(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227982
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】弾球遊技機用の収容ケース、弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
A63F7/02 326B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-242021(P2013-242021)
(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2015-100465(P2015-100465A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】591199431
【氏名又は名称】有限会社愛和ライト
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】三輪 稔
(72)【発明者】
【氏名】中野 幸二
【審査官】
宮川 数正
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−190789(JP,A)
【文献】
特開平11−146956(JP,A)
【文献】
特開平08−052263(JP,A)
【文献】
特開2001−112998(JP,A)
【文献】
特開2006−081559(JP,A)
【文献】
特開2000−317109(JP,A)
【文献】
実開平05−039582(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾球遊技機が備える裏ベースの背面部に着脱可能に取り付けられ、構造物を収容可能な弾球遊技機用の収容ケースにおいて、
把持可能な把持部が設けられており、
前記把持部は、前記収容ケースから突出して把持可能な状態である把持可能状態と前記収容ケースから突出せずに把持不可能な状態である把持不可状態との間でその姿勢が変更可能に構成されていること
を特徴とする弾球遊技機用の収容ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の弾球遊技機用の収容ケースにおいて、
前記把持部が前記把持不可状態である場合に前記収容ケースを前記裏ベースに対して着脱不可能な状態とし、前記把持部が前記把持可能状態である場合に前記収容ケースを前記裏ベースに対して着脱可能な状態とする切替部を備えること
を特徴とする弾球遊技機用の収容ケース。
【請求項3】
裏ベースと、
前記裏ベースの背面部に着脱可能に取り付けられ、構造物を収容可能な請求項1及び請求項2のうちの何れか1項に記載の弾球遊技機用の収容ケースと、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、演出出力機器を内部に収容して遊技機に取り付け可能に形成された収容ケースについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−215838号公報(第5頁、
図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の収容ケースにおいては、この収容ケースの周囲に様々な構成が配置された場合、収容ケースを組み付け時に取り付ける作業や、交換時に取り外したり取り付けたりする作業が困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、演出出力装置などの構造物を収容可能な弾球遊技機用の収容ケースの周囲に様々な構成が配置された場合であっても、収容ケースを組み付け時に取り付ける作業や、交換時に取り外したり取り付けたりする作業を容易とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様に係る弾球遊技機用の収容ケースは、弾球遊技機が備える裏ベースの背面部に着脱可能に取り付けられ、構造物を収容可能な弾球遊技機用の収容ケースにおいて、把持可能な把持部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
このように構成された本発明の弾球遊技機用の収容ケースによれば、把持可能な把持部が設けられているので、収容ケースの周囲に様々な構成が配置された場合であっても、収容ケースを組み付け時に取り付ける作業や、交換時に取り外したり取り付けたりする作業を容易とすることができる。
【0008】
また、
上述した弾球遊技機用の収容ケースは
、前記把持部は、前記収容ケースから突出して把持可能な状態である把持可能状態と前記収容ケースから突出せずに把持不可能な状態である把持不可状態との間でその姿勢が変更可能に構成されてい
てもよい。
【0009】
このように構成された本発明の弾球遊技機用の収容ケースによれば、収容ケースを裏ベースに対して着脱させるときには把持部を収容ケースから突出して把持可能な状態(把持可能状態)とすることができる一方、収容ケースを裏ベースに対して着脱させないときには把持部を収容ケースから突出せずに把持不可能な状態(把持不可状態)とすることで、把持部を他の作業の邪魔にはならないようにすることができる。
【0010】
また、
上述した弾球遊技機用の収容ケースは
、前記把持部が前記把持不可状態である場合に前記収容ケースを前記裏ベースに対して着脱不可能な状態とし、前記把持部が前記把持可能状態である場合に前記収容ケースを前記裏ベースに対して着脱可能な状態とする切替部を備え
ていてもよい。
【0011】
このように構成された本発明の弾球遊技機用の収容ケースによれば、収容ケースが裏ベースから不意に脱落するのを防ぐことができる。
また、
本発明の他の態様に係る弾球遊技機は、裏ベースと、前記裏ベースの背面部に着脱可能に取り付けられ、構造物を収容可能な
、上述した本発明の1つの態様に係る弾球遊技機用の収容ケースと、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】実施形態の収容ケース22を示す後方斜視図である。
【
図3】実施形態の収容ケース22を示す後方斜視図である。
【
図4】実施形態の収容ケース22を示す概略構成図である。
【
図5】実施形態の収容ケース22を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。なお、本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
[1.パチンコ機1の構成の説明]
図1に示す弾球遊技機の一種であるパチンコ機1は、遊技盤9と遊技盤9の前方に配されたガラス板7a(透明板)との間に形成される遊技領域に遊技球を転動させることで遊技を行う遊技機である。
【0014】
このパチンコ機1の前面部には、盤面窓枠2が配されている。
盤面窓枠2は、外枠3に保持された中枠4に取り付けられている。より具体的には、盤面窓枠2はヒンジ5a,5bにて中枠4に軸支され、扉状に開閉できる。また、盤面窓枠2には、上皿2a、下皿2b、発射ハンドル2cが取り付けられている。
【0015】
また、盤面窓枠2には窓7が設けられ、その周辺に電飾8が配されている。また、盤面窓枠2には、窓7を閉塞するためのガラス板7aが窓7の背後に装着される。そして、盤面窓枠2の背後の窓7に臨んだ位置には、中枠4に保持された遊技盤9が配されている。
【0016】
遊技盤9は、透明な合成樹脂(本実施例ではポリカーボネート)製である。この遊技盤9には、ガイドレール10、11、複合入賞装置12、ゲート13、大入賞口14、普通入賞口15、庇部材16、ステージ17等が取り付けられ、遊技釘18や風車19が打ち付けられている。
【0017】
複合入賞装置12は、可変入賞装置12aおよび始動入賞口12bを備え、可変入賞装置12aまたは始動入賞口12bに入賞した場合には大当たり抽選が行われ、これに応じて遊技盤9の背後に配された表示装置(図示省略)にて図柄の変動表示がなされる。大当たり抽選が当たりであれば、図柄の変動表示に続いて表示装置にて大当たり図柄の確定表示が行われる。その大当たり図柄の確定表示がなされると大当たり遊技の開始となって、大入賞口14が開放される。
【0018】
また、可変入賞装置12aが閉鎖状態(図示の状態)にあるときには、可変入賞装置12aの上方にある始動入賞口12bによって可変入賞装置12aへの入賞を阻まれる(可変入賞装置12aへは、開放時しか入賞できない)。この可変入賞装置12aは、その左右に配されているゲート13に遊技球が進入したことに起因する抽選で当たりになると開
放される。
【0019】
また、庇部材16とステージ17とに挟まれた領域(主表示領域20)には、遊技釘18が打ち付けられておらず、他の装置類も配されていない。この主表示領域20は、遊技盤9の背後に配された表示装置による図柄の変動表示や、背景画像やキャラクタ等の画像の表示を良好に視認させるための領域である。
【0020】
また、遊技盤9の背面部には、役物や表示装置などの構造物を収容または保持する裏ベース21がビスなどを用いて取り付けられている。なお、遊技盤9の背面部に取り付けられる裏ベース21を遊技盤9の表側からは視認することはできないため、
図2では、裏ベース21の一部を実線で図示している。
【0021】
また、
図2に示すように、裏ベース21の背面部には、演出出力装置などの構造物(図示省略)を収容可能な弾球遊技機用の収容ケース(以下収容ケース)22がビスなどを用いて着脱可能に取り付けられている。なお、裏ベース21の背面部には、収容ケース22以外にも様々な構成が取り付けられるが、
図2および
図3では、このような構成を一点鎖線で模式的に図示している。
【0022】
収容ケース22は合成樹脂製であり、略直方体形状の箱体に形成されており、その内部に演出出力装置などの構造物(図示省略)を収容可能となっている。また、収容ケース22には、貫通穴や開口、切り欠き、突起などが適宜形成されている。
【0023】
また、収容ケース22の背面部には、凹部22aが形成されており、この凹部22aの内部には、把持部としての略コの字形状のレバー部材22bが配されている。このレバー部材22bは、両翼の先端同士を貫通する上下方向の中心軸を中心として凹部22a内部で回動可能に取り付けられており、回動することにより、収容ケース22の背面から突出して把持可能な状態(把持可能状態、
図3参照)と凹部22a内部に収容されて収容ケース22の背面から突出せずに把持不可能な状態(把持不可状態、
図2参照)との間でその姿勢が変更可能に構成されている。
【0024】
また、収容ケース22には、切替部としての棒状のシャフト22cが設けられている。このシャフト22cは、一方の端部がレバー部材22bに連結されており、レバー部材22bが把持不可状態である場合に他方の端部が収容ケース22の側面から突出し、レバー部材22bが把持可能状態である場合に他方の端部が収容ケース22の側面から突出せずに収容ケース22内部に収容されるようになっている。なお、収容ケース22が裏ベース21に取り付けられている状態では、収容ケース22の側面から突出したシャフト22cの他方の端部が、対向する裏ベース21の係合孔(図示省略)に挿入されて互いに係合し、収容ケース22が裏ベース21に対して着脱不可能な状態(施錠状態)となる(
図4参照)。一方、また、シャフト22cの他方の端部が収容ケース22の側面から突出せずに収容ケース22内部に収容されると、上述のようなシャフト22cと裏ベース21との係合が解除されて、収容ケース22が裏ベース21に対して着脱可能な状態(解錠状態)となる(
図5参照)。
【0025】
[2.実施形態の効果]
(1)このように本実施形態のパチンコ機1によれば、裏ベース21の背面部に着脱可能に取り付けられ、演出出力装置などの構造物を収容可能な収容ケース22において、把持可能な把持部としてのレバー部材22bが設けられているので、収容ケース22の周囲に様々な構成が配置された場合であっても(
図3参照)、収容ケース22を組み付け時に取り付ける作業や、交換時に取り外したり取り付けたりする作業を容易とすることができる。
【0026】
(2)また、本実施形態のパチンコ機1によれば、収容ケース22を裏ベース21に対して着脱させるときにはレバー部材22bを回動させることで収容ケース22から突出して把持可能な状態とすることができる一方、収容ケース22を裏ベース21に対して着脱させないときにはレバー部材22bを凹部22a内部に収容させることで収容ケース22から突出せずに把持不可能な状態とすることで、レバー部材22bを他の作業の邪魔にはならないようにすることができる。
【0027】
(3)また、本実施形態のパチンコ機1によれば、収容ケース22が裏ベース21に取り付けられている状態では、収容ケース22の側面から突出したシャフト22cの他方の端部が、対向する裏ベース21の係合孔に挿入されて互いに係合し、収容ケース22が裏ベース21に対して着脱不可能な状態(施錠状態)となるので、収容ケース22が裏ベース21から不意に脱落するのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0028】
1…パチンコ機、2…盤面窓枠、2a…上皿、2b…下皿、2c…発射ハンドル、3…外枠、4…中枠、5a…ヒンジ、7…窓、7a…ガラス板、8…電飾、9…遊技盤、10…ガイドレール、12…複合入賞装置、12a…可変入賞装置、12b…始動入賞口、13…ゲート、14…大入賞口、15…普通入賞口、16…庇部材、17…ステージ、18…遊技釘、19…風車、20…主表示領域、21…裏ベース、22…収容ケース、22a…凹部、22b…レバー部材、22c…シャフト。