特許第6228232号(P6228232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228232
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】超音波溶着装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20171030BHJP
   B23K 20/10 20060101ALI20171030BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   B29C65/08
   B23K20/10
   A61F13/15 355B
【請求項の数】4
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-554729(P2015-554729)
(86)(22)【出願日】2014年12月10日
(86)【国際出願番号】JP2014082744
(87)【国際公開番号】WO2015098533
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年6月14日
(31)【優先権主張番号】特願2013-269408(P2013-269408)
(32)【優先日】2013年12月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀幸
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−099011(JP,A)
【文献】 特表平10−513128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/08
A61F 13/15
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被溶着物を超音波溶着するための超音波溶着装置であって、
予め設定された回転軸を中心として回転可能で、かつ、連続供給される前記被溶着物を前記回転軸を中心とする円周上で支持可能な回転支持機構と、
前記回転軸を中心として回転可能となるように前記回転支持機構に取り付けられ、前記回転支持機構に支持されている前記被溶着物を挟むことにより当該被溶着物を溶着する少なくとも一対のホーン及びアンビルであって、前記ホーン及び前記アンビルのうちの一方の第1溶着器は、前記ホーン及び前記アンビルのうちの他方の第2溶着器との間で前記被溶着物を挟んだ位置と前記第2溶着器から離れた位置との間で前記第2溶着器に対して相対的に移動可能となるように前記回転支持機構に取り付けられた、少なくとも一対のホーン及びアンビルと、
カム溝が形成された外周面を有するカムドラムと、前記カム溝内に設けられたカムフォロアとを有し、前記第1溶着器が前記第2溶着器に対して相対的に移動するように前記第1溶着器を駆動する駆動機構と、
前記カムフォロア及び前記第1溶着器に接続された無端ベルトと、前記無端ベルトの2つの部分が互いに平行するように前記無端ベルトを架け渡すための複数のプーリとを有する動力分配機構と、前記カムフォロアを保持する保持部材と、を有する動力伝達機構と、を備え、
前記カムフォロア及び前記保持部材は、錘として機能し
前記動力分配機構は、前記駆動機構による動力が前記第1溶着器及び前記錘に対して逆向きの動力として伝達されるように前記駆動機構による動力を分配する、超音波溶着装置。
【請求項2】
記無端ベルトにおける前記2つの部分の一方が前記駆動機構及び前記錘に接続され、前記2つの部分の他方が前記第1溶着器に接続されている、請求項1に記載の超音波溶着装置。
【請求項3】
記超音波溶着装置は、前記回転支持機構に固定され、前記カムドラムに対して回転可能な状態で前記カムドラムの外周面を覆うとともに前記カム溝に沿った前記カムフォロアの移動を許容する長孔が形成された被覆壁をさらに備え、
前記動力分配機構は、前記長孔を被覆した状態で前記被覆壁に取り付けられているとともに前記無端ベルト及び前記複数のプーリを保持する保持機構を備えている、請求項2に記載の超音波溶着装置。
【請求項4】
前記第1溶着器及び前記第2溶着器の対は、偶数対設けられているとともに、前記回転軸を中心として等間隔に配置され、
前記駆動機構は、前記回転軸を中心として180度対称となる位置に設けられた2つの第1溶着器同士が互いに逆向きに同期して動作するように前記第1溶着器を駆動する、請求項1〜3の何れか1項に記載の超音波溶着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被溶着物を超音波溶着するための超音波溶着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば使い捨ておむつを構成するために被溶着物(ウェブ)を超音波溶着するための超音波溶着装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の超音波溶着装置は、連続供給される被溶着物を支持可能な外側面を有するとともに予め設定された回転軸を中心として回転可能なドラムと、回転軸を中心として回転可能となるようにドラムに取り付けられ、ドラムの外側面に支持された被溶着物を挟み込むことにより当該被溶着物を超音波溶着するためのホーン及びアンビルとを備えている。
【0004】
ホーン及びアンビルのうちの一方の第1溶着器は、ドラムの外側面に支持された被溶着物を横断可能となるように、ホーン及びアンビルのうちの他方の第2溶着器に対して相対的に移動可能となるようにドラムに取り付けられている。
【0005】
また、特許文献1に記載の超音波溶着装置は、第2溶着器に対して相対的に第1溶着器が移動するように第1溶着器を駆動する駆動機構(静止カムドラム及びカム従動子)を備えている。
【0006】
特許文献1に記載の超音波溶着装置によれば、ドラムとホーン及びアンビルとが一体に回転するため、ドラムの回転により被溶着物を搬送しながら当該被溶着物をホーンとアンビルとの間で溶着することができる。
【0007】
したがって、ある位置に固定されたホーンとアンビルとの間に被溶着物を送り込む場合と異なり、被溶着物の搬送期間を溶着期間としても利用することができるため、被溶着物の搬送速度を高く維持したまま十分な溶着強度を得ることができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の超音波溶着装置では、駆動機構により第1溶着器が第2溶着器(ドラム)に対して相対的に移動するため、第1溶着器の加速度が変化する際に超音波溶着装置に振動が生じ、この振動による騒音が発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】日本国特許第3988835号公報
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、第1溶着器の移動に伴う振動と騒音を低減することができる超音波溶着装置を提供することにある。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、被溶着物を超音波溶着するための超音波溶着装置であって、予め設定された回転軸を中心として回転可能で、かつ、連続供給される前記被溶着物を前記回転軸を中心とする円周上で支持可能な回転支持機構と、前記回転軸を中心として回転可能となるように前記回転支持機構に取り付けられ、前記回転支持機構に支持されている前記被溶着物を挟むことにより当該被溶着物を溶着する少なくとも一対のホーン及びアンビルであって、前記ホーン及び前記アンビルのうちの一方の第1溶着器は、前記ホーン及び前記アンビルのうちの他方の第2溶着器との間で前記被溶着物を挟んだ位置と前記第2溶着器から離れた位置との間で前記第2溶着器に対して相対的に移動可能となるように前記回転支持機構に取り付けられた、少なくとも一対のホーン及びアンビルと、カム溝が形成された外周面を有するカムドラムと、前記カム溝内に設けられたカムフォロアとを有し、前記第1溶着器が前記第2溶着器に対して相対的に移動するように前記第1溶着器を駆動する駆動機構と、前記カムフォロア及び前記第1溶着器に接続された無端ベルトと、前記無端ベルトの2つの部分が互いに平行するように前記無端ベルトを架け渡すための複数のプーリとを有する動力分配機構と、前記カムフォロアを保持する保持部材と、を有する動力伝達機構と、を備え、前記カムフォロア及び前記保持部材は、錘として機能し前記動力分配機構は、前記駆動機構による動力が前記第1溶着器及び前記錘に対して逆向きの動力として伝達されるように前記駆動機構による動力を分配する、超音波溶着装置を提供する。
【0013】
本発明によれば、第1溶着器の移動に伴う振動と騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る超音波溶着装置が用いられる使い捨ておむつの製造方法を説明するための工程図である。
図2図2は、本発明に係る超音波溶着装置の主要部分の正面図である。
図3図3は、図2のIII−III線断面図である。
図4図4は、図3の一部を拡大して示す断面図である。
図5図5は、図4のホーン保持機構を示す正面図である。
図6図6は、図4のVI−VI線断面図である。
図7図7は、図4のVII−VII線断面図である。
図8図8は、シート支持部材の取付位置を調整した状態を示す図2相当図である。
図9図9は、図4の動力伝達機構を拡大して示す側面断面図である。
図10図10は、図9の動力伝達機構の平面図である。
図11図11は、図9のXI−XI線断面図である。
図12図12は、図9のXII−XII線断面図である。
図13図13は、図3の先端側の構成を拡大して示す側面断面図である。
図14図14は、図3の基端側の構成を拡大して示す側面断面図である。
図15図15は、図13の電線案内部材の正面図であり、半分を断面で示すものである。
図16図16は、図13の配管接続部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0016】
図1を参照して、使い捨ておむつ70は、着用時に、着用者の腹部に配置される前腹部70aと、着用者の臀部に配置される後背部70bと、前腹部70aから着用者の両脚部の間を通って後背部70bまで延びる股下部70cとを備えている。
【0017】
前腹部70aの両側縁部及び後背部70bの両側縁部は、前腹部70aと後背部70bとが環状に連結されるように2箇所の溶着部Sによって互いに溶着されている。
【0018】
以下、使い捨ておむつ70の製造方法について説明する。
【0019】
<搬送工程P1>
搬送工程P1では、特定方向に延びるシートWをその長手方向に沿って搬送する。以下、シートWの流れ方向を横方向とし、図1において横方向と直交する方向を縦方向として説明する。
【0020】
シートWは、着用時に着用者の体表側に向く内側シートと、着用時に着用者の外側を向く外側シートと、これら内側シートと外側シートとの間に挟まれた弾性部材とを有している。
【0021】
<レッグホール形成工程P2>
レッグホール形成工程P2では、シートWの縦方向の中央位置にレッグホールLを形成する。
【0022】
シートWにおける2つのレッグホールLの間の領域は、股下部70cに相当する部分である。また、シートWにおける股下部70cに相当する部分の縦方向の両側位置は、それぞれ前腹部70a及び後背部70bに相当する部分である。
【0023】
<吸収体接合工程P3>
吸収体接合工程P3では、シートWにおける2つのレッグホールLの間の位置に吸収体Aを接合する。
【0024】
吸収体Aは、液体透過性を有する透過性シートと、撥水性及び通気性を有する撥水シートと、透過性シートと撥水シートとの間に挟まれた吸収性コアとを備えている。
【0025】
なお、シートW上に吸収体Aを接合する方法について説明しているが、シートWの内側シートと外側シートとの間に吸収性コアを挟んで接合することもできる。この場合、内側シートは、液体透過性を有するシートにより構成され、外側シートは、撥水性及び通気性を有するシートにより構成されている。
【0026】
<二つ折り工程P4>
二つ折り工程P4では、吸収体Aが載置されたシートWを縦方向に二つ折りにする。これにより、シートWにおける前腹部70aに相当する部分と後背部70bに相当する部分とが重ね合わされる。
【0027】
<溶着工程P5>
溶着工程P5では、二つ折りにされたシートW(被溶着物)における、互いに隣り合う2つの吸収体A間で、前腹部70aの側縁部に相当する部分と後背部70bの側縁部に相当する部分とを超音波溶着する。
【0028】
具体的に、溶着工程P5では、後述する切断工程P6で切断する位置を含む範囲についてシートWを超音波溶着する。
【0029】
なお、溶着部Sは、前腹部70aの側縁部に相当する部分及び後背部70bの側縁部に相当する部分の縦方向の溶着範囲D1にそれぞれ形成されている。
【0030】
<切断工程P6>
切断工程P6では、溶着工程P5で形成された溶着部Sの中央位置で縦方向に延びる切断線に沿ってシートWを切断する。これにより、シートW(連続体)が使い捨ておむつ70ごとに切り分けられる。
【0031】
以下、図2を参照して、溶着工程P5を行なう超音波溶着装置1について説明する。
【0032】
超音波溶着装置1は、二つ折り工程P4で二つ折りにされ、導入ローラF1を介して導入されたシートWを超音波溶着し、溶着されたシートWを導出ローラF2を介して切断工程P6に送るためのものである。
【0033】
具体的に、超音波溶着装置1は、図2及び図3に示すように、予め設定された作業面上に立設された駆動軸支持部材2と、駆動軸支持部材2に固定されたカムドラム(駆動機構)3と、カムドラム3のカム溝3a内に設けられたカムフォロア(駆動機構)23と、回転軸L1を中心として駆動軸支持部材2に対して回動可能に支持された駆動軸4と、駆動軸4に固定された回転ドラム5と、回転ドラム5に固定された10個の溶着ユニット6と、カムドラム3及びカムフォロア23からの動力を溶着ユニット6に伝達するための10個の動力伝達機構7(図3では2つのみ示す)と、駆動軸4の基端部に設けられたスリップリング(回転接続器)8及びロータリジョイント9と、駆動軸4の先端部に設けられた電線案内部材11及び配管接続部材12と、駆動軸4を回転駆動するモータ10とを備えている。
【0034】
なお、図3において回転軸L1と平行する方向をX方向とし、図3の上下方向をZ方向として、X−Z平面と直交する方向をY方向として説明する。
【0035】
図3及び図4を参照して、駆動軸支持部材2は、上述した超音波溶着装置1の構成(駆動軸支持部材2を除く)を作業面上に支持する。具体的に、駆動軸支持部材2は、X方向に貫通する貫通穴2aが形成された板状の部材である。
【0036】
カムドラム3は、そのX方向の一端が駆動軸支持部材2の貫通穴2aに嵌合した状態で、駆動軸支持部材2に固定されている。この状態で、カムドラム3の軸線は、回転軸L1と合致している。
【0037】
また、カムドラム3の外周面には、カム溝3aが形成されている。カム溝3aは、詳しくは後述するが、回転軸L1を中心として回転するカムフォロア23がX方向に移動するのを許容する形状を有する。なお、カムドラム3及びカムフォロア23は、後述するアンビル15がホーン14に対して相対的に移動するようにアンビル15を駆動する駆動機構に相当する。
【0038】
駆動軸4は、モータ10により回転駆動される。具体的に、駆動軸4の途中部に設けられたプーリ4aとモータ10の出力軸に設けられたプーリ10aとの間には、ベルトV1が架け渡されている。モータ10の出力軸の回転に応じてベルトV1を介してモータ10の動力が駆動軸4に伝達される。なお、モータ10は、図外のブラケットを介して駆動軸支持部材2に固定されている。
【0039】
また、駆動軸4は、カムドラム3に対して相対的に回転可能な状態でカムドラム3をX方向に貫通する。つまり、駆動軸4は、カムドラム3を介して間接的に駆動軸支持部材2に支持されている。駆動軸4の基端部は、駆動軸支持部材2のカムドラム3と反対側に位置し、駆動軸4の先端部は、カムドラム3の駆動軸支持部材2と反対側に位置する。
【0040】
回転ドラム5は、駆動軸4の先端部に固定された円板5aと、円板5aの周縁部からX方向に延びるとともにカムドラム3の外周面を被覆する被覆壁5bと、円板5aの被覆壁5bと反対側に着脱可能に取り付けられた調整板5cとを備えている。なお、円板5a及び調整板5cは、回転軸L1を中心として回転可能な回転体に相当する。
【0041】
調整板5cには、溶着ユニット6を取り付けるためのねじ穴5e(図4参照)が形成されている。
【0042】
以下、図4図7を参照して、溶着ユニット6について説明する。なお、10個の溶着ユニット6の構成は同一であるため、図4図7に示される1個の溶着ユニット6の構成のみについて説明する。
【0043】
溶着ユニット6は、シートWを挟むことにより当該シートWを溶着するホーン(第2溶着器)14及びアンビル(第1溶着器)15と、ホーン14に接続された超音波発生器16と、超音波発生器16を冷却する冷却ジャケット17(冷却器)と、溶着ユニット6を回転ドラム5(調整板5c)に対する取り付けを許容する取付部18と、取付部18の端部に連結されているとともにX方向に延びるベース19と、ベース19の先端部に設けられているとともにホーン14を保持するホーン保持機構20と、ベース19の基端部に設けられているとともにアンビル15を保持するアンビル保持機構21とを備えている。
【0044】
取付部18は、図2図3に示すようにホーン保持機構20が回転軸L1を中心とする同一円周上に配置された状態で溶着ユニット6の回転ドラム5に対する取り付けを許容する。さらに、取付部18は、溶着ユニット6の回転ドラム5に対する取付位置が回転軸L1を中心とする半径方向(図4図6ではZ方向)に調整可能となるように、回転ドラム5(調整板5c)に取付可能である。
【0045】
具体的に、取付部18には、図6に示すように、前記半径方向(図6のZ方向)に延びるとともにX方向に貫通する4つの長孔18aが設けられている。長孔18aに挿入されたボルトB1を調整板5cのねじ穴5eに螺合することにより、取付部18を調整板5cに取り付けることができる。また、ボルトB1を緩めた状態で取付部18を半径方向に移動させた上で、再びボルトB1をねじ穴5eに螺合することにより、取付部18(溶着ユニット6)の取付位置を半径方向に調整することができる。
【0046】
なお、取付部18の長孔18aの範囲以上における取付位置の調整が必要な場合、ねじ穴5eが半径方向の別の位置に設けられた別の調整板5cを円板5aに取り付けることにより、溶着ユニット6の取付位置の調整範囲を広げることができる。
【0047】
図4及び図5を参照して、ホーン保持機構20は、半径方向の外側に向けてホーン14を開放した状態で当該ホーン14を保持する。
【0048】
具体的に、ホーン保持機構20は、半径方向の一方側(図4及び図5の下側)及びY方向の両側からホーン14を被覆する被覆部材42と、被覆部材42の内側でホーン14を支持するホーン支持部材43と、被覆部材42に固定された一対のシート支持部材(被溶着部支持部材)44とを備えている。
【0049】
被覆部材42は、底板42aと、底板42aのY方向の両端部に立設された一対の側板42bとを備えている。底板42aには、Z方向に貫通する挿通穴42cが形成されている。被覆部材42の半径方向の内側に配置された超音波発生器16は、挿通穴42cを通じてホーン14に接続されている。
【0050】
ホーン支持部材43は、被覆部材42に固定されているとともにホーン14の途中部(超音波発生器16からの振動の節部に相当する部分)を支持する。なお、ホーン14のX方向の幅寸法は、シートWに形成される溶着部Sの溶着範囲D1の幅(図1参照)に相当する。
【0051】
各シート支持部材44は、回転軸L1を中心とする周方向においてホーン14先端の両側に延びるように各側板42bの端面に取り付けられている。具体的に、各シート支持部材44は、ホーン14から前記周方向に延びる支持部44aと、周方向の端部から屈曲する屈曲部44bとを有する。なお、回転ドラム5の円板5a、調整板5c、取付部18及びシート支持部材44は、回転軸L1を中心として回転可能で、かつ、連続供給されるシートWを回転軸L1を中心とする円周上で支持可能な回転支持機構に相当する。
【0052】
支持部44aの半径方向の外側の面は、シートWを支持するための支持面として機能する。具体的に、支持部44aのX方向の幅寸法は、シートWにおけるウェスト側の端部と股下部側の端部との間の幅寸法D2(図1参照)に相当する。
【0053】
屈曲部44bは、図5に示すように、2つのホーン14間において互いに隣接する支持部44aの先端部同士を結ぶ直線L2よりも回転軸L1側に位置するように支持部44aから屈曲する。
【0054】
これにより、シートW(図1参照)における溶着部Sを含む部分を支持部44aとホーン14の先端とにより支持することができるとともに、シートWにおける溶着部Sよりも厚い吸収体Aを含む部分を、互いに隣接する屈曲部44b同士の間に配置することができる。そのため、同一面上にシートWを支持する場合と異なり、吸収体Aの厚みによってシートWにおける吸収体A以外の部分が浮き上がるのを抑制することができる。
【0055】
また、シート支持部材44の位置は、上述した調整板5cに対する取付部18の取付位置の調整によって移動することができる。具体的に、例えば、取付部18によるホーン保持機構20の取付位置を回転軸L1を中心とする半径方向の外側に変更することにより、図8の二点鎖線で示すように、シート支持部材44により支持されるシートWの長さ(周長)を長く変えることができる。
【0056】
つまり、取付部18及び調整板5cは、複数のシート支持部材44が回転軸L1を中心とする同一円周上に配置された状態でシート支持部材44の回転ドラム5に対する取り付けを許容し、かつ、回転ドラム5に対するシート支持部材44の取付位置を回転軸L1を中心とする半径方向に調整可能な取付機構に相当する。
【0057】
図4図7を参照して、アンビル保持機構21は、ホーン保持機構20(ホーン14)に対してX方向に移動可能となるようにアンビル15を保持する。
【0058】
具体的に、アンビル保持機構21は、ベース19上に立設されているとともにY方向に対向する一対のレール保持板45と、レール保持板45にそれぞれ保持された一対のレール46と、X方向に移動可能となるようにレール46にそれぞれ係合する一対のスライダ47と、両スライダ47が固定された本体部48と、本体部48に設けられた3本の回転軸49〜51と、回転軸49〜51を中心として回転可能な4つのタイミングプーリ52〜55と、タイミングプーリ52〜55に架け渡されたタイミングベルトV2、V3と、タイミングベルトV2とレール保持板45とを連結する連結部材(図4参照)59とを備えている。
【0059】
本体部48は、レール46とスライダ47との係合によってX方向に移動可能な状態でレール保持板45(ベース19)に取り付けられている。
【0060】
回転軸49〜51は、それぞれY方向に延びてX方向に並ぶとともにY方向と平行な軸を中心として本体部48に対して回転可能に設けられている。回転軸49の一端には、タイミングプーリ52が設けられている。回転軸50のタイミングプーリ52と同じ側の端部には、タイミングプーリ53が設けられ、回転軸50のタイミングプーリ53と反対側の端部にはタイミングプーリ54が設けられている。回転軸51のタイミングプーリ54と同じ側の端部には、タイミングプーリ55が設けられ、回転軸51のタイミングプーリ55と反対側の端部には、アンビル15が設けられている。
【0061】
タイミングベルトV2は、タイミングプーリ52及びタイミングプーリ53に架け渡されている。タイミングベルトV3は、タイミングプーリ54及びタイミングプーリ55に架け渡されている。また、連結部材59は、タイミングプーリ52、53を基準として回転軸L1側に位置するタイミングベルトV2の一部とレール保持板45とを連結する。
【0062】
本体部48がレール保持板45(ベース19)に対してX方向に移動すると、レール保持板45から連結部材59を通じてタイミングベルトV2をX方向に移動させる力が伝わる。これにより、両タイミングプーリ52、53が回転し、タイミングプーリ53の回転に伴いタイミングプーリ54が回転する。その結果、タイミングベルトV3の移動によりタイミングプーリ55が回転し、これに伴いアンビル15が回転する。
【0063】
つまり、アンビル15は、ホーン14に対するX方向の移動に伴い回転する。これにより、アンビル15をホーン14に対して往復動作させる場合に、アンビル15の往復動作の往路及び復路において、アンビル15の外周面の同じ位置をシートW上の同じ位置に当接させることができる。したがって、アンビル15の外周面に所定の溶着パターンが形成されている場合に、シートW上に溶着パターンに相当する溶着部を確実に形成することができる。
【0064】
図4及び図9を参照して、動力伝達機構7は、回転ドラム5の被覆壁5bの外周面に取り付けられている。なお、被覆壁5bには、カム溝3aに沿ったカムフォロア23の移動を許容する長孔5dが形成されている。
【0065】
動力伝達機構7は、図9図11に示すように、カムフォロア23を保持する保持部材24と、X方向に移動可能となるように保持部材を支持するレール25と、レール25上に設けられたベース26と、ベース26上に立設された4枚のブラケット27と、ブラケット27同士の間に架け渡された支持軸28を中心として回転可能に支持された一対のタイミングプーリ29と、タイミングプーリ29間に架け渡されたタイミングベルト(無端ベルト)30と、上述したアンビル保持機構21の本体部48に連結された連結機構22とを備えている。
【0066】
保持部材24は、図11に示すように、カムフォロア23に固定された保持部材本体24aと、保持部材本体24aのY方向の両側面に取り付けられたスライダ24bと、保持部材本体24aとの間でタイミングベルト30を挟むための挟持片24cとを備えている。
【0067】
カムフォロア23及びこれに固定された保持部材24は、アンビル15を含む本体部48と同等の重量を有すると好ましいが、これより軽量であってもよい。後述するように、カムフォロア23及び保持部材24は、アンビル15と逆向きに動作することにより当該アンビル15の動作に伴う振動を低減するための錘として機能する。
【0068】
スライダ24bは、X方向に移動可能となるようにレール25に係合している。
【0069】
挟持片24cは、保持部材本体24aに形成された図外のねじ穴にボルトB3を締め付けることにより当該保持部材本体24aとの間でタイミングベルト30を挟んで保持する。
【0070】
ベース26は、当該ベース26をZ方向に貫通する貫通穴26aを有し、貫通穴26aには、X方向に移動可能となるように保持部材24が挿入されている。
【0071】
図9及び図10を参照して、2枚のブラケット27は、ベース26のX方向の一方側に設けられてY方向に対向し、残る2枚のブラケット27は、ベース26のX方向の他方側に設けられてY方向に対向する。互いに対向する2枚のブラケット27間にそれぞれY方向に延びる支持軸28が設けられ、各支持軸28には、それぞれタイミングプーリ29が設けられている。
【0072】
上述した保持部材24は、タイミングプーリ29を基準として回転軸L1に近い側に位置するタイミングベルト30の一部に連結され、連結機構22は、タイミングプーリ29を基準として回転軸L1から遠い側に位置するタイミングベルト30の一部に連結されている。
【0073】
図12に示すように、連結機構22は、タイミングベルト30を挟み込む一対の第1挟持部材57及び第2挟持部材58と、第1挟持部材57と上述したアンビル保持機構21の本体部48とを連結するための連結板56とを備えている。
【0074】
第1挟持部材57は、連結板56を取り付けるための被取付部57aを有し、被取付部57aは、Y方向に貫通する挿通穴57bを有する。一方、上述したアンビル保持機構21の本体部48は、連結板56を取り付けるための被取付部48aを有し、被取付部48aは、Y方向に貫通する挿通穴48bを有する。
【0075】
連結板56は、第1挟持部材57の挿通穴57b及び本体部48の挿通穴48bにそれぞれ挿入されたボルトB2を螺合するための一対のねじ穴56aを有する。したがって、ボルトB2をねじ穴56aに締め付けることにより、連結板56を介してタイミングベルト30とアンビル保持機構21とを連結することができる。
【0076】
なお、上述のように、溶着ユニット6の取付位置は、取付部18の取付位置を長孔18aに沿って移動させることにより回転軸L1を中心とする半径方向に調整可能である(図6及び図8参照)。溶着ユニット6の取付位置が変更されると、タイミングベルト30とアンビル保持機構21との距離が前記半径方向に変化する。そのため、連結板56に対してねじ穴56aのピッチの異なる調整用連結板56Aを予め準備しておくことにより、溶着ユニット6の取付位置の調整後においてもタイミングベルト30とアンビル保持機構21とを連結することが可能となる。
【0077】
このように動力伝達機構7によってカムフォロア23とアンビル保持機構21とを連結することにより、アンビル15及び錘(カムフォロア23及び保持部材24)は次のように動作する。
【0078】
図3及び図9を参照して、駆動軸4(モータ10)の回転駆動によりカムドラム3に対して回転ドラム5が回転すると、カムフォロア23は、カム溝3aに沿ってX方向に移動する。
【0079】
カムフォロア23及びこれを保持する保持部材24は、X方向の同方向に移動する。一方、保持部材24とタイミングベルト30を介して連結された連結機構22、つまり、アンビル保持機構21は、X方向においてカムフォロア23及び保持部材24と逆方向に移動する。
【0080】
したがって、タイミングベルト30とタイミングプーリ29とが動力分配機構に相当する。
【0081】
これにより、錘(カムフォロア23及び保持部材24)及びアンビル保持機構21(アンビル15)は、同期して逆向きに移動するため、アンビル15の移動に伴い発生する振動を低減することができる。
【0082】
ここで、アンビル15の移動範囲は、カム溝3aにより次のように設定されている。
【0083】
アンビル15は、ホーン14からX方向のカムドラム3側に外れた初期位置(図3の上に示される位置)と、ホーン14からX方向のカムドラム3の反対側に外れた中間位置(図3の下に示される位置)との間の移動範囲において移動可能である。
【0084】
また、回転軸L1を中心とした回転位置と、アンビル15の移動位置との関係は、カム溝3aにより次のように設定されている。
【0085】
図2に示すように、導入ローラF1及び導出ローラF2は、回転軸L1を中心とする回転位置R1と回転位置R9との間に配置されている。回転位置R1と回転位置R9との間の角度は、36度である。また、回転位置R9から回転位置R1までの範囲において、アンビル15は、初期位置(図3の上に示す位置)に配置されている。
【0086】
回転位置R1から回転位置R2までの範囲において、アンビル15は、初期位置から中間位置に向けて加速する(以下、この向きを前向きと称す)。回転位置R1と回転位置R2との間の角度は、36度である。
【0087】
回転位置R2から回転位置R4までの範囲において、アンビル15は、前向きに等速で移動する。この移動の間、シートWは、ホーン14とアンビル15との間で溶着される。回転位置R2と回転位置R4との間の角度は、108度である。
【0088】
回転位置R4から回転位置R5までの範囲において、アンビル15は、回転位置R5において中間位置(図3の下に示される位置)で停止するように、減速する(アンビル15に後ろ向きの加速度を与える)。回転位置R4と回転位置R5との間の角度は、18度である。
【0089】
回転位置R5から回転位置R6までの範囲おいて、アンビル15は、中間位置から初期位置に向けて後ろ向きに加速する。回転位置R5と回転位置R6との間の角度は、18度である。
【0090】
回転位置R6から回転位置R8までの範囲において、アンビル15は、後ろ向きに等速で移動する。この移動の間、シートWは、ホーン14とアンビル15との間で再度溶着される。回転位置R6と回転位置R8との間の角度は、108度である。
【0091】
回転位置R8から回転位置R9までの範囲において、アンビル15は、回転位置R9において初期位置で停止するように、減速する(アンビル15に前向きの加速度を与える)。回転位置R8と回転位置R9との間の角度は、36度である。
【0092】
なお、本実施形態では、回転軸L1を中心として180度対称となる位置に設けられた2つのアンビル15の、特に加減速時の動きが互いに逆向きに同期していない。
【0093】
ここで、例えば、回転軸L1を中心として180度対称となる位置に設けられた2つのアンビル15が互いに逆向きに同期して動作するように、回転位置に対するアンビル15の動作時期を設定した場合、上述した錘(カムフォロア23及び保持部材24)の有無にかかわらず、超音波溶着装置1全体の振動を低減することができる。
【0094】
この場合、例えば、回転軸L1を中心とした回転位置と、アンビル15の移動位置との関係を、カム溝3aにより次のように設定することができる。
【0095】
図2の回転位置R1と回転位置R2との間の回転範囲においてアンビル15は、前向きに加速し、回転位置R2と回転位置R3との間の回転範囲においてアンビル15は、等速で前向きに移動させる。なお、回転位置R2と回転位置R3との間の角度は、72度である。
【0096】
回転位置R3と回転位置R4との間の回転範囲において、アンビル15は、回転位置R4において中間位置で停止するように減速する。回転位置R3と回転位置R4との間の角度は、36度である。
【0097】
回転位置R4と回転位置R6との間の回転範囲において、アンビル15は、中間位置で停止する。これにより、回転位置R9から回転位置R1までのアンビル15の動作(初期位置で停止)と、回転位置R4から回転位置R6までのアンビル15の動作(中間位置で停止)とが、逆向きで同期する。
【0098】
回転位置R6と回転位置R7との間の回転範囲において、アンビル15は、中間位置から後ろ向きに加速する。回転位置R6と回転位置R7との間の角度は、36度である。
【0099】
回転位置R7と回転位置R8との回転範囲において、アンビル15は、後ろ向きに等速で移動する。回転位置R7と回転位置R8との間の角度は72度である。
【0100】
そして、回転位置R8と回転位置R9との回転範囲において、アンビル15は、回転位置R9において初期位置で停止するように減速する。
【0101】
このようにすれば、回転軸L1を中心として180度対称となる位置に設けられた2つのアンビル15が互いに逆向きに同期して動作するため、超音波溶着装置1全体の振動を低減することができる。しかも、上述した錘(カムフォロア23及び保持部材24)をアンビル15と逆向きに移動させる構成とすることにより、個々の溶着ユニット6における振動も低減することができるので、より有効に超音波溶着装置1全体の振動を低減することができる。
【0102】
これに対し、本実施形態では、180度対称となる位置の2つのアンビル15が互いに逆向きに同期していないが、アンビル15の停止時間が短く済むので、その分シートWを溶着する期間を長く設定することができる。
【0103】
再び図9及び図10を参照して、動力伝達機構7は、長孔5dを被覆した状態で回転ドラム5の被覆壁5bに取り付けられている。
【0104】
具体的に、動力伝達機構7は、上述したブラケット27同士の間に設けられた一対の天板31及び一対の側板32と、天板31同士の間に設けられた被覆板33とを備えている。
【0105】
上述のベース26は、被覆壁5bの長孔5dのX方向の両端部を被覆し、貫通穴26aを通じて長孔5dの中間部分を開放している。天板31、側板32及び被覆板33は、長孔5dにおける貫通穴26aを通じて開放された部分を被覆する。
【0106】
具体的に、一対の側板32は、ベース26のX方向の両端部にそれぞれ立設されている。各側板32には、タイミングベルト30を通すための挿通穴32aが形成されている。
【0107】
各天板31は、各側板32の端部からそれぞれ互いに近づく方向(X方向)に延びる。
【0108】
このように、長孔5d(ベース26の貫通穴26a)が被覆されることにより、長孔5d内に異物が侵入するのを抑制することができる。
【0109】
なお、ベース26、ブラケット27、天板31、側板32、及び被覆板33が長孔5dを被覆した状態で被覆壁5bに取り付けられているとともにタイミングベルト30及びタイミングプーリ29を保持する保持機構に相当する。
【0110】
以下、図3図13及び図14を参照して、超音波発生器16及び冷却ジャケット17に対する電力及び冷却用のエアを供給するための構成について説明する。
【0111】
スリップリング8は、図3図14に示すように、図外の電源を回転軸L1を中心として回転する超音波発生器16に対して電気的に接続するのを許容する。具体的に、スリップリング8は、駆動軸支持部材2に固定された固定側端子保持部34と、駆動軸4に固定され、固定側端子保持部34に対して回転軸L1を中心として回転可能な回転筒部35とを備えている。
【0112】
固定側端子保持部34は、図外の電源に接続された複数の固定側端子34aを有する。回転筒部35は、固定側端子保持部34に対して回転している状態においても複数の固定側端子34aと電気的に接続された状態を維持する複数の回転側端子35aを有する。固定側端子34aと回転側端子35aとは、一対一で電気的に接続されている。具体的に、固定側端子保持部34は、固定側端子34aと電気的に接続された導電性の接触部(図示せず)を有し、回転筒部35は、回転側端子35aに電気的に接続された接触部(図示せず)を有し、両接触部が互いに接触した状態で、回転筒部35は、固定側端子保持部34に対して回転可能である。各回転側端子35aには、それぞれ電線C1が接続され、各電線C1には、それぞれ超音波発生器16が接続されている。なお、複数の固定側端子34aは、固定側被接続部を構成し、複数の回転側端子35aは、回転側被接続部を構成する。
【0113】
ロータリジョイント9は、図外のエア源を回転軸L1を中心として回転する冷却ジャケット17に接続するのを許容する。具体的に、ロータリジョイント9は、カバー60を介して駆動軸支持部材2に固定された固定本体36と、駆動軸4に固定され、固定本体36に対して回転軸L1を中心として回転可能な回転本体37とを備えている。
【0114】
固定本体36は、カバー60を介してスリップリング8の固定側端子保持部34に固定されている。また、固定本体36は、図外のエア源に接続された固定側接続部36aを有する。回転本体37は、支柱61を介してスリップリング8の回転筒部35に固定されている。また、回転本体37は、固定本体36に対して回転している状態においても固定側接続部36aに接続された状態を維持する回転側接続部37aを有する。具体的に、固定本体36は、固定側接続部36aに接続された通路(図示せず)を有し、回転本体37は、回転側接続部37aに接続された通路(図示せず)を有し、両通路が互いに連通された状態で、回転本体37は、固定本体36に対して回転可能である。回転側接続部37aには、エア配管C2が接続されている。
【0115】
図13及び図14に示すように、電線C1及びエア配管C2は、回転軸L1に沿って駆動軸4を貫通する貫通穴4bを通じて駆動軸4の基端部から先端部まで配索されている。
【0116】
ここで、駆動軸4の先端部は、回転支持機構(円板5a、調整板5c、取付部18、及びシート支持部材44)の先端部E1と基端部E2との間の位置に配置されている。
【0117】
また、駆動軸4の先端部には、電線案内部材11及び配管接続部材12が設けられている。
【0118】
電線案内部材11は、駆動軸4の先端部から導出された電線C1を当該電線C1の接続先である10個の超音波発生器16のそれぞれに向けて案内する。また、電線案内部材11は、回転支持機構の先端部E1と基端部E2との間の位置に配置されている。
【0119】
具体的に、電線案内部材11は、図15に示すように、円筒状の案内部材本体38と、案内部材本体38の基端部から半径方向の外側に突出するとともにボルトB4によって駆動軸4に固定される固定部39とを備えている。
【0120】
案内部材本体38には、回転軸L1を中心とする周方向において超音波発生器16に合致する位置に設けられた10個の案内穴38aが設けられている。案内穴38aは、回転軸L1に沿った方向において案内部材本体38の基端部から途中部までの範囲のみに設けられている。電線C1は、案内穴38aを通じて当該電線C1の接続先となる超音波発生器16に案内されている。
【0121】
配管接続部材12は、駆動軸4の先端部から導出されたエア配管C2に接続されるとともに、エア配管C2から供給されたエアを分配したエア配管C3に導くためのものである。つまり、配管接続部材12及びエア配管C2、C3は、冷却ジャケット17とロータリジョイント9の回転側接続部37aとを接続するエア回路に相当する。また、配管接続部材12は、回転支持機構の先端部E1と基端部E2との間の位置に配置されている。
【0122】
具体的に、配管接続部材12は、図16に示すように、案内部材本体38に対して先端側から嵌合した接続部材本体40と、接続部材本体40から回転軸L1を中心とする径方向の外側に突出する10本の接続筒41とを備えている。なお、配管接続部材12には、10本の接続筒41以外に複数の接続筒が設けられているが、図16では、接続筒41以外の接続筒の図示を省略している。
【0123】
接続部材本体40は、案内部材本体38を通じて導かれたエア配管C2に接続された連通通路40aと、連通通路40aから回転軸L1を中心とする径方向の外側に延びるとともに接続筒41に連通する個別通路40bとを備えている。
【0124】
接続筒41は、回転軸L1と中心とする周方向において冷却ジャケット17に合致する位置に設けられている。
【0125】
したがって、エア配管C2を通じて導かれたエアは、連通通路40a、個別通路40b、及び接続筒41により分配され、接続筒41に接続されたエア配管C3を通じて冷却ジャケット17に導かれる。
【0126】
なお、冷却ジャケット17に設けられた2つの配管接続部のうちの一方は、エア供給用の接続部であり、他方は、エア排出用の接続部である。エア排出用の接続部は、このまま、あるいは図示しない消音器を介して大気に開放される。
【0127】
以上説明したように、前記実施形態により具体化された発明によれば、動力伝達機構7により駆動機構(カムドラム3及びカムフォロア23)による動力が逆向きの動力として錘(カムフォロア23及び保持部材24)及びアンビル15に分配されるため、アンビル15と同期して逆向きに保持部材本体24aを駆動することができる。
【0128】
これにより、アンビル15の駆動時に当該アンビル15の加速度の変化を保持部材本体24aの逆向きの加速度の変化によって相殺することができるため、超音波溶着装置1に生じる振動を低減することができる。
【0129】
したがって、アンビル15の移動に伴う騒音を低減することができる。
【0130】
前記実施形態によれば、カムフォロア23とアンビル保持機構21とを連結するためにタイミングベルト30を採用しているため、タイミングベルト30の可撓性をダンパとして利用してアンビル15の制動時及び始動時の衝撃を吸収することができる。これにより、前記衝撃に伴う振動を低減することができる。
【0131】
なお、前記実施形態では無端ベルトの一例としてタイミングベルト30を説明したが、無端ベルトはループ状のベルトであればよい。無端ベルトは、元々ループ状に形成されたベルトだけでなく、オープンベルトの両端部を接着、溶着、又はジョイント部材によって互いに結合することによりループ状に形成されたものも含む。
【0132】
前記実施形態によれば、タイミングベルト30及びタイミングプーリ29を保持する保持機構(ベース26、ブラケット27、天板31、側板32、及び被覆板33)を用いて長孔5dを被覆することができるため、カム溝3aに対する異物の侵入を防止することができる。
【0133】
なお、『長孔』はカムフォロア23の移動方向(X方向)の寸法が前記移動方向と直交する方向の寸法よりも長い孔を意味する。例えば、長孔は、トラック型、又は略長方形型の平面形状を有することができる。
【0134】
上述したように、回転軸L1を中心として180度対称となる位置に設けられた2つのアンビル15同士が互いに逆向きに同期して動作するようにカムドラム3を形成した場合、回転軸L1を中心として180度対称となる位置に設けられた2つのアンビル15の間で当該アンビル15の加速度同士の相殺及び保持部材本体24aの加速度同士の相殺を図ることができる。
【0135】
したがって、上述したアンビル15の加速度と保持部材本体24aの加速度との相殺と相俟って、超音波溶着装置1全体の振動をより効果的に低減することができる。
【0136】
前記実施形態により具体化された発明によれば、回転軸L1を中心とする同一円周上に配置された複数のシート支持部材44によってシートWを回転軸L1を中心とする円周上に支持することができる。
【0137】
さらに、取付機構(調整板5c及び取付部18)により複数のシート支持部材44の取付位置を回転軸L1を中心とする半径方向に調整することができるため、シート支持部材44が配置される円周の周長を容易に変更することができる。
【0138】
したがって、シート支持部材44の取付位置の調整という容易な作業でシートWに対する溶着位置の間隔を変更することができる。
【0139】
前記実施形態によれば、ホーン保持機構20にシート支持部材44が取り付けられているとともに取付部18がホーン保持機構20の取付位置を調整可能である。これにより、ホーン保持機構20の取付位置の調整に伴いシート支持部材44の取付位置の調整も行うことができるので、溶着位置の間隔の調整をより容易に行うことができる。
【0140】
さらに、前記実施形態では、ホーン保持機構20とアンビル保持機構21とがベース19を介して連結されているため、アンビル15、ホーン14、及びシート支持部材44の取付位置を一括して調整することができるので、溶着位置の間隔の調整は、極めて容易となる。
【0141】
前記実施形態では、シート支持部材44の支持部44aの表面が回転軸L1を中心とする周方向におけるホーン14の両側に設けられている。これにより、溶着位置の間隔を広げた場合(互いに隣接するホーン14同士が離れる場合)であっても、ホーン14の両側で、かつホーン14の隣接位置でシートWを支持することができる。これにより溶着時におけるシートWの姿勢が安定するため、溶着の精度が向上する。
【0142】
前記実施形態では、シート支持部材44が支持部44aと屈曲部44bとを有している。これにより、互いに隣接するシート支持部材44の屈曲部44b同士の間に両シート支持部材44の支持部44aよりも窪んだ凹部を形成することができる。そのため、シートWの溶着対象位置(溶着部S:図1参照)同士の間の厚みの大きな部分(吸収体Aが配置された部分:図1参照)を凹部内に収めることにより、当該シートWの厚みの大きな部分によってシートWの全体がシート支持部材44から浮き上がるのを抑制することができる。
【0143】
したがって、シート支持部材44によってシートWをより確実に支持することが可能となる。
【0144】
前記実施形態により具体化された発明によれば、ドラムの基端側に設けられた従来の駆動軸と異なり、駆動軸4が回転支持機構(円板5a、調整板5c、取付部18、シート支持部材44)の基端側の位置から回転支持機構の先端部E1と基端部E2との間の位置まで延長されている。これにより、ドラムを支持するために設けられた従来の固定軸を省略しながら、駆動軸4の途中部を駆動軸支持部材2によって支持することにより、回転支持機構を回転可能に支持することができる。
【0145】
また、従来の固定軸と異なり、駆動軸4の先端部が回転支持部材の先端面よりも基端側に退避している。これにより、回転支持機構、ホーン14、及びアンビル15に対して回転支持機構の先端側から容易にアクセスすることができる。
【0146】
さらに、駆動軸4の基端部に設けられたスリップリング8から、上述のように回転支持機構の先端部E1と基端部E2との間の位置まで延長された駆動軸4の内側(貫通穴4b)を、電線C1の配索経路として利用している。これにより、従来のようにドラムの外周側からホーンに電線を導く場合と異なり、電線C1の少なくとも一部を回転支持機構の内側を通して超音波発生器16まで導くことができる。
【0147】
したがって、スリップリング8とホーン14との間の電線C1の破損の抑制と回転支持機構、ホーン及びアンビルのメンテナンス性の向上とを両立することができる。
【0148】
なお、前記実施形態では、回転接続器の一例として、導電性を有する接触部同士が接触することにより固定側端子34aと回転側端子35aとが電気的に接続された状態を維持するスリップリング8を説明したが、回転接続器はスリップリング8に限定されない。例えば、回転接続器として、固定側端子保持部34と回転筒部35との間に導電性の液体金属が設けられたものを採用することもできる。
【0149】
前記実施形態では、超音波発生器16がシート支持部材44の支持部44aよりも回転軸L1側(内側)の領域に設けられている。これにより、電線C1の全体を回転支持機構の内側の領域に収めることができるので、より有効に電線C1の破損を抑制することができる。
【0150】
前記実施形態では、従来のようなドラムではなく、回転軸L1を中心とする同一円周上に配置された複数のシート支持部材44によってシートWを保持することができるため、シート支持部材44の内側のスペースを電線C1を配索するためのスペースとして利用することができる。
【0151】
前記実施形態によれば、電線案内部材11が設けられているため、駆動軸4の先端部から導出された電線C1を当該電線C1の接続先に案内することができる。これにより、複数本の電線C1を整理して超音波発生器16に導くことができる。
【0152】
しかも、電線案内部材11が回転支持機構(円板5a、調整板5c、取付部18、シート支持部材44)の先端部E1と基端部E2との間の位置に配置されているため、回転支持機構、ホーン14、及びアンビル15のメンテナンス性に影響を与えることなく複数本の電線C1を整理することができる。
【0153】
前記実施形態によれば、冷却ジャケット17とロータリジョイント9とを接続するエア回路の一部を構成するエア配管C2を、電線C1とともに駆動軸4内を通して駆動軸4の基端部から先端部まで導くことができる。
【0154】
そのため、エア配管C2を回転支持機構の外側を通して配索する場合と比較して、エア配管C2の破損を抑制することができる。
【0155】
なお、前記実施形態では、ホーン14を回転ドラム5に固定し、アンビル15をホーン14に対して移動可能な例について説明したが、アンビル15を回転ドラム5に固定し、ホーン14をアンビル15に対して移動可能な構成とすることもできる。
【0156】
前記実施形態では、カムフォロア23とアンビル保持機構21とを連結する構成としてタイミングベルト30及びタイミングプーリ29を採用した例について説明したが、カムフォロア23とアンビル保持機構21とをリンクを介して連結することもできる。
【0157】
前記実施形態では、ホーン保持機構20にシート支持部材44を取り付けた例について説明したが、回転ドラム5に直接シート支持部材44を取り付けることもできる。この場合、回転ドラム5とシート支持部材44との間に、回転軸L1を中心とする同一円周上にシート支持部材44の取り付けを許容し、かつ、回転ドラム5に対するシート支持部材44の取付位置を回転軸L1を中心とする半径方向に調整可能な取付機構が設けられていることが好ましい。
【0158】
前記実施形態では、支持部44aの表面(以下、支持面という)が回転軸L1を中心とする周方向におけるホーン14の両側に設けられている例について説明した。しかし、支持面は、周方向におけるホーン14の一方の側のみに設けられていてもよい。
【0159】
前記実施形態では、周方向におけるホーン14の両側にそれぞれ1つのシート支持部材44が設けられている例について説明した。しかし、ホーン14を開放するための穴が形成された1つのシート支持部材によって、周方向の両側に支持面を配置することもできる。
【0160】
前記実施形態では、超音波発生器16がシート支持部材44の支持部44aよりも回転軸L1側(内側)の領域に設けられている例について説明した。しかし、超音波発生器16は、支持部44aよりも外側に配置されていてもよい。例えば、前記実施形態におけるアンビル15の位置に超音波発生器16を配置した場合、図13の破線に示すように、電線案内部材11から導出された電線C4を互いに隣接する溶着ユニット6同士の間を通して超音波発生器16に接続することもできる。
【0161】
前記実施形態では、カムフォロア23及び保持部材24が錘として機能する例について説明した。しかし、この錘は、保持部材24とは別に設けられていてもよい。また、カムフォロア23のみが錘として機能するように構成することもできる。
【0162】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0163】
すなわち、本発明は、被溶着物を超音波溶着するための超音波溶着装置であって、予め設定された回転軸を中心として回転可能で、かつ、連続供給される前記被溶着物を前記回転軸を中心とする円周上で支持可能な回転支持機構と、前記回転軸を中心として回転可能となるように前記回転支持機構に取り付けられ、前記回転支持機構に支持されている前記被溶着物を挟むことにより当該被溶着物を溶着する少なくとも一対のホーン及びアンビルであって、前記ホーン及び前記アンビルのうちの一方の第1溶着器は、前記ホーン及び前記アンビルのうちの他方の第2溶着器との間で前記被溶着物を挟んだ位置と前記第2溶着器から離れた位置との間で前記第2溶着器に対して相対的に移動可能となるように前記回転支持機構に取り付けられた、少なくとも一対のホーン及びアンビルと、前記第1溶着器が前記第2溶着器に対して相対的に移動するように前記第1溶着器を駆動する駆動機構と、錘と、前記駆動機構による動力が前記第1溶着器及び前記錘に対して逆向きの動力として伝達されるように前記駆動機構による動力を分配する動力分配機構とを有する動力伝達機構とを備えている、超音波溶着装置を提供する。
【0164】
本発明によれば、動力伝達機構により駆動機構による動力が逆向きの動力として錘及び第1溶着器に分配されるため、第1溶着器と同期して逆向きに錘を駆動することができる。
【0165】
これにより、第1溶着器の駆動時に当該第1溶着器の加速度の変化を錘の逆向きの加速度の変化によって相殺することができるため、超音波溶着装置に生じる振動を低減することができる。
【0166】
したがって、第1溶着器の移動に伴う騒音を低減することができる。
【0167】
なお、本発明において『被溶着物を溶着』は、互いに対向する複数の被溶着物同士を溶着すること、及び、被溶着物を折り返して互いに対向する部分同士を溶着することを含む。
【0168】
前記動力分配機構は、例えば、互いに回動可能に連結された複数のリンクレバーによって構成することも可能である。しかし、リンクレバーのように高い剛性を有する部材を採用した場合、第1溶着器の制動時及び始動時の衝撃がそのまま駆動機構に伝達するため、この衝撃に伴う振動が生じるおそれがある。
【0169】
そこで、前記超音波溶着装置において、前記動力分配機構は、無端ベルトと、前記無端ベルトの2つの部分が互いに平行するように前記無端ベルトを架け渡すための複数のプーリとを有し、前記無端ベルトにおける前記2つの部分の一方が前記駆動機構に接続され、前記2つの部分の他方が前記第1溶着器に接続されていることが好ましい。
【0170】
この態様によれば、無端ベルトの可撓性をダンパとして利用して第1溶着器の制動時及び始動時の衝撃を吸収することにより、前記衝撃に伴う振動を低減することができる。
【0171】
なお、前記態様における『無端ベルト』は、ループ状のベルトであることを意味し、元々ループ状に形成されたベルトだけでなく、オープンベルトの両端部を接着、溶着、又はジョイント部材によって互いに結合することによりループ状に形成されたものも含む。
【0172】
具体的に、前記駆動機構は、カム溝が形成された外周面を有するカムドラムと、前記カム溝内に設けられているとともに前記無端ベルトに接続されたカムフォロアとを有し、前記超音波溶着装置は、前記回転支持機構に固定され、前記カムドラムに対して回転可能な状態で前記カムドラムの外周面を覆うとともに前記カム溝に沿った前記カムフォロアの移動を許容する長孔が形成された被覆壁をさらに備えた構成とすることができる。
【0173】
しかし、このように構成した場合、長孔を介してカム溝内に外部から異物が侵入するおそれがある。
【0174】
そこで、前記構成を前提として、前記動力分配機構は、前記長孔を被覆した状態で前記被覆壁に取り付けられているとともに前記無端ベルト及び前記複数のプーリを保持する保持機構を備えていることが好ましい。
【0175】
この態様によれば、無端ベルト及び複数のプーリを保持する保持機構を用いて長孔を被覆することができるため、カム溝に対する異物の侵入を防止することができる。
【0176】
なお、前記態様における『長孔』は、カムフォロアの移動方向の寸法が前記移動方向と直交する方向の寸法よりも長い孔を意味する。例えば、長孔は、トラック型、又は略長方形の平面形状を有することができる。
【0177】
前記超音波溶着装置において、前記第1溶着器及び前記第2溶着器の対は、偶数対設けられているとともに、前記回転軸を中心として等間隔に配置され、前記駆動機構は、前記回転軸を中心として180度対称となる位置に設けられた2つの第1溶着器同士が互いに逆向きに同期して動作するように前記第1溶着器を駆動することが好ましい。
【0178】
この態様によれば、回転軸を中心として180度対称となる位置に設けられた2つの第1溶着器の間で当該第1溶着器の加速度同士の相殺及び錘の加速度同士の相殺を図ることができる。
【0179】
したがって、上述した第1溶着器の加速度と錘の加速度との相殺と相俟って、超音波溶着装置全体の振動をより効果的に低減することができる。
【0180】
また、本発明は、被溶着物を超音波溶着するための超音波溶着装置であって、予め設定された回転軸を中心として回転可能で、かつ、連続供給される前記被溶着物を前記回転軸を中心とする円周上で支持可能な回転支持機構と、前記回転軸を中心として回転可能となるように前記回転支持機構に取り付けられ、前記回転支持機構に支持されている前記被溶着物を挟むことにより当該被溶着物を溶着する偶数対のホーン及びアンビルであって、前記ホーン及び前記アンビルのうちの一方の第1溶着器は、前記ホーン及び前記アンビルのうちの他方の第2溶着器との間で前記被溶着物を挟んだ位置と前記第2溶着器から離れた位置との間で前記第2溶着器に対して相対的に移動可能となるように前記回転支持機構に取り付けられた、ホーン及びアンビルと、前記第1溶着器が前記第2溶着器に対して相対的に移動するように前記第1溶着器を駆動する駆動機構とを備え、前記偶数対のホーン及びアンビルは、前記回転軸を中心として等間隔に配置され、前記駆動機構は、前記回転軸を中心として180度対称となる位置に設けられた2つの第1溶着器同士が互いに逆向きに同期して動作するように前記第1溶着器を駆動する、超音波溶着装置を提供する。
【0181】
本発明によれば、回転軸を中心として180度対称となる位置に設けられた2つの第1溶着器の間で第1溶着器の加速度同士の相殺及び錘の加速度同士の相殺を図ることができる。
【0182】
したがって、第1溶着器の移動に伴う振動と騒音を低減することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16