特許第6227998号(P6227998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6227998螺入弁座付マルチポートノーマルオープンモジュラーバルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227998
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】螺入弁座付マルチポートノーマルオープンモジュラーバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20171030BHJP
   H01F 7/16 20060101ALI20171030BHJP
   F16K 1/48 20060101ALI20171030BHJP
   F16K 11/044 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   F16K31/06 305L
   H01F7/16 R
   F16K31/06 305M
   F16K31/06 305N
   F16K1/48 A
   F16K11/044 Z
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-262203(P2013-262203)
(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2014-122701(P2014-122701A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2016年4月8日
(31)【優先権主張番号】13/724,455
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505296441
【氏名又は名称】エムエイシー・バルブス,インク
【氏名又は名称原語表記】MAC VALVES,INC
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミソン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ ジェフリー
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0061600(US,A1)
【文献】 特開2010−138941(JP,A)
【文献】 特開2004−108518(JP,A)
【文献】 特開2006−153215(JP,A)
【文献】 特開昭61−136075(JP,A)
【文献】 特開2003−74735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06
F16K 1/48
F16K 11/044
H01F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、
コイルと磁極片の双方を収容するソレノイド本体と、
前記ソレノイド本体に接続され、弁座面を形成するバルブ本体部と、
それぞれ前記バルブ本体部内に配置されるバルブ部材部とねじ付端部シャンクを備える電機子/バルブ部材と、
螺入ポペット/バルブ部材であって、前記電機子/バルブ部材の移動に応じて前記バルブ本体部の前記弁座面にシール当接する前記ソレノイド本体に対向する係合面を有するバルブリングと、一体型本体とを備え、前記一体型本体が、自由端部と雌ねじ部とを備え、前記自由端部が前記バルブリングを前記螺入ポペット/バルブ部材に保持し、前記バルブリングが前記自由端部の周囲に延び保持され、前記雌ねじ部が前記自由端部から前記ソレノイド本体に向けて長手方向に延びることで前記雌ねじ部が前記自由端部と前記電機子/バルブ部材の前記バルブ部材部との間に長手方向に配置され、前記雌ねじ部が前記電機子/バルブ部材のねじ付端部シャンクを受けて前記螺入ポペット/バルブ部材を前記電機子/バルブ部材に保持する螺入ポペット/バルブ部材と、
前記電機子/バルブ部材に作用して、通常時、前記バルブリングを前記バルブ本体部の前記弁座面から接触しなくなる方向に付勢して、前記モジュラーバルブのバルブノーマルオープン位置を規定する付勢部材とを備えることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記ソレノイド本体はさらに、前記コイルを支持し、前記磁極片が摺動自在に収容されたボビンを有することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項3】
請求項2に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記磁極片は前記ボビン内に移動可能に配置され、さらに前記磁極片を前記ソレノイド本体に係合させるねじ付端部を有し、前記磁極片を前記ねじ付端部に対して回転することにより前記磁極片の軸方向位置を選択可能とされることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項4】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記螺入ポペット/バルブ部材は、前記電機子/バルブ部材の非ねじ付ロッド部を摺動可能に収容する円筒チューブ部を備え、前記非ねじ付ロッド部は前記ねじ付端部シャンクの近傍に配置されることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項5】
請求項4に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記非ねじ付ロッド部は、前記円筒チューブ部の内壁に摺動可能に当接して前記モジュラーバルブ内の流体が前記電機子/バルブ部材の前記ねじ付端部シャンクを越えて流出するのを防ぐシール部材を備えることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項6】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記電機子/バルブ部材は前記ソレノイド本体及び前記バルブ本体部の双方に摺動可能に配置され、かつ前記コイルに通電されたとき前記コイルにより形成され前記電機子/バルブ部材及び前記磁極片を介して作用する磁界によって前記磁極片に向けて変位し、これにより前記螺入ポペット/バルブ部材の前記バルブリングが前記弁座面に当接してバルブ閉位置を規定するまで前記付勢部材を圧縮することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項7】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、前記モジュラーバルブは2方向バルブであることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項8】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、前記モジュラーバルブは、3方向バルブであり、前記螺入ポペット/バルブ部材は、前記バルブ本体部に係合するスナップインカートリッジ部と、前記電機子/バルブ部材の前記ねじ付端部シャンクを受ける螺入カートリッジ部とを有することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項9】
請求項に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記スナップインカートリッジ部は、前記スナップインカートリッジ部を前記バルブ本体部に係合させる互いに対向する第1及び第2返しを備えることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項10】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、前記モジュラーバルブとモジュラーボア端面とを収容するマニホルドボアを有するマニホルドを備え、前記バルブ本体部が前記マニホルドボア端面の弁座本体端面に直接当接することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項11】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記螺入ポペット/バルブ部材は、前記バルブリングがその間に配置される第1及び第2リング保持部を備えることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項12】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記ノーマルオープン位置において、前記バルブリングは前記弁座面から離隔され、前記螺入ポペット/バルブ部材を前記電機子/バルブ部材の前記ねじ付端部シャンクに対して回転して前記螺入ポペット/バルブ部材を軸方向に変位させることで調節可能な弁座クリアランス距離を規定することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項13】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、前記バルブ本体部はポリマー材料からなることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項14】
請求項1に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、前記螺入ポペット/バルブ部材はポリマー材料からなり、前記バルブリングは弾性材からなることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項15】
ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、
コイルと磁極片の双方を収容するソレノイド本体と、
前記ソレノイド本体に着脱自在に接続されるポリマー製バルブ本体部と、
前記モジュラーバルブ内に摺動可能に配置され、非ねじ付ロッド部と雄ねじ付端部シャンクを備える電機子/バルブ部材と、
ポリマー材料からなる螺入ポペット/バルブ部材であって、弾性材バルブリングと一体型本体とを備え、前記一体型本体は、前記螺入ポペット/バルブ部材上に前記弾性材バルブリングを保持する自由端部であって、前記弾性材バルブリングが周辺に延び、保持される自由端部と、前記自由端部から前記ソレノイド本体に向けて長手方向に延び、前記雄ねじ付端部シャンクを受けて、前記螺入ポペット/バルブ部材を前記電機子/バルブ部材に保持する雌ねじ部と、前記雌ねじ部から前記ソレノイド本体に向けて長手方向に延出して、前記電機子/バルブ部材の前記非ねじ付ロッド部を受ける前記雌ねじ部に隣接して平滑な孔を有する円筒状チューブを形成する開放端部とを備える螺入ポペット/バルブ部材と、
前記電機子/バルブ部材に作用して、通常時、前記バルブリングを前記バルブ本体部に形成される弁座面から接触しなくなる方向に付勢して、前記モジュラーバルブのバルブノーマルオープン位置を規定する付勢部材とを備えることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項16】
請求項15に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記電機子/バルブ部材は前記ソレノイド本体と前記バルブ本体部との双方の中に摺動自在に配置され、かつ前記コイルに通電した時に形成される磁界により前記磁極片に向けて変位することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項17】
請求項16に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記電機子/バルブ部材は前記バルブ本体部のピストンシリンダ部に摺動自在に収容されるピストンを有することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項18】
請求項17に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記モジュラーバルブ内の流体を前記ソレノイド本体から遮断するバルブシール部材が、前記ピストンシリンダ部のボア壁と摺接して前記ピストン上に支持されることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項19】
請求項17に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、前記付勢部材は、前記ピストンと前記電機子/バルブ部材を軸方向に案内するシリンダスリーブのフランジとの間に双方に当接して配置されることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項20】
請求項15に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、前記一体型本体の前記雌ねじ部は、前記一体型本体の前記自由端部と前記開放端部との間に長手方向に配置されることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項21】
請求項15に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、前記電機子/バルブ部材の前記非ねじ付ロッド部の直径は、前記開放端部の前記円筒状チューブに摺動可能に嵌入する大きさとされることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項22】
ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、
コイルと磁極片の双方を収容するソレノイド本体と、
前記ソレノイド本体に着脱自在に接続されるポリマー製バルブ本体部と、
前記モジュラーバルブ内に摺動可能に配置され、雄ねじ付端部シャンクと非ねじ付ロッド部とを備える電機子/バルブ部材と、
一体型本体を有しポリマー材料からなる螺入ポペット/バルブ部材であって、前記雄ねじ付端部シャンクと係合して前記螺入ポペット/バルブ部材を前記電機子/バルブ部材に調節可能に位置決めする雌ねじ部と、前記螺入ポペット/バルブ部材上に弾性材バルブリングを保持する自由端部と、前記電機子/バルブ部材の前記非ねじ付ロッド部を収容する円筒状チューブを形成する開放端部とを備える螺入ポペット/バルブ部材と、
前記非ねじ付ロッド部に形成されたスロット内に配置され、前記非ねじ付ロッド部と前記円筒状チューブの内ボアの内壁との間の流体障壁を形成する弾性材シール部材とを有することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項23】
請求項22に記載のノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブにおいて、さらに、前記電機子/バルブ部材に作用して、通常時、前記バルブリングを前記バルブ本体部に形成される弁座面から接触しなくなる方向に付勢して、前記モジュラーバルブのバルブノーマルオープン位置を規定する付勢部材を備えることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項24】
ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、
コイルと磁極片の双方を収容するソレノイド本体と、
前記ソレノイド本体に着脱自在に接続されるポリマー製バルブ本体部と、
前記モジュラーバルブ内に摺動可能に配置され、雄ねじ付端部シャンクとロッド部とを備える電機子/バルブ部材と、
ポリマー材料からなる螺入ポペット/バルブ部材であって、前記雄ねじ付端部シャンクと係合して前記螺入ポペット/バルブ部材を前記電機子/バルブ部材に調節可能に位置決めする雌ねじ部と、前記螺入ポペット/バルブ部材上に保持される弾性材バルブリング部と、前記電機子/バルブ部材の前記ロッド部を収容する円筒状チューブとを備える螺入ポペット/バルブ部材と、
前記ロッド部に形成されたスロット内に配置され、前記ロッド部と前記円筒状チューブの内ボアの内壁との間の流体障壁を形成する弾性材シール部材とを備え、
前記電機子/バルブ部材は、さらに前記バルブ本体部のピストンボアに摺動自在に収容される一体的に接続されたピストンを有することを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【請求項25】
ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブであって、
コイルと磁極片の双方を収容するソレノイド本体と、
前記ソレノイド本体に着脱自在に接続されるポリマー製バルブ本体部と、
前記モジュラーバルブ内に摺動可能に配置され、雄ねじ付端部シャンクとロッド部とを備える電機子/バルブ部材と、
ポリマー材料からなる螺入ポペット/バルブ部材であって、 前記雄ねじ付端部シャンクと係合して前記螺入ポペット/バルブ部材を前記電機子/バルブ部材に調節可能に位置決めする雌ねじ部と、前記螺入ポペット/バルブ部材上に保持される弾性材バルブリングと、前記電機子/バルブ部材の前記ロッド部を収容する円筒状チューブ部とを備える螺入ポペット/バルブ部材と、
前記ロッド部に形成されたスロット内に配置され、前記ロッド部と前記円筒状チューブ部の内ボアの内壁との間の流体障壁を形成する弾性材シール部材とを備え、
前記磁極片の軸方向位置は、前記磁極片上に形成されたねじを用いて前記磁極片を前記ソレノイド本体に対して軸方向に移動することにより調整され、前記磁極片の軸方向変位により、前記磁極片と前記電機子/バルブ部材との間にクリアランスが形成されてバルブストローク長さが規定されることを特徴とするノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソレノイド動作ポペットバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、必ずしも先行技術ではない本願開示事項に関連する背景情報を示すものである。
【0003】
ポペットバルブなどのソレノイド動作バルブは、ソータ、包装機械、フードプロセッサ等の追加機器を動作させる際に加圧空気などの流体を制御するものとして公知である。これらのバルブは、数百万回にわたり動作する可能性がある。ソレノイドに通電されなくなった時点で、このソレノイド動作バルブを閉位置に保持するため、ばねなどの付勢部材が用いられる。また、例えば特許文献1により、バルブ内で流体圧力を均衡可能としてバルブ部材が閉位置と開位置との間を動くのに必要な電磁力を低減することも公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4598736号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公知のバルブにおいて弁座領域に直接アクセスすることは、一般に不可能である。バルブ部材又は弁座が摩耗した場合、公知のバルブ設計では、バルブ全体を分解するか、バルブを全体として交換する必要がある。スナップイン取付部品を備えることで、バルブ部品により簡単にアクセスできるようにしたバルブ設計も知られているが、バルブ動作特性を柔軟に変更できるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本セクションは、開示事項の全般的概要を示すものであり、その範囲全体又はその特徴の全ての包括的開示ではない。
【0007】
いくつかの発明側面によれば、ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブは、コイルと磁極片とを収容するソレノイド本体を備える。バルブ本体部が着脱可能にソレノイド本体に接続される。バルブ本体部内の電機子/バルブ部材は、ねじ付端部シャンクを備える。螺入ポペット/バルブ部材は、ねじ付端部シャンクと係合して螺入ポペット/バルブ部材を電機子/バルブ部材に保持するねじ部を備える。バルブリングが、螺入ポペット/バルブ部材上に保持される。付勢部材が電機子/バルブ部材に作用して、通常時、バルブリングをバルブ本体部に形成される弁座面から接触しなくなる方向に付勢して、モジュラーバルブのバルブノーマルオープン位置を規定する。
【0008】
別の発明側面によれば、ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブは、コイルと磁極片とを収容するソレノイド本体を備える。バルブ本体部が着脱可能にソレノイド本体に接続される。電機子/バルブ部材はソレノイド本体とバルブ本体部との双方に摺動可能に配置され、雄ねじ付端部シャンクを備える。螺入ポペット/バルブ部材は、雄ねじ付端部シャンクと係合して螺入ポペット/バルブ部材を電機子/バルブ部材に保持する雌ねじ部を備える。弾性材バルブリングが、螺入ポペット/バルブ部材上に保持される。円筒状チューブ部が電機子/バルブ部材のロッド部を収容する。付勢部材が電機子/バルブ部材に作用して、通常時、バルブリングをバルブ本体部に形成される弁座面から接触しなくなる方向に付勢して、モジュラーバルブのバルブノーマルオープン位置を規定する。
【0009】
さらなる発明側面によれば、ノーマルオープンソレノイド動作モジュラーバルブは、コイルと磁極片の双方を収容するソレノイド本体を備える。ポリマー製バルブ本体部がソレノイド本体に着脱自在に接続される。モジュラーバルブ内に摺動可能に配置された電機子/バルブ部材は、雄ねじ付端部シャンクとロッド部とを備える。螺入ポペット/バルブ部材は、雄ねじ付端部シャンクと係合して螺入ポペット/バルブ部材を電機子/バルブ部材に保持する雌ねじ部を備える。弾性材バルブリングが、螺入ポペット/バルブ部材上に保持される。円筒状チューブ部が電機子/バルブ部材のロッド部を収容する。弾性材シール部材がロッド部内に形成されたスロット内に配置され、ロッド部と円筒状チューブ部の内ボアの内壁との間の流体障壁を形成する。
【0010】
さらなる利用分野は、本願明細書に示される記載から明らかになるであろう。この概要における説明および特定の実施例は、説明のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
ここに示される図面は、選択された実施形態の説明のみを目的とするものであり、可能な全ての実施を示すものではなく、本願開示事項の範囲を限定することを意図するものでもない。
図1】本願開示にかかるマルチポートノーマルオープンモジュラーバルブの上正面斜視図。
図2図1のモジュラーバルブの上平面図。
図3図2の断面3における正面断面図。
図4図3の領域4でのノーマルオープン位置にあるモジュラーバルブの正面断面図。
図5】閉位置にあるモジュラーバルブをさらに示す図4に類似の正面断面図。
図6】マニホルドアセンブリに取り付けられたモジュラーバルブをさらに示す図3に類似の正面断面図。
図7】本願開示にかかる3方向マルチポートノーマルオープンモジュラーバルブを示す図3に類似の正面断面図。
図8】マニホルドアセンブリに取り付けられた3方向モジュラーバルブを示す図6に類似の正面断面図。
【0012】
いくつかの図面を通じて、対応する参照番号は、対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照して、例示的実施形態をより詳細に説明する。
【0014】
図1に示されるように、マルチポートノーマルオープンモジュラーバルブ10は、ポリマー製バルブ部14に着脱可能に接続されたソレノイド部12を有する。螺入ポペット/バルブ部材16が、バルブ部14の自由端において、モジュラーバルブ10に着脱可能に接続される。電力を供給してソレノイド部12を動作させるための複数の電気コネクタ22、24を有する接続ポート20が設けられた端部カバー18がソレノイド部12に取り付けられる。ソレノイド部12は、図2を参照して図示・説明されるソレノイドアセンブリを収容するソレノイドケース26を備える。バルブ部14は、Oリング又はDリングなどの第1シール部材28及び第2シール部材30を備える。第1及び第2シール部材28、30は、バルブ流入ポート32を中心にして反対側に配置される。その機能は、図6を参照して後で説明される。
図2に示されるように、モジュラーバルブ10は、モジュラーバルブ10を取付しやすくするための対向端部カバー平面34、36を備えても良い。電気コネクタ22、24は、ソレノイド部12に対して、端部カバー18の動作空間(space envelope)内でモジュラーバルブ10への電気的接続がなされうるよう、軸方向に揃えられる。これにより、モジュラーバルブ10の動作空間を最小化し、図6を参照してより詳細に図示・説明されるマニホルドアセンブリなどの構造中で、複数の他のモジュラーバルブ10を横方向に位置揃えした場合の数を最大化することができる。
【0015】
図3及び再び図1を参照して示されるように、ソレノイド部12内のソレノイドアセンブリ37の構成要素には、ボビン40内に収容されるソレノイドコイル38が含まれる。通電されると、ソレノイドコイル38は、軸方向に調整可能かつ通常静止した磁極片42を介して磁界を形成する。磁極片42は、ソレノイドケース26のねじ付開口45と係合するねじ付端部44を備え、磁極片42を回転することにより、磁極片42の軸方向位置を手動で調整可能となっている。磁極片42は、磁極片42を貫通する通気路を形成する軸方向ボア48をも含むものとすることができる。図示されるモジュラーバルブ10のノーマルオープン位置において、空隙50が磁極片42と、複合電機子/バルブ部材52との間に形成される。この空隙50により形成されるクリアランスにより、電機子/バルブ部材52がノーマルオープン位置から閉位置まで変位可能となる。電機子/バルブ部材52と磁極片42の双方は、モジュラーバルブ10の長手方向中央軸54に対して同軸配置され、かつ独立に変位する。ソレノイドコイル38に通電することにより形成される磁界が磁極片42を介して作用し、電機子/バルブ部材52を、その図示されるノーマルオープン下方変位位置から長手方向中央軸54と同軸の第1方向「A」に軸方向変位させ、モジュラーバルブ10を閉じる。したがって、ソレノイドコイル38を継続して動作させることが、モジュラーバルブ10をバルブ閉位置に維持するのに必要となる。
【0016】
電機子/バルブ部材52は、ボビン40内に配置されたシリンダスリーブ56内を摺動自在に案内される。シリンダスリーブ56に対し、フランジ58が一体的に接続され、横方向に延出する。フランジ58は、ボビン端部壁60と、Oリングなどの弾性材シール部材62との間に捕捉される。シール部材62が、バルブ部14の第1本体端部64と接触して部分的に圧縮されると、シール部材62の付勢力により、フランジ58の位置、及び結果的にボビン40の位置が保持される。OリングまたはDリングなどの端部シール部材66も外方向に延びる本体フランジ68に設けられるが、この機能は図6を参照して後で説明する。バルブ部14の第1本体端部64は、螺合部70を用いてソレノイドケース26に着脱可能に係合される。第1及び第2シール部材28、30は、バルブ部14の反対側の端部に形成された第1及び第2スロット72、74中に個別に保持される。第1スロット72は第1本体端部64に形成され、第2スロット74は第2本体端部76に形成される。
【0017】
フランジ58と直接当接する圧縮ばねなどの付勢部材78により、通常、第1方向「A」と反対の第2方向「B」に作用する付勢力が与えられ、これにより電機子/バルブ部材52が図示されるノーマルオープン位置に保持される。電機子/バルブ部材52は主にバルブ部14内に配置され、螺入ポペット/バルブ部材16の管状部82に螺合されるバルブ部材部80を備える。いくつかの発明側面によれば、バルブ部14はポリマー材料からなり、モジュラーバルブ10の重量及びコストを低減する。管状部82及びバルブ部材部80は、それぞれバルブ部14の流体流路84中に配置され、これによりモジュラーバルブ10の動作により制御される水、空気又は加圧流体などの流体に露出される。弾性材バルブリング86が、ともに螺入ポペット/バルブ部材16の径方向外側に延出する一体部分である第1リング保持部88と第2リング保持部89との間に保持される。バルブリング86は、バルブ流入ポート「C」中の流体をバルブ流出ポート「D」に対して遮断するため、(図5に示される)バルブ閉位置において用いられる。図示されるバルブ開位置においては、バルブ流入ポート「C」中の流体は、バルブ流出ポート「D」と連通する。
【0018】
図4及び再び図3を参照して示されるように、付勢部材78は電機子/バルブ部材52の周囲に同心円状に収容され、第1端部においてフランジ58のフランジ面90と直接当接し、第2端部においてピストン92と直接当接する。ピストン92は電機子/バルブ部材52と一体化された部分であり、バルブ部14のピストンシリンダ部94に摺動自在に収容され、各第1及び第2方向「A」及び「B」に摺動変位する。この付勢部材78の付勢力は、通常、ピストン92、及びひいては電機子/バルブ部材52を第2方向「B」に変位させるよう作用する。弾性材シール部材96がピストン92のシールリング98に設けられる。この弾性材シール部材96は、ピストンシリンダ部94のボア壁100と摺接し、流入ポート「C」中の流体がソレノイドケース26中に封止されるモジュラーバルブ10のソレノイド部材に到達するのを防ぐ。モジュラーバルブ10が図示されるノーマルオープン位置にあるとき、内向きに延びるバルブ部14の壁104の端面102はピストン92に配置される圧縮可能シール103に対して直接当接して設けられる。
【0019】
壁104を通して形成される開放流路106により、電機子/バルブ部材52のロッド部108が流入ポート「C」内に延出するためのクリアランスが形成される。このロッド部108は、螺入ポペット/バルブ部材16の円筒チューブ部110内に摺動可能に嵌入する大きさの直径「E」を有する。OリングまたはDリング113などの弾性材シール部材112が、円形ロッド部108に形成される収容スロット113内に設けられ、これにより円筒状チューブ部110の内ボア115の内壁114に対する流体境界シールが形成される。これにより、シール部材112は流入ポート「C」中の流体が内ボア115を介してモジュラーバルブ10外に流出することを防止するよう作用する。この螺入ポペット/バルブ部材16の円筒状チューブ部110は、流入ポート「C」の最小径部116に摺動可能に嵌入するような大きさとされる。
【0020】
電機子/バルブ部材52はさらに雄ねじ120がその上に形成されたエンドシャンク118を備える。雄ねじ120は、螺入ポペット/バルブ部材16の雌ねじ部124に設けられた雌ねじ122と螺合する。螺入ポペット/バルブ部材16の長手方向中央軸54に対する長手方向位置は、螺入ポペット/バルブ部材16を雄ねじ120に対して軸を中心として回転させることで調整可能である。バルブリング86は、螺入ポペット/バルブ部材16に一体的に設けられた端部フランジ126のフランジ面125に直接当接し、反対側で同様に螺入ポペット/バルブ部材16上に一体的に設けられた第2保持リング89のリング面128と直接当接することにより、螺入ポペット/バルブ部材16上に位置決め保持される。バルブリング86は、したがって電機子/バルブ部材52が第1及び第2方向「A」、「B」に変位する際に、端部フランジ126とリング面128との間に保持される。
【0021】
図示されるバルブノーマルオープン位置において、電機子/バルブ部材52のピストン92は、付勢部材78の付勢力により、圧縮可能シール103と直接当接するよう維持される。この付勢作用により、バルブリング86の平坦接触面130は、バルブ部14に形成された弁座面132から弁座クリアランス距離「F」だけ離れた位置に配置される。これにより、流体流路134がバルブ流入ポート「C」と、バルブ流出ポート「D」を形成する流出流路136との間に開口する。
【0022】
上述したとおり、弁座クリアランス距離「F」は、螺入ポペット/バルブ部材16を電機子/バルブ部材52の雄ねじ120に対して軸を中心として回転させることにより増加又は減少させるように調整可能である。バルブ開閉時間及び/又はバルブストロークも、弁座クリアランス距離「F」により制御される。螺入ポペット/バルブ部材16にモジュラーバルブ10の操作者がアクセス可能であることから、弁座クリアランス距離「F」は、モジュラーバルブ10が取付位置にない任意の時点において調整可能である。バルブリング86が経時的及び使用により摩耗した場合、螺入ポペット/バルブ部材16を第1方向「A」に軸方向調整し、この摩耗を補償するか、又は長手方向中央軸54と同軸の第2方向「B」に取り外して、第1方向「A」に変位させて新たな螺入ポペット/バルブ部材16と交換し、又は新たなバルブリング86と交換することができる。
【0023】
図5及び再び図3-4を参照すると、ソレノイドコイル38に通電され、電機子/バルブ部材52を第1方向「A」に引き寄せ、同時に付勢部材78を圧縮したときの、バルブ閉位置に達したモジュラーバルブ10が示される。内向きに延びる壁104が圧縮可能シール103と接触しなくなる方向に離隔変位する。バルブリング86の平坦接触面130がバルブ部14に形成される弁座面132に直接当接する時、バルブ流入ポート「C」はバルブ流出ポート「D」から遮断される。上述のように、モジュラーバルブ10は、ソレノイドコイル38に通電されている限り、バルブ閉位置に保持される。ソレノイドコイル38に通電されなくなると、付勢部材78の付勢力により、図3-4に示されるバルブ開位置まで電機子/バルブ部材52及び螺入ポペット/バルブ部材16が第2方向「B」に戻される。
【0024】
図6及び再び図3-5を参照すると、通常の取付態様として、2方向型モジュラーバルブ10が、マニホルド140に設置された形で示される。モジュラーバルブ10は、保持板142の開口を通して収容され、保持板142により保持される。保持板142はマニホルド140に直接当接し、部分的に端部シール部材66を圧縮し、これによりモジュラーバルブ10を図示される完全取付位置に保持する付勢力を付与する。バルブ部14は、マニホルド140のメインキャビティ146のボア壁144 内に当接して収容され、その内部に第1シール部材28により封止される。バルブ部14の第2本体端部76は、マニホルド140の第2キャビティ150のボア壁148と当接して摺動自在に収容され、第2シール部材30により封止される。バルブ部14の自由端152は、第2キャビティ150の端部壁154と直接当接し、モジュラーバルブ10の取付位置を固定する。螺入ポペット/バルブ部材16がマニホルド140の流路156内に配置され、その内部で軸方向に自由に変位可能とされる。モジュラーバルブ10が図示されるノーマルオープン位置にあるとき、流入ポート「C」はマニホルド140の流入接続ポート158と連通し、流出ポート「D」はマニホルド140の流出接続ポート160と連通する。
【0025】
図7及び再び図1、3-6を参照して示されるように、3方向型のノーマルオープンモジュラーバルブ162のソレノイド部品の多くは、モジュラーバルブ10と同じである。ソレノイド部12'内のソレノイドアセンブリの構成要素は実質的に同一であり、したがって本明細書中ではさらに記載されない。ポリマー製バルブ部164がソレノイド部12'に螺合される。図示されるモジュラーバルブ162のノーマルオープン位置において、空隙50と類似の空隙が磁極片と、複合電機子/バルブ部材166との間に同様に形成される。この空隙により形成されるクリアランスにより、電機子/バルブ部材166がノーマルオープン位置から閉位置まで変位可能となる。
【0026】
電機子/バルブ部材166は、通常時、電機子/バルブ部材52と同様に、電機子/バルブ部材166の径方向に延出する一体化されたピストン170と直接当接するよう配置された付勢部材168を用いて付勢される。ピストン170は、バルブ部164の上又は第1本体部172内で摺動可能に案内される。下又は第2本体部174は、第1本体部172からの一体的延出部であり、さらに本体端部176を備える。カートリッジアセンブリ178が本体端部176に着脱可能に接続される。カートリッジアセンブリ178は、本体端部176への取付時にまず曲がり、次いで外側に閉じて本体端部176と係合する、互いに対向する第1及び第2返し182、184を一体的に備えるスナップインカートリッジ部180を有する。モジュラーバルブ162の組立後、取付前の状態においては、付勢部材168の付勢力により、クリアランス「G」がスナップイン部180と本体端部176との間に形成される。クリアランス「G」は、モジュラーバルブ168が図8を参照して説明されるマニホルドなどに取り付けられる際にほぼ解消される。
【0027】
電機子/バルブ部材166は、さらにピストン170から一体的に延出するロッド部186を備え、このロッド部186から第1径方向フランジ188が外向きに延びる。弾性材第1バルブリング190が径方向フランジ188により保持される。図示されるバルブ開位置では、第1バルブリング190は第2本体部174に形成される第1弁座面192からリングクリアランス「H」だけ離隔される。電機子/バルブ部材166は、機能的にバルブ部材部80と類似の、バルブ部164内に主に配置されるバルブ部材部194も備え、このバルブ部材部194は、カートリッジアセンブリ178の螺合ポペット/バルブ部材部200の雌ねじ付管状部198に螺合される雄ねじ付エンドシャンク196を備える。いくつかの発明側面によれば、スナップインカートリッジ部180はポリマー材料からなり、モジュラーバルブ10の重量及びコストを低減する。Oリング又はDリングなどのシール部材202が螺合ポペット/バルブ部材部200に設けられ、螺入ポペット/バルブ部材200がスナップインカートリッジ部180内に摺動可能に収容される際に、スナップインカートリッジ部180のシリンダ端部204をシールする。
【0028】
ポペット/バルブ部材200は、さらに弾性材第2バルブリング206を支持する第2径方向フランジ205を備える。バルブ開位置において、第2バルブリング206はスナップインカートリッジ部180に形成される第2弁座面208に当接する。螺合ポペット/バルブ部材部200の雌ねじ付管状部198に螺合された雄ねじ付エンドシャンク196により、螺入ポペット/バルブ部材200を回転することで螺入ポペット/バルブ部材200を軸方向に調整可能とされる。これにより、バルブ距離又はリングクリアランス「H」を、モジュラーバルブ162の組立後、取付前の状態において調整可能である。
【0029】
図8及び再び図3-7を参照すると、通常の取付態様として、3方向型モジュラーバルブ162が、マニホルド210に設置された形で示される。モジュラーバルブ162は、保持板212の開口を通して収容され、保持板212により保持される。保持板212はマニホルド210に直接当接し、部分的に端部シール部材66を圧縮し、これによりモジュラーバルブ162を図示される完全取付位置に保持する付勢力を付与する。モジュラーバルブ162の設置は、その他の点ではモジュラーバルブ10をマニホルド140に設置するのとほぼ同様である。バルブ部164の自由端152は、第2キャビティ210の端部壁と直接当接し、モジュラーバルブ162の取付位置を固定する。螺入ポペット/バルブ部材200及びスナップインカートリッジ部180がマニホルド210の流路内に配置され、螺入ポペット/バルブ部材200はその内部で軸方向に変位するよう調整可能である。第2バルブ部材ピストン200の軸方向変位を可能とするため、マニホルド210には、外気に開放されたポペット/バルブ部材20と位置が揃えられた通気流路220が設けられる。モジュラーバルブ162が図示されるノーマルオープン位置にあるとき、流入ポート「J」はマニホルド210の流入接続ポート214と連通し、流出ポート「L」はマニホルド210の流出接続ポート218と連通する。排出ポート「K」は、排出接続ポート216と連通し、これらはノーマルオープンバルブ位置において流入ポート「J」及び 流出ポート「L」から遮断される。モジュラーバルブ162は、ポート「J」を排出ポートとし、ポート「K」を流入ポートとして用いることにより、ノーマル閉位置においても使用可能である。
【0030】
例示的実施形態を、本願開示を十全なものとし、当業者にその範囲を十分に伝えるよう示している。本願開示の実施形態の十全な理解を提供するため、具体的な構成要素、素子及び方法の例など、数多くの具体的詳細を記載している。当業者にとって、具体的な詳細を用いる必要はなく、例示的実施形態は多くの異なる形態で実装可能であり、また本願開示を限定するものと解釈すべきでないことは明らかであろう。いくつかの例示的実施形態において、公知の方法、公知の素子構造及び公知の技術は、詳細に記載されない。
【0031】
本明細書中で用いられる用語は、具体的な例示的実施形態を記述することのみを目的とするものであり、限定的であることを意図しない。本明細書で使用される際、単数形は、明示されていない限り複数形も含むことを意図する。用語「備える」、「備えて」、「含んで」および「有して」は包括的であり、述べられた特徴、整数、工程、操作、要素、および/または部品の存在を特定する。しかし、1以上の特徴、整数、工程、操作、要素、部品および/または群の存在または追加を排除するものではない。本明細書で記載される方法工程、プロセスおよび操作は、実行順序として詳細に特定されない限り、必ずしも記載または図示された特定の順序で実行を要するものと解釈されるべきではない。追加工程または代替工程が用いられてもよいことも理解されるであろう。
【0032】
要素または層が、他の要素または層「上に」ある、「に係合」、「に接続」または「に連結」すると記される場合、この要素または層は直接に他の要素または層上にあるか、係合、接続、または連結してもよい。または、介在要素または層があってもよい。一方、要素が、他の要素または層の「直接上に」ある、「に直接係合」、「に直接接続」または「に直接連結」すると記される場合、介在要素または層は存在しなくてよい。要素同士の関係を説明するのに使用される他の文言(例えば、「の間に」と「直接…の間に」、「隣接して」と「直接隣接して」など)は、同様に解釈されるべきである。本明細書で用いられる際、用語「および/または」は1以上の関連づけられたリスト項目の全ての組み合わせを含む。
【0033】
第一、第二、第三等の用語が各種要素、部品、領域、層および/または切断面を説明するために本明細書で使用されるが、これらの要素、部品、領域、層および/または切断面はこれらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、ある要素、部品、領域、層および/または切断面を他の領域、層または切断面から区別するためにのみ使用されてもよい。本明細書で使用される際の「第一」「第二」のような用語および他の数に関する用語は、文脈で明示されない限り、配列または順序を意味しない。したがって、下記で論じられる第一要素、部品、領域、層および/または切断面は、実施例の教示から逸脱することなく第二要素、部品、領域、層および/または切断面と称されることも可能である。
【0034】
「インナー」、「アウター」、「真下に」、「下に」、「下側の」「上に」、「上部に」等のような空間的に相対的な用語が、図示する際、ある要素または特徴と他の要素または特徴との関係の記載を容易にするために、本明細書で使われてもよい。空間的に相対的な用語は、図示される向きに加えて、使用時または操作時における装置の異なる向きを包含するとしてもよい。例えば、図の装置がひっくり返ると、他の要素または特徴の「下に」または「真下に」と記載される要素は、他の要素または特徴の「上に」置かれるだろう。このように、例示の用語「下に」は上と下両方への向きを包含することが可能である。装置は他方向に向かされてもよい(90度回転または他の向きに)。本明細書で使用される空間関連記述子は適宜解釈される。
【0035】
実施形態に関する上記記載は、図解および説明の目的で提供される。網羅的または開示事項を限定することを意図しない。特定の実施形態の個別の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合には、詳細に図示または説明されないとしても選択された実施形態で交換可能であり、使用可能である。同じものが多くの点で変更されてもよい。そのような変更は本開示事項からの逸脱とはみなされない。そのような修正は全て本開示事項の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8