特許第6228156号(P6228156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228156
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】フリップ式電子製品の2回転軸装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   F16C11/04 V
   F16C11/04 F
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-81544(P2015-81544)
(22)【出願日】2015年4月13日
(65)【公開番号】特開2016-200234(P2016-200234A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2015年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】511260665
【氏名又は名称】元鐙金屬股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】洪進興
【審査官】 西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−158216(JP,A)
【文献】 米国特許第8966715(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0040353(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸ブッシング(1)と回転軸組(2)と摺動ブロック(3)とを含み、固定したベース(91)と前記ベース(91)に対して外力で捲り上げられる上蓋(92)とを備えたフリップ式電子製品(9)の2回転軸装置であって、
前記回転軸組(2)は、前記電子製品の前記上蓋(92)に取り付けられる第1回転軸(21)と前記電子製品の前記ベース(91)に取り付けられる第2回転軸(22)とを含み、前記第1回転軸(21)の両側に第1軸部(211)と第1案内部(212)とを形成し、前記第1案内部(212)の表面にらせん状の押さえ溝(213)を凹設し、かつ前記第1軸部(211)を前記軸ブッシング(1)に枢着し、前記第1案内部(212)を前記軸ブッシング(1)の一側より突出せしめると共に、前記第2回転軸(22)の両側に第2軸部(221)と第2案内部(222)を形成し、前記第2案内部(222)の表面にらせん状の制限溝(223)を凹設し、前記制限溝(223)の両側に第1側壁(224)と第2側壁(225)を形成し、かつ前記第2軸部(221)を前記軸ブッシング(1)に枢着し、前記第2案内部(222)を前記軸ブッシング(1)の前記第1案内部(212)と同じ側面より突出せしめ、
前記摺動ブロック(3)は、前記回転軸組(2)の前記第1案内部(212)と前記第2案内部(222)との間に位置し、前記摺動ブロック(3)は本体(31)を有し、前記本体(31)の上下両端の表面にそれぞれ第1突起部(34)と第2突起部(35)を凸設し、前記第1突起部(34)は前記回転軸組(2)の前記押さえ溝(213)に位置し、前記第2突起部(35)は前記回転軸組(2)の前記制限溝(223)に位置していて、かつ前記第1側壁(224)と前記第2側壁(225)間の幅が前記第2突起部(35)の幅より大きく、前記第2突起部(35)が前記第1側壁(224)に係止したとき、前記第2突起部(35)と前記第2側壁(225)との間に移動空間(226)が形成されると共に、前記第2突起部(35)が前記第2側壁(225)に係止したとき、前記第2突起部(35)と前記第1側壁(224)との間に制限空間(227)が形成され、
外力によって前記第1回転軸(21)に回転力を加えると、前記第1回転軸(21)が回転して、前記押さえ溝(213)によって前記第1突起部(34)を押し込み、前記第2突起部(35)が前記第2側壁(225)に係止するまで、前記摺動ブロック(3)を前記第2側壁(225)の方向に移動させ、
前記第2突起部(35)が前記第2側壁(225)に係止して、前記第1回転軸(21)がその軸回りに回転することが出来ない状態で、前記第1回転軸(21)に更に回転力を加えると、前記第1回転軸(21)は前記摺動ブロック(3)及び前記軸ブッシング(1)と一体になって前記第2回転軸(22)の軸回りに回転し、この前記摺動ブロック(3)の前記第2回転軸(22)の軸回りの回転に伴って、前記第2突起部(35)が前記第1側壁(224)に係止するまで前記摺動ブロック(3)を前記第1側壁(224)の方向に移動させるように構成したことを特徴とする、フリップ式電子製品の2回転軸装置。
【請求項2】
前記回転軸組(2)は、第1固定具(23)と第2固定具(24)と第3固定具(25)と固定ロッド(26)とをさらに含み、前記第1固定具(23)と前記第2固定具(24)を前記軸ブッシング(1)の両側に設け、前記第3固定具(25)を前記第2固定具(24)に対して前記第1固定具(23)とは反対側に設け、前記固定ロッド(26)の両端をそれぞれ前記第2固定具(24)と前記第3固定具(25)の両端との間に接続し、前記摺動ブロック(3)の前記本体(31)に前記本体(31)の両側の表面を貫く案内穴(311)を設け、前記固定ロッド(26)は前記案内穴(311)に位置することを特徴とする、請求項1記載のフリップ式電子製品の2回転軸装置。
【請求項3】
軸ブッシング(1)と回転軸組(2)と摺動ブロック(3)と連桿組(4)を含み、固定したベース(91)と前記ベース(91)に対して外力で捲り上げられる上蓋(92)を備えたフリップ式電子製品(9)の2回転軸装置であって、
前記回転軸組(2)は、前記電子製品の前記上蓋(92)に取り付けられる第1回転軸(21)と前記電子製品の前記ベース(91)に取り付けられる第2回転軸(22)とを含み、前記第1回転軸(21)の両側に第1軸部(211)と第1案内部(212)とを形成し、前記第1案内部(212)の表面にらせん状の押さえ溝(213)を凹設し、かつ前記第1軸部(211)を前記軸ブッシング(1)に枢着し、前記第1案内部(212)を前記軸ブッシング(1)の一側より突出せしめると共に、前記第2回転軸(22)の両側に第2軸部(221)と第2案内部(222)を形成し、前記第2案内部(222)の表面にらせん状の制限溝(223)を凹設し、前記制限溝(223)の両側に第1側壁(224)と第2側壁(225)を形成し、かつ前記第2軸部(221)を前記軸ブッシング(1)に枢着し、前記第2案内部(222)を前記軸ブッシング(1)の前記第1案内部(212)と同じ側面より突出せしめ、
前記摺動ブロック(3)は、前記回転軸組(2)の前記第1案内部(212)と前記第2案内部(222)との間に位置し、前記摺動ブロック(3)は本体(31)を有し、前記本体(31)の上下両端の表面にそれぞれ第1突起部(34)と第2突起部(35)を凸設し、前記第1突起部(34)は前記回転軸組(2)の前記押さえ溝(213)に位置し、前記第2突起部(35)は前記回転軸組(2)の前記制限溝(223)に位置していて、かつ前記第1側壁(224)と前記第2側壁(225)間の幅が前記第2突起部(35)の幅より大きく、
前記連桿組(4)は、第1回転具(41)と第2回転具(42)と制限具(43)を含み、前記第1回転具(41)の表面の中央位置に第1接続穴(411)を設け、前記第1接続穴(411)を前記回転軸組(2)の前記第1軸部(211)の末端に常時接続し、かつ前記第1回転具(41)の表面には前記第1接続穴(411)の一側に第1制限柱(412)を凸設し、前記第2回転具(42)の表面の中央位置に第2接続穴(421)を設け、前記第2接続穴(421)を前記回転軸組(2)の前記第2軸部(221)の末端に常時接続していて、かつ前記第2回転具(42)の表面には前記第2接続穴(421)の一側に第2制限柱(422)を凸設し、前記制限具(43)の両端はそれぞれに第1取付穴(431)と第2取付穴(432)を設け、第1制限柱(412)と前記第2制限柱(422)は、それぞれ前記第1取付穴(431)と前記第2取付穴(432)に位置し、前記第1取付穴(431)は前記第2取付穴(432)の端部付近の位置に第1係止端(4311)を形成し、前記第2取付穴(432)から離れる位置に第2係止端(4312)を形成し、かつ前記第1係止端(4311)と前記第2係止端(4312)との距離が前記第1制限柱(412)の外径より大きく、
前記第2突起部(35)が前記第1側壁(224)に係止したとき、前記第2突起部(35)と前記第2側壁(225)との間に移動空間(226)を形成し、前記連桿組(4)の前記第1制限柱(412)が第2係止端(4312)に係止し、外力によって前記第1回転軸(21)に回転力を加えたとき、前記第1回転軸(21)が回転して、前記第1案内部(212)の前記押さえ溝(213)によって前記第1突起部(34)を押し込み、前記第2突起部(35)が前記第2側壁(225)に係止するまで、前記摺動ブロック(3)を前記第2側壁(225)の方向に移動させると同時に、前記第1回転軸(21)が前記第1回転具(41)を連動して回転させ、前記第1制限柱(412)と前記第2制限柱(422)との間の距離を小さくして、前記第1制限柱(412)を前記第1係止端(4311)に移動させ、前記第2突起部(35)が前記第2側壁(225)に係止し、前記第2突起部(35)が前記第1側壁(224)との間に制限空間(227)を形成して、前記連桿組(4)の前記第1制限柱(412)を前記第1係止端(4311)に係止し、
前記第2突起部(35)が前記第2側壁(225)に係止して、前記第1回転軸(21)がその軸回りに回転することが出来ない状態で、前記第1回転軸(21)に更に回転力を加えると、前記第1回転軸(21)は前記摺動ブロック(3)及び前記軸ブッシング(1)と一体になって前記第2回転軸(22)の軸回りに回転し、この前記摺動ブロック(3)の前記第2回転軸(22)の軸回りの回転に伴って、前記第2突起部(35)が前記第1側壁(224)に係止するまで移動すると共に、前記第2突起部(35)と前記第2側壁(225)との間に移動空間(226)を形成し、
前記第1回転軸(21)が前記第1回転具(41)を連動して、前記第2回転軸(22)の回りに回転せしめ、前記第1制限柱(412)と前記第2制限柱(422)との間の距離を増大させて、前記第1制限柱(412)を前記第2係止端(4312)に移動させることを特徴とする、フリップ式電子製品の2回転軸装置。
【請求項4】
前記回転軸組(2)は、第1固定具(23)と第2固定具(24)と第3固定具(25)と固定ロッド(26)とをさらに含み、前記第1固定具(23)と前記第2固定具(24)を前記軸ブッシング(1)の両側に設け、前記第3固定具(25)を前記第2固定具(24)に対して前記第1固定具(23)とは反対側に設け、前記固定ロッド(26)の両端をそれぞれ前記第2固定具(24)と前記第3固定具(25)の両端との間に接続し、前記摺動ブロック(3)の前記本体(31)に前記本体(31)の両側の表面を貫く案内穴(311)を設け、前記固定ロッド(26)は前記案内穴(311)に位置することを特徴とする、請求項3記載のフリップ式電子製品の2回転軸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にフリップ式電子製品のベースと上蓋との間に回転軸装置を設けることによって、電子製品の上蓋をベースに対して捲り上げる回転軸構造のフリップ式電子製品の2回転軸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のノートパソコン、スマートフォンなどのフリップ式電子製品は、ベースと上蓋の組み合せで構成されている。そのうち、一部のフリップ式電子製品の上蓋をベースの底面に捲り上げることができ、フリップ式電子製品をタブレットPCとして使用するか、または2枚のタッチスクリーンによって組み合わせた折り畳み式タブレットPCを180度に開いて利用することも出来る。一般に、タブレットPCに使用されるフリップ式電子製品は、2軸の回転軸装置によってフリップ操作を達成する。この種の回転軸装置は軸ブッシングによって、第1回転軸と第2回転軸を枢し、電子製品の上蓋とベースそれぞれ第1回転軸と第2回転軸につないで、上蓋をベースの底面に捲るか又は上蓋をベースの底面からベース表面にかぶせることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
公知技術による回転軸装置の第1回転軸と軸ブッシングの回転に関する回転方式は、スクリュー式と連桿式の2種類に分けられる。そのうち、スクリュー式の回転軸装置は、主に第1回転軸と第2回転軸にらせん状の案内溝を設けると共に、第1回転軸と第2回転軸との間に滑り駒を設けることによって、滑り駒両端の突起部をそれぞれ案内溝に納める。一方、連桿式の回転軸装置は、主に連桿を第1回転軸と第2回転軸の側面に枢する。しかし、スクリュー式回転軸装置または連桿式回転軸装置であっても、設計者はいずれの設計も極めて重要な問題を見落としている。つまり、回転軸装置は電子製品の上蓋とベースとの間の両側に設けられ、2つの回転軸装置には連動機構を設けていない。上蓋の剛性も不足しているため、使用者が上蓋を捲り上げるときは、2つの回転軸装置が受ける力の釣り合いがとれない。そのためにスクリュー式回転軸装置では、2つの回転軸装置が受ける力の不均衡によって回転角度が異なり、上蓋の両側とベースとの間に形成される角度の違いも大きく、使用者に簡単に気付かれる。さらに、第1回転軸と、第2回転軸と、滑り駒が同時に作動するため、もし2回転軸装置の回転角度が異なると、スムーズに捲り上げることはできなくなり、回転軸装置の摩耗が大きくなり、使用寿命が短縮される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主な目的は、らせん案内方式を利用し、回転軸装置の第1回転軸の軸回りの回転と、軸ブッシングが第2回転軸の軸回りの回転と、が交互に作用して回動することによって、第1回転軸の転角度及び軸ブッシングが第2回転軸の軸回りの回動角度を制限して、回転軸装置を順調に稼働させ、過度な磨耗によ寿命の短縮を避けると共に、電子製品両側の回転軸装置において、2つの回転軸に過大な転角度差と、2つの軸ブッシングが第2回転軸の軸回りの回動角度差を防ぎ、一定範囲に維持し、電子製品上蓋の両側とベースとの間に過大な角度差を引き起こさず、電子製品の上蓋とベースを展開して使用するときに、上蓋とベースの表面が平行になり、上蓋ベース底面に捲られたとき、上蓋とベースの側面が突き出すことなく一になる。
【0005】
本発明の次の目的は、連稈組を利用することによって、第1回転軸の転角度と、軸ブッシングが第2回転軸の軸回りの回動角度をさらに制限して、回転軸装置の精度を向上させると共に、電子製品の上蓋の両側とベースとの間の過大な角度差を防止する。
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のフリップ式電子製品の2回転軸装置は、軸ブッシングと、回転軸組と、摺動ブロックと、を備える。回転軸組は、第1回転軸と第2回転軸とを含む、かつ、第1回転軸と第2回転軸の一側それぞれらせん状の押さえ溝と、らせん状制限溝を設けていて、かつ制限溝の両側に第1側壁と第2側壁とを形成し、摺動ブロックを第1回転軸と第2回転軸との間に取付け、摺動ブロックの両端に第1突起部と第2突起部を設け、第1突起部と第2突起部をそれぞれ摺動ブロックと制限溝の内部に位置し、制限溝の第1側壁と第2側壁の幅が第2突起部の幅より広く、第2突起部を第1側壁に係止したとき、第2突起部と第2側壁との間の間隔に移動空間が形成され、外力を加えて第1回転軸に枢転力を与えたとき、第1回転軸が枢転し、第1案内部が第1突起部を押し込むことによって、摺動ブロックを第2側壁方向に移動させ、第2突起部を第2側壁に係止したとき、第2突起部が第1側壁との間に制限空間を形成し、外力を加えて、第1回転軸に転力を与えたときに、第1回転軸はその軸の回りに動くことができないため、第1回転軸に更に回転力を加えると、第1回転軸は摺動ブロック及び軸ブッシングと一体になって、第2回転軸の軸回りに回転し、第2突起部を第1側壁に近寄せる。
【0007】
前述フリップ式電子製品の2回転軸装置の回転軸組の一側に連稈組を設けられ、連稈組は、第1回転具と第2回転具と制限具を含む。第1回転具が常時に回転軸組の第1軸部の末端に接続していて、かつ第1回転具の表面は第1接続穴の一側に第1制限柱を凸設し、第2回転具が常時に回転軸組の第2軸部の末端に接続していて、かつ第2回転具の表面は第2接続穴の一側第2制限柱を設け、制限柱表面の両端にそれぞれ第1制限穴と、第2制限穴を設け、第1制限柱と第2制限柱がそれぞれ第1制限穴と第2制限穴の内部に位置し、第1制限穴が第2制限穴の近端に第1係止端を形成し、第2制限穴の遠端に第2係止端を形成していて、かつ第1係止端と第2係止端の距離が第1制限柱の外径より大きい。第2突起部を第1側壁に係止したとき、連稈組の第1制限柱が第2係止端に係止されるため、外力を第1回転軸に枢転動力を加えると、第1回転軸が枢転して、第1回転具を回転させ、第1制限柱と第2制限柱との間の距離を縮小して、第1制限柱を第1係止端に向かって移動する。第2突起部を第2側壁に係止したとき、連稈組の第1制限柱が第1係止端に係止され、外力を第1回転軸に枢転動力を加えると、第1回転軸は摺動ブロック及び軸ブッシングと一体になって、第2回転軸の軸回りに回転し、第1制限柱と第2制限柱との間の距離を増大させ、第1制限柱を第2係止端に向かって移動される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の回転軸装置の上面図である。
図2】本発明の回転軸装置の立体外観図である。
図3】本発明の回転軸装置の側視図である。
図4】本発明の回転軸装置の立体分解図である。
図5】本発明の摺動ブロックの立体断面図である。
図6】本発明の回転軸装置の動作を示す図である。
図7】本発明の回転軸組と摺動ブロックの作動を示す図である(その1)。
図8】本発明の回転軸組と摺動ブロックの作動を示す図である(その2)。
図9】本発明を適用された電子製品の回転動作を示す図である。
図10】本発明の回転軸組と連桿の作動を示す図である(その1)。
図11】本発明の回転軸組と連桿の作動を示す図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
図1ないし5を参照する。本発明は電子製品9のベース91と上蓋92との間の両側にそれぞれ回転軸装置10、10'を設け、回転軸装置10は軸ブッシング1と、回転軸組2と、摺動ブロック3と、連桿組4とを含む。そのうち、
【0011】
軸ブッシング1は基部11を有し、基部11上方の一側は他側に屈折して第1押さえ部12を延在せしめ、第1押さえ部12と基部11との間に第1回転軸空間13を形成し、基部11下方の一側他側に屈折して第2押さえ部15を延在せしめ、第2押さえ部15と基部11との間第2回転軸空間16を形成する。さらに、第1押さえ部12の末端と基部11との間に第1切り欠き14を形成し、第2押さえ部15の末端と基部11との間に第2切り欠き17を形成する。第1切り欠き14と第2切り欠き17は基部11のそれぞれ異なる側面に位置する。
【0012】
回転軸組2は、第1回転軸21と第2回転軸22と第1固定具23と第2固定具24と第3固定具25と固定ロッド26とを含む。第1回転軸21の両側に、第1軸部211と第1案内部212とを形成する。第1案内部212の表面にらせん状の押さえ溝213を凹設し、かつ第1軸部211を軸ブッシング1の第1回転軸空間13に枢せしめる。第1案内部212は軸ブッシング1の一側から突き出す。第2回転軸22の両側に第2軸部221と第2案内部222とを形成する。第2案内部222の表面にらせん状の制限溝223を凹設し、制限溝223の両側に第1側壁224と第2側壁225とを形成する。押さえ溝213と制限溝223を対向するように設置し、かつ第2軸部221を軸ブッシング1の第2回転軸空間16に枢せしめる。第2案内部222を、第1案内部212と同じように、軸ブッシング1の一側から突き出す。さらに、第1固定具23と、第2固定具24を軸ブッシング1の両側に設けていて、かつ第1固定具23と第2固定具24の両端には、それぞれ第1取付穴(231、241)と第2取付穴(232、242)を設け、第1取付穴(231、241)と第2取付穴(232、242)を、それぞれ軸ブッシング1の第1回転軸空間13と第2回転軸空間16に対向するように設け、第1回転軸21の第1軸部211の両側は第1取付穴(231、241)に位置し、第2回転軸22の第2軸部221の両側は第2取付穴(232、242)に位置する。第3固定具25は、第2固定具24に対して第1固定具23とは反対側に設け、第3固定具25の両端には、それぞれ第1取付穴251と第2取付穴252を設け、第1回転軸21の第1案内部212の末端と、第2回転軸22の第2案内部222の末端は、それぞれ第3固定具25の第1取付穴251と第2取付穴252に位置する。さらに、固定ロッド26の両端を、それぞれ第2固定具24と第3固定具25の両端の間に接続する。
【0013】
摺動ブロック3を回転軸組2の第2案内部222と第1案内部212との間に設け、摺動ブロック3は本体31を有し、本体31はその両側の表面を貫く案内穴311を設け、回転軸組2の固定ロッド26は案内穴311に位置する。本体31上下両端の表面に、それぞれ第1制限溝32と第2制限溝33を凹設し、第1制限溝32の内部に第1突起部34を凸設し、第1突起部34は回転軸組2の押さえ溝213に位置し、第2制限溝33の内部に第2突起部35を凸設し、第2突起部35は回転軸組2の制限溝223に位置する。
【0014】
連桿組4は第1回転具41と第2回転具42と制限具43とを含む。第1回転具41表面の中央位置に第1接続穴411を設け、第1接続穴411を回転軸組2の第1軸部211の末端に常時接続していて、かつ第1回転具41の表面には、第1接続穴411の一側に第1制限柱412を凸設する。第2回転具42表面の中央位置に第2接続穴421を設け、第2接続穴421を回転軸組2の第2軸部221の末端に常時接続していて、かつ第2回転具42の表面には、第2接続穴421の一側に第2制限柱422を凸設する。制限具43の両端は、それぞれに第1取付穴431と第2取付穴432を設け、第1制限柱412と第2制限柱422は、それぞれ第1取付穴431と第2取付穴432に位置する。第1取付穴431は第2取付穴432の端部付近位置に第1係止端4311を形成し、第2取付穴432から離れる位置に第2係止端4312を形成する。かつ第1係止端4311と第2係止端4312との距離は第1制限柱412の外径より大きい。
【0015】
引き続き、図1図6ないし図9を参照する。使用者が上蓋92をベース91から離れる方向に捲るとき、第1回転軸21に回転力を加えることによって、第2回転軸22を中心に、軸ブッシング1を回転させる力が引き起こされる。すなわち、図7に示すように、第2突起部35が第2側壁225に係止されているときに、第2突起部35第1側壁224との間で制限空間227を形成図6に示すように、外力によって第1回転軸21に矢印のような回転力を加えると、第2突起部35が第2側壁225に係止されているので、第1回転軸21の押さえ溝213は、破線矢印で示す方向に、第1突起部34を押し込むことができない。第1回転軸21を回転せしめようとする上記外力を依然として加え続けることにより、軸ブッシング1及びこれに第1回転軸21と第2回転軸22を介して組み付けられている摺動ブロック3が第1回転軸21と一体になって、第2回転軸22の軸回りに回転することになる。なぜなら、摺動ブロック3はその第2突起部35の右側(図7を参照のこと)に制限空間227が形成されているため、第2突起部35は右方へ移動することができるので、摺動ブロック3は第2回転軸22の回りに回転することができる。回転に伴って第2突起部35は制限溝223に沿って図7で右方向に)移動すると同時に、第1側壁224に係止して、第2回転軸22の回りの摺動ブロック3の回転は停止する。第2突起部35が第1側壁224に係止することによって、図8に示すように、第2突起部35と第2側壁225との間の間隔に移動空間226が形成される。このとき、第2突起部35第1側壁224の係止を受けて、摺動ブロック3と軸ブッシング1は第2回転軸22の回りの回転を停止する。引き続き外力が第1回転軸21に回転力を加えると、第1回転軸21の押さえ溝213によって、第1突起部34を図8において左方に押し込み、この方向に移動空間226が形成されているため、摺動ブロック3を第2側壁225の方向に移動させることができると共に、第2側壁225に係止せしめ、第2突起部35は図7に示すように第1側壁224との間に制限空間227形成る。前述の操作を繰り返すことによって、第1回転軸21を転させると共に、軸ブッシング1と摺動ブロック3第2回転軸22の回りに回転させる動きが交互く。第1回転軸21の転角度及び軸ブッシング1と摺動ブロック3第2回転軸22の回りの回転角度を制限することによって、電子製品9両側の回転軸装置10における2つの第1回転軸21の転角度の誤差及び2つの軸ブッシング1が第2回転軸22の回りの回転角度の誤差一定範囲に維持され、上蓋92両側とベース91との間の角度に過大な誤差を形成せず、しかも回転軸装置10はスムーズに回転され、過大な誤差による不要な摩耗を防ぐことができる。さらに、図9に示すとおり、第1回転軸21が固定角度により転した後に、軸ブッシング1と摺動ブロック3が第2回転軸22の回りに一定角度で回転し両者が交互に作動し、上蓋92を捲らしてベース91と平行になったとき、軸ブッシング1も上蓋92及びベース91の表面と平行状態になり、使用者は電子製品9を机の表面に張り付けて使用することができ、上蓋92またはベース91が机の表面に張り付けられないことハプニングを発生させない。さらに、上蓋92をベース91の底面位置に捲らしたとき、軸ブッシング1と上蓋92とベース91が垂直状態になり、上蓋92とベース91の縁部が一直線となり、側面の突き出しは見られない。
【0016】
引き続き、図1図6ないし図11を参照する。第1回転軸21が転するときに、第1回転具41連動して転することによって、第1制限柱412と第2制限柱422との間の距離が次第に大きくなり、第1回転軸21が第2回転軸22の回りを回転することによって、第1制限柱412と第2制限柱422との間距離が次第に小さくなり、第2突起部35が第2側壁225に係止されているとき、図7に示すように、第2突起部35が第1側壁224との間に制限空間227を形成し、連桿組4の第1制限柱412が第1係止端4311に係止される。外力から第1回転軸21に加えられ回転力は、第2突起部35が第2側壁225に係止されているため、第1回転軸21の押さえ溝213が第1突起部34を押し込むことはできなく、第1制限柱412が第1係止端4311によって係止され、第2制限柱422に近寄せることはできず、第1回転軸21は回転できなくなり、第1回転軸21によって、軸ブッシング1と摺動ブロック3を第2回転軸22の軸回り回転させて、第2突起部35を第1側壁224に近寄せる。さらに、第1回転軸21が第1回転具41連動し第2回転軸22の軸回りに回転し、第1制限柱412と第2制限柱422との間の距離を増大させ、第1制限柱412を第2係止端4312に移動せしめると同時に、第2係止端4312に係止される。一方、第2突起部35が第1側壁224係止されると同時に、第1制限柱412も第2係止端4312に係止され、第1回転軸21引き続き摺動ブロック3と軸ブッシング1を一緒に第2回転軸22の回りに回転させることはできない。よって、外力から第1回転軸21に加えられ回転力によって、第1回転軸21を転させ、第1回転軸21の押さえ溝213が第1突起部34を押し込み、摺動ブロック3を第2側壁225の方向に移動せしめて第2側壁225に係止さると、第2突起部35は第1側壁224との間に制限空間227を形成し、第1回転軸21が第1回転具41を連動してせしめることによって、第1制限柱412と第2制限柱422との間の距離を次第に増大させて、第1制限柱412を第1係止端4311に係止せしめる。前述動作を繰り返すことによって、第1回転軸21を転させたり、軸ブッシング1と摺動ブロック3第2回転軸22の軸回りに回転せしめる動作が、交互に作動される。本発明は連桿組4を設けることによって、仮に押さえ溝213または制限溝223の摩損によって誤差が発生していても、連桿組4はなお第1回転軸21の転角度及び軸ブッシング1と摺動ブロック3第2回転軸22の軸回りの回転角度を正確に制限することができ、電子製品9両側の回転軸装置10において、2つの第1回転軸21の枢転角度の誤差及び2つの軸ブッシング1が第2回転軸22の回りの回転角度の誤差を一定範囲に維持し、上蓋92両側とベース91との間過大な角度誤差を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0017】
10、10' 回転軸装置
1 軸ブッシング
11 基部
12 第1押さえ部
13 第1回転軸空間
14 第1切欠き部
15 第2押さえ部
16 第2回転軸空間
17 第2切欠き部
2 回転軸組
21 第1回転軸
211 第1軸部
212 第1案内部
213 押さえ溝
22 第2回転軸
221 第2軸部
222 第2案内部
223 制限溝
224 第1側壁
225 第2側壁
226 移動
227 制限空間
23 第1固定具
231、241、251 第1取付穴
232、242、252 第2取付穴
24 第2固定具
25 第3固定具
26 固定ロッド
3 摺動ブロック
31 本体
311 案内穴
32 第1制限溝
33 第2制限溝
34 第1突起部
35 第2突起部
4 連稈組
41 第1回転具
411 第1接続穴
412 第1制限柱
42 第2回転具
421 第2接続穴
422 第2制限柱
43 制限具
431 第1取付穴
4311 第1係止端
4312 第2係止端
432 第2取付穴
9 電子製品
91 ベース
92 上蓋
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図11