特許第6227983号(P6227983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227983
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
【請求項の数】1
【全頁数】76
(21)【出願番号】特願2013-244790(P2013-244790)
(22)【出願日】2013年11月27日
(65)【公開番号】特開2015-100595(P2015-100595A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】梶原 涼
【審査官】 森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−039213(JP,A)
【文献】 特開2000−140199(JP,A)
【文献】 特開2013−042973(JP,A)
【文献】 特開2009−034293(JP,A)
【文献】 特開2006−122431(JP,A)
【文献】 特開2001−120707(JP,A)
【文献】 特開2001−046589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
所定事象に関し所定状態であるときよりも遊技者にとって不利な特定状態に制御する特定状態制御手段と、
前記特定状態に制御されている期間のうち開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの特定期間において特典を付与するか否かの特典決定を行い、前記特典を付与する旨の付与決定が行われたときに特典を付与する特典付与手段と、
前記特定期間において前記特典付与手段により行われた付与決定が、前記特定期間が開始されてから所定回数未満の未満付与決定であるときに、終了条件が成立するまで前記特定期間を継続させることにより前記特典決定が行われることを許容する許容手段と、
前記特定期間において前記特典付与手段により行われた付与決定が、前記特定期間が開始されてから前記所定回数目の所定付与決定であったときには、当該所定付与決定が行われてから以降において前記特典決定が行われることを規制する規制手段と、
前記特典付与手段により前記未満付与決定が行われたときに、前記未満付与決定が行われることなく前記終了条件が成立することにより当該特定期間が終了するタイミングまでに、前記付与決定が行われた旨の付与決定情報を報知する未満付与決定時報知手段と、
前記特典付与手段により前記所定付与決定が行われたときに、前記付与決定情報を報知する所定付与決定時報知手段とを備え、
前記所定付与決定時報知手段は、前記所定付与決定が行われてから前記付与決定情報を報知するまでに要するゲーム数の期待値が、前記未満付与決定時報知手段により前記未満付与決定が行われてから前記付与決定情報が報知されるまでに要するゲーム数の期待値よりも小さくなるように、前記付与決定情報を報知する、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の識別情報が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作することによりリールの回転が開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、すべてのリールの回転を停止したときに入賞ライン上に予め定められた識別情報の組合せ(たとえば、7−7−7、以下識別情報の組合せを役とも称する)が揃ったことによって入賞が発生する。すなわち遊技者の操作によってゲームが進行するようになっている。
【0003】
役の種類としては、小役、ボーナス役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技者が得ることができる。ボーナス役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止された場合には、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行されるという利益を遊技者が得ることができる。再遊技役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができるという利益を得ることができる。
【0004】
各役を構成する図柄の組合せを入賞ライン上に停止させるためには、一般的には、事前(通常はスタートレバー操作時)に行われる内部抽選で当選することが条件となる。そして、内部抽選に当選している役を構成する図柄の組合せを有効なラインに揃えるようにするとともに、内部抽選に当選していない役を構成する図柄の組合せを有効なラインに揃えないようにするリール制御が行われる。
【0005】
この種のスロットマシンとして、ミッション演出を実行し、ミッション達成することにより特典を付与するとともに、ミッション達成した後において追加ミッション演出を実行して、追加ミッションを達成することにより追加特典を付与するものがあった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−39213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のようなスロットマシンにおいては、達成したミッション演出が、通常のミッション演出であるか追加ミッション演出であるかにかかわらず、同じタイミングで達成した旨が報知されていた。このため、報知タイミングが単調になってしまう虞があった。
【0008】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、報知タイミングが単調となってしまうことを防止することで遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
所定事象(ナビ演出実行)に関し所定状態(AT)であるときよりも遊技者にとって不利な特定状態(非AT)に制御する特定状態制御手段(サブ制御部91によりATを終了させる処理(非AT中の処理)など)と、
前記特定状態に制御されている期間のうち開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの特定期間(チャンスゾーン)において特典を付与するか否かの特典決定を行い、前記特典を付与する旨の付与決定(付与当選)が行われたときに特典を付与する特典付与手段(図23のS113)と、
前記特定期間において前記特典付与手段により行われた付与決定が、前記特定期間が開始されてから所定回数(たとえば4)未満の未満付与決定であるときに、終了条件が成立するまで前記特定期間を継続させることにより前記特典決定が行われることを許容する許容手段(図23のS117、S118)と、
前記特定期間において前記特典付与手段により行われた付与決定が、前記特定期間が開始されてから前記所定回数目の所定付与決定であったときには、当該所定付与決定が行われてから以降において前記特典決定が行われることを規制する規制手段(図23のS117、S119)と、
前記特典付与手段により前記未満付与決定が行われたときに、前記未満付与決定が行われることなく前記終了条件が成立することにより当該特定期間が終了するタイミングまでに(前回チャンスゲームが0となるまでに)、前記付与決定が行われた旨の付与決定情報を報知する未満付与決定時報知手段(図27のS143、S157、図29(a))と、
前記特典付与手段により前記所定付与決定が行われたときに、前記付与決定情報を報知する所定付与決定時報知手段(図27のS143、図29(b))とを備え、
前記所定付与決定時報知手段は、前記所定付与決定が行われてから前記付与決定情報を報知するまでに要するゲーム数の期待値が、前記未満付与決定時報知手段により前記未満付与決定が行われてから前記付与決定情報が報知されるまでに要するゲーム数の期待値よりも小さくなるように、前記付与決定情報を報知する(図29(b))。
【0010】
このような構成によれば、特定期間において付与決定が行われたときでも、当該付与決定が未満付与決定であるときよりも所定付与決定であるときの方が少ないゲーム数で付与決定情報が報知され得る。このため、付与決定情報が報知されるタイミングが単調となってしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。また、所定付与決定が行われて特典決定が行われないにもかかわらず、付与決定情報が報知されないまま不利な特定状態への制御のみが長引いてしまうことを防止できる。
【0011】
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、前記特典付与手段は、前記未満付与決定を行ったとき(ランク2で付与当選)よりも、当該未満付与決定が行なわれてから終了条件が成立するまでの特定期間において前記付与決定を行ったとき(ランク3で付与当選)の方が、遊技者にとっての有利度合いが高い特典を付与する(図25)。
【0012】
このような構成によれば、付与決定が行われる毎に有利度合いが高い特典が付与されるため、付与決定毎に期待感を向上させるとともに、所定付与決定が行われることへの意欲を向上させることができる。
【0013】
(3) 上記(2)のスロットマシンにおいて、前記特典付与手段は、前記特定期間が開始されてから所定ゲーム数消化するまでに前記未満付与決定を行う割合と、当該未満付与決定が行なわれてから前記所定ゲーム数と同じゲーム数消化するまでに前記付与決定を行う割合とが同一または略同一となるように、前記特典決定を行う(図26)。
【0014】
このような構成によれば、特定期間において付与決定が行われた回数にかかわらず、付与され得る特典に遊技者を注目させることができる。
【0015】
(4) 上記(1)〜(3)のうちいずれかのスロットマシンにおいて、前記終了条件は、所定ゲーム数消化することにより成立し(図23のS115)、
前記未満付与決定が行われることにより継続される特定期間の終了条件は、当該未満付与決定に対応する付与決定情報が報知されてから所定ゲーム数消化することにより成立する(図23のS109、S111)。
【0016】
このような構成によれば、付与決定情報が報知されるタイミングが遅くなるほど、特定期間が長くなるため、特典決定が行われて付与決定が行われることに対する期待感を向上させることができる。
【0017】
(5) 上記(4)のスロットマシンにおいて、前記未満付与決定時報知手段は、前記終了条件が成立するまでの残りゲーム数が、特定ゲーム数以上であるときに前記未満付与決定が行われたときには、前記特定ゲーム数未満であるときに前記未満付与決定が行われたときよりも、当該未満付与決定に対応する付与決定情報を報知するまでに要するゲーム数の期待値が大きくなるように、前記付与決定情報を報知する(図29(a))。
【0018】
このような構成によれば、未満付与決定が行われたときの残りゲーム数が特定ゲーム数以上であるか否かで、付与決定情報が報知されるタイミングを異ならせることができ、その結果、特典決定が行われて付与決定が行われることに対する期待感を異ならせることができる。
【0019】
(6) 上記(1)〜(5)のうちいずれかのスロットマシンにおいて、前記特典付与手段は、前記特定期間において前記終了条件のうち特別終了条件が成立(フリーズ発生)したときに、当該特定期間において付与する特典が、前記特定期間において前記特別終了条件が成立することなく前記所定付与決定まで行われることにより当該特定期間において付与する特典と同じとなるように、前記特典を付与する(図23のS120)。
【0020】
このような構成によれば、付与決定が行われることに加えて、特別終了条件が成立することに対しプレミア的な期待感を抱かせることができる。
【0021】
(7) 上記(1)〜(6)のうちいずれかのスロットマシンにおいて、前記特典付与手段により付与される特典は、複数種類設けられており、
前記特典付与手段は、前記特定期間において前記付与決定が行われたときに、当該特定期間−が開始されてから行われた付与決定の回数に応じた種類の特典を付与し(図25)、
前記スロットマシンは、前記特定期間において前記付与決定が行われることにより付与される特典の種類を判別可能な特典種類情報を報知する特典種類情報報知手段(図23のS110)を備える。
【0022】
このような構成によれば、付与決定が行われることにより付与される特典の種類を遊技者に確実に認識させることにより、特典が付与されることに対する期待感を向上させることができる。
【0023】
(8) 上記(1)〜(7)のうちいずれかのスロットマシンにおいて、前記所定付与決定時報知手段は、前記所定付与決定が行われたゲームにおいて前記付与決定情報を報知する(変形例における[報知タイミングについて]欄参照)。
【0024】
このような構成によれば、所定付与決定が行われた後において、付与決定情報が報知されないまま不利な特定状態への制御が継続されてしまうことを回避することができる。
【0025】
(9) 上記(1)〜(8)のうちいずれかのスロットマシンにおいて、前記可変表示装置において識別情報の変動表示を開始させる際に操作される開始操作手段(たとえば、スタートスイッチ7)と、
ゲームの進行を制御する手段であって、遅延条件が成立しているときには遅延期間(フリーズ)を設定して、ゲームの進行を遅延期間に亘って遅延させるゲーム制御手段(図19、メイン制御部41による処理)と、
前記可変表示装置の表示状態の制御を行なう表示状態制御手段(たとえば、メイン制御部41による表示結果を導出させる処理)とを備え、
前記表示状態制御手段は、
前記開始操作手段が操作されたときに遅延期間中に識別情報の変動表示を行って仮表示結果(たとえば、リール演出後の出目)を仮導出させる仮導出制御手段(図19のS51、S52)と、
前記開始操作手段が操作されたときに遅延期間以外のときに識別情報の変動表示を行って表示結果を導出させる通常導出制御手段(通常時においてメイン制御部41によりリール回転および停止させる処理)とを含み、
前記スロットマシンは、
遅延期間の遅延終了条件が成立して仮表示結果が仮導出されているときに、前記開始操作手段の操作を促す促進演出を実行する促進演出実行手段(たとえば、サブ制御部91による図22(e)(h)(k)に示す演出を実行する処理)と、
遅延期間の遅延終了条件が成立して仮表示結果が仮導出されているときに、前記開始操作手段の操作が行われることで遅延期間を終了させる遅延期間終了手段(たとえば、図19のS54、サブ制御部91による図24(i)、(l)に示す演出を実行する処理)とをさらに備え、
前記通常導出制御手段は、前記遅延期間終了手段により遅延期間が終了されたときに識別情報の変動表示を開始させる(図19のS55〜S59)。
【0026】
このような構成によれば、開始操作手段が操作されたときに遅延期間中に識別情報の変動表示を行って仮表示結果を仮導出させ、遅延期間の終了条件が成立して仮表示結果が仮導出されているときに、開始操作手段の操作が行われたときには遅延期間の終了とともに識別情報の変動表示を開始させるので、遅延期間が設定されない通常の遊技と同様の流れで遅延期間終了後の識別情報の変動表示を開始させることが可能になり、遊技者が遊技に対して違和感を覚え、困惑させてしまうことを防止できる。
【0027】
(10) 上記(1)〜(9)のうちいずれかのスロットマシンにおいて、
操作を受付ける操作受付手段(演出用スイッチ56)と、
操作を要求する操作要求演出(図30のボタン画像512、512’の表示)を実行する操作要求演出実行手段(サブ制御部91)と、
前記操作要求演出実行中において前記操作受付手段により受付けられた操作(図31の所定操作)に応じて特定の条件が成立する(図31の特定操作がされる)毎に演出態様を更新させる(人物画像514を取り巻く炎の色を変える)操作対応演出(図30の人物画像514の表示)を実行する操作対応演出実行手段(サブ制御部91)とを備え、
前記操作要求演出実行手段は、
前記操作要求演出実行中において前記操作受付手段により予め定められた操作(連打操作であれば1回目の操作、長押し操作であればサブ制御部91が2回目の検出信号を検出する操作)が受付けられるまで所定態様(図30(A)に示す第1演出態様)で前記操作要求演出を実行し、
前記操作要求演出が前記所定態様で実行されているときに前記操作受付手段により操作が受付けられたことに応じて、前記所定態様よりも前記操作対応演出を遊技者が認識し易い特定態様(図30(B)に示す第2演出態様)で前記操作要求演出を実行する。
【0028】
このような構成によれば、所定態様で操作要求演出を実行することにより、操作をさせることを遊技者に対して把握させ易くできる。一方、操作受付手段により操作が受付けられた後は、遊技者は操作要求演出の演出内容を把握していると擬制して、特定態様で操作要求演出を実行することにより、操作対応演出を遊技者が認識し易くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0029】
また、前記特定の条件は、前記操作受付手段が操作(特定操作)を所定回(図31(イ)では1回)受付けることにより成立する条件を含む。これにより、操作受付手段が操作を所定回受付けることにより、操作対応演出の演出態様を更新させることができるので、操作要求演出に対する介入度合を高めることができる。
【0030】
また、前記特定の条件は、前記操作受付手段が操作を所定期間(図31(エ)では所定期間t)に亘り連続して受付けることにより成立する条件を含む。これにより、操作受付手段が操作を所定期間に亘り連続して受付けることにより操作対応演出の演出態様を更新させることができるので、操作要求演出に対する介入度合を高めることができる。
【0031】
また、演出に対応する画像を表示する表示手段(液晶表示器51)を備え、
前記所定態様は、前記操作要求演出に対応する画像の背景(人物画像514)において前記操作対応演出に対応する画像(ボタン画像512)が表示される態様であり、
前記特定態様は、前記操作対応演出に対応する画像の視認性が前記所定態様よりも高まる態様である(ボタン画像512が人物画像514に重畳されずに表示され、かつ、ボタン画像512が所定態様時よりも小さく表示されることから、遊技者による人物画像514の視認性が高まる)。これにより、操作要求演出に対応する画像の背景において操作対応演出に対応する画像が表示されるため、操作要求演出を遊技者が認識し易くすることができる。また、操作がされた後においては、操作対応演出に対応する画像の視認性を高めることにより、操作対応演出を遊技者が認識し易くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0032】
また、操作要求演出に対応する画像が表示されることから、遊技者に対して直接的に操作受付手段による操作を促すことができ、操作対応演出に対応する画像が表示されることから遊技者に対して操作対応演出に対応する画像を目視させることができる。さらに、所定態様時よりも特定態様時の方が、操作対応演出に対応する画像の視認性を高めることができる。
【0033】
また、前記所定態様は、通常態様(ボタン画像512を白色に表示)と、当該通常態様よりも遊技者にとって有利な状況である割合が高い旨を示唆する特殊態様(ボタン画像512を赤色に表示)とを含み、
前記操作要求演出実行手段は、前記特殊態様で操作要求演出実行中に前記操作受付手段により操作が受付けられたことに応じて、前記特定態様のうち遊技者にとって有利な状況である割合が高い旨を示唆する態様で前記操作要求演出を実行する(第1演出態様から第2演出態様に変更されたとしても、ボタン画像512の色を変更しない)。これにより、所定態様から特定態様に変更されたとしても、遊技者にとって有利な状況である割合が高い旨を示唆する態様を継続できることから、遊技者に有利な状況である割合が高い旨の示唆を見逃させることがないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本実施の形態のスロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。
図3】リールの図柄配列を示す図である。
図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図5】小役の種類、小役の図柄組合せ、および小役に関連する技術事項について説明するための図である。
図6】再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。
図7】移行出目の図柄組合せ、および移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。
図8】遊技状態の遷移を説明するための図である。
図9】遊技状態の概要を示す図である。
図10】遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。
図11】遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。
図12】抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。
図13】抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。
図14】複数の小役当選時のリール制御を説明するための図である。
図15】複数の再遊技役当選時のリール制御を説明するための図である。
図16】非AT中においてスタート後フリーズに制御されるまでの流れを示すフローチャートである。
図17】AT中においてスタート後フリーズに制御されるまでの流れを示すフローチャートである。
図18】(a)RT1・非AT・通常+特別リプレイ7当選・ナビストック当選・確定報知時、(b)RT1・非AT・通常+テンパイリプレイ当選時の演出態様を示す図である。
図19】フリーズ関連処理のフローチャートを説明するための図である。
図20】フリーズの制御状況を示すタイミングチャートである。
図21】ランダム遅延回転制御に関するテーブルを説明するための図である。
図22】フリーズ制御される際の演出の一例を示す図である。
図23】チャンスゾーン関連処理のフローチャートを説明するための図である。
図24】チャンスゾーン中における演出画像を説明するための図である。
図25】ランクに対応して定められた特典を説明するための図である。
図26】特典付与抽選用テーブルを説明するための図である。
図27】チャンスゾーン中操作演出関連処理のフローチャートを説明するための図である。
図28】操作演出抽選用テーブルを説明するための図である。
図29】操作演出開始タイミング抽選用テーブルを説明するための図である。
図30】操作対応演出、および、操作要求演出の一例を示した図である。
図31】連打操作および長押し操作の詳細を説明するための図である。
図32】チャンスゾーン終了時処理のフローチャートを説明するための図である。
図33】操作要求演出の第1演出態様および第2演出態様の他の態様の例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
【0036】
[スロットマシンの構成]
スロットマシンの実施の形態を図面を用いて説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、図2に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
【0037】
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0038】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「7a」、「7b」、「7c」、「スイカa」、「スイカb」、「チェリー」、「ベルa」、「ベルb」、「リプレイa」、および「リプレイb」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている。
【0039】
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1cの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下の三段に表示される。なお、「7a」は赤色の色彩が施されていることから「赤7」と称し、「7b」は青色の色彩が施されていることから「青7」と称し、「7c」は白色の色彩が施されていることから「白7」と称する場合がある。さらに、以下では、「7a」、「7b」、「7c」をまとめて単に「7」、「スイカa」、「スイカb」をまとめて単に「スイカ」、「ベルa」、「ベルb」をまとめて単に「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」をまとめて単に「リプレイ」と称する場合がある。
【0040】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0041】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0042】
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長で長方形状の透視窓3が設けられており、透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
【0043】
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0044】
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0045】
なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止や左押し、中リール2Cを第1停止することを中第1停止や中押し、右リール2Rを第1停止することを右第1停止や右押しと称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
【0046】
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0047】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
【0048】
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のRT3終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のRT3終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
【0049】
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0050】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0051】
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0052】
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0053】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
【0055】
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。なお、入賞ラインは、1ラインに限らず、複数ライン設けられているものであってもよい。
【0056】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0057】
そしてすべてのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも称する)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0058】
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上のすべてのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。
【0059】
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0060】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0061】
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0062】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0063】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0064】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0065】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0066】
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
【0067】
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラムなどを記憶するROM41b、ワークメモリとして使用されるRAM41c、プログラムに従って制御動作を行うCPU41aが内蔵されており、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0068】
また、メイン制御部41においてCPU41aがROM41bに格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(またはCPU41a)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU41aがプログラムに従って制御を実行することである。このことは、後述するサブ制御部91についても同様である。
【0069】
また、RAM41cは、その一部または全部がバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、スロットマシン1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM41cの一部または全部の内容は保存される。
【0070】
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、たとえば、メイン制御部41の制御用外部クロック端子を介してクロック回路に供給される。
【0071】
乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、たとえば、メイン制御部41の乱数用外部クロック端子(RCK端子)を介して乱数回路に供給される。
【0072】
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧(あるいは、電力)を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
【0073】
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、タイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとに後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
【0074】
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
【0075】
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0076】
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0077】
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0078】
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役物などを演出装置として適用してもよい。
【0079】
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0080】
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、スロットマシン1への電力供給が遮断(電断とも称する)されるときにおいてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
【0081】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
【0082】
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
【0083】
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0084】
設定値を変更するためには、まず、スロットマシン1の電源をoff状態とした後、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。
【0085】
設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、設定変更時には、スロットマシン1の電源がoff状態とされることになるが、RAM41cに記憶されたフリーズ制御に関する情報は、電源がoff状態とされても消去されないようになっている。
【0086】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0087】
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
【0088】
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
【0089】
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
【0090】
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0091】
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0092】
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0093】
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、RT3終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
【0094】
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cのすべての領域が初期化される。初期化2は、RT3終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
【0095】
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施の形態ではいずれの遊技状態であっても3)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
【0096】
本実施の形態のスロットマシン1は、すべてのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常にすべての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと称する)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも称する。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0097】
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。また、本実施の形態では、上記の役のうち特別役を備えず、小役、再遊技役のみ内部抽選および入賞の対象となる構成であるが、特別役を備え、特別役が内部抽選および入賞の対象となる構成としてもよい。
【0098】
[内部抽選]
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、すべてのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
【0099】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0100】
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
【0101】
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。なお、本実施の形態では、特別役を備えていない構成であるため、上記内部当選フラグ格納ワークのうち一般役格納ワークのみが用いられる。
【0102】
また、本実施の形態では、抽選対象役ごとに当選と判定される判定値の数である判定値数を定めておくとともに、抽選対象役ごとに判定値数を乱数値に順次加算(減算)し、オーバーフローした場合に、判定値数に対応する役の当選を判定する構成であるが、抽選対象役ごとに当選と判定される乱数値の範囲を定めておくとともに、乱数値が属する範囲に対応する役の当選を判定する構成としてもよい。
【0103】
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0104】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と称する)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスとからなる。
【0105】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、すべてのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているかによって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。
【0106】
なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0107】
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。
【0108】
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
【0109】
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0110】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データからすべてのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開してすべてのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0111】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0112】
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
【0113】
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0114】
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。
【0115】
このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)のすべてが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0116】
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0117】
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
【0118】
なお、本実施の形態では、特別役を備えない構成であるが、特別役を備える構成においては、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行うようにすればよい。
【0119】
これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
【0120】
すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。
【0121】
また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
【0122】
また、特別役を備える構成においては、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われるようにすればよい。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
【0123】
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
【0124】
本実施の形態においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
【0125】
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
【0126】
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制するようになっている。
【0127】
[コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、停止順種別コマンド、初回コマンド、フリーズ中コマンド、位置変更報知コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0128】
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0129】
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0130】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0131】
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
【0132】
停止順種別コマンドは、内部抽選において停止順種別を適用する対象役(たとえば、ハズレ、通常リプレイ、通常+特別リプレイ7、8)の当選時において行う停止順種別選択抽選にて選択された停止順種別を特定可能なコマンドであり、当該対象役の当選時において内部当選コマンドの送信後に送信される。
【0133】
初回コマンドは、リール演出制御の発生契機となるコマンドであり、フリーズ開始時に送信される。フリーズ制御とは、1ゲーム内で所定の遅延制御の実行期間(以下、フリーズ期間とも称する)にわたってゲームの進行を遅延させるための制御である。本実施の形態においては、フリーズに制御されると、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効に受付ける有効受付状態となるタイミングを遅延させる遅延制御が所定期間(フリーズ期間)にわたり遅延されるようになっている。
【0134】
リール演出とは、フリーズ中に行われる演出であり、本実施の形態においては、3つのリール同士の相対的な位置関係が、特定の図柄(たとえば、赤7、白7の図柄)が一直線上に並ぶ位置関係(特定位置関係とも称する)となったままリールが同期回転してフリーズするといった演出が行われる。このように、リール演出においては、赤7(「7a」)、白7(「7c」)の図柄が一直線上に並ぶようにしてリールが同期回転するため、RT3に移行するための後述する特別リプレイ1の図柄組合せ(7a/7b/7c−7a/7b/7c−7a/7b/7c)が導出されるかのように、遊技者に期待させることができる。なお、本実施の形態においては、ゲームが終了した後、所定のフリーズ期間にわたり、スタート操作の有効化を遅延させるフリーズにも制御可能である。
【0135】
フリーズ中コマンドは、フリーズ中であることを特定可能なコマンドである。位置変更報知コマンドは、フリーズ中のリール演出制御が終了して、3つのリール同士の相対的な位置関係が、ランダムな位置関係となった旨を特定可能なコマンドである。
【0136】
リール回転開始コマンドは、フリーズに制御されないゲームにおいてリールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
【0137】
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
【0138】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0139】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。遊技状態コマンドは、現在の遊技状態(RT0〜3のいずれか)を特定可能なコマンドであり、電断復帰時またはゲームの終了時に送信される。
【0140】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0141】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、RT3終了後に打止状態に制御される場合に打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0142】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0143】
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0144】
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
【0145】
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
【0146】
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、定期的に送信される。
【0147】
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
【0148】
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
【0149】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
【0150】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0151】
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0152】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
【0153】
[入賞役]
図5図7は、本実施の形態のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態の概要を示す図である。本実施の形態におけるスロットマシンは、図8に示すように、RT0〜3のいずれかに制御される。
【0154】
次に、図5を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、チェリー1〜3、上段スイカ、中段スイカ、右下がりスイカ、右上がりスイカ、1枚1〜3が含まれる。中段ベルは、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
【0155】
ここで、図3を参照すると、中段ベルを構成する左リール2Lの「ベルa」および「ベルb」、中リール2Cの「ベルa」、右リール2Rの「ベルa」は、各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
【0156】
右下がりベルは、入賞ラインLNに「リプレイa/リプレイb−ベルa−リプレイa/リプレイb」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
【0157】
ここで、図3を参照すると、右下がりベルを構成する左リール2Lの「リプレイa」、「リプレイb」は、「ベルa」または「ベルb」の1つ下の位置に配置されており、右リール2Rの「リプレイa」、「リプレイb」は、「ベルa」または「ベルb」の1つ上の位置に配置されているので、「リプレイa/リプレイb−ベルa−リプレイa/リプレイb」の組合せが揃うと、「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa/ベルb」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。
【0158】
また、右下がりベルを構成する左リール2L「リプレイa」、「リプレイb」、中リール2Cの「ベルa」、右リール2Rの「リプレイa」、「リプレイb」は、各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右下がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
【0159】
上段ベル1は、入賞ラインLNに「リプレイa−7a/7c−7a/7c」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、上段ベル1を構成する左リール2Lの「リプレイa」、中リールの「7a」および「7c」、右リール2Rの「7a」および「7c」は、「ベルa」または「ベルb」の1つ下の位置に配置されているので、「リプレイa−7a/7c−7a/7c」の組合せが揃うと、「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。
【0160】
また、上段ベル1を構成する左リール2Lの「リプレイa」、中リール2Cの「7a」および「7c」、右リール2Rの「7a」および「7c」は、いずれも5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において上段ベル1に当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベル1に入賞することはない。
【0161】
上段ベル2は、入賞ラインLNに「リプレイa−7a/7c−7b」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、上段ベル2を構成する左リール2Lの「リプレイa」、中リールの「7a」および「7c」、右リール2Rの「7b」は、「ベルa」または「ベルb」の1つ下の位置に配置されているので、「リプレイa−7a/7c−7b」の組合せが揃うと、「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。
【0162】
また、上段ベル2を構成する左リール2Lの「リプレイa」、中リール2Cの「7a」および「7c」、右リール2Rの「7b」は、いずれも5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において上段ベル2に当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベル2に入賞することはない。
【0163】
上段ベル3〜8については、各々、図5に示す図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。また、この場合には、上段ベル2と同様に、ベルaまたはベルbの組合せが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。また、上段ベル3〜8各々を構成する図柄は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において上段ベル3〜8のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベルに入賞することはない。
【0164】
チェリー1〜3、上段スイカ、中段スイカ、右下がりスイカ、右上がりスイカ、1枚1〜3についても、各々、図5に示す図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに入賞となり、図5に示す払出枚数分のメダルが払い出される。
【0165】
また、チェリー1〜3、上段スイカ、中段スイカ、右下がりスイカ、右上がりスイカ、1枚1〜3については、いずれも、入賞を構成する図柄が5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選におい当選していても、適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。
【0166】
チェリー2が入賞すると、見た目上は、左リールの無効ラインLM1およびLM2または無効ラインLM3およびLM4に「チェリー」が停止し、かつ中リール2Cの中段に「リプレイa」または「リプレイb」が停止した停止態様と見ることができる。チェリー3が入賞すると、見た目上は、左リールの無効ラインLM1およびLM2または無効ラインLM3およびLM4に「チェリー」が停止し、かつ中リール2Cの中段に「ベルa」または「チェリー」が停止した停止態様と見ることができる。
【0167】
上段スイカが入賞すると、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。右下がりスイカが入賞すると、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。右上がりスイカが入賞すると、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。
【0168】
次に、図6を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ1〜4、昇格リプレイ、転落リプレイ、特別リプレイ1〜3が含まれる。なお、以下では、特に区別する必要がない場合には、通常リプレイ1〜4を単に通常リプレイと呼び、特別リプレイ1〜3を単に特別リプレイと称する。
【0169】
いずれのリプレイについても、各々、図6に示す図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。また、いずれのリプレイについても、入賞を構成する図柄が5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
【0170】
RT1において昇格リプレイに入賞するとRT2へ移行する。昇格リプレイに入賞すると、「リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb」、の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。RT2、RT3において転落リプレイに入賞するとRT1へ移行する。
【0171】
RT1、2において特別リプレイ1〜3のいずれかに入賞するとRT3に移行する。特別リプレイ2が入賞すると、「7a/7b/7c−7a/7b/7c−7a/7b/7c」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。特別リプレイ3が入賞すると、「7a/7b/7c−7a/7b/7c−7a/7b/7c」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。
【0172】
次に、図7を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図7に示すように、「リプレイa/リプレイb−7a/7b/7c−ベルa」、「リプレイa/リプレイb−ベルa−7a/7b/7c」、「リプレイa/リプレイb−7a/7b/7c−7a/7b/7c」の組合せであり、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施の形態では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。
【0173】
[抽選対象役]
次に、図10図13を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0であるか、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、によって内部抽選の対象となる役およびその当選確率のいずれか一方が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図12および図13は、抽選対象役ごとに読み出される役の組合せを示しており、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
【0174】
図10図11においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
【0175】
また、○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。また、図10は、遊技状態(RTの種類)ごとに抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図11は、遊技状態(RTの種類)ごとに抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
【0176】
RT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱1枚、強1枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
【0177】
RT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱1枚、強1枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプレイ、転落+昇格リプレイ1〜5、通常+特別リプレイ7〜9、通常+テンパイリプレイが内部抽選の対象役となる。
【0178】
RT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱1枚、強1枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプレイ、通常+転落リプレイ1〜9、通常+特別リプレイ1〜6が内部抽選の対象役となる。
【0179】
RT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱1枚、強1枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプレイ、通常+転落リプレイ1〜3、通常+特別リプレイ7〜9、通常+テンパイリプレイが内部抽選の対象役となる。
【0180】
図12に示すように、共通ベルとは右下がりベルの単独当選であり、共通ベルの当選時には、必ず右下がりベルの組合せが揃う。左ベル1とは、右下がりベル+上段ベル1+上段ベル4であり、左ベル2とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3であり、左ベル3とは、右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7であり、左ベル4とは、右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8である。左ベル1〜4を単に左ベルとも称する。
【0181】
中ベル1とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル6であり、中ベル2とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル5であり、中ベル3とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル8であり、中ベル4とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル7である。中ベル1〜4を単に中ベルとも称する。右ベル1とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル7であり、右ベル2とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル5であり、右ベル3とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル8であり、右ベル4とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル6である。右ベル1〜4を単に右ベルとも称する。また、これら左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を単に押し順ベルとも称する。
【0182】
中段チェリーは、チェリー1の単独当選である。弱チェリーとは、チェリー2+チェリー3+1枚1+1枚3であり、強チェリーとは、チェリー2+チェリー3+1枚2+1枚3である。弱チェリー当選時、強チェリー当選は、ともに「7c」または「スイカb」の引込範囲内となるタイミングで左リールの停止操作が行われた場合に、左リール2Lの上段または下段に「チェリー」が導出されるが、弱チェリー当選時は、中リール2Cおよび右リール2Rに「チェリー」を狙っても、無効ラインLM3、LM4のいずれにも「チェリー−チェリー−チェリー」の組合せが揃わないように制御されるのに対して、強チェリー当選時は、中リール2Cおよび右リール2Rに「チェリー」を狙って停止操作を行うことにより、無効ラインLM3、LM4の一方に「チェリー−チェリー−チェリー」の組合せを揃えることが可能に制御される。
【0183】
このため、左、中、右リールにそれぞれ「チェリー」を狙って停止操作を行い、左リールの上段または下段に「チェリー」が停止した場合において、無効ラインLM3、LM4の一方に「チェリー−チェリー−チェリー」の組合せが揃うか否かにより強チェリーであるか弱チェリーであるか、を認識できる。
【0184】
弱1枚とは、1枚1の単独当選であり、強1枚とは1枚2の単独当選である。弱1枚の当選時には、1枚1を構成する「7b−スイカb−チェリー」が揃うように制御されるとともに、「7b−スイカb−チェリー」が揃わない場合でも、特定の操作態様にて停止操作を行うことにより弱1枚または強1枚の当選時にしか導出されない弱チャンス目を導出可能に制御される一方、強1枚の当選時には、1枚2を構成する「7b−スイカb−スイカb」が揃うように制御されるとともに、「7b−スイカb−スイカb」が揃わない場合でも、特定の操作態様にて停止操作を行うことにより強1枚の当選時にしか導出されない強チャンス目を導出可能に制御される。
【0185】
このため、1枚1を構成する「7b−スイカb−チェリー」が揃うか、または特定の操作態様にて停止操作を行った結果、弱チャンス目が導出されることで、弱1枚の当選を認識でき、1枚1を構成する「7b−スイカb−スイカb」が揃うか、または特定の操作態様にて停止操作を行った結果、強チャンス目が導出されることで強1枚の当選を認識できる。
【0186】
弱スイカとは、上段スイカ+右下がりスイカ+右上がりスイカであり、強スイカとは、上段スイカ+中段スイカ+右下がりスイカ+右上がりスイカである。弱スイカの当選時には、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せを中段に停止可能なタイミングで左、中、右リールの停止操作を行った場合でも、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが上段、右下がりまたは右上がりに揃うように制御される一方、強スイカの当選時には、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せを中段に停止可能なタイミングで左、中、右リールの停止操作を行った場合に、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが中段に揃うように制御される。
【0187】
このため、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せを中段に停止可能なタイミングで左、中、右リールの停止操作を行った結果、「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが上段、右下がりまたは右上がりに揃うか、中段に揃うか、によって弱スイカの当選であるか、強スイカの当選であるか、を認識できる。
【0188】
図13に示すように、通常リプレイとは、通常リプレイ1の単独当選であり、通常リプレイの当選時には、必ず通常リプレイ1の組合せが揃う。転落+昇格リプレイ1とは、昇格リプレイ+転落リプレイであり、転落+昇格リプレイ2とは、通常リプレイ1+昇格リプレイ+転落リプレイであり、転落+昇格リプレイ3とは、通常リプレイ1+通常リプレイ2+昇格リプレイ+転落リプレイであり、転落+昇格リプレイ4とは、通常リプレイ1+通常リプレイ3+昇格リプレイ+転落リプレイであり、転落+昇格リプレイ5とは、通常リプレイ1+昇格リプレイ+転落リプレイ+特別リプレイ1である。
【0189】
通常+転落リプレイ1とは、通常リプレイ1+転落リプレイであり、通常+転落リプレイ2とは、通常リプレイ1+転落リプレイ+特別リプレイ1であり、通常+転落リプレイ3とは、通常リプレイ1+転落リプレイ+特別リプレイ2である。
【0190】
通常+特別リプレイ1とは、通常リプレイ1+通常リプレイ2+通常リプレイ3+特別リプレイ1であり、通常+特別リプレイ2とは、通常リプレイ1+通常リプレイ2+特別リプレイ1であり、通常+特別リプレイ3とは、通常リプレイ1+通常リプレイ2+通常リプレイ3+昇格リプレイ+特別リプレイ1であり、通常+特別リプレイ4とは、通常リプレイ1+通常リプレイ2+通常リプレイ3+特別リプレイ3であり、通常+特別リプレイ5とは、通常リプレイ2+通常リプレイ3+特別リプレイ3であり、通常+特別リプレイ6とは、通常リプレイ1+通常リプレイ2+通常リプレイ3+昇格リプレイ+特別リプレイ3であり、通常+特別リプレイ7とは、通常リプレイ1+特別リプレイ1であり、通常+特別リプレイ8とは、通常リプレイ1+特別リプレイ1+特別リプレイ2であり、通常+特別リプレイ9とは、通常リプレイ1+特別リプレイ1+特別リプレイ2+特別リプレイ3である。通常+テンパイリプレイとは、通常リプレイ1+通常リプレイ3+通常リプレイ4である。
【0191】
[小役当選時のリール制御]
本実施の形態では、複数種類の小役が同時に当選している場合には、図14に示すように、同時当選した小役の種類および停止操作順に応じて定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。左ベル1(右下がりベル+上段ベル1+上段ベル4)が当選し、左押し(左リールを最初に停止させる停止操作)で停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押し(中リールを最初に停止させる停止操作)または右押し(右リールを最初に停止させる停止操作)で停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル4または移行出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0192】
左ベル2〜4のいずれかが当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、当選している上段ベルまたは移行出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0193】
図3に示すように、右下がりベルの構成図柄は、すべてのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、すべてのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
【0194】
中ベル1(中段ベル+上段ベル1+上段ベル6)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル6または移行出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0195】
中ベル2〜4のいずれかが当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、当選している上段ベルまたは移行出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0196】
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、すべてのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、中ベル1〜4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、すべてのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、中ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
【0197】
右ベル1(中段ベル+上段ベル1+上段ベル7)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル7または移行出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0198】
右ベル2〜4のいずれかが当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、当選している上段ベルまたは移行出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0199】
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、すべてのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、すべてのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
【0200】
このように本実施の形態では、左ベル、中ベル、右ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。
【0201】
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできず、停止順が一致すれば、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、停止順が一致しなければ一定の割合でしかメダルを獲得することができない。
【0202】
[再遊技役当選時のリール制御]
本実施の形態では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、図15に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
【0203】
転落+昇格リプレイ1(昇格リプレイ+転落リプレイ)が当選し、左押しで停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0204】
転落+昇格リプレイ2〜5のいずれかに当選しているときも同様に、対応する押し順(転落+昇格リプレイ2であれば中左右の順番)で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、対応する押し順以外の順番(転落+昇格リプレイ2であれば中左右以外の順番)で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0205】
図3に示すように、昇格リプレイおよび転落リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rのすべてにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、昇格リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
【0206】
このように、転落+昇格リプレイ1〜5では、昇格リプレイを入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、転落+昇格リプレイ1〜5が内部抽選の対象となるRT1において、転落+昇格リプレイ1〜5のいずれかが当選し、かつその種類に応じた操作態様と一致することで、昇格リプレイが入賞し、RT2へ移行することとなる。
【0207】
通常+転落リプレイ1(通常リプレイ1+転落リプレイ)が当選し、左押しで停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0208】
通常+転落リプレイ2(通常リプレイ1+転落リプレイ+特別リプレイ1)が当選し、中押しで停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0209】
通常+転落リプレイ3(通常リプレイ1+転落リプレイ+特別リプレイ2)が当選し、右押しの順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しの順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0210】
図3に示すように、通常リプレイ1および転落リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rのすべてにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、通常リプレイ1または転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
【0211】
このように、通常+転落リプレイ1〜3では、転落リプレイを回避するための操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、通常+転落リプレイ1〜3が内部抽選の対象となるRT2およびRT3において、通常+転落リプレイ1〜3のいずれかが当選した場合には、通常リプレイを入賞させる操作態様と一致すればRT1への移行を回避できるが、通常リプレイを入賞させる操作態様と一致しなければ転落リプレイが入賞し、RT1へ移行することとなる。
【0212】
通常+特別リプレイ1(通常リプレイ1+通常リプレイ2+通常リプレイ3+特別リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特別リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイ1〜3のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0213】
通常+特別リプレイ2〜6のいずれかに当選しているときも同様に、対応する押し順(通常+特別リプレイ2であれば左右中の順番)で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特別リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、対応する押し順以外の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイのいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
【0214】
図3に示すように、特別リプレイ1〜3および通常リプレイ1〜3を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rのすべてにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、特別リプレイ1〜3または通常リプレイ1〜3が必ず入賞するようにリール制御が行われる。
【0215】
このように、通常+特別リプレイ1〜6では、特別リプレイを入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、通常+特別リプレイ1〜6が内部抽選の対象となるRT2において、通常+特別リプレイ1〜6のいずれかが当選している場合には、特別リプレイを入賞させる操作態様に一致すれば特別リプレイが入賞し、特にRT2であればRT3へ移行することとなるが、一致しなければ通常リプレイが入賞することとなる。
【0216】
通常+特別リプレイ7(通常リプレイ1+特別リプレイ1)または通常+特別リプレイ8(通常リプレイ1+特別リプレイ1+特別リプレイ2)が当選し、右左中または右中左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特別リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに停止させる制御を行い、左中右、左右中、中左右または中右左の順番で停止操作がされた場合、すなわち左リールまたは中リールを第1停止とした場合には、通常リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。通常+特別リプレイ9(通常リプレイ1+特別リプレイ1+特別リプレイ2+特別リプレイ3)が当選した場合には、操作手順(押し順や操作タイミング)にかかわらず、当選した再遊技役のうち特別リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに停止させる制御を行う。
【0217】
通常+テンパイリプレイ(通常リプレイ1+通常リプレイ3+通常リプレイ4)が当選し、右左中の順番で停止操作がされた場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイ3(第2停止までに7a/7b/7cが入賞ラインLNに停止(テンパイ)し、かつ第3停止時に7a/7b/7c以外の図柄が入賞ラインLNに停止する停止態様)の組合せを入賞ラインLNに停止させる制御を行い、右中左の順番で停止操作がされた場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイ4(第2停止までに7a/7b/7cが入賞ラインLNに停止(テンパイ)し、かつ第3停止時に7a/7b/7c以外の図柄が入賞ラインLNに停止する停止態様)の組合せを入賞ラインLNに停止させる制御を行う。
【0218】
図3に示すように、特別リプレイ1、通常リプレイ1、3、4を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rのすべてにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、特別リプレイ1または通常リプレイ1〜4が必ず入賞するようにリール制御が行われる。
【0219】
このように、通常+特別リプレイ7または8では、特別リプレイ1(7a/7b/7c−7a/7b/7c−7a/7b/7cの組合せ)を入賞させるための操作態様が一律に右リールを第1停止とする操作態様に設定されており、通常リプレイ1(リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb/スイカa/スイカbの組合せ)を入賞させる操作態様が一律に左リールまたは中リールを第1停止とする操作態様に設定されている。このため、通常+特別リプレイ7が内部抽選の対象となるRT1、RT3において、通常+特別リプレイ7が当選している場合には、右リールを第1停止とした場合には必ず特別リプレイ1(7a/7b/7c−7a/7b/7c−7a/7b/7cの組合せ)が入賞し、左リールまたは右リールを第1停止とした場合には、必ず通常リプレイ1(リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb/スイカa/スイカbの組合せ)が入賞することとなる。これに対し、通常+特別リプレイ9では、操作手順にかかわらず、特別リプレイ1が入賞することとなる。
【0220】
また、通常+テンパイリプレイでは、通常リプレイ3(第2停止までに7a/7b/7cが入賞ラインLNに停止(テンパイ)し、かつ第3停止時に7a/7b/7c以外の図柄が入賞ラインLNに停止する停止態様)を入賞させるための操作態様が一律に右左中の停止順とする操作態様に設定されており、通常リプレイ4(第2停止までに7a/7b/7cが入賞ラインLNに停止(テンパイ)し、かつ第3停止時に7a/7b/7c以外の図柄が入賞ラインLNに停止する停止態様)を入賞させるための操作態様が一律に右中左の停止順とする操作態様に設定されており、通常リプレイ1(リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb/スイカa/スイカbの組合せ)を入賞させる操作態様が一律に左リールまたは中リールを第1停止とする操作態様に設定されている。
【0221】
このため、通常+テンパイリプレイが内部抽選の対象となるRT1、RT3において、通常+テンパイリプレイが当選している場合には、右左中の停止順とした場合には必ず通常リプレイ3(第2停止までに7a/7b/7cが入賞ラインLNに停止(テンパイ)し、かつ第3停止時に7a/7b/7c以外の図柄が入賞ラインLNに停止する停止態様)が入賞し、右中左の停止順とした場合には必ず通常リプレイ4(第2停止までに7a/7b/7cが入賞ラインLNに停止(テンパイ)し、かつ第3停止時に7a/7b/7c以外の図柄が入賞ラインLNに停止する停止態様)が入賞し左リールまたは右リールを第1停止とした場合には、必ず通常リプレイ1(リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb/スイカa/スイカbの組合せ)が入賞することとなる。
【0222】
本実施の形態では、図8および図9に示すように、RT0〜3のいずれかに制御される。RT0は、設定変更後に移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数にかかわらず、移行出目の停止によりRT1に移行することで終了する。RT0における再遊技役の当選確率は、約1/7.3であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイのみ入賞し得る。
【0223】
RT1は、RT0、RT2、RT3において移行出目が停止するか、RT2、3において転落リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT1は、昇格リプレイが入賞することでRT2に移行するか、特別リプレイが入賞することでRT3に移行することで終了する。RT1における再遊技役の当選確率は、約1/7.3であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、転落+昇格リプレイ1〜5、通常+特別リプレイ7〜9、通常+テンパイリプレイが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、特別リプレイが入賞し得る。
【0224】
RT2は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(転落+昇格リプレイ1〜5のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)に移行する。そして、RT2は、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別リプレイの入賞によりRT3に移行することで終了する。RT2における再遊技役の当選確率は、約1/3.06であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、通常+転落リプレイ1〜3、通常+特別リプレイ1〜6が内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特別リプレイが入賞し得る。
【0225】
RT3は、RT1において特別リプレイが入賞したとき(通常+特別リプレイ7または8が当選して右リールを第1停止とする停止操作がされたとき、通常+特別リプレイ9が当選したとき)、またはRT2において特別リプレイが入賞したとき(通常+特別リプレイ1〜6が当選し、特別リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)に移行する。そして、RT3は、転落リプレイが入賞するか移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。RT3における再遊技役の当選確率は、約1/1.27であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、通常+転落リプレイ1〜3、通常+特別リプレイ7〜9、通常+テンパイリプレイが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特別リプレイが入賞し得る。
【0226】
RT0〜3のうち、RT3が1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜2のうちRT2は、再遊技役の当選確率がRT0、1よりも高確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0、1に比較して高い点において、RT0、1よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、本実施の形態では、遊技状態がRT1〜3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
【0227】
[遊技状態の遷移]
ここで本実施の形態の遊技状態の遷移について説明すると、図8に示すように、設定変更後は、まずRT0に制御される。RT0では、移行出目が停止することで、RT1に移行する。RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、設定変更後に移行したRT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、RT1に移行することとなる。
【0228】
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT2に移行する。RT1では転落+昇格1〜5が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、RT1では、転落+昇格1〜5が当選し、停止順に正解することでRT2へ移行することとなる。また、RT1では、通常+特別リプレイ7、通常+特別リプレイ8、および、通常+特別リプレイ9のいずれかが当選し、特別リプレイが入賞することでRT3に移行する。
【0229】
RT2では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行し、特別リプレイが入賞することでRT3へ移行する。RT2では通常+転落リプレイ1〜3が当選し、停止順が不正解となることで転落リプレイが入賞する。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT2では、通常+転落リプレイ1〜3が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。一方、RT2では、通常+特別リプレイ1〜6が当選し、停止順が正解となることで特別リプレイが入賞する。このため、RT2では、通常+特別リプレイ1〜6が当選し、停止順が正解することでRT3へ移行することとなる。
【0230】
RT3では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行する。RT3では通常+転落リプレイ1〜3が当選し、停止順が不正解となることで転落リプレイが入賞する。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT3では、通常+転落リプレイ1〜3が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
【0231】
[演出制御状態判定処理]
本実施の形態においてメイン制御部41は、所定のフリーズ条件が成立しているときに、スタート操作されてからストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付けを有効化するタイミングを遅延させるフリーズ(以下では、スタート後フリーズともいう)に制御可能となっており、当該フリーズが終了するまでの期間にわたりストップスイッチ8L、8C、8R操作が無効化される。この場合、フリーズ中にストップスイッチの操作がされても当該操作は有効に受付けられず、1ゲームの結果としてリールが停止されることもない。本実施の形態では、後述するように、スタート後フリーズに制御されることにより、非AT中においては特典付与抽選が行われるチャンスゾーンに制御される可能性がある旨が報知され、AT中においてはナビストックが上乗せされた旨が報知される。なお、フリーズは、スタート後に発生させるものに限らず、ゲーム終了時など所定のタイミングに発生するものであればよい。
【0232】
メイン制御部41は、内部抽選結果がハズレの場合(いずれの役も当選していない場合)、通常リプレイ1が当選した場合に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を特定可能な停止順種別として種別0または種別1をランダムに選択する停止順種別選択抽選を行い、選択した停止順種別をRAM41cに設定するとともに、選択した停止順種別を特定可能な停止順種別コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41から送信された停止順種別コマンドから特定可能な停止順種別によって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を特定し、特定した押し順に対応する判定用ナビ演出を実行する。
【0233】
ここで、本実施の形態におけるナビ演出には、判定用ナビ演出と、通常のナビ演出とが含まれている。判定用ナビ演出とは、判定用役(ハズレ、通常リプレイ1)の当選時に、メイン制御部41が、現在の演出状態がAT中であるか否かを判定するために用いられるナビ演出であり、通常のナビ演出とは、判定用ナビ演出とは異なり、AT中であるか否かを判定することには用いられないナビ演出である。つまり、判定用ナビ演出においては、通常のナビ演出と同様に遊技者に対してストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を報知する演出がされるとともに、さらに、当該演出を利用して、演出制御状態判定処理によってメイン制御部41がAT中であるか否かを判定することができる。
【0234】
具体的には、メイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順と停止順種別選択抽選において選択された種別に対応付けられた押し順とを比較し、両者が一致した回数をカウントする。そのカウント値が「3」になれば、メイン制御部41は、現在の演出状態がAT中であることを特定することができる。
【0235】
[非AT中においてフリーズに制御されるまでの流れ]
メイン制御部41は、演出制御状態判定処理においてAT中であると判定されていない期間のうち通常+特別リプレイ7〜9に当選した場合に、図16に示すような処理を行う。まず、メイン制御部41は、通常+特別リプレイ7または8に当選したか否かを判定する(S11)。メイン制御部41は、通常+特別リプレイ7または8に当選していると判定したときには(S11でY)、当該ゲームにおいて選択した停止順種別が0であれば(S12でY)、実際の停止順が右リールを第1停止とする停止順、すなわち特別リプレイを入賞させる停止順のうち右中左であるか否かを判定し(S13)、実際の停止順が右中左であれば(S13でY)、通常+特別リプレイ7または8当選時の遊技状態がRT1であることを条件として(S15でY)、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御する(S16)。
【0236】
また、メイン制御部41は、通常+特別リプレイ7または8に当選していると判定したときには(S11でY)、当該ゲームにおいて選択した停止順種別が1であれば(S12でN)、実際の停止順が右リールを第1停止とする停止順、すなわち特別リプレイを入賞させる停止順のうち右左中であるか否かを判定し(S14)、実際の停止順が右左中であれば(S14でY)、通常+特別リプレイ当選時の遊技状態がRT1であることを条件として(S15でY)、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御する(S16)。
【0237】
前述のように通常+特別リプレイ7または8の当選時に右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には特別リプレイ1が入賞するので、RT1において通常+特別リプレイ7または8が当選し、スタート後フリーズに制御される場合には、フリーズの開始前に特別リプレイ1が入賞することとなる。
【0238】
一方、メイン制御部41は、通常+特別リプレイ7または8に当選していると判定したときにおいて(S11でY)、当該ゲームにおいて選択した停止順種別が0であり(S12でY)、かつ実際の停止順が右中左以外の停止順である場合(S13でN)、当該ゲームにおいて選択した停止順種別が1であり(S12でN)、かつ実際の停止順が右左中以外の停止順である場合(S14でN)、および通常+特別リプレイ7または8当選時の遊技状態がRT1でなかった場合(S13でN)のいずれかであったときには、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御しない。
【0239】
一方、メイン制御部41は、通常+特別リプレイ9に当選していると判定したときには(S11でN)、停止順にかかわらず、通常+特別リプレイ9当選時の遊技状態がRT1であることを条件として(S15でY)、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御する(S16)。
【0240】
ここで、RT1中であるときには、比較的、高確率で当選する転落+昇格リプレイ1〜5に当選しても昇格リプレイを入賞させる手順で操作されないことから、サブ制御部91により制御されている演出状態が非ATであると判定される可能性が高い。一方、RT2やRT3中であるときには、ナビ演出により操作手順が報知された結果、制御された可能性が高く、サブ制御部91により制御されている演出状態がATであると判定される可能性が高い。これに鑑みて、図16で示したように、チャンスゾーンへの移行やATに制御される旨を報知するスタート後フリーズへの制御は、メイン制御部41によりAT中であることが特定されていない期間中の、通常+特別リプレイ7〜9のいずれかに当選したゲームにおいて、停止順種別選択抽選で決定された停止順で操作されたことや、さらに、RT1中であることを条件として実行されるように構成した。
【0241】
[AT中においてフリーズに制御されるまでの流れ]
メイン制御部41は、演出制御状態判定処理においてAT中であると判定されている期間のうち通常+特別リプレイ7〜9のいずれかに当選したゲームにおいては、図17に示すような処理を行う。
【0242】
メイン制御部41は、演出制御状態判定処理においてAT中であると判定されている期間において通常+特別リプレイ7〜9のいずれかに当選したゲームにおいては、当選した役が通常+特別リプレイ7または8に当選していると判定したときには(S31でY)、選択した停止順種別が0であれば(S32でY)、実際の停止順が右リールを第1停止とする停止順のうち右中左であるか否かを判定し(S33)、実際の停止順が右中左であれば(S33でY)、現在の遊技状態がRT3であることを条件として(S35でY)、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御する(S36)。なお、このときのスタート後フリーズへの制御は、特別リプレイ1が入賞した後に行われるため、フリーズ前の出目は、特別リプレイ1の出目(7a/7b/7c−7a/7b/7c−7a/7b/7cの組合せ)のうちいずれかとなる。
【0243】
また、メイン制御部41は、通常+特別リプレイ7または8に当選していると判定したときには(S31でY)、選択した停止順種別が1であれば(S32でN)、実際の停止順が中リールを第1停止とする停止順のうち中左右であるか否かを判定し(S34)、実際の停止順が中左右であれば(S34でY)、現在の遊技状態がRT3であることを条件として(S35でY)、スタート後フリーズに制御する(S36)。なお、このときのスタート後フリーズへの制御は、通常リプレイ1が入賞した後に行われるため、フリーズ前の出目は、通常リプレイ1の出目(リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb−リプレイa/リプレイb/スイカa/スイカbの組合せ)のうちいずれかとなる。
【0244】
一方、メイン制御部41は、選択した停止順種別が0であり(S32でY)、かつ実際の停止順が右中左以外の停止順である場合(S33でN)、選択した停止順種別が1であり(S32でN)、かつ実際の停止順が中左右以外の停止順である場合(S34でN)、および現在の遊技状態がRT3でなかった場合(S35でN)のいずれかであったときには、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御しない。
【0245】
メイン制御部41は、通常+特別リプレイ9に当選していると判定したときには(S31でN)、現在の遊技状態がRT3であることを条件として(S35でY)、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御する(S36)。なお、このときのスタート後フリーズへの制御は、特別リプレイ1が入賞した後に行われるため、フリーズ前の出目は、特別リプレイ1の出目(7a/7b/7c−7a/7b/7c−7a/7b/7cの組合せ)のうちいずれかとなる。
【0246】
このように、スタート後フリーズへの制御は、通常+特別リプレイ7〜9のいずれかに当選したゲームにおいて、停止順種別選択抽選で決定された停止順で操作されたときや、さらに、メイン制御部41によりAT中でありスタート後フリーズへの制御が可能な特定期間であることが特定されており、かつRT3中であることを条件として実行されるように構成した。このため、スタート後フリーズへは、少なくともRT1中やメイン制御部41によりAT中であることが特定されていない期間など意図しないゲームの状況では制御されず、RT3中やメイン制御部41によりAT中であることが特定されている適切な期間において制御されるため、遊技の興趣が向上することになる。
【0247】
[ナビストック抽選]
本実施の形態において、サブ制御部91は、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱1枚、強1枚、弱スイカ、強スイカの当選時にARTに制御する権利であるナビストックを付与するか否かを決定するナビストック抽選(以下、通常時ナビストック抽選ともいう)を行う。中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱1枚、強1枚、弱スイカ、強スイカの当選時のナビストック抽選では、0を含むナビストック数を決定することにより、ナビストック数を付与するか否か、および付与する場合にはその個数が決定される。
【0248】
ナビストック数とは、所定ゲーム数(本実施の形態では50ゲーム)に亘りARTに制御される権利の数を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ARTに制御され、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。なお、ナビストック数が残っているときに、ナビストックが当選した場合には、残っているナビストック数に今回当選したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施の形態では、抽選契機となった役の種類に応じて、ナビストック抽選において当選する確率や、ナビストック抽選におけるナビストックの平均当選個数が異なる。
【0249】
また、本実施の形態では、非AT中においてフリーズが発生した場合に、特典を付与し得るチャンスゾーンに制御可能となる。特典には、ナビストックの付与や、再びチャンスゾーンへ制御などが含まれる。チャンスゾーンにおけるナビストック抽選は、通常時ナビストック抽選よりも有利な態様(ナビストック抽選において当選する確率が高い、ナビストック抽選におけるナビストックの平均当選個数が多い)で抽選が行われる。
【0250】
サブ制御部91は、ART中以外の状態でナビストック抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの後述するナビストック数格納領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ARTに制御するか否かを特定する。そして、所定の導入演出を経てARTの当選を示すART確定報知が行われた後にまずATに制御する。チャンスゾーンにおいて特典としてナビストックを獲得したときには、獲得した特典が報知された後、すぐにATに制御される。
【0251】
サブ制御部91は、RT1〜3においてATに制御されていない状態であるときに、ナビストックが残っていることを条件(たとえばナビストックの存在が報知された後)にATへの制御が可能となる。具体的に、サブ制御部91は、RT1〜3(主にRT1)において、ナビストックが残っているときにはATに制御する。RT1からRT3に移行するまでの期間においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御され、ナビ演出が実行可能となる。この際、RT1においては、転落+昇格リプレイ1〜5の当選時にナビ演出の対象となり、ナビ演出では、転落+昇格リプレイ1〜5の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことによりRT1からRT2に移行させることが可能となる。
【0252】
また、ATの制御開始後、RT1からRT2へ移行する間も押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となる。RT2においては、通常+特別リプレイ1〜6の当選時にナビ演出の対象となり、ナビ演出では、通常+特別リプレイ1〜6の当選時に特別リプレイを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことによりRT2からRT3に移行させることが可能となる。
【0253】
また、ATの制御開始後、RT2からRT3へ移行する間では、通常+転落リプレイ1〜3の当選時に、転落リプレイを回避する停止順が報知されるので報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、RT1への移行を回避できるとともに、押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得し、かつRT1への移行を回避することができる。
【0254】
ATの開始後、RT2からRT3に移行したときに、ARTが開始することとなり、ナビストック数を1消費(減算)する。なお、ナビストック数を1消費したときには、ナビストック数が1減算される。ART開始後は、通常+転落リプレイ1〜3の当選時に、転落リプレイを回避する停止順が報知されるので報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、RT1への移行を回避できるとともに、押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得し、かつRT1への移行を回避することができる。
【0255】
サブ制御部91は、ナビストックを1消費したとき、すなわちRT2からRT3に移行したときに、当該ナビストックにより実行されるARTの残りゲーム数(本実施の形態50ゲーム)をRAM91cのナビストック数格納領域に格納する。サブ制御部91は、1ゲーム消化するごとにRAM91cの残りゲーム数を1ずつ減算し、残りゲーム数が0となるまでの期間においてARTに制御する。ゲーム数が残っているときに、ナビの対象役が当選した場合には、ナビ演出を実行する。
【0256】
その後、ART残りゲーム数が0となり、ナビストックが残っていない場合にはARTを終了し、非ATに制御する。非ATに制御されたときには、ナビ演出が実行されない。これにより、RT3であるときには、移行出目が揃う可能性が高まり、RT1に移行する可能性が高まる。
【0257】
また、ナビストックが残っている場合には、ナビストック数を1消費(減算)して、新たに所定ゲーム数を設定し、その後ARTの残りゲーム数が0となるまでの期間においてARTに制御する。これにより、ナビストック数が0となるまで、ARTに継続して制御されることとなる。
【0258】
[ナビ演出]
サブ制御部91は、ATまたはARTに制御されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときには、転落+昇格リプレイ1〜5、押し順ベルであり、RT2であるときには、通常+転落リプレイ1〜3、通常+特別リプレイ1〜6、押し順ベルであり、RT3であるときには、通常+転落リプレイ1〜3、押し順ベルである。
【0259】
転落+昇格リプレイ1〜5に当選したときのナビ演出としては、内部抽選の当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順(図15参照)が報知される。たとえば、転落+昇格リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」または「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、転落+昇格リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、転落+昇格リプレイ3に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、転落+昇格リプレイ4に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、転落+昇格リプレイ5に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
【0260】
通常+転落リプレイ1〜3に当選したときのナビ演出としては、内部抽選の当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順(図15参照)が報知される。たとえば、通常+転落リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」または「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、通常+転落リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」または「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、通常+転落リプレイ3に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」または「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
【0261】
通常+特別リプレイ1〜6に当選したときのナビ演出としては、内部抽選の当選状況に応じて特別リプレイを入賞させるための停止順(図15参照)が報知される。たとえば、通常+特別リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、通常+特別リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、通常+特別リプレイ3に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、通常+特別リプレイ4に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、通常+特別リプレイ5に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、通常+特別リプレイ6に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
【0262】
また、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための停止順(図14参照)が報知される。たとえば、左ベルに当選したときには、左リールを第1停止リールとして停止させることにより右下がりベルを確実に入賞させることができるため、左リールを第1停止リールとして停止させるための「左中右!」または「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベルに当選したときには、中リールを第1停止リールとして停止させることにより中段ベルを確実に入賞させることができるため、中リールを第1停止リールとして停止させるための「中左右!」または「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、右ベルに当選したときには、右リールを第1停止リールとして停止させることにより中段ベルを確実に入賞させることができるため、右リールを第1停止リールとして停止させるための「右左中!」または「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
【0263】
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、対象となる役を停止させるための操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類にかかわらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
【0264】
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ、特別リプレイ、ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞、移行出目の停止を回避させることなどができる。
【0265】
また、サブ制御部91は、ATまたはARTに制御されていない場合、ATまたはARTに制御されており、遊技状態に応じた対象役以外の役が当選した場合にも、ナビ演出を実行可能とされており、これらのナビ演出を実行することによりメイン制御部41に対してフリーズに制御させること、またはフリーズ制御を規制することが可能とされている。
【0266】
たとえば、RT1、かつATに制御されていない状態において、通常+特別リプレイ7または8が当選し、所定のフリーズ抽選で当選した場合に、停止順種別コマンドから特定される停止順と合致する停止順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、所定のフリーズ抽選で当選し、停止順種別コマンドから右中左が特定されたときには、図18(a)に示すように、右中左の停止順、すなわち特別リプレイ1が入賞する停止順のうちフリーズ制御する条件となる停止順種別に対応する停止順を報知するナビ演出が実行されるようになっている。遊技者が報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、特別リプレイ1が入賞し、メイン制御部41側では、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御されるようになっている。所定のフリーズ抽選とは、特別リプレイ7または8に当選したときに、サブ制御部91側において乱数を用いて当否を決定する抽選である。
【0267】
なお、RT1、かつATに制御されていない状態において、通常+特別リプレイ9が当選した場合には、図18(a)に示すようなナビ演出は実行されないが、停止順にかかわらず特別リプレイ1が入賞し、メイン制御部41側では、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御されるようになっている。このため、ナビ演出が実行されない場合においてもフリーズに制御されることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0268】
一方、通常+特別リプレイ7または8が当選し、所定のフリーズ抽選で当選しなかった場合には、ナビ演出を実行しないことにより、ペナルティ期間に制御されない左リールを第1停止とする停止順での停止操作を促すことで、フリーズに制御されることが規制されるようになっている。
【0269】
また、通常+テンパイリプレイが当選した場合には、図18(b)に示すように、フリーズに制御される可能性のある右リールを第1停止とする停止順を報知するナビ演出が実行されるようになっており、遊技者が報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、第2停止までに7a/7b/7cが入賞ラインLNに停止(テンパイ)し、かつ第3停止時に7a/7b/7c以外の図柄が入賞ラインLNに停止する停止態様)の組合せが揃うようになっており、この場合にはフリーズに制御されることはない。しかし、特別リプレイ7または8に当選しかつ所定のフリーズ抽選で当選したときと類似の態様となるため、フリーズに制御されることを遊技者に対して期待させることができる。
【0270】
以上のように、通常+特別リプレイ7または8当選時には所定のフリーズ抽選で当選することを契機とし、通常+特別リプレイ9当選時にはそのことのみを契機として、非AT中においてはRT1中であることを条件としてスタート後フリーズに制御可能となっている。
【0271】
また、本実施の形態では、AT中において通常+特別リプレイ7〜9のいずれかに当選したときには、ナビストックの上乗せ抽選が行われる。ナビストックの上乗せ抽選において当選する確率は、通常+特別リプレイ7〜9のうちでは、通常+特別リプレイ9が最も高く、次に通常+特別リプレイ8が高く、通常+特別リプレイ7が最も低くなるように設定されている。また、ナビストック抽選において獲得することが期待できるナビストックの平均当選個数は、通常+特別リプレイ7〜9のうちでは、通常+特別リプレイ9が最も多く、次に通常+特別リプレイ8が多く、通常+特別リプレイ7が最も少なくなるように設定されている。
【0272】
また、本実施の形態では、AT中かつRT3中のARTに制御されている状態において、通常+特別リプレイ7または8に当選し、さらにナビストックの上乗せ抽選で当選した場合に、停止順種別コマンドから特定される停止順と合致する停止順を報知するナビ演出が実行される。そして、遊技者が報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、メイン制御部41側では、次ゲームにおいてスタート後フリーズに制御される。一方、RT3、かつARTに制御されている状態において、通常+特別リプレイ7または8に当選したものの、ナビストックの上乗せ抽選で当選しなかった場合には、停止順種別コマンドから特定される停止順と異なる停止順を報知することにより、フリーズに制御されることが規制されるようになっている。また、通常+特別リプレイ9当選時には、本実施の形態では必ず上乗せ抽選で当選するように構成されているため、ART中においてはRT3中であることを条件としてスタート後フリーズに制御可能となっている。ART中において発生したスタート後フリーズでは、後述する成功出目が導出される毎にナビストックが付与される。
【0273】
[フリーズ関連演出]
スタート後フリーズが開始される際に、メイン制御部41は、図19に示すフリーズ関連処理を行う。図19は、メイン制御部41によりフリーズ中に実行されるフリーズ関連処理のフローチャートを説明するための図である。
【0274】
スタート後フリーズに制御することが確定すると、スタートスイッチ7の操作と同時に、まず、メイン制御部41は、前回のゲーム終了時の各リールの相対的な位置関係(初期位置関係)を特定するため、各リールの初期位置を検出する(S41)。このとき検出された初期位置は、リール演出においてリール2L、2C、2Rを特定位置関係となるように回転させる際に用いられるため、RAM41cに記憶される。なお、RAM41cに記憶された各リールの初期位置は、後述するS55の処理においても用いられる。なお、RAM41cに保持されているリールの初期位置を含むフリーズ制御に関する情報は、フリーズ期間が終了するとともに消去されるが、フリーズ中に電断が起こったり、設定変更されたりすることでスロットマシン1の電源がoff状態となった場合でも、記憶は消去されないようになっている。
【0275】
その後、メイン制御部41は、ステップS42〜S53までの処理に基づきリール演出制御を実行する。メイン制御部41は、初回準備データを設定するとともに、フリーズに制御する期間を特定するためのフリーズ期間カウンタに初回準備データに対応する値を設定し、当該初回準備データに基づいてリール2L、2C、2Rによるリール制御を実行する(S42)。フリーズ期間カウンタの値は、RAM41cの所定領域において格納され、ゲームの進行に応じて更新される。初回準備データが設定されたときには、フリーズ期間カウンタの値として、たとえば5秒に相当する値が設定される。
【0276】
初回準備データに基づく制御は、所定期間(5秒間)に亘り実行され、初回準備データに基づく制御が開始されてから所定期間経過したときにスタートスイッチ7への操作を受付ける操作受付期間に制御される。なお、操作受付期間中に操作が受付けられると、初回準備データに基づく制御を終了して、別の制御データが設定されるとともに、フリーズ期間カウンタに当該別の制御データに対応する値が再設定されて、新たに設定された制御データに基づく制御が実行されることになる。
【0277】
メイン制御部41は、初回準備データが設定されてフリーズに制御されたことを特定するとともに、操作受付期間に制御されるタイミングを特定するための初回コマンドをサブ制御部91に送信するための処理を行う(S43)。サブ制御部91では、初回コマンドを受信すると、フリーズ発生に対応するフリーズ発生演出を行う。また、サブ制御部91は、初回コマンドを受信してからフリーズ中における操作受付期間が開始されるタイミングに到達したときにスタートスイッチ7への操作を促進するための操作促進演出を行う。
【0278】
メイン制御部41は、制御データに基づく制御内容が操作受付期間であるか否かを判定する(S44)。メイン制御部41は、操作受付期間でないと判定したときには(S44でN)、S44の処理を繰り返し、操作受付期間であると判定したときには(S44でY)、スタートスイッチ7への操作が受付けられたか否かを判定する(S45)。
【0279】
メイン制御部41は、スタートスイッチ7への操作が受付けられていないと判定したときには(S45でN)、操作受付期間が終了しかつフリーズ期間カウンタの値が0に到達したか否かを判定する(S46)。メイン制御部41は、操作受付期間が終了しかつフリーズ期間カウンタの値が0に到達したと判定しなかったときには(S46でN)、S45へ移行する。
【0280】
メイン制御部41は、スタートスイッチ7への操作が受付けられたと判定したとき(S45でY)、および操作が受付けられることなく操作受付期間が終了しかつフリーズ期間カウンタの値が0に到達したと判定したときには(S46でY)、所定の成功出目として白7揃いの組合せ(7c−7c−7c)を停止させ得る成功パターンとなるか、成功出目を停止させ得ずかつフリーズを終了させる失敗パターンとなるかを抽選する成功失敗抽選を行う(S47)。
【0281】
成功失敗抽選では、今回のフリーズへの制御契機となった通常+特別リプレイの種類が、通常+特別リプレイ7または8であったときと、通常+特別リプレイ9であったときとで異なる振分率に従って、成功パターンか失敗パターンのいずれかに決定される。たとえば、通常+特別リプレイ7または8であったときよりも、通常+特別リプレイ9であったときの方が、成功パターンに決定される割合が高くなるように設定されている。なお、フリーズ中において1回目の成功失敗抽選では、必ず成功パターンに決定される。なお、成功失敗抽選の振分率は、当選状況の種類に代えてあるいは加えて、非AT中であるか否かによって異なる(たとえば、非AT中の方がAT中よりも成功確率が高い)ように定められているものであってもよい。
【0282】
また、成功失敗抽選では、失敗パターンに決定されたときに、所定の失敗出目として、赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a)および「リプレイa−リプレイa−スイカa」の組合せのうち、入賞ラインLN上に導出させる出目を同時に決定する。当該決定の割合は、両組合せとも50%の確率に設定されている。つまり、成功パターンに決定されたときには、白7揃いの組合せ(7c−7c−7c)が100%の確率で導出され、失敗パターンに決定されたときには、赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a)または「リプレイa−リプレイa−スイカa」の組合せが各々50%の確率で導出される。
【0283】
メイン制御部41は、設定されていた制御データに基づく制御を終了させて、決定されたパターンに対応する制御データを設定するとともに、フリーズ期間カウンタに当該制御データに対応する値を新たに設定する(S48)。すなわち、操作受付期間中に操作が受付けられると、設定されていた制御データに基づく制御を終了させて、抽選により、成功パターンに決定された場合には成功パターンに対応する制御データが設定されるとともにフリーズ期間カウンタに当該制御データに対応する値が再設定され、失敗パターンに決定された場合には失敗パターンに対応する制御データが設定されるとともにフリーズ期間カウンタに当該制御データに対応する値が再設定される。
【0284】
成功パターンに対応する制御データが設定されるときには、フリーズ期間カウンタの値として、たとえば5秒に相当する値が設定され、失敗パターンに対応する制御データが設定されるときには、フリーズ期間カウンタの値として、たとえば3秒に相当する値が設定される。
【0285】
成功パターンに対応する制御データに基づく制御は、所定期間(5秒間)に亘り実行され、その間に、リール2L、2C、2Rを特定位置関係(たとえば、赤7、白7の図柄が一直線上に並ぶ位置関係)となるように回転させた後、所定の成功出目として、白7揃いの組合せ(7c−7c−7c)を入賞ラインLN上に停止(各リールが細かく揺れ動作して停止)させた後、再び回転させてリール2L、2C、2Rを停止させ、当該制御データに基づく制御が開始されてから所定期間経過したときにスタートスイッチ7への操作を受付ける操作受付期間に制御される。非AT中のフリーズでは、成功出目が停止される回数が多いほど、チャンスゾーンに制御される確率が高まる。一方、AT中のフリーズでは、成功出目が停止される毎に、ナビストックが1付与される。
【0286】
失敗パターンに対応する制御データ(失敗データ)に基づく制御は、所定期間(3秒間)に亘り実行され、その間に、リール2L、2C、2Rを回転させた後、所定の失敗出目として、赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a)または「リプレイa−リプレイa−スイカa」の組合せを入賞ラインLN上に停止(各リールが細かく揺れ動作して停止)させた後、再び回転させてフリーズを終了させる。なお、成功パターンにおける操作受付期間中に操作が受付けられると、別の制御データが設定されて、成功パターンに対応する準備データに基づく制御を終了して、新たに設定された制御データ(抽選結果に応じたパターン)に基づく制御が実行されることになる。
【0287】
メイン制御部41は、決定されたパターンの種類、および操作受付期間に制御されるタイミングを特定するためのフリーズ中コマンドをサブ制御部91に送信するための処理を行う(S49)。サブ制御部91では、フリーズ中コマンドを受信すると抽選結果に対応した演出を行う。また、サブ制御部91は、成功パターンを特定するフリーズ中コマンドを受信してから操作受付期間が開始されるタイミングに到達したときにスタートスイッチ7への操作を促進するための操作促進演出を行う。
【0288】
メイン制御部41は、成功パターンに対応する制御データが設定されているか否かを判定する(S50)。メイン制御部41は、成功パターンに対応する制御データが設定されていると判定されたときには(S50でY)、成功出目として、白7揃いの組合せ(7c−7c−7c)を入賞ラインLN上に停止(各リールが細かく揺れ動作して停止)させ(S51)、再びS44に移行する。
【0289】
一方、メイン制御部41は、成功パターンの制御データが設定されていないと判定したとき、すなわち失敗パターンの制御データが設定されているときには(S50でN)、所定の失敗出目として、赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a)または「リプレイa−リプレイa−スイカa」の組合せを入賞ラインLN上に停止(各リールが細かく揺れ動作して停止)させ(S52)、S53へ移行する。なお、失敗出目が停止されたときには、スタートスイッチ7の操作を促す演出をサブ制御部91に実行させるためのコマンドを送信する。
【0290】
メイン制御部41は、フリーズ期間カウンタの値が0に到達したか否かを判定する(S53)。すなわち、失敗パターンに対応する制御データに基づく制御が終了したか否かが判定される。メイン制御部41は、失敗パターンに対応する制御データに基づく制御が終了したと判定されるまでS53の処理を繰り返し実行し、終了したと判定したときには(S53でY)、S54に移行する。
【0291】
メイン制御部41は、スタートスイッチ7への操作が受付けられたか否かを判定する(S54)。メイン制御部41は、スタートスイッチ7への操作が受付けられていないと判定したときには(S54でN)、S54の処理を繰り返し、スタートスイッチ7への操作が受付けられていないと判定したときには(S54でY)、RAM41cの記憶領域を参照することでS41で検出した前回のゲーム終了時の各リールの相対的な位置関係(初期位置関係)から特定されるフリーズ前の出目を取得し、さらに、ステップS42〜S53までの処理に基づき行われたリール演出の最終出目(つまり、S52で導出された出目)とを検出する。そして、取得したフリーズ前の出目と、検出したリール演出後の出目とが一致するか否かを判定する(S55)。なお、この判定において、メイン制御部41は、入賞ラインLN上に導出された出目に限らず、その上下に導出された出目との関係においても、フリーズ前とリール演出後とで出目が完全に一致するか否かを判定する。
【0292】
メイン制御部41は、フリーズ前とリール演出後とで出目が完全に一致しないと判定したときには(S55でN)、各リールの相対的な位置関係がランダムとなる位置関係となるように各リールを移動させるランダム遅延回転制御を実行する(S56)。たとえば、メイン制御部41は、ランダム遅延回転制御を実行することにより、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの移動開始タイミングをずらしてリールを回転させる。
【0293】
その後、メイン制御部41は、リールの相対的な位置関係がランダムな位置関係となった旨を特定可能な位置変更報知コマンドをサブ制御部91に送信する(S57)。これにより、位置変更報知コマンドを受信したサブ制御部91によって、リールの相対的な位置関係がランダムな位置関係に調整された旨が遊技者に報知される。
【0294】
次に、メイン制御部41は、定速回転移行制御を実行し(S58)、各リールの相対的な位置関係をランダムな位置関係としたままリールを同期回転させ、リールの回転速度が定速になるまでリール回転を加速させる。その後、メイン制御部41は、フリーズ関連処理を終了する。これにより、フリーズが終了し、通常のリール制御に移行される。
【0295】
一方、メイン制御部41は、フリーズ前とリール演出後とで出目が完全に一致すると判定したときには(S55でY)、通常回転制御を実行する(S59)。たとえば、メイン制御部41は、通常回転制御を実行することにより、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの移動開始タイミングを同期させてリールを回転させる。なお、S59において通常回転制御が行われた場合と、S56においてランダム遅延回転制御が行われた場合とで、遊技者にとっての有利度合いが異なるように、いずれか予め定められた一方が行われた場合にたとえば有利な価値(たとえばチャンスゾーンに必ず移行させるか、あるいは移行させる割合が高いなどといった所定の特典)を付与するようにしてもよい。次に、メイン制御部41は、定速回転移行制御を実行し(S58)、各リールの相対的な位置関係を維持したままリールを同期回転させ、リールの回転速度が定速になるまでリール回転を加速させる。その後、メイン制御部41は、フリーズ関連処理を終了する。これにより、フリーズが終了し、通常のリール制御に移行される。
【0296】
[フリーズの制御状況]
次に、スタート後フリーズに制御されたときのフリーズの制御状況について、図20のタイミングチャートを用いて説明する。図20(a)に示すように、メイン制御部41は、フリーズに制御しないときには、次ゲームの開始後、リールの回転を開始させると直ぐにリール回転を加速し、すべてのリールが定速回転となった時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
【0297】
一方、図20(b)および(c)に示すように、メイン制御部41は、フリーズに制御するときには、次ゲームの開始後、フリーズ期間が経過するまで各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず、フリーズ期間が経過した時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
【0298】
図20(b)は、フリーズ前とリール演出後とで出目が一致しない場合(図19のS55でNと判定された場合)のフリーズの制御状況を示している。メイン制御部41は、フリーズ期間、すなわちゲーム開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅らせている期間において、まずリールの初期位置を検出する初期位置検出制御(A)を行う。
【0299】
その後、メイン制御部41は、リールを変動させることによりリール演出を行うリール演出制御(B)を行う。リール演出制御においては、たとえば、リールの相対的な位置関係が、スタート時の初期位置関係となる状態から、特定の図柄(たとえば、赤7、白7の図柄)が一直線上に並ぶ特定位置関係となる状態に変更されて、リールが同期回転する。
【0300】
メイン制御部41は、フリーズ前とリール演出後とで出目が一致しないため、リール演出制御の後、ランダム遅延回転制御(C1)(図19に示すS56のランダム遅延回転制御)を行う。ランダム遅延回転制御において、メイン制御部41は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの移動開始タイミングを後述するランダム遅延決定抽選によって決定された図柄数だけずらして各リールを回転させる。つまり、ランダム遅延回転制御においては、リール演出後の出目が変更するように、各リールの相対的な位置を変更させる制御が実行される。なお、本実施の形態においては、前回のゲームの終了時における各リールの停止位置の情報が次回ゲームの終了時まで記憶されるようになっており、この前回ゲームの終了時における各リールの停止位置の情報から、初期位置を特定できるようになっている。
【0301】
ここで、ランダム遅延回転制御について、図21を用いて具体的に説明する。ランダム遅延回転制御において、メイン制御部41は、各リールに現在の位置に対する変更量を0、1、2、3、4図柄の範囲でランダムに決定するランダム遅延決定抽選をそれぞれ行う。
【0302】
図21に示すように、ランダム遅延決定抽選では、左リール2L、中リール2C、右リール2Rに対して、それぞれ更新範囲の総数が異なる乱数を用いて抽選が行われる。具体的には、左リール2Lの変更量を決定する抽選では、0〜996の範囲で更新される乱数が用いられ、中リール2Cの変更量を決定する抽選では、0〜997の範囲で更新される乱数が用いられ、右リール2Rの変更量を決定する抽選では、0〜998の範囲で更新される乱数が用いられる。
【0303】
メイン制御部41は、それぞれのランダム遅延決定抽選を行うことにより、これら3つのリールの相対的な位置関係を決定する。
【0304】
次に、メイン制御部41は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rのそれぞれについて、ランダム遅延決定抽選にて当選した図柄数だけ他のリールとずれるように、各リールの移動開始タイミングをずらしてリールを回転させる。これにより、各リール同士の位置関係がランダムな位置関係となる。
【0305】
図20に戻り、メイン制御部41は、ランダム遅延回転制御(C1)の後、定速回転移行制御(D)を行う。定速回転移行制御において、メイン制御部41は、各リールの相対的な位置関係をランダムな位置関係としたままリールを同期回転させ、リールの回転速度が定速になるまでリール回転を加速させる。
【0306】
また、定速回転移行制御を行う際、メイン制御部41は、位置変更報知制御を実行する。位置変更報知制御において、メイン制御部41は、リールの相対的な位置関係がランダムな位置関係に調整された旨を特定可能な位置変更報知コマンドをサブ制御部91に送信する。これにより、サブ制御部91によって、すべての領域のリールLED55が点滅表示され、リールの相対的な位置関係がランダムな位置関係となった旨が遊技者に報知される。なお、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に所定の報知画像(たとえば、「リールの位置を調整しました。」というメッセージ画像)を表示することで、リールの相対的な位置関係がランダムな位置関係となった旨を遊技者に報知するものであってもよい。メイン制御部41は、定速回転移行制御の後、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
【0307】
次に、図20(c)は、フリーズ前とリール演出後とで出目が一致する場合(図19のS55でYと判定された場合)のフリーズの制御状況を示している。図20(b)で示したフリーズ前とリール演出後とで出目が一致しない場合と同様に、メイン制御部41は、初期位置検出制御(A)、リール演出制御(B)を順次行う。その後、メイン制御部41は、フリーズ前とリール演出後とで出目が一致するため、リール演出制御の後、通常回転制御(C2)(図19に示すS59の通常回転制御)を行う。通常回転制御において、メイン制御部41は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの移動開始タイミングを同期させてリールを回転させる。メイン制御部41は、通常回転制御の後、定速回転移行制御(D)を行い、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
【0308】
[フリーズ制御される際の演出の一例]
次に、スタート後フリーズに制御される際の演出の一例について、図22を用いて説明する。図22では、非AT中において、通常+特別リプレイ7または8に当選したゲームにおいて、赤7揃いの組合せが導出されることで特別リプレイ1に入賞し、その後、スタート後フリーズに制御される例について示す。
【0309】
まず、図22(a)に示すように、通常+特別リプレイ7または8に当選したゲームにおいて、右中左の停止順を報知するナビ演出が実行される。次に、図22(b)に示すように、遊技者のストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によって、各リールにおいて7揃いの組合せ(図22では7a−7a−7a)が入賞ラインLN上に導出される。なお、このときの各リールの位置がフリーズ制御前の初期位置として、RAM41cに記憶される。
【0310】
次に、図22(c)に示すように、遊技者が次のゲームを開始するためにスタートスイッチ7を操作すると、各リールの相対的な位置関係が、7の図柄が一直線上に並ぶ特定位置関係となったまま、リールが回転する。また、液晶表示器51の画面上には、「フリーズ確定!!」という文字画像が表示され、スタート後フリーズに制御されることが報知される。その後、フリーズに制御されて、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付けが無効となる。また、このとき、成功出目(白7揃いの組合せ)を停止させる成功パターンとなるか、失敗出目(赤7揃いの組合せ、リプレイa−リプレイa−スイカaの組合せ)を停止させる失敗パターンとなるかを抽選する成功失敗抽選が行われる。
【0311】
図22(d)〜(f)は、成功失敗抽選によって成功パターンに決定されたときの演出の一例を示している。図22(d)に示すように、成功失敗抽選によって成功パターンに決定されたときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作にかかわらず、リールが自動停止し、白7揃いの組合せ(7c−7c−7c)が入賞ラインLN上に導出される。また、液晶表示器51の画面上には、キャラクタの画像とともに「1回成功!!」という文字画像が表示され、成功パターンに決定されたことが報知される。
【0312】
次に、図22(e)に示すように、液晶表示器51の画面上に「スタート操作!!」という文字画像が表示され、再び遊技者によるスタートスイッチ7の操作が促される。図22(f)に示すように、遊技者がスタートスイッチ7を操作すると、各リールの相対的な位置関係が、白7の図柄が一直線上に並ぶ特定位置関係となったまま、リールが回転する。このとき、再度、成功失敗抽選が行われ、成功パターンに決定されると、図22(d)に示した演出へと再び移行する。一方、失敗パターンに決定されると、図22(g)または図22(j)に示した演出へと移行する。
【0313】
図22(g)〜(i)は、成功失敗抽選によって失敗パターンに決定され、さらに、赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a)を導出させることが決定されたときの演出の一例である。図22(g)に示すように、成功失敗抽選によって失敗パターンに決定されたときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作にかかわらず、自動でリールが停止し、赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a)が入賞ラインLN上に導出される。また、液晶表示器51の画面上には、また、液晶表示器51の画面上には、「終了」という文字画像が表示され、失敗パターンに決定されたことが報知される。
【0314】
次に、図22(h)に示すように、液晶表示器51の画面上に「スタート操作!!」という文字画像が表示され、再び遊技者によるスタートスイッチ7の操作が促される。ここで、フリーズ前に導出されていた出目(赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a))と、リール演出後に導出された出目(赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a))とが一致するため、図22(i)に示すように、遊技者がスタートスイッチ7を操作すると、通常回転制御が実行される。これにより、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの移動開始タイミングが互いに同期したままリールが回転する。その後、定速回転移行制御が実行されることにより、リールの回転が加速され、リールの回転速度が定速になった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付けが有効となり、フリーズ制御が終了する。
【0315】
一方、図22(j)〜(l)は、成功失敗抽選によって失敗パターンに決定され、さらに、「リプレイa−リプレイa−スイカa」の組合せを導出させることが決定されたときの演出の一例である。図22(j)に示すように、成功失敗抽選によって失敗パターンに決定されたときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作にかかわらず、リールが自動停止し、「リプレイa−リプレイa−スイカa」の組合せが入賞ラインLN上に導出される。また、液晶表示器51の画面上には、「終了」という文字画像が表示され、失敗パターンに決定されたことが報知される。次に、図22(k)に示すように、液晶表示器51の画面上に「スタート操作!!」という文字画像が表示され、再び遊技者によるスタートスイッチ7の操作が促される。
【0316】
ここで、フリーズ前に導出されていた出目(赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a))と、リール演出後に導出された出目(「リプレイa−リプレイa−スイカa」)とが一致しないため、図22(l)に示すように、遊技者がスタートスイッチ7を操作すると、ランダム遅延回転制御が実行される。これにより、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの移動開始タイミングが所定の図柄数だけずれてリールが回転する。その後、定速回転移行制御が実行されることにより、リールの回転が加速され、リールの回転速度が定速になった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付けが有効となり、フリーズ制御が終了する。
【0317】
このように、本実施の形態においては、フリーズ中のリール演出において、3つのリール同士の相対的な位置関係が特定の図柄(たとえば、赤7、白7の図柄)が一直線上に並ぶ位置関係となったままリールが回転されることでリール同士の相対的な位置関係に一定の規則性が生まれた場合でも、その後のランダム遅延回転制御によってリール同士の相対的な位置関係がランダムな位置関係となるため、遊技者の技術介入によりリールを停止させて表示結果を導出させるというスロットマシン1の遊技性が損なわれてしまうことがない。
【0318】
具体的には、リール演出においては、赤7(7a)、白7(7c)の図柄が一直線上に並ぶようにしてリールが回転するため、そのままフリーズ期間が終了すると、その後、リール配列上、「7a」や「7c」付近に配置された「スイカ」や「チェリー」の図柄を簡単に狙えてしまい、「スイカ」や「チェリー」の図柄を導出させやすくなってしまう。その結果、たとえば、チェリー3や中段スイカなどの役に入賞させやすくなってしまう。しかし、本実施の形態においては、フリーズ期間の終了前にはランダム遅延回転制御によってリール同士の相対的な位置関係がランダムな位置関係となるため、フリーズ中におけるリール演出により特定の図柄が一直線上に並ぶようにしてリールが回転したことで、遊技者が「スイカ」や「チェリー」の図柄を簡単に狙えてしまうことを防止することができる。
【0319】
また、設定変更されるときでも、リール制御に関する情報、より具体的には、フリーズ前におけるリールの初期位置を特定可能な情報は初期化されないため、フリーズ前の出目とリール演出後の出目とが一致しないにもかかわらず、ランダム遅延回転制御を実行するか否かの判定ができない結果、ランダム遅延回転制御が実行されないといった不都合が発生することがない。
【0320】
さらに、フリーズ制御によって、フリーズ前の出目と、リール演出後の出目とが一致したときにはランダム遅延回転制御が実行される一方で、両者が一致しないときにはランダム遅延回転制御が省略されて通常回転制御が実行される。これにより、フリーズ制御を実行する度に一律にランダム遅延回転制御が実行されるものに比べてランダム遅延回転制御が頻繁に行われることがなく、フリーズ制御の実行によって遊技者に違和感を与えてしまうことがない。
【0321】
具体的には、リール演出によって、リール同士の相対的な位置関係に一定の規則性が生まれた状態で意図的にリールが回転されることにより、フリーズ前の出目と異なる出目がリール演出後に導出されたとしても、その後にランダム遅延回転制御が実行されることで、リール同士の相対的な位置関係がランダムな位置関係となるため、意図的に変化したリールの回転によってスロットマシン1の遊技性が損なわれてしまうことを防止することができる。一方、リール演出がされた場合でも、フリーズ前の出目と一致する出目がリール演出後でも導出されたときには、リール演出によって何ら出目が変化したわけではないため、ランダム遅延回転制御が省略されて、通常回転制御が実行される。これにより、フリーズ制御の度に一律にランダム遅延回転制御が実行されるものに比べて、ランダム遅延回転制御が頻繁に行われることがなく、フリーズ制御の実行によって遊技者に違和感を与えてしまうことがない。
【0322】
また、フリーズ中においては、遊技者によってスタートスイッチ7が操作される度に成功失敗抽選が行われ、当該成功失敗抽選によって成功パターンに決定されたときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作にかかわらず、リールが自動停止して白7揃いの組合せ(7c−7c−7c)が入賞ラインLN上に導出される。そして、成功失敗抽選によって成功パターンに決定される限りは、継続して、遊技者によるスタートスイッチ7の操作の後にリール回転して白7揃いの組合せ(7c−7c−7c)が入賞ラインLN上に導出されるといった制御が繰り返し行われる。
【0323】
このように、フリーズ中においては、操作受付期間中においてスタートスイッチ7への操作が受付けられるごとに成功失敗抽選が行われ、成功パターンに決定されるとチャンスゾーンへの期待感を高め、失敗パターンに決定されるまで成功失敗抽選が繰り返し行われる。これにより、フリーズ制御の実行期間において、遊技者による遊技への介入度合いを向上させるとともに、フリーズ制御の実行期間における興趣を向上させることができる。
【0324】
非AT中におけるフリーズが終了すると、サブ制御部91側においてチャンスゾーンに移行させるか否かの抽選が行われる。移行に当選したときには、図22(i)や図22(l)に示すように、液晶表示器51の画面上に「チャンスゾーン突入!!」という文字画像が表示され、チャンスゾーンに移行される旨が報知される。一方、移行当選しなかったときには、液晶表示器51の画面上に「チャンスゾーン移行失敗!!」という文字画像が表示され、チャンスゾーンに移行されない旨が報知される。
【0325】
なお、AT中におけるスタート後フリーズが発生したときには、ナビストックの上乗せ抽選で当選したときであるから、図22(b)に相当するタイミングにおいて、液晶表示器51の画面上に「やったー!!」という文字画像が表示される。また、成功パターンが設定されたときにはナビストックがさらに1上乗せされたときであるから、図22(d)に相当するタイミングにおいて、液晶表示器51の画面上に「ナビ獲得!!」という文字画像が表示される。また、失敗パターンが設定されたときにはナビストックの上乗せが終了したときであるから、図22(g)や(j)に相当するタイミングにおいて、液晶表示器51の画面上に「残念!!」という文字画像が表示され、図22(h)(i)や(k)(l)に相当するタイミングにおいて、液晶表示器51の画面上に獲得したナビストックの総数を特定可能な情報が表示される。
【0326】
[チャンスゾーンについて]
前述したように、非AT中にフリーズが発生することにより、特典付与抽選が行われ得るチャンスゾーンへ移行可能となる。図23は、サブ制御部91により実行されるチャンスゾーン関連処理のフローチャートを説明するための図である。チャンスゾーン関連処理は、所定のタイミングで実行される。所定のタイミングとは、たとえば、1ゲームが開始されるタイミングであって、スタート後フリーズ発生時には当該フリーズ終了時である。
【0327】
S101においては、非AT中であるか否かが判定される。S101において非AT中ではないと判定されたときには、チャンスゾーン関連処理をそのまま終了する。一方、非AT中であると判定されたときには、S102において既にチャンスゾーン中であるか否かが判定される。S102においてチャンスゾーン中でないと判定されたときには、S103においてメイン制御部41からのフリーズ中コマンドを受信したか否かが判定される。
【0328】
S103においてフリーズ中コマンドを受信していないと判定されたときには、チャンスゾーン関連処理をそのまま終了する。一方、フリーズ中コマンドを受信していると判定されたときには、非AT中においてメイン制御部41側においてスタート後フリーズが発生した後であるため、S104において当該フリーズ中コマンドに基づいて成功パターンによる制御が行われた回数を特定することにより、当該フリーズ中における成功出目の導出回数が判定される。
【0329】
S105においては、チャンスゾーンへ移行させるか否かのチャンスゾーン移行抽選を行なう。チャンスゾーン移行抽選では、成功出目の導出回数に応じて予め定められた移行確率に従ってチャンスゾーンに移行させるか否かが決定される。チャンスゾーン移行抽選では、成功出目の導出回数が多いほど、高い割合でチャンスゾーンへ移行させると決定されるように当選確率が定められており、さらに、成功出目の導出回数が所定回数(たとえば5回)以上であるときには必ずチャンスゾーンへ移行させると決定される。なお、成功出目の導出回数が所定回数以上であるときには必ずチャンスゾーンへ移行させる場合には、メイン制御部41側の図19のS45あるいはS46でYESと判定されたときで、すでに白7揃いを所定回数導出させたと判定されたときには、S53へ移行させてフリーズを終了させるようにしてもよい。
【0330】
S106では、チャンスゾーン移行抽選において移行に当選したか否かが判定される。S106において移行に当選していないと判定されたときにはチャンスゾーン関連処理を終了する。一方、移行に当選していると判定されたときには、S107において次ゲームからチャンスゾーンへ移行させるための設定処理を行なうとともに、チャンスゲームに「10」を設定して、チャンスゾーン関連処理を終了する。チャンスゲームとは、チャンスゾーンへ移行可能となるゲーム数を特定するための値である。これにより、次ゲームから少なくとも10ゲームに亘りチャンスゾーンへ移行される。なお、チャンスゲームの値は、RAM91cの所定領域において格納され、更新される。チャンスゾーンへ移行させるための設定処理には、図22(i)や(j)などで示した画像を表示する処理を含む。
【0331】
図24は、チャンスゾーン中において液晶表示器51で表示される演出画像を説明するための図である。図24(a)は、チャンスゾーンへの移行が開始されたときの図である。左上欄においてチャンスゾーン中である旨を示す「チャンスゾーン」という文字画像51aが表示され、右上欄において後述するランク(チャンスゾーン開始時はランク1)を判別可能なランク情報51bと、チャンスゾーンに制御可能な残りゲーム数を判別可能な残りゲーム数情報51cが表示され、下欄において現在のランクに対応する特典の種類を判別可能な特典対象情報51dが表示される。
【0332】
図23に戻り、S102で既にチャンスゾーン中であると判定されたときには、当該チャンスゾーン中においてさらに通常+特別リプレイ7〜9に当選することによりフリーズが発生したか否かが判定される。S108においてフリーズが発生していないと判定されたときには、S109において移行中のチャンスゾーンで獲得した特典のうち未報知の特典があるか否かが判定される。チャンスゾーンで獲得した特典は、後述するように、図27に示す処理により設定されたタイミングで実行される操作演出において報知される。
【0333】
S109において未報知の特典がないと判定されたときには、S110において現在のランクに応じた特典の種類を報知する(図24の特典対象情報51d参照)。チャンスゾーン中においては、設定されたチャンスゲームを消化するまでに特典が付与されると、ランクが昇格してさらに少なくとも10ゲームに亘りチャンスゾーンへの移行が継続される。本実施の形態におけるチャンスゾーンのランクは、ランク1からランク4まで昇格可能であって、ランク4において特典が付与されるとチャンスゾーンが終了するように構成されている。現在のランクを特定するための情報は、RAM91cの所定領域において格納され、更新される。
【0334】
また、チャンスゾーンで付与される特典は、ランクに応じて異なるように定められている。図25は、ランクに対応して定められた特典を説明するための図である。図25に示すように、ランク1〜ランク4各々に対応する特典として、「ナビストック1個」、「ナビストック2個」、「ナビストック3個」、「ナビストック4個+ART終了後に再度チャンスゾーンへ移行」が定められている。このように、チャンスゾーンにおけるランクが高いほど、遊技者にとっての有利度合いが高い種類の特典が定められている。付与された特典は、RAM91cの所定領域に格納される。たとえば、チャンスゾーンにおいてナビストックを獲得した場合には、その数を特定可能な情報をRAM91cのナビストック数格納領域に格納し、サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ARTに制御するか否かを特定する。また、チャンスゾーンにおいてART終了後に再度チャンスゾーンへ移行を獲得した場合には、その旨を特定可能な再移行可能情報をRAM91cの所定領域に格納し、サブ制御部91は、ART終了時において再移行可能情報が格納されているときに、フリーズの発生の有無にかかわらず、チャンスゾーンへの移行を開始させる。
【0335】
図23に戻り、S111においては、チャンスゲームの値を1減算する。S112においては、内部当選コマンドに基づき、特典付与抽選の契機となる所定役に当選したか否かが判定される。S112において所定役に当選していないと判定されたときにはS115へ移行される。一方、所定役に当選していると判定されたときには、S113において特典付与抽選が行なわれる。
【0336】
図26は、特典付与抽選で参照される特典付与抽選用テーブルを説明するための図である。特典付与抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。特典付与抽選の契機となる当選役としては、図26の当選役の欄に示すように、共通ベル、弱チェリー、弱1枚、弱スイカ、強チェリー、強1枚、強スイカ、中段チェリーが定められている。また、特典付与確率としては、図26に示す当選役に応じて、「30%」、「60%」、「100%」、「20%」が定められている。チャンスゾーン中における特典付与抽選では、前述した通常時ナビストック抽選よりも、抽選契機が多く定められており、かつ、抽選契機成立時に当選する確率が高くなるように設定されていることにより、有利な態様で特典が付与されるように構成されている。なお、図10で説明したように、特典付与抽選契機となる所定役は、遊技状態に応じて定められた確率に従って当選する。このため、チャンスゾーンの各ゲームにおいて所定役に当選する確率は、ランクにかかわらず同じ確率で当選する。その結果、チャンスゾーンにおいて所定ゲーム数消化したときに特典付与当選する確率は、ランクにかからず一定となる。
【0337】
図24(b)は、所定役に当選したときの図である。液晶表示器51の中央に所定役に対応する当選役画像51eが表示される。図24(b)では、残り5ゲームであるときに、内部抽選でチェリー当選した旨が報知され、特典付与抽選が行われることが報知されている。なお、図24(b)では、内部的に付与当選したものとして説明する。これにより特典が付与されたことに対する期待感を抱かせることができる。
【0338】
図23に戻り、S114では、特典付与抽選において付与当選したか否かが判定される。S114において付与当選していないと判定されたときには、S115においてチャンスゲームの値が「0」であるか否かが判定される。S115においてチャンスゲームが「0」であると判定されたときには、現在のランクにおけるチャンスゾーン中で特典が付与されなかったときであるため、S116においてチャンスゾーンを終了させるための処理を行なうとともに、チャンスゲーム(前回チャンスゲームも含む)と現在のランクを初期化し、チャンスゾーン関連処理を終了する。一方、S115においてチャンスゲームの値が「0」でないと判定されたときには、チャンスゾーンに制御可能なゲームが存在するため、そのままチャンスゾーン関連処理を終了する。
【0339】
S114において特典付与抽選において付与当選したと判定されたときには、S117において現在のランクが最高のランク4であるか否かが判定される。つまり、チャンスゾーンに移行されてからすでに3回付与当選が行われており、今回の付与当選は4回目の付与当選であるか否かが判定される。今回S117において現在ランク4であると判定されなかったときには、S118においてランクを1加算(1昇格)させる。また、前回チャンスゲームの値に現在のチャンスゲームの値を設定するとともに、チャンスゲームの値に新たに「10」を設定し、チャンスゾーン関連処理を終了する。なお、前回チャンスゲームとは、仮に今回の特典付与抽選で付与当選しなかったときの、チャンスゾーンに移行可能な残りゲーム数を特定するための値であり、RAM91cの所定領域において格納され、更新される。
【0340】
S117において現在ランク4であると判定されたときには、チャンスゾーン中に獲得可能なすべての特典が付与されたときであるため、S119において、チャンスゾーンを内部的に終了させるための処理を行なうとともに、前回チャンスゲームの値に現在のチャンスゲームの値を設定するとともに、チャンスゲームと現在のランクを初期化し、チャンスゾーン関連処理を終了する。これにより、以降においてS113の特典付与抽選が行われることを規制することができる。一方、チャンスゾーンは、内部的に終了するだけであり、液晶表示器51などを用いたチャンスゾーン中の演出は、今回付与された特典が報知されるまで継続して行われる。なお、S119で設定された前回チャンスゲームの値は、ランク4における付与当選を報知するタイミングを決定する際に参照される。
【0341】
S113の特典付与抽選で付与当選したときには、図27に示す処理により設定されたタイミングで、特典付与抽選の結果を報知するための操作演出が実行されることになる。図24(c)は、操作演出が開始されたときの図である。図24(c)の例では、図24(b)で付与当選してから4ゲーム後である、残り1ゲームとなったときに、液晶表示器51の中央に操作演出が開始される旨および演出用スイッチ56への操作を促す旨を示す情報として、「チャンスだ!!たたけ!」といった開始時画像51fが表示されている。図24(d)は、操作演出において適切な操作が行われて特典付与抽選の結果が報知されたときの図である。液晶表示器51の中央に獲得した特典の種類を判別可能な獲得特典報知情報51gと、ランクが昇格した旨の昇格情報51hとが表示される。図24(e)は、次のランクに対応する特典対象情報51dが示され、図24(f)は、次のランクにおいて獲得した特典の獲得特典報知情報51gと、ランクが昇格した旨の昇格情報51hとが表示されている。図24(g)は、ランク4に対応する演出画像が示されている。図24(h)は、ランク情報51bおよび残りゲーム数情報51cに示されるように、ランク4が残り4ゲームであるときに、当選役画像51eに示されるように内部抽選でスイカ当選した旨が報知され、特典付与抽選が行われることが報知され、図24(i)は、特典付与抽選が行われたゲームで、開始時画像51fが表示されて、操作演出が開始される例を示している。このように、チャンスゾーン中は、所定役の当選報知や操作演出が実行されるとともに、チャンスゲームなどの残りゲーム数や現在のランクに応じて演出画像が更新される。
【0342】
S109に戻り、未報知の特典があると判定されたときには、S121において現在の実際のランクより1ランク下のランクに対応する特典の種類を報知する。これにより、未だ付与当選していることが報知されておらず、ランクが昇格していることを認識していない遊技者の理解と整合させることができる。
【0343】
S122では、特典付与時にS118で設定される前回チャンスゲームの値を1減算し、S123において不適切操作による未報知中であるか否かが判定される。不適切操作による未報知中とは、図27に示す処理により設定されたタイミングに到達したときに実行される操作演出中において適切に操作されなかったことにより、付与された特典が未だ報知されていない期間をいう。
【0344】
S123において不適切操作による未報知中でないと判定されたときには、S112へ移行される。この場合には、S111においてチャンスゲームの値が減算されることなく、所定役当選時にはS113において特典付与抽選が実行可能となる。また、S123を経由して行われた特典付与抽選で付与当選したときには、S121で報知している特典ではなく、現在の実際のランクに対応する種類の特典が付与される。
【0345】
一方、S123において不適切操作による未報知中であると判定されたときには、S115へ移行される。この場合、所定役に当選しても特典付与抽選が行われずナビストックを獲得した場合などは単にATへの制御が開始されるタイミングが遅延されるため、遊技者にとって不利な期間であるといえる。不適切操作による未報知の特典は、前回チャンスゲームの値が0となったときに報知されることとなる。
【0346】
本実施の形態では、不適切操作時には、特典が付与されていても報知せず、かつ、次のランク開始時まで特典付与抽選が行われない例について説明するが、次のランク開始時まで特典付与抽選が行われないことに替えてあるいは加えて、不適切操作時から未報知の特典が報知されるまでにゲームを消化する毎に、次のランクのチャンスゲーム数から減算するようにし、次のランクのチャンスゾーンが10ゲーム未満となるようにしてもよい。また、不適切操作時であっても、特典付与抽選の結果を報知して特典が付与されている場合には必ずその特典が報知されるようにして、未報知の特典が発生し得ないようにしてもよい。
【0347】
S108に戻り、チャンスゾーン中にフリーズが発生したと判定されたときには、S120においてチャンスゾーンに移行されてランク4まで昇格し、さらにランク4において特典が付与されたときと同じ全特典が付与されるように、特典を付与し、S119へ移行される。これにより、チャンスゾーン中にフリーズが発生した場合には、プレミア的に、図25に示す全種類の特典が必ず付与されることとなる。なお、S120では、その時点でどの種類の特典が付与されているかにかかわらず、全特典を付与するようにしてもよく、また、全特典のうちその時点で未だ付与されていない残りすべての特典を付与するようにしてもよい。
【0348】
図27は、サブ制御部91によりチャンスゾーン中操作演出関連処理のフローチャートを説明するための図である。チャンスゾーン中操作演出関連処理は、所定のタイミング(たとえばチャンスゾーン関連処理を終了した後のタイミング)において実行される。
【0349】
S140においては、特典付与抽選契機の所定役に当選したか否かが判定される。所定役に当選していないと判定されたときにはS144へ移行される。所定役に当選していると判定されたときには、S141において操作演出を実行するか否かの操作演出抽選を行なう。操作演出とは、遊技者に対して演出用スイッチ56への操作を促す操作要求演出と、演出用スイッチ56への操作に応じて更新され、所定の操作条件が成立すると特典付与抽選の結果を報知する操作対応演出とを含む。操作演出抽選においては、図28に示す操作演出抽選用テーブルが参照される。操作演出抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。
【0350】
操作演出抽選用テーブルは、特典付与抽選において付与当選したか否かに応じた割合となるように、操作演出を実行するか否か、および操作演出を実行する場合には操作演出の態様をいずれにするかが決定されるように定められている。具体的には、付与当選時には付与非当選時よりも高い割合で、操作演出が実行され、その態様も高い割合で有利態様に決定されるように定められている。
【0351】
図27に戻り、S142では、操作演出抽選で当選したか否かが判定される。操作演出抽選で当選していないと判定されたときにはS144へ移行する。一方、操作演出抽選で当選したと判定されたときには、S143において操作演出を開始するタイミングを決定するための操作演出開始タイミング抽選が行なわれる。操作演出開始タイミング抽選においては、図29に示す操作演出開始タイミング抽選用テーブルが参照される。操作演出開始タイミング抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。
【0352】
操作演出開始タイミング抽選用テーブルは、図29(a)に示す、現在のランクが1〜3であるときに参照されるテーブルと、図29(b)に示す、最高であるランク4であるとき(ランク4で付与当選したときには、S119でランクが初期化されていることによりランク4であることを特定する)に参照されるテーブルとが設けられている。また、操作演出開始タイミング抽選用テーブルは、特典付与抽選において付与当選していないときにはチャンスゲームの値、特典付与抽選において付与当選しているときには前回チャンスゲームの値に応じて定められた割合に従って、操作演出を開始する開始タイミングが決定される。図29(a)に示すランク1〜3時のテーブルについては、チャンスゲームあるいは前回チャンスゲームの値が「5」以上であるときには、30%の割合が「5ゲーム後」が、20%の割合で「3ゲーム後」が、20%の割合で「2ゲーム後」が、15%の割合で「1ゲーム後」が、15%の割合で「今回ゲーム」が、各々開始タイミングとして決定されるように定められている。チャンスゲームあるいは前回チャンスゲームの値が「4〜3」、「2」、「1」、「0」各々についても、同様に、振分率が定められている。図29(b)に示すランク4時のテーブルについても同様に、チャンスゲームあるいは前回チャンスゲームの値各々について、振分率が定められている。
【0353】
ここで、ランク1〜3時のテーブルと、ランク4時のテーブルとを比較すると、チャンスゲームあるいは前回チャンスゲームの値が同じであっても、ランク4時のテーブルの方が、ランク1〜3時のテーブルよりも高い割合で、「今回ゲーム」や「1ゲーム後」など、早いタイミングに決定されるように定められている。このため、図24(b)および(c)で示したように、ランク4より前のランク1では、特典付与抽選されてから4ゲーム後に操作演出が開始されているのに対して、図24(h)および(i)で示したように、最高のランク4では、特典付与抽選されてから極力早いタイミングで操作演出を開始させることができる。
【0354】
図27に戻り、S144では、操作演出を実行すると決定されている場合であって、S143において決定された操作演出開始タイミングに到達したか否かが判定される。S144において操作演出開始タイミングに到達していないと判定されたときには、チャンスゾーン中操作演出関連処理を終了する。一方、S144において操作演出開始タイミングに到達したと判定されたときには、S145において操作対応演出の実行、および、第1演出態様で操作要求演出の実行を開始するための処理を行う。これにより、図24(c)で示した演出画像が表示された後、操作対応演出および第1演出態様で操作要求演出が実行される。
【0355】
図30は、操作対応演出、および、操作要求演出の一例を示した図である。図30(A)は、操作対応演出および第1演出態様での操作要求演出を示し、図30(B)は、操作対応演出および第2演出態様での操作要求演出を示した図である。また、図30(A)および図30(B)に示す操作対応演出および操作要求演出は、液晶表示器51に所定の画像(キャラクタやメッセージ)を表示させることにより実行される演出である。
【0356】
図30(A)に示すように、操作対応演出として、所定のキャラクタを模倣した人物画像514およびゲージ画像516が表示され、第1演出態様での操作要求演出として、「PUSH!」と示されたボタンを模倣したボタン画像512、および、「連打!」というメッセージ(以下、「連打メッセージ」という。)513が表示される。
【0357】
ここで、操作対応演出および第1演出態様での操作要求演出においては、人物画像514が、ボタン画像512の背景となるように、人物画像514およびボタン画像512は表示される。換言すれば、ボタン画像512は、人物画像514に重畳されて表示される。さらに、ボタン画像512は、後述する第2演出態様でのボタン画像512’よりも大きく表示される。これにより、ボタン画像512を目立たせることができることからボタン画像512を遊技者に目視させ易くすることができ、演出用スイッチ56を操作させることを当該遊技者に対して分かりやすく認識させることができる。換言すれば、ボタン画像512が人物画像514に重畳されていることから、遊技者は、ボタン画像512を注視することができる。なお、図30(B)については後述する。
【0358】
また、ボタン画像512の色は、図27のS141の抽選結果に基づき通常態様または有利態様に応じて異なるように定められている。本実施形態では、有利態様のときにはボタン画像512に赤色(図30ではハッチング)が付加され、通常態様のときにはボタン画像512に白色(特に図示せず)が付加される。これにより、遊技者は、ボタン画像512の色を認識することにより、操作要求演出の演出態様(通常態様または有利態様)を認識することができる。
【0359】
図27に戻り、S146では、連打用または長押し用の所定操作が検出されたか否かが判定される。操作要求演出では、「連打」と表示されるが、演出用スイッチ56への長押し操作も有効に受付けられる。図31は、連打操作および長押し操作の詳細を説明するための図である。図31(A)は連打操作の詳細を示した図であり、(ア)は「演出用スイッチ56からの検出信号」を示し、(イ)は「サブ制御部91により特定される操作」を示す。「(ア)演出用スイッチ56からの検出信号」について「ON」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力された旨を示し、「OFF」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力されていない旨を示す。また、「(イ)サブ制御部により特定される操作」について「ON」は、サブ制御部91により操作が特定された旨を示し、「OFF」は、サブ制御部91により操作が特定されていない旨を示す。
【0360】
図31(B)は長押し操作の詳細を示した図であり、(ウ)は「演出用スイッチ56からの検出信号」を示し、(エ)は「サブ制御部91により特定される操作」を示す。「(ウ)演出用スイッチ56からの検出信号」について「ON」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力された旨を示し、「OFF」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力されていない旨を示す。また、「(エ)サブ制御部により特定される操作」について「ON」は、サブ制御部91により操作が特定された旨を示し、「OFF」は、サブ制御部91により操作が特定されていない旨を示す。
【0361】
本実施の形態においては、(エ)に示すように、長押し操作されている期間において所定時間(たとえば、0.1秒)ごとに、サブ制御部91は、演出用スイッチ56からの検出信号を検出する。当該所定時間については、一般的な遊技者が連打操作する際の、操作間隔よりも短い時間であれば、如何なる値でもよい。本実施の形態においては、(エ)に示すように、長押し操作のうち、サブ制御部91は、連続して所定個(10個)(図31では省略して図示)の検出信号を検出するまでの、遊技者による操作を「長押し用の所定操作」として特定し、11回目以降の検出信号を検出する毎の、遊技者による操作を「長押し用の特定操作」として特定する。つまり、長押し用の所定操作は、遊技者から長押し操作された時から、所定期間t(この例では、1秒(=10×0.1))経過する時までの操作であり、長押し用の特定操作は、長押し用の所定操作以降に検出信号を検出する毎の、遊技者による操作である。当該所定期間tは1秒に限られるものではなく、他の値であってもよい。なお、前述のように、サブ制御部91が、連続して検出した検出信号の個数が所定個(10個)未満である場合には、サブ制御部91は、当該検出信号を出力させた操作を連打操作のうちの1回の操作であると特定する。
【0362】
本実施の形態においては、(イ)に示すように、連打操作(複数回の操作)のうち、サブ制御部91は、1回目(初回)の操作を、「連打用の所定操作」として特定し、2回目以降の操作を、「連打用の特定操作」として特定する。なお、サブ制御部91が、連続して検出した検出信号の個数が後述する所定個(10個)未満である場合には、当該検出信号を出力させた操作を連打操作のうちの1回の操作であると特定する。
【0363】
S146において連打用または長押し用の所定操作が検出されていないと判定されたときには、S147において操作受付期間が終了したか否かが判定される。操作受付期間とは、リール回転開始から第1停止操作されるまでの間や、リール回転開始からリール回転停止までの間など、予め定められている期間であればよい。S147において操作受付期間が終了していないと判定されたときにはS146へ移行される。一方、操作受付期間が終了していると判定されたときには後述するS154へ移行される。
【0364】
S146において連打用または長押し用の所定操作が検出されたと判定されたときには、S148において、操作要求演出の演出態様が、第1演出態様から、第2演出態様に変更される。図30(B)に、第2演出態様の操作要求演出などを示す。図30(B)の例では、人物画像514は、ボタン画像512の背景として表示されるものの、第2演出態様の操作要求演出として、ボタン画像512は、人物画像514に重畳されない位置に表示されると共に、ボタン画像512は第1演出態様のときと比較して小さく表示される。第2演出態様でのボタン画像512をボタン画像512’という。さらに、第2演出態様では、連打メッセージ513は表示されなくなる。一方、操作対応演出としての人物画像514の大きさおよび位置は変更されない。
【0365】
操作要求演出の演出態様が、第1演出態様から、第2演出態様に変更されることにより、ボタン画像512の大きさおよび位置が変更される理由について説明する。前述のように、第1演出態様においては、ボタン画像512を大きく、かつ、ボタン画像512を人物画像514に重畳させて表示することにより、遊技者に対してボタン画像512を認識させることで、遊技者に操作内容を明確に把握させる。
【0366】
また、第1演出態様から第2演出態様に変更されたということは、遊技者により所定操作(図31の例では連打操作の1回目の操作)がされたということである。遊技者が所定操作を行ったということは、遊技者は操作を行う旨を認識していると擬制できる。遊技者が操作を行う旨を認識している場合にまで、第1演出態様のように、ボタン画像512を大きく、かつ、ボタン画像512を人物画像514に重畳させて表示させると、人物画像514を遊技者に対して見せることができず、かつ、遊技者にとってあまり必要でない情報であるボタン画像512がただ大きく表示されることになり、遊技の興趣の低下を招く場合がある。
【0367】
そこで、第2演出態様では、「遊技者は操作を行う旨を認識しており、当該遊技者にとってボタン画像512の表示はあまり必要ない」と擬制して、ボタン画像512を人物画像514に重畳させず、かつ、第1演出態様時よりもボタン画像512を小さく表示する。これにより、遊技者に対して、人物画像514を適切に見せることができ、かつ、ボタン画像512に対して煩雑性を招くことはなく、遊技の興趣を向上させることが出来る。また、第2演出態様において、ボタン画像512を表示しないとすると、遊技者は、「操作をする必要がないのか」という疑念を抱く場合があるが、本実施の形態の第2演出態様では、ボタン画像512は小さく表示される。したがって、遊技者に、操作の必要性を認識させることができ、このような疑念を抱かせないようにすることができる。
【0368】
また、図30(A)においては、ボタン画像512が赤色(ハッチング)が付加されていることにより、第1演出態様でありかつ有利態様で操作要求演出が実行されているが、図30(B)においても、ボタン画像512は赤色(ハッチング)が付加されていることから、第2演出態様でありかつ有利態様で操作要求演出が実行されている。このように、第1演出態様から第2演出態様に変更されても、有利態様は変更されない。したがって、第1演出態様から第2演出態様に変更されたとしても、有利である旨の示唆を継続させることができ、遊技者に、当該示唆を見逃させないようにすることができる。
【0369】
図27に戻り、S149においては、連打用または長押し用の特定操作が検出されたか否かが判定される。連打用の特定操作とは、図31(イ)の例では、連打操作のうち、2打目以降の操作である。また、長押し用の特定操作とは、図31(エ)の例では、長押し用の所定操作以後も継続する演出用スイッチ56への操作である。S149において連打用または長押し用の特定操作が検出されていないと判定されたときには、S150において操作受付期間が終了したか否かが判定される。S150において操作受付期間が終了していないと判定されたときにはS149へ移行される。一方、S150において操作受付期間が終了していると判定されたときにはS154へ移行される。
【0370】
S149において連打用または長押し用の特定操作が検出されたと判定されたときには、S151において操作対応演出を更新する。本実施の形態の操作対応演出の演出態様の更新については、図30(B)の人物画像514を取り巻く炎の色が変化すると共に、ゲージ画像516の左端の色が変化するものである。なお、本実施の形態の操作対応演出の演出態様の更新とは、1回の特定操作毎に操作対応演出の演出態様が更新され、当該更新後の操作対応演出が所定時間(たとえば、1秒)実行され、元の演出態様に戻る更新である。たとえば、特定操作がされる前の炎の色が黄色である場合には、特定操作がされると、炎の色がたとえば「黄色→赤色→黄色」のようになることである。また、操作対応演出の演出態様の更新には、ゲージが1つずつ増加していく演出を含む。このように、操作対応演出を更新させることにより、遊技者が特定操作を行ったことを当該遊技者自身に把握させることができる。
【0371】
S152では、操作対応演出が最終段階(たとえばゲージが満タン)まで更新されたか否かが判定される。S152において操作対応演出が最終段階まで更新されていないと判定されたときには、S149へ移行される。一方、操作対応演出が最終段階まで更新されていると判定されたときには、図23のS113における特典付与抽選の結果を、今回ゲームにおいて報知するための処理をS153で行ない、チャンスゾーン中操作演出関連処理を終了する。これにより、図24(d)や(f)の演出画像を表示することができる。
【0372】
一方、S147またはS150において操作受付期間が終了したと判定されたときには、適切な操作(操作演出においてS152でYESと判定させるための操作)が行なわれなかったときである。この場合には、S154において特典付与抽選において付与当選しているか否かが判定される。S154において付与当選していないと判定されたときには、S158において今回ゲームにおいて特典なしを報知し、チャンスゾーン中操作演出関連処理を終了する。
【0373】
一方、S154において付与当選していると判定されたときには、S155において現在ランクがランク4であるか否かが判定される。S155において現在ランクがランク4であると判定されたときには、前述したS153へ移行される。一方、S155において現在ランクが「4」でないと判定されたときには、特典付与時に設定される前回チャンスゲームの値が「0」であるか否かがS156において判定される。S156において前回チャンスゲームの値が「0」であると判定されたときには、前述したS153へ移行される。一方、S156において前回チャンスゲームの値が「0」でないと判定されたときには、S157において前回チャンスゲームの値が「0」となったゲームにおいて、特典付与抽選の結果報知をするためのデータを設定し、S158へ移行する。これにより、適切な操作がされなかった場合においても、前回チャンスゲームの値が「0」となったときに特典付与抽選の結果が遊技者に対して報知されることになる。
【0374】
図32は、サブ制御部91により実行されるチャンスゾーン終了時処理のフローチャートを説明するための図である。チャンスゾーン終了時処理は、チャンスゾーンが内部的に終了した後、当該チャンスゾーンの各ランクにおいて特典付与抽選の結果が報知された後の所定のタイミング(たとえばゲーム終了時)で実行される。
【0375】
まず、S170では、終了したチャンスゾーン中において獲得した全特典、つまりトータル結果を報知する。これにより、図24(j)に示すように、「トータル」と表示された上で、「ナビストック10個 ART終了後チャンスゾーン」といったトータル結果情報51iが表示される。なお、ランク1において付与当選しなかった場合には、「残念」といった文字画像が表示される。S171においては、終了したチャンスゾーン中において特典を獲得したか否かが判定される。S171において特典を獲得していないと判定されたときにはそのままチャンスゾーン終了時処理を終了する。一方、終了したチャンスゾーン中において特典を獲得していると判定されたときには、S172において付与された特典(ナビストック数)に応じて、ATへの制御を開始するための処理を行ない、チャンスゾーン終了時処理を終了する。これにより、即座にATへの制御を開始することができる。なお、チャンスゾーン中における演出は、内部的にチャンスゾーンが終了していたとしても、当該チャンスゾーン終了時処理が実行されてATへの制御が開始されるまで継続して実行される。
【0376】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態によれば、非AT中に制御可能となるチャンスゾーンにおいては、図23のS113で示したように、通常時ナビストック抽選よりも遊技者にとって有利な特典付与抽選が行われる。また、チャンスゾーンにおいて付与当選すると、S118で示したように、ランクが昇格するとともに新たなチャンスゲームが設定されて、チャンスゾーンへの制御が継続される。また、最高のランク4であるときに付与当選すると、S119で示したように、チャンスゾーンへの制御が内部的に終了され、以降において特典付与抽選が規制される。このような、チャンスゾーンにおいて付与当選が行われたときには、図29で示したように、当該付与当選がランク1〜3において行われたときよりも、最高であるランク4において行われたときの方が、付与当選したか否かを報知する操作演出が実行されるまでに要するゲーム数の期待値(平均ゲーム数)が少なくなるように、操作演出を開始するタイミングが決定される。このため、付与当選したか否かを報知するタイミングが単調となってしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。また、ランク4において付与当選が行われてチャンスゾーンが内部的に終了することにより、それ以降において特典付与抽選が行われないにもかかわらず、操作演出が行われずに付与当選が報知されないままATに制御されない不利な状態への制御のみが長引いてしまうことを防止できる。
【0377】
(2) 前述した実施の形態によれば、図25で示したように、付与当選が行われる毎に有利度合いが高い特典が付与されるため、付与当選毎に期待感を向上させるとともに、ランク4まで昇格して特典が付与されることへの意欲を向上させることができる。
【0378】
(3) 前述した実施の形態によれば、特典付与抽選の契機となる所定役に当選する確率も、所定役に当選したときに付与当選する確率も、チャンスゾーンにおけるランクにかかわらず一定である。このため、チャンスゾーンにおいて付与当選が行われた回数にかかわらず、所定のゲーム数を消化したときに付与当選する確率は一定となる。よって、チャンスゾーンにおけるランクにおいて消化したゲーム数よりも、そのランクにおいて付与当選したときに付与され得る特典の種類に遊技者を注目させることができる。
【0379】
(4) 前述した実施の形態によれば、図23のS109で示したように、未報知の特典がある場合には、S111でチャンスゲームが減算されることなく、S113で特典付与抽選が行われ得る。このため、付与当選してから操作演出が実行されて報知されるまでのタイミングが遅くなるほど、特典付与抽選が行われ得るチャンスゾーンの全体のゲーム数が多くなる結果、長くなるため、付与当選することに対する期待感を向上させることができる。
【0380】
(5) 前述した実施の形態によれば、図29(a)で示したように、付与当選したときのチャンスゲーム(実際には前回チャンスゲーム)がたとえば5ゲーム以上であるか否かで、操作演出の開始タイミングを異ならせることができ、チャンスゲームが多いほど操作演出の開始タイミングが遅くさせることによりチャンスゾーンを長くすることができ、付与当選することに対する期待感を向上させることができる。
【0381】
(6) 前述した実施の形態によれば、図23のS120で示したとおり、チャンスゾーン中に再度フリーズが発生したときには、全特典が付与される。これにより、フリーズが発生することに対し、プレミア的な期待感を抱かせることができる。
【0382】
(7) 前述した実施の形態によれば、図23のS110で示したように、付与当選が行われることにより付与される特典の種類(特典対象情報51d)を遊技者に確実に認識させることにより、特典が付与されることに対する期待感を向上させることができる。
【0383】
(8) 前述した実施の形態によれば、フリーズ制御の実行期間においては、リール演出後に赤7揃いの組合せ(7a−7a−7a)または「リプレイa−リプレイa−スイカa」の組合せが入賞ラインLN上に仮導出表示されているときに、スタートスイッチ7が操作されたことを条件にフリーズ制御が終了し、当該終了とともに図柄の変動表示が開始されて表示結果が導出される。これにより、フリーズ制御が実行されない通常の遊技と同様の流れでフリーズ制御の終了後の図柄の変動表示を開始させることが可能になり、遊技に対して遊技者が違和感を覚え、困惑させてしまうことを防止できる。
【0384】
(9) 前述した実施の形態によれば、連打操作や長押し操作を遊技者に対して要求する操作要求演出を実行する際に、操作内容を遊技者に対して適切に把握させるために、第1演出態様として、ボタン画像512を人物画像514に重畳させ、かつ、ボタン画像512を大きく表示する。一方、遊技者が連打操作や長押し操作を開始し始めると、「遊技者は連打操作または長押し操作を行う旨を認識しており、当該遊技者にとってボタン画像512の表示はあまり必要ない」と擬制できる。したがって、第2演出態様として、ボタン画像512を人物画像514に重畳させず、かつ、第1演出態様時よりもボタン画像512を小さく表示する。これにより、遊技者に対して、操作対応演出としての人物画像514の視認性を高めることができ遊技の興趣を向上させることができる。また、操作要求演出として、液晶表示器51に、ボタン画像512および連打メッセージ513を表示させ、操作対応演出として、液晶表示器51に、人物画像514およびゲージ画像516を表示させる。したがって、遊技者に対して直接的に、操作内容を認識させることができる。
【0385】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0386】
[報知タイミングについて]
前述した実施の形態では、付与当選したときに報知タイミングを決定する例について説明したが、ランク4であるときの方がランク1〜3であるときよりも報知タイミングが早くなるように構成されているものであれば、これに限らず、たとえば、付与当選してからゲーム開始毎に、今回ゲームにおいて報知するか否かを所定確率に従って決定するようにしてもよい。この場合、今回ゲームにおいて報知する確率は、ランク4であるときの方がランク1〜3であるときよりも高く設定することにより、ランク4であるときの方がランク1〜3であるときよりも報知タイミングが早くなるようにしてもよい。
【0387】
また、前述した実施の形態では、付与当選したか否かを報知する操作演出の開始タイミングを異ならせる例について説明したが、複数ゲームに亘って付与当選したか否かを煽った後に付与当選したか否かの結果を報知するいわゆる連続演出を行う場合には、連続演出の開始タイミングを異ならせるものであっても同じものであってよく、連続演出において結果を報知するまでのゲーム数(つまり連続演出の実行ゲーム数)が、ランク4であるときの方がランク1〜3であるときよりも少なくなるように決定することにより、報知タイミングが早くなるようにしてもよい。
【0388】
前述した実施の形態では、図29(b)で示したように、ランク4時において付与当選したときでも、前回チャンスゲームの値に応じて、複数種類のタイミングから一のタイミングに決定される例について説明したが、これに限らず、ランク4時において付与当選したときには、当該付与当選したゲームにおいて付与当選した旨を報知するように、操作演出を実行するようにしてもよい。これにより、ランク4において付与当選が行われてチャンスゾーンが終了することにより、それ以降において特典付与抽選が行われないにもかかわらず、操作演出が行われずに付与当選が報知されないままATに制御されない不利な状態への制御が継続されてしまうことを回避することができる。
【0389】
また、ランク4時における操作演出の開始タイミングは、実際に付与当選しているか否かにかかわらず、同じ振分率に従って決定される例について説明したが、これに限らず、付与当選していないときには、所定役当選により図23のS113において特典付与抽選が行われるため、付与当選しているときよりも報知タイミングが遅くなるように構成されているものであってもよい。この場合であっても、ランク4時における付与当選していないときの操作演出の開始タイミングは、ランク1〜3時よりも報知タイミングが早くなるように構成する。
【0390】
[特定期間について]
前述した実施の形態においては、特定期間であるチャンスゾーンの開始条件として、フリーズ発生により行われるチャンスゾーン移行抽選で当選することにより成立する例を示したが、これに限らず、フリーズが発生すると必ず成立するものであってもよい。また、特定期間であるチャンスゾーンの開始条件は、特定役当選あるいは入賞により成立するものであってもよく、所定のはずれ出目が停止することにより成立するものであってもよく、ARTやボーナスなど遊技者にとって有利な状態が終了してから再び有利な状態に制御されることなく所定ゲーム数(たとえば、1000ゲーム)消化することにより成立するものであってもよく、また、所定の継続ゲーム数(たとえば、100ゲーム)消化することにより終了する特定の状態の残りゲーム数が所定のゲーム数(たとえば、30ゲーム)に到達することにより成立するものなど、予め定められているものであればよい。
【0391】
また、特定期間であるチャンスゾーンの終了条件として、特典が付与されることなく、予め定められた一の所定ゲーム数(10ゲーム)消化することにより成立する例を示したが、所定ゲーム数としては、複数種類のゲーム数から、たとえばランク(付与当選回数)に応じて選択された一のゲーム数が設定されるようにしてもよく、この場合、チャンスゾーンが開始されたときや、付与当選する毎に一のゲーム数を選択するようにしてもよい。また、特定期間であるチャンスゾーンの終了条件は、これに限らず、特典が付与されることなく特定役当選あるいは入賞により成立するものであってもよく、特典が付与されることなく所定のはずれ出目が停止することにより成立するものであってもよい。
【0392】
[特定期間の継続・終了の基準となる所定回数について]
前述した実施の形態では、所定回数として4回を例示したが、これに限らず、所定回数は予め定められている回数であればよい。また、所定回数は、たとえば、チャンスゾーンへの制御が開始される毎に、複数種類の回数から所定の振分率に従って決定された回数が設定されるようにしてもよい。この場合、設定される回数は、チャンスゾーンへの移行契機(たとえば、当選役の種類など)によって異なる振分率で複数種類の回数から決定されるようにしてもよい。
【0393】
[特定状態および所定事象について]
前述した実施の形態では、所定事象としてナビ演出実行を例示し、ナビ演出が実行されない点で不利な非AT中を特定状態として例示した。しかし、所定事象は、これに限らず、たとえば、内部抽選において入賞役(たとえば、メダル払出を伴う小役)に当選する確率であってもよく、AT抽選において当選する確率であってもよく、プレミア的な演出を実行する確率などであってもよい。特定状態は、これら予め定められた事象が所定状態であるときよりも遊技者にとって不利となるように定められた状態であればよい。
【0394】
[特別リプレイについて]
非AT中においてフリーズ発生契機となる通常+特別リプレイ7〜9のいずれかが当選したときには、ナビストック抽選を合わせて行うようにしてもよい。また、非AT中においてフリーズ発生する場合には、ナビ演出が実行されて、必ず特別リプレイに入賞している例について説明したが、実行されるナビ演出どおりの操作手順で停止操作したとしても特別リプレイを入賞させるリール制御を行わずに、次ゲーム開始のためのスタートスイッチ7が操作されたときに突然フリーズを発生させるようにしてもよい。
【0395】
[特典について]
前述した実施の形態では、特典として、ナビストック数やART終了後にチャンスゾーンへ移行することを例示した。しかしながら、特典は、これに限らず、その他の特典であってもよい。たとえば、特典をATに制御可能となるATゲーム数としてもよい。また、特典としては、有利な状態への移行確定(たとえばボーナス当選、ナビストック獲得など)を報知することであってもよい。また、直接的にメダルの獲得に繋がる特典に限らず、キャラクタ画像の画像データや音楽データなど、遊技者にとって有益となるものであれば何れの特典であってもよい。このような構成の場合には操作要求演出において、遊技者により実行された特定操作の数に応じた数のキャラクタ画像や音楽データ、遊技者により実行された特定操作の数に応じた希少度のキャラクタ画像や音楽データが遊技者に対して付与される。
【0396】
[フリーズ発生条件について]
本実施の形態において通常+特別リプレイ9当選時には、特定の状況(たとえば、非AT判定時ではRT1、AT判定時ではRT3など)でありさえすれば、特定の操作態様で操作されなくても、フリーズに制御する例について説明したが、フリーズ発生条件として、たとえば特定の当選状況となり特定の条件が成立しさえすれば、特定の操作態様で操作されず、かつ特定の状況でないときであっても、フリーズに制御する構成を備えるものであってもよい。これにより、特定の状況でなくかつナビ演出が実行されない場合においてもフリーズに制御されることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0397】
また、フリーズ発生条件に含まれる内部当選状況は、通常+特別リプレイ7〜9当選時や、ハズレ時、通常リプレイ当選時などに限らず、その他の当選状況であってもよい。また、フリーズ発生条件に含まれる項目として、内部当選状況、操作手順、遊技状態(RT1やRT3であるか否か)、判定状態(AT判定時であるか否かなど)を含む例について説明したが、操作手順と遊技状態とを含むものであればこれに限らず、他の項目(たとえば、特定役に入賞、所定ゲーム数消化など)を含めてもよい。また、メイン制御部41は、フリーズを発生させるゲーム(通常+特別リプレイ7〜9当選時、判定ゲームなど)においては停止順種別を決定し、当該決定された停止順で操作されたことを条件として、フリーズを発生可能とした例について説明したが、これに限らず、メイン制御部41は、フリーズを発生させるゲームにおいて停止順種別を決定せず、特定の停止順(右リール2R第1停止)でありかつゲームの状況が特定の状況であることを条件として、フリーズを発生可能としてもよい。
【0398】
また、フリーズ発生条件としては、サブ制御部91により制御される演出状態(AT判定による結果(AT中か否かなど))と、メイン制御部41により制御される遊技状態(RT1か、あるいはRT3かなど)とを含ませた例について説明したが、これに限らず、フリーズ発生条件は、サブ制御部91により制御される演出状態を含めずメイン制御部41により制御される遊技状態を含ませた条件であってもよく、逆に、メイン制御部41により制御される遊技状態を含めずにサブ制御部91により制御される演出状態を含ませた条件であってもよい。メイン制御部41により制御される遊技状態は、RTの種類に限らず、ボーナスの種類などであってもよい。
【0399】
[フリーズ中の操作について]
前述した実施形態においては、フリーズ中の操作対象をスタートスイッチ7とし、フリーズ中に、スタートスイッチ7を操作することを契機に、仮表示結果が導出されるものであったが、その他の例として、フリーズ中の操作対象をスタートスイッチ7でなく、その他の操作部、たとえば、MAXBETスイッチ6やストップスイッチ8としてもよい。また、フリーズ中の操作対象の操作部を「ストップスイッチ」とした場合には、非フリーズ中とフリーズ中とで、ストップスイッチが操作されたときの表示結果の導出態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかを操作すると、非フリーズ中では操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させる一方、フリーズ中ではすべてのリール2L、2C、2Rを停止させる。このようにすることで、フリーズ中の操作対象の操作部を「ストップスイッチ」とした場合でも、フリーズ中であるか非フリーズ中であるかの混同を防ぐことができる。
【0400】
[遊技状態について]
本実施の形態においては、役の当選や入賞などに応じて複数の遊技状態の間を遷移させて遊技を行うスロットマシンを例示したが、これに限らず、専ら1の遊技状態のみにおいて遊技を行うスロットマシンであってもよい。たとえば、図8を参照して、RT0において特定条件が成立(たとえば、ボーナス当選など)することによりRT3に移行され、以降においては終了条件が成立(ボーナス入賞)するまでRT3のみにおいて遊技が行われ、終了条件が成立した後は再びRT0に移行されるように構成されたスロットマシンであってもよい。この場合、RT3においては、高確率でリプレイや小役に当選するため、仮にボーナス当選によりRT3に制御される場合には、当選しているボーナスに入賞し難くなる。なお、ボーナスにほとんど入賞しないように,RT3においてリプレイや小役のいずれかに65535/65536の確率で当選するようにし、1/65536の確率でハズレとなり、この場合にのみ当選しているボーナスを引き込み可能なタイミングで操作したときにボーナス入賞となりRT0に移行され得るようにしてもよい。
【0401】
このようなRT3においても、本実施の形態と同様に、ATに制御されることにより払出率(払出枚数/賭数設定枚数)が1以上となり、ATに制御されなければ1未満となる。よって、RT3中において、ATに制御されることにより遊技者にとって有利な有利状態に制御されることになる。このようなRT3中において、メイン制御部41によりATであると判定されたときにのみフリーズが発生するようにしてもよい。また、この場合においても、“[フリーズ発生条件について]”欄で示したように、特別なチャンスゾーンであることがメイン制御部41により判定されたときにおいて、所定の抽選条件が成立したときに、フリーズを発生可能とし、特別なチャンスゾーンであると判定されていないときには所定の抽選条件が成立してもフリーズを発生させないようにしてもよい。
【0402】
[第1演出態様および第2演出態様について]
前述の実施の形態における操作要求演出において、図30(A)に示すように、第1演出態様では、ボタン画像512を人物画像514に重畳させるようにして表示し、図30(B)では、ボタン画像512を人物画像514に重畳させないようにしてかつ第1演出態様時よりも小さく表示する、として説明した。しかしながら、「第2演出態様は、第1演出態様よりも操作対応演出を遊技者が認識し易い態様である」という関係性を保っていれば、第1演出態様および第2演出態様は如何なる演出態様であってもよい。
【0403】
図33は、操作要求演出の第1演出態様および第2演出態様の他の態様の例を示したものである。他の態様(A)では、第1演出態様は、ボタン画像512を表示すると共に「押せ!」というメッセージ(以下、「押せメッセージ」という。)も表示する態様である一方、第2演出態様は、押せメッセージを表示しないようにして、ボタン画像512のみを表示する態様である。また、他の態様(B)では、第1演出態様は、ボタン画像512にエフェクトをかけた態様である一方、第2演出態様は、ボタン画像512にエフェクトをかけないよう態様である。エフェクトとは、たとえば、ボタン画像512を点滅させる態様で表示させたり、ボタン画像512が光る態様で表示させたりすることである。
【0404】
また、他の態様(C)では、第1演出態様は、ボタン画像512を不透明にして表示させる態様である一方、第2演出態様は、ボタン画像512を透明にして表示させる態様である。ボタン画像512が透明になることにより、当該ボタン画像512を目視でき、当該ボタン画像512に重畳されている人物画像514も目視できる。また、他の態様(D)において、第1演出態様および第2演出態様の操作対応演出は、所定のキャラクタ(たとえば、図30記載の人物画像514)を表示すると共に、特定音を出力する演出である。ここで、特定音とは、所定の音楽(BGM)や付与されたATゲーム数を報知する音声(たとえば、「プラス5だ!」という音声)などである。また、他の態様(D)において、操作要求演出の第1演出態様は、ボタン画像512を表示すると共に「押せ!」という音声を所定間隔でスピーカ53、54から出力する態様である一方、操作要求演出の第2演出態様は、ボタン画像512を表示するが当該音声を出力しない態様である。また、操作要求演出は、液晶表示器51に表示させると共に、他の演出手段(演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55など)で実行するようにしてもよい。本実施形態のスロットマシン1においては、演出効果LED52、スピーカ53、54リールLED55の3個の演出手段を備える。
【0405】
他の態様(E)では、第1演出態様は、N個(Nは1以上の整数)の演出手段で演出すると共にボタン画像512を表示する一方、第2演出態様は、M個(Nは0以上の整数)の演出手段で演出すると共にボタン画像512を表示する。ただし、N>Mとする。また、第2演出態様においては、第1演出態様と比較して、演出を実行する演出手段の数を減少させるのみではなく、第1演出態様で実行していた演出手段の演出効果を減少させるようにしてもよい。演出効果の減少とは、演出手段が、リールLED55である場合には、リールLED55の光量を減少させたり、演出手段がスピーカ53、54である場合には、スピーカの音量を減少させたりすることである。
【0406】
また、操作要求演出および操作対応演出において、液晶表示器51に所定の画像(ボタン画像512や人物画像514)を表示せずに、スピーカ53、54から、所定の音声や所定の音楽を出力するような構成にしてもよい。このような構成の場合には、操作要求演出は、スピーカ53、54から「演出用スイッチ56を押して!!」などいった操作要求音声を所定間隔で出力する演出とし、操作対応演出は、前述の特定音(所定の音楽や付与されたATゲーム数を報知する音声)を出力する演出としてもよい。このような構成の場合において、他の態様(F)では、操作要求演出の第1演出態様は、所定音量で当該操作要求音声を出力する一方、操作要求演出の第2演出態様では、当該所定音量よりも小さい音量で、操作要求音声を出力する。また、他の態様(D)、(F)においては、音声が出力される所定間隔を、第2演出態様では、第1演出態様のときよりも長くするようにしてもよい。
【0407】
上記のいずれの態様によっても、第1演出態様での操作要求演出により、第2演出態様と比較して、「演出用スイッチ56に対して操作する」旨を遊技者に対して、より一層認識させることができる。また、第2演出態様での操作要求演出により、第1演出態様よりも操作対応演出を遊技者に認識させ易くすることができる。
【0408】
[第1演出態様から第2演出態様に変更される契機について]
前述の実施の形態においては、第1演出態様から第2演出態様から変更される契機(以下、「変更契機」という。)については、図31に示すように、連打操作を要求する操作要求演出については、連打操作のうち1回目の操作がされたときであり、長押し操作を要求する操作要求演出については長押し操作がされ始めた時から所定期間が経過した時であるとして説明したが、これに限られるものではなく、他の契機であってもよい。たとえば、連打操作を要求する操作要求演出の変更契機は、所定数(2以上の整数)打目としてもよい。また、1回目または所定数打目された時から所定時間経過した時としてもよい。また、長押し操作を要求する操作要求演出の変更契機は、長押しされた時と同時としてもよい。
【0409】
[所定操作および特定操作について]
前述した実施の形態の連打操作においては(図31(A)参照)、サブ制御部91により特定される所定操作は1回目の操作であり、特定操作は2打目以降の操作であるとして説明したがこれに限られるものではない。たとえば、当該所定操作は、2打目以降の操作としてもよく、当該特定操作は所定操作以降の操作であれば如何なる操作としてもよい。また、特定操作については、所定操作以降の操作それぞれの操作ではなく、所定操作以降の操作のうち所定個ごとの操作としてもよい。また、特定操作については、所定操作以降の操作のうち、ランダムで決定されるようにしてもよい。
【0410】
また、前述した実施の形態の長押し操作においては(図31(B)参照)、サブ制御部91により特定される長押し用の所定操作は、「演出用スイッチ56からの検出信号が検出されている期間、2回分の検出信号を検出するまでの遊技者による操作」とし、サブ制御部91により特定される特定操作は、「長押し用の所定操作以降に検出信号を検出する毎の、遊技者による操作」であるとして説明した。しかしながら、これに限られるものではない。たとえば、当該所定操作は、1回の検出信号を検出するまでの遊技者による操作としてもよく、また、3回以上の検出信号を検出するまでの遊技者による操作としてもよい。また、特定操作については、所定操作以降の検出信号を検出する毎の操作ではなく、所定操作以降の操作のうち所定個の検出信号を検出する毎の操作としてもよい。また、特定操作については、所定操作以降の検出信号を検出する毎の操作ではなく、ランダムで決定検出信号を検出する毎の操作としてもよい。
【0411】
[操作要求演出における操作について]
前述の実施の形態においては、連打要求操作または長押し要求操作に対する操作として、演出用スイッチ56を用いるものであった。しかしながら、これに限らず、たとえば、スタートスイッチ7やBET操作のようなその他の手段を用いるものであってもよい。さらには、連打要求操作または長押し要求操作とで同じ操作を用いるものに限らず、たとえば、連打要求操作は演出用スイッチ56を用い、長押し要求操作は演出用スタートスイッチ7を用いるなど、互いに異なる操作を用いるものであってもよい。
【0412】
[操作対応演出について]
本実施の形態の操作対応演出は、遊技者により特定操作がされる毎に演出態様が変わる(具体的には、人物画像514を取り巻く炎の色が変わり、ゲージ画像516の色が変わる)として説明したがこれに限られるものではない。たとえば、遊技者により所定回の特定操作が行われる毎に、以下のように操作対応演出の演出態様を更新するようにしてもよい。所定回とは、1回でも複数回であってもよい。図30の例では、操作対応演出の開始時の炎の色は紫色であるが、所定回の特定操作がされる毎に、紫→青→緑→黄→赤などと更新される。
【0413】
また、操作対応演出の演出態様が更新される毎に、当該所定回数が変化するようにしてもよい。たとえば、炎の色が、1回の特定操作により紫→青になり、さらに3回の特定操作により青→緑になり、さらに5回の特定操作により緑→黄になり、さらに10回の特定操作により黄→赤になるようにすればよい。
【0414】
また、遊技者により特定操作がされる毎に、操作対応演出の演出態様を更新するか否かの抽選を行うようにしてもよい。ここで、当該抽選により、操作対応演出の演出態様を更新させる更新確率(たとえば、1/2)としてもよい。また、操作対応円演出の演出態様が更新される毎に、当該更新確率が変化するようにしてもよい。たとえば、炎の色が、1回の特定操作により1/2の確率で紫→青になり、炎の色が青色になりさらに1回の特定操作がされると1/3の確率で青→緑になり、炎の色が緑色になりさらに1回の特定操作がされると1/5の確率で緑→黄になり、炎の色が黄色になりさらに1回の特定操作がされると1/10の確率で黄→赤になるようにすればよい。
【0415】
また、操作対応演出の演出態様が更新されることにより、最終演出態様(つまり、炎の色が赤色になる態様)になったときに、所定の特典(たとえば、100ゲームのATゲーム数)を付与するようにしてもよい。また、操作対応演出の演出態様が更新される毎に所定回が変更される形態と、操作対応演出の演出態様が更新される毎に更新確率が変更される形態を組み合わせるようにしてもよい。
【0416】
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
【0417】
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
【0418】
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
【0419】
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
【0420】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0421】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、91 サブ制御部。
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