(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記青サブピクセルよりも多い数の前記赤サブピクセルが存在するか、または前記青サブピクセルよりも多い数の前記緑サブピクセルが存在する、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
それぞれの多機能ピクセルが、順番に互いに隣接して構成された赤サブピクセル、緑サブピクセル、および青サブピクセルを有する少なくとも1つの行または列を含む、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
それぞれの多機能ピクセルが、繰り返すパターンに構成された赤サブピクセル、緑サブピクセル、および前記少なくとも1つのセンサーのセンサーの種類を有する少なくとも1つの第2の行または第2の列を含む、請求項5に記載のディスプレイアレイ。
前記少なくとも1つのセンサーが、以下、すなわち、超音波センサー、赤外線センサー、光電センサー、および静電容量センサーから選択された複数の異なるセンサーの種類を含む、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
それぞれの多機能ピクセルが、前記少なくとも1つの赤外線センサーよりも多い数の前記少なくとも1つの超音波センサーを含む、請求項10に記載のディスプレイアレイ。
前記赤ディスプレイ領域、前記緑ディスプレイ領域、前記青ディスプレイ領域、および前記少なくとも1つのセンサーが、前記ディスプレイアレイの行に沿った繰返しのシーケンスにおいて離間される、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
前記赤ディスプレイ領域、前記緑ディスプレイ領域、前記青ディスプレイ領域、および前記少なくとも1つのセンサーが、繰返しのシーケンスにおいて離間される、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
前記赤ディスプレイ領域、前記緑ディスプレイ領域、前記青ディスプレイ領域、および前記少なくとも1つのセンサーが、前記複数の多機能ピクセルの各々において同じ位置に構成される、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
前記赤ディスプレイ領域、前記緑ディスプレイ領域、前記青ディスプレイ領域、および前記少なくとも1つのセンサーが、共通基板上に構成される、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
前記少なくとも1つのセンサーが、前記赤ディスプレイ領域、前記緑ディスプレイ領域、および前記青ディスプレイ領域とは異なるフレームレートを有する、請求項1に記載のディスプレイアレイ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
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図1】本開示の一実施形態による多機能ピクセルの分解斜視図である。
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図2A】多機能ピクセルのその他の実施形態の分解斜視図である。
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図2B】多機能ピクセルのその他の実施形態の分解斜視図である。
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図2C】多機能ピクセルのその他の実施形態の分解斜視図である。
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図3A】多機能ピクセルまたはピクセルディスプレイアレイで使用され得る光および/または音響レンズを示す図である。
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図3B】多機能ピクセルまたはピクセルディスプレイアレイで使用され得る光および/または音響レンズを示す図である。
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図3C】多機能ピクセルまたはピクセルディスプレイアレイで使用され得る光および/または音響レンズを示す図である。
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図4A】多機能ピクセルデバイスと組み合わされたプラテンおよびレンズ構成を示す図である。
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図4B】多機能ピクセルデバイスと組み合わされたプラテンおよびレンズ構成を示す図である。
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図4C】多機能ピクセルデバイスと組み合わされたプラテンおよびレンズ構成を示す図である。
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図4D】多機能ピクセルデバイスと組み合わされたプラテンおよびレンズ構成を示す図である。
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図5】モバイルデバイスの例示的な実施形態のブロック図である。
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図6】多機能ピクセルディスプレイアレイを含むディスプレイデバイスで使用され得る超音波センサーアレイのブロック図である。
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図7】多機能ピクセルまたはピクセルアレイを利用し得るデバイスを示す図である。
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図8】一部が拡大された多機能ピクセルのアレイを含む視覚的なディスプレイを示す図である。
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図9】ディスプレイピクセルと交互に並んだ多機能ピクセルのアレイを含む別の視覚的なディスプレイを示す図である。
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図10】多機能ピクセルおよびディスプレイピクセルのアレイを含む別の視覚的なディスプレイを示す図である。
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図11A】多機能ピクセルの様々な構成を示す図である。
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図11B】多機能ピクセルの様々な構成を示す図である。
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図11C】多機能ピクセルの様々な構成を示す図である。
【
図11D】多機能ピクセルの様々な構成を示す図である。
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図11E】多機能ピクセルの様々な構成を示す図である。
【
図11F】多機能ピクセルの様々な構成を示す図である。
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図12】多機能ピクセルを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図13】多機能ピクセルを動作させる方法を示す流れ図である。
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図14A】多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す図である。
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図14B】多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す図である。
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図14C】多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す図である。
【
図14D】多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す図である。
【
図14E】多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す図である。
【
図14F】多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す図である。
【
図14G】多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す図である。
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図14H】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
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図14I】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14J】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14K】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14L】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14M】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14N】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14O】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14P】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14Q】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14R】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14S】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14T】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14U】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14V】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14W】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14X】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14Y】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14Z】多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14AA】多機能ピクセル内のセンサーのさらなる構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14AB】多機能ピクセル内のセンサーのさらなる構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14AC】多機能ピクセル内のセンサーのさらなる構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14AD】多機能ピクセル内のセンサーのさらなる構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図14AE】多機能ピクセル内のセンサーのさらなる構成およびセンサーの種類を示す図である。
【
図15A】多機能ピクセルに関連して使用され得る様々なセンサーを示す図である。
【
図15B】多機能ピクセルに関連して使用され得る様々なセンサーを示す図である。
【
図15C】多機能ピクセルに関連して使用され得る様々なセンサーを示す図である。
【
図15D】多機能ピクセルに関連して使用され得る様々なセンサーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、本明細書においてはセンサーと呼ばれる感知要素が本明細書においてはディスプレイピクセルまたはサブピクセルと呼ばれるディスプレイ要素の間に配置され、ディスプレイピクセルおよびセンサーが視覚的なディスプレイの一部を形成するインセルディスプレイデバイスを説明する。本明細書において使用されるとき、語句「インセル」は、視覚的なディスプレイデバイスのための多機能ピクセルを集合的に構成するディスプレイ要素と一緒に物理的に配置される1つまたは複数のセンサーを指す。そのような構成は、概して、色(たとえば、赤、緑、および青、または赤、緑、青、および黄色)を生成するための1つまたは複数のディスプレイサブピクセルと、光検出器もしくはフォトニックセンサーと呼ばれる可能性もある(可視光センサーもしくは赤外線光センサーである可能性がある)光電センサー、(音もしくは音響放射を検出するための音響センサーである可能性がある)超音波センサー、(超音波センサー、力センサー、圧力センサー、温度センサー、音響センサー、もしくは音響放射センサーである可能性がある)圧電センサー、(赤外線センサー、もしくは熱センサーと呼ばれることもある温度センサーである可能性がある)焦電センサー、または静電容量センサーなどの1つまたは複数のセンサーとを有する多機能ピクセルをもたらし、それらのセンサーのうちの1つまたは複数は、視覚的なディスプレイの近くのまたは視覚的なディスプレイに接触している物体を検出するために使用され得る。そのようなピクセルは、ディスプレイピクセルよりも多くの構成要素および機能を含むので、本明細書においては多機能ピクセルまたは「スーパーピクセル」と呼ばれる。可視光センサーは、実質的に約400nm(ナノメートル)から約700nmまでの間の波長の帯域の可視光を検出し得る。赤外線光センサーは、実質的に約700nmから約1400nmまでの間の波長の帯域の近赤外光を検出し得る。本明細書においては赤外線センサーと呼ばれる焦電センサーは、赤外線、温度、または熱エネルギーを検出し得る。
【0009】
視覚的なディスプレイテクノロジーを1つまたは複数のセンサーと組み合わせることは、視覚的なディスプレイの上もしくは近くに配置された指、スタイラス、もしくはその他の物体の使用によってタッチスクリーン動作を行うか、またはディスプレイ上に置かれた指からの指紋情報もしくはその他の生体情報を獲得する能力などの利点を提供する。使用され得る特定の種類のセンサーは、超音波センサーである。超音波センサーによって、指紋の隆線および谷線を含む指紋などの生体の対象についての生体情報が取得され得る。超音波センサーは、ディスプレイのカバーガラスである可能性があるプラテンの表面に配置された指に向かって超音波パルスを放射し、プラテン表面から反射された超音波エネルギーを検出することによって指紋についての情報を取得することができる。
【0010】
超音波センサーと視覚的なディスプレイテクノロジーとの組合せは、視覚的なディスプレイの表面に対する直接的なタッチパッドまたはタッチスクリーン操作の利点を提供する。高解像度の指紋の撮像が、多機能ピクセルのアレイまたはサブアレイを有するディスプレイ(たとえば、プラテン)のすぐ上に指が配置されるようにして実行され得る。スタイラスまたはスタイラスの先端が、多機能ピクセルの上または近くに配置されるときに検出され得る。圧電センサー、焦電センサー、光電センサー、または静電容量センサーなどの様々な感知テクノロジーが、多機能ピクセルに含まれ得る。多機能ピクセルは、ディスプレイピクセルおよび静電容量センサーを含み得る。静電容量センサーは、たとえば、指またはその他の物体の存在を静電容量により検出し得る。光電センサーは、たとえば、ディスプレイデバイスに向けられるレーザーポインタからの可視光放射を検出し得る。光電センサーは、たとえば、赤外線遠隔操作デバイスからの信号を検出し得る。赤外線センサーは、たとえば、赤外線遠隔操作デバイス、または赤外線レーザーポインタなどの赤外線光源からの信号を検出し得る。
【0011】
超音波センサー、光電センサー、赤外線光センサー、焦電赤外線センサー、または静電容量センサーは、多機能ピクセルまたはディスプレイアレイの近くまたは上にある手またはその他の物体の様々なジェスチャを検出するために使用され得る。さらなる利点が、多機能ピクセルの一部またはすべてのセンサーの種類の組合せを用いることによって実現され得る。たとえば、センサーアレイの多機能ピクセルの一部は、超音波センサーを有する可能性があり、一部は、焦電センサーを有する可能性があり、一部は、光電センサーを有する可能性があり、一部は、赤外線センサーを有する可能性があり、一部は、静電容量センサーを有する可能性がある。あるいは、多機能ピクセルは、2種類以上のセンサーを有する可能性がある。たとえば、多機能ピクセルは、ディスプレイピクセル、可視光または赤外線光を検出するための光電センサー、赤外線または温度エネルギーを検出するための赤外線センサー、および超音波または音響エネルギーを検出するための超音波センサーを含み得る。多機能ピクセルは、ディスプレイピクセル、光電センサー、および赤外線センサーを含み得る。多機能ピクセルは、ディスプレイピクセル、光電センサー、および静電容量センサーを含み得る。多機能ピクセルは、ディスプレイピクセル、超音波センサー、および温度センサーを含み得る。ディスプレイピクセルおよび静電容量センサーが、光電センサー、超音波センサー、音響放射センサー、(超音波エネルギー、力、圧力、温度エネルギー、音響エネルギー、もしくは音響放射を検出するための)圧電センサー、または(赤外線もしくは温度エネルギーを検出するための)赤外線センサーなどの多機能ピクセル内の1つまたは複数のさらなるセンサーと組み合わされる可能性がある。ディスプレイピクセルおよび光電センサー(可視光または赤外線光)が、第2の光電センサー(可視もしくは赤外線)、超音波センサー、圧電センサー、赤外線センサー、または静電容量センサーなどの1つまたは複数のさらなるセンサーと組み合わされる可能性がある。ディスプレイピクセルおよび超音波センサーが、光電センサー、圧電センサー、赤外線センサー、または静電容量センサーなどの1つまたは複数のさらなるセンサーと組み合わされる可能性がある。ディスプレイピクセルおよび赤外線センサーが、超音波センサー、圧電センサー、または静電容量センサーなどの1つまたは複数のさらなるセンサーと組み合わされる可能性がある。上述のセンサーのその他の組合せが、多機能ピクセル内に配置される可能性がある。ディスプレイピクセル、光電センサー、および超音波センサー、または多機能ピクセルのディスプレイピクセルとセンサーとのその他の組合せが、共通の基板上に配置されるか、位置するか、またはその他の方法で置かれる可能性がある。ディスプレイピクセル、光電センサー、および超音波センサー、またはディスプレイピクセルとセンサーとのその他の組合せが、実質的に平面内にある可能性がある。一部の実施形態においては、圧電層を有する超音波センサーは、圧電層が赤外線エネルギーを吸収し、熱を検出するための焦電層としての役割も果たし得るので、赤外線センサーとしても働き得る。
【0012】
本明細書の文脈においては、圧電材料は焦電特性を呈する可能性もあることが認められる。したがって、「焦電」という用語が本明細書において使用されるときは、材料またはデバイスが焦電特性を呈する可能性もあることが示唆される。
【0013】
本開示は、(a)超音波、音響、圧電、力、圧力、光電、赤外線光、可視光、赤外線、焦電、温度、または静電容量センサーなどの少なくとも1つのセンサー、ならびに(b)LCDまたはOLEDディスプレイピクセルの3つのサブピクセル(赤、緑、および青)などの光を発するまたは光を制御するディスプレイピクセルを有する多機能ピクセルデバイスを説明する。たとえば、そのようなデバイスは、結果として得られる多機能ピクセルがディスプレイピクセルおよび1つまたは複数のセンサーを有するように、超音波センサー、赤外線センサー、光電センサー、圧電センサー、焦電センサー、または静電容量センサーなどの1つまたは複数のセンサーによって増強される赤、緑、および青サブピクセルを有する視覚的なディスプレイピクセルであると考えられる。この構成は、ディスプレイに接触する可能性がある物体に関するタッチまたは接触の情報の収集も行いながら視覚的な情報を表示するために使用され得る。ディスプレイが携帯電話、スマートフォン、またはその他のモバイルデバイスの一部として使用される場合、センサーによって提供されるタッチまたは接触の情報は、指紋、耳紋、またはディスプレイに接触するユーザの顔の側面などの生体情報に関連する可能性がある。ディスプレイは、外側のディスプレイの表面から間隔をあけられている物体を検出することができる可能性がある。このようにして、ディスプレイの表面と接触していないが、センサーのうちの1つまたは複数によって検出されるのに十分なだけディスプレイに近い物体から情報が取得される可能性がある。多機能ピクセルディスプレイアレイは、ディスプレイアレイの上または近くにある手または指などの物体のジェスチャを検出することができる可能性がある。本明細書で与えられる例は、教示の限られた数のあり得る応用であるにすぎない。本明細書の教示は、様々な異なる方法で応用され得る。
【0014】
説明される実施形態は、画像がテキストであるか、グラフィックスであるか、または写真であるかにかかわらず、画像(たとえば、静止画)または複数の連続的な画像(たとえば、ビデオ)を表示するように構成されるデバイスにおいて実装される可能性がある。より詳細には、本明細書の教示は、モバイルデバイス、ディスプレイデバイス、電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビ受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetoothデバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドもしくはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレイヤー、カムコーダ、ゲームコンソール、医療デバイス、ウェアラブル電子デバイス、モバイル健康管理デバイス、腕時計、時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読書デバイス(たとえば、eリーダ)、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットの制御装置および/もしくはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(たとえば、車両のリアビューカメラのディスプレイ)、または現金自動預け払い機などであるがこれらに限定されない様々な電子デバイスにおいて実装されるか、またはそのような電子デバイスに関連付けられる可能性がある。したがって、本明細書の教示は、当業者に容易に明らかであるように、単に図に示された実装に限定されるように意図されておらず、幅広い応用を有する。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態による多機能ピクセルの分解斜視図である。多機能ピクセル1は、タッチ対応、スタイラス対応、または指紋対応液晶ディスプレイ(LCD)を形成するために使用され得る。多機能ピクセル1は、2つの導電性電極の間に挟まれた圧電薄膜または層を有する圧電薄膜超音波トランスミッタ12に取り付けられたエッジライト式バックライトパネル10を含み得る。バックライトパネル10の超音波トランスミッタ12と反対側の表面上には、ガラスまたはプラスチック薄膜トランジスタ(TFT)基板16上のTFTアレイ14が取り付けられ得る。TFTアレイ14は、1つまたは複数の回路およびサブ回路によって構築される可能性がある。多機能ピクセル1は、1つまたは複数のLCDディスプレイサブピクセル18a〜cおよび複数のセンサー20を有するLCDディスプレイピクセル18を含み得る。ディスプレイサブピクセル18a〜cは、それぞれ、赤、緑、青色サブピクセルに対応する可能性がある。一部の実装において、センサー20aは、超音波センサーである可能性があり、センサー20bは、光電センサーである可能性があり、センサー20cは、赤外線センサーである可能性がある。超音波センサー20aまたは赤外線センサー20cを含むセンサー20は、TFTアレイ14上のピクセル入力電極として働く導電パッドに接着されるかまたはその他の方法で置かれ、たとえば、関連するセンサー回路の電界効果トランジスタ(FET)の入力に接着される圧電性高分子22の層に関連付けられる。超音波センサー20aは、圧電性高分子22とともに、赤外線または温度センサーとしても働く可能性がある。たとえば、圧電性高分子22は、焦電特性を呈する場合、赤外線センサーの一部として使用され得る。このようにして、超音波センサー20aは、超音波および赤外線信号を検出するために使用され得る。
【0016】
センサー20は、超音波センサー回路、音響センサー回路、圧電センサー回路、圧電力センサー回路、圧電圧力センサー回路、光電回路、光センサー回路、赤外線光センサー回路、焦電センサー回路、温度センサー回路、または静電容量センサー回路などの1つまたは複数のセンサー回路およびサブ回路を含み得る。光電センサー20bなどのセンサー20は、PINダイオードを用いて可視または赤外線光を受光し、その可視または赤外線光を電荷に変換し得る。赤外線光を遮断する可視光フィルタ(図示せず)または可視光を遮断する赤外線フィルタ(図示せず)が、それぞれ、可視光または赤外線光を感知するためにPINダイオード上に配置される可能性がある。一部の実装において、圧電性高分子22は、光を受光する光電センサー回路の能力に実質的に影響を与えずに光電センサー回路の上に配置され得る程度に十分に光を透過し得る。その他の実装において、圧電性高分子22は、光電センサー回路を覆わないように置かれる可能性がある。たとえば、そのような構成においては、圧電性高分子22が、光電センサー回路とプラテン32との間に存在しない可能性がある。静電容量センサーは、たとえば、静電容量の値の検出のための電荷増幅器、積分器、またはその他の静電容量感知回路に電気的に接続されたセンサー入力電極を有する可能性がある。
【0017】
別の実施形態において、圧電性高分子22は、静電容量センサーを覆う可能性がある。圧電層は、静電容量センサーへの入力のための誘電体層として働き得る。圧電層は、誘電破壊の可能性を最小化するために静電容量センサーの誘電絶縁層として働く可能性もある。TCF電極層21および/または23は、静電容量センサーの上で省略される可能性がある。代替的に、TCF電極層21、23は、電極を電気的に絶縁するように静電容量センサーの周辺にパターニングされ、エッチングされる可能性がある。一部の実装においては、圧電性高分子22などの圧電層が、超音波センサー、圧電センサー、焦電(赤外線もしくは温度)センサー、および/または静電容量センサーの一部として含まれる可能性がある。一部の実装において、圧電層は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリビニリデン−トリフルオロエチレン(PVDF−TrFE)共重合体の層などの一部の圧電層が可視および赤外線スペクトル領域で実質的に透過的であるので、光電光センサー(可視光または赤外線光)を覆い得る。一部の実装において、PVDFまたはPVDF−TrFE層は、LCDまたはOLEDディスプレイ要素の上に含まれる可能性がある。
図1に示されるように、ディスプレイピクセル18およびセンサー20の実質的な部分が、共通の基板上に配置されるかまたはそれ以外の方法で置かれる可能性がある。ディスプレイピクセル18およびセンサー20の実質的な部分は、実質的に同じ平面内にある可能性がある。
【0018】
図1は、ディスプレイピクセルおよびサブピクセルのための回路の上のTFTアレイ14上の液晶材料24の層を示す。一部の実装において、液晶材料24は、センサー回路の上に延びる可能性がある。液晶材料24に印加される電圧を制御することによって、バックライトパネル10からの光が、変化する量でディスプレイピクセルを通過することを可能にされ得る。圧電性高分子22は、液晶材料24の上および/または下で液晶材料によって境界を定められるかまたは部分的に境界を定められる可能性がある。たとえば、
図1は、液晶材料24の層の一部を圧電性高分子22の上にあるものとして示し、液晶材料の別の一部を圧電性高分子22の横にあるように示す。一部の実装においては、ポリイミドの薄層または被覆(図示せず)が、液晶材料の適切な配向を助けるために圧電性高分子22と液晶材料24との間に配置される可能性がある。
【0019】
図1は、液晶材料24の上に配置された透明導電薄膜(TCF: transparent conducting film)電極26も示す。TCF電極26は、ITO(インジウムスズ酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、FTO(フッ化スズ酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)、PEDOTもしくはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、または実質的に透明であり、導電薄膜として使用され得るその他の導電材料などの材料から形成され得る。たとえば、ITO層が、カラーフィルタアレイ28の一部として含まれ、超音波センサー20aのためのTCF電極26として働く可能性がある。超音波センサー20aのためのTCF電極26は、レシーババイアス電極とも呼ばれる可能性がある。
【0020】
TCF電極26は、センサー20およびディスプレイピクセル18のための共通電極として使用される可能性がある。
図1に示される例において、TCF電極26は、カラーフィルタアレイ28に貼り付けられる可能性がある。カラーフィルタアレイ28は、たとえば、それぞれのディスプレイピクセルのための赤、緑、および青色フィルタに対応する3つの個々のカラーフィルタ要素28a、28b、および28cを含み得る。カラーフィルタ要素28a、28b、および28cは、ガラスまたはプラスチック層などのカラーフィルタ基板28d上に形成されるかまたはその他の方法で置かれ得る。カラーフィルタアレイ28の上にあるのは、偏光フィルタ30である可能性がある。プラテン32が、カバーグラスまたはカバーレンズとしても働き得る最も外側の保護層として設けられる可能性がある。プラテン32は、耐摩耗ガラスまたはプラスチックの層から作られる可能性がある。
【0021】
そのようなディスプレイの視覚的な態様は、ほとんどのLCDディスプレイと同様にして動作し得る。TFTアレイ14とTCF電極26との間の電圧が、各ディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cがオンまたはオフになることを可能にする。各ディスプレイピクセル18は、個々のディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cの間の空間を通じて漏れる可能性があるバックライトパネル10からの望ましくない光を排除するために個々のサブピクセル18a、18b、および18cを囲むブラックマスク(図示せず)としても知られるブラックマトリックスを有する可能性がある。ブラックマスクは、センサーを通過するバックライトパネル10からの光の量を減らし、ディスプレイの暗状態の挙動を改善するために、超音波センサー20aまたはその他のセンサーの上または下などのセンサースタックの一部として配置される可能性がある。ブラックマスクは、ディスプレイのコントラスト比を高めるために発光型ディスプレイおよび反射型ディスプレイなどのその他のディスプレイの種類で使用される可能性がある。反射層(図示せず)が、バックライトパネル10からの光の向きをバックライトに戻る方向に変え、照明の効率を高めるために超音波センサー20aまたはその他のセンサーの下に配置される可能性がある。
【0022】
図2A〜
図2Cは、多機能ピクセルのその他の実施形態の分解斜視図である。これらの実施形態において、OLEDサブピクセルが、ディスプレイピクセル18を形成するために組み合わされる。多機能ピクセル2は、複数のセンサー20ならびに1つまたは複数のOLEDディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cを有するディスプレイピクセル18を有する可能性がある。圧電薄膜超音波トランスミッタ12が、TFTアレイ14のTFT基板16の背面に取り付けられる可能性がある。TFTアレイ14は、1つまたは複数の発光ディスプレイピクセルまたはディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cを有するディスプレイピクセル18を含み得る。
図2Aに示されるように、第1のTCF電極21、圧電性高分子22の層、および第2のTCF電極23が、関連するセンサー回路の上に配置されるが、ただし、ディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cの上には配置されない可能性がある。
図2Bに示される別の実施形態においては、第1のTCF電極21aが、センサー回路の上ならびにディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cの上に置かれる可能性がある。
図2Cに示される第3の実施形態においては、第1のTCF電極21aおよび第2のTCF電極23aが、センサー回路の上ならびにディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cの上に置かれる可能性がある。
【0023】
図2A〜
図2Cにおいては、光を透過する絶縁材料25が、3つのOLEDディスプレイサブピクセル18a〜cの上に示される。
図2Aに示される実施形態において、絶縁材料25は、OLEDディスプレイサブピクセル18a〜cをTCF電極21および23から絶縁する可能性がある。
図2B〜
図2Cに示される実施形態において、絶縁材料25は、OLEDディスプレイサブピクセル18a〜cをTCF電極23から絶縁する可能性がある。
【0024】
カラーフィルタアレイ28が、赤−緑−青の視覚的な表示色を可能にするために設けられ得る。プラテン32として働き得るカバーガラスが、物理的な摩耗および機械的な損傷からディスプレイデバイスを保護するために設けられ得る。各ディスプレイピクセル18は、個々のディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cの間の任意の空間を通じて漏れる可能性がある隣接するOLEDサブピクセルからの望ましくない光を排除するために個々のサブピクセルを囲むブラックマトリックスまたはブラックマスク(図示せず)を有する可能性がある。
【0025】
センサー20は、超音波センサー回路、音響センサー回路、圧電センサー回路、圧電力センサー回路、圧電圧力センサー回路、光電センサー回路、可視光センサー回路、赤外線光センサー回路、焦電赤外線センサー回路、温度センサー回路、または静電容量センサー回路などの1つまたは複数のセンサー回路およびサブ回路を含み得る。たとえば、センサー20aは、超音波センサー回路を含む超音波センサーである可能性があり、センサー20bは、光電センサー回路を含む光電センサーである可能性があり、センサー20cは、赤外線センサー回路を含む赤外線センサーである可能性がある。一部の実施形態において、圧電超音波センサー回路および焦電赤外線センサー回路は、ピーク検出器、バイアス回路、および圧電/焦電層の使用と多くの点で同様である可能性があるが、(
図14Aおよび
図14Bに関連してより詳細に説明される)外部バイアスおよびタイミング回路は、超音波センサーに関する反射された超音波信号を検出するためにタイミングウィンドウを用いる可能性があり、温度または赤外線エネルギーを検出するためにタイミングウィンドウ(および超音波トランスミッタの活動)を使用しない可能性がある。光電センサー20bの光電センサー回路は、超音波または赤外線センサーの一部の実装において使用されるピーク検出ダイオードおよびキャパシタをPIN型フォトダイオードによって置き換えることによって形成され得る。PIN型フォトダイオードは、可視または赤外線光を電荷に直接変換することができる。電荷として利用可能になると、TFTアレイ回路が、TFTアレイに関連する行および列アドレス指定回路を介して信号を出力するために使用され得る。
【0026】
当業者は、センサー回路およびセンサーの一部を含む様々な層がディスプレイスタック内の異なる層上に据えられ、同じまたは同様の機能を引き続き実現し得ることを認識するであろう。したがって、本明細書において説明される特定の構成は、インセルテクノロジーが実装され得る唯一の構成であると見なされるべきでない。
【0027】
図3A〜
図3Cは、多機能ピクセルまたはピクセルディスプレイアレイで使用され得る屈折光および/または音響レンズを示す。上述の多機能ピクセル1、2は、ディスプレイ上の特定の位置からのまたはディスプレイから離れるエネルギーをセンサー20のうちの1つまたは複数上に集めるように構成された1つまたは複数のレンズを含み得る。レンズは、赤外線もしくは可視エネルギーを集めるように構成された光学レンズである可能性があり、または超音波エネルギーを集めるように構成された超音波レンズである可能性がある。光学レンズが設けられる場合、超音波エネルギーを送るまたは受け取る圧電デバイスの能力に影響を与えずに赤外線エネルギーを集めることが可能である。しかし、圧電デバイスによって感知されている赤外線エネルギーを集めるための光学レンズを設けることは、視覚的なディスプレイによって生成されている画像を歪ませる可能性があることを認識されたい。
【0028】
図3A〜
図3Cは、多機能ピクセルで使用され得る屈折光および/または音響レンズを示す。上述の多機能ピクセル1、2は、ディスプレイ上の特定の位置からのまたはディスプレイから離れるエネルギーをセンサー20のうちの1つまたは複数上に集めるように構成された1つまたは複数のレンズを含み得る。レンズは、赤外線もしくは可視エネルギーを集めるように構成された光学レンズである可能性があり、または超音波エネルギーを集めるように構成された超音波レンズである可能性がある。光学レンズが設けられる場合、超音波エネルギーを送るまたは受け取る圧電デバイスの能力に影響を与えずに赤外線エネルギーを集めることが可能である。しかし、圧電デバイスによって感知されている赤外線エネルギーを集めるための光学レンズを設けることは、視覚的なディスプレイによって生成されている画像を歪ませる可能性があることを認識されたい。
【0029】
レンズ50の例が、
図3A〜
図3Cに示される。たとえば、レンズ50は、(
図3Aに示される)フレネルレンズ50a、(
図3Bに示される)平凸光学レンズ50b、または(
図3Cに示される)マイクロレンズアレイ50cである可能性がある。レンズ50は、センサーの焦点を近似的に無限遠に合わせるために使用され得る。一例においては、およそ長さ1/2インチ×幅1/2インチであり、厚さ1/50インチから1/16インチまでの間の厚さを有する光学レンズが、設けられる可能性がある。しかし、その他のサイズのレンズは、本開示の範囲内にある。レンズ50は、複数の光学的に位置合わせされたレンズ(図示せず)として具現化される可能性があることも想定される。そのような複数のレンズは、互いに対して固定的であるかまたは移動可能である可能性がある。
【0030】
図4A〜
図4Dは、多機能ピクセルデバイス36と組み合わされたプラテンおよびレンズ構成を示す。光学または音響レンズ50が、多機能ピクセルデバイス36の多機能ピクセル1、2の1つまたは複数の層の内または上に組み込まれる可能性がある。たとえば、レンズ50は、センサー20とプラテン32との間に配置される可能性がある。一部の実装においては、プラテン32が、レンズを含むかまたはレンズとして働く可能性がある。
図4Aは、実質的に平坦なプラテン32を有する構成を示し、この構成においては、多機能ピクセル1、2のセンサー20が、プラテン32の露出させられた表面上に配置された物体から放出するまたは反射されたエネルギーを検出し得る。
図4Bおよび
図4Cは、プラテン32aの最も外側の表面がレンズとして働き得る曲面を有する実施形態を示す。たとえば、
図4Bは、可視光または赤外線レンズとして働き得る凸プラテン32aを有する。
図4Bは、多機能ピクセル1、2によって指34を感知するための凸プラテン32aに押し付けられた指34を示す。そのような多機能ピクセル1、2が超音波センサー20aを含む場合、
図4Bにおいて、指34の超音波画像が、撮影され得る。
図4Bに示される構成によって撮影された超音波画像は、
図4Aに示された実施形態によって撮影された超音波画像と実質的に同様である可能性がある。
図4Cは、凸プラテン32aから離間された指34を示す。この凸プラテン32aは、指34が凸プラテン32aの外面から離れた、離間された位置にあるときに指34の焦点を合わされた画像を得るために超音波エネルギーまたは赤外線エネルギーを1つまたは複数の多機能ピクセル1、2上に集めることができる。このようにして、指34などの物体の画像が、多機能ピクセル1、2にさらなる層を追加することなく、可視光または赤外線センサーアレイによって撮影され得る。本開示の文脈で、「画像」という用語は、物体の画像を表す記憶されたデータおよび撮像センサーから導出された記憶されたデータとして具現化されたデータを含む。
【0031】
レンズは、多機能ピクセルデバイス36とは別である可能性もある。たとえば、
図4Dは、平坦なプラテンの上に配置されるかまたは平坦なプラテンに貼り付けられたフレネルレンズ50aをともなう多機能ピクセルデバイス36を示す。代替的に、フレネルレンズ50aは、プラテンとモノリシックに形成される可能性がある。フレネルレンズ50aが示されるが、任意の好適なレンズが使用され得る。レンズ50aは、プラテンから離れた位置の指34の焦点を合わされた画像を得るために赤外線または可視エネルギーを赤外線または光電センサー上に集めることができる。レンズ50aは、プラテンに固定される可能性があるが、多機能ピクセルデバイス36に対して相対的にずらされ得る可能性がある。たとえば、レンズ50aは、所定の位置にスライドするようにまたは多機能ピクセルデバイス36から取り外され得るように設けられる可能性がある。
【0032】
図4Bおよび
図4Cに示される凸プラテン32aは、ボタンとして使用するのに有利である可能性がある。ボタンは、現金自動預け払い機、電話、タブレットコンピュータなどのコンピュータデバイスのための入力である可能性がある。ボタンは、ユーザからの入力を登録するために定位置に固定されるかまたはずらされ得る可能性がある。固定されたボタンの場合、ボタンは、圧力を感知するか、または多機能ピクセル1、2のセンサーによってユーザの入力を判定するように構成され得る。ボタンは、アレイに構成された複数の多機能ピクセル1、2を含み得る。平坦なプラテン32が、上で説明された同じ方法でボタンとして使用され得る。一部の実装においては、凸プラテン32aの湾曲した形状が、その他のボタンを含むデバイスのその他の領域からボタンを区別するためにユーザに役立つ可能性がある。
【0033】
光学レンズが設けられない場合、プラテンから離間されている物体の詳細な画像を取得することが難しい可能性がある。たとえば、プラテンからおよそ6mmを超えて意味のある生体情報を提供するための必要な詳細を有する可視または赤外線画像を得ることは、難しい可能性がある。しかし、光学レンズなしに撮影された可視または赤外線画像は、プラテンの表面から離間された物体の存在または物体の移動を判定するのに十分な情報を提供する可能性がある。たとえば、物体の動きは、レンズなしに約0.01インチから約2.0インチまでの範囲内で感知され得る。その他の範囲は、多機能ピクセル1、2に設けられたセンサーまたは感知されている物体に依存して取得される可能性がある。
【0034】
上述の1つまたは複数の多機能ピクセル1、2は、医療デバイスなどのモバイルデバイスまたはモバイル電話などのコンシューマデバイスに含まれる可能性がある。
図5は、全体的に1500で示されるモバイルデバイスの例示的な実施形態のブロック図を示す。デバイス1500は、メモリ1532に結合されたデジタル信号プロセッサ(DSP)またはマイクロコントローラなどのマイクロプロセッサ1510を含み得る。例示的な例において、マイクロプロセッサ1510は、取得された画像または画像情報の特徴を特定するように構成された画像処理論理を含む。マイクロプロセッサ1510は、モバイルデバイスに割り当てられた様々なタスクを実行するように動作可能である可能性がある。特定の実施形態において、メモリ1532は、命令1560を含む非一時的コンピュータ可読媒体である可能性がある。マイクロプロセッサ1510は、モバイルデバイスに割り当てられたタスクを実行するためにメモリ1532に記憶された命令1560を実行するように構成され得る。別の例示的な例において、メモリ1532は、カメラ1570によって取得された可視画像を記憶する可能性がある。
【0035】
モバイルデバイス1500は、マイクロプロセッサ1510およびディスプレイデバイス1528に結合されたディスプレイコントローラ1526も含み得る。ディスプレイデバイス1528は、1つまたは複数の多機能ピクセル1、2を有する
図1または
図2A〜
図2Cに示されたインセルディスプレイデバイスに対応する可能性がある。コーダ/デコーダ(コーデック)1534が、マイクロプロセッサ1510に結合される可能性がある。1つまたは複数のスピーカ1536およびマイクロフォン1538が、コーデック1534に結合される可能性がある。特定の実施形態において、マイクロフォン1538は、音声を取得するように構成され得る。カメラ1570がビデオを取得する間に、マイクロフォン1538が音声を取得するように構成され得る。
【0036】
ワイヤレスコントローラ1540が、マイクロプロセッサ1510およびアンテナ1542に結合され得る。特定の実施形態において、マイクロプロセッサ1510、ディスプレイコントローラ1526、メモリ1532、コーデック1534、およびワイヤレスコントローラ1540は、システムインパッケージまたはシステムオンチップ(SOC)デバイス1522に含まれる。特定の実施形態においては、入力デバイス1530および電源1544が、システムオンチップデバイス1522に結合される可能性がある。モバイルデバイス1500がタッチスクリーンを含む例示的な例において、ディスプレイデバイス1528および入力デバイス1530は、1つまたは複数の多機能ピクセル1、2を有するインセルシステムを用いて少なくとも部分的に統合され得る。特定の実施形態においては、
図5に示されるように、ディスプレイデバイス1528、入力デバイス1530、スピーカ1536、マイクロフォン1538、アンテナ1542、電源1544、およびカメラ1570は、システムオンチップデバイス1522の外部にある。しかし、ディスプレイデバイス1528、入力デバイス1530、スピーカ1536、マイクロフォン1538、アンテナ1542、電源1544、およびカメラ1570の各々は、インターフェースまたは組み込まれたマイクロコントローラなどのシステムオンチップデバイス1522の構成要素に結合され得る。
【0037】
超音波センサーを備えるとき、1つまたは複数の多機能ピクセル1、2を含むディスプレイデバイス1528は、圧電薄膜超音波トランスミッタ12を含み得る。動作中、超音波トランスミッタ12は、プラテン32に向かい、プラテン32を通る、多機能ピクセル1、2の様々な層を抜けて進み得る超音波パルスを放出し得る。指34などのプラテン32上にある物体は、超音波エネルギーの一部を吸収する可能性があり、物体によって吸収されない超音波エネルギーの一部が、プラテン32を抜けて超音波センサー20aに戻るように反射される可能性がある。超音波センサー20aが受信する信号に注目することによって、物体についての情報が判定され得る。たとえば、物体が指34である場合、超音波センサーから導出される情報は、指紋の視覚的表現の生成を可能にし得る。導電トレースが、超音波センサー20aの超音波センサー回路を、超音波センサー20aによって生成された信号を読み出すことを可能にする電子部品と接続する可能性がある。
【0038】
図6は、多機能ピクセルディスプレイアレイを含むディスプレイデバイスで使用され得る超音波センサーシステムのブロック図を示す。
図6は、超音波センサーアレイ1601に関連する回路1600を示す。制御ユニット1610が、超音波トランスミッタ1620を介して超音波パルスを送るために超音波センサーアレイ1601に信号を送信する可能性がある。たとえば、制御ユニット1610は、超音波トランスミッタ1620を駆動するためにトランスミッタドライバ1624にトランスミッタ励起信号1622を送信する可能性がある。制御ユニット1610は、超音波センサーアレイ1601によって与えられた信号を読み出すための回路を作動させ得る。たとえば、制御ユニット1610は、超音波センサーアレイ1601のバイアスを制御するためにレシーババイアスドライバ1628にレベル選択入力1626を送信し得る。反射された超音波エネルギーが超音波センサーアレイ1601に到着すると予測される時間を知ることによって、制御ユニット1610は、指34(またはスタイラスなどのその他の物体)があるプラテン32から反射された超音波エネルギーに関連付けられるセンサー信号を読み出し得る。制御ユニット1610は、ゲートドライバ1627を介して超音波センサーアレイ1601を構成する多機能ピクセル1、2の読み出しを制御し得る。センサー信号が読み出されると、データプロセッサ1630が、センサー信号に対応するデジタル化されたデータセットを形成するために使用される可能性があり、このデータセットが、デジタル出力1640として提供される可能性がある。アナログデジタルコンバータなどのデジタイザ1629が、アナログである可能性があるピクセル出力をデジタル形式に変換するために設けられ得る。データプロセッサ1630は、デジタル信号プロセッサまたはその他の同様のプロセッサである可能性がある。
【0039】
(指34などの)物体がプラテン32上にある場合、物体に到達する超音波パルスまたは波はプラテン32から物体まで続き、そこでエネルギーが吸収される。たとえば、プラテン32に接触する指紋の隆線が、プラテン32を介して指34に送られた超音波エネルギーを実質的に吸収する。しかし、プラテン32に接触しない指紋の谷線があるところでは、超音波は、プラテン32を通って戻るように実質的に反射され、超音波センサーアレイ1601によって検出される。その他の電子部品が、超音波センサーアレイ1601から個々の行および列信号を読み出す可能性があり、データプロセッサ1630が、信号から導出されたデータを生成するために使用される可能性がある。そのデータは、物体の画像(たとえば、指紋の画像)を生成するために使用され得る。
【0040】
図7は、多機能ピクセルまたはピクセルディスプレイアレイを利用し得るデバイスを示す。多機能ピクセル1、2のアレイを有するディスプレイデバイスは、ラップトップコンピュータ1700、携帯電話1710、タブレットコンピュータ1720(たとえば、iPad(登録商標))、ゲームコンソール1730、および医療デバイス1740を含む可能性がある。
【0041】
図8は、一部が拡大された多機能ピクセルのアレイを含む視覚的なディスプレイを示す。視覚的なディスプレイ1800の拡大された部分1800aは、16個の多機能ピクセル1、2のディスプレイサブアレイ3を含む。この実装において、ディスプレイサブアレイ3の各ピクセルは、多機能ピクセル1、2である。動作の一部のモードにおいては、センサー20の1つまたは複数のセンサー回路が、オンにされる必要がない。このようにして、センサー解像度が、変更され得る。たとえば、多機能ピクセル1、2がディスプレイ1800のあらゆるその他の行およびあらゆるその他の列においてオンにされる場合、センサー解像度は、ディスプレイ1800の視覚解像度の4分の1になる。
【0042】
図9は、ディスプレイピクセルと交互に並んだ多機能ピクセルのアレイを含む別の視覚的なディスプレイを示す。この実装において、多機能ピクセル1、2は、感知機能を持たないかまたは感知機能を無効化したディスプレイピクセル4とのチェッカー盤パターンを有する2×2ディスプレイサブアレイ3に構成され、センサー解像度は、ディスプレイ1800の視覚解像度の2分の1である。
【0043】
図10は、多機能ピクセルおよびディスプレイピクセルのアレイを含む別の視覚的なディスプレイを示す。この実装においては、2つの多機能ピクセル1、2の2×2ディスプレイサブアレイ3が、感知機能を持たないかまたは感知機能を無効化するかもしくはそうでなければ考慮に入れない2つのディスプレイピクセル4の隣に置かれ、ディスプレイ解像度の半分であるセンサー解像度を有する。
【0044】
図11A〜
図11Gは、多機能ピクセルの様々な構成を示す。多機能ピクセルは、ディスプレイピクセル18を、1つまたは複数の超音波センサー20a、光電センサー20b、赤外線センサー20c、または静電容量センサー20dの組合せとともに含み得る。明確にするために、
図11A〜
図11Gには、多機能ピクセル1、2のすべての層が示されているわけではない。
図11Aにおいては、赤、緑、および青ディスプレイサブピクセル18a、18b、および18cをそれぞれ有するディスプレイピクセル18、超音波センサー20a、ならびに赤外線センサー20cを有するインセル多機能ピクセル1、2が示されている。
図11Bにおいては、赤、緑、および青ディスプレイサブピクセル18a〜cを有するディスプレイピクセル18、超音波センサー20a、ならびに光電センサー20bを有するインセル多機能ピクセル1、2が示されている。
図11Cにおいては、赤、緑、および青ディスプレイサブピクセル18a〜c、第1の超音波センサー20a、ならびに第2の超音波センサー20aを有するインセル多機能ピクセル1、2が示されている。
図11Dにおいては、赤、緑、および青ディスプレイサブピクセル18a〜c、超音波センサー20a、ならびに静電容量センサー20dを有するインセル多機能ピクセル1、2が示されている。
図11Eにおいては、赤、緑、および青ディスプレイサブピクセル18a〜18cを有するディスプレイピクセル18、光電センサー20b、ならびに静電容量センサー20dを有する多機能ピクセル1、2が示されている。
図11Fにおいては、赤、緑、および青サブピクセル18a〜cを有するディスプレイピクセル18、光電センサー20b、ならびに赤外線センサー20cを有する多機能ピクセル1、2が示されている。その他の実装(図示せず)は、ディスプレイピクセル、光電光センサー(可視光または赤外線光)、および静電容量センサー20dを有する多機能ピクセル1、2を含み得る。その他の実装は、ディスプレイピクセルと1つまたは複数のセンサーとのその他の組合せを含み得る。
【0045】
インセル多機能ピクセル1、2は、ディスプレイデバイスのディスプレイおよびその他の構成要素への電力の制御を可能にする信号を与えることを可能にし得る赤外線センサー20cを含み得る。たとえば、赤外線センサー20cは赤外線エネルギーおよび熱を検出し得るので、ディスプレイの上または近くに配置された人の指、手、頭、または耳からの熱が、ディスプレイに組み込まれた赤外線センサー20cによって検出され、ディスプレイデバイスの別の構成要素をオンまたはオフにする命令を与えるために解釈され得る。たとえば、超音波センサー20aの超音波センサー回路または光電センサー20bの光電センサー回路が、ディスプレイに近づいている人の手、指、頭、または耳からの熱の検出に応じてオンにされ得る。このようにして、超音波センサー20aに関連する超音波トランスミッタ12は、必要とされるまでオフのまま保たれ得る。一部の実装において、多機能ピクセル1、2は、多機能ピクセル1、2の近くまたは上の指またはその他の物体の存在を検出することができる可能性がある静電容量センサー20dを含み得る。一部の実施形態において、静電容量センサー20dによって検出された信号は、超音波トランスミッタ12および超音波センサー20aまたはディスプレイデバイスのその他の構成要素をオンにするための根拠として使用され得る。代替的に、静電容量センサー20dからの信号は、ディスプレイデバイスのためのタッチスクリーン入力を提供するために使用され得る。一部の実装においては、圧電材料の赤外線検出能力が、ディスプレイの表面上の指またはスタイラスなどのタッチする物体から最初のタッチイベントを検出するために使用される可能性があり、タッチする物体の詳細な位置を迅速に判定するためのタッチの近傍の様々なセンサーの適応的なスキャンがその後に続く。
【0046】
同様のメカニズムが、モバイルデバイスがユーザの命令を受け入れる準備ができていることを示すために視覚的なディスプレイを介してユーザに「ようこそメッセージ」またはその他のプロンプトを与えるようにプログラミングされるマイクロプロセッサに関連して使用され得る。マイクロプロセッサは、比較的アクティブでない状態に保たれ、ユーザがディスプレイを使用することを望むことをディスプレイのセンサーが示すときによりアクティブな状態にされ得る。たとえば、マイクロプロセッサは、電力を節約するために比較的アクティブでない状態に保たれている可能性があるが、必要とされるときには、プロンプトを提供するためによりアクティブな状態にされる可能性がある。このようにして、センサーアレイは、視覚的なディスプレイを介して届けられる応答を生成するために使用され得るイベントを検出し得る。
【0047】
図12は、多機能ピクセルを動作させる方法の1つの実装を示す流れ図である。インセル多機能ピクセル1、2の赤外線センサー20cは、熱を検出し、センサーによって感知される熱の量に比例する信号を送信し得る。信号は、閾値と比較される可能性があり、閾値が超えられる場合、超音波トランスミッタ12が作動される可能性がある。閾値が超えられない場合、超音波トランスミッタ12は、アクティブなままであるかまたは非アクティブ状態にされる可能性がある。同様にして、多機能ピクセル1、2の静電容量センサー20dは、指、スタイラス、またはその他の物体の近接を検出し、超音波トランスミッタ12を作動させるかまたは作動されたままにし得る。
【0048】
図13は、多機能ピクセルを動作させる方法の別の実装を示す流れ図である。インセル多機能ピクセル1、2の赤外線センサー20cは、熱を検出し、センサーによって感知される熱の量に比例する信号を送信し得る。信号は、閾値と比較される可能性があり、閾値が超えられる場合、超音波トランスミッタ12が作動される可能性がある。超音波トランスミッタ12を作動させることによって、超音波画像が、多機能ピクセル1、2の超音波センサー20aによって取得され得る。閾値が超えられない場合、超音波トランスミッタ12は、アクティブなままであるかまたは非アクティブ状態にされる可能性がある。同様に、多機能ピクセル1、2の静電容量センサー20dは、指、スタイラス、またはその他の物体の近接を検出し、超音波トランスミッタ12を作動させ、超音波画像を取得させ得る。
【0049】
図14Aおよび
図14Bは、多機能ピクセルディスプレイアレイを動作させるために使用され得る多機能ピクセルシステムの回路を示す。
図14Aは、LCDディスプレイ構成要素を有する多機能ピクセルディスプレイアレイ2001のための回路2000を示す。
図14Bは、OLEDディスプレイ構成要素を有する多機能ピクセルディスプレイアレイ2002のための回路2000を示す。回路2000は、列ドライバ回路2030を有するピクセルディスプレイアレイドライバ2020に信号を与えるようにプログラミングされたマイクロプロセッサ2010を含み得る。加えて、マイクロプロセッサ2010は、センサーアレイ読み出し回路2040を動作させるための信号を与えるようにプログラミングされ得る。タイミングバイアスおよびパルス生成制御回路2050が、たとえば、ディスプレイ回路2060および/またはセンサー回路2070のタイミングおよびバイアスを制御するために設けられる可能性がある。バイアスおよびパルス生成制御回路2050は、多機能ピクセルディスプレイアレイ2001、2002の行または列を選択するように構成され得る。圧電センサー、光電センサー、および焦電センサーの3つの組が
図14Aおよび
図14Bに示されているが、光電センサー、可視光線センサー、赤外線光センサー、赤外線センサー、超音波センサー、音響もしくは音響放射センサー、圧電力もしくは圧力センサー、温度センサー、または静電容量センサーを含む1つまたは複数のセンサーの種類が、ディスプレイアレイの1つまたは複数の多機能ピクセルに構成される可能性がある。
【0050】
多数の行選択線、列ドライバ線、およびセンサー読み出し線はディスプレイ要素を見ることを邪魔する可能性があるので、線の数を最小化する手法が有益である可能性がある。
図14Cは、それぞれ赤、緑、および青のための3つのサブピクセル18a、18b、および18cを有するLCDまたはOLEDディスプレイピクセルと、それぞれ超音波センサー、光電センサー、および静電容量センサーを表す3つのセンサー20a、20b、および20dとによって構成された多機能ピクセル1、2のディスプレイアレイ2001、2002に関する独立した行アドレス指定を示す。ディスプレイサブピクセルのためのビデオまたはディスプレイ入力線と、センサーのためのセンサー出力信号線とが、分けられる。この構成は、センサーの特定の行または列を無効化すること、考慮に入れないこと、切断すること、無視すること、有効化しないこと、アクセスしないこと、アドレス指定しないこと、またはその他の方法で度外視することによってディスプレイピクセルおよびセンサーに関して独立したフレームレートを可能にし、さらに、異なるセンサー解像度を可能にする。一実施形態において、多機能ピクセルディスプレイアレイの光電センサー、第2のセンサー、またはその他のセンサーのフレームレート、フレームサイズ、および解像度は、センサーの行および列のサブセットを決定し、それにアクセスすることによって調整可能であるように構成され得る。異なる実施形態においては、行選択線の数が、
図14Dに示されるように、共通の行選択線を用いてディスプレイ要素の行およびセンサー要素の行にアドレスすることによって削減され得る。さらに別の実施形態には、センサーに給電するかまたはセンサーをリセットするためのさらなる線が含まれる可能性がある。
【0051】
さらなる実施形態においては、
図14Eに示されるように、ビデオ入力線およびセンサー出力線の数が、同じ列線を用いてディスプレイピクセルを駆動し、センサー出力信号を感知することによって削減され得る。この実施形態においては、共通の列線が、ディスプレイピクセルの行が選択されている間にビデオ入力のために使用され、センサーの行が選択されるときにセンサー出力のために使用され得る。ディスプレイ列ドライバに関する高出力インピーダンスモードが、感知モードであるときに列線上のセンサー出力信号の正確な検出を可能にするために含まれる可能性がある。
図14Fに示される別の実施形態は、共通のディスプレイ/センサー行選択線および共通のビデオ入力/センサー出力列線を有する可能性がある。
図14Gに示される別の実施形態は、赤、緑、および青サブピクセル18a〜c、いくつかの超音波センサー20a、ならびに赤外線センサー20cのいくつかの組を有する多機能ピクセル1、2を示す。行および列アドレス指定が、ディスプレイ要素のためのディスプレイデータを提供し、センサー要素からセンサーデータを読むために使用される。超音波センサー20aが、適度に高い解像度の超音波撮像のために使用され得る一方、赤外線センサー20cは、粗い赤外線撮像のために使用され得る。粗い赤外線撮像は、たとえば、多機能ピクセル1、2の近くまたは上に配置された指からジェスチャを検出するかまたは熱を検出するために役立つ可能性がある。一部の実装において、粗い赤外線撮像は、超音波撮像のために超音波トランスミッタをオンにする前に物体の存在を検出するために使用され得る。
図14C〜
図14Gに示された実装などの一部の実装においては、行選択線および/または列駆動/感知線が、その他の制御線および電力線と一緒に、より少ない面積的なスペースを消費し、ディスプレイアレイを過度に遮ることを避けるために2つ以上の相互接続層に形成される可能性がある。たとえば、ディスプレイサブピクセルおよびセンサーの行のための第1の行選択線が、ディスプレイサブピクセルおよびセンサーの隣接する行のための第2の行選択線の真上に配置される可能性がある。
【0052】
図14H〜
図14Uは、多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す。これらの構成においては、赤−緑−青ディスプレイピクセル18の青サブピクセル18cの一部が、多機能ピクセルディスプレイアレイ2001、2002の一部として形成されるときに多機能ピクセル1、2内の様々なセンサーの位置およびセンサーの種類を可能にするために縮小される。青サブピクセル18cは、LCD、OLED、および反射型ディスプレイにおいて比較的効率的である可能性があり、したがって、青サブピクセルに割り振られる面積は赤サブピクセル18aまたは緑サブピクセル18bなどのその他のディスプレイサブピクセルに比べて削減され、ディスプレイの性能に実質的に影響を与えない可能性がある。超音波センサー20aが、
図14Hに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。超音波センサー20aおよび光電センサー20bが、
図14Iに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。超音波センサー20aおよび赤外線センサー20cが、
図14Jに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。超音波センサー20aおよび静電容量センサー20dが、
図14Kに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。超音波センサー20a、光電センサー20b、および赤外線センサー20cが、
図14Lに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。超音波センサー20a、光電センサー20b、および静電容量センサー20dが、
図14Mに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。超音波センサー20a、赤外線センサー20c、および静電容量センサー20dが、
図14Nに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。超音波センサー20a、光電センサー20b、赤外線センサー20c、および静電容量センサー20dが、
図14Oに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。さらなる構成においては、光電センサー20bが、
図14Pに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。光電センサー20bおよび赤外線センサー20cが、
図14Qに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。光電センサー20bおよび静電容量センサー20dが、
図14Rに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。光電センサー20b、赤外線センサー20c、および静電容量センサー20dが、
図14Sに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。さらなる構成においては、赤外線センサーが、
図14Tに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。赤外線センサー20cおよび静電容量センサー20dが、
図14Uに示されるように、多機能ピクセル1、2内に配置される可能性がある。明確にするために、アドレス、データ、および感知線は、これらの
図14H〜
図14Uに示されていない。
【0053】
図14V〜
図14Zは、青サブピクセル18cがディスプレイアレイ内の様々な場所においてセンサーによって置き換えられる、多機能ピクセル内のセンサーの様々な構成およびセンサーの種類を示す。言い換えれば、多機能ピクセル1、2によって青サブピクセルよりも多くの赤サブピクセルまたは緑サブピクセルが存在する。青サブピクセルは赤サブピクセルまたは緑サブピクセルなどのその他のサブピクセルよりも効率的である可能性があるので、青サブピクセルを時折センサーによって置き換えることは、ディスプレイの性能の最小限の低下をもたらす可能性がある。
図14Vは、多機能ピクセルディスプレイアレイ2001、2002の一部である可能性がある多機能ピクセル1、2のディスプレイサブピクセル18a〜cとともに超音波センサー20aを含む。
図14Wは、多機能ピクセル1、2の超音波センサー20aおよび光電センサー20bを含む。
図14Xは、多機能ピクセル1、2の超音波センサー20aおよび赤外線センサー20cを含む。
図14Yは、多機能ピクセル1、2の超音波センサー20aおよび静電容量センサー20dを含む。
図14Zは、多機能ピクセル1、2の超音波センサー20a、光電センサー20b、赤外線センサー20c、および静電容量センサー20dを含む。明確にするために、アドレス、データ、および感知線は、これらの
図14V〜
図14Zに示されていない。その他の構成(図示せず)は、多機能ピクセル1、2の超音波センサー20a、光電センサー20b、および赤外線センサー20c、または静電容量センサー20dと、多機能ピクセル1、2の超音波センサー20a、赤外線センサー20c、および静電容量センサー20dと、多機能ピクセル1、2の光電センサー20bと、多機能ピクセル1、2の光電センサー20b、および赤外線センサー20c、または静電容量センサー20dと、多機能ピクセル1、2の光電センサー20b、赤外線センサー20c、および静電容量センサー20dと、多機能ピクセル1、2の赤外線センサー20cと、多機能ピクセル1、2の赤外線センサー20cおよび静電容量センサー20dとを含む。
【0054】
図14AA〜
図14AEは、多機能ピクセル内のセンサーのさらなる構成およびセンサーの種類を示す。これらの構成は、赤、緑、および青サブピクセルが、1つまたは複数のセンサーとともに、おおよそ2×2構成またはその倍数に構成される様々な4つ組み構成を表す。これらの構成においては、青サブピクセルを駆動する代わりにセンサーデータが収集される可能性がある。代替的に、別々の駆動および/または感知線が、センサーに関連付けられる可能性がある。
図14AAは、4つの組の構成の超音波センサー20aおよびディスプレイサブピクセル18a〜cを有する多機能ピクセル1、2を示す。
図14ABは、超音波センサー20a、光電センサー20b、およびディスプレイサブピクセル18a〜cを有する多機能ピクセル1、2を示す。
図14ACは、超音波センサー20a、赤外線センサー20c、およびディスプレイサブピクセル18a〜cを有する多機能ピクセル1、2を示す。
図14ADは、超音波センサー20a、静電容量センサー20d、およびディスプレイサブピクセル18a〜cを有する多機能ピクセル1、2を示す。
図14AEは、超音波センサー20a、光電センサー20b、赤外線センサー20c、静電容量センサー20d、およびディスプレイサブピクセル18a〜cを有する多機能ピクセル1、2を示す。その他の構成は、ディスプレイピクセルを、1つまたは複数の超音波センサー20a、光電センサー20b、赤外線センサー20c、または静電容量センサー20d、およびこれらの組合せとともに含む。
【0055】
1つまたは複数のセンサーがそれぞれの多機能ピクセルにおいてディスプレイサブピクセルをちりばめられる実施形態、またはディスプレイサブピクセルおよびセンサー要素が示された量および位置以外の量および位置にある実施形態を有することもあり得る。
【0056】
多機能ピクセルディスプレイアレイのセンサー要素の解像度は、1つおきの行および1つおきの列にアクセスすること、行および列のサブセットをアドレス指定すること、または1つもしくは複数の行もしくは列のグループを飛ばすことによるなどして動作中に調整可能であるように構成され得るので、センサーからのデータ獲得のフレームレートも、調整可能であり得る。つまり、センサー要素に関するフレームレートは、ディスプレイ要素に関するフレームレートよりも高いか、同じか、または低い可能性がある。一例において、インセル静電容量センサーアレイのフレームレートは、ディスプレイ更新レートよりもずっと速い可能性があり、したがって、タッチまたはスタイラス入力データは、スタイラスの追跡のためなど、必要なときに高速なレートで獲得され得る。別の例においては、インセル超音波指紋センサーアレイのフレームレートが、指紋などの高解像度の生体情報の獲得を可能にするためにディスプレイ更新レートから下げられる可能性がある。センサーデータの獲得に関するフレームレートは、異なる応用によるセンサーデータの変化する必要性に基づき動的である可能性がある。フレームサイズは動的であり、たとえば、ディスプレイアレイの表面の上または近くのスタイラスまたはその他の物体のトラッキングを可能にするためにディスプレイアレイのより小さな部分からのセンサーデータの高速なアクセスを可能にし得る。動的なフレームサイズおよび動的なフレームレートが、ディスプレイアレイの上または近くの物体のジェスチャを検出するために使用され、ジェスチャの高速な追跡を可能にし得る。一部のモードにおいては、センサー要素の一部またはすべてが、少なくとも一時的に逆方向にアクセスされる可能性がある。動作の1つのモードにおいては、多機能ピクセルディスプレイアレイからのセンサーデータの獲得が、センサーデータが要求されず、一方、ディスプレイアレイのディスプレイ要素に対する更新が続くとき、一時的に中断される可能性がある。動作の異なるモードにおいては、LCDに基づくディスプレイアレイのバックライトが、ディスプレイアレイの光電センサーからのデータなどのセンサーデータが取得されることを可能にするためにオフにされるかまたは暗くされる可能性がある。
【0057】
ディスプレイ要素およびセンサー要素の独立したアクセスが提供される異なる実施形態においては、共通の行選択線または共通のビデオ入力およびセンサー出力線の使用が、ビデオまたはディスプレイ入力データを提供し、センサー出力データを獲得するタイミングおよび順序に制約を課す可能性があることもあり得る。たとえば、シーケンスは、第1にビデオデータを書き、第2にセンサー出力データを読み、それから繰り返すことである可能性がある。第2の例においては、ビデオまたはディスプレイデータが、複数の連続するフレームの間に書かれる可能性があり、1つまたは複数のセンサー獲得フレームが、必要とされるときに書込みフレームの間に挿入される。第3の例においては、ビデオまたはディスプレイデータが、ほぼ連続的に書かれる可能性があり、センサーデータは、ディスプレイデータが一時的に止むかまたはセンサーデータを獲得する必要性が生じるときに取得される。第4の例においては、ディスプレイアレイのセンサーが、非常に低いフレームレートで(たとえば、1秒、1分、1時間、またはそれよりも長い時間に1回)アクセスされる可能性があり、一方、ディスプレイは、ディスプレイがオンにされるかまたは何らかのその他のイベントが起こるまでオフである。
【0058】
図15Aは、
図14Aおよび
図14Bに示された多機能ピクセルシステムの多機能ピクセル1、2に関連して使用され得る超音波(圧電)センサー20aを示す。圧電センサーは、たとえば、比較的高い周波数の超音波信号、中程度の周波数の音響信号、または低い周波数の加えられた圧力もしくは力の信号を測定するために使用され得る。圧電センサーは、たとえば、指またはスタイラスがディスプレイアレイの表面をこするかまたは叩くときに放射される可能性がある音響放射を検出し得る。
図15Bは、
図14Aおよび
図14Bに示された多機能ピクセルシステムにおいて使用され得る赤外線(焦電)センサー20cを示す。焦電センサーは、たとえば、赤外線エネルギー、温度エネルギー、または熱を検出するために使用され得る。
図15Cは、
図14Aおよび
図14Bに示された多機能ピクセルシステムにおいて使用され得る光電センサー20bを示す。光電センサーは、たとえば、可視光または赤外線光を検出するために使用され得る。
図15Dは、多機能ピクセル1、2において使用され得る静電容量センサー20dを示す。静電容量センサー20dは、たとえば、多機能ピクセル1、2の上または近くに置かれた指などの物体からの静電容量または静電容量の変化を検出するために使用され得る。
【0059】
説明された実施形態に関連して、転送されるメディアアイテム(media item)のユーザの選択を受け取るためのシステムを含む装置が開示される。たとえば、メディアアイテムのユーザの選択を受け取るためのシステムは、
図1および
図2A〜
図2Cに示された多機能ピクセルなどの多機能ピクセル1、2を含むインセルシステムである可能性がある。メディアアイテムは、データがデジタルビデオ、音声、アート(art)などのデジタル形式で記憶されるデジタルメディアを含み得る。
【0060】
当業者は、本明細書において開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、構成、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップが、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれら両方の組合せとして実装され得ることをさらに理解するであろう。様々な例示的な構成要素、ブロック、構成、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能の観点で上で説明された。そのような機能がハードウェアとして実装されるかまたはソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課された特定の用途および設計の制約による。当業者は、説明された機能をそれぞれの特定の用途のために様々な方法で実装し得るが、そのような実装の判断は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきでない。
【0061】
本開示が1つまたは複数の特定の実施形態に関連して説明されたが、本開示のその他の実施形態が本開示の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることは、理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその妥当な解釈によってのみ限定されると考えられる。