(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227930
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】移動通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/02 20090101AFI20171030BHJP
H04W 36/04 20090101ALI20171030BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20171030BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20171030BHJP
H04W 36/28 20090101ALI20171030BHJP
【FI】
H04W36/02
H04W36/04
H04W16/32
H04W72/04 111
H04W36/28
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-170318(P2013-170318)
(22)【出願日】2013年8月20日
(65)【公開番号】特開2015-41787(P2015-41787A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】内野 徹
(72)【発明者】
【氏名】岸山 祥久
(72)【発明者】
【氏名】チン ラン
(72)【発明者】
【氏名】リュー リュー
(72)【発明者】
【氏名】ワン リフェ
(72)【発明者】
【氏名】リ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンボ
【審査官】
田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−176722(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0028236(US,A1)
【文献】
MediaTek Inc.,Performance of Control Plane Diversity,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #83 R2-132469,[online],2013年 8月 9日,pages 1-9,[検索日 2017.09.26],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132469.zip
【文献】
Huawei, HiSilicon,Considerations on the CP Architecture,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #83 R2-132878,[online],2013年 8月10日,pages 1-7,[検索日 2017.09.26],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132878.zip
【文献】
Fujitsu,Discussion on master-slave RLCs,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #83 R2-132501,[online],2013年 8月 9日,pages 1-4,[検索日 2017.09.26],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132501.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局がマクロセル用無線基地局配下のマクロセル及び第1スモールセル用無線基地局配下のスモールセルを用いてキャリアアグリゲーションを行っている状態における移動通信方法であって、
前記第1スモールセル用無線基地局が、前記移動局から測定報告を受信した際に、第2スモールセル用無線基地局に対して、スモールセル用無線基地局を切り替えるように要求する切替要求を送信する工程と、
前記第1スモールセル用無線基地局が、前記第2スモールセル用無線基地局から切替要求応答を受信した際に、前記移動局宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、該移動局に対して前記切替要求を送信する工程と、
前記移動局が、前記切替要求に応じて、前記マクロセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを前記第2スモールセル用無線基地局に転送するように要求する転送要求を送信する工程と、
前記マクロセル用無線基地局が、前記転送要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、前記移動局宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
移動局がマクロセル用無線基地局配下のマクロセル及び第1スモールセル用無線基地局配下のスモールセルを用いてキャリアアグリゲーションを行っている状態における移動通信方法であって、
前記第1スモールセル用無線基地局が、前記移動局から測定報告を受信した際に、第2スモールセル用無線基地局に対して、スモールセル用無線基地局を切り替えるように要求する切替要求を送信する工程と、
前記第1スモールセル用無線基地局が、前記第2スモールセル用無線基地局から切替要求応答を受信した際に、前記移動局宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、該移動局に対して前記切替要求を送信する工程と、
前記移動局が、前記切替要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局との間でランダムアクセス手順を行う工程と、
前記移動局が、前記ランダムアクセス手順が完了した際に、前記マクロセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを前記第2スモールセル用無線基地局に転送するように要求する転送要求を送信する工程と、
前記マクロセル用無線基地局が、前記転送要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、前記移動局宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項3】
移動局がマクロセル用無線基地局配下のマクロセル及び第1スモールセル用無線基地局配下のスモールセルを用いてキャリアアグリゲーションを行っている状態における移動通信方法であって、
前記第1スモールセル用無線基地局が、前記移動局から測定報告を受信した際に、第2スモールセル用無線基地局に対して、スモールセル用無線基地局を切り替えるように要求する切替要求を送信する工程と、
前記第1スモールセル用無線基地局が、前記第2スモールセル用無線基地局から切替要求応答を受信した際に、前記移動局宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、該移動局に対して前記切替要求を送信する工程と、
前記移動局が、前記切替要求を受信した後に、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、コネクション再設定完了メッセージを送信する工程と、
前記移動局が、前記コネクション再設定完了メッセージの送信が完了した際に、前記マクロセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを前記第2スモールセル用無線基地局に転送するように要求する転送要求を送信する工程と、
前記マクロセル用無線基地局が、前記転送要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、前記移動局宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式では、移動局UEが移動した場合であっても最適なセルで通信ができるようにハンドオーバ制御が規定されている(
図6参照)。
【0003】
また、LTE方式のRelease-10までで規定されているCA(Carrier Aggregation、キャリアアグリゲーション)では、
図7(a)に示すように、同一の無線基地局eNB配下のCC(Component Carrier、コンポーネントキャリア)#1及びCC#2を用いて同時通信を行うことで高いスループットを実現することが可能であった。
【0004】
一方、LTE方式のRelease-12では、LTE方式のRelease-10までのCAを拡張して、
図7(b)に示すように、異なる無線基地局eNB#1/eNB#2配下のCC#1/CC#2を用いて同時通信を行うことで高いスループットを実現する「Inter-node UP aggregation」が検討されている(非特許文献1参照)。
【0005】
例えば、全てのCCを単一の無線基地局eNB内に収容することができない場合に、LTE方式のRelease10と同程度のスループットを実現するためには、「Inter-node UP aggregation」を行うことが必要となる。
【0006】
なお、「Inter-node UP aggregation」では、アンカーリングノード(anchoring node)で、下りデータを分配して移動局UEに送信することが想定される。
【0007】
例えば、
図8(a)の例では、マクロセルを管理する無線基地局MeNBが、アンカーリングノードであり、
図8(b)の例では、ゲートウェイ装置S-GWが、アンカーリングノードである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】3GPP寄書R2-131782
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、「Inter-node UP aggregation」において、スモールセルを管理する無線基地局SeNBを切り替える際に、既存のハンドオーバ制御を流用することが考えられるが、
図9に示すように、無線基地局MeNBと無線基地局SeNBとの間のバックホール回線としてxDSL回線等の低速回線が用いられることが想定されている。
【0010】
その結果、
図10に示すように、無線基地局MeNBが「Path switch request」を受信するまでの時間や、切り替え先の無線基地局SeNB#2に対して「Path switch request ack」を送信するまでの時間等が長くなってしまい、無線基地局MeNBから無線基地局SeNB#2への移動局UE宛ての新規の下りデータの転送開始が遅延してしまうという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、「Inter-node UP aggregation」において、無線基地局SeNBを無線基地局SeNB#1から無線基地局SeNB#2に切り替える際に、無線基地局MeNBから無線基地局SeNB#2への移動局UE宛ての新規の下りデータの転送を迅速に開始することができる移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、移動局がマクロセル用無線基地局配下のマクロセル及び第1スモールセル用無線基地局配下のスモールセルを用いてキャリアアグリゲーションを行っている状態における移動通信方法であって、前記第1スモールセル用無線基地局が、前記移動局から測定報告を受信した際に、第2スモールセル用無線基地局に対して、スモールセル用無線基地局を切り替えるように要求する切替要求を送信する工程と、前記第1スモールセル用無線基地局が、前記第2スモールセル用無線基地局から切替要求応答を受信した際に、前記移動局宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、該移動局に対して前記切替要求を送信する工程と、前記移動局が、前記切替要求に応じて、前記マクロセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを前記第2スモールセル用無線基地局に転送するように要求する転送要求を送信する工程と、前記マクロセル用無線基地局が、前記転送要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを要旨とする。
【0013】
本発明の第2の特徴は、移動局がマクロセル用無線基地局配下のマクロセル及び第1スモールセル用無線基地局配下のスモールセルを用いてキャリアアグリゲーションを行っている状態における移動通信方法であって、前記第1スモールセル用無線基地局が、前記移動局から測定報告を受信した際に、第2スモールセル用無線基地局に対して、スモールセル用無線基地局を切り替えるように要求する切替要求を送信する工程と、前記第1スモールセル用無線基地局が、前記第2スモールセル用無線基地局から切替要求応答を受信した際に、前記移動局宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、該移動局に対して前記切替要求を送信する工程と、前記移動局が、前記切替要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局との間でランダムアクセス手順を行う工程と、前記移動局が、前記ランダムアクセス手順が完了した際に、前記マクロセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを前記第2スモールセル用無線基地局に転送するように要求する転送要求を送信する工程と、前記マクロセル用無線基地局が、前記転送要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴は、移動局がマクロセル用無線基地局配下のマクロセル及び第1スモールセル用無線基地局配下のスモールセルを用いてキャリアアグリゲーションを行っている状態における移動通信方法であって、前記第1スモールセル用無線基地局が、前記移動局から測定報告を受信した際に、第2スモールセル用無線基地局に対して、スモールセル用無線基地局を切り替えるように要求する切替要求を送信する工程と、前記第1スモールセル用無線基地局が、前記第2スモールセル用無線基地局から切替要求応答を受信した際に、前記移動局宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、該移動局に対して前記切替要求を送信する工程と、前記移動局が、前記切替要求を受信した後に、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、コネクション再設定完了メッセージを送信する工程と、前記移動局が、前記コネクション再設定完了メッセージの送信が完了した際に、前記マクロセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを前記第2スモールセル用無線基地局に転送するように要求する転送要求を送信する工程と、前記マクロセル用無線基地局が、前記転送要求に応じて、前記第2スモールセル用無線基地局に対して、該移動局宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、「Inter-node UP aggregation」において、無線基地局SeNBを無線基地局SeNB#1から無線基地局SeNB#2に切り替える際に、無線基地局MeNBから無線基地局SeNB#2への移動局UE宛ての新規の下りデータの転送を迅速に開始することができる移動通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至
図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、ゲートウェイ装置S-GWと、マクロセルを管理する無線基地局MeNBと、スモールセル#1を管理する無線基地局SeNB#1と、スモールセル#2を管理する無線基地局SeNB#2と、移動局UEとを具備している。
【0019】
本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UEは、無線基地局MeNB配下のCC及び無線基地局SeNB#1配下のCC(或いは、無線基地局SeNB#2配下のCC)を用いてCAを行うことができるように構成されている。
【0020】
すなわち、本実施形態に係る移動通信システムは、「Inter-node UP aggregation」を行うことができるように構成されている。
【0021】
また、本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UEが、無線基地局MeNB及び無線基地局SeNB#1との間で「Inter-node UP aggregation」を行っている状態において、無線基地局MeNBが、無線基地局SeNB#1を介して移動局UEに送信する全ての下りデータをバッファリングするように構成されていてもよい。
【0022】
すなわち、かかる状態において、無線基地局MeNBが、アンカーリングノードであり、無線基地局SeNB#1に対して、上述の下りデータのコピーを転送するように構成されていてもよい。
【0023】
図2に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、受信部11と、送信部12と、CA管理部13と、受信データバッファ部14と、受信状況管理部15とを具備している。
【0024】
受信部11は、無線基地局MeNBや無線基地局SeNB#1や無線基地局SeNB#2によって送信された各種信号を受信するように構成されており、送信部12は、無線基地局MeNBや無線基地局SeNB#1や無線基地局SeNB#2に対して各種信号を送信するように構成されている。
【0025】
CA管理部13は、受信部11及び送信部12を協働して、上述のCA、すなわち、「Inter-node UP aggregation」に係る制御や管理を行うように構成されている。
【0026】
以下、
図3乃至
図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。具体的には、
図3乃至
図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、「Inter-node UP aggregation」が行われている際に、無線基地局SeNBを無線基地局SeNB#1から無線基地局SeNB#2に切り替える際の動作について説明する。
【0027】
第1に、
図3を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作例1について説明する。
【0028】
図3に示すように、無線基地局SeNB#1は、ステップS1001において、移動局UEから「Measurement Report」を受信し、無線基地局SeNBを無線基地局SeNB#1から無線基地局SeNB#2に切り替えることを決定すると、ステップS1002において、無線基地局SeNB#2に対して、無線基地局SeNBを切り替えるように要求する「SeNB change request」を送信する。
【0029】
その後、無線基地局SeNB#1は、ステップS1003において、無線基地局SeNB#2から「SeNB change request ack」を受信すると、ステップS1004において、移動局UEに対する下りデータのスケジューリングと停止すると共に、ステップS1005において、移動局UEに対して「SeNB change request」を送信する。
【0030】
ステップS1006において、無線基地局SeNB#1は、無線基地局SeNB#2に対して、「SN status transfer」によって、移動局UEに対する送信が完了していない下りデータ(PDCP-PDU)を通知すると共に、かかる下りデータを転送する。
【0031】
ステップS1007において、移動局UEは、かかる「SeNB change request」に応じて、無線基地局MeNBに対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを無線基地局SeNB#1に転送するように要求する「New data delivery request」を送信する。
【0032】
ここで、無線基地局MeNBは、かかる転送要求に応じて、無線基地局SeNB#2に対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを転送する。なお、
図3の例では、無線基地局MeNBは、シーケンス番号「55」以降のPDCP-PDUを無線基地局SeNB#2に対して転送している。
【0033】
移動局UEは、ステップS1008において、無線基地局SeNB#2との間で「RA procedure」を行い、ステップS1009において、かかる「RA procedure」が完了した後に、無線基地局SeNB#2に対して「RRC connection reconfiguration complete」を送信する。
【0034】
ステップS1010において、無線基地局SeNB#2は、かかる「RRC connection reconfiguration complete」に応じて、無線基地局SeNB#1によって転送された移動局UE宛ての下りデータのスケジューリングを開始する。
【0035】
その後の動作は、
図10に示す動作と同様である。
【0036】
第2に、
図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作例2について説明する。
【0037】
図4に示すように、無線基地局SeNB#1は、ステップS2001において、移動局UEから「Measurement Report」を受信し、無線基地局SeNBを無線基地局SeNB#1から無線基地局SeNB#2に切り替えることを決定すると、ステップS2002において、無線基地局SeNB#2に対して、無線基地局SeNBを切り替えるように要求する「SeNB change request」を送信する。
【0038】
その後、無線基地局SeNB#1は、ステップS2003において、無線基地局SeNB#2から「SeNB change request ack」を受信すると、ステップS2004において、移動局UEに対する下りデータのスケジューリングと停止すると共に、ステップS2005において、移動局UEに対して「SeNB change request」を送信する。
【0039】
ステップS2006において、無線基地局SeNB#1は、無線基地局SeNB#2に対して、「SN status transfer」によって、移動局UEに対する送信が完了していない下りデータ(PDCP-PDU)を通知すると共に、かかる下りデータを転送する。
【0040】
移動局UEは、ステップS2007において、無線基地局SeNB#2との間で「RA procedure」を行い、ステップS2008において、かかる「RA procedure」が完了した後に、無線基地局MeNBに対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを無線基地局SeNB#1に転送するように要求する「New data delivery request」を送信する。
【0041】
また、「RA procedure」は、「RA response」の受信や、「Contention resolution」の完了をもって、完了したものと見なされてもよい。
【0042】
ここで、無線基地局MeNBは、かかる転送要求に応じて、無線基地局SeNB#2に対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを転送する。なお、
図4の例では、無線基地局MeNBは、シーケンス番号「55」以降のPDCP-PDUを無線基地局SeNB#2に対して転送している。
【0043】
ステップS2010において、移動局UEは、無線基地局SeNB#2に対して「RRC connection reconfiguration complete」を送信する。
【0044】
ステップS2011において、無線基地局SeNB#2は、かかる「RRC connection reconfiguration complete」に応じて、無線基地局SeNB#1によって転送された移動局UE宛ての下りデータのスケジューリングを開始する。
【0045】
その後の動作は、
図10に示す動作と同様である。
【0046】
第3に、
図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作例3について説明する。
【0047】
図5に示すように、無線基地局SeNB#1は、ステップS3001において、移動局UEから「Measurement Report」を受信し、無線基地局SeNBを無線基地局SeNB#1から無線基地局SeNB#2に切り替えることを決定すると、ステップS3002において、無線基地局SeNB#2に対して、無線基地局SeNBを切り替えるように要求する「SeNB change request」を送信する。
【0048】
その後、無線基地局SeNB#1は、ステップS3003において、無線基地局SeNB#2から「SeNB change request ack」を受信すると、ステップS3004において、移動局UEに対する下りデータのスケジューリングと停止すると共に、ステップS3005において、移動局UEに対して「SeNB change request」を送信する。
【0049】
ステップS3006において、無線基地局SeNB#1は、無線基地局SeNB#2に対して、「SN status transfer」によって、移動局UEに対する送信が完了していない下りデータ(PDCP-PDU)を通知すると共に、かかる下りデータを転送する。
【0050】
移動局UEは、ステップS3007において、無線基地局SeNB#2との間で「RA procedure」を行い、ステップS3008において、かかる「RA procedure」が完了した後、或いは、かかる「RA procedure」中に、無線基地局SeNB#2に対して「RRC connection reconfiguration complete」を送信する。
【0051】
ステップS3009において、無線基地局SeNB#2は、かかる「RRC connection reconfiguration complete」に応じて、無線基地局SeNB#1によって転送された移動局UE宛ての下りデータのスケジューリングを開始する。
【0052】
移動局UEは、ステップS3010において、かかる「RRC connection reconfiguration complete」の送信が完了した際に、移動局UE宛ての新規の下りデータを無線基地局SeNB#2に転送するように要求する「New data delivery request」を送信する。
【0053】
なお、移動局UEは、無線基地局SeNB#2から、上述の「RRC connection reconfiguration complete」に対するMAC-ACK或いはRLC-ACKを受信した時点で、上述の「New data delivery request」を送信してもよい。
【0054】
その後の動作は、
図10に示す動作と同様である。
【0055】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、「Inter-node UP aggregation」において無線基地局SeNBを無線基地局SeNB#1から無線基地局SeNB#2に切り替える際に、無線基地局MeNBが、移動局UEから「New data delivery request」を受信した時点で、無線基地局SeNB#2に対して移動局UE宛ての新規の下りデータを転送することができるため、無線基地局SeNB#2からの「Path switch request」を受信する時点よりも前の時点で、無線基地局MeNBから無線基地局SeNB#2への移動局UE宛ての新規の下りデータの転送を迅速に開始することができる。
【0056】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0057】
本実施形態の第1の特徴は、移動局UEが無線基地局MeNB(マクロセル用無線基地局)配下のマクロセル及び無線基地局SeNB#1(第1スモールセル用無線基地局)配下のスモールセルを用いてCA(キャリアアグリゲーション)を行っている状態における移動通信方法であって、無線基地局SeNB#1が、移動局UEから「Measurement Report(測定報告)」を受信した際に、無線基地局SeNB#2(第2スモールセル用無線基地局)に対して、無線基地局SeNB(スモールセル用無線基地局)を切り替えるように要求する「SeNB change request(切替要求)」を送信する工程と、無線基地局SeNB#1が、無線基地局SeNB#2から「SeNB change request ack(切替要求応答)」を受信した際に、移動局UE宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、移動局UEに対して「SeNB change request」を送信する工程と、移動局UEが、かかる「SeNB change request」に応じて、無線基地局MeNBに対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを無線基地局SeNB#2に転送するように要求する「New data delivery request(転送要求)」を送信する工程と、無線基地局MeNBが、かかる「New data delivery request」に応じて、無線基地局SeNB#2に対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを要旨とする。
【0058】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UEが無線基地局MeNB配下のマクロセル及び無線基地局SeNB#1配下のスモールセルを用いてCAを行っている状態における移動通信方法であって、無線基地局SeNB#1が、移動局UEから「Measurement Report」を受信した際に、無線基地局SeNB#2に対して「SeNB change request」を送信する工程と、無線基地局SeNB#1が、無線基地局SeNB#2から「SeNB change request ack」を受信した際に、移動局UE宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、移動局UEに対して「SeNB change request」を送信する工程と、移動局UEが、かかる「SeNB change request」に応じて、無線基地局SeNB#2との間で「RA procedure(ランダムアクセス手順)」を行う工程と、移動局UEが、かかる「RA procedure」が完了した際に、無線基地局MeNBに対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを無線基地局SeNB#2に転送するように要求する「New data delivery request」を送信する工程と、無線基地局MeNBが、かかる「New data delivery request」に応じて、無線基地局SeNB#2に対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを要旨とする。
【0059】
本実施形態の第3の特徴は、移動局UEが無線基地局MeNB配下のマクロセル及び無線基地局SeNB#1配下のスモールセルを用いてCAを行っている状態における移動通信方法であって、無線基地局SeNB#1が、移動局UEから「Measurement Report」を受信した際に、無線基地局SeNB#2に対して「SeNB change request」を送信する工程と、無線基地局SeNB#1が、無線基地局SeNB#2から「SeNB change request ack」を受信した際に、移動局UE宛ての下りデータのスケジューリングを停止すると共に、移動局UEに対して「SeNB change request」を送信する工程と、移動局UEが、かかる「SeNB change request」を受信した後に、無線基地局SeNB#2に対して「RRC connection reconfiguration complete(コネクション再設定完了メッセージ)」を送信する工程と、移動局UEが、かかる「RRC connection reconfiguration complete」の送信が完了した際に、移動局UE宛ての新規の下りデータを無線基地局SeNB#2に転送するように要求する「New data delivery request」を送信する工程と、無線基地局MeNBが、かかる「New data delivery request」に応じて、無線基地局SeNB#2に対して、移動局UE宛ての新規の下りデータを転送する工程とを有することを要旨とする。
【0060】
なお、上述の移動局UEや無線基地局MeNB/SeNB#1/SeNB#2の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0061】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0062】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局MeNB/SeNB#1/SeNB#2内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局MeNB/SeNB#1/SeNB#2内に設けられていてもよい。
【0063】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0064】
S-GW…ゲートウェイ装置
MeNB、SeNB#1、SeNB#2…無線基地局
UE…移動局
11…受信部
12…送信部
13…CA管理部