【実施例】
【0010】
図1ないし5を参照する。本発明は電子製品9のベース91と上蓋92との間の両側にそれぞれ回転軸装置10、10'を設け、回転軸装置10は軸ブッシング1と、回転軸組2と、摺動ブロック3と、連桿組4とを含む。そのうち、
【0011】
軸ブッシング1は基部11を有し、基部11上方の一側は他側に屈折して第1押さえ部12を延在
せしめ、第1押さえ部12と基部11との間に第1回転軸空間13を形成し、基部11下方の一側
は他側に屈折し
て第2押さえ部15を延在
せしめ、第2押さえ部15と基部11との間
に第2回転軸空間16を形成する。さらに、第1押さえ部12の末端と基部11との間に第1切り欠き14を形成し、第2押さえ部15の末端と基部11との間に第2切り欠き17を形成
する。第1切り欠き14と第2切り欠き17は基部11のそれぞれ異なる側面に位置する。
【0012】
回転軸組2は、第1回転軸21と第2回転軸22と第1固定具23と第2固定具24と第3固定具25と固定ロッド26とを含む。第1回転軸21の両側に、第1軸部211と第1案内部212とを形成
する。第1案内部212の表面にらせん状の押さえ溝213を凹設
し、かつ第1軸部211を軸ブッシング1の第1回転軸空間13に枢
着せしめる。第1案内部212は軸ブッシング1の一側から突き出
す。第2回転軸22の両側に第2軸部221と第2案内部222とを形成する。第2案内部222の表面にらせん状の制限溝223を凹設し、制限溝223の両側に第1側壁224と第2側壁225とを形成
する。押さえ溝213と制限溝223を対向するように設置
し、かつ第2軸部221を軸ブッシング1の第2回転軸空間16に枢
着せしめる。第2案内部222を
、第1案内部212と同じように、軸ブッシング1
の一側から突き出す。さらに、第1固定具23と、第2固定具24を軸ブッシン
グ1の両側に設けていて、かつ第1固定具23と第2固定具24
の両端には、それぞれ第1取付穴(231、241)と第2取付穴(232、242)を設け、第1取付穴(231、241)
と第2取付穴(232、242)を、それぞれ軸ブッシング1の第1回転軸空間13と第2回転軸空間16に対向するように設け、第1回転軸21の第1軸部211の両側は第1取付穴(231、241)に位置し、第2回転軸22の第2軸部221の両側は第2取付穴(232、242)に位置する。第3固定具25は、第2固定具24
に対して第1固定具23
とは反対側に設け、第3固定具25
の両端には、それぞれ第1取付穴251と第2取付穴252を設け、第1回転軸21の第1案内部212の末端と、第2回転軸22の第2案内部222の末端は、それぞれ第3固定具25の第1取付穴251と第2取付穴252に位置する。さらに
、固定ロッド26の両端を、それぞれ第2固定具24と第3固定具25の両端の間に接続する。
【0013】
摺動ブロック3を回転軸組2の第2案内部222と第1案内部212との間に設け、摺動ブロック3は本体31を有し、本体31は
その両側の表面を貫く案内穴311を設
け、回転軸組2の固定ロッド26は案内穴311に位置する。本体31
の上下両端の表面に、それぞれ第1制限溝32と第2制限溝33を凹設し、第1制限溝32の内部に第1突起部34を凸設し、第1突起部34は回転軸組2の押さえ溝213に位置し、第2制限溝33の内部に第2突起部35を凸設し、第2突起部35は回転軸組2の制限溝223に位置する。
【0014】
連桿組4は第1回転具41と第2回転具42と制限具43とを含む。第1回転具41
の表面の中央
位置に第1接続穴411を設け、第1接続穴411を回転軸組2の第1軸部211の末端に常時接続していて、かつ第1回転具41の表面には、第1接続穴411の一側に第1制限柱412を凸設
する。第2回転具42表面の中央
位置に第2接続穴421を設
け、第2接続穴421を回転軸組2の第2軸部221の末端に常時接続していて、かつ第2回転具42の表面には、第2接続穴421の一側に第2制限柱422を凸設する。制限具4
3の両端は、それぞれに第1取付穴431と第2取付穴432を設け、第1制限柱412と第2制限柱422は、それぞれ第1取付穴431と第2取付穴432に位置する。第1取付穴431は第2取付穴432の端部付近
位置に第1係止端4311を形成し、第2取付穴43
2から離れる
位置に第2係止端4312を形成する。かつ第1係止端4311と第2係止端4312との距離は第1制限柱412の外径より大きい。
【0015】
引き続き、
図1と
図6ないし
図9を参照する。使用者が上蓋92をベース91から離れる方向に捲るとき、第1回転軸21に
回転力を加えることによって
、第2回転軸22
を中心に、軸ブッシング1を回転させる力が引き起こされる。
すなわち、図7に示すように、第2突起部35が第2側壁225に係止されているときに、第2突起部35
は第1側壁224と
の間で制限空間227を形成
し、
図6に示すように、外力によって第1回転軸21に
矢印のような回転力を加えると、第2突起部35が第2側壁225に係止されてい
るので、第1回転軸21の押さえ溝213は
、破線矢印で示す方向に、第1突起部34を押し込むことができな
い。第1回転軸21を
回転せしめようとする上記外力を依然として加え続けることにより、軸ブッシング1
及びこれに第1回転軸21と第2回転軸22を介して組み付けられている摺動ブロック3が第1回転軸21と一体になって、第2回転軸22
の軸回りに回転することになる。なぜなら、摺動ブロック3はその第2突起部35の右側(図7を参照のこと)に制限空間227が形成されているため、第2突起部35は右方へ移動することができるので、摺動ブロック3は第2回転軸22
の回りに回転することができる。回転に伴って第2突起部35は制限溝223に沿って
(図7で右方向に)移動すると同時に、第1側壁224に係止
して、第2回転軸22の回りの摺動ブロック3の回転は停止する。第2突起部35が第1側壁224に係止することによって、
図8に示すように、第2突起部35と第2側壁225との間の間隔に移動空間226が形成される。このとき、第2突起部35
の第1側壁224
への係止を受けて、
摺動ブロック3と軸ブッシング1は第2回転軸22の回りの回転を停止する。引き続き
、外力が第1回転軸21に
回転力を加えると、第1回転軸21の押さえ溝213によって、第1突起部34を
図8において左方に押し込み、
この方向に移動空間226が形成されているため、摺動ブロック3を第2側壁225の方向に移動させる
ことができると共に、第2側壁225に係止
せしめ、第2突起部35は
、図7に示すように第1側壁224と
の間に制限空間227
を形成
する。前述の操作を繰り返すことによって、第1回転軸21を
回転させると共に、軸ブッシング1と摺動ブロック3
を第2回転軸22の
回りに回転させる動きが交互
に働
く。第1回転軸21の
回転角度及び軸ブッシング1と摺動ブロック3
の第2回転軸22
の回りの回転角度を制限することによって、電子製品9両側の回転軸装置10における2つの第1回転軸21の
回転角度の誤差及び2つの軸ブッシング1が第2回転軸22
の回りの回転角度の誤差
が一定範囲に維持され、上蓋92両側とベース91との間の角度に過大な誤差を形成せず、しかも回転軸装置10はスムーズに回転され、過大な誤差による不要な摩耗を防ぐことができる。さらに、
図9に示すとおり、第1回転軸21が固定角度により
回転した後に、軸ブッシング1と摺動ブロック3が第2回転軸22の
回りに一定角度
で回転し両者が交互に作動し、上蓋92を捲らしてベース91と平行に
なったとき、軸ブッシング1も上蓋92及びベース91の表面と平行状態
になり、使用者は電子製品9を机の表面に張り付けて使用することができ、上蓋92またはベース91が机の表面に張り付けられないこと
のハプニングを発生
させない。さらに、上蓋92をベース91の底面位置に捲らしたとき、軸ブッシング1と上蓋92とベース91が垂直
状態になり、上蓋92とベース91の縁部が
一直線となり、側面の突き出しは見られない。
【0016】
引き続き、
図1と
図6ないし
図11を参照する。第1回転軸21が
回転するときに、第1回転具41
が連動して
回転することによって、第1制限柱412と第2制限柱422との間の距離が次第に大きくなり、第1回転軸21が第2回転軸22
の回りを回転することによって、第1制限柱412と第2制限柱422との間
の距離が次第に小さくなり、第2突起部35が第2側壁225に係止されているとき、
図7に示すように、第2突起部35が第1側壁224と
の間に制限空間227を形成し、連桿組4の第1制限柱412が第1係止端4311に係止される。外力から第1回転軸21に加え
られる
回転力は、第2突起部35が第2側壁225に係止されているため、第1回転軸21の押さえ溝213が第1突起部34を押し込むことはできなく、第1制限柱412が第1係止端4311によって係止され、第2制限柱422に近寄せることはできず、第1回転軸21は回転できなくなり、第1回転軸21によって、軸ブッシング1と摺動ブロック3を第2回転軸22
の軸回りに
回転させて、第2突起部35を第1側壁224に近寄せる。さらに、第1回転軸21が第1回転具41
と連動し
て第2回転軸22
の軸回りに回転し、第1制限柱412と第2制限柱422との間の距離を増大させ、第1制限柱412を第2係止端4312に移動
せしめると同時に、第2係止端4312に係止される。一方、第2突起部35が第1側壁224
と係止
されると同時に、第1制限柱412も第2係止端4312に係止され、第1回転軸21
が引き続き摺動ブロック3と軸ブッシング1を
一緒に第2回転軸22
の回りに回転させることはできない。よって、外力から第1回転軸21に加え
られる
回転力によって、第1回転軸21を
回転させ、第1回転軸21の押さえ溝213が第1突起部34を押し込み、摺動ブロック3を第2側壁225の方向に移動
せしめて第2側壁225に係止さ
せると、第2突起部35は第1側壁224
との間に制限空間227を形成し、第1回転軸21が第1回転具41を連動して
回転
せしめることによって、第1制限柱412と第2制限柱422との間の距離を次第に増大させて、第1制限柱412を第1係止端4311に係止
せしめる。前述
の動作を繰り返すことによって、第1回転軸21を
回転させ
たり、軸ブッシング1と摺動ブロック3
を第2回転軸22の軸
回りに回転
せしめる動作が、交互に作動される。本発明は連桿組4を設けることによって、仮に押さえ溝213または制限溝223の摩損によって誤差が発生していても、連桿組4はなお第1回転軸21の
回転角度及び軸ブッシング1と摺動ブロック3
の第2回転軸22
の軸回りの回転角度を
正確に制限することができ、電子製品9
の両側の回転軸装置10において、2つの第1回転軸21の枢転角度の誤差及び2つの軸ブッシング1が第2回転軸22
の回りの回転角度の誤差を一定範囲に維持し、上蓋92
の両側とベース91との間
の過大な角度誤差を防
ぐことができる。