特許第6227928号(P6227928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227928
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-164492(P2013-164492)
(22)【出願日】2013年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-33407(P2015-33407A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山本 恵輝
(72)【発明者】
【氏名】島 伸嘉
(72)【発明者】
【氏名】松田 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】佐野 賢直
【審査官】 武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−173957(JP,A)
【文献】 特開2011−000171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動条件が成立した後、開始条件の成立に基づいて実行する決定処理の結果、導出される変動内容による図柄変動ゲームが開始される遊技機において、
前記始動条件が成立したが未だ開始されていない開始保留状態の前記図柄変動ゲームに関する保留情報を記憶する記憶手段と、
前記決定処理に用いられ、所定の数値範囲内で数値データを更新する数値データ更新手段と、
前記始動条件の成立時に、前記数値データ更新手段から数値データを抽出し、抽出された数値データに起因する判定用数値データを用いて前記決定処理で決定することになる変動内容の何れに対応するのか対応関係を判定する始動条件成立時判定手段と、
前記図柄変動ゲームの変動内容が特定の変動内容である可能性を、通常の演出内容から特定の演出内容に変化させることで当該図柄変動ゲームの前記開始条件の成立に先立って事前に示唆する事前演出を行わせる事前演出実行手段と、
前記事前演出を実行させる場合に該事前演出での演出内容を変化させるか否かを抽選する変化抽選手段と、を備え、
前記変化抽選手段は、前記事前演出を実行させる場合に該事前演出での演出内容を変化可能とする複数設定される変化契機の一部又は全部にて該事前演出での演出内容を変化させるか否かを抽選し、
前記変動内容は、前記図柄変動ゲームの1回の間に図柄が変動開始して停留する連続専用演出を少なくとも1回表示する1回の変動サイクルを複数回、連続して表示する連続予告演出を伴う変動内容を含み、
前記変化契機は、前記事前演出の対象とする前記図柄変動ゲームが開始されてから経過した時間により規定される場合と、前記事前演出の対象とする前記図柄変動ゲームの間の前記1回の変動サイクルが開始されてから経過した時間により規定される場合とを含んでいることを特徴とする遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動条件が成立した後、開始条件の成立に基づいて実行する決定処理の結果、導出される変動内容による図柄変動ゲームが開始される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では図柄変動ゲーム中に大当り図柄が表示される可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続演出(事前演出)を実行することで、対象となる図柄変動ゲームの演出内容を当該ゲームの実行に先立って事前に示唆して遊技者の興趣を高めることが行われている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1の第2実施例には、現時点における始動入賞記憶数が表示される始動記憶表示器の点灯表示態様を制御することで連続演出を実行させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−700号公報(段落[0087]〜[0093])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の第2実施例では、始動口への遊技球の入球に伴って始動記憶表示器の表示態様が変化するかしないかでしかなかった。そして、始動口への遊技球の入球に伴って始動記憶表示器の表示態様が変化しなければ連続演出に当選していなかったことを遊技者に認識させてしまうことで、遊技の興趣の低下を招く可能性があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、事前演出における遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する遊技機は、始動条件が成立した後、開始条件の成立に基づいて実行する決定処理の結果、導出される変動内容による図柄変動ゲームが開始される遊技機において、前記始動条件が成立したが未だ開始されていない開始保留状態の前記図柄変動ゲームに関する保留情報を記憶する記憶手段と、前記決定処理に用いられ、所定の数値範囲内で数値データを更新する数値データ更新手段と、前記始動条件の成立時に、前記数値データ更新手段から数値データを抽出し、抽出された数値データに起因する判定用数値データを用いて前記決定処理で決定することになる変動内容の何れに対応するのか対応関係を判定する始動条件成立時判定手段と、前記図柄変動ゲームの変動内容が特定の変動内容である可能性を、通常の演出内容から特定の演出内容に変化させることで当該図柄変動ゲームの前記開始条件の成立に先立って事前に示唆する事前演出を行わせる事前演出実行手段と、前記事前演出を実行させる場合に該事前演出での演出内容を変化させるか否かを抽選する変化抽選手段と、を備え、前記変化抽選手段は、前記事前演出を実行させる場合に該事前演出での演出内容を変化可能とする複数設定される変化契機の一部又は全部にて該事前演出での演出内容を変化させるか否かを抽選するようにした。
【0009】
記遊技機について、前記変動内容は、前記図柄変動ゲームの1回の間に図柄が変動開始して停留する連続専用演出を少なくとも1回表示する1回の変動サイクルを複数回、連続して表示する連続予告演出を伴う変動内容を含み、前記変化契機は、前記事前演出の対象とする前記図柄変動ゲームが開始されてから経過した時間により規定される場合と、前記事前演出の対象とする前記図柄変動ゲームの間の前記1回の変動サイクルが開始されてから経過した時間により規定される場合とを含んでいることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、事前演出における遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】パチンコ遊技機の表側を示す正面図。
図2】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図3】先読みコマンドを説明する図。
図4】(a)〜(d)は、演出画像の変化態様を説明する図。
図5】(a)〜(c)は、報知変化演出を説明する図。
図6】報知変化演出処理を説明する図。
図7】(a)〜(c)は、報知変化演出の実行態様を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技盤10が装備されている。遊技盤10には、パチンコ遊技機に装備されている発射ハンドルHdの回動操作によって、遊技球が発射される。
【0014】
遊技盤10の略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有し、表示演出を行う表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数の図柄列(本実施形態では、3列)の装飾図柄(飾図)を変動させて行う装飾図柄変動ゲームと、当該装飾図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。各列には、[1]〜[8]の8種類の数字が飾図として表示される。そして、8種類の飾図によって、各列の図柄列が構成されている。装飾図柄変動ゲームは、始動入球装置15へ遊技球が入球することを契機に、実行される。
【0015】
装飾図柄変動ゲームでは、各列の飾図として表示される飾図の組み合わせ(表示結果)が導出される。大当り抽選(当り抽選)に当選する場合、演出表示装置11には、大当り(当り)の図柄組み合わせが確定停止表示される。また、大当り抽選に非当選する場合、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。本実施形態において、大当りの図柄組み合わせは、全列の飾図が同一の図柄組み合わせ([777]等)である。また、はずれの図柄組み合わせは、全列の飾図が異なる図柄組み合わせ([426]等)、又は1列の飾図が他の2列の飾図と異なる図柄組み合わせ([323]等)である。
【0016】
演出表示装置11の下方には、始動入球装置15が配設されている。この始動入球装置15は、遊技球が入球可能な入球口を有している。また、始動入球装置15は、開閉部材16を有している。また、始動入球装置15は、入球した遊技球を検知する始動スイッチSW1(図2に示す)を有している。始動スイッチSW1は、始動入球装置15へ入球した遊技球が流下する通路上に配設されている。始動入球装置15は、入球した遊技球を始動スイッチSW1で検知することにより、後述する図柄変動ゲームの始動条件、すなわち大当りか否かを決めるための大当り抽選の権利を付与し得る。
【0017】
開閉部材16は、電動役物ソレノイドSOL1(図2に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。始動入球装置15は、開閉部材16が開状態となるとき入球口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、始動入球装置15は、開閉部材16が閉状態となるとき入球口が閉鎖されて遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。
【0018】
また、始動入球装置15の下方には、大入賞扉を有する大入賞装置20が配設されている。大入賞装置20は、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2に示す)を有している。カウントスイッチSW2は、大入賞装置20へ入球した遊技球が流下する通路上に配設されている。また、大入賞装置20の大入賞扉は、大入賞ソレノイドSOL2(図2に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。大入賞装置20は、大入賞扉が開状態となるとき遊技球が入球可能な開放状態となり、遊技球の入球が許容される。大入賞装置20は、入球した遊技球をカウントスイッチSW2で検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与しうる。
【0019】
本実施形態では、大当り抽選に当選した場合、大当り遊技が生起される。大当り遊技の生起中には、大入賞装置20が開放状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容される。この大当り遊技の生起中には、大入賞装置20へ遊技球が入球すると、予め決めた個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0020】
また、大当り遊技では、大入賞装置20が開放状態となる開放遊技が複数回行われる。1回の開放遊技は、開放遊技の終了条件が成立するまでの間、行われる。本実施形態において、開放遊技の終了条件は、規定時間が経過すること又は規定個数の遊技球が大入賞装置20へ入球することによって成立する。
【0021】
また、演出表示装置11の右方には、ゲート23が配設されている。ゲート23は、通過(入球)した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図2に示す)を有している。ゲート23は、通過した遊技球をゲートスイッチSW3で検知することにより、普図ゲームの始動条件、すなわち普図当りか否かを決めるための普図当り抽選の権利を付与し得る。普図当り抽選に当選すると、開閉部材16の開放によって始動入球装置15に遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、後述する図柄変動ゲームの始動条件を容易に獲得できる機会を得ることができる。
【0022】
また、遊技盤10の右下方には、LED等の発光部材が複数配置された発光部配置部材HSが配設されている。発光部配置部材HSには、特別図柄表示装置25、保留表示装置26、及び普通図柄表示装置27が配設されている。各表示装置25,26,27は、複数の発光部材によって構成されている。
【0023】
特別図柄表示装置25では、当該特別図柄表示装置25を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄(特図)を用いて、特別図柄変動ゲームが実行される。特別図柄表示装置25にて特別図柄変動ゲームの実行が開始されると演出表示装置11にて装飾図柄変動ゲームが開始され、特別図柄変動ゲームの実行が終了すると装飾図柄変動ゲームが終了する。特別図柄表示装置25には、大当り抽選に当選した際、大当り図柄が停止して表示(確定停止表示)される。特別図柄表示装置25に大当り図柄が停止して表示される際、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、特別図柄表示装置25には、大当り抽選に非当選した際、はずれ図柄が停止して表示(確定停止表示)される。特別図柄表示装置25にはずれ図柄が停止して表示される際、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、特別図柄表示装置25に特別図柄が停止して表示されるまでの間、特別図柄表示装置25では、特別図柄が変動して表示される。以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」という場合には、特別図柄変動ゲームと装飾図柄変動ゲームの何れも意味する。
【0024】
本実施形態では、特別図柄変動ゲームの実行を保留可能に構成されている。そして、保留表示装置26では、当該保留表示装置26を構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている開始保留状態の特別図柄変動ゲームの回数(以下、「保留記憶数」という)が示される。
【0025】
普通図柄表示装置27には、当該普通図柄表示装置27を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる普通図柄が停止して表示(確定停止表示)される。普通当り抽選に当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通当り図柄が停止して表示される。一方、普通当り抽選に非当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通はずれ図柄が停止して表示(確定停止表示)される。
【0026】
画像表示部GHの下方領域には、上述した保留記憶数(始動保留球の個数)を画像表示するための保留画像表示領域(表示領域)Hが、区画形成されている。保留画像表示領域Hは、保留記憶数の上限数に対応する4つの演出画像H1,H2,H3,H4を表示可能に構成されている。保留画像表示領域Hでは、保留記憶数に対応する個数の演出画像(本実施形態では丸形)を表示させることで、保留記憶数が報知される。
【0027】
例えば、保留記憶数が1球も記憶されていない状態で始動入球装置15に遊技球が2球入球したとする。この場合、保留画像表示領域Hでは、2個の演出画像H1,H2が画像表示されることで、特別図柄変動ゲームの保留を示すこととなる。
【0028】
これにより遊技者は、演出画像から実行が保留されている特別図柄変動ゲームの種類と保留された順序、さらに実行が保留されている特別図柄変動ゲームの回数を把握することができる。
【0029】
また、保留画像表示領域Hの左方領域には、実行中の特別図柄変動ゲームに対応付けして保留画像表示領域Hで画像表示してきた演出画像を画像表示するための実行画像表示領域(表示領域)Jが、区画形成されている。実行画像表示領域Jは、実行中の特別図柄変動ゲームに対応する1つの演出画像Xを表示可能に構成されている。実行画像表示領域Jでは、保留画像表示領域Hで画像表示される演出画像H1〜H4と区別するようにこれらよりも大きくした演出画像Xを表示可能に構成されている。実行画像表示領域Jでは、演出画像Xを表示させることで、特別図柄変動ゲームの実行中であることが報知される。
【0030】
例えば、保留記憶数が存在する(1以上の)状態で特別図柄変動ゲームが終了して次の特別図柄変動ゲームが開始されたとする。この場合、保留画像表示領域Hの各演出画像が左側にシフト表示して保留記憶数が減るように演出表現され、特に演出画像H1が実行画像表示領域Jに移動して演出画像Xになるように演出表現される。この場合に、実行画像表示領域Jの元々の演出画像Xは、特別図柄変動ゲームの終了に伴い、消去されるように演出表現される。
【0031】
これにより遊技者は、演出画像H1に対応付けて実行が保留されていた特別図柄変動ゲームの実行が開始されたことを把握することができる。
また、パチンコ遊技機には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLaが所定位置に配設されているとともに、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSpが所定位置に配設されている。
【0032】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下、「確変」という)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を低確率から高確率に変動させる確変状態を付与する機能である。本実施形態において確変状態は、次回、大当り遊技が生起される迄の間、又は予め定めた確変上限回数の図柄変動ゲームが終了する迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率が、確変状態が付与されていないとき(以下、「非確変状態」という)と比べて高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。
【0033】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、変動時間短縮状態(以下、「変短状態」という)が付与される。変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態(以下、「非変短状態」という)と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選確率が低確率から高確率に変動する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、非変短状態とは異なる動作パターン、かつ多い回数で開閉部材16が開閉動作する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉部材16の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。
【0034】
本実施形態において変短状態は、次回の大当りが生起されるまでの間、又は予め定めた付与期間となる変短上限回数の図柄変動ゲームが終了する迄の間、付与される。変短状態は、開閉部材16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間あたりの始動入球装置15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。変短状態は、開閉部材16の単位時間あたりの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0035】
次に、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。機裏側には、演出制御基板32を制御する統括制御基板31が配設されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。演出制御基板32は、統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様の各種動作を制御する。
【0036】
まず、主制御基板30について説明する。
図2に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。主制御用CPU30aには、各種ソレノイドSOL1,SOL2、特別図柄表示装置25、保留表示装置26、及び普通図柄表示装置27が接続されている。
【0037】
主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数(当り判定用乱数)、特図振分用乱数、演出判定用乱数、普図当り判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの数値データとしての各種乱数の値を所定の周期毎に所定の数値範囲で更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当りとなる場合に生起される大当り遊技の種類、つまり、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。演出判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合に特別演出を実行するか否か(例えば、リーチを形成するか否か)の演出抽選(演出判定)で用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動内容を決定する変動パターンを選択する際に用いる乱数である。
【0038】
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、演出判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。
【0039】
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値(低確判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値(高確判定値)とがある。高確判定値の設定数は、低確判定値の設定数よりも多く設定されている。高確判定値は、低確判定値を含んで構成されている。このため、低確判定値と高確判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値が共通値とされている。共通値は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。高確判定値において、共通値を除く他の値は、低確判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数の値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない一方、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
【0040】
演出判定値は、はずれを決定する場合に特別演出を実行させるか否かの演出抽選で用いる判定値であり、演出判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。普図当り判定値は、変短状態の有無により、その数が異なる。具体的には、非変短状態時における普図当り判定値よりも、変短状態時における普図当り判定値の設定値が多くなるように定められている。
【0041】
主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動時間(演出時間)を特定する。この変動時間によっては、図柄変動ゲームの変動内容(遊技演出)を特定することもできる。複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれ特別変動用の変動パターン、及びはずれ通常変動用の変動パターンに分類される。大当り変動用、はずれ特別変動用及びはずれ通常変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
【0042】
大当り変動(当り変動)は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。大当り変動では、特別図柄変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。また、大当り変動では、装飾図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。装飾図柄変動ゲームでは、特別演出を経て、大当り図柄を導出させる。
【0043】
はずれ特別変動は、大当り抽選に当選せずに、演出抽選に当選した場合に行われ、特別図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。また、はずれ特別変動では、装飾図柄変動ゲームにおいて、特別演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ通常変動は、大当り抽選及び演出抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特別図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。また、はずれ通常変動では、装飾図柄変動ゲームにおいて、特別演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。特別図柄変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、特別演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。
【0044】
次に、統括制御基板31について説明する。
図2に示すように、統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しが可能な統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。統括制御用CPU31aは、後述する各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。統括制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
【0045】
次に、演出制御基板32について説明する。
図2に示すように、演出制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU32aと、演出制御用CPU32aの演出制御プログラムを格納する演出制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM32cが設けられている。演出制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。演出制御用CPU32aは、後述する各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM32cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。演出制御用CPU32aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、演出制御用CPU32aには、演出表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpが接続されている。演出制御用ROM32bには、演出表示装置11の表示態様を制御するための各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。演出制御用ROM32bには、装飾ランプLaの発光態様を制御するための各種の発光態様パターンやスピーカSpの音声出力態様を制御するための各種の音声パターンが記憶されている。
【0046】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0047】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の保留記憶数を表すように保留表示装置26の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の保留記憶数を指定する保留情報としての保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。本実施形態では、図柄変動ゲームの始動保留球の記憶数を記憶する主制御用RAM30cが、記憶手段として機能する。
【0048】
また、保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(大当り判定用乱数、演出判定用乱数、特図振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、主制御用RAM30cの記憶領域に記憶する。このように、各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、図柄変動ゲームの実行が保留される。
【0049】
続いて、主制御用CPU30aは、取得した各種乱数の値に基づき、先読みコマンドを生成する。先読みコマンドは、図柄変動ゲームの実行が保留された場合に生成されることから、図柄変動ゲームの実行が保留されたことを示すことに相当する。主制御用CPU30aは、生成した先読みコマンドを統括制御用CPU31aに出力し、特別図柄入力処理を終了する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得することなく、特別図柄入力処理を終了する。
【0050】
ここで、取得した各種乱数の値に基づき、先読みコマンドの生成について説明する。本実施形態における先読みコマンドは、何回目に実行が保留されている図柄変動ゲームに対応する先読みコマンドであるかを特定可能な回数情報と、取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報とを含む保留情報を指示することになる。このように、本実施形態では、保留情報が、特別図柄入力処理で取得した各種乱数の値に起因する判定用数値データに数値データ化された先読みコマンドとして統括制御用CPU31aに指示される。
【0051】
本実施形態では、始動入球装置15への入球(検知)時に取得(抽出)した各種乱数の値に起因して先読みコマンドを生成する主制御用CPU30aが、始動条件成立時判定手段として機能する。
【0052】
図3に示すように、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が共通値及び非共通値の何れとも不一致するとともに、演出判定用乱数の値が演出判定値と不一致する生成条件を満たす場合、「SA系」の先読みコマンドを生成する。この場合に主制御用CPU30aは、保留記憶数に関する回数情報に応じた「SA系」の先読みコマンドを生成する。この「SA系」の先読みコマンドにより、統括制御用CPU31aが特定する先読み情報は、何回目に実行が保留されているかとともに、後述する開始条件に基づき実際に図柄変動ゲームの実行が開始される際、はずれであって、はずれ通常変動(遊技演出)に基づく図柄変動ゲームの開始が指示されることを特定する。
【0053】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が共通値及び非共通値の何れとも不一致するとともに、演出判定用乱数の値が演出判定値と一致する生成条件を満たす場合、「SB系」の先読みコマンドを生成する。この場合に主制御用CPU30aは、保留記憶数に関する回数情報に応じた「SB系」の先読みコマンドを生成する。この「SB系」の先読みコマンドにより、統括制御用CPU31aが特定する先読み情報は、何回目に実行が保留されているかとともに、後述する開始条件に基づき実際に図柄変動ゲームの実行が開始される際、はずれ特別ありであって、はずれ特別変動(遊技演出)に基づく図柄変動ゲームの開始が指示されることを特定する。
【0054】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が共通値と一致する生成条件を満たす場合、「SC系」の先読みコマンドを生成する。この場合に主制御用CPU30aは、保留記憶数に関する回数情報に応じた「SC系」の先読みコマンドを生成する。この「SC系」の先読みコマンドにより、統括制御用CPU31aが特定する先読み情報は、何回目に実行が保留されているかとともに、後述する開始条件に基づき実際に図柄変動ゲームの実行が開始される際、大当りであって、大当り変動(遊技演出)に基づく図柄変動ゲームの開始が指示されることを特定する。
【0055】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が非共通値と一致する生成条件を満たす場合、「SD系」の先読みコマンドを生成する。この場合に主制御用CPU30aは、保留記憶数に関する回数情報に応じた「SD系」の先読みコマンドを生成する。この「SD系」の先読みコマンドにより、統括制御用CPU31aが特定する先読み情報は、何回目に実行が保留されているかとともに、後述する開始条件に基づき実際に図柄変動ゲームの実行が開始される際、確変状態であれば大当り変動(遊技演出)に基づく図柄変動ゲームの開始が指示されることを特定する。なお、本実施形態では、確変状態であれば大当り変動(遊技演出)に基づく図柄変動ゲームの開始が指示される場合、統括制御用CPU31aは、「SA系」同様、はずれとなることを特定する。
【0056】
本実施形態では、始動入球装置15への入球(検知)時に取得(抽出)された各種乱数の値に起因して生成される先読みコマンドを用いて、後述する開始条件に基づき決定することになる変動内容(遊技演出)が何れに対応するのか特定(判定)する統括制御用CPU31aが、始動条件成立時判定手段として機能する。
【0057】
次に特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技の生起中か否かの実行条件判定を実行する。実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定の場合、保留記憶数を読み出し、当該保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの保留数判定を実行する。保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0058】
一方、保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数から1減算し、主制御用RAM30cの記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、演出判定用乱数、特図振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値のうち最先に記憶された各種乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、1減算後の保留記憶数を表すように保留表示装置26の表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の保留記憶数を指定する保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。本実施形態では、このようにして開始保留状態の図柄変動ゲームが存在することを開始条件として、図柄変動ゲームを開始させる。
【0059】
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更される。
【0060】
大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において、主制御用CPU30aは、読み出した特図振分用乱数の値に対応する特図の大当り図柄を特別図柄表示装置25に確定停止表示させる特図として決定する(大当りの種類を決定する)。大当り変動処理において、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り変動用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0061】
一方、大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した演出判定用乱数の値が、演出判定値と一致するか否かを判定して演出抽選を行う。演出抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、はずれ特別変動処理を実行する。はずれ特別変動処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置25にはずれ図柄を停止して表示させることを決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ特別変動用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0062】
また、演出抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、はずれ通常変動処理を実行する。はずれ通常変動処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置25にはずれ図柄を停止して表示させることを決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ通常変動用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0063】
続いて、特別図柄開始処理において特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御用CPU31aに出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに装飾図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特図を指定する特図指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に装飾図柄変動ゲームの終了を指示する終了コマンドを統括制御用CPU31aに出力するとともに、決定した特図を停止して表示させるように特別図柄表示装置25の表示内容を制御する。
【0064】
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる図柄変動ゲームの終了後、大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始、各開放遊技の開始及び終了、大当り遊技の終了といった大当り遊技に関わる各種状況を指示する各種コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、大当りの種類に応じた遊技状態となるように制御する。
【0065】
すなわち、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合、確変状態に制御する内容となるように状態情報となる確変フラグを主制御用RAM30cに設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合、非確変状態に制御する内容となるように状態情報となる確変フラグを主制御用RAM30cに設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、確変状態を付与する場合、確変上限回数(本実施形態では100回)を、確変状態を付与する残り回数を示す状態情報となる確変回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。この場合に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが実行される毎に確変回数を「1」減算し、値が「0」となると、図柄変動ゲームの終了時に非確変状態に制御する内容となるように確変フラグを設定し、非確変コマンドを出力する。
【0066】
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、変短状態に制御する内容となるように状態情報となる作動フラグを主制御用RAM30cに設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、変短状態を付与しない場合、非変短状態に制御する内容となるように状態情報となる作動フラグを主制御用RAM30cに設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、変短上限回数(本実施形態では100回)を、変短状態を付与する残り回数を示す状態情報となる作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。この場合に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、図柄変動ゲームの終了時に非変短状態に制御する内容となるように作動フラグを設定し、非作動コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、大当り遊技中の遊技状態を非確変状態及び非変短状態に制御する。
【0067】
次に、統括制御基板31の統括制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
統括制御基板31の統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該制御コマンドに応じた処理を実行し、処理に基づき制御コマンドを演出制御基板32(演出制御用CPU32a)に出力する処理等を行う。
【0068】
すなわち、統括制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンド及び変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11の図柄変動ゲームにて確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。飾図の図柄組み合わせを決定すると、統括制御用CPU31aは、各列の飾図を指示する飾図指定コマンドを演出制御基板32(演出制御用CPU32a)に出力する。また、統括制御用CPU31aは、終了コマンドを入力すると、該コマンドを演出制御基板32(演出制御用CPU32a)に出力する。また、統括制御用CPU31aは、大当り遊技に関わる各種状況を指示する各種コマンドを入力すると、これらコマンドを演出制御基板32(演出制御用CPU32a)に出力する。
【0069】
統括制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンドを入力すると、確変状態や変短状態の付与状態を示す状態情報を統括制御用RAM31cに設定する。統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの設定内容によって、遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。例えば、統括制御用CPU31aは、確変状態及び変短状態の付与が指示された場合、確変上限回数を示す状態情報となるサブ側確変回数として統括制御用RAM31cに設定するとともに、変短上限回数を示す状態情報となるサブ側作動回数として統括制御用RAM31cに設定する。統括制御用CPU31aは、サブ側確変回数又はサブ側作動回数を統括制御用RAM31cに設定している場合、変動パターン指定コマンドを入力する度に設定中の対応する回数を1減算する。サブ側確変回数は確変回数と同様、確変状態を付与する残り回数を示し、サブ側作動回数は作動回数と同様、変短状態を付与する残り回数を示す。
【0070】
また、統括制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドの種類を特定可能な先読み情報を、統括制御用RAM31cの記憶領域のうち保留記憶数に対応する記憶領域に記憶する。統括制御用CPU31aは、入力した順序で統括制御用RAM31cに先読み情報を記憶する。また、統括制御用CPU31aは、図柄変動ゲームが実行されると、統括制御用RAM31cに記憶されている先読み情報のうち最先に記憶された先読み情報を消去する。
【0071】
次に、演出制御基板32の演出制御用CPU32aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板32の演出制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンド及び飾図指定コマンドを入力すると、対応する内容で各列の飾図(図柄列)を変動表示させて装飾図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU32aは、終了コマンドを入力すると、飾図指定コマンドで指定された飾図の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
【0072】
また、演出制御用CPU32aは、大当り遊技が生起され、大当り遊技に関わる各種状況を指示する各種コマンドを入力すると、所定のタイミングで所定の大当り中演出を実行するように、演出表示装置11の表示態様、装飾ランプLaの発光態様及びスピーカSpの音声出力態様を制御する。
【0073】
演出制御用CPU32aは、保留指定コマンドを入力すると、指定された保留記憶数に対応する数だけ保留画像表示領域Hに演出画像を表示するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0074】
例えば、図4(a)に示すように、演出制御用CPU32aは、保留指定コマンドにより保留記憶数「3」が指定された場合、保留画像表示領域Hに演出画像H1〜H3を表示するように演出表示装置11の表示内容を制御する。この場合、演出制御用CPU32aは、実行中の図柄変動ゲームがあれば実行画像表示領域Jに演出画像Xを表示するように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0075】
続いて、図4(b)に示すように、演出制御用CPU32aは、保留指定コマンドで指定された保留記憶数が、保留画像表示領域Hで現在表示中の演出画像よりも少ない場合、現在表示中の演出画像H2,H3がシフト表示(例えば、左側にシフト)されて減少されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。この場合、演出制御用CPU32aは、演出画像H1がシフト表示されて実行画像表示領域Jに演出画像Xを表示するように演出表示装置11の表示内容を制御する。保留指定コマンドで指定された保留記憶数が、保留画像表示領域Hで現在表示中の演出画像よりも少ない状況は、演出制御用CPU32aが変動パターン指定コマンドも合わせて入力している、図柄変動ゲームの開始時(保留消化時)となる。
【0076】
また、図4(c),(d)に示すように、演出制御用CPU32aは、保留指定コマンドで指定された保留記憶数が、保留画像表示領域Hで現在表示中の演出画像よりも多い場合、現在表示中の演出画像に新たな演出画像H4又は演出画像H3が追加されて増加されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。保留指定コマンドで指定された保留記憶数が、保留画像表示領域Hで現在表示中の演出画像よりも多い状況は、図柄変動ゲームの実行中であって始動入球装置15への入球時(入賞時)となる。
【0077】
また、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から図柄の一旦停止(停留)までの連続専用演出を少なくとも1回(本実施形態では、1回)表示する変動サイクルを複数回、連続して実行する連続予告演出としての連続演出を実行可能に構成している。なお、連続演出は、演出表示装置11と特別図柄表示装置25で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置11のみで演出として表現される。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特図と飾図)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1球の始動保留球に対応して実行されるものである。すなわち、連続演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。このため、連続演出を伴う図柄変動ゲームは、擬似連を伴う図柄変動ゲームとも言う。
【0078】
本実施形態の連続演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、連続演出を伴わない図柄変動ゲームよりも大当り図柄(大当り表示結果)が表示されるか否かの可能性が高まるように構成されている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合に比して連続演出を伴って図柄変動ゲームが行われ易くなっている。本実施形態において、連続演出を構成する変動サイクル数は、「2回」、「3回」、「4回」に設定されている。なお、連続演出を伴う場合、変動サイクル数と具体的な演出内容との組み合わせにより、大当り図柄が表示されるか否かの可能性が変化するようにも構成されている。例えば、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合に比して多い変動サイクル数で構成され易くなっている。
【0079】
以下、連続演出を実行させるための構成及び処理について詳しく説明する。
連続演出が実行されるか否か、及び連続演出が実行される場合の変動サイクルの回数(変動サイクル数)は、変動パターンから特定される。
【0080】
大当り変動用の変動パターンに基づく連続演出を伴っての図柄変動ゲームでは、最終回の変動サイクルにおいて、特別演出を経て大当り図柄が確定停止表示されるようになっている。大当り変動用の変動パターンに基づく連続演出を伴っての図柄変動ゲームにおける最終回以外の変動サイクルの演出時間は、予め定めた時間(本実施形態では「12秒」)に定められている。すなわち、この場合には、「12秒」の演出時間による変動サイクルを1以上繰り返した後、最終回の変動サイクルで特別演出が行われる連続演出を伴うこととなる。
【0081】
はずれ特別変動用の変動パターンに基づく連続演出を伴っての図柄変動ゲームでは、最終回の変動サイクルにおいて、特別演出を経てはずれ図柄が確定停止表示されるようになっている。はずれ特別変動用の変動パターンに基づく連続演出を伴っての図柄変動ゲームにおける最終回以外の変動サイクルの演出時間は、予め定めた時間(本実施形態では「12秒」)に定められている。すなわち、この場合には、「12秒」の演出時間による変動サイクルを1以上繰り返した後、最終回の変動サイクルで特別演出が行われる連続演出を伴うこととなる。
【0082】
はずれ通常変動用の変動パターンに基づく連続演出を伴っての図柄変動ゲームでは、最終回の変動サイクルにおいて、特別演出を経ないではずれ図柄が確定停止表示されるようになっている。はずれ通常変動用の変動パターンに基づく連続演出を伴っての図柄変動ゲームにおける各変動サイクルの演出時間は、予め定めた時間(本実施形態では「12秒」)に定められている。すなわち、この場合には、「12秒」の演出時間による変動サイクルを1以上繰り返して終了する連続演出を伴うこととなる。
【0083】
次に、連続演出を実行させるための処理について説明する。
主制御用CPU30aは、前述したとおり、図柄変動ゲームの実行に係わる処理において変動パターンを決定し、決定した変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを出力する。統括制御用CPU31aは、変動内容に連続演出を含む変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、各変動サイクル(主に2回目以後の変動サイクル)の開始を指示する各種制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU32aに出力する。
【0084】
すなわち、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを出力することで、装飾図柄変動ゲームの開始を指示するとともに、連続演出を含む場合であれば1回目の変動サイクルの開始を指示することになる。統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの出力後、連続演出を含む場合であれば「12秒」が経過する毎に、変動サイクルの開始を指示することになる。
【0085】
具体的に、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの出力後、連続演出を含む場合であれば「12秒」が経過すると、2回目の変動サイクルの開始を指示することになる。続いて、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの出力後、3回以上の変動サイクル数とする連続演出を含む場合であれば「24秒」が経過すると、3回目の変動サイクルの開始を、「36秒」が経過すると4回目の変動サイクルの開始を、それぞれ指示することになる。
【0086】
演出制御用CPU32aは、変動内容に連続演出を含む図柄変動ゲームを開始させる場合、各変動サイクルの開始が指示される毎に、指示された変動サイクルを行わせるように演出表示装置11の表示内容を制御する。演出制御用CPU32aは、最終回以外の変動サイクルの場合、一旦停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定し、変動サイクル毎に一旦停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。最終回以外の変動サイクルが全て実行されると、演出制御用CPU32aは、指示された変動パターンに基づく演出内容で、最終回の変動サイクルを実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。最終回の変動サイクルにおいて、演出制御用CPU32aは、飾図指定コマンドにより指示された飾図の図柄組み合わせを確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0087】
このように構成した本実施形態では、実行が保留されている図柄変動ゲームの中に、遊技者にとって有利な特定の演出内容となる図柄変動ゲームが保留(記憶)されている可能性の高低を示唆する事前演出としての報知変化演出が実行される。本実施形態では、遊技者にとって有利な特定の演出内容を、大当り抽選に当選、又はリーチ演出が行われることとしている。
【0088】
以下、本実施形態の報知変化演出について説明する。
本実施形態において、報知変化演出は、保留画像表示領域Hの演出画像H1〜H4と実行画像表示領域Jの演出画像Xとを用いて行われ、これらの演出内容(本実施形態では、遊技者に報知する報知色)、及びこれらの演出内容を変化させるようにして行われる。
【0089】
図5(a)に示すように、報知変化演出は、各演出画像の色(変化後の色)として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」の4色を設定しており、「白色」<「青色」<「緑色」<「赤色」の順に特定の演出内容となる可能性が高いこと、さらに特定の演出内容の中でも大当り抽選に当選している可能性(大当り期待度)が高いことが示唆される。なお、「白色」は通常の報知色(通常の演出内容)とされており、他の報知色は変化後の報知色(特定の演出内容)とされている。
【0090】
図5(b)に示すように、報知変化演出は、保留画像表示領域Hで演出画像H1〜H4を用いて演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中に行われる場面と、実行画像表示領域Jで演出画像Xを用いて演出対象とする図柄変動ゲームの実行中(ゲーム中)に行われる場面とに大別される。これら場面毎に、報知変化演出における演出画像の報知色が変化される変化契機がそれぞれ設定されている。
【0091】
すなわち、図5(b)の「開始保留状態中」の欄に示すように、演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中には、該図柄変動ゲームに対応する保留画像表示領域Hへの演出画像の追加時となる入賞表示時、又は該図柄変動ゲームでない図柄変動ゲームの実行時となる保留消化時の変化契機が設定されている。本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態であれば、入賞表示時及び保留消化時の何れの変化契機においても報知色が変化し得る。
【0092】
また、図5(b)の「ゲーム中」の欄に示すように、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中には、連続演出を伴わない連続なしの場合、該図柄変動ゲームの開始となるゲーム開始時、該ゲーム開始時から6秒経過時、又は該ゲーム開始時から11秒経過時の変化契機が設定されている。本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中であって連続なしであれば、ゲーム開始時、ゲーム開始時から6秒経過時及びゲーム開始時から11秒経過時の何れかの変化契機において報知色が変化し得る。
【0093】
また、図5(b)の「ゲーム中」の欄に示すように、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中には、連続演出を伴う連続ありの場合、各変動サイクルの開始となるサイクル開始時、該サイクル開始時から6秒経過時、又は該サイクル開始時から11秒経過時の変化契機が設定されている。本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中であって連続ありであれば、各サイクル開始時、各サイクル開始時から6秒経過時及び各サイクル開始時から11秒経過時の何れかの変化契機において報知色が変化し得る。
【0094】
図5(c)に示すように、報知変化演出は、演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中から該図柄変動ゲームのゲーム中に跨って展開されるようになっており、上述した変化契機が複数設定される。この複数設定される変化契機で報知色を変化させるか否かの処理(後述する抽選)が行われる。
【0095】
このため、演出対象とする図柄変動ゲームが開始保留状態とされてから、その開始保留状態中、対応する演出画像の入賞表示時、他の図柄変動ゲームの保留消化時、この保留消化時が複数(例えば、2回)あれば、その消化毎の変化契機の一部又は全部にて保留画像表示領域Hの対応する演出画像の報知色が変化し得る。引き続き、演出対象とする図柄変動ゲームの実行が開始されてから、そのゲーム中、ゲーム開始時又はサイクル開始時、6秒経過時、11秒経過時(6秒経過時から5秒経過時)の何れかにて実行画像表示領域Jの演出画像Xの報知色が変化し得る。さらに演出対象とする図柄変動ゲームが連続ありで2回目の変動サイクルがあれば、その変動サイクルのサイクル開始時、6秒経過時、11秒経過時(6秒経過時から5秒経過時)の何れかにて実行画像表示領域Jの演出画像Xの報知色が変化し得る。さらに演出対象とする図柄変動ゲームが連続ありで3回又は4回目の変動サイクルがあれば、各変動サイクルのサイクル開始時、6秒経過時、11秒経過時の何れかにて実行画像表示領域Jの演出画像Xの報知色が変化し得る。
【0096】
次に、統括制御用CPU31aが実行する報知変化演出を行わせるための報知変化演出処理について説明する。
図6に示すように、統括制御用CPU31aは、第1処理として、報知変化演出での最大変化色を決定するとともに、演出対象とする図柄変動ゲームの入賞表示時の保留画像表示領域Hでの演出画像の報知色を決定するための入賞時抽選を実行する。第1処理に続き、統括制御用CPU31aは、第2処理として、演出対象とする図柄変動ゲームに対応する保留画像表示領域Hでの演出画像の報知色を他の図柄変動ゲームの保留消化時に変化させるか否かを決定するための消化時抽選を実行する。統括制御用CPU31aは、上述した第1処理及び第2処理を演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中に実行する。
【0097】
図6に示すように、続いて、統括制御用CPU31aは、第3処理として、演出対象とする図柄変動ゲーム又は変動サイクルの開始時、実行画像表示領域Jでの演出画像Xの報知色を変化させるか否かとともに、変化させる場合の変化契機を決定するためのゲーム開始時抽選を実行する。第3処理に続き、統括制御用CPU31aは、第4処理として、演出対象とする図柄変動ゲーム又は変動サイクルの実行中に実行画像表示領域Jでの演出画像Xの報知色を変化させるための報知実行処理を実行する。第4処理に続き、統括制御用CPU31aは、さらに変動サイクルが続く続きの変動サイクルありの場合、第3処理及び第4処理を繰り返し実行するとともに、続きの変動サイクルありの間、これを繰り返し実行する。統括制御用CPU31aは、上述した第3処理及び第4処理を演出対象とする図柄変動ゲームの実行中に実行するとともに、第3処理及び第4処理について、連続ありであれば各変動サイクルの実行中に実行する。
【0098】
以下、上述した第1処理〜第4処理の具体的な処理の内容について説明する。
統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cで保持している保留情報に基づく先読み情報を用いて、第1処理を行う。本実施形態では、先読み対象とされる先読み情報が共通値での大当り、及びはずれ特別ありの何れかを特定している場合に第1処理が行われる一方、これら以外を特定している場合に第1処理を終了して、報知変化演出処理を終了する。すなわち、報知変化演出によっては、前述したように、大当り抽選に当選又は演出抽選に当選している可能性の高低が示唆される。なお、先読み情報が共通値での大当り、及びはずれ特別ありの何れでもない場合、統括制御用CPU31aは、第1処理及び以後の処理を通じて「赤色」や「緑色」といった報知色を決定しないが「青色」の報知色については決定する場合があってもよい。
【0099】
統括制御用CPU31aは、報知変化演出の実行中となる演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中、及び該図柄変動ゲームの間、実行中となるように報知演出フラグを統括制御用RAM31cに設定する。報知変化演出の実行中となる報知演出フラグの設定中、すなわち報知変化演出の実行中の間、統括制御用CPU31aは、第1処理〜第4処理といった処理を行わない(行うとしても報知変化演出を行わせることができないことを判断する)。
【0100】
第1処理において、統括制御用CPU31aは、それよりも前に記憶されている先読み情報が全てはずれを特定する内容(先読み対象前全てはずれ)であるか否かを判定する。先読み対象前全てはずれでない場合、統括制御用CPU31aは、報知変化演出を実行させることができないと判断し、第1処理を終了して報知変化演出処理を終了する。
【0101】
また、先読み対象前全てはずれである場合、統括制御用CPU31aは、演出対象とする図柄変動ゲームに関する報知変化演出での最大変化色を決定する最大変化色抽選を行う。
【0102】
最大変化色抽選は、所定の当選確率となるように、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」に乱数を振分けて行われる。この最大変化色抽選は、第1処理において、今回の先読み対象とした先読み情報が共通値での大当りを特定している場合にはずれ特別ありを特定している場合よりも「赤色」や「緑色」の当選を決定し易く定めているとともに、「青色」や「白色」の当選を決定し難く定めている。
【0103】
統括制御用CPU31aは、最大変化色抽選で「白色」を決定する場合、報知変化演出を通じた「白色」までの報知色の変化を許容するように制御する。この場合に統括制御用CPU31aは、報知変化演出を伴わせないことを決定する場合と同様の制御を行うこととなる。また、統括制御用CPU31aは、最大変化色抽選で「青色」を決定する場合、報知変化演出を通じた「青色」までの報知色の変化を許容するように制御する。また、統括制御用CPU31aは、最大変化色抽選で「緑色」を決定する場合、報知変化演出を通じた「緑色」までの報知色の変化を許容するように制御する。また、統括制御用CPU31aは、最大変化色抽選で「赤色」を決定する場合、報知変化演出を通じた「赤色」までの報知色の変化を許容するように制御する。なお、統括制御用CPU31aは、ここで決定した最大変化色を示す最大変化色フラグを統括制御用RAM31cに設定するとともに、報知変化演出の実行中となる報知演出フラグの設定中の間、保持する。
【0104】
引き続き第1処理において、統括制御用CPU31aは、最大変化色フラグの内容に基づき、入賞表示時の報知色を決定するために報知色抽選を行う。
報知色抽選は、最大変化色フラグの内容に基づき、所定の当選確率となるように、「白色」から最大変化色までの各報知色に乱数を振分けて行われる。例えば、最大変化色が「緑色」であれば「白色」、「青色」、「緑色」に乱数を振分けて行われる。この報知色抽選は、第1処理において、今回の先読み対象とした先読み情報が共通値での大当りを特定している場合にはずれ特別ありを特定している場合よりも最大変化色に対応する報知色の当選を決定し易く定めているとともに、「白色」の当選を決定し難く定めている。
【0105】
統括制御用CPU31aは、第1処理の報知色抽選で「白色」を決定する場合、入賞表示時の報知色を「白色」とすることを演出制御用CPU32aに指示する。また、統括制御用CPU31aは、第1処理の報知色抽選で「青色」を決定する場合、入賞表示時の報知色を「青色」とすることを演出制御用CPU32aに指示する。また、統括制御用CPU31aは、第1処理の報知色抽選で「緑色」を決定する場合、入賞表示時の報知色を「緑色」とすることを演出制御用CPU32aに指示する。また、統括制御用CPU31aは、第1処理の報知色抽選で「赤色」を決定する場合、入賞表示時の報知色を「赤色」とすることを演出制御用CPU32aに指示する。このようにして入賞表示時の報知色が指示された演出制御用CPU32aは、その報知色で対応する演出画像を表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0106】
なお、統括制御用CPU31aは、現在の報知色を示す報知色フラグを統括制御用RAM31cに設定しており、この報知色フラグを報知演出フラグの設定中の間、保持するとともに、後述する処理で報知色が変化する毎に変化後の報知色を示すように内容を更新する。
【0107】
このように本実施形態では、第1処理にて演出対象とする図柄変動ゲームに対応する演出画像の入賞表示時、該入賞表示時の報知色と、最大変化色については予め決定した上で、その後の報知色の変化については第2処理以後の処理が実行される以後の変化契機にて別途抽選されることとなる。このため、第1処理では、先読み情報に応じて単純に入賞表示時の報知色、及び最大変化色を決定する仕様であるが、到来するタイミングも変化し得る変化契機での第2処理以後の処理の結果により報知変化演出を通じての報知色の変化のタイミングにも変化を与え得るようになっている。
【0108】
続いて、統括制御用CPU31aは、演出対象とは他の図柄変動ゲームの保留消化時に、第2処理を行う。なお、統括制御用CPU31aは、保留消化時の状況が複数回到来する場合、到来毎に第2処理を行うこととなる。
【0109】
第2処理において、統括制御用CPU31aは、第1処理で用いた先読み情報に基づき、第1処理で決定した最大変化色フラグ及びこれまでの処理を通じての報知色フラグを用いて、保留消化時の報知色を決定するために報知色抽選を行う。
【0110】
第2処理の報知色抽選は、最大変化色フラグの内容に基づき、所定の当選確率となるように、「白」から最大変化色までの各報知色に乱数を振分けて行われる。この報知色抽選は、第1処理と同様の振分け(確率)にて行われる。すなわち、本実施形態では、第1処理及び第2処理で報知色抽選を共通化している。
【0111】
ただし、これまでの処理を通じて特定の演出内容となる可能性が低くなる側への報知色の変化は許容されないようにしている(規制している)。例えば、最大変化色フラグが「赤色」を示すとともに、報知色フラグが「緑色」の場合には、第2処理の報知色抽選で「青色」が決定されても何も報知色が変化されないことして処理される。
【0112】
統括制御用CPU31aは、第2処理の報知色抽選で「白色」を決定する場合、報知色フラグの内容に関係なく演出制御用CPU32aに何も指示しない。また、統括制御用CPU31aは、第2処理の報知色抽選で「青色」を決定する場合、報知色フラグが「白色」の場合に保留消化時の報知色を「青色」とすることを演出制御用CPU32aに指示する。また、統括制御用CPU31aは、第2処理の報知色抽選で「緑色」を決定する場合、報知色フラグが「白色」又は「青色」の場合に保留消化時の報知色を「緑色」とすることを演出制御用CPU32aに指示する。また、統括制御用CPU31aは、第2処理の報知色抽選で「赤色」を決定する場合、報知色フラグが「白色」、「青色」、又は「緑色」の場合に保留消化時の報知色を「赤色」とすることを演出制御用CPU32aに指示する。このようにして保留消化時の報知色が指示された演出制御用CPU32aは、保留消化時の対応する演出画像のシフト表示に合わせてその報知色に変化させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0113】
続いて、統括制御用CPU31aは、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム開始時に、第3処理を行う。
第3処理において、統括制御用CPU31aは、ゲーム中に演出画像の報知色を変化させるか否かとともに、変化させる場合の変化契機を決定するためのゲーム開始時抽選を実行する。このゲーム開始時抽選は、ゲーム中の報知色を決定するための報知色抽選及び報知色を変化させる場合の変化契機を決定するための変化契機抽選で構成される。本実施形態では、連続なし及び連続ありに関係なく、とりあえず1回分のゲーム開始時抽選が行われ、特に連続ありに関係しては1回目の変動サイクルに対応付けて行われる。
【0114】
まず、第3処理において、統括制御用CPU31aは、第1処理で用いた先読み情報に基づき、第1処理で決定した最大変化色フラグ及びこれまでの処理を通じての報知色フラグを用いて、ゲーム中の報知色を決定するために報知色抽選を行う。
【0115】
第3処理の報知色抽選は、最大変化色フラグの内容に基づき、所定の当選確率となるように、「白色」から最大変化色までの各報知色に乱数を振分けて行われる。この報知色抽選は、第1処理及び第2処理と同様の振分け(確率)にて行われる。すなわち、本実施形態では、第1処理、第2処理、及び第3処理で報知色抽選を共通化している。
【0116】
ただし、第2処理での報知色抽選と同様、これまでの処理を通じて特定の演出内容となる可能性が低くなる側への報知色の変化は許容されないようにしている(規制している)とともに、こういった内容の決定時には変化契機抽選を行うことなく、報知変化演出処理を終了させるか2回目以後の変動サイクルに関わる処理へと移行する。
【0117】
引き続き第3処理において、統括制御用CPU31aは、報知色抽選で報知色を変化させる場合、変化させる場合の変化契機を決定するために変化契機抽選を実行する。ここでいう報知色を変化させる場合とは、これまでの処理を通じて特定の演出内容となる可能性が高くなる側への報知色の変化が決定されることである。
【0118】
変化契機抽選は、所定の当選確率となるように、「ゲーム開始時」、「6秒経過時」、「11秒経過時」に乱数を振分けて行われる。この変化契機抽選は、第1処理で用いた先読み情報、第1処理で決定した最大変化色フラグ、及びこれまでの処理を通じての報知色フラグの内容に関係なく、ほぼ均等(抽選に用いる乱数の合計によっては若干の差が生じる場合もある)となるように設定されている。
【0119】
続いて、統括制御用CPU31aは、第3処理を通じて、ゲーム中に演出画像の報知色を変化させるか否かとともに、変化させる場合の変化契機を決定すると、第4処理を行う。
【0120】
第4処理において、統括制御用CPU31aは、実際のゲーム中に実行画像表示領域Jの演出画像Xの報知色を変化させるために報知実行処理を実行する。
すなわち、統括制御用CPU31aは、第3処理の変化契機抽選で「ゲーム開始時」を決定する場合、図柄変動ゲームの開始(1回目の変動サイクルの開始)時に、第3処理の報知色抽選で指示する報知色に変化させることを演出制御用CPU32aに指示する。これにより、演出制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始時に、保留画像表示領域Hの演出画像H1の実行画像表示領域Jへのシフト表示に合わせて指示された報知色で演出画像Xを表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0121】
また、統括制御用CPU31aは、第3処理の変化契機抽選で「6秒経過時」を決定する場合、図柄変動ゲームの開始(1回目の変動サイクルの開始)から6秒経過時に、第3処理の報知色抽選で指示する報知色に変化させることを演出制御用CPU32aに指示する。これにより、演出制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始から6秒経過時に、この報知色に演出画像Xを変化させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0122】
また、統括制御用CPU31aは、第3処理の変化契機抽選で「11秒経過時」を決定する場合、図柄変動ゲームの開始(1回目の変動サイクルの開始)から11秒経過時に、第3処理の報知色抽選で指示する報知色に変化させることを演出制御用CPU32aに指示する。これにより、演出制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始から11秒経過時に、この報知色に演出画像Xを変化させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0123】
上述した図柄変動ゲーム開始時の第3処理及び第4処理後、2回目の変動サイクルがあることから続きの変動サイクルありの場合、統括制御用CPU31aは、上述したのと同様、第3処理及び第4処理を2回目の変動サイクルの開始時に、繰り返し実行する。さらに2回目の変動サイクルの第3処理及び第4処理後、3回目、4回目の続きの変動サイクルありの場合、統括制御用CPU31aは、上述したのと同様、第3処理及び第4処理を各変動サイクルの開始時に、繰り返し実行する。
【0124】
このようにして第1処理〜第4処理を行う結果、統括制御用CPU31aは、演出対象とする図柄変動ゲームが開始保留状態になってから、該図柄変動ゲームの実行中に跨って、報知変化演出での報知色を所定の変化契機で所定の報知色に変化させるように制御(指示)する。上述した第1処理〜第4処理、すなわち報知変化演出処理を行う統括制御用CPU31aが、事前演出実行手段、変化抽選手段、及び演出内容決定手段として機能する。
【0125】
すなわち、統括制御用CPU31aは、上述したようにして各種内容を決定すると、報知変化演出の実行中となるように報知変化フラグを統括制御用RAM31cに設定する。
さらに統括制御用CPU31aは、演出対象とする図柄変動ゲームに対応する保留情報に基づく保留記憶数と同一数を、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に記憶している報知変化演出を実行させる図柄変動ゲームの回数を示す報知変化実行回数に設定する。
【0126】
また、統括制御用CPU31aは、報知変化演出の実行中、図柄変動ゲームの開始が指示される(変動パターン指定コマンドを入力する)毎に、統括制御用RAM31cに記憶している報知変化実行回数を「1」減算する。さらに統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶している報知変化回数が「0(零)」となる図柄変動ゲーム、すなわち演出対象とする図柄変動ゲームの終了時(終了コマンドの入力時)、報知変化演出の非実行中となるように報知変化フラグを統括制御用RAM31cに設定する。
【0127】
上述したように、報知変化演出処理が実行される結果、報知変化演出で報知色を変化させるタイミングが、入賞表示時、保留消化時、ゲーム開始時といった変化契機にて実行される報知色抽選の結果により変化することになる。
【0128】
例えば、図7(a)に示すように、入賞表示時の報知色が「青色」で、演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中(保留中)の保留消化時に報知色が「緑色」に変化し、さらに演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中に報知色が「赤色」に変化した場合を想定する。ここでは、演出対象とする図柄変動ゲームが連続なしの場合を想定している。
【0129】
この場合には、保留中の保留消化時にあっても保留消化の場面、すなわち変化契機が2回あるので、何れで報知色が「緑色」に変化するか変化するタイミングに少なくとも2つのバリエーションを付加することができる。また、ゲーム中、1回目の変動サイクル中であっても変化契機が3回あるので、何れで報知色が「赤色」に変化するか変化するタイミングに少なくとも3つのバリエーションを付加することができる。そして、この報知変化演出を通しては、報知色が変化する報知色及び変化契機の組み合わせによるタイミングに少なくとも6つのバリエーションを付加することができる。その結果、本実施形態では、報知変化演出で報知色の変化がどの変化契機で行われるのかが遊技者に認識され難くすることができる。
【0130】
特に、本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲームが実際に開始されてからも変化契機を設定しているとともに、その変化契機として複数を設定しているので、報知変化演出を通じての報知色が変化するタイミングについても変化させることができる。
【0131】
また、本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲームが連続演出を伴うか否かによっても報知変化演出で、報知色を変化させるタイミングが、ゲーム中の変化契機にて実行される報知色抽選の結果により変化することになる。
【0132】
例えば、図7(b)に示すように、入賞表示時及び演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中(保留中)の保留消化時の報知色が「青色」で、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中、1回目の変動サイクル中に報知色が「緑色」に変化し、2回目の変動サイクル中に報知色が「赤色」に変化した場合を想定する。ここでは、演出対象とする図柄変動ゲームが連続ありの場合を想定している。
【0133】
また、例えば、図7(c)に示すように、入賞表示時、演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中(保留中)の保留消化時、1回目の変動サイクル中の報知色が「青色」で、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中、2回目の変動サイクル中に報知色が「緑色」に変化した場合を想定する。ここでは、演出対象とする図柄変動ゲームが連続ありの場合を想定している。
【0134】
これら2つの例では、共に保留中の保留消化時に保留消化の場面、すなわち変化契機が2回あるが、何れでも報知色が「青色」に維持されている。このため、実際に演出対象とする図柄変動ゲームが開始されるまでは、何れの場合にも入賞表示時以外で報知色の変化がなかったという状況になる。しかしながら、これら2つの例では、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中に、1回目及び2回目の変動サイクル合わせて最大で2回報知色の変化を発生させることができる。
【0135】
すなわち、図7(a)で示した連続なしの例で言えば、保留中の保留消化時に報知色の変化がなければ、その後、図柄変動ゲーム中には報知色を変化させるチャンスが最大で1回しかないこととなる。
【0136】
一方、図7(b),(c)で示した連続演出を伴う例で言えば、保留中の保留消化時に報知色の変化がなくても、その後、図柄変動ゲーム中には報知色を変化させるチャンスが最大で2回残っていることとなる。
【0137】
さらに、図7(c)で示した例で言えば、図柄変動ゲーム中に報知色を変化させるチャンスの一つで報知色の変化がなくても、その後、図柄変動ゲーム中の2回目の変動サイクル中に報知色を変化させるチャンスが1回残っていることとなる。この場合には、さらに続きの変動サイクルがあれば、その分だけさらにチャンスが残っていることとなる。
【0138】
この場合には、変動サイクルが続く毎に報知変化演出で報知色が変化するチャンス(変化契機)を発生させることができる、すなわち図柄変動ゲームの1回の間に報知変化演出で報知色が変化する変化契機が複数回あることとなる。その結果、本実施形態では、この報知色が変化するチャンスを発生させる分だけさらにまた該チャンス毎に報知色が変化するタイミングにバリエーションを付加することができる。
【0139】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)報知変化演出(事前演出)では、変化契機にて該報知変化演出での演出内容(報知色)を変化させるか否かが抽選(本実施形態では、入賞時抽選、消化時抽選、ゲーム開始時抽選)されるようにした。これにより、報知変化演出で報知色を変化させるタイミングが変化契機にて実行される抽選の結果により変化することになる。このため、報知変化演出での報知色が変化するタイミングに様々なバリエーションを付加することができる。その結果、報知変化演出で報知色の変化がどの変化契機で行われるのかを認識し難くすることで、報知変化演出における遊技の興趣を向上させることができる。
【0140】
(2)報知変化演出では、入賞表示時と、最大変化色については予め決定した後、該結果に基づき実際に変化させるか否かについては変化契機にて別途抽選されるようにした。これにより、報知変化演出での報知色の決定が単調な結果を導出する仕様であっても、報知変化演出で報知色が変化するタイミングが変化契機にて実行される抽選の結果により変化するので、報知変化演出における報知色の変化のタイミングのバリエーションの増加に寄与することができる。
【0141】
(3)演出対象とする図柄変動ゲームが実際に開始されてからも変化契機を設定することで、報知変化演出での報知色の変化に対する期待を図柄変動ゲームが実際に開始されてからも遊技者に抱かせることができる。
【0142】
また、演出対象とする図柄変動ゲームが開始されてから経過した時間を様々に設定すれば、報知変化演出で報知色が変化するタイミングについても変化させることができるので、報知変化演出における報知色の変化のタイミングのバリエーションの増加に寄与することができる。
【0143】
(4)連続演出を伴うか否かによっても報知変化演出で報知色が変化するタイミングのバリエーションの増加に寄与することができるとともに、連続演出を伴う場合に1回の変動サイクルが開始されてから経過した時間を様々に設定すれば、報知変化演出で演出内容が変化するタイミングのバリエーションのさらなる増加に寄与することができる。
【0144】
本実施形態では、こういった1回の変動サイクルが開始されてから経過した時間として、「ゲーム開始時」と「6秒経過時」と「11秒契機時」といった3種類を設定している。このため、1回の変動サイクルという構成のみで少なくとも3つのバリエーションを付加することができ、2回の変動サイクルという構成であれば少なくとも9つのバリエーションを付加することができる。
【0145】
(5)図柄変動ゲーム(本実施形態では、連続ありの場合)の1回の間に変化契機(本実施形態では、変動サイクル)が複数回あれば、その複数契機で報知変化演出での報知色を変化させる結果が導出される分だけ、それぞれのタイミング毎に報知変化演出での報知色を変化させることができる。すなわち、図柄変動ゲームの1回の間に報知変化演出での報知色の変化を複数回発生させることができるので、報知変化色のバリエーションの増加に寄与することができる。
【0146】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲームのゲーム中、ゲーム開始時、6秒経過時、11秒経過時の変化契機毎に第3処理の特に報知色抽選を行うよう仕様にて実現することもできる。すなわち、本別例では、変化契機を抽選により決定するといった構成とは異なり、変化契機となり得る場面の全てで報知色抽選を行い、該全てで報知色を変化させ得るので、報知色が変化するタイミングにさらに多くのバリエーションを付加することができる。
【0147】
・本実施形態では、図柄変動ゲームのゲーム中における変化契機を、連続演出を伴うか否かに関係なく、該図柄変動ゲームの開始を基準に規定することもできる。すなわち、2回目の変動サイクルに対応する変化契機に関して言えば、1回の図柄変動ゲームの開始から12秒経過時(2回目の変動サイクル開始時)、18秒経過時(2回目の変動サイクル開始から6秒経過時)、23秒経過時(2回目の変動サイクル開始から11秒経過時)といった時間に定めるようにする。なお、3回、又は4回目の変動サイクルに関して言えば、2回目の変動サイクルに対応する変化契機に12秒、又は24秒をそれぞれ加算した時間に定めるようにすればよい。
【0148】
・本実施形態では、図柄変動ゲームのゲーム中における変化契機を、連続演出を伴う場合にあっては、1回の図柄変動ゲームの開始から経過した時間の変化契機と、1回の変動サイクルの開始から経過した時間の変化契機とを異なるタイミングとなるように設定し、それぞれについて報知色抽選に相当する抽選を行うようにしてもよい。これにより、報知変化演出で報知色の変化がどの変化契機で行われるのかをより顕著に認識し難くすることができる。
【0149】
・本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲームの開始保留状態中の変化契機があれば、該図柄変動ゲーム(変動サイクル)のゲーム中の変化契機を1つのみとすることもできる。
【0150】
・本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲーム(変動サイクル)のゲーム中の変化契機を2つや4つ以上に変更することもできる。
・本実施形態では、演出対象とする図柄変動ゲーム(変動サイクル)のゲーム中の変化契機を、該図柄変動ゲームでの演出に応じたタイミングとして設定することもできる。例えば、特別演出を伴う図柄変動ゲームであれば、該特別演出の開始時や、該特別演出の内容の変化(発展)時等に設定することもできる。
【0151】
・本実施形態では、連続演出を伴う図柄変動ゲームを対象にしてはゲーム中の報知色の変化を行わせないようにしてもよく、この場合には連続演出に関する構成を備えていなくてもよい。一方、報知変化演出の報知色の変化は、連続演出伴う図柄変動ゲームのみを対象にしてゲーム中に変化させ得るようにしてもよい。
【0152】
・本実施形態では、変動サイクルの上限回数を5回以上に設定することもできるし、1回の変動サイクル中に図柄の変動開始から停留を複数回伴わせることもできる。
・本実施形態では、連続演出を伴う図柄変動ゲームにおいて、最終回以外の変動サイクルの演出時間を変更してもよいし、複数種類の演出時間(例えば、8秒と、12秒)を定めて、演出時間が抽選により決定されるようにしてもよい。例えば、11秒に満たない変動サイクルの演出時間を設定する場合には、11秒経過時の変化契機が到来しなくなることで、変化契機が2つに減ったりするように、変化契機の数を変化させるようにしてもよい。
【0153】
・本実施形態では、報知変化演出の態様として、「白色」からの変化を1回のみに規定することもできる。
・本実施形態では、最大変化色を決定しないで仕様にて実現することもでき、「赤色」の報知色を常に最大変化色として定めるようにし、変化契機(報知色抽選)毎に「赤色」までの何れかの報知色を抽選するようにもできる。
【0154】
・本実施形態において、入賞表示時には、常に「白色」や「青色」の報知色のように固定化してもよい。
・本実施形態では、報知変化演出を通じての報知色の変化過程をパターン化(シナリオ化)しておくこともできる。例えば、最大変化色が「緑色」の場合には、入賞表示時は「白色」、開始保留状態中には何れかのタイミングで「青色」まで変化させ、ゲーム中のゲーム開始時に「緑色」に変化させるといったパターンや、入賞表示時は「青色」、開始保留状態中には変化させず、ゲーム中の6秒経過時に「緑色」に変化させるといったパターン等を設定する。そして、第1処理の入賞時抽選相当の処理にて、統括制御用CPU31aが何れのパターンとするか決定し、この決定したパターンに従い統括制御用CPU31aが報知色の変化を制御(指示)するようにしたりする。本別例では、ゲーム中について変化契機までパターン化する例を示したが、変化契機については実施形態同様、抽選することもできる。
【0155】
・本実施形態では、報知変化演出を通じた報知色の変化の仕方にルールを定めていないが、1段階ずつ変化するようにすることもできる。
・本実施形態では、各処理で行う報知色抽選について、最大変化色フラグ及び報知色フラグに基づき、これらの状況毎に応じた抽選を行うようにしてもよい。例えば、状況に応じて特定の演出内容となる可能性が低くなる側への報知色に乱数を振分けないように構成された振分け(確率)にて報知色抽選を行うようにすればよい。
【0156】
・本実施形態では、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)及び演出制御基板32(演出制御用CPU32a)の処理の担当部分を変更してもよく、連続演出における一旦停止表示させる飾図の図柄組み合わせを統括制御基板31で決定するようにしてもよい。また、変化契機抽選に関しては、演出制御基板32(演出制御用CPU32a)で決定するようにしてもよい。
【0157】
・本実施形態では、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)を備えないで実現してもよく、この場合には統括制御基板31の代わりに報知変化演出処理等の各種処理を演出制御基板32(演出制御用CPU32a)が行うようにすればよい。
【0158】
・本実施形態では、先読みコマンドとして、乱数情報に関しては大当り判定用乱数等の乱数自体を示す情報を示すコマンドを別コマンドとして設定してもよい。こういった別コマンドとしての先読みコマンドを入力する統括制御用CPU31aが、コマンドで指示される大当り判定用乱数等の乱数自体を用いて所定の判定値、すなわち共通値や非共通値と一致するか否かといった判定を行うようにしてもよい。
【0159】
・本実施形態において、主制御用CPU30aが図柄変動ゲームの開始に先立って、演出判定用乱数及び変動パターン振分用乱数を用いることで、先読み対象とする図柄変動ゲームが実際に行われる際の変動時間(変動パターン)や変動内容(遊技演出)の種類を特定した上で、先読みコマンドを設定及び出力するようにしてもよい。
【0160】
・本実施形態は、主制御用CPU30aが先読みコマンドの生成の中で報知変化演出を実行させるか否かについても振分け(決定)可能な構成で実現してもよい。すなわち、始動条件成立時判定手段が「始動条件の成立時に、数値データ更新手段から数値データを抽出し、抽出された数値データがその後の開始条件の成立に基づき決定することになる遊技演出の何れに対応するのか対応関係を判定する」といった技術的思想を導くことができる。これにより、主制御用CPU30aの先読みコマンドの生成に関する処理の負担は増加する一方、各種先読みコマンドに係る容量の削減に寄与することができる。
【0161】
・本実施形態では、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を示す制御コマンドを出力してもよい。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに統括制御用CPU31aが、当りの種類を把握するようにしてもよい。
【0162】
・本実施形態では、演出表示装置11で保留画像の表示を行うパチンコ遊技機に具体化したが、演出表示装置11で保留画像の表示を行わないパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0163】
・本実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・本実施形態では、演出表示装置11を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としてもよいし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としてもよい。
【符号の説明】
【0164】
H…保留画像表示領域、J…実行画像表示領域、H1〜H4,X…演出画像、GH…画像表示部、11…演出表示装置、15…始動入球装置、25…特別図柄表示装置、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…統括制御基板、31a…統括制御用CPU、31b…統括制御用ROM、31c…統括制御用RAM、32…演出制御基板、32a…演出制御用CPU、32b…演出制御用ROM、32c…演出制御用RAM。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7