(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(E)成分が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニア、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム及び硫酸バリウム、有機白色顔料から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は
(A)シリコーン系熱硬化性樹脂
(B)硬化触媒
(C)無機充填材
(D)架橋ゴム粒子からなる低線膨張化剤
を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
以下、各成分について説明する。
【0025】
((A)成分)
(A)成分はシリコーン系熱硬化性樹脂であれば特に限定することなく用いることができるが、あえて例示するとすれば、アルコキシ基やシラノール基の縮合反応によって硬化する縮合型シリコーン系樹脂や、二重結合に対するSiH基との付加反応によって硬化する付加型シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらのうち、硬化時に水やアルコールの揮発成分の発生量が少ないという観点からは付加型シリコーン系樹脂を用いることが好ましい。
また(A)成分は、靭性の観点からは珪素骨格のみではなく、一部が有機骨格から形成されることが好ましい。有機骨格を導入する具体的な方法としては、モノマーとして有機化合物を使用する方法や、珪素骨格の一部を有機化合物で変性した有機変性シリコーンを使用する方法が例示される。有機変性シリコーンを具体的に例示するとすれば、炭化水素系化合物で変性されたノルボルネン変性シリコーンや、複素環化合物で変性されたイミド変性シリコーン、トリアジン変性シリコーン、またはエポキシ変性シリコーン等が挙げられる。これらのうち、耐熱性の観点からはイミド変性シリコーン、トリアジン変性シリコーンを使用することが好ましく、コストの観点からはトリアジン変性シリコーンを使用することがより好ましい。上記有機変性シリコーンは単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
また(A)成分は耐熱性と靭性のバランスの観点から
(A−1)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物、
(A−2)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、
から構成されることがより好ましい。以下、それぞれの成分について詳細に説明する。
【0026】
(A−1)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物であれば得に限定されず、種々の有機化合物や無機化合物を用いることができる。
(A−1)成分の具体例を敢えて例示するとすれば、有機化合物としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。上記の内、耐熱性の観点からはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニルを使用することが好ましく、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンを使用することがより好ましく、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレートを用いることがさらに好ましい。
【0027】
また無機化合物の例としては
CH
2=CHSiMe
2O(SiMe
2O)
nSiMe
2CH=CH
2(n=0-10), CH
2=CHSiMe
2O(SiMe
2O)
m(SiPh
2O)
nSiMe
2CH=CH
2(m=0-5,n=1-4), CH
2=CHSiPh
2O(SiMe
2O)
m(SiPh
2O)
nSiPh
2CH=CH
2(m=0-3,n=1-2), CH
2=CHSiMe
2O(SiMe
2O)
m(SiPhMeO)
nSiMe
2CH=CH
2(m=0-5,n=1-6), Me
3SiO(SiMe
2O)
m(SiMe(CH=CH
2)O)
nSiMe
3(m=0-5,n=1-9), MeSi[O(SiMe
2O)
mSiMe
2CH=CH
2]
3(m=0-2) などの直鎖状、分岐状シロキサン化合物、
1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5-トリビニル−ペンタメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジビニル−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1−フェニル−3,5,7−トリメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3−ジフェニル−5,7−ジメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,5−ジフェニル−3,7−ジメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5−トリフェニル−7−メチルシクロテトラシロキサン、1−フェニル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジフェニル−5,7−ジビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジフェニル−3,7−ジビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シロキサン化合物が例示される。
【0028】
シロキサン以外の化合物としては、ClCH
2CH
2CH
2SiMe(CH=CH
2)
2, (CH
2=CH)
2SiMe
2, (CH
2=CH)
2SiPhMe, (CH
2=CH)
2SiPh
2,(CH
2=CH)
2Si(OEt)
2, PhSi(CH=CH
2)
3, (CH
2=CH)
4Si, CH
2=CHMe
2Si-C
6H
4p-SiMe
2CH=CH
2, CH
2=CHMe
2SiO-C
6H
4p-OSiMe
2CH=CH
2などをあげることができる。
上記に示した具体例のうちフェニル(Ph)基を含む化合物においては、フェニル基の一部又は全部を次にあげるアリール基と置き換えてもよい。そのようなアリール基としては、例えば、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、3−イソブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、3−tブチルフェニル基、4−tブチルフェニル基、3−ペンチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3−ジエチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,5−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、ビフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、3−エポキシフェニル基、4−エポキシフェニル基、3−グリシジルフェニル基、4−グリシジルフェニル基等が挙げられる。これらは、単独で用いても良く、2種以上併用して用いてもよい。
【0029】
上記の内で、入手性がよいこと、揮発性が低いこと、本発明における他成分との相溶性がよいこと、ヒドロシリル化硬化に伴う反応性が高いこと、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が低線膨張係数を持つこと、強靭であることなどの観点から、CH
2=CHSiMe
2O(SiMe
2O)
nSiMe
2CH=CH
2(n=1-3), CH
2=CHSiMe
2OSiPh
2OSiMe
2CH=CH
2, CH
2=CHSiMe
2O(SiPh
2O)
2SiMe
2CH=CH
2, CH
2=CHSiMe
2OSiPhMeOSiMe
2CH=CH
2, CH
2=CHSiMe
2O(SiPhMeO)
2SiMe
2CH=CH
2, CH
2=CHSiPh
2OSiPh
2CH=CH
2, 1,3,5-トリビニル−ペンタメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジビニル−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジフェニル−5,7−ジビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,5−ジフェニル−3,7−ジビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、CH
2=CHMe
2Si-C
6H
4p-SiMe
2CH=CH
2, CH
2=CHMe
2SiO-C
6H
4p-OSiMe
2CH=CH
2を好ましく用いることができる。
【0030】
(A−2)成分は1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に制限は無く、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましく、(A−1)成分との相溶性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(I)
【0032】
(式中、R
1は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0033】
一般式(I)で表される化合物中の置換基R
1は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
(A−2)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0034】
((A−2)成分の好ましい構造)
(A−2)成分の揮発性が低くなり得られる硬化性樹脂組成物からのアウトガスの問題が生じ難いという観点及び該組成物から得られる硬化物に実用的な強度・靭性を与えるという観点から、揮発性が実質上なく、シロキサン骨格に加えて有機化合物由来の骨格が導入された成分を有することが、シロキサン骨格だけから構成される化合物よりも好ましい。該化合物の製造法は限定されないが(A−2)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であることが好ましい。
【0035】
((α)成分)
ここで(α)成分は上記した(A−1)成分の説明の中で示したSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物と同じもの(α1)も用いることができる。(α1)成分を用いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が高い硬化物となりやすい。
その他、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物(α2)も用いることができる。(α2)成分を用いると得られる硬化物が低弾性となりやすい。
【0036】
((α2)成分)
(α2)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物であれば特に限定されない。
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
【0037】
(α2)成分の具体的な例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等のような鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等のような環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等のような芳香族炭化水素系化合物、アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂、片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
【0038】
(α2)成分の構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
(α2)成分のガラス転位温度が存在する場合はこれについても特に限定はなく種々のものが用いられるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、ガラス点移転温度は100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例としてはポリブチルアクリレート樹脂等が挙げられる。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転位温度は100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが最も好ましい。ガラス転位温度は動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
【0039】
(α2)成分としては、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
【0040】
(α2)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性樹脂組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタクリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記のような(α1)成分あるいは/および(α2)成分としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
【0041】
((β)成分)
(β)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物であり、鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンもその例である。
具体的には、例えば
【0044】
が挙げられる。
ここで、(α)成分との相溶性が良くなりやすいという観点から、下記一般式(II)
【0046】
(式中、R
1は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
上記一般式(II)で表される化合物中の置換基R
1は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
入手容易性等から、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
【0047】
(β)成分のその他の例として、ビスジメチルシリルベンゼンなどのSiH基を有する化合物をあげることができる。
上記したような各種(β)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0048】
((α)成分と(β)成分の反応)
次に、本発明の(A−2)成分として、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応に関して説明する。
尚、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応すると、本発明の(A−2)成分を含む複数の化合物の混合物が得られることがあるが、そこから(A−2)成分を分離することなく混合物のままで用いて本発明の硬化性樹脂組成物を作製することもできる。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる(A−2)成分と(A−1)成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場合、(A−2)成分のSiH基が多い方が好ましいため、一般に混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ましい。また(A−2)成分の(A−1)成分との相溶性がよくなりやすいという点からは、10≧Y/Xであることが好ましく、5≧Y/Xであることがより好ましい。
【0049】
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば次のようなものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH
2=CH
2)
2(PPh
3)
2、Pt(CH
2=CH
2)
2Cl
2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe
2SiOSiMe
2Vi)
n、Pt[(MeViSiO)
4]
m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh
3)
4、Pt(PBu
3)
4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)
3]
4、Pt[P(OBu)
3]
4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)
3、RhCl
3、RhAl
2O
3、RuCl
3、IrCl
3、FeCl
3、AlCl
3、PdCl
2・2H
2O、NiCl
2、TiCl
4、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0050】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性樹脂組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(β)成分のSiH基1モルに対して10
-8モル、より好ましくは10
-6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10
-1モル、より好ましくは10
-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1,2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10
-2モル、より好ましくは10
-1モルであり、好ましい添加量の上限は10
2モル、より好ましくは10モルである。
【0051】
反応させる場合の(α)成分、(β)成分、触媒の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(α)成分に触媒を混合したものを、(β)成分に混合する方法が好ましい。(α)成分、(β)成分の混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困難である。(β)成分と触媒を混合したものに(α)成分を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
【0052】
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
【0053】
(α)成分と(β)成分を反応させた後に、溶媒あるいは/および未反応の(α)成分あるいは/および(β)成分を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる(A−2)成分が揮発分を有さないため(A−1)成分との硬化の場合に揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは60℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
【0054】
以上のような、(α)成分と(β)成分の反応物である(A−2)成分の例としては、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、アリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、αメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルノルボルネンとビスジメチルシリルベンゼンとの反応物等を挙げることができる。
【0055】
((B)成分)硬化触媒
本発明における(B)成分は(A)成分であるシリコーン系熱硬化性樹脂を硬化するために使用される触媒であれば特に限定されないが、たとえば上記(A)成分の説明にて示した縮合型シリコーン系熱硬化性樹脂の硬化触媒としては縮合触媒を使用することができ、また付加型シリコーン系熱硬化性樹脂の硬化触媒としてはヒドロシリル化触媒を用いることができる。
【0056】
縮合触媒としては特に限定されないが、ほう素系化合物あるいは/およびアルミニウム系化合物あるいは/およびチタン系化合物が好ましい。シラノール縮合触媒となるアルミニウム系化合物としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、sec−ブトキシアルミニウムジイソフロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド類:、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミキレートM(川研ファインケミカル製、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート類等が例示でき、取扱い性の点からアルミニウムキレート類がより好ましい。シラノール縮合触媒となるチタン系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類:チタンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート類:オキシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有する一般的なチタネートカップリング剤が例示できる。
シラノール縮合触媒となるほう素系化合物としては、ほう酸エステルが挙げられる。ほう酸エステルとしては下記一般式(III)、(IV)で示されるものを好適に用いることが出来る。
【0059】
(式中R
1は炭素数1〜48の有機基を表す。)
ほう酸エステルの具体例として、ほう酸トリ−2−エチルヘキシル、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリメチル、ほう素メトキシエトキサイドを好適に用いることができる。
【0060】
これらほう酸エステルは1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。混合は事前に行っても良く、また硬化物作成時に混合しても良い。
これらほう酸エステルのうち、容易に入手でき工業的実用性が高いという点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリノルマルブチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
【0061】
硬化時の揮発性を抑制できるという点からは、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう素メトキシエトキサイドが好ましく、なかでもほう酸ノル
マルトリオクタデシル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリフェニル、ほう酸トリノルマルブチルがより好ましい。
揮発性の抑制、および作業性がよいという点からは、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピルが好ましく、なかでもほう酸トリノルマルブチルがより好ましい。
高温下での着色性が低いという点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
【0062】
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH
2=CH
2)
2(PPh
3)
2、Pt(CH
2=CH
2)
2Cl
2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe
2SiOSiMe
2Vi)
n、Pt[(MeViSiO)
4]
m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh
3)
4、Pt(PBu
3)
4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)
3]
4、Pt[P(OBu)
3]
4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)
3、RhCl
3、RhAl
2O
3、RuCl
3、IrCl
3、FeCl
3、AlCl
3、PdCl
2・2H
2O、NiCl
2、TiCl
4、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0063】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性樹脂組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(A−2)成分のSiH基1モルに対して10
−8モル、より好ましくは10
−6モルであり、好ましい添加量の上限は(A−2)成分のSiH基1モルに対して10
−1モル、より好ましくは10
−2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1,2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10
-2モル、より好ましくは10
−1モルであり、好ましい添加量の上限は10
2モル、より好ましくは10モルである。
【0064】
((C)成分)無機充填材
(C)成分は無機充填材である。
(C)成分は、得られる硬化物の強度や硬度を高くしたり、線膨張率を低減化したりする効果を有する。
(C)成分の無機充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機充填材、アルミナ、ジルコン、窒化ケイ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、銀粉等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている無機充填材等を挙げることができる。無機充填材としては、半導体素子へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性であることが好ましい。
【0065】
無機充填材は適宜表面処理してもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙げられる。
この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0066】
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
【0067】
その他にも無機充填材を添加する方法が挙げられる。例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の硬化性樹脂組成物に添加して、硬化性樹脂組成物中あるいは硬化性樹脂組成物の部分反応物中で反応させ、硬化性樹脂組成物中で無機充填材を生成させる方法も挙げることができる。
【0068】
以上のような無機充填材のうち硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きく、リードフレームとの接着性が高くなりやすいという観点からは、シリカ系無機充填材が好ましい。さらに、成形性、電気特性等の物性バランスがよいという点において溶融シリカが好ましく、パッケージの熱伝導性が高くなり易く放熱性の高いパッケージ設計が可能になるという点においては結晶性シリカが好ましい。より放熱性が高くなり易いという点ではアルミナが好ましい。その他、補強効果が高くパッケージの強度が高くなり易いという点においてはガラス繊維、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウムが好ましい。
【0069】
無機充填材の平均粒径や粒径分布としては、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、特に限定なく各種のものが用いられるが、通常用いられる平均粒径の下限は0.1μm、流動性が良好になりやすいという点から好ましくは0.5μmであり、通常用いられる平均粒径の上限は120μm、流動性が良好になりやすいという点から好ましくは60μm、より好ましくは15μmである。
無機充填材の比表面積についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。
【0070】
無機充填材の形状としては、破砕状、片状、球状、棒状等、各種のものが用いられる。アスペクト比も種々のものが用いられる。得られる硬化物の強度が高くなりやすいという点においてはアスペクト比が10以上のものが好ましい。また、樹脂の等方性収縮の点からは繊維状よりは粉末状が好ましい。あるいは、高充填時にも成形時の流れ性がよくなり易いという点においては球状のものが好ましい。
【0071】
これら無機充填材は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(C)成分の量は特に限定されないが、硬化性樹脂組成物全体に占める(C)成分の合計の量が50重量%〜95重量%であることが好ましく、60重量%〜95重量%以上であることがより好ましく、70重量%〜95重量%であることがさらに好ましい。(C)成分が50重量%未満である場合は、本発明における(D)成分の効果を好適に発現できない場合があり、また95重量%を超える場合は、たとえば硬化性樹脂組成物を成形して得られる成形体が柔軟性に欠け、脆くなる恐れがある。
【0072】
(C)成分の無機充填材を混合する手段としては、従来エポキシ樹脂等に用いられおよび/または提案されている種々の手段を用いることができる。例えば、2本ロールまたは3本ロール、遊星式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、プラストミル等の溶融混練機等が挙げられる。これらのうち、高充填であっても無機充填材の十分な分散性が得られやすいという点においては、3本ロール、溶融混練機が好ましい。無機充填材の混合は、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよい。また、常圧下に行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。高充填であっても無機充填材の十分な分散性が得られやすいという点においては、加熱状態で混合することが好ましく、無機充填材表面の塗れ性を向上し十分な分散性が得られやすいという点においては減圧状態で混合することが好ましい。
【0073】
((D)成分)架橋ゴム粒子からなる低線膨張化剤
(D)成分は架橋ゴム粒子からなる低線膨張化剤である。以下、(D)成分について詳細に説明する。
【0074】
(架橋ゴム粒子)
本発明における架橋ゴム粒子は、架橋構造を有するゴム粒子であれば特に限定されず、有機系架橋ゴム粒子から無機系架橋ゴム粒子まで種々のゴム粒子を使用することができる。
【0075】
架橋ゴム粒子は球形であっても非球形であってもよく、その物理的構造は特に限定されないが、均一な組成から成る構造に限らず、核を形成するコア粒子を複数の被覆層で覆ったようなコアシェル型構造、あるいは中心から表面に向かって組成が変化するような傾斜構造型のものを使用することができる。
【0076】
一方で架橋ゴム粒子を化学的構造から分類すれば、ウレタン結合を有するウレタン系ゴム粒子、アクリル系モノマーの重合によって得られるアクリル系ゴム粒子、ブタジエン系ゴム粒子、スチレン−ブタジエン系ゴム粒子、シリコーン系ゴム粒子等が挙げられる。
【0077】
これらの具体例を挙げるとすれば、有機系架橋ゴム粒子として早川ゴム株式会社製アクリル架橋粒子ハヤビーズM−11、松本油脂製薬株式会社製アクリル粒子であるマツモトマイクロスフェアーシリーズに代表されるようなアクリル系ゴム粒子、特開2003−137907に代表されるようなブタジエン系ゴム粒子などが挙げられ、また無機系架橋ゴム粒子としては、信越シリコーン社製シリコーン複合パウダーKMPシリーズや、東レダウコーニング社製シリコーンゴムパウダーEP−5500、WO2010/055632に記載されたコアシェルシリコーン微粒子に代表されるようなシリコーン系ゴム粒子等が例示されるが、これらのうち耐熱性及び耐光性の観点からは信越シリコーン社製シリコーン複合パウダーKMPシリーズあるいは東レダウコーニング社製シリコーンゴムパウダーEP−5500等のシリコーン系架橋ゴム粒子を使用することが好ましい。
無機系架橋ゴム粒子を使用することが好ましい。これら(D)成分は1種のものを単独で使用してもよいし、複数のものを組み合わせて使用してもよい。
【0078】
本発明における架橋ゴム粒子の粒径は0.1μm〜50μmの範囲内にあることが好ましく、1μm〜20μmの範囲内にあることがより好ましい。粒子径が0.1μm未満である場合、粒子が凝集しやすく均一な組成物を得られなくなる恐れがあり、また50μmを超える場合は本発明における(D)成分の効果である低線膨張化の効果が得られない恐れがある。
【0079】
また本発明における(D)成分の効果を好適に発現させるために、(D)成分はそのデュロメーターA硬度が10〜100の範囲内にあることが好ましく、15〜80の範囲内にあることがより好ましく、20〜70の範囲内にあることがさらに好ましい。
【0080】
本発明における(D)成分を添加することによって、硬化性樹脂組成物を成形してなる成形体の線膨張係数を低下させることができる。(D)成分の添加量としては、全組成物100重量%中、1〜20重量%であることが好ましく1〜15重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることがさらに好ましい。添加量が20重量%が超える場合は、逆に(D)成分の添加により、本発明における硬化性樹脂組成物を成形してなる成形体の線膨張係数が増大する場合があり、1重量%未満である場合は、線膨張低下の効果が得られない場合がある。
【0081】
((E)成分)白色顔料
本発明の硬化性樹脂組成物は、白色顔料((E)成分)を含有することが望ましい。
(E)成分は白色顔料であり、得られる硬化物の光反射率を高める効果を有する。
(E)成分としては種々のものを用いることができ、無機白色顔料や有機白色顔料に分類することができる。
無機白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニア、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、中空ガラス粒子、などが挙げられる。中でも、取り扱いの容易性や入手性の観点から酸化チタンまたは酸化亜鉛が好ましく、さらにコストの観点から酸化亜鉛がより好ましい。
【0082】
有機白色顔料としては、有機化合物塩(下記群A〜群D)やアルキレンビスメラミン誘導体(下記一般式V(ただし,Rは水素原子,炭素数1〜4の低級アルキル基又は脂環式基を示す。また,R
1 ,R
2 ,R
3 ,R
4はそれぞれ独立に水素原子,炭素数1〜4の低級アルキル基を示し,窒素原子と共に複素環式基を形成してもよい。また,Xは炭素数2〜3の低級アルキレン基を示す。)、具体的にはN−N’−ビス(4,6ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)エチレンジアミン等)が挙げられる。上記白色顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
【0088】
また、硬化性樹脂組成物の混練時に着色しやすい酸化亜鉛、有機白色顔料を本発明に用いれば、着色をおさえられるため望ましい。
【0089】
(E)成分の酸化チタンとしては種々のものを用いることができ、アナターゼ型であってもルチル型であってもよいが、光触媒作用がなく硬化性樹脂組成物が安定になりやすいという点ではルチル型であることが好ましい。
【0090】
(E)成分の平均粒径としても種々のものが用いられるが、得られる硬化物の光反射率が高くなりやすく、また硬化性樹脂組成物タブレットがより硬くなるという観点から、1.0μm以下のものが好ましく、0.30μm以下のものがより好ましく、0.25μm以下のものが最も好ましい。
一方、硬化性樹脂組成物の流動性が高いという点では、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。
平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計を用いて測定することができる。
【0091】
(E)成分の酸化チタンの製造方法としても硫酸法、塩素法などいずれの方法により製造されたものも使用できる。
(E)成分は表面処理が施されていても良い。
(E)成分の表面処理では、(E)成分の表面に無機化合物、有機化合物から選ばれる少なくとも1種を被覆する。無機化合物としては、例えば、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物、チタニウム化合物、アンチモン化合物等が挙げられ、また、有機化合物としては、多価アルコール、アルカノールアミン又はその誘導体、有機シロキサン等の有機ケイ素化合物、高級脂肪酸又はその金属塩、有機金属化合物等が挙げられる。
【0092】
(E)成分の表面に無機化合物や有機化合物を被覆する場合は、湿式法や乾式法の公知の方法を用いて、例えば酸化チタンの乾式粉砕の際、スラリー化した際あるいは湿式粉砕した際に行うことができる。他にも、液相法、気相法等、種々の方法が挙げられる。
これらのなかでは、得られる硬化物の光反射率が高く、耐熱耐光性が良好になることから有機シロキサン処理で処理されていることが好ましい。また、有機シロキサン処理された酸化チタンを含有させることは、光取り出し効率が高く、長期間使用しても光取り出し効率が低下しない優良な発光ダイオードを作製するうえでも好適である。
その場合の有機シロキサン処理剤としては種々のものが適用される。例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、あるいはそれらの共重合体などのポリシロキサン類、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、などのシクロシロキサン類、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシランなどのクロロシラン類、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するシラン類、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するシラン類、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル基を有するシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラン類、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシラン類、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン等のアルキル基を有するシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のその他のシラン類等の各種シラン類で例示されるシランカップリング剤や、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどを挙げることができる。これらの表面処理剤としては炭素−炭素二重結合を含まないものであることが好ましく、炭素−炭素二重結合を含むと耐熱性が低下しやすくなる。また、有機シロキサン以外の表面処理を併用することも可能であり、Al、Zr、Zn等で処理することもできる。
また、無機化合物により表面処理されていてもよい。
【0093】
無機化合物による表面処理についても特に限定されず、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、等種々の表面処理が用いられる。酸化チタンは、耐久性向上、媒体との親和性向上のため、あるいは、粒子形状の崩れを防止するなどの目的で無機化合物、有機化合物で表面処理する場合があるが、(E)成分を無機化合物で表面処理することで、硬化性樹脂組成物に含まれる成分との親和性が向上し、(E)成分の硬化性樹脂組成物に対する分散性が良くなり硬化物の強度が向上すると考えられる。
表面処理の方法としても各種方法を適用することができ、湿式法、乾式法、液相法、気相法等、種々の方法が例示できる。
【0094】
(E)成分の量としては、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物全体に占める(E)成分の量が10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることがさらに好ましい。10重量%未満であると、得られる硬化物の光反射率が低下することがある。
【0095】
(E)成分を使用するのは白色の硬化性樹脂組成物を作製する場合であるが、表示デバイスのブラックマトリックスなどに適用する場合には、黒色の硬化性樹脂組成物を使用することができる。
この場合に用いることのできる、黒色顔料しては、無機顔料及び有機顔料のいずれでもよく、1種を単独で又は2種以上の顔料を混合したものを用いてもよい。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、チタンカーボン、チタンブラック、二酸価マンガン、銅クロムマンガン酸化物を挙げることができる。着色力を向上する観点から、カーボンブラック又はチタンブラックが好ましい。さらに、光学濃度及び電気抵抗値を大きくできる観点から、チタンブラックがより好ましい。また、表面を樹脂等で被覆したカーボンブラック又はチタンブラックを使用することもできる。アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料などを用いることもできる。
【0096】
また金属複合酸化物系の黒色顔料としては、銅−クロム−マンガン系複合酸化物黒色顔料、銅の酸化物、マンガンの酸化物、コバルトの酸化物およびアルミニウムの酸化物を含有することを特徴とする複合酸化物黒色顔料であり、顔料を構成する銅、マンガン、コバルトおよびアルミニウムの割合が、これらの金属の合計を100モル%とした場合、銅が5〜30モル%、マンガンが5〜30モル%、コバルトが15〜40モル%、そしてアルミニウムが25〜50モル%である複合酸化物黒色顔料も使用することができる。
【0097】
((C)成分および(E)成分)
(C)成分と(E)成分の合計量は特に限定されないが、硬化性樹脂組成物全体に占める(C)成分と(E)成分の合計量が50重量%〜95重量%であることが好ましく、60重量%〜95重量%以上であることがより好ましく、70重量%〜95重量%であることがさらに好ましい。(C)成分と(E)成分の合計量が50重量%未満である場合は、本発明における(D)成分の効果を好適に発現できない場合があり、また95重量%を超える場合は、たとえば硬化性樹脂組成物を成形して得られる成形体が柔軟性に欠け、脆くなる恐れがある。
(E)成分の混合の順序としては、各種方法をとることができるが、好ましい態様は、既に説明した(C)成分と同様である。また、(C)成分と(E)成分とは同時に添加してもよい。
(E)成分を混合する手段としては、(C)成分を混合する手段と同様の手段を用いることかできる。
【0098】
(その他添加剤)
本発明においては、必要に応じて以下に示す各種添加剤を使用することができる。
【0099】
(ヒドロシリル化硬化遅延剤)
本発明における(A)成分に付加型シリコーン系熱硬化性樹脂を用いる場合、その保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、ヒドロシリル化硬化遅延剤を使用することができる。ヒドロシリル化硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。
【0100】
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、ジメチルマレート等のマレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
これらのヒドロシリル化硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
【0101】
ヒドロシリル化硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10
−1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は10
3モル、より好ましくは50モルである。
また、これらのヒドロシリル化硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0102】
(老化防止剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0103】
(硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするタブレット)
本発明における硬化性樹脂組成物は、各種成形のためにタブレットとして使用することもできる。成形方法としては、特に限定されず、硬化性樹脂組成物の成形に一般的であるトランスファー成形や圧縮成形などの成形方法を用いることができる。これらの成形方法を用いる場合、原料である硬化性樹脂組成物がペースト状や粘土状であると、一定した形状を保持できず、互着や一体化、変形したりするため、計量や搬送、成形機への供給が非常に困難となる。一方、タブレット形状であると、計量や搬送、成形機への供給が容易となり、自動化も可能となって生産性が大幅に向上する。ここで言うタブレットとは、室温において一定した形状を保持し、経時的な形状の変化が実質的になく、また互いに接触させたときに互着や一体化することのない固体のことを意味する。
本発明のタブレットの形状は、特に限定されず、円柱状、角柱状、円盤状、球状などの形状を含むが、トランスファー成形に一般的な円柱状が好ましい。
【0104】
(硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物)
本発明における硬化性樹脂組成物を熱硬化することで得られる硬化物の線膨張係数は、例えばLED等の半導体パッケージのリードフレームとして一般的に使用される銅の線膨張係数に近いことが望ましいことから、7ppm〜27ppmの範囲内であることが好ましく、12ppm〜22ppmの範囲内にあることがより好ましい。
【0105】
本発明における硬化性樹脂組成物を用いることで、柔軟性に優れる硬化物を得ることができる。柔軟性の指標としてはISO 178による曲げ試験における破壊伸びを例示することができ、当該試験における硬化物の破壊伸びは0.5mm〜5.0mmの範囲内にあることが好ましく、0.5mm〜4.0mmの範囲内にあることがより好ましく、0.5mm〜3.0mmの範囲内にあることがさらに好ましい。曲げ破壊伸びが0.5mm未満である場合は、得られる成形体をダイシング等の切断、加工を行う際に割れや欠けが生じる可能性があり、5.0mmを超える場合は得られる成形体が外力等により変形しやすくなる場合がある。
【0106】
(硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体)
本発明における硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体の一例として、光半導体用パッケージが例示される。該用途に本発明における硬化性組成物を使用する場合、光半導体の輝度が良好を与えるために、硬化してなる成形体には高い光反射率と低い着色度が要求される。
【0107】
本発明における硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体は、その470nmにおける光反射率が80%以上であり、180℃24時間の耐熱試験後の光反射率の保持率(耐熱試験後の光反射率/初期の光反射率×100)が90%以上であることが望ましい。
硬化物の光反射率の測定方法については、たとえば微小面分光色差計(日本電色工業社製VSS400)を用いて測定することができる。
【0108】
また、本発明における(D)成分を使用することで、(E)成分の白色含量として酸化亜鉛に代表されるような圧縮やせん断応力の印加により着色を呈するようなフィラーを使用した場合、(D)成分の応力緩和効果により着色を低減させることができ、高い光反射率と低い着色度合いを両立させることができる。硬化物の着色度合いの指標としては種々のものがあるが、典型的な例としてイエローインデックス(YI)がある。本発明における硬化物のYIは、7.5以下であることが好ましく、5.0以下であることがより好ましく、4.5以下であることがさらに好ましい。硬化物のYIが7.5を超える場合、例えば光半導体用パッケージとして本発明における硬化性樹脂組成物を使用した場合に、光半導体の輝度が低下する等不具合が発生する恐れがある。硬化物のYIの測定方法については、たとえば微小面分光色差計(日本電色工業社製VSS400)を用いて測定することができる。
【0109】
(半導体のパッケージ)
本発明における硬化性樹脂組成物を成形して、半導体のパッケージをつくることができる。本発明で言う半導体のパッケージとは、半導体素子あるいは/および外部取出し電極等を支持固定あるいは/および保護するために設けられた部材である。半導体素子を直接被覆せず、外部取り出し電極等を支持固定するものや発光ダイオードのリフレクターのような半導体素子の周囲や底面を形成するものであってもよい。
この場合の半導体素子としては各種のものが挙げられる。例えばIC、LSI等の集積回路、トランジスター、ダイオード、発光ダイオード等の素子の他、CCD等の受光素子等を挙げることができる。
形状についても特定されないが、半導体のパッケージが実質的に金属の片面に樹脂が成形されている形状を有する場合(MAPタイプ)において特に本発明の効果が得られやすい。
【0110】
尚、上記のように本発明の半導体のパッケージが半導体素子を直接被覆しないような場合などにおいては、さらに封止剤を用いて封止することもでき、例えば従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂を用いることができる。また、特開2002−80733、特開2002−88244で提案されているような、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する脂肪族系有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、およびヒドロシリル化触媒を含有する硬化性樹脂組成物からなる封止剤を用いてもよく、この封止剤を用いる方が、パッケージ樹脂との接着性が高いという点、および透明性が高く本発明のパッケージの耐光性が高いという効果が顕著であるという点において、好ましい。一方、樹脂封止を用いず、ガラス等でカバーしてハーメチック封止により封止することも可能である。
また発光ダイオードや受光素子の場合などにおいてはさらにレンズを適用することも可能であり、封止剤をレンズ形状に成形してレンズ機能を持たせることも可能である。
【0111】
(成形方法)
本発明で言う半導体パッケージの成形方法としては各種の方法が用いられる。例えば、射出成形、トランスファー成形、RIM成形、キャスティング成形、プレス成形、コンプレッション成形等、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂に一般に用いられる各種成形方法が用いられる。これらの内、成形サイクルが短く成形性が良好であるという点においてはトランスファー成形が好ましい。成形条件も任意に設定可能であり、例えば成形温度についても任意であるが、硬化が速く成形サイクルが短く成形性が良好になりやすいという点においては100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上の温度が好ましい。上記のような各種方法によって成形した後、必要に応じて後硬化(アフターキュア)することも任意である。後硬化した方が耐熱性が高くなり易い。
【0112】
成形は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。また、一定温度で行う方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
硬化時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。逆に、高温短時間で反応させる方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
成形時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で成形することもできる。ボイドの発生を抑制したり、充填性をよくしたり、場合によって発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で硬化させることが好ましい。成形体へのクラックを防止できるという点においては、加圧状態で硬化させることが好ましい。
【実施例】
【0113】
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(合成例1)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mlの混合液を50分かけて滴下した。得られた溶液をそのまま6時間加温、攪拌した後、未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧留去した。
1H−NMRの測定によりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応した以下の構造を有するものであることがわかった。
【0114】
【化12】
【0115】
(合成例2)
2Lオートクレーブにトルエン720g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン240gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル171g、トルエン171g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.049gの混合液を90分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて40分反応、
1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。トリアリルイソシアヌレート17g、トルエン17gの混合液を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、トリアリルイソシアヌレート66g、トルエン66g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.033gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から4時間後に
1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は0.8%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体およびトランス体))が合計5,000ppm以下となるまで減圧留去し、無色透明の液体を得た。
1H−NMRの測定によりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がアリルグリシジルエーテル及びトリアリルイソシアヌレートと反応したものであり平均的に以下の構造を有するものであることがわかった。
【0116】
【化13】
【0117】
(a+b=3、c+d=3、e+f=3、a+c+e=3.5、b+d+f=5.5)
【0118】
(硬化性樹脂組成物の作製)
表1に示す通り、実施例1〜3及び比較例1の硬化性樹脂組成物を作製し、以降に示す各種評価を行った。
【0119】
なお、配合物の作成に当たっては、まず(A)成分と(B)成分、および硬化遅延剤と酸化防止剤をカップ状の容器に秤取り、混合した後、プラスチック製のスパチュラで混練しながら残りの成分を少量ずつ添加し、その後丸棒状の治具にて押し延ばした後、折り重ねて再度押し延ばす作業を繰り返す方法により作製した。
【0120】
【表1】
【0121】
(トランスファー成形による硬化物の作成方法)
トランスファー成形は、アピックヤマダ株式会社製G−Lineマニュアルプレスを用いて実施した。型締力は30ton、注入圧力8MPa、注入速度3mm/sとした。白色コンパウンド11.0gを計量、シリンダー内へ装填し成形した。成形温度および成形時間は、170℃、180秒とした。成形後、熱風オーブンにて180℃、1時間後硬化(アフターキュア)した。硬化物は厚み1.0mmと厚み4.0mmの2種類を作成し、厚み1.0mmの硬化物は線膨張係数の測定に、また厚み4.0mmの硬化物は曲げ破壊伸びの測定に使用した。
【0122】
(線膨張係数)
上記成形により得られた成形体の線膨張係数を、JIS K 6911により測定した。
【0123】
(曲げ破壊伸び)
上記成形により得られた成形体の曲げ破壊伸びをISO 178により測定した。
【0124】
(タブレット化)
作製した硬化性樹脂組成物を、金属製の杵と臼からなるタブレット製造冶具で圧縮してタブレットとした。具体的にはφ13mmの臼の中に配合物を所定量入れ、100kg/cm2の圧力で杵で上から5秒間圧縮することにより、所定体積のタブレットを得た。
【0125】
(トランスファー成形によるMAP品の成形方法)
Agメッキした縦50mm、横55mm、厚み0.25mmのCu製の発光ダイオード用リードフレームを準備する。成形後のMAP(Mold Array Package:半導体のパッケージが実質的に金属の片面に樹脂が成形されている形状を有するタイプ)は縦15列、横12列で合計180個のリフレクターが含まれる。各リフレクターは上面φ2.1mm、底面φ1.8mm(テーパー角度:15度)、高さ0.55mmで、横方向直径に沿って右端から0.45mmのところに幅0.20mmの本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させた白色コンパウンドからなる電極スリットが縦に設けられている。各リフレクター間の間隔は縦横直径方向ともに1.1mmである。リードフレームおよび金型は、上記の要件を満足するリードフレーム付きリフレクターが作製できれば、特に制約はない。この成形品形状を3030MAP型と呼ぶ。成形品の概念図を
図1に示した。
トランスファー成形は、アピックヤマダ株式会社製G−Lineマニュアルプレスを用いて実施した。型締力30ton、注入圧力8MPa、注入速度3mm/s。白色コンパウンド5.0gを計量、円柱状に賦形(上記に記載したタブレット化)しシリンダー内へ装填し成形した。成形条件は、170℃、150秒とした。成形後、熱風オーブンにて180℃、1時間後硬化(アフターキュア)した。
【0126】
(反り)
MAP品の反りは成形部を上にして平滑な面に置いたとき、成形部が真横から見た状態凹になっている場合を順反り、凸になっている場合を逆反りと定義した。反りの程度はMAP品を平滑な面に置き、面から離れている4辺のうちで最も距離がある値(mm)を数値化した。
【0127】
(光反射率、及びイエローインデックス(YI)の測定)
上記成形により得られた硬化性樹脂組成物のパッケージおよび比較例2〜6のパッケージについて、微小面分光色差計(日本電色工業社製VSS400)を用いて波長400nm〜700nm(20nm間隔)における光反射率、及びイエローインデックス(YI)を測定した。なお、イエローインデックスはASTM1925に準じて測定した。ここで各波長における測定値は、パッケージ上面の任意の4箇所(測定面積0.2mmφ)の測定値の平均値を採用した。
【0128】
表2より、各実施例と比較例1との比較から、本発明における(D)成分の添加により、硬化物の線膨張係数が低下し、MAPの反りが低下することが分かる。一方で本発明における(D)成分を有しない比較例2においては、低線膨張係数である無機フィラーの球状シリカを高充填することで線膨張係数が低下し、MAPの反りは低下するものの得られる硬化物は破壊伸びが小さく。柔軟性に欠けることが分かる。以上より、本発明における硬化性樹脂組成物を使用することで、得られる成形体や硬化物の低線膨張係数と柔軟性を両立可能であることがわかる。
【0129】
更に、実施例1から実施例3と比較例1との比較から、本発明における(D)成分の添加により、着色性のフィラーである酸化亜鉛を使用しても、(D)成分の応力緩和効果により酸化亜鉛に掛かる応力が緩和され、低いYIと光反射率を両立した硬化物が得られることがわかる。
【0130】
【表2】