(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
選択された透明材料の膜で構成されるフォトニック結晶を含む光センサ素子を使用して標的分子を検出するための方法であって、より詳細には、前記膜は、選択されたパターンで複数個の画定された開口部を備え、前記パターンは、選択された波長または波長範囲で共振をもたらすように適合されており、前記方法は、
a)選択された個数の前記開口部内に、前記標的分子に高い親和性を有する捕捉分子を付与する工程、
b)標的分子を含有する第1の流体の流れを前記開口部を通して移動させる工程、
b1)前記センサ素子に前記選択された波長で光照射することにより共振を発生させ、標的分子の位置での共振体からの光の漏れが検出されるようにセンサ素子面外の位置から前記センサ素子の第1の画像を生成する工程、
c)前記捕捉分子とは異なるが、標的分子には高い親和性を有し前記第1の流れ中に存在し得る他の分子には低い親和性を有する第2の反応物を含有する第2の流体の流れを移動させる工程、
d)前記センサ素子に前記選択された波長で光照射することにより共振を発生させ、共振体からの光の漏れが検出されるようにセンサ素子面外の位置から前記センサ素子の第2の画像を生成する工程、ならびに
e)工程b1)および工程d)で生成された前記画像の比較を含む解析工程であり、ある位置で誘発されたシグナルの増強が工程b1)および工程d)の両方で得られた画像で検出された場合に、標的分子の検出を記録する、解析工程
を含む、方法。
選択されたパターンで複数個の画定された開口部を備えた選択された透明材料の膜で構成されるフォトニック結晶を含む光センサ素子を使用して標的分子を検出するためのシステムであって、選択された個数の前記開口部は、前記標的分子に高い親和性を有する捕捉分子を備え、前記パターンは、選択された波長または波長範囲で共振をもたらすように適合されており、前記システムはさらに、
- 標的分子を含有する第1の流体の流れを前記開口部を通して移動させるための、流体を導く手段であり、
- ここで前記流体を導く手段はさらに、前記第1の流体の流れを導いた後、前記捕捉分子とは異なるが、標的分子には高い親和性を有し前記第1の流れ中に存在し得る他の分子には低い親和性を有する第2の反応物を含有する第2の流体の流れを導くように適合されている、流体を導く手段、
- 前記センサ素子に前記選択された波長で光照射することにより共振を発生させるための光照射手段、および共振体からの光の漏れが検出されるようにセンサ素子面外の位置から前記センサ素子の画像を生成するための撮像手段であり、ここで光照射および撮像手段は、各流体の流れが適用された後にセンサ素子の画像を生成するように適合されている、光照射および撮像手段、ならびに
- 前記画像間の相違に基づき捕捉された分子、および捕捉された分子と反応した反応物が検出されるように、各流体の流れの後に生成される前記画像を解析するための解析手段であり、ある位置で誘発されたシグナルの増強が第1の流体の流れ後に生成される画像と第2の流体の流れ後に生成される画像との間で検出された場合に、標的分子を記録するように適合されている、解析手段
を含む、システム。
前記第2の流体の流れ中の前記反応物が、フォトニック結晶中で誘発されたシグナルを最大化するように適合された大きな分子で構成される、請求項4に記載のシステム。
【背景技術】
【0002】
ナノ粒子を検出して空間的に配置させることができる検出器がある。装置中の感知ユニットは、例えば、血液、唾液、尿、組織試料およびその他などのヒト試料中のタンパク質および核酸(RNA、DNA)、エキソソーム、ウイルス、ならびに他の生体粒子およびバイオマーカーなど、高分子を捕捉するために、潜在的に、化学的に官能化することができる。この装置はしたがって、インビボおよびインビトロの双方で利用されるバイオセンサとして使用できる。そのうえ、この装置は医学以外の他の試料タイプ、例えば水および食物などを分析するのに使用することもできる。このようなフォトニック結晶および測定原理はWO2010/108952に記述されている。
【0003】
主な目的がバイオマーカーの検出および同定(および可能ならば定量)である医療診断においては、バイオセンサの感度および特異性の双方が高度に重要である。バイオセンサの感度は、偽陰性を回避するセンサの能力として定義され、一方、特異性は、偽陽性を回避するセンサの能力である。この定義では、100%の感度のセンサは真陽性試料の全てを陽性として同定する。どれほど多くの陰性試料をセンサが陽性として同定(すなわち、偽陽性)してしまうのかは、感度の定義とは無関係である。極端な場合としては、試料の全てを陽性として同定するセンサは、いかなる偽陰性も生じない(すなわち、いかなる陽性試料も見落とさない)ため、100%の感度を有する。同様に、100%の特異性のセンサは真陰性試料の全てを陰性として同定する。やはり、どれほど多くの陽性試料をセンサが陰性として同定(偽陰性)してしまうのかは、特異性の定義とは無関係である。極端な場合としては、試料の全てを陰性として同定するセンサは、いかなる偽陽性も生じないため、100%の特異性を有する。
【0004】
対象となる典型的な試料中には数百万もの異なる生体粒子(例えば、タンパク質)があることがあり、そのごく一部のみがバイオセンサの標的となる。それらのほとんどは類似している。したがって、標的タンパク質と排他的に反応し、他とは反応しない捕捉分子の作製は可能ではない。非常に選択性の高い(すなわち、標的タンパク質との親和性が非常に高く、他のタンパク質および生体粒子との親和性が非常に低い)捕捉部位の場合ですら、非標的タンパク質がセンサに結合する可能性がいくらかある。したがって標的タンパク質の数と比較して非常に多数の非標的タンパク質を含有する試料の場合、いくらかの非標的粒子を捕捉してしまうことは避けられず、結果的に偽陽性を生じることになり、結果的にこの偽陽性がセンサの特異性を低下させる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に、WO2010/108952に記述されているフォトニック結晶単位に基づく、本発明の方法を実施するために使用するセンサ素子を示す。以下に示す本発明は、
図2に示される公知の解決法と比較して測定の特異性を増加させるために実施される。
【0011】
図2に、標的分子Aが、一部の望ましくない分子Bと共に捕捉される化学的方法を示す。光検出された画像中で、点線の円は捕捉された分子(真陽性)を印し、一方、残りの輝点は、捕獲された望ましくない分子(偽陽性)である。標的分子を捕捉する、表面の反応物(捕捉分子)をCとする。
【0012】
例示した方法は、以下の工程を含むものとして記述できる:
工程1 標的分子との親和性が高く、他の全ての分子との親和性が低い官能化した表面(分子C)により、標的分子Aをフォトニック結晶センサ中に化学的に捕捉する。
工程2 捕獲されたナノ粒子を含有するフォトニック結晶センサの画像を(例えば、CCDカメラによって)記録する。捕捉された粒子は、輝点によって画像中に表示される。
工程3 標的分子との親和性が高く、他の全ての分子との親和性が低い第2の捕捉分子Dを導入する。
工程4 フォトニック結晶センサの画像をもう1回記録する。ここで、分子Dが捕捉された感知部位は明るく目立つようになる。画像処理を行って標的分子(タイプA)を見つけ、計数する。
【0013】
記述した工程に加え、何回もの洗浄工程が必要である。
【0014】
図1を参照して、本方法はN
A個の分子Aから開始することができる。分子Aは、尤度P
CAで特異的捕捉分子Cに結合する。尤度P(すなわち、P
CA)はいくつかの方法で定義することができ、すなわち、1つの穴(画定されたいくつかの開口部)内で1回の捕捉がある尤度の合計として定義され、ここで、捕捉分子の個数を、N=1、2、3、...であるNとすることができる。さらに、他の全ての分子をBとラベルし、またタイプBの分子がCに結合する尤度P
CBも存在することが分かっている。タイプBの分子の個数をN
Bとする。上述のように、化学工程1を、結果として得られるセンサ素子の画像と共に
図2の左側に示す。
【0015】
P
CAをP
CBよりもはるかに大きくできるとの仮定は理にかなっている。しかし実際の試料中では、検出しようとする物質のほうが少ないことがある。N
A=10
2である一方で、N
Bが例えば10
6であることもあり得る。P
CA=90%およびP
CB=0.1%ならば、捕捉された非標的(B)の分子の個数はしたがって、捕捉された標的(A)分子の個数(10
2×0.9=90)よりもはるかに大きく(10
6×0.001=10
3)なり得る。
【0016】
ここで示した例において、捕捉された分子の総数は平均で
M
tot=P
CAN
A+P
CBN
B=M
A+M
B=90+1000
である。上述のセンサ装置ではこれら1090個の分子全てが、
図3に示すように、暗い背景上で輝点として出現する。
図3で、点線の円は標的タンパク質(A)を印す。他の輝点は、バイオセンサに捕捉されたタイプBの分子に相当する。この段階では、確率P
CAで捕捉されたタイプA標的分子と、確率P
CBで捕捉されたタイプB非標的分子とを区別することは可能ではない。このバイオセンサは多数の偽陽性を検出し、したがって低い特異性を呈する。
【0017】
センサの特異性向上は、2段階反応を示す
図4に例示するように実現することができる。第1の工程では、タイプA(青い分子)およびタイプB(オレンジ)の分子はいずれも捕捉分子(C)にP
CAおよびP
CBの確率で結合する。タイプB分子を捕捉分子に結合させる確率は、上述のように、分子Aを結合させる確率と比較して非常に低い。しかしタイプA分子よりも多くのタイプB分子があるので、結果的にタイプAの分子よりも多くのタイプB分子が捕捉されることとなる。
【0018】
この時点では、画像化したバイオセンサは
図3に示すように見え、タイプA(標的)分子とタイプB(非標的)分子とを区別することは可能ではない。
図3を参照して、AおよびB分子を識別するために第2の工程を導入する。これは、脚つきの黄色い球体で表された第4の分子Dを導入する新しい反応である。Dは、標的分子Aとの親和性が高く、かつ非標的分子Bとの親和性が低くなるように選択または合成する。DのAに対する捕捉確率をP
AD=90%、DのBに対する捕捉確率をP
BD=0.1%と仮定する。加えて、Dが、赤い表面上の捕捉分子Cと直接反応および結合できることに注意する。この反応の確率をP
CD=0.1%と仮定する。
【0019】
ここで、N
A=100個のタイプA(標的分子)の分子およびN
B=10
6個のタイプB(非標的分子)の分子から開始し、第2の工程で、N
D=10
6個のタイプD(標識)の分子を添加すると想定する。第1の反応工程で、90個のタイプAの分子および1000個のタイプBの分子が捕捉される。第2の反応工程で、平均で、C+A+Dの積重なりが81個、C+B+Dの積重なりが1個、およびC+Dの積重なりが1000個残ることになる。また、C+Aの積重なりも9個、およびC+Bの積重なりも999個あることになる。
【0020】
これら積重なりを、以下のように選別する:
まず最初に、サイズの異なる積重なりは、異なる光出力を誘発する。感知素子に捕らわれた物体から散乱されるパワーは、半径の6乗に比例する。したがって、C+A+Dの積重なりから散乱されるパワーを容易にC+Bの積重なりから選別できる。同様に、屈折率の変化により誘発されたシグナルは、捕らわれた物体のサイズに依存すると予想される。サイズが異なれば、異なる光出力を誘発する。次に、粒子を二次元内に配置させることができる。したがって、新たな輝点が反応1と2との間で出現するならば、それらが分子Aの捕捉事象を表すはずはないことが分かる。
図2の右側に基本となるアイデアを示す。
【0021】
したがって
図2は、特異性を上昇させることになる2つの化学および光検出工程を示す。点線の円は標的分子Aを印す。第1の化学反応の後、捕捉された粒子は、バイオセンサの画像に出現する輝点として検出することができる。問題は、これらの輝点のうちごく一部のみが標的分子Aに相当するということである。しかし第2の化学反応の後、タイプA分子のほとんどは、標識分子Dが標的に結合することにより残りの点と比較してはるかに明るくなる。分子AおよびBが同じサイズの場合はいくらかの偽陽性はあり得るが、P
CBP
BDN
Bは一般に非常に小さいはずなので、特異性は顕著に上昇する。
【0022】
このように、捕捉された標的分子は、画像中で最も明るい輝点を探すことによっても見つけることができるが、両反応で明るさの増加を経る輝点が検出されるように第1の捕捉後の画像と第2の捕捉後の画像とを比較することによっても見つけることができる。
【0023】
このような、2工程の検出手順についての可能性の一具体例は、捕捉-検出抗体対が、サンドイッチELISAにて利用されるマウス抗ヒトIFN-γ(捕獲)およびビオチン化ヤギ抗ヒトIFN-γ(検出)からなる、ヒトインターフェロン-γ(IFN-γ)の検出である。モノクローナルおよびポリクローナルの捕捉および検出抗体を利用することにより、装置の感度および特異性は、モノクローナル抗体がより高い特異性を保証する一方でポリクローナル抗体が感度を増大させるので、さらに調節することができる。ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体とは、例えば、捕捉工程の高い特異性を確保するためにモノクローナル捕捉抗体を、および捕捉された抗原を感度よく検出することを確保するためにポリクローナル検出抗体を使用することにより組み合わせることもできる。このような手順はサンドイッチELISAにおいては一般的である。
【0024】
まとめると本発明は、選択された透明材料の膜で構成されるフォトニック結晶を含む光センサ素子を使用して標的分子を検出するための方法およびシステムに関し、より詳細には、前記膜は、選択されたパターンで複数個の画定された開口部を備え、前記パターンは、選択された波長または波長範囲で共振をもたらすように適合されている。本方法は、
a)選択された個数の前記開口部内に、前記標的分子Aに高い親和性を有する捕捉分子Cを付与する工程、
b)標的分子Aを含有する第1の流体の流れを前記開口部を通して移動させる工程、
c)前記捕捉分子Cとは異なるが、標的分子には高い親和性を有し前記第1の流れ中に存在し得る他の分子には低い親和性を有する第2の反応物Dを含有する第2の流体の流れを移動させる工程、
d)前記センサ素子に前記選択された波長で光照射することにより共振を発生させ、共振体からの光の漏れが検出されるようにセンサ素子面外の位置から前記センサ素子の画像を生成する工程、ならびに
e)捕捉された分子、および捕捉された分子と反応した反応物を検出するために前記画像を解析する工程
を含む。
【0025】
比較するために、上の工程b)の後に、工程b1)を含めることができる。この工程b1)では、前記センサ素子に前記選択された波長で光照射することにより共振を発生させ、共振体からの光の漏れが検出されるようにセンサ素子面外の位置から前記センサ素子の画像を生成し、捕捉された分子、および捕捉された分子と反応した反応物を検出する。この場合、工程e)での解析が、工程b1)および工程d)からの画像間の比較を含んでいてもよい。そうであるならば、ある位置で誘発されたシグナルの増強が工程b1)および工程d)の両方で得られた画像で検出された場合に、標的分子の検出を記録してもよい。というのは、分子C、AおよびDの組合せはCおよびBの組合せよりも大きいはずだからである。
【0026】
感度を増加させるために、工程c)の反応物が、フォトニック結晶中で誘発されたシグナルを最大化するように選択された大きな分子から構成されていてよい。
【0027】
これらの場合全てで、工程e)での前記解析は、画像中で最も高い強度を有するポイントを特定することを含むことができる。
【0028】
本発明のシステムは、選択されたパターンで複数個の画定された開口部を備えた選択された透明材料の膜で構成されるフォトニック結晶を含む光センサ素子を使用して標的分子を検出することに関する。選択された個数の前記開口部は、前記標的分子に高い親和性を有する捕捉分子を備える。前記パターンは、上述のWO2010/108952に記述されているように、選択された波長または波長範囲で共振をもたらすように適合されている。
【0029】
本発明のシステムは、標的分子を含有する第1の流体の流れを前記開口部を通して移動させるための、流体を導く手段も含み、ここで前記流体を導く手段はさらに、前記第1の流体の流れを導いた後、前記捕捉分子とは異なるが、標的分子には高い親和性を有し前記第1の流れ中に存在し得る他の分子には低い親和性を有する第2の反応物を含有する第2の流体の流れを導くように適合されている。
【0030】
加えて、光照射手段は、前記センサ素子に前記選択された波長で光照射することにより共振を発生させるのに使用する。また撮像手段は、共振体からの光の漏れが検出されるようにセンサ素子面外の位置から前記センサ素子の画像を生成するために使用する。
【0031】
含まれる解析手段は、捕捉された分子、および捕捉された分子と反応した反応物を検出するために前記画像を解析することを実行する。この解析は、センサ素子中の、最も高い強度を有する、すなわち既定された閾値を超えている誘発されたポイントを検出すること、ならびに/または第1および第2の流体の後に取得した画像間の比較を、両方の工程後において、誘発されたシグナルが増強した点を検出するために行うことを含んでいてよい。こうした検出および/または比較により、分子Aは第1の工程で第1の流体から捕捉され、かつ分子Dは第2の流体から捕捉されたことが示され、これにより、第1の画像のポイントのうちいずれが標的分子に相当するのかが示される。
【0032】
複数の追加工程を導入して、他の結合の数を同定すること、すなわち、Bに高い親和性を有する第3の反応物Eを用いた追加工程を導入することも可能である。または追加工程は、核酸の特定部分を認識する、もしくはその配列を決定するのに適した複数種の反応物を含むことができる。例えば、核酸の特定部分を一箇所で捕捉し、次いで複数種の反応物で順番に標識して、これらの反応物それぞれの捕捉を読み取ることができるようにしてもよい。
【0033】
化学工程1と化学工程2との間に追加の化学工程を導入することができる。この追加工程は、捕捉分子Cがさらに反応するのを阻止するものでもよいし、捕捉分子Cがさらに反応できなくするものでもよい。この追加工程の目的は、DがCに直接結合する尤度を低減することである。
【0034】
この第2の工程には、蛍光、ラマン、磁性粒子、放射性標識など、画像化または空間検出に適した他の標識法を含めてもよいし、他の方法を利用してもよい。
【0035】
第2の工程は、増幅工程の一部であってもよい。目的は、特異性を上昇させるために使用できる第2のシグナルを生成または誘発することである。核酸、すなわちDNAまたはmRNAの場合、PCRまたはNASBA(または他の増幅法)で使用されている増幅工程など、増幅工程を使用してシグナルを増強させることができる。第2の工程に、重合を可能にする標識、またはシグナル応答を増強する他の方法を使用することもできる。
【0036】
特異性は、pH、温度を変更することにより、または捕捉された分子を解離させる化学的手段を導入することによりさらに上昇させることができる。解離条件および解離時間から、標的分子を同定するのに適したさらなる情報が得られ、これらをモニターすることにより特異性が上昇することになる。
【0037】
特異性は、pH、温度を変更することにより、または例えば、核酸を引き伸ばし、もしくは収縮させるなど、捕捉された分子の構造を変更する化学的手段を導入することによりさらに上昇させることができる。変更条件および変更時間から、標的分子を同定するのに適したさらなる情報が得られ、これらをモニターすることにより特異性が上昇することになる。この場合は捕捉された標的分子は解離しないので、変更を数回繰り返すことができる。