【実施例】
【0094】
III.実施例
A.実施例I:合成、放射性同位体標識法、及びNM404の製造
本発明の合成アプローチは、アルキル鎖伸長のためのトシル酸アルキル又はハロゲン化物と共にグリニャール試薬の銅触媒によるクロスカップリング反応(下記スキーム参照のこと。)に基づいた。当該合成をp−ヨードベンジル アルコール 1から出発し、トリメチルシリル ブロマイドとの反応により、p−ヨードベンジル ブロマイド 2に転換した。p−ヨードベンジル ブロマイド 2を、触媒としてLi
2CuCl
4存在下において、さらにグリニャール試薬 3とカップリングした。当該第1カップリング生成物 4の脱保護の後、得られた12−(p−ヨードフェニル)ドデカノール 5を、トシレート 6に転換した。次のステップにおいて、トシレート 6を、6個の炭素原子を含むグリニャール試薬 7とカップリングし、そして、当該鎖伸長過程を終了した。8のTHP脱保護により18−(p−ヨードフェニル)オクタデカノール 9を得た。そして当該スキームに示されるような2ステップ方法により10(NM−404)に転換した。
【0095】
【化5】
【0096】
さらに、以下の方法により、もしヨウ素ならば、
124I、
125I、及び
131Iを含む、いずれかの同位体でNM404を標識化する高速高収率合成方法を実施した。
【0097】
第1、アルミニウム加熱ブロック装置を145°まで事前に加熱し、そして、曲がった1.5インチ18ゲージの使い捨て注射針、及びゴムの隔膜を頂点に取り付けた5mlの使い捨て注射筒を使用して、コンデンサーを製造した。
【0098】
第2、当該HPLCシステムを起動し、当該容器をろ過された脱気溶液(ヘキサン/イソプロパノール/水の40:52:8)で満たした。当該システムを平衡化し、その後、当該ポンプ、検出器、チャート式記録計、及びコンピューター積算器の如き付属のシステムの系統的点検をした。
【0099】
第3、底にグラスウールプラグを使用し、シリンジを2.5mLの粒状炭で満たし、他のグラスウールプラグを追加し、そして頂点に隔膜を挿入して、3mlの使い捨てシリンジ炭トラップを製造した。当該炭トラップを当該コンデンサーの頂点と接続し、チオ硫酸ナトリウム・トラップを通して空気を放出した。
【0100】
第4、硫酸アンモニウムの5mgを、2mlのホウケイ酸ガラスのvバイアル中の20μLの脱イオン水に添加し、その後、当該バイアルに、20μlの無水エタノール中の非標識NM404の20μgを添加した。当該バイアルを穏やかに回転し又は軽く叩いて混合を確実にし、そして6ホウケイ酸ガラスビーズ(3mm)も当該バイアルに加えた。次いで、当該バイアルを、テフロン(登録商標)被膜されたブチルラバー隔膜、及びアルミニウム・クリンプキャップで封をした。当該隔膜に18ゲージ針で穴を開け、そして所望の量の水性131ヨウ化ナトリウム(0.1NのNaOH中、典型的には15μl中5mCi)を、当該隔膜を通してハミルトン・マイクロシリンジを経由して添加した。当該バイアルを、再度穏やかに回転し又は軽く叩いて混合を確実とした。当該バイアルを、ドーズキャリブレータで分析した。
【0101】
第5、当該活性炭トラップシリンジを、反応バイアル中に挿入し、そして当該反応バイアルを加熱ブロック(砂が半分まで入っている)の中に十分に降ろした。当該反応バイアルを、当該溶媒の大部分が蒸留され、そして濃縮器内で濃縮される間、145℃で40分間加熱した。空気の流れ(4×25ml)を、25mlシリンジで当該バイアルにゆっくり注入した。当該反応バイアルの温度を、155℃に増大し、そして加熱をさらに30分間続けた。当該反応バイアルを、当該ブロック・ヒーターから除去し、そして当該濃縮器/トラップ集合を、接続を断ち及び処分し、そしてバイアルを室温まで冷やしておいた。
【0102】
第6、無水エタノールの0.5mlを、当該反応バイアル中に添加した。当該バイアルを穏やかに回転し、当該ドーズキャリブレータ中で分析した。
【0103】
第7、粗標識化製造混合物の放射性TLC分析を、シリカゲル(クロロホルム/メタノール/水(65/35/4))上で実施した。
【0104】
第8、アンバーライトIRA400-OH樹脂カラムを、5mlのabs中における1.0gの樹脂をアルコールに30分間予め浸すことより準備した。エタノールを移し、そして当該樹脂を、2つの追加5ml部分のエタノールで洗浄した。当該湿潤樹脂を、底にガラスウール・プラグを有し並びにAcrodiscフィルター及び1方活栓を取り付けた3mlの使い捨てシリンジバレル中に添加した。当該放射性ヨウ化生成物のエタノール溶液を、当該樹脂カラムを通して徐々に溶出した。
【0105】
第9、隔膜を挿入し、そして当該溶液を、窒素の流れで吹き飛ばした。窒素流を開始する前に、当該バイアルの出口に活性炭シリンジを装着した。一旦乾燥し、50μlのエタノールを使用して希釈し、そして300μlのvバイアルに内容を移した。当該元のバイアルを、50μlのエタノールで2度洗浄し、そして当該vバイアル中に移した。
【0106】
第10、HPLCポンプを安定させ、そして、1.0ml/分の溶液流を確保した。当該反応混合物を、1.0ml/分で、ヘキサン/イソプロパン/水(40:52:8)により溶出されるパーキンエルマーのカートリッジ・シリカゲル(4.3×33mm、3μmシリカ)上のHPLCにより精製した。ピーク検出を、230及び254でのUV、及び放射活性により実施した。いったん、当該適切な頂点を滅菌バイアル中に回収し、放射性TLC分析のための僅かなサンプルを除去し、そして当該残存溶液を窒素流で蒸発し、乾燥残留物として当該所望の化合物を得た。非活性度を必要に応じて計算した。
【0107】
第11、ポリソルベート20を、0.1μl/1.0μgNM−404の比率で、無水エタノール中の5%ポリソルベート20の原液から当該フラスコに添加した。ポリソルベート20は、NM404での人間及び動物実験の双方に現在使用されるTween20の医薬品グレードである。当該溶液を、10分間、<30℃で、回転式蒸発により除去した。当該残留物を、滅菌水中に混合することで溶解し、2%のポリソルベート20溶液を得た。当該配合生成物を、滅菌0.2μmのPall−Gelman Acrodiscフィルター(13mm)を通し、他の滅菌0.2μmのフィルターで通気される乾燥し滅菌したマルチドーズバイアル(Hollister−Stier)に入れた。100μlの生成物溶液をQC分析のためにバイアル中に分けた。
【0108】
第12、放射活性を、当該ドーズキャリブレータで測定し、品質管理試験(滅菌、無発熱原性)を実施した。
【0109】
全ての非標識NM404を、研究間の潜在的な合成の相違を最小化するために、厳しい毒性試験を受けたばかりの最初の貯蔵バッチから取り出した。NM404の放射性ヨウ素化を、発明者等
19により開発されたピバル酸の溶解における同位体交換反応により、又は本明細書中に記載の新たな方法により実施し、そして発明者等
22により記載される標準方法における注入の準備をした。この方法を、NM404の前身であるNM324での初期臨床試験用の滅菌材料の製造のために効果的に使用し、
125I及び
131Iで標識されたNM404を製造するために40回超使用した。一般的に、精製及びHPLCによる厳しい質量定量化の後、放射性医薬品を、無水エタノール(50〜500μl)及びポリソルベート20(化合物の0.1μl/μg)中に溶解した。当該エタノールを、真空下除去し、そして当該残留物を、滅菌水に溶解し、2〜3%以下のポリソルベート20を含む最終溶液を得た。滅菌を、滅菌0.2μmのフィルターユニットを通したろ過により実施した。最終放射化学的純度は、動物に使用する前に97%超でなければならない。最終的な特異活性の定量化及び計算を、知られた質量標準を使用するHPLC分析により実施し、放射性活性(
125I)の定量化を、減衰懸念を避けるための希釈及びPE Wallac ガンマ・カウンターにおいて計算することにより実施した。
131Iを含む高エネルギー同位体の定量を、これらの同位体のための設定で作られたドーズキャリブレータで実施した。放射性ヨウ素化NM404の100μgあたりの1mCiの特異的活性を、典型的に達成した。注入量は、通常、1匹のマウスあたり、およそ100μlである。
組織分布データを、組織グラムあたり注入される用量(+SEM)パーセントとして示し、そして、発明者ら
22により確立され刊行された方法により全組織が計量されるときの組織あたりの注入される用量パーセントとしても示した。各時点において、腫瘍対組織の比を、組織基準のグラムあたりの注入用量のパーセントに基づいて計算した。
【0110】
一般的組織分布分析
生体内分布試験を、発明者等
27により開発された標準方法における雌のマウスにおいて実施した。放射性ヨウ素化されたNM404(100μl中5μCi)を、尾静脈注射経由で投与した。所定の時点において、動物(3/時点)を、ペントバルビタール麻酔中に、放血により安楽死させた。血液、血漿、副腎、膀胱、骨髄、脂肪、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、脾臓、卵巣、皮膚、甲状腺、及び腫瘍を含む総16組織を、摘出し、洗浄し、そして異質な組織が無いように解剖した。大きな組織を細分化し、そしてそっくり同じ組織サンプルは、重さを量られ、同位体計測用プラスチックチューブ内に置かれるだろう。注入部位及び残骸の放射活性をも、同様に計測した。これらの標準方法は、適切な動物の世話及び放射線安全認可の下、本発明者等の研究所において多数年にわたり利用される。組織分布図を、注入された用量/gのパーセント、%kg用量、及び注入された用量/器官+SEM基準のパーセントに基づいて減衰補正される組織放射活性濃度を作成するコピュータープログラムにより作成した。各時点において、腫瘍対組織の比を、組織基準のグラムあたりの注入された用量パーセントに基づいて計算した。全ての治療上の処方計画のための比較TD図を確立するために、対照TD試験(3マウス/時点、15総マウス)を、4、7、14、21、及び28日で最も多くのNM404注入される腫瘍を有するマウスに関して実施した。
【0111】
一般的画像プロトコール
尾静脈注入経由で
125I−NM404(10μCi)を受け、そしてその後の所定の時点での動物を、麻酔(ペントバルビタールナトリウム麻酔、0.06mg/g bw)し、そして、マウス画像化のために改良されたBioscan AR2000放射性TLCスキャナー(1mmの高解像度コリメータ/レーンあたり1分の補足時間/1mmのレーン増大)を使用して、核医学検査を受けさせた。データを、BioscanのWinscan 2Dソフトウェアを使用して、定量し与えられた。いったん摘出されると、対照及び治療された腫瘍も、全身性の放射性各種減衰を除去することにより、より厳密なROI分析を受けるために、当該Bioscanユニットにおいて生体外でスキャンした。動物(ペントバルビタールナトリウム麻酔、0.06mg/g bw)は、中分解能取得パラメータを使用するマイクロCTスキャン(Imtek マイクロCAT I、390ステップ取得/43Kvp/410マイクロA)を受けた。データセットを、AMIRA 3D視覚化ソフトウェアで3次元的に再構築し、そして視覚化した。当該ソフトウェアは、ROI密度分析、及び便利な画面上測定を可能とする。
【0112】
B.実施例II:第1世代のPLE類似体を有する前臨床試験
リン脂質エーテルは、発明者等
19により開発された同位体交換法を使用して、ヨード放射性同位体元素で容易に標識され得る。各分子に加える放射性ヨウ素は安易な生体内脱ヨード化に対して安定となるために、当該ヨードフェニルリン脂質エーテル類似体は特異的にデザインされる。20超の放射性標識化PLE化合物を合成し、そして生体外及び生体内で試験した
20〜22。これらの2つ、すなわちNM294及びNM324[12−(3−ヨードフェニル)−ドデシル−ホスホコリン]は、動物の腫瘍局在性試験において最も見込みのあることを当初示した。ヨウ素−125で標識される、これらの原型化合物は、以下の動物腫瘍モデルにおいて、時間とともに腫瘍内に選択的に局在した;当該動物腫瘍モデルは、1)Walker256癌肉腫を有するSprague−Dawleyラット;2)乳腺腫瘍を有するLewisラット;3)Dunning R3327前立腺腫瘍を有するコペンハーゲンラット;4)Vx2腫瘍を有するラビット;及び5)ヒト乳房腫瘍(HT39)、小細胞肺腫瘍(NCl−69)、大腸腫瘍(LS174T)、卵巣腫瘍(HTB77IP3)、及び黒色腫腫瘍を有する胸腺欠損マウスである。これらの薬剤の最適な腫瘍局在は、1〜数日間である。
【0113】
PLE類似体を有する機構研究
NM324及びNM404は、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン)に似た構造であり、欧州において最も広範囲に研究される抗腫瘍エーテル脂質である。ミルテホシン及びいくつかの他の抗腫瘍リン脂質エーテル類似体の抗腫瘍特性は、前立腺、膀胱、及び奇形の癌、マウス及びヒトの白血病、並びに結腸、卵巣、脳、及び乳癌を含む広範な腫瘍細胞系において実証される
23。多くの抗癌剤と対照的に、これらのリン脂質エーテル類似体は、DNAに直接的に結合せず、そして変異原性ではない。作用の正確な抗増殖性機構は立証されていないけれども、それらは、明らかにいくつかの腫瘍細胞部位で作用する。これらの化合物は、輸送、サイトカイン生成の促進、アポトーシス誘導、そして様々な重要な脂質代謝及び大部分が細胞膜に局在する細胞シグナル酵素の障害を含む様々な細胞効果に関連する。細胞内への取り込み方法に関して議論はあるけれども、報告書の大半は、これらのエーテル脂質が直接的に、それらが蓄積する細胞膜内に吸収されるという考えを支持する。広く受け入れられる信念は、これらの薬剤が、膜のリン脂質代謝を摂動することにより作用するということである;しかしながら、これらの薬剤での細胞分布研究は、均質化及び細胞下分画手順の間、自然発生的な細胞区画の再分配により制限される。本発明者等が使用したトレイサー画像化剤(数μg)と対照的に、抗腫瘍効果は、一般的に過度な1日あたり300〜1000mgを超える投与量でしか見られない。
【0114】
形式的な代謝作用試験を、NM404の前身であるNM324を含むいくつかのPLE類似体で実施した。これらの研究において、各剤を、PLE代謝作用に関連する酵素のための基質としての機能を果たすそれらの能力を測定するために試験した。
図24に示されるように、3つの主な酵素経路は、PLEの代謝作用に関係する。O−アルキル グリセロール モノオキシゲナーゼ(AGMO)は、長鎖脂肪アルコールか、その後対応する脂肪酸のいずれかを形成するためのC−1でアルキルエーテルの連結の開裂に関与する。反対に、ホスホリパーゼC(PL
C)及びD(PL
D)は、グリセロール又はホスファチジン酸の生成物を、それぞれ生じさせる。ミクロソームAGMO酵素の生成を使用するとき、NM324は、[
3H]−リソ−PAF(血小板活性化因子)と比較したとき、この酵素の基質ではなく、広範囲に代謝された。同様に、NM324を、セレウス菌から単離されるPL
Cの基質として分析し、1−パルミトイル−2−[3H]−パルミトイル−L−3−ホスファチジルコリン(DPPC)と比較して加水分解せず、そしてそれは顕著な加水分解を受けた。
【0115】
最後に、いくつかのPLE類似体が、PL
D分析に供された。キャベツから単離されたPL
Dは、キャベツ型が、ホスファチジルエタノール型生成物、さらに、当該酵素反応がエタノールの存在下で実施されるときホスファチジン酸を得るという点において、哺乳類のPL
Dと同類である。これらの分析条件に供されるいくつかのPLE類似体は、PL
Dとの相互作用可能性を誘導する、ホスファチジルエタノール付加化合物を生じる。
【0116】
いくつかのNM404前駆体を、Walker腫瘍細胞、ラット筋肉(H9c2)、及びラット肝細胞を含む様々な細胞系における生体外代謝試験にも供した。これらの試験において、代謝の程度を、様々な時間で培養後に形成される放射性標識生成物に基づいて測定し、当該結果を、細胞数又は細胞蛋白質量に対して標準化した。続いて、培養培地及び細胞懸濁液の脂質抽出物は、Walker腫瘍細胞におけるPLE代謝産物の産生がほとんどないことを立証した、一方、48時間超の期間試験された筋肉細胞、及び肝細胞の双方において、代謝産物の顕著な生成が見られた。これらの結果は、全類似体に関して完成される生体内の生体内分布と密接な関連がある。いくつかの試験が完成させているけれども、腫瘍細胞において放射性標識されたPLE類似体の取り込み及び保持における、代謝的捕獲の役割はうまく定義されず、そして現在のところ、研究の活動領域として残っている。
【0117】
NM324の臨床評価
いくつかの有望な第1世代PLE類似体の内、NM324はより容易に合成され、それ故、初期臨床試験のための主要化合物として選択した。5人の肺癌患者から得られた画像は腫瘍を検出したけれども、高い肝臓の放射活性が画像を複雑にした(
図2)。
【0118】
第2世代PLE類似体
肝臓の取り込みを低減し、そしてプラズマ相を長引かせるために、NM324の9つの構造類似体を合成し、そして、Dunning R3327前立腺腫瘍を有するコペンハーゲンラットにおける初期の画像分析のために
125Iで放射性標識した。この初期スクリーンに基づいて、NM347、NM404[18−(4−ヨードフェニル)−オクタデシルホスホコリン]、及びNM412(
図3)を、動物腫瘍細胞において、さらに画像化及び細胞内分布分析に供するために選択した。
【0119】
さらに動物モデルにおけるNM404及びNM412を有する最近の画像化試験は、様々な腫瘍を視覚化することにおいて当該双方共にNM324より優れていることを示した。重要なことに、NM404又はNM412のいずれかの静脈投与後の転移性前立腺腫瘍モデルにおいて、リンパ節転移を明らかに描写した。最も重要なことは、当該トレーサーは、関与しないリンパ節により保持されなかったことである
24(
図4A)。前立腺モデルにおいて実施されるけれども、この結果は乳癌に特に関し、ここでリンパ転移はそのような重要な予後指標である。ヒトA549 NSCLC腫瘍を有するSCIDマウスにおいて実施される予備試験は、有望であり、そして、NM404が肝臓によるNM324の高い初回通過の一掃問題を克服することを実証した。NM404は、NM324と比較して最小限の肝臓及び腎臓の取り込みに関して、特に遅延像において著しく優れた、腫瘍の視覚化を示す(
図4)。組織生体内分布研究は、当該腫瘍に残留する高レベルの放射活性をさらに確認した。画像化の結果は、NM404及びNM412で似ていたけれども、ラットにおいて得られた線量測定データから、NM412と比較してNM404の方がより低い腎臓の用量であることが明らかとなり、それ故、NM404を更なる研究のために選択した。前立腺及びA549肺癌を有するSCIDマウス腫瘍モデルにおけるNM324とNM404との比較生体内分布データは、高度腫瘍組織対正常な組織の比、及びNM404の注入量の25%超の腫瘍取り込みを明らかとした。
【0120】
広範な腫瘍モデルにおける取り込みの特徴を測定することを目的としたマウスモデルにおいて実施される動物の画像化試験の概略を、表1に示す。B6APC
Min/+マウスにおける予備段階の結果は、NM404は腺腫性ポリープにより取り込まれず、しかしこのモデルにおける乳腺腺癌により取り込まれ保持されることを示し、それ故、悪性腫瘍細胞に対する可能性のある特異性を示す。これらの試験は、非侵襲的に特徴付けられる腫瘍に対するNM404の潜在性を測定することを目的とする。NM404は、研究された全腺癌モデルにおいて優位な腫瘍取り込み及び保持を表示する。
【0121】
【表1】
【0122】
CT26マウス腫瘍モデルの関連性
発明者等は、マウスの側面に皮下CT26細胞の接種を有するマウス(BALB/cマウス)モデルにおける腫瘍応答の前兆として、NM404を検討した。当該CT26細胞系は、僅かな分化型マウス腺腫であり、BALB/cマウスのN−ニトロソ−N−メチルウレタンの直腸注入により誘導されるものである。当該細胞系は、生体外で育てやすく、脈管構造(尾静脈注入、転移モデル)又は皮膚(
図5)又は肝臓
25、26に注入したとき、予想可能な成長パターンを得る。当該細胞系は結腸直腸癌に由来するので、このマウスモデルはこれらの研究として高く臨床的に関連する。
【0123】
CT26腫瘍におけるNM404を有する予備的画像結果
NM404が皮下CT26移植片に局在することを示すための予備試験において、2匹の動物を
125I−NM404(10μCi)で注入(尾静脈)し、その後、注入後1、4、及び7日後に、改良バイオスキャンAR2000放射性TLCスキャナー(高解像度1mmコリメータ、並びに2−D取得及び分析ソフトウェアを装備)で画像化した。7日目において、当該動物を安楽死させ、当該腫瘍を除去し、写真を撮り、そして生体外でバイオスキャンによりスキャンした(
図6)。生体外スキャンは、ヨウ素−125に関連する深刻な組織減弱作用に起因して本発明者等の研究所において標準的なプロトコールである。各動物は、安楽死及び当該腫瘍の解剖の前に、7日目において、マイクロCTスキャンをも受けた(
図7)。病巣のホットスポットは、生体外バイオスキャン画像における全腫瘍と視覚的に相関する(
図6)。リンパ節が視覚化されるけれども、腫瘍細胞の浸潤を示すそれらと放射活性を関連付けるものはなかった。
図6及び7における主な腫瘍を腺癌として組織学的に分類した。本発明者等は、マイクロCTにより広範な皮下腫瘍をスキャンし、そして全ては、直径300ミクロン未満まで、非常に容易に検出可能である。
【0124】
皮下マウスCT26腫瘍の初期RF除去は成功し、そして、H&E着色で処理された部分において、細胞膜の欠如により示されるような重篤な細胞損傷の結果をもたらした(
図8)。
【0125】
C.実施例III:非小細胞肺癌
画像化及び生体内分布の試験を、ヒトNSCLC腺癌A549細胞系(腺腫は、最も頻繁に起こるヒト肺癌組織型である。)を有するSCID(重症免疫不全変異株)マウスにおいて、実施した。予備試験は、5匹の動物を発育させ、当該新たな薬剤NM404がNM324化合物の限界を克服することを示した結果をもたらした。NM324をよく取り込む腫瘍もあるが、肝臓による高い初回通過の一掃により障害となる。しかしながら、NM404は、最小限の肝臓及び腎臓の取り込みに関して、特に遅延像において著しく優れた、腫瘍の視覚化を示す。さらに組織生体内分布研究は、当該腫瘍に残留する高レベルの放射活性をさらに確認した。SCIDマウス−ヒトNSCLCモデルにおけるNM324とNM404画像の比較を
図4に示す。NM404の肝臓、腎臓、及び腸の活性の比較的少ないことは、優れた腫瘍視覚化と一体となったことに留意する。画像化の結果は、NM404及びNM412で似ていたけれども、ラットにおいて得られた最近の線量測定データから、NM412と比較してNM404の方がより低い腎臓の用量であることが明らかとなり、それ故、NM404を更なる研究のために選択した。
【0126】
いくつかの腫瘍モデルにおける原型薬剤である
125I−NM324の広範な生体内分布データは、以前に蓄積されている。Counsell RE,Schwendner SW,Meyer KL,Haradahira T,Gross MD.Tumor Visualization with a radioiodinated phospholipid ether.J Nucl Med 31(3):332−336,1990;Plotzke KP,Fisher SJ,Wahl RL,Olken NM,Skinner S,Gross MD.Counsell RE.Selective localization of a radioiodinated phospholipid ether analog in human tumor xenografts.J Nucl Med 34(5):787−792,1993;Rampy MA,Brown RS,Pinchuk AN,Weichert JP,Skinner RW,Fisher SJ,Wahl RL,Gross MD,Etheir SP,Counsell RE.Biological disposition and imaging of a radioiodinated alkylphosphocholine in two rodent models of breast cancer.J Nucl Med 37(9):1540−1545,1996。
【0127】
8:1を超える腫瘍対血液の比が、注入後の遅延時で見られた。例えば、ラット乳腺腫瘍モデルにおいて、腫瘍対正常組織の比は、8:6の腫瘍対血液の比、及び20:1の腫瘍対筋肉の比となり96時間で最大に達した。Rampy MA,Brown RS,Pinchuk AN,Weichert JP,Skinner RW,Fisher SJ,Wahl RL,Gross MD,Etheir SP,Counsell RE.Biological disposition and imaging of a radioiodinated alkylphosphocholine in two rodent models of breast cancer.J Nucl Med 37(9):1540−1545,1996。
【0128】
さらに、PLEに関連する放射活性の生体内分布は、マイクロ・オートラジオグラフィー試験により示されるように腫瘍における異質成分である、ここで当該オートラジオグラフィー試験は、PLE放射活性が、中央の壊死領域よりもむしろ外側の領域に局在する生存腫瘍細胞中に独占的に残存することを示す。Rampy MA,Brown RS,Pinchuk AN,Weichert JP,Skinner RW,Fisher SJ,Wahl RL,Gross MD,Etheir SP,Counsell RE.Biological disposition and imaging of a radioiodinated alkylphosphocholine in two rodent models of breast cancer.J Nucl Med 37(9):1540−1545,1996。
【0129】
SCIDマウスにおけるNM324とNM404との比較生体内分布データは、今までのところ、前立腺及びA549肺癌腫瘍モデルにおいてのみ実施される。これらの試験は、高い腫瘍対正常な組織の比、及びNM404の注入量の25%超の腫瘍取り込みを明らかとした、それ故、さらに自然発生腫瘍モデル及びヒトにおいてPLE類似体の生体内分布を研究する我々の望みを支持する。
【0130】
NM324に対するNM404の比較感受性に取り組むさらなる試験を、SCIDマウスA549肺癌モデルにおいて実施した。各動物の肺を、各薬剤の同量の投与後10日で摘出し、解像度を上げるために1時間の間、生体外で画像化した。
図23に示される低解像度及び高増幅画像は、NM404で画像化される、及びNM324におけるほとんど取り込まれない又は全く取り込まれない動物の双方の肺において病巣の放射活性の存在を明らかとした。続いて、病理学的分析は、全4動物における小さなA549のミクロ転移(直径1mm未満)の存在を確証した。NM404マウスの計数率は、対応するNM324の2.5倍超であり、再度、NM324を越えるNM404の優位性を示した。
【0131】
腫瘍標的戦略は時間をかけて選択的な腫瘍保持に関係するようであることを理由として、
18F又は
99mTcの如き比較的短命の核種は、今日、標識として実用的ではないようである。しかしながら、ヨウ素の放射性同位体で独占的に標識されるモノクローナル抗体の早期使用と同様に、ヨウ素−124の如き他の標識でPLE類似体を標識することが、将来可能となるかもしれない、ここで、物理的半減期は、PLEの腫瘍取り込みと滞留速度に釣り合う。事実、腫瘍選択的PET剤としての
124Iで標識されたNM404の有用性は、我々のマイクロPET取得のための予備計画に供される。この計画の目的は、NM404をヨウ素−124、4日間の物理的半減期を有する比較的新しい陽電子同位体で標識することの実現可能性、及び小動物モデルにおける腫瘍のPET画像化に有用であることを評価することである。PET画像化が伝統的ガンマカメラ画像化と比較して得られる、解像度の向上及び3次元機能に加えて、このアプローチは、グルコースの利用より、腫瘍細胞へのその取り込みが異なる生物化学的機構経由で生ずるフッ素−18FDGの使用を褒めるだろう。
【0132】
上記議論のように、現在有用なトレイサー(例えば、
67Ga及び
18F−FDG)の利用は、炎症と腫瘍を識別する特異性の欠如により制限される。しかしながら、PLE剤を有する予備的試験は、臨床的に重要な制限を克服することにおいて期待を与える、ここで、ラットにおけるカラギーナン誘導肉芽腫は、バックグラウンド活性を超えて視覚化できず、そして組織保持を示さなかった。Counsell RE,Schwendner SW,Meyer KL,Haradahira T,Gross MD.Tumor Visualization with a radioiodinated phospholipid ether.J Nucl Med 31(3):332−336,1990。しかしながら、それらの研究において対照として利用されるクエン酸ガリウムは、肉芽腫において非常に濃縮される。そのような発見は、潜在的に有用な腫瘍選択画像化造影剤としてPLE類似体の剤を有する本発明者等の研究を拡張することをさらに正当化する。
【0133】
人体試験
動物における非常に有望な薬物動態及び画像データに基づいて、本発明者等は、臨床の場に放射性標識されたリン脂質エーテルの試験を提案することを奨励された。非標識NM404を、バッファローにあるニューヨーク州立大学(SUNY)の毒物学的研究センターで実施された研究におけるラット及びラビットにおける急性毒性効果として最初に評価した。これらの急性毒性効果研究において、3.2mg/kg(>最も多い予想されるヒトの用量の150倍)の用量レベルで、毒性効果は見られなかった。さらに、血小板活性特性は、この高い用量レベルで立証されなかった。
【0134】
放射性薬物研究委員会(RDRC)による人間の投与のための放射標識された剤の承認を得るために、非標識NM324を、5人の正常な疾患の無い人間に投与した。これらの被験者は、症状、臨床検査、生命徴候、及び連続血液化学による毒性の証拠は無かった。
【0135】
実現可能な予備的実験として、4人の肺癌患者を、
131I標識されたNM324を有するRDRCの承認の下、Ann Arbor,Michigan VA病院で試験した。肺腫瘍は、肺癌を有する全3人の患者(NSCLCを有する2人、及び小細胞肺癌を有する1人)においてはっきりと視覚化された、詳細は下記に示す。様々な時点における、腫瘍の取り込み程度は、1+(バックグラウンドを超えてかろうじて認知できる)〜3+(極めて強い取り込み、正常の構造より非常に優れている)に変化した。これらの初期検査に選択された患者は、比較的大きな癌を有する者であったことに留意すべきである。腫瘍の病気分類問題が存在する患者を研究することは、このステージにおいて意図していなかった。
【0136】
病歴
患者01は、55歳高齢女性であり、右の肋骨内に侵食している右中葉肺腫瘤、組織学的には、肺癌起源の可能性となるムチン産生腺癌を有した。6時間での初期
131I−NM324シンチグラフ画像は、右側面の中肺において取り込みの病巣を示した。シンチグラフ試験とは関係ない理由から、当該患者は、さらなる画像化立会いのための6時間を過ぎても病院に戻ってこなかった。
【0137】
患者02は、62歳高齢男性であり、大きな(9×7×7.5cm)、大動脈肺動脈窓及び左門から広がる分葉状縦隔腫瘤を有した。組織型は、小細胞未分化(燕麦細胞)癌であった。
131I−NM324シンチグラフ画像は、左上肺野における取り込みの病巣を明らかにし、そしてそれは、正常なバックグラウンド活性と比較して時間とともに強度において増大した。
【0138】
患者03は、74歳高齢男性であり、前もって放射線治療で5ヶ月間処置された肺上葉NSCLC(腺癌)を有した。疾患は、左小舌(2.5×2×3cm腫瘤)、下部胸椎(およそT8)、及び肝臓の右葉において再発した。131I−NM324シンチグラフィーは、肺腫瘤及び胸椎病変における明確な取り込みをよく示し、そしてそれは、時間の経過とともにバックグラウンドに対する標的の比が増大すること(
図2)を実証した。肝臓転移における取り込みは、正常な肝臓のバックグラウンドの上に決定できなかった。
【0139】
これらの試験は、放射標識したPLE類似体の臨床的有望性を早期に垣間見ることを提供した。
131Iは画像化目的のために次善の剤であるけれども、全3つの肺癌における取り込みは、明らかに描写された。予想通り、先の動物生体内分布実験に基づいて、当該腫瘍における活性は、患者02及び03において明らかに実証されたように、時間の経過とともに増大した。患者03において、腫瘍対正常組織の比は、2日目の2.74から7日目の4.23に増大した。患者01は、6時間を過ぎても、その後の画像化立会いに戻らなかった。当該増大する標的対バックグラウンドの比は、腫瘍視覚化の機構が、血流異常又は血管過剰増生だけに基づくものではないという強い証拠を構成する。実際には、
99mTcヒト血清アルブミンを使用する動物実験は、これを確認した
1。
【0140】
NM404を使用する非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者を評価する臨床試験
NM404は、移植片及び自然発生のげっ歯類モデルの25/25において、選択的及び持続的腫瘍貯留性を示すけれども、医師は、人間において似たような腫瘍の取り込み及び貯留特性を示すかどうか測定するためにステージ4のヒト小細胞肺癌の患者における薬剤の臨床評価を最近開始したINDを後援した。今まで、進行したNSCLCを有する2人の患者を、<
131I−NM404の1mCiの注入後に画像化した。血液及び尿サンプルを、所定時間に回収し、そして投与後いくつかの時点でガンマ画像化を実施した。両患者において、NM404の有効な腫瘍取り込み及び保持が、
図29及び30に見られるように、原発肺腫瘍において実証された。第1世代前身であるNM324における前記に見られる高い肝臓取り込み値と比較して、NM404による場合、肝臓及び腹部の活性は非常に低く、このことは、すい臓癌、直腸癌、及び前立腺癌を含む他の腹部癌においてこの剤を評価する実現可能性を提示する。
【0141】
材料及び方法
ヨウ素−131で標識されたNM404(1mCi/20μg)の静脈注入後、進行したNSCLCを有する患者を、GE Maxxus dual Head SPECTスキャナーに関して、3、6、24、48、96時間、並びに7及び11日でスキャンした。血液及び尿サンプルを、臨床的血液、腎臓、及び肝臓の生物分析のために回収した。
【0142】
結果
初期の定性的画像化結果は、ヨウ素−131で標識されるNM404は、注入後24時間で両側肺腫瘤内に明らかに局在し、11日間を過ぎてもこれらの腫瘍内に選択的に保持されることを示す。さらに、肝臓、並びに膀胱、腎臓、及び腸を含むより低い異常領域におけるバックグラウンド放射活性は、その前身であるNM324で先に観察されたよりも非常に低い。当該患者において副作用は観察されなかった。
【0143】
結論
これらの予備的所見が提示するには、げっ歯類モデルにおいて以前見られたように、NM404は、ヒトNSCLCにおける似たような腫瘍取り込み及び保持特性を示す。
【0144】
この点について、たった2人の患者に基づいているけれども、NM404が、ヒト非小細胞肺癌中に局在し、そして選択的及び持続的な腫瘍貯保持を受けるように見える。
【0145】
患者1
55歳高齢男性であり、両側3cmの左葉及び浸潤性右葉のNSCLC、及び脳転移、及び小さな右副腎腫瘤を有していた。彼は、多くの標準的及び実験的治療計画に参加していた。画像を
図29に示す。
【0146】
患者2
70歳高齢男性であり、6cmの上葉非小細胞腫瘤、5mmの肝臓腫瘤、腸骨転移及び非常に小さい脳転移を有していると最近診断された。彼は、当該NM404試験を開始する前の週に、当該腸骨及び脳転移に対して低用量のカルボプラチン/タクソール化学療法及び緩和的放射線治療を最近完了していた。画像を
図30に示す。
【0147】
D.実施例IV:マウスすい臓腺癌モデル
発明者等は、混合された腺房/腺管表現型を有する浸潤性腫瘍を産生することで知られるc−mycマウスすい臓腺癌モデルにおいて、第2世代のPLE類似体であるNM404の腫瘍親和性をも試験した。
【0148】
材料及び方法
癌遺伝子としてよく知られるc−myc又はk−rasのいずれかを内因する2つのマウス系統が、ウィスコンシン大学で開発された。Sandgren EP,Quaife CJ,et al.,Proc Natl Acad Sci USA.1991;88:93−97;Grippo PJ.Nowlin PS.et al.,Cancer Research.63(9):2016−9,2003。
【0149】
c−mycの発現は、すい臓腺房細胞を対象とされる、なぜならば、すい臓のみで発現されるエラスターゼ・プロモーターと連結するからである。これらのela−1−myc内因性マウスは、腺房及び腺管の新生組織形成が発達し、それは、誕生から2〜7ヶ月以内の死亡をもたらす。誕生から1ヶ月までは、当該すい臓は、厚くなりそして安定するように見える。それ故、誕生後1〜3ヶ月のマウスは、すい臓癌の研究のための優れたモデルとして役立つ。大抵のヒトすい臓新生組織形成は腺管形態であり、Sandgren博士の導入遺伝子標的戦略は、すい臓腺管上皮に対して特異的な腫瘍の発達を目的とされる。
【0150】
当該c−mycモデルは、混合された腺房/腺管表現型を有する浸潤性腫瘍を産生する。k−rasモデルの生物学は、非常に異なる。当該k−ras腫瘍は、新組織形成の特徴を有することを意味する、「癌腫 in situ」として分類されるが、しかしそれらは侵略せず、そして一般的に小さいままである(<2mm)。それらの細胞的外見は初期のヒト腫瘍と似ており、よって、組織学的展望より、それらはヒト疾患のより適切なモデルである。さらに、それらは、非常に初期のヒト疾患に似ている。c−mycマウスの大きな、及びより発達した腫瘍に対する当該k−ras腫瘍の「初期」発生を検出するための能力は、人間における初期の(おそらく治癒できる)病巣を同定することに対して、非常に重要なステップとなるだろう。k−ras変異がヒトすい臓腺癌の90%超の原因となるという事実は、新たな腫瘍造影剤の評価のためのこのモデルの妥当性に対するさらなる支持を導く。
【0151】
画像化試験
NM404がマウス・すい臓腫瘍において局在するかどうか測定するために、6匹のc−myc内因性マウスが、Bioscan AR−2000放射性TLCスキャナー(マウス画像化のために本発明者等の研究所において改良されたもの)で、
125I−NM404の尾静脈注入後(15μCi/20gbw)、2〜21日間、スキャンされた。当該最終日において、マウスは、マイクロCTスキャン(42kvp、410μA、390ステップ、マイクロCAT−I、ImTek、Inc.,Knoxville,TN)も受けた。ヨウ素−125の低エネルギーに関連する組織的減衰を避けるために、麻酔されたマウスの生体内画像化の後、当該すい臓腫瘍を摘出し、そして同じスキャナー(高解像度1mmコリメータ、及び2−D取得及び分析ソフトウェアを装備した)で生体外スキャンした。犠牲になった際、組織を摘出し、重量を測定し、そしてガンマ計数器で放射活性を定量した。
【0152】
結果及び考察
初期画像化は、c−mycモデルにおけるNM404が直径5〜12mmの範囲にある全腺癌において著しい取り込み及び持続的保持(>21日)を示すことをもたらす。先の細胞培養及び生体内動物モデル試験において観察されたように、NM404は明らかに代謝され、そして正常細胞から除去されるが、しかし、腫瘍細胞膜において代謝的に捕捉される。他の腫瘍モデルにおける先のオートラジオグラフィー実験は、正常な組織又は壊死組織ではなく、生存腫瘍細胞のみが、NM404を蓄積することができることを提示した。本発明者等は、マウスにおけるどこにでもある種類のすい臓にもかかわらず、マイクロCTで生きているマウスにおけるすい臓の腫瘍をも検出できた(
図11)。すい臓の腫瘍を有する動物の数は少ないけれども(n=6)、予備的な、バックグラウンドに対するNM404腫瘍のデータは有望に思える。
【0153】
結論
NM404は、この研究において実験された、自然発生的すい臓腺癌中に選択的及び持続的な貯留を示した、それ故、さらにこの剤の腫瘍選択性を拡張した。
【0154】
E.実施例V:ラット神経こう腫モデル
材料及び方法
ウィスコンシン大学のResearch Animal Resources Centerガイドラインに従って、全動物を飼育し処理した。ラットC6神経こう腫細胞を、10%加熱不活性化FBS(BioWhittaker,Walkersville,MD)、100U/mlのペニシリンG、100mg/mlのストレプトマイシン、及び0.01MのHEPES(Life Technologies,Gaithersburg,MD)で補充したDMEM培地(Life Technologies,Gauthersburg,MD)中で増殖させた。先に記載(参照)のように頭蓋骨内腫瘍の移植を実施した。簡潔にいうと、1×10
6個のC6細胞を、5mlの1.2%メチルセルロース中に再懸濁し、そして、麻酔された雌のWistarラット(Harlan,Indianapolis,IN)の前頭葉中に注入した。偽手術された動物は、腫瘍細胞なしのメチルセルロースの等量の頭蓋骨内注入を受けた。
【0155】
画像化実験
移植後10日目、頭蓋骨内腫瘍の存在を、MRIで確かめた。簡潔にいうと、麻酔されたラット(6)は、腹腔内に2mlのガドジアミド(Gd,オムニスキャン 287mg/ml,Nycomed,Princeton,NJ)を受け、10分後、GEフェイズド・アレイ先端コイルを使用して画像化した。各ラットの全脳を覆うT1−weighted(TR=500ms,TE=16.5ms)マルチスライス・シークエンスを、NM404注入に対して、様々な大きさの腫瘍を有する腫瘍保有ラットと偽手術ラットを選択するために検査した。
【0156】
NM404[18−(4−ヨードフェニル)−オクタデシルホスホコリン](
図3A、100mg)を、ピバル酸中におけるNa
125Iでの同位体交換を経由して、
125Iで放射性ヨウ化した。Weichert,et al.,Int J Appl Rad Isotopes.1986,37:907−913。HPLC精製後、4匹の腫瘍保有、及び3匹の偽手術ラットへの尾静脈注入(5〜20μCi/200gラット)に先立ち、NM404を、水性2%ポリソルベート20溶液中に溶解した。NM404注入後、1(n=1)、2(n=1)、及び4日目(n=2)に、動物を安楽死(CO2)させ、そして脳を摘出し、改良Bioscan AR2000 放射性TLCスキャナー(2分間で1mm増大の取得/レーン、1mm高解像度コリメータ)で画像化した。さらに、正常な脳、血液、腎臓、肝臓、脾臓、甲状腺、及び腫瘍組織の重量を測定し、そしてガンマ計数器で放射活性をカウントした。次いで、放射活性の組織分布を、脳組織学と対応させた。
【0157】
結果及び考察
NM404による初期画像化結果は、直径3〜5mmの範囲に渡る全神経こう腫内に著しい取り込み及び持続的保持を示した。正常な脳組織内の放射活性は、偽手術の対照動物において最小量となり(
図12)、一方、NM404は、神経こう腫内で著しく濃縮された(
図13)。C6保有ラットにおける腫瘍対脳の比率(注入された用量/gの%)は、24、48、及び96時間で、それぞれ10.5、12.2、及び6.7だった。先の細胞培養及び生体内動物モデル試験において観察された通り、NM404は、明らかに代謝され、そして正常な細胞から除去されるが、しかし、腫瘍細胞膜において、代謝的に捕捉される。他の腫瘍モデルにおける先のオートラジオグラフィー実験は、正常な組織又は壊死組織ではなく、生存腫瘍細胞のみが、NM404を蓄積することができることを提示した。興味深いことには、直径数mmと測定される小さな腫瘍でさえ、NM404投与後に検出された。これらの予備所見は、NM404は小さな浸潤性腫瘍病巣の視覚化にも有用かもしれないことを提示する。
【0158】
結論
先に実験された全腫瘍モデルにおける場合の通り、NM404は、この試験において評価されたラットC6神経こう腫により選択的及び持続的保持を示した。
【0159】
F.実施例VI:マウス肝臓腫瘍
14超の移植片及び自然発生の腫瘍モデルにおいて得られた予備的結果は、例外なくNM404が腫瘍内における選択的取り込み及び持続的保持を受けることを示した。さらに、NM404が、その前身よりも低い肝臓バックグラウンド値を得ることを理由として、本発明者等は、HCCで患者を画像化することは問題であるという事実を踏まえて、肝臓内の評価を拡張した。多くの患者は肝硬変を内在しており、それ故、断面画像においてHCCから再生結節を識別することは困難である。さらに、FDGでのPETスキャンを評価する予備実験は、当該疾患を検出することにおいて、たった20〜50%の検出感度しか示さなかった。Verhoef C,Valkema R.et al.,Liver(2002)22:51−56。
【0160】
材料及び方法
内因性マウスHCCモデル。TGFα遺伝子を過剰発現する内因性マウスにおける自然発生の肝細胞癌の進行は、広範囲にわたり評価され、この疾患の研究のための非常に有望な動物モデルである。Lee GH,Merlono G,Fausto N.Cancer Research(1992)52:5162−5170。TGFαは、上皮細胞のマイトジェンであり、EGF受容体と結合する;TGFαの非制御発現は、腫瘍形成をもたらす。ジンク誘導型メタロチオニン1(MT1)プロモーターの制御下、導入遺伝子TGFαを発現している雄のCD1マウスにおいて、75〜80%が、生後12ヶ月後、HCCを進行する。しかしながら、化学的発癌物質である、アルキル化剤ジエチルニトロソアミン(DEN)を使用して、生後15日で腫瘍成長を誘導するとき、生後6ヶ月までに90%のマウスがHCCを進行する。組織学的実験において、これらの腫瘍は、確かなパターンのよく分化された肝細胞癌からなる。当該腫瘍は自然発生的に生ずるので、本発明者等は、前臨床試験のための好適なモデルとしてこれらの動物を利用する。
【0161】
CT26結腸腺癌移植片モデル
自然発生のHCCモデルに加えて、NM404をも、移植片結腸腺癌腫瘍モデルにおいて評価し、一方、CT26細胞(5×10
5細胞数/50μl)を、病巣である肝臓腫瘍の形成のために雌のBALB/cマウスの肝実質の中に直接、前もって注入した。
【0162】
画像化試験
NM404(
図3A、100μg)を、ピバル酸の溶解中の同位体交換を経由して
125Iで放射性ヨウ化した。Weichert JP,et al.,Int J Applied Radiat Isot(1986)37(8):907−913。HPLC精製後、水性2%ポリソルベート20溶液中に溶解し、その後、3匹のTGFα内因性マウス、あるいは3匹のCT26腫瘍保有マウスの中へ、尾静脈注入(15μCi/20gマウス)した。マウスを麻酔し、注入後21日目まで、改良Bioscan AR2000放射性TLCスキャナー(2分間取得で1mm増大/レーン、及び1mm高解像度コリメータ)でスキャンし、そして解剖学的相関のためのImTek マイクロCTスキャナー(390ステップ)でもスキャンした。マイクロCT画像を、Amiraソフトウェアを使用して表示した。犠牲になったとき、腫瘍保有肝臓を、はじめに摘出し、生体外でスキャンした。次いで、腫瘍を摘出し、重さを量り、生体外でスキャンし、そして放射活性を定量した。病変サンプルを、組織学的分類のために提出した。
【0163】
結果及び考察
NM404での最初の画像化結果(
図14、15)は、肝臓内の自然発生的及び移植された癌腫の双方において、著しい取り込み(>20% 用量/g)及び持続的保持を示した。NM404の腫瘍保持は、これらの動物において、当該所定の実験の終点である21日間持続した。コントラスト強化マイクロCT画像は、全肝臓腫瘍の存在及び正確な位置を確かにした(
図14、16)。脂質抽出及び続いて腫瘍組織のHPLC分析は、放射活性は親化合物とさらに関連することを示した。予備的細胞培養及び生体内動物モデル試験において観察されたとおり、NM404は、明らかに、正常細胞から代謝され除去されるが、しかし腫瘍細胞の膜中に代謝的に捕捉される。
【0164】
結論
事前に試験された全腫瘍モデルにおける場合のように、NM404は、この試験において評価された自然発生及び移植片マウスの肝臓腫瘍モデルの双方により、選択的及び持続的保持を示した。
【0165】
G.実施例VII:ApcMin/+自然発生の乳癌モデル
材料及び方法
Apc
Min/+マウスモデル:このモデルは、ApcのMin対立遺伝子を有するマウス(Apc
Min/+マウス)からなる。このモデルは、雌のApcMin/+マウスは乳腺過形成、及び乳癌、及び腸腺腫を進行する性質があるという、移植片モデルを超える特別の利点を提供する。C57BL/6J遺伝的背景に関して、非処置の雌の約5%は、生後100日まで乳腺腫瘍を進行するだろう。Moser AR Dove,et al.Proc Natl Acad Sci USA(1993)90:8977−81。乳腺病変の発生及び多様性は、直接作用アルキル化剤である、エチルニトロソウレア(ENU)の単回投与により増大させられる。ENUでの処理は、B6Apc
Min/+雌の90%において3つの乳腺扁平上皮癌(SCC)の平均を進行させることをもたらすが、しかし処理後60日以内の過形成病変はほとんどない。
【0166】
Apc
Min/+マウスは、Apc(大腸腺腫様ポリポーシス)遺伝子の1塩基対変換を有する。当該APC/Apc遺伝子は、いくつかの潜在性機能ドメインを有する巨大蛋白質をコードする。Groden,J.,Thliveris,A.,Samowitz,W.,Carson,M.,Gelbert,L.,Albertsen,H.,Joslyn,G.,Stevens,J.,Spirio,L.,Robertson,M.and et al.Identification and characterization of the familial adenomatous polyposis coli gene.Cell,(1991)66,589−600;Kinzler,K.W.,Nilbert,M.C.,Vogelstein,B.,Bryan,T.M.,Levy,D.B.,Smith,K.J.,Preisinger,A.C.,Hamilton,S.R.,Hedge,P.,Markham,A.and et al.Identification of a gene located at chromosome 5q21 that is mutated in colorectal cancers.Science,(1991)251,1366−70。
【0167】
マウス及びヒトのAPC蛋白質は、90%同一であり、そして全潜在性機能ドメインが保存される。APCはβカテニン値を調節する。βカテニンは、細胞内で多様な役割を担い、当該役割は、Eカドヘリンの安定化、並びに、LEF及び転写因子のTCFファミリーを通じての転写調節を含む。Aberle,H.,Schwartz,H.and Kemler,R.Cadherin−Catenin Complex−Protein interactions and Their Implixcation For Cadherin Function.Journal of Cellular Biochemistry,(1996)61,514−523;Huber,O.,Korn,R.,McLaughlin,J.,Ohsugi,M.,Herrmann,B.G.and Kemler,R.Nuclear localization of beta−catenin by interaction with transcription factor LEF−1.Mechanisms of Development,(1996)59,3−10;Behrens,J.,Vonkries,J.P.,Kuhl,M.,Bruhn,L.,Wedlich,D.,Grosschedl,R.and Birchmeier,W.Functional Interaction of Beta−Catenin With the Transcription Factor Lef−1.Nature,(1996)382,638−642。
【0168】
当該β−カテニン値の調節は、APC、axin(アキシン)又はconductin、及びグリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ 3β(GSK3β)とβカテニンとの相互作用に関係する。
【表2】
【0169】
この相互作用は、βカテニンのリン酸化反応をもたらし、それは、ユビキチン−プロテアソーム経路による分解のための標的となる。
【表3】
【0170】
APCにおける大抵の生殖細胞系列及び体細胞変異は、βカテニン結合部位のいくつか又は全てを欠失する蛋白質をもたらす
26、28、29。Polakis,P.Mutations in the APC gene and their implications for protein structure and function.Current Opinion in Genetics & Development,(1995)5,66−71;Nagase,H.and Nakamura,Y.Mutations of the APC(adenomatous polyposis coli)gene.Human Mutation.(1993)2,425−34;Beroud,C.and Soussi,T.APC gene:database of germline and somatic mutations in human tumors and cell lines.Nucleic Acid Research,(1996)24,121−4。
【0171】
APCの2つの領域がこの相互作用のために要求され、Min対立遺伝子によりコードされる当該短縮蛋白質は、これらの領域の双方を欠失する;Polakis,P.Mutations in the APC gene and their implications for protein structure and function.Current Opinion in Genetics & Development,(1995)5,66−71;Su,L.K.,Kinzler,K.W.,Vogelstein,B.,preisinder,A.C.,Moser,A.R.,Luongo,C.,Gould,K.A.and Dove,W.F.Multiple intestinal neoplasia caused by mutation in the murine homolog of the APC gene.Science,(1992)256,668−70。
【0172】
APCは、核小体からのβカテニンの輸送においての役割も有する。それ故、APC機能を失うと、βカテニンは、細胞質及び核小体内に蓄積し、場合により、標的遺伝子の転写及びE−カドヘリンを通ずる細胞間相互作用の双方に影響を与えるだろう。APC変異は、腸腫瘍及び他の上皮腫瘍を含むヒトにおけるいくつかの腫瘍型において頻繁に起こる。APC遺伝子座での異型接合性の損失又はβカテニンの増大値は、乳癌の25%超に見られる。Furuuchi,K.,Tada,M.,Yamada,H.,Kataoka,A.,Furuuchi,N.,Hamada,J.,Takahashi,M.,Todo,S.and Moriuchi,T.原発性乳癌におけるAPC遺伝子の体細胞変異、Somatic mutations of the APC gene in primary breast cancers,American Jounal of Pathology.(2000)156:1997−2005;Jonsson,M.,Borg,A.,Nilbert,M.,and Andersson,T.ヒト乳癌における大腸腺腫様ポリポーシス(APC)/βカテニンのシグナル伝達の関与、Involvement of adenomatous polyposis coli(APC)/beta−catenin signaling in human breast cancer,European Journal of Cancer.(2000)36:242−248。それ故、これらのマウスに見られるような病変の当該型は、ヒトの乳癌と分子的及び組織学的に似ているだろう。
【0173】
遺伝的背景は、偶発的事件、潜伏時間、及び進行する乳腺の病変の型に影響を与え得る。例えば、FVBxB6Apc
Min/+雌マウスは、マウス1匹あたり平均0.2乳腺腫瘍を患うが、しかし、処置後120日内に、マウス1匹あたり4過形成を患う。BALB/xB6Apc
Min/+は、マウス1匹あたり平均1.8乳腺腫瘍及び平均0.6過形成を患う。Moser AR,Hegge LF,Cardiff RD.Cancer Research(2001)61:3480−3485。FVBxB6及びBALBxB6Apc
Min/+マウスは、乳腺SCCと腺癌(AC)の両方を患う。
【0174】
FVBxB6Apc
Min/+マウスにおける過形成病変は、肺胞過形成か扁平上皮結節のいずれかとして分類できる。Moser A.R.,Hegge L.F.,Cardiff,R.D.Genetic background affects susceptibility to mammary tumors and hyperplasias in Apc
Min/+mice.Cancer Research(2001)61:3480−3485。肺胞過形成は腺腫の前駆体であり、そして扁平上皮結節はSCCの前駆病変である。それ故、遺伝的背景の操作により、過形成及び癌腫の多型を患うマウスが、同じ動物内でしばしば産生され得る。当該肺胞過形成は、ヒトの胸由来のサンプル中に一般的にみられる異型の小葉(A型)に似ている。Cardiff,R.D.and Wellings,S.R.ヒト及びマウスの乳腺の比較病理学、The comparative pathology of human and mouse mammary glands,Journal of Mammary Gland Biology & Neoplasia.(1999)4:105−22。これらの異型の小葉は、乳癌を有する女性において、乳癌病巣内、又は対側乳房内に多く見られる。SCCは、乳腺腫瘍の頻繁な型ではない一方、ACはヒト乳腺腫瘍の普通型のようである。さらに、APC経路における変更を伴った腫瘍は、ヒトの乳癌において一般的である。APC遺伝子座での異型接合性の損失又はβカテニンの増大値は、乳癌の25%超に見られる。Furuuchi,K.,Tada,M.,Yamada,H.,Kataoka,A.,Furuuchi,N.,Hamada,J.,Takahashi,M.,Todo,and Moriuchi,T. 原発性乳癌におけるAPC遺伝子の体細胞変異、Somatic mutations of the APC gene in primary breast cancers,American Jounal of Pathology.(2000)156:1997−2005.35;Jonsson,M.,Borg,A.,Nilbert,M.,and Andersson,T. ヒト乳癌における大腸腺腫様ポリポーシス(APC)/βカテニンのシグナル伝達の関与、Involvement of adenomatous polyposis coli(APC)/beta−catenin signaling in human breast cancer,European Journal of Cancer.(2000)36:242−248。それ故、これらのマウスに見られるような病変の当該型は、ヒトの乳癌と分子的及び組織学的に似ているだろう。このモデルの独自の観点及び長所は、しばしば同様の動物の範囲内で、乳腺過形成及び乳癌の多型を患うマウスを産生する能力である。このように、我々は、同様の動物の範囲内で、過形成及び腫瘍の多型におけるNM404の取り込み及び保持を試験し得る。
【0175】
マウスのポリオーマウイルスの感染は、乳腺腫瘍を含む多くの腫瘍型の発現を導く。マウス乳腺腫瘍ウイルスLTR(MMTV)の制御下、ポリオーマ・ミドルT抗原(PyVT)を発現する内因性マウスは、素早く、乳腺異形成及び腫瘍を患う。Amy Moser;Guy,C.T.,Cardiff,R.D.,and Muller,W.J.ポリオーマウイルス・ミドルT癌遺伝子の発現による乳腺腫瘍の誘導:転移性疾患のための内因性マウスモデル、Induction of mammary tumor by expression of polyomavirus middle T oncogene:a transgenic mouse model for metastatic disease,Molecular & Cellular Biology.(1992)12:954−61。
【0176】
上皮内癌の兆候は、早ければ生後3週間で見ることができ、早ければ生後5週間までに乳腺腫瘍を100%発症する。当該腫瘍は、主として、AC及び/又は腺棘細胞腫として分類される。当該マウスは、主な腫瘍が出現する50日以内に、肺において多発性転移病巣を患う。Lifsted,T.,Le Voyer,T.,Williams,M.,Muller,W.,Klein−Szanto,AA.,Buetow,K.H.,and Hunter,K.W.開始及び転移進行の乳腺腫瘍世代の遺伝的修飾因子を有する近交系マウス系の同定、Identification of inbred mouse strains harboring genetic modifier of mammary tumor age of onset and metastatic progression,Int J of Cancer.(1998)77:640−4。それ故、これらのマウスは、転移性乳癌の短時間モデルを提供する。APC
Min/+マウスと同様に、遺伝的背景は、腫瘍の発現及び転移の拡散の経時変化に影響を与える。Lifsted,T.,Le Voyer,T.,Williams,M.,Muller,W.,Klein−Szanto,AA.,Buetow,K.H.,and Hunter,K.W.開始及び転移進行の乳腺腫瘍世代の遺伝的修飾因子を有する近交系マウス系の同定、Identification of inbred mouse strains harboring genetic modifier of mammary tumor age of onset and metastatic progression,Int J of Cancer.(1998)77:640−4。このように、本発明者等は、腫瘍発現の短い経過を伴うマウスを産生するための交配種を使用する。PyVTは、SRCキナーゼファミリーの一員である、ホスファチジルイノシトール−3’’キナーゼ、当該SHCアダプター蛋白質、及び蛋白質ホスファターゼ2Aと関連し得る。Dankort,D.L.and Muller,W.J.乳癌転移のトランスジェニック・モデル、Transgenic model of breast cancer metastasis,Cancer Treatment & Research.(1996)83:71−88。SRCファミリーキナーゼの活性化は、ヒト乳房の腫瘍において、頻繁に観察される。Amy Moser;Muthuswamy,S.K.and Muller,W.J.乳腺腫瘍発生におけるチロシンキナーゼのSrcファミリーの活性化、Activation of the Src family of tyrosine kinase in mammary tumorigenesis,Advancesin Cancer Research(1994)64:111−23。
【0177】
画像試験
NM404(
図3A、100μg)を、ピバル酸中、同位体交換を経由して、
125Iで放射線ヨウ化した。HPLC精製後、水性2%tween−20溶液中に溶解させ、その後、6匹の雌APC
MIN/+マウスに、尾静脈注入(15μCi/20gマウス)した。マウスを麻酔し、そして注入後50日に渡り、改良Bioscan AR2000放射性TLCスキャナー(2分間取得で1mm増大/レーン、及び1mm高解像度コリメータ)でスキャンし、そして解剖学的比較のためにImTekマイクロCTスキャナー(390ステップ)でもスキャンした。マイクロCT画像を、Amiraソフトウェアを使用して表示した。犠牲としたとき、乳腺又は摘出した腫瘍を生体外で画像化し、病変を摘出し重さを量り、そして放射活性を定量した。病変サンプルを、組織学的分類に供した。もし必要ならば、長期作用CT血液プール造影剤(BP10)であって、本発明者等の研究所内で開発され長期マイクロCT取得時間に好適な当該造影剤を、静脈内注入し、その後血管視覚化を補助するためCTスキャンした(
図19)。Weichert JP,et al.,Radiology(2000)216:865−871。
【0178】
結果及び考察
このモデルは、同じマウス中に、過形成乳腺病変、乳癌、及び腸腺腫が発現する点で独特である。初期画像は、NM404(
図17、18)が著しい取り込み(>20%用量/g)をみせ、そして直径2〜15mmの範囲の全自然発生乳癌中の長期保持という結果をもたらす。腫瘍の局在は素早く見えるけれども、バックグラウンドの放射活性は、体内一掃期間、肝臓及び腸内に数日持続する。放射活性糞尿のHPLC分析は、代謝体の存在及び親のNM404の非存在を示した。NM404の腫瘍貯留性は、所定の試験の終点となる50日間持続した。しかしながら、NM404は、これらのマウス内に頻繁に見つかる腸腺腫性ポリープ内に局在しなかった(
図18)。マイクロCT画像は、全乳腺腫瘍の存在及び正確な位置を確証した(
図19)。脂質抽出及び続く腫瘍組織のHPLC分析は、放射活性が親化合物にさらに関連することを示した。以前の細胞培養試験において観察されたように、NM404は、正常な細胞から代謝され、そして除去されるが、腫瘍細胞膜中に代謝的に捕捉されるようである。
【0179】
結論
NM404は、今まで試験されたヒト及び動物の移植片腫瘍モデルにおいて、著しい腫瘍親和力を表示する。さらに、この自然発生腫瘍モデル中の乳腺腫瘍による選択的及び長期保持を表示する一方、関連する腸腺腫性ポリープ中には局在しなかった。
【0180】
H.実施例VIII:ApcMin/+内因性乳腺腺癌モデルにおける過形成対新組織形成の選択性
材料及び方法
Apc
Min/マウスモデル:このモデルは、ApcのMin対立遺伝子を保有するマウス(Apc
Min/マウス)からなる。このモデルは、雌Apc
Min/マウスが乳腺過形成及び乳腺腺癌及び腸腺腫を発現する性質を有する点において、移植片モデルを超える特異的な利点を提供する。C57BL/6J遺伝的背景に関して、未処置の雌の約5%は、生後100日までに乳腺腫瘍を発現するだろう。Moser AR,Dove,et al.Proc Natl Acad Sci USA(1993)90:8977−81。当該発生率及び当該乳腺病変の多様性は、直接作用するアルカリ化剤であるエチルニトロソウレア(ENU)の単回投与により増大され得る。ENUでの処理は、B6ApcMin/+雌の90%に平均3の乳腺扁平上皮癌(SCC)発現をもたらすが、処置後60日以内に過形成の病変をほぼ発現しない。
【0181】
遺伝的背景は、当該事件、潜伏、及び発現する乳腺病変の型に影響を与え得る。例えば、FVBxB6Apc
Min/雌マウスは、マウス1匹あたり平均0.2の乳腺腫瘍を発現するが、しかし処置の120日内でマウス1匹あたり4過形成を発現する。BALB/xB6Apc
Min/+は、マウス1匹あたり平均1.8の乳腺腫瘍、及び0.6の過形成を発現する。Moser AR,Hegge LF,Cardiff RD.Cancer Research(2001)61:3480−3485。FVBxB6、及びBALB/xB6 Apc
Min/+マウスは、乳腺SCC及び腺癌(AC)の双方を発現する。
【0182】
画像試験
NM404(
図3A、100μg)を、ピバル酸中、同位体交換を経由して、
125Iで放射線ヨウ化した。HPLC精製後、水性2%tween−20溶液中に溶解させ、その後、6匹の雌APC
MIN/+マウスに、尾静脈注入(15μCi/20gマウス)した。マウスを麻酔し、そして注入後30日に渡り、改良Bioscan AR2000放射性TLCスキャナー(2分間取得で1mm増大/レーン、及び1mm高解像度コリメータ)でスキャンし、そして解剖学的比較のためにImTekマイクロCTスキャナー(390ステップ)でもスキャンした。マイクロCT画像を、Amiraソフトウェアを使用して表示した。犠牲としたとき、乳腺又は摘出した腫瘍を生体外で画像化し、病変を摘出し重さを量り、そして放射活性を定量した。病変サンプルを、組織学的分類に供した。もし必要ならば、長期作用CT血液プール造影剤(BP20)であって、本発明者等の研究所内で開発され長期マイクロCT取得時間に好適な当該造影剤を、静脈内注入し、その後血管視覚化を補助するためCTスキャンした(
図22)。Weichert JP,et al.,Radiology(2000)216:865−871。
【0183】
結果及び考察
このモデルは、同じマウス中に、過形成乳腺病変、乳癌、及び腸腺腫が発現する点で独特である。初期画像は、NM404(
図20、21)が著しい取り込み(>20%用量/g)をみせ、そして直径2〜15mmの範囲の全自然発生乳癌中の長期保持という結果をもたらす。腫瘍の局在は素早く見えるけれども、バックグラウンドの放射活性は、体内一掃期間、肝臓及び腸内に数日持続する。放射活性糞尿のHPLC分析は、代謝体の存在及び親のNM404の非存在を示した。NM404の腫瘍貯留性は、所定の試験の終点となる>21日間持続した。しかしながら、NM404は、病巣肺胞の過形成又はこれらのマウス内に頻繁に見つかる腸腺腫性ポリープ内のどちらにも局在しなかった(
図21)。マイクロCT画像は、全乳腺腫瘍の存在及び正確な位置を確証した(
図22)。NM404は、正常な細胞から代謝され、そして除去されるが、腫瘍細胞膜中に代謝的に捕捉されるようである。
【0184】
結論
NM404は、今まで試験された20/20のヒト及び動物の移植片腫瘍モデルにおいて、著しい腫瘍親和力を表示する。さらに、この自然発生腫瘍モデル中の乳腺腺癌及び扁平上皮腺癌による選択的及び長期保持を表示する一方、関連する病巣の肺胞過形成又は腸腺腫性ポリープ中には局在せず、それ故、悪性腫瘍細胞選択的のようである。
【0185】
実施例IX:NM404の選択的貯留機構
序論
NM404の如きリン脂質エーテル類似体は、長時間、多く型の腫瘍細胞中に選択的に保持される。本発明者等は、ホスホリパーゼD(PLD)蛋白質の活性を評価するための酵素的分析及び定量的PCRの双方を使用して、腫瘍細胞中のNM404の選択的保持の機構を評価しようとした。腫瘍細胞中のPLDの低減レベルがNM404を代謝し排泄する能力の低減をもたらすと、本発明者等は仮定した。
【0186】
方法
hepa−1(肝臓癌)、CT26(結腸直腸腺癌)、及びTS/A(乳腺腺癌)を含むマウス腫瘍細胞株の単細胞浮遊液を、2つの分析法で分析した:(1)Amplex(登録商標)Redアッセイであって、蛍光性マイクロプレートリーダーを使用してPLD蛋白質活性を評価する、商業的に入手可能なキット(Molecular Probes)を使用する当該アッセイ、及び(2)PLDのmRNAのレベルを測定するための定量的PCRである。腫瘍細胞株を、正常な肝臓組織と比較した、ここで当該正常な肝臓組織は、NM404のより高いレベルの取り込み及び除去を示し、そしてそれ故、おそらく他の正常な組織よりもより低いPLDレベルを有する。Amplex(登録商標)Redアッセイについて、全蛋白質を、清浄液(Triton−X−100)を使用して抽出し、PLDの量を、標準陽性対照と比較した。PCRについて、mRNAを精製し、逆転写酵素(Promega)を使用してcDNAに転換した。リアルタイムPCRのためのcDNAの増幅の条件は:(94℃、30秒;65℃、30秒;及び72℃、30秒)で50サイクル(iCycler、iQmix、Bio−Rad)を含んだ。PLD1のプライマー、(センス)5’−TCTGGTTTCACCCCGTCAGAA−3’、(アンチセンス)5’−TTGCTCATATCTGCGGCGAT−3’を使用した。生成物を、1μg〜10
−7μgまで希釈した標準cDNA(GAPDH、Biosource)と比較した。全アッセイを2重に実施した。
【0187】
結果
PLDを表3に示されるように定量した。PLD蛋白質活性及びmRNAレベルの双方は、全細胞系において正常な肝臓組織(p<0.05、T−検定)より著しく低かった。
結論
低減PLD蛋白質活性及びPLDのmRNAの低減を、マウス腫瘍細胞株において観察した。それ故、NM404の選択的保持機構は、PLDによるNM404の分解における低減に起因し得る。腫瘍における低減PLD活性は、抗腫瘍物質の潜在的な分子標的として有用となり得る。
【0188】
【表4】
【0189】
J.実施例X:内因性マウス乳腺腫瘍モデルにおける治療上の特質
NM404治療試験としてのモデル
長期生存は画像試験にとって必須ではないけれども、治療試験を提案するために有利である。画像試験のために使用されるモデルは、通常当該動物の死を導く付随的腸腫瘍を患う。マウス1匹あたりの発現する腫瘍の数を増大するため、及び当該腫瘍を有するマウスの寿命を増大することを望んで腸腫瘍を低減するため、Moser博士は、最近、雄のB6Min/+マウスと雌のC57BR/cdj(BR)マウスを交配させた。当該得られたBRB6 F1 Min/+雌マウスは、平均5近いB6Min/+マウス(P=0.016)よりも著しく多くの乳腺腫瘍を発現した。腫瘍を有するマウスの数、及び最初の腫瘍までの時間は、これらの2つの株間(P=1、及びP=0.06のそれぞれ)で異ならない(
図25)。BRB6 F1マウスの増大した乳腺腫瘍数は、一部においては、当該B6Min/+マウス(P=2×10
−7)と比較した交配種BRB6 F1 Min/マウスの著しく長い生存期間に起因し得る。
【0190】
B6及びBRB6 F1 Min/+マウスは、乳腺表現型に関連して非常に似ていたが、腸腫瘍に対する感受性においては著しく異なっていた。当該B6及びBR株は、当該マウスがENU処置後短期間に多くの腫瘍を発現するように、Min誘導の乳腺腫瘍形成に対する感受性の高い背景を有するとみなされ得る。しかしながら、当該BR株は、腸腫瘍の発現に影響を与える修飾遺伝子座における優性抵抗性対立遺伝子を有し、そしてそれは提案した治療試験に関連することを示し得る。これらの株の比較を表2に示す。
【0191】
【表5】
【0192】
MinマウスにおけるNM404での予備画像結果
NM404が、内因性FVBxB6 Apc
Min/+マウスの乳癌に局在することを示すための予備実験において、2匹の動物を、
125I−NM404(15μCi)で注入(尾静脈、静脈内投与)し、改良Bioscan AR2000放射性TLCスキャナー(高解像度1mmコリメータ、及び2−D取得及び分析ソフトウェアを装備)で、注入後1、4、及び7日後、画像化した(
図27A、B)。各動物を、10日目にマイクロCTスキャンに供し(
図27)、その後、安楽死させ、解剖し、乳腺及び関連腫瘍を除去した。病変スポットは、生体外Bioscan画像に関する全腫瘍と、視覚的に相互に関連付けられた(
図27C)。リンパ節は可視的であるけれども、放射活性はそれらと関連せず、腫瘍細胞浸潤の欠如を示唆した。
図27Cにおける主たる腫瘍を、腺癌として組織学的に分類した。双方のマウスにおいて4つの乳腺腫瘍が存在し、そして全てが、摘出乳腺の生体外Bioscan画像において、容易に検出可能であった。
【0193】
NM404の放射線治療の可能性
125Iで標識されたNM404の「画像化」物質(15〜20μCi/20gマウス)での一連の最近のマウス腫瘍の取り込み及び保持試験の間、いくつかの明白な治療反応が観察される(未発表の結果)。Apc
Min/+マウスの乳腺腫瘍モデルにおいて、腫瘍成長は、NM404の単回静脈注射の後に、静的なままであることに一般的に留意すべきである。これらの動物の内、注入後8日目あたりに、より大きな乳腺腫瘍上の毛を全て失うものもいる。さらに、これらのマウスは、腸腫瘍も得、そして通常、腸内出血による重症貧血に苦しみ、そして足の血色を悪く(白く)する。Moser博士は、これらのマウスの足は、NM404の単回注入後5日目あたりに、ピンク色に戻ることを言及した。
これらの動物の結果としての解剖に関して、予想された20匹又は通常この歳で見つかる腸腫瘍を有するものの内、たとえあったとしても、ほんのわずかであるが、実際に生き残っていたことに留意した。当該「白からピンクの足」の現象を、別々に観察もしたが、しかし、より活動的な、NM404投与後12日で解剖されるマウス腸腺癌モデルは、予想された腸腫瘍の全部ではないが多くは消え去ったことを再度示した。双方の腸モデルにおいて、NM404を受け入れた動物は、処置されなかった共に生まれたものよりも容易に長生きした。これらの偶然一致した発見を、各6匹以上のマウスを含む2つの別の年齢の合った群において再確認した。
125I−NM404でのこれらの観察は、特にヨウ素−131で標識したときの放射線治療の適用可能性を示唆する。この提案された乳腺腫瘍モデルにおける要点をまとめる定量的な腫瘍取り込み及び保持試験は、その真の放射線治療の可能性を予測するために、この物質についての広範囲な線量測定を開始するために十分なデータも提供するだろう。
【0194】
同位体の選択
その60日の物理的半減期、及び低エネルギー28KeV光子放出に起因して、ヨウ素−125はマウス及びラットの画像化試験に好適である。ヨウ素−125は、同様に医療特性を利用可能とし、及び目下、永続的な前立腺近接照射療法の移植片において使用される。ある画像化試験において、2匹のヌードマウスを、対立する脇腹に、皮下扁平上皮細胞の1及び6の腫瘍細胞移植片で各々植菌した。SCC1及び6を使用した、なぜならば1つは他と比べて放射感受性であるからである。14日後、平均腫瘍サイズ(総計4)が直径0.5cmに達するとき、当該マウスの内、1匹は、
125Iで標識されたNM404の20μCiを受け入れ、そして他のマウスは、等量の非標識NM404を受け入れた。当該標識化合物のみを受け入れたマウスを、双方の腫瘍が我々の動物使用プロトコールにおいて定義される限界サイズ制限に達することに起因して、注入後20日で、安楽死させる必要があった。
125I−NM404マウスにおける双方の腫瘍は、数週間の経過により、劇的に及び予想外に退行した(
図28)。事実、このマウスの腫瘍は決して限界サイズに届かず、そして当該マウスを、組織学的区分を集めるために、90日後実際に安楽死させた。このとき、当該腫瘍の中心は壊死状態であり、一方、周囲の縁はわずかに生存しているようだった。組織学的試験は、壊死した中心部及び生存する縁を裏付けた。血液供給因子がそのような観察結果の一因となり得るが、一方、
125Iからの光子放出が、当該腫瘍の「外皮」の不十分な投与を生ずる当該腫瘍周辺部で、僅かな電子平衡をもたらすことも可能である。この電子平衡問題は放射線腫瘍学において重要である。光子は、それらのエネルギーにより決定される有限距離を移動し、その後、組織と接触し、そして生物学的効果を働かせる。高すぎるエネルギーを有する光子は、当該腫瘍小結節周辺の不十分な投与をもたらし得、それは、光子が当該結節を出発し、遠くまで移動し(当該腫瘍の外)、その後それらの線量が溜まるにつれて生ずる。これは
125Iに関する問題となり得たが、しかしながら、当該低エネルギーは、非常な局所堆積を保証する。複雑なモンテカルロ計算は、そのような推定値を精緻化するが、しかし、最適な同位体を決定する最も良い方法は実験であり、というのは、正確に形に表すことのできない役割を有する多くの要因があるからである(組織分布の詳細、多くの経路など)。
125Iの1つの利点は、全光子が低エネルギーであり、当該腫瘍を囲む正常組織の非常に限定された照射を保証することである。
【0195】
ヨウ素−131は、甲状腺癌の治療において優れた効果を伴い使用される。
131Iの非常に安全な投与は、高分化型の甲状腺癌の無症状の堆積を制御でき、そして当該高分化型甲状腺癌は、正常な甲状腺がそうであるように、非常によくヨウ素を濃縮する。この能動的取り込み過程は、正常組織への投与限界量を補助する。ヨウ素−131は、ベータ及びいくつかのガンマ放射の双方を有するが、しかし、主要な組織線量は、当該ベータ放射に起因する。本発明者等は、甲状腺癌の治療的成功に基づいて、低悪性度のリンパ腫患者におけるBexxar(ヨウ素−131標識抗体系薬剤)に伴い得られた結果を加味して、
131I標識されたNM404を選択した。当該主なベータ放射、及び普通は低エネルギーのガンマ照射は、腫瘍小結節自体の中で薬剤均質性を最適化する。さらに、より短い半減期(8日間)は、
125Iの60日間の半減期と比較して、より臨床的に適切な線量強度を提供する。これらの因子は、本発明者等がこの剤の当該抗腫瘍効果を最もよく評価することを許可するだろう。
131Iの可能性のある不利点は、より高エネルギーのガンマ照射を有すること、さらに、
125Iで生ずるであろう放射線量よりも多くの線量で、組織の近接周辺に実際に照射し得るだろうことである。本願明細書中に提案される内因性モデル中の腫瘍は、乳腺の末梢に位置し、そしてそれ故、当該動物の全体的健康に対する差し迫った脅威を意味すべきでない。臓器毒性は当該試験の評価項目の内の1つでもあるので、当該周囲組織及び主な臓器機構(髄質、肝臓、腎臓、腸、脳など)の反応を評価する。組織分布のデータ及び標識されたNM404の実際の線量測定は、その最適な治療可能性を決定するだろう。異なる同位体が、治療法の設定において互いに補完するだろうことがあり得る。
【0196】
本願明細書中に記載される実施例及び態様は例証目的のみとしてのものであること、それらを踏まえた様々な改良又は変化は当業者により示唆されるだろうこと、そしてそれらは本明細書の本質及び範囲、及び添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるだろうことが理解される。本明細書中に引用される刊行物、特許、及び特許出願の全てを、参照することにより本願明細書中に援用する。
【0197】
【表6】
【表7】
【表8】
【0198】
「DIAPEUTIC」は、Cellectar,LLCの登録商標である。