を検査する検査装置と、単相交流が入力され、受動素子のみからなり、電気設備の三相の高圧側端子のそれぞれに印加される低圧の三相交流を出力する電源変換装置と、を含む検査システムであって、前記検査装置は、星形結線されてなる三相のうちの第1相に相順が正しい時に発光する正順時点灯発光ダイオードと、前記星形結線されてなる三相のうちの第1相と異なる第2相に相順が逆転している時に発光する逆順時点灯発光ダイオードと、を含む相順検出回路部を有し、電源は具備せず、前記電源変換装置の前記単相交流としては、商用の100Vが用いられることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、三相の高圧側端子を有し、これらの高圧側端子から三相の高圧が入力されると共に、三相の低圧側端子を有し、これらの低圧側端子から三相の低圧が出力される電気設備を検査する検査装置と、単相交流が入力され、受動素子のみからなり、電気設備の三相の高圧側端子のそれぞれに印加される低圧の三相交流を出力する電源変換装置と、を含む検査システムであって、前記検査装置は、星形結線されてなる三相のうちの第1相に相順が正しい時に発光する正順時点灯発光ダイオードと、前記星形結線されてなる三相のうちの第1相と異なる第2相に相順が逆転している時に発光する逆順時点灯発光ダイオードと、を含む相順検出回路部を有し、電源は具備せず、前記電源変換装置の前記単相交流としては、可搬形発電機の100V出力が用いられることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の検査システムにおいて、前記相順検出回路部は、前記星形結線されてなる三相のうちの第1相及び第2相と異なる第3相にコンデンサが設けられることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の検査システムにおいて、前記正順時点灯発光ダイオードは、第1相において、正順部分流用抵抗と正順部分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の検査システムにおいて、前記逆順時点灯発光ダイオードは、第2相において、逆順部分流用抵抗と逆順部分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の検査システムにおいて、星形結線されてなる三相のうちの第1相に設けられる第1発光ダイオードと、第1相と異なる第2相に設けられる第2発光ダイオードと、第1相及び第2相と異なる第3相に設けられる第3発光ダイオードと、を含む欠相・短絡検出回路部を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に記載の検査システムにおいて、前記第1発光ダイオードは、第1相において、第1分流用抵抗と第1分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、請求項6又は請求項7に記載の検査システムにおいて、前記第2発光ダイオードは、第2相において、第2分流用抵抗と第2分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の検査システムにおいて、前記第3発光ダイオードは、第3相において、第3分流用抵抗と第3分圧用抵抗と共に接続されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る発明は、請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の検査システムにおいて、電気設備からの出力を前記相順検出回路部に接続するか、前記欠相・短絡検出回路部に接続するかを切り換えるスイッチを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の検査装置は、相順が正しい時に発光する正順時点灯発光ダイオードと、相順が逆転している時に発光する逆順時点灯発光ダイオードと、を用いるものであり、このような本発明の検査装置によれば、アラゴの円盤などのハードウエアを用いる構成に比べ、簡便に構成することができ、コストを抑制することが可能となる。
【0020】
また、本発明の検査装置と共に用いる本発明の電源変換装置は、検査装置における正順時点灯発光ダイオードや逆順時点灯発光ダイオードを的確に点灯、消灯させるための試験用の電力を電気設備に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る検査装置300の検査対象である電気設備100の模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る検査装置300の相順検出回路部320が利用する原理を説明する図である。
図3】本発明の実施形態に係る検査装置300の回路図である。
図4】本発明の実施形態に係る検査装置300と共に用いられる電源変換装置200の回路図である。
図5】本発明の実施形態に係る電源変換装置200及び検査装置300による検査時の結線を示す図である。
図6】相順検出回路部320における発光ダイオードの点灯状況と検出結果との関係を示すテーブルである。
図7】欠相・短絡検出回路部350における発光ダイオードの点灯状況と検出結果との関係を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。まず、検査対象である電気設備100の概略について説明する。図1は本発明の実施形態に係る検査装置300の検査対象である電気設備100の模式図である。図1に示すように、ビルディングなどの電気設備100には、受電した6600Vの高圧の三相交流を、210Vの低圧三相交流に変換するトランス110などが含まれている。
【0023】
図1(A)は、電気設備100における配線が正しく、高圧側におけるR相、S相、T相が、それぞれ低圧側でR相、S相、T相に対応するようにして的確に配線されている例を示している。このような場合は、検査装置300では、電気設備100の配線が「正順」であることを検出する。
【0024】
一方、図1(B)は、電気設備100において、高圧側でR相とS相とが逆に配線されている例を示している。このような場合、検査装置300では、電気設備100の配線が「逆順」であることを検出する。なお、本実施形態では、高圧側でR相とS相とが逆に配線されている場合を例としているが、配線が取り違えられ、逆順が検出される例はこれに限らない。
【0025】
上記のような、配線が「正順」、「逆順」であるかを検出するのは、検査装置300における相順検出回路部320が担っている。一方、検査装置300は、上記のような配線が「正順」、「逆順」であるかを検出する機能以外に、ある相の配線が切れている状態(欠相状態)を検出する機能及び相同士が短絡されている状態(短絡状態)を検出する機能を有している。これらの検出機能は、検査装置300の欠相・短絡検出回路部350が担っている。
【0026】
ここで、検査装置300における相順検出回路部320が利用する原理を説明する。図2は本発明の実施形態に係る検査装置300の相順検出回路部320が利用する原理を説明する図である。
【0027】
図2(A)は相順検出のための回路図を示している。電気設備100の低圧側のR相、S相、T相を、それぞれ図2(A)の回路図の端子TRa、TRb、TRcに接続する。そ
の上で、電気設備100に対し通電を行うと、電気設備100の配線が正順であるか、逆順であるかに応じて、ランプ1及びランプ2の点灯状態は図2(B)のテーブルに示すとおりとなる。
【0028】
すなわち、電気設備100の配線が正順である場合には、ランプ1は明るく点灯し、ラ
ンプ2は暗く点灯する。逆に、電気設備100の配線が逆順である場合には、ランプ1は暗く点灯し、ランプ2は明るく点灯する。これにより、電気設備100の配線の正順・逆順を検出することが可能となる。
【0029】
ランプ1、ランプ2の点灯の明暗によって、電気設備100の配線の正順・逆順を検出する方法では、それぞれのランプの明暗を明確に把握しにくい、という問題がある。そこで、本実施形態に係る検査装置300の相順検出回路部320では、ランプの代わりに発光ダイオードを用いるようにしている。発光ダイオードを発光させる閾値となる電圧値があるため、相順検出回路部320でランプの代わりに発光ダイオードを用いると、明暗ではなく、発光ダイオードの「点灯」、「消灯」によって、電気設備100の配線の正順・逆順を検出することができる。
【0030】
図3は本発明の実施形態に係る検査装置300の回路図である。回路図において、端子TR1乃至TR3は、検査を行う電気設備100のR相、S相、T相のそれぞれの低圧側端子に接続することが想定されている。
【0031】
スイッチ310は、(1)SW11乃至SW13をオンすると同時にSW21乃至SW23をオフとする、(2)SW11乃至SW13をオフすると同時にSW21乃至SW23をオンとする、の切換を行うことができるようになっている。これにより、端子TR1乃至TR3からの入力を、スイッチ310の切換によって、相順検出回路部320又は、欠相・短絡検出回路部350のいずれかに接続することができるようになっている。
【0032】
相順検出回路部320は、中性点N1を中心として、星形結線されてなる三相のうちの
R相には、相順が正しい時に発光する正順時点灯発光ダイオード321が、また、前記星形結線されてなる三相のうちのS相には、相順が逆転している時に発光する逆順時点灯発光ダイオード322が配されている。また、前記星形結線されてなる三相のうちのT相にはコンデンサが設けられている。なお、このコンデンサに代えて、コイルを設けることにより、本発明を実施することは不可能ではないが、素子の定数の精度などから、T相にはコンデンサを用いることが好ましい。
【0033】
R相において、正順時点灯発光ダイオード321は、正順部分流用抵抗Rbと正順部分
圧用抵抗Raと共に接続される。より具体的には、正順時点灯発光ダイオード321と正
順部分圧用抵抗Raとの直列接続が、正順部分流用抵抗Rbと並列接続されることで、R相に設けられている。
【0034】
また、S相において、逆順時点灯発光ダイオード322は、逆順部分流用抵抗Rbと逆
順部分圧用抵抗Raと共に接続される。より具体的には、逆順時点灯発光ダイオード32
2と逆順部分圧用抵抗Raとの直列接続が、逆順部分流用抵抗Rbと並列接続されることで、S相に設けられている。
【0035】
正順時点灯発光ダイオード321と逆順時点灯発光ダイオード322として、同一の素子を用いる場合には、正順部分流用抵抗Rbと逆順部分流用抵抗Rbとは同一の抵抗値をとり、正順部分圧用抵抗Raと逆順部分圧用抵抗Raとは同一の抵抗値をとる。
【0036】
上記のようにR相、S相で、分流用抵抗、分圧用抵抗を用いているが、本実施形態では、検相時において、分圧用抵抗により発光ダイオードに印加される電圧が適切なものとなるようにし、発光ダイオードに流れる電流が許容値を超えないようにしている。
【0037】
また、発光ダイオードは点灯、消灯によりその内部抵抗が変わるが、原理図(図2)に倣い、発光ダイオードの点灯、消灯に無関係に、その相の抵抗を一定値に近づけるため、
分流用抵抗を設けている。これにより、相順検出回路部320へ入力される電圧の正、負の変化にも対応できている。
【0038】
なお、特許請求の範囲では「R相」、「S相」、「T相」を、「第1相」、「第2相」、「第3相」と表現している。
【0039】
また、欠相・短絡検出回路部350は、中性点N2を中心として、星形結線されてなる
三相のうちのR相に第1発光ダイオード351が設けられ、S相に第2発光ダイオード352が設けられ、T相に第3発光ダイオード353が設けられている。
【0040】
第1発光ダイオード351は、R相において、第1分流用抵抗Rdと第1分圧用抵抗Rcと共に接続される。より具体的には、第1発光ダイオード351と第1分圧用抵抗Rc
の直列接続が、第1分流用抵抗Rdと並列接続されることで、R相に設けられている。
【0041】
また、第2発光ダイオード352は、S相において、第2分流用抵抗Rdと第2分圧用
抵抗Rcと共に接続される。より具体的には、第2発光ダイオード352と第2分圧用抵
抗Rcとの直列接続が、第2分流用抵抗Rdと並列接続されることで、S相に設けられている。
【0042】
また、第3発光ダイオード353は、T相において、第3分流用抵抗Rdと第3分圧用
抵抗Rcと共に接続される。より具体的には、第3発光ダイオード353と第3分圧用抵
抗Rcとの直列接続が、第3分流用抵抗Rdと並列接続されることで、T相に設けられている。
【0043】
第1発光ダイオード351、第2発光ダイオード352、第3発光ダイオード353として同一の素子を用いる場合には、第1分流用抵抗Rdと第2分流用抵抗Rdと第3分流用抵抗Rdとは同一の抵抗値をとり、第1分圧用抵抗Rcと第2分圧用抵抗Rcと第3分圧用
抵抗Rcとは同一の抵抗値をとる。
【0044】
上記のような各相で、分流用抵抗、分圧用抵抗を用いているが、本実施形態では、欠相・短絡検出時において、分圧用抵抗により発光ダイオードに印加される電圧が適切なものとなるようにし、発光ダイオードに流れる電流が許容値を越えないようにしている。
【0045】
また、欠相・短絡が検出されない場合には、欠相・短絡検出回路部350へ入力される電圧の正、負の変化に対応するため、分流用抵抗を設けている。
【0046】
さらに、欠相・短絡がおきている場合には、分流用抵抗が発光ダイオードに電圧を印加するための役割を担い、点灯すべき発光ダイオードを点灯させるようにしている。
【0047】
ところで、上記のように発光ダイオードを用いた本発明に係る検査装置300の相順検出回路部320は、電気設備100の高圧側に印加する低圧の三相交流をインバーターで発生させると、発光ダイオードの点灯・消灯が的確に行い得ないことが、発明者の開発過程で判明した。これは、インバーターで発生させた低圧の三相交流が、擬似的なサイン波の交流であることに起因する。
【0048】
そこで、本発明に係る検査装置300と共に用いられ、検査時、電気設備100の三相の高圧側端子に低圧の三相交流を印加する電源変換装置200には、インバーターを用いないものとしている。
【0049】
図4は本発明の実施形態に係る検査装置300と共に用いられる電源変換装置200の
回路図である。図4において、端子TRin1及びTRin2には、単相の100V電源が接続される。図に示す回路によって、端子TRin1及びTRin2に入力された単相交流は三相交流に変換がなされ、端子TRout1乃至TRout3に出力される。端子TRout1乃至TRout3は、検査時にそれぞれ電気設備100の三相の高圧側端子に接続されることが想定される。
【0050】
なお、端子TRin1及びTRin2に接続する単相の100V電源としては、可搬形発電機を用いることもできるし、商業電源を用いることもできる。
【0051】
電源変換装置200を構成する単相−三相変換回路は、受動素子である抵抗とコンデンサのみを用いて三相交流電圧を出力する回路である。コンデンサC1の値を適切に選び、
三相交流電圧を出力するための制約条件に従って、抵抗R1及び抵抗R2が選定される。これにより位相差が120°で、入力電源が単相100Vの場合には、86.6Vの三相交流電圧が出力される。また、抵抗R3は、入力電源をOFFとするときに、電源変換装置
200に蓄積されている電荷を放電するための放電抵抗である。
【0052】
以上のような本発明に係る電源変換装置200及び検査装置300を用いての電気設備100の検査について説明する。図5は本発明の実施形態に係る電源変換装置200及び検査装置300による検査時の結線を示す図である。
【0053】
図に示すように、電源変換装置200の端子TRout1乃至TRout3は、それぞれ電気設備100の、R相、S相、T相の高圧側端子に接続すると共に、検査装置300の端子TR1乃至TR3は、それぞれ電気設備100の、R相、S相、T相の低圧側端子に接続する。
【0054】
電気設備100の相順を検出する場合は、スイッチ310で、端子TR1乃至TR3からの入力を検査装置300の相順検出回路部320に接続する。
【0055】
図6は相順検出回路部320における発光ダイオードの点灯状況と検出結果との関係を示すテーブルである。当該テーブルに示すように、相順検出回路部320の正順時点灯発光ダイオード321が点灯し、逆順時点灯発光ダイオード322が消灯していれば、電気設備100の相順が正しく、相順検出回路部320の正順時点灯発光ダイオード321が消灯し、逆順時点灯発光ダイオード322が点灯していれば、電気設備100の相順が逆順であることが確認できる。
【0056】
電気設備100の欠相・短絡を検出する場合は、スイッチ310で、端子TR1乃至T
3からの入力を検査装置300の欠相・短絡検出回路部350に接続する。
【0057】
図7は欠相・短絡検出回路部350における発光ダイオードの点灯状況と検出結果との関係を示すテーブルである。
【0058】
第1発光ダイオード351、第2発光ダイオード352、第3発光ダイオード353の全ての発光ダイオードが点灯していれば、検査対象の電気設備100の欠相・短絡が共にないことが検出される。
【0059】
一方、第1発光ダイオード351、第2発光ダイオード352、第3発光ダイオード353のうち1つが消灯し、2つが点灯している場合には、消灯している発光ダイオードが接続されている相が欠相していることが検出される。
【0060】
また、第1発光ダイオード351、第2発光ダイオード352、第3発光ダイオード3
53のうち1つのみが点灯し、2つが消灯している場合には、消灯している2つの発光ダイオードが接続されている相間で短絡が起こっていることが検出される。
【0061】
また、第1発光ダイオード351、第2発光ダイオード352、第3発光ダイオード353のすべてが消灯している場合には、二相又は三相で欠相しているか、三相全てが短絡しているかのいずれかであることがわかる。
【0062】
以上のように、本発明の検査装置300は、相順が正しい時に発光する正順時点灯発光ダイオード321と、相順が逆転している時に発光する逆順時点灯発光ダイオード322と、を用いるものであり、このような本発明の検査装置300によれば、アラゴの円盤などのハードウエアを用いる構成に比べ、簡便に構成することができ、コストを抑制することが可能となる。
【0063】
また、本発明の検査装置300と共に用いる本発明の電源変換装置200は、検査装置300における正順時点灯発光ダイオードや逆順時点灯発光ダイオードを的確に点灯、消灯させるための試験用の電力を電気設備100に供給することができる。
【符号の説明】
【0064】
100・・・電気設備
110・・・トランス
200・・・電源変換装置
300・・・検査装置
310・・・スイッチ
320・・・相順検出回路部
321・・・正順時点灯発光ダイオード
322・・・逆順時点灯発光ダイオード
350・・・欠相・短絡検出回路部
351・・・第1発光ダイオード
352・・・第2発光ダイオード
353・・・第3発光ダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7