(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228162
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/20 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
H01H50/20 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-117940(P2015-117940)
(22)【出願日】2015年6月11日
(65)【公開番号】特開2016-15313(P2016-15313A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2015年6月11日
(31)【優先権主張番号】20-2014-0004906
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】リ ス チュン
【審査官】
太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−232986(JP,A)
【文献】
実開平03−126339(JP,U)
【文献】
特開2006−019148(JP,A)
【文献】
特表2003−513412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/20
H01H 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内側に結合されるシリンダと、
前記ハウジングに結合される固定接触子と、
前記ハウジングの内部に移動可能に配置され、前記固定接触子に接離する可動接触子と、
前記ハウジングの内部に設けられ、電流供給により磁場を形成するコイルアセンブリと、
上側が前記可動接触子と結合される可動シャフトと、
前記シリンダの内側に挿入され、前記可動シャフトを囲む固定コアと、
前記可動シャフトに固定され、前記コイルアセンブリに形成された磁場により前記可動シャフトを加圧して移動させる可動コアと、
前記可動接触子が前記固定接触子に接触する方向に移動するように前記可動シャフトを付勢するコンタクトスプリングと、
前記可動シャフトを囲み、前記固定コアと前記可動コアとの間に配置されるリターンスプリングと、を含み、
前記可動コアは、前記固定コアと前記可動コアとの間の初期磁力を向上させるために、前記可動コアの上部に形成されて前記固定コアの方向に延び、内周面が前記可動シャフトに接する円筒状の突起部を含み、
前記固定コアは、前記突起部を収容できる円筒状の収容部を含み、前記収容部の内周面に前記突起部の外周面が接し、
前記突起部は、端部に面取り部が形成され、
前記収容部は、前記リターンスプリングを収容し、
前記リターンスプリングは、上端が前記収容部の端部に当接し、下端が前記面取り部に当接し、前記収容部の端部と前記面取り部との間で弾性変形可能であることを特徴とするリレー。
【請求項2】
前記突起部の外径は、前記収容部の内径以下である、請求項1に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーは、コイルに電源が供給されると、コイルの磁力で可動コアが固定コアに接触してシャフトが上昇することにより可動接触子が固定接触子に接触して通電が行われるスイッチング部品である。
【0003】
一般に、このようなリレーにおいては、固定接触子と可動接触子の接触により通電が行われ、特に高電圧の直流電源を遮断するときに発生するアークを制御するために永久磁石を用いる。より具体的には、永久磁石をアークが発生する固定接触子と可動接触子の近傍に適切に配置し、永久磁石から発生する磁束の強度、方向及び電流方向、アークの伸長長さによって決まる力を利用してアークを制御し、冷却して消弧する遮断メカニズムを用いる。
【0004】
可動コアと固定コアの当接面は、製品特性に応じて様々な形態に設計されるが、大きく平面状(
図5)とコーン状(
図7)がある。例えば、
図5に示す平面状の可動コアは、固定コアに平坦に当接し、
図7に示すコーン状の可動コアは、一例として断面三角形状の可動コアであって、それを収容できる形態の固定コアに当接する。
【0005】
図5は従来技術による平面状の可動コアを備えたリレーの断面図であり、
図6は
図5の可動コアの斜視図である。
【0006】
図5を参照すると、リレー100aは、接点を有して移動可能な可動部140と、アーク消弧のための消弧ガス充填空間を密閉するガス密閉部と、可動部140の駆動のための駆動力を供給する磁気駆動部とを含む。ここで、可動部140は、シャフト141と、シャフト141の下部に接続されて磁気駆動部からの磁気吸引力によりシャフト141と共に直線移動可能なシリンダ状の可動コア145aと、シャフト141の上端部に接続されて電気的接点部を形成する可動接触子149とを含む。可動コア145aに対向する位置にはシャフト141を囲むように固定コア143aが設けられ、固定コア143a、可動コア145a及び第2バリア118などは磁束の移動経路を形成する。
【0007】
ガス密閉部は、リレー100aの消弧ガスを密閉して貯蔵する消弧ガス室を形成するように可動部140の上部周囲に設けられる。ガス密閉部は、管状の絶縁部材と、絶縁部材を貫通して絶縁部材の内外に延びるように設けられて絶縁部材に気密に結合される一対の固定接触子120と、絶縁部材と第2バリア118との間を気密に密閉するように段差が形成される管状の気密部材と、可動コア145a及び固定コア143aを囲んで密閉するように設けられる非磁性体で形成されるシリンダ160とを含む。ここで、一対の固定接触子120には、直流電源側と負荷側がそれぞれ電気的に(例えば、電線を介して)接続される。
【0008】
磁気駆動部は、磁気吸引力を発生して可動コア145aと可動接触子149を駆動することによりリレー100aを開閉駆動する。磁気駆動部は、励磁コイル133と、前述した第2バリア118とを含む。ここで、励磁コイル133は、リレー100aの下部に設けられる駆動コイルであって、リレー100aにおいて、磁気吸引力を発生して接点開閉のための可動部140に駆動力を供給する。励磁コイル133は、電流が供給されると励磁され、電流供給が遮断されると消磁される。第2バリア118は、励磁コイル133の上方に設けられ、励磁コイル133の励磁時に可動コア145a及び固定コア143aと共に磁束の移動経路の一部を形成する。また、下部ヨーク(図示せず)も、励磁コイル133の励磁時に第2バリア118、可動コア145a及び固定コア143aと共に磁束の移動経路を形成する。
【0009】
ボビン131は、その周囲に励磁コイル133を巻回して励磁コイル133を支持し、リターンスプリング183は、可動コア145aと固定コア143aとの間に設けられ、励磁コイル133が消磁されると可動コア145aが元の位置(すなわち、固定コア143aから離隔した位置)に復帰するように付勢する。
【0010】
図6を参照すると、可動コア145aは、内側に段が形成されてリターンスプリング183を安定して装着できる構造を有する。しかし、後述するように、組立性や耐久性などの問題があった。
【0011】
なお、
図7は従来技術によるコーン状の可動コアを備えたリレーの断面図である。
図7に示すコーン状の可動コア145bを備えたリレー100bは、本発明の理解を助けるためのものであり、その説明は省略する。
【0012】
以下、上記のように構成される従来技術によるリレーの動作について簡単に説明する。電流供給により励磁コイル133が磁化されると、励磁コイル133から発生する磁束は、可動コア145a、固定コア143a、第2バリア118及び下部ヨークにより形成される磁束の移動経路を移動して磁束の閉回路を形成する。このとき、可動コア145aが直線移動して固定コア143aに接触し、それと同時に、可動コア145aと共に直線移動するように接続されたシャフト141が上方に移動する。すると、シャフト141の上端部に設けられた可動接触子149が固定接触子120に接触し、それにより、直流電源側と負荷側が接続されて直流電力が供給されるオン状態となる。
【0013】
一方、電流供給の遮断により励磁コイル133が消磁されると、リターンスプリング183により可動コア145aが固定コア143aから離隔して元の位置に復帰し、それと同時に、可動コア145aと共に直線移動するように接続されたシャフト141が下方に移動する。すると、シャフト141の上端部に設けられた可動接触子149が固定接触子120から分離し、それにより、直流電源側と負荷側が分離して直流電力の供給が遮断されるオフ状態となる。
【0014】
コイルターミナルを介して電源が供給されると、コイルアセンブリから磁力が発生し、可動コア145aが固定コア143aの方向に移動してシャフト141を押し上げる。リレー100aの短絡性能は、リレー100aのオン時のリターンスプリング183及びコンタクトスプリング181の圧縮力により決定される。一般的にコンタクトスプリング181のほうがリターンスプリング183より荷重が非常に大きいので、リレー100aの短絡性能はコンタクトスプリング181の最大圧縮力に左右されるといえる。また、スプリングの圧縮力は、最大圧縮距離に比例し、固定コア143aと可動コア145aとの距離及び固定接触子120と可動接触子149との距離により決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このような従来技術によるリレーにおいて、平面状の可動コアと固定コアとを結合するためには、可動コアと固定コアとの間に強い磁力が要求される。強い磁力でなければ、可動コアはシャフトを移動させて固定接触子と可動接触子間を短絡させることができない。特に、可動コアが固定コアから離隔した状態でコイルに電流が供給される瞬間である初期に強い磁力が要求される。
【0016】
また、スプリングが可動コア、固定コア又はシャフトと干渉し、動作時にずれを引き起こすことがあった。さらに、可動コアは上端面と下端面のどちらも平面状に形成されるので、組立時に誤組立が発生することがあった。
【0017】
本発明は、リレーの可動コアに突起部を追加することにより、可動コアと固定コアとの間に強い初期磁力を供給して動作特性を向上させることを目的とする。また、リターンスプリングと相関部品との干渉を最小限に抑え、組立性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態によるリレーは、ハウジングと、前記ハウジングの内側に結合されるシリンダと、前記ハウジングに結合される固定接触子と、前記ハウジングの内部に移動可能に配置され、前記固定接触子に接離する可動接触子と、前記ハウジングの内部に設けられ、電流供給により磁場を形成するコイルアセンブリと、上側が前記可動接触子と結合される可動シャフトと、前記シリンダの内側に挿入され、前記可動シャフトを囲む固定コアと、前記可動シャフトに固定され、前記コイルアセンブリに形成された磁場により前記可動シャフトを加圧して移動させる可動コアと、前記可動接触子が前記固定接触子に接触する方向に移動するように前記可動シャフトを付勢するコンタクトスプリングと、前記可動シャフトを囲み、前記固定コアと前記可動コアとの間に配置されるリターンスプリングとを含み、前記可動コアは、前記固定コアと前記可動コアとの間の初期磁力を向上させるために、前記固定コアの方向に延びて前記可動シャフトを囲む円筒状の突起部を含むことを特徴とする。
【0019】
前記突起部は、端部に面取り部が形成されたものであってもよい。
【0020】
前記固定コアは、前記リターンスプリング及び前記突起部を収容できる収容部を含んでもよい。
【0021】
前記リターンスプリングは、上端が前記収容部の端部に当接し、下端が前記突起部に当接し、前記収容部の端部と前記突起部との間で弾性変形可能なものであってもよい。
【0022】
前記突起部の外径は、前記収容部の内径以下であってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態においては、リレーの可動コアに突起部を追加している。可動コアの突起部により、可動コアが固定コアから離隔した初期状態で可動コアと固定コアとの距離が短くなり、コイルへの電流供給により強い初期磁力が得られる。つまり、可動コアの突起部により初期動作特性が向上するという効果がある。
【0024】
また、可動コアの突起部がリターンスプリングを固定することにより、リターンスプリングと可動コア、固定コア及びシャフトなどの相関部品との干渉が低減され、組立性が向上するという効果がある。
【0025】
さらに、可動コアの突起部により、リターンスプリングと相関部品との不要な摩耗などが低減され、可動コアやリターンスプリングなどの耐久性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態によるリレーの断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるリレーの断面図である。
【
図4】可動コアと固定コアとの距離と磁力の強度の関係を示すグラフである。
【
図5】従来技術による平面状の可動コアを備えたリレーの断面図である。
【
図7】従来技術によるコーン状の可動コアを備えたリレーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態によるリレーについて詳細に説明する。ただし、従来技術によるリレーに類似した部分については、本発明の特徴の説明に必要な範囲内で簡単に説明する。
【0028】
図1及び
図2は本発明の一実施形態によるリレーの断面図であり、
図3は
図1の可動コアの斜視図である。
図1及び
図2を参照すると、ハウジング210の内部には可動シャフト241が移動可能に配置される。可動シャフト241の上側には可動接触子249が結合されており、可動シャフト241の下側には可動コア245が結合されている。可動コア245は、可動シャフト241に結合されて可動シャフト241と共に移動する。コイルアセンブリ230による磁力により可動コア245が固定コア243の方向に移動すると、可動シャフト241と可動接触子249も共に移動し、可動接触子249が固定接触子220に接触する。
【0029】
可動コア245はシリンダ260の内側に配置されるが、電流供給によりコイルアセンブリ230から発生する磁力は可動コア245に伝達される。可動コア245は、磁力を受けて可動シャフト241を加圧して移動させる。
【0030】
可動コア245は突起部246を含む。突起部246は、固定コア243に向かって突出した円筒状の部材であり、可動シャフト241を囲むように配置される。
【0031】
図3を参照すると、突起部246は、端部に面取り部が形成されたものであってもよい。可動コア245の突起部246の面取り部により、リターンスプリング283との組立性が向上し、干渉が低減される。突起部246の面取り部は、リターンスプリング283の付勢力を受ける部分であり、組立性などの向上のための構造であって、約45°の角度で形成されてもよいが、リターンスプリング283の弾性変形が容易な範囲内で様々に変更可能である。面取り部が形成されていない円筒状の突起部を備えた可動コアも他の実施形態として可能である。
【0032】
可動コア245は、磁力により移動可能にシリンダ260の内側に接し、可動シャフト241の外側に溶接などにより固定されるようにしてもよい。可動コア245の突起部246は、可動コア245と一体に製作される。
【0033】
固定コア243は、シリンダ260に固定され、長手方向に貫通する孔を備えた円筒状の部材からなり、後述するように可動シャフト241の移動をガイドする。
【0034】
固定コア243は収容部244を含んでもよい。収容部244は、リターンスプリング283が配置されると共に突起部246が収容される空間であって、突起部246の外径より大きく形成されてもよく、突起部246の外周面と収容部244が形成される固定コア243の内周面が接するように突起部246の外径と同一に形成されてもよい。収容部244の深さは、突起部246が収容部244の内側に十分に移動できるように、突起部246の長さより深く形成されてもよい。
【0035】
突起部246により、可動コア245は、励磁コイル233への電流供給時に固定コア243にさらに密着することができる。つまり、固定コア243と可動コア245との間に強い初期磁力が供給され、動作性能が向上する。ここで、初期磁力とは、前述したように、可動コア245が固定コア243から離隔した状態でコイルに電流が供給される瞬間の磁力を意味する。
【0036】
コンタクトスプリング281は、可動シャフト241の上側で可動接触子249に接して配置される。リターンスプリング283は、可動コア245と固定コア243との間に配置されてもよく、可動接触子249と可動シャフト241との間に配置されてもよい。
【0037】
コンタクトスプリング281は、可動接触子249が固定接触子220に接触するように可動シャフト241を付勢し、可動接触子249が固定接触子220に接触すると接点の接触圧力を保持する。コンタクトスプリング281は、可動接触子249と可動シャフト241との間で加圧されて弾性変形する。
【0038】
リターンスプリング283は、可動接触子249が固定接触子220から離隔するように可動コア245を付勢する。リターンスプリング283は、可動コア245と固定コア243との間で加圧されて弾性変形する。
【0039】
本発明の一実施形態によるリレー200は、リレー200の外観を形成するハウジング210を含み、ハウジング210は、第1ハウジング211と第2ハウジング212とから構成されてもよい。
【0040】
第1ハウジング211は、リレー200の上部外観を形成し、第1バリア217に結合されてもよく、固定接触子220と可動接触子249が接触する消弧領域と残りの領域に分けられる。第1ハウジング211は、絶縁のためにセラミック材質で形成されてもよい。第1ハウジング211には、一対の固定接触子220が第1ハウジング211の上面を貫通して気密に結合される。
【0041】
第2ハウジング212は、リレー200の下部外観を形成し、第2バリア218に結合されてもよい。第2ハウジング212及び第2バリア218内部のアクチュエータ領域にはシリンダ260が結合され、シリンダ260の周辺にはコイルアセンブリ230が設けられる。
【0042】
以下、
図1及び
図2を参照して本発明の一実施形態によるリレーの作用について詳細に説明する。
【0043】
まず、
図1を参照すると、コイルアセンブリ230に電流が供給されていない状態では、可動コア245にはリターンスプリング283の付勢力のみ作用する。従って、可動シャフト241は下方に移動した状態を維持し、それにより可動接触子249が固定接触子220から離隔する。
【0044】
一方、コイルアセンブリ230に電流が供給されてコイル233が磁化されると、コイル233から発生する磁束は、可動コア245、固定コア243、第2バリア218などにより形成される磁束の移動経路を移動して磁束の閉回路を形成し、可動コア245は上方への磁力を受ける。
【0045】
突起部246により、可動コア245は、移動する瞬間に強い初期磁力を受ける。つまり、高い動作特性により、可動コア245は、十分な磁力を受け、可動シャフト241と共に移動することができる。
【0046】
図2を参照すると、可動コア245が固定コア243側に移動し、突起部246が固定コア243の内部に収容されている。可動接触子249は固定接触子220に接触しており、コンタクトスプリング281は圧縮された状態である。
【0047】
コイルアセンブリ230に供給されていた電流が遮断されると、可動コア245はリターンスプリング283により可動シャフト241と共に下方に移動し、可動接触子249が固定接触子220から離隔したオフ状態となる。
【0048】
図4は可動コアと固定コアとの距離と磁力の強度の関係を示すグラフであり、横軸が可動コアと固定コアとの距離を示し、縦軸が磁力の強度を示す。前述したように、コイルアセンブリに電流が供給される瞬間の初期磁力の強度はリレーの動作性能に重要な影響を及ぼす。可動コアと固定コアとの距離が2.5mmの場合の磁力の強度を参照すると、突起部を備えた場合(修正モデル)は約2200g・fであるのに対し、突起部を備えていない場合(現行モデル)は約1800g・fであり、初期磁力の強度に大きな差があることが分かる。すなわち、本発明の一実施形態においては、突起部により向上した初期磁力が得られる。
【0049】
前述した実施形態は本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするためのものであり、本発明の権利がこれに限定されるものではない。本発明の権利は添付の特許請求の範囲により定められるべきである。
【符号の説明】
【0050】
200 リレー
210 ハウジング
220 固定接触子
230 コイルアセンブリ
241 可動シャフト
243 固定コア
244 収容部
245 可動コア
246 突起部
249 可動接触子
260 シリンダ
281 コンタクトスプリング
283 リターンスプリング