特許第6228004号(P6228004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228004
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/24 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   H01R4/24
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-268880(P2013-268880)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-125864(P2015-125864A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】木村 修司
(72)【発明者】
【氏名】中村 悟朗
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−335221(JP,A)
【文献】 実開昭63−135771(JP,U)
【文献】 特開平03−015180(JP,A)
【文献】 特開昭55−072373(JP,A)
【文献】 特開昭55−053881(JP,A)
【文献】 特開2006−172738(JP,A)
【文献】 実開平06−029006(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24
H01R 12/67
H01R 12/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに配置された圧接刃と、
電線を保持し、前記ハウジングに合体されるカバーとを備え、
前記カバーと前記ハウジングの合体過程で前記圧接刃のスロットに前記電線が進入して圧接されるコネクタであって、
前記圧接刃の前記電線が挿入される先端部には、前記スロットの外側位置に一対のくさび状突起を設け、前記各くさび状突起は外側テーパ面を有し、
前記カバーには、前記電線より前記ハウジング側に突出し、前記合体過程では、正規の位置より幅方向に変位している前記圧接刃の前記外側テーパ面に干渉して前記圧接刃の幅方向の位置を正規の位置に変位させる突起部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記カバーの電線が載置される電線保持部には、前記電線の位置を規制するV溝が形成されたことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタであって、
前記電線を上方から押える押え治具を備え、前記合体過程で前記押え治具で前記電線を前記V溝に押圧することを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のコネクタであって、
前記圧接刃は、圧接端子に設けられたものであることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線を相手端子と接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタの従来例として、特許文献1に開示されたものが提案されている。このコネクタ100は、図24に示すように、電線101に圧接する圧接刃102と、複数のガイド部103を有するカバー104とを備えている。圧接刃102は、上方に開口するスロット105と、このスロット105に電線101を誘導する左右一対のテーパ部106とを備えている。ガイド部103は、電線101を外周の両側から保持する。
【0003】
上記構成において、カバー104をハウジング(図示せず)に組み込む際に、カバー104のガイド部103で各電線101を外周の両側から保持することにより、各電線101の位置を規制する。次に、この状態でカバー104をハウジングに合体させると、各電線101が圧接刃102のテーパ部106によりスロット105へ誘導される。これにより、各圧接刃102が電線101の被覆部101bを刺し通して導体101aに圧接し、各圧接刃102が電線101の導体101aと電気的に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006‐172738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来例では、カバー104のガイド部103間の距離を電線101の直径に合わせる必要があるので、ガイド部103間の寸法に高い精度が要求される。例えば、ガイド部103間が狭い場合には、ガイド部103間に電線101を挿入することが困難であると共に、ガイド部103が圧接刃102と干渉するという問題がある。一方、ガイド部103間が広い場合、電線101の位置を規制する精度が低下するので、電線101の位置が圧接刃102のスロット105の中心からずれてしまい、圧接刃102が電線101と接触不良となることが懸念される。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、電線と圧接刃の中心を極力一致させることができ、圧接刃の位置ずれによる電線との接触不良を極力防止できるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ハウジングに配置された圧接刃と、電線を保持し、前記ハウジングに合体されるカバーとを備え、前記カバーと前記ハウジングの合体過程で前記圧接刃のスロットに前記電線が進入して圧接されるコネクタであって、前記圧接刃の前記電線が挿入される先端部には、前記スロットの外側位置に一対のくさび状突起を設け、前記各くさび状突起は外側テーパ面を有し、前記カバーには、前記電線より前記ハウジング側に突出し、前記合体過程では、正規の位置より幅方向に変位している前記圧接刃の前記外側テーパ面に干渉して前記圧接刃の幅方向の位置を正規の位置に変位させる突起部を設けたことを特徴とするコネクタである。
【0008】
前記カバーの電線が載置される電線保持部に、前記電線の位置を規制するV溝を形成することが好ましい。前記カバーは、前記電線を押える押え治具を有し、前記カバーの電線保持部と前記押え治具により前記電線を保持することが好ましい。圧接刃は、圧接端子に設けられたものを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カバーをハウジングに合体させる際に、電線よりハウジング側に突出するカバーの突起部がハウジング側の圧接刃に干渉して、圧接刃の幅方向の位置が正規の位置に変位する。これにより、圧接刃が正規の位置に配置されるため、電線と圧接刃の中心を極力一致させることができ、圧接刃の中心ずれによる電線との接触不良を極力防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態を示し、(a)はコネクタを斜め上方から見た斜視図、(b)はコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態を示し、コネクタを斜め下方から見た分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態を示し、(a)はカバーとハウジングの合体前の状態を示すコネクタの断面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
図4】本発明の第1実施形態を示し、(a)はカバーとハウジングの合体途中の状態を示すコネクタの断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
図5】本発明の第1実施形態を示し、(a)はカバーとハウジングの合体後の状態を示すコネクタの断面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。
図6】本発明の第1実施形態を示し、(a)はカバーの突起部が圧接刃に干渉する前の状態を示す要部断面図、(b)はカバーの突起部が圧接刃に干渉する状態を示す要部断面図、(c)は圧接刃のスロットに電線が進入して圧接される過程を説明する要部断面図である。
図7】本発明の第1実施形態を示し、ハウジングを斜め下方から見た斜視図である。
図8】本発明の第1実施形態を示し、カバーを斜め上方から見た斜視図である。
図9】本発明の第1実施形態を示し、(a)はカバーを斜め下方から見た斜視図、(b)は(a)のD1−D1線に沿う断面図である。
図10】本発明の第1実施形態を示し、圧接端子の斜視図である。
図11】本発明の第1実施形態を示し、フラットケーブルの斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態を示し、コネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図13】本発明の第2実施形態を示し、(a)はカバーを斜め下方から見た斜視図、(b)は(a)のD2−D2線に沿う断面図である。
図14】本発明の第2実施形態を示し、押え治具をカバーに装着する過程を説明する分解斜視図である。
図15】本発明の第2実施形態を示し、カバーにフラットケーブルを挿入した状態を示す要部断面図である。
図16】本発明の第2実施形態を示し、フラットケーブルに押え治具を当接した状態を示す要部断面図である。
図17】本発明の第2実施形態を示し、押え治具とカバーの電線保持部によりフラットケーブルを保持する状態を示す要部断面図である。
図18】本発明の第2実施形態を示し、カバーの突起部が圧接刃に接触した状態を示す要部断面図である。
図19】本発明の第2実施形態を示し、カバーの突起部が圧接刃に干渉して圧接刃の幅方向の位置を正規の位置に変位させた状態を示す要部断面図である。
図20】本発明の第2実施形態を示し、押え治具が移動下端位置に達し、カバーのみが降下する状態を示す要部断面図である。
図21】本発明の第2実施形態を示し、カバーがさらに下降する状態を示す要部断面図である。
図22】本発明の第2実施形態を示し、カバーが合体完了位置の状態を示す要部断面図である。
図23】本発明の第2実施形態を示し、押え治具を撤去した状態を示す要部断面図である。
図24】一従来例を示し、(a)はコネクタの要部分解斜視図、(b)は圧接刃の斜視図、(c)はコネクタの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1図11は本発明の第1実施形態を示す。コネクタ1Aは、ハウジング2と、ハウジング2に固定された複数の圧接端子3と、これら圧接端子3に接続される電線であるフラットケーブル(FC)4と、ハウジング2に合体され、フラットケーブル4を保持するカバー5とを備えている。
【0013】
ハウジング2は、前方に開口する複数の端子収容室21を有している。各端子収容室21には圧接端子3が収容される。ハウジング2の両側端には、一対の係止突壁26が設けられている。
【0014】
図10に示すように、各圧接端子3は、相手端子(図示せず)が挿入される端子接続部31と、この端子接続部31の後方に連結されたケーブル接続部32とを有し、これらが所望形状の導電性金属(図示せず)を折り曲げ加工して一体に形成されている。ケーブル接続部32は、圧接刃34を有する。圧接刃34には、カバー5の方向に向かって開口するU字状のスロット35が設けられている。圧接刃34の上部には、上方に向かって一対のくさび状突起36が形成されている。
【0015】
各くさび状突起36は、幅方向の外側に向く外側テーパ面36aと幅方向の内側に向く内側テーパ面36bを有している。圧接刃34のスロット35を形成する内周面が刃形状に形成されており、カバー5とハウジング2の合体過程で、スロット35の内周部分がフラットケーブル4の後述する導体41まで食い込むことにより、導体41がスロット35に進入して圧接される。
【0016】
図11に示すように、フラットケーブル4は、平行に並設され、間隔を置いて配置された複数の導体41と、これら導体41を被覆する絶縁性の被覆部42とから扁平状に形成されている。被覆部42の端末部で、且つ、圧接端子3のケーブル接続部32がフラットケーブル4に接続される領域には、導体41の長手方向に沿って延びるスリット43が設けられている。スリット43は、隣り合う導体41間の被覆部42の箇所に設けられている。
【0017】
カバー5には、フラットケーブル4を収容する電線収容室51と、電線収容室51に上下方向で開口する貫通孔53とが設けられている。貫通孔53内には、電線収容室51よりハウジング2側(下方)に突出し、カバー5とハウジング2の合体過程で圧接刃34に干渉して圧接刃34の幅方向の位置を正規の位置に変位させる突起部52が間隔を置いて複数配置されている。貫通孔53内には、突起部52の間に電線保持部54が配置されている。カバー5の両側壁には、一対の係止アーム部56が突設されている。
【0018】
次に、コネクタ1Aの組み付け手順を説明する。先ず、図2に示すように、カバー5に後方からフラットケーブル4を挿入し、カバー5の電線収容室51にフラットケーブル4を収容する。次に、図3(a),(b)に示すように、ハウジング2の上方にカバー5を配置して、各圧接刃34の上方にカバー5の貫通孔53を配置する。
【0019】
次に、図4(a),(b)に示すように、カバー5を下降させると、圧接刃34がカバー5の貫通孔53に進入すると共に、フラットケーブル4よりハウジング2側に突出する突起部52が圧接刃34と干渉することにより、圧接刃34の幅方向の位置が正規の位置に変位する。これにより、例えば、図6(a)に示すように、圧接刃34のスロット35の中心C1がカバー5に対して左側にずれている場合、図6(b)に示すように、カバー5の突起部52が圧接刃34の左側くさび状突起36の外側テーパ面36aに当接して、圧接刃34を右側へ付勢する。その結果、図6(c)に示すように、圧接刃34のスロット35の中心C1が正規の位置へ変位すると共に、フラットケーブル4の導体41の部分がくさび状突起36の内側テーパ面36bによって圧接刃34のスロット35に誘導される。
【0020】
次に、図5(a),(b)に示すように、カバー5をさらに下降させると、圧接刃34がフラットケーブル4に下方より突き刺さり被覆部42を貫通して導体41に食い込み、圧接刃34のスロット35に、フラットケーブル4の導体41が進入して圧接される。これにより、圧接端子3とフラットケーブル4が電気的に接続する。カバー5を合体完了位置まで降下すると、係止アーム部56が係止突壁26に係止する。
【0021】
以上説明したように、ハウジング2に配置された圧接刃34と、フラットケーブル4を保持し、ハウジング2に合体されるカバー5とを備え、カバー5とハウジング2の合体過程で圧接刃34のスロット35にフラットケーブル4が進入して圧接されるコネクタであって、カバー5には、フラットケーブル4よりハウジング2側に突出し、合体過程で圧接刃34に干渉して圧接刃34の幅方向の位置を正規の位置に変位させる突起部52を設けた。従って、カバー5のハウジング2への合体過程で、フラットケーブル4よりハウジング2側に突出するカバー5の突起部52が圧接刃34に干渉して、圧接刃34の幅方向の位置を正規の位置に変位させる。これにより、圧接刃34のスロット35の中心が正規の位置に配置されるため、フラットケーブル4の導体41と圧接刃34のスロット35の中心を極力一致させることができ、圧接刃34の中心ずれによる導体41との接触不良を極力防止できる。
【0022】
複数の圧接端子3をハウジング2内に収容し、カバー5にフラットケーブル4を挿入した後、カバー5をハウジング2に合体させることにより、複数の導体41に圧接刃34を一括して圧接できる。これにより、コネクタ1Aにフラットケーブル4を効率良く組み込むことができるので、コネクタ1Aの組立て作業の効率向上を図ることができる。
【0023】
被覆部42に設けられたスリット43は、圧接端子3のケーブル接続部32がフラットケーブル4に接続される領域に形成されているので、この領域では各導体41が左右方向へ移動可能であり、各導体41の左右方向の位置決めが容易となる。これにより、圧接刃34間のピッチと導体41間のピッチのずれを吸収し、圧接刃34に導体41を確実に圧接して適正な電気的接続ができる。又、フラットケーブル4の先端にはスリット43が形成されておらず、バラけていないため、フラットケーブル4をカバー5の電線収容室51に挿入する際に、フラットケーブル4を容易に取り扱うことができる。
【0024】
(第2実施形態)
図12図23は本発明の第2実施形態を示す。本実施形態のコネクタ1Bは、前記第1実施形態と比べると、カバー5の電線収容室51の底面に、フラットケーブル4の位置を規制するV溝55が形成されたことと、電線保持部54上に載置したフラットケーブル4を押える押え治具6を備えたこととが相違する。他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、重複説明は省略する。
【0025】
図13(b)などに示すように、カバー5の電線保持部54は、カバー5の貫通孔53に設けられている。電線保持部54の左右両側(幅方向の両側)には、カバー5とハウジング2の合体過程で圧接刃34に干渉する突起部52が配置されている。電線保持部54のV溝55は、フラットケーブル4の正規位置を中心としてV字状に形成されている。
【0026】
次に、コネクタ1Bの組み付け手順を説明する。先ず、カバー5に後方からフラットケーブル4を挿入し、カバー5の電線収容室51にフラットケーブル4を収容する。これにより、フラットケーブル4は、カバー5の電線保持部54上に載置される。次に、図15に示すように、ハウジング2の上方にカバー5を配置し、各圧接刃34の上方にカバー5の貫通孔53を配置する。
【0027】
次に、図14に示すように、押え治具6をカバー5の貫通孔53に挿入し、図16に示すように、押え治具6をフラットケーブル4に当接するまで下降させて、電線保持部54と押え治具6によりフラットケーブル4の導体41の部分を保持する。これにより、図17に示すように、フラットケーブル4の導体41が電線保持部54のV溝55により案内されて正規の位置へ変位する。
【0028】
次に、図18に示すように、カバー5の突起部52がくさび状突起36の外側テーパ面36aに当接して幅方向に付勢される。これにより、図19に示すように、圧接刃34の中心が正規の位置へ変位するので、フラットケーブル4の導体41と圧接刃34との中心を極力一致させることができる。
【0029】
次に、図20に示すように、押え治具6が移動下端位置に達し、これ以上はカバー5のみが降下する。押え治具6が圧接刃34と衝突することを防止するためである。図21に示すように、カバー5をさらに下降させると、圧接刃34がフラットケーブル4に突き刺さり被覆部42を貫通して導体41に食い込み、圧接刃34のスロット35に、フラットケーブル4の導体41が進入して圧接される。これにより、圧接端子3とフラットケーブル4の導体41が電気的に接続する。
【0030】
次に、図22に示すように、カバー5を合体完了位置まで降下すると、係止アーム部56が係止突壁26に係止する。これにより、カバー5とハウジング2の合体過程が完了し、図23に示すように、最後に押え治具6をカバー5から撤去する。
【0031】
以上説明したように、カバー5には、フラットケーブル4よりハウジング2側に突出し、合体過程で圧接刃34に干渉して圧接刃34の幅方向の位置を正規の位置に変位させる突起部52を設けたので、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。また、カバー5の電線保持部54に形成されたV溝55にフラットケーブル4の導体41の部分を受け入れることにより、カバー5を基準として圧接刃34と共に導体41の位置も規制されて正規の位置に配置されるため、フラットケーブル4の導体41と圧接刃34のスロット35の中心をより高い精度で一致させることができる。
【0032】
カバー5とハウジング2の合体過程にて電線保持部54上に載置したフラットケーブル4を押え治具6で押えるので、カバー5の電線保持部54に形成されたV溝55にフラットケーブル4の導体41を確実に受け入れて導体41の位置決めを行なうことができる。
【0033】
(変形例等)
上記第1及び第2実施形態では、電線はフラットケーブル4であるが、これに限定されるものではなく、通常の丸形状の電線であっても適用可能である。カバーの電線収容室の形状を変更することにより、フラットケーブル以外の電線(例えば、一般の電線)に適用して複数の電線の一括圧接が可能である。
【0034】
本明細書では、V溝55とは、溝形状がV字形状であるものものならず、中央底部が最も深くなっており、左右の溝側面が中央底部に向かってフラットケーブル4をガイドするガイド形状になっている溝(例えば、U字形状の溝)をいう。
【符号の説明】
【0035】
1A,1B コネクタ
2 ハウジング
3 圧接端子
4 フラットケーブル(電線)
5 カバー
6 押え治具
34 圧接刃
35 スロット
52 突起部
54 電線保持部
55 V溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24