特許第6228311号(P6228311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228311
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】低リソース利用を伴う高信頼性伝送方式
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/16 20060101AFI20171030BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20171030BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20171030BHJP
   H04L 1/08 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   H04L1/16
   H04W28/04 110
   H04L1/00 E
   H04L1/08
【請求項の数】37
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-541501(P2016-541501)
(86)(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公表番号】特表2017-509177(P2017-509177A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】SE2013051606
(87)【国際公開番号】WO2015094069
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2016年8月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】バルデマイア、ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】フォドル、ガボル
(72)【発明者】
【氏名】ガッタミ、アテル
(72)【発明者】
【氏名】パークヴァル、ステファン
【審査官】 谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/011545(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0051840(US,A1)
【文献】 特開平09−224017(JP,A)
【文献】 田中 宏和 他,Type-IハイブリッドARQ方式のフェージング通信路における特性に関する検討,電子情報通信学会技術研究報告 ,1996年 7月,Vol.96 No.182,p.7−12,DSP96-47
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/16
H04L 1/00
H04L 1/08
H04W 28/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動再送要求を適用する無線通信ネットワーク内の送信ノードにより実行される方法であって、
確認応答がなされる第1の送信モードにおいて、
−受信ノードへメッセージを送信すること(101)と、
−前記メッセージの遅延バジェットよりも短い時間内に、前記受信ノードにおける前記メッセージの又は前記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出すること(102)と、
−検出された前記標識に基づいて、第2の送信モードへと切り替えること(103)と、
前記第2の送信モードにおいて、
−前記メッセージ又はその一部を、複数回、メッセージ受信の確認応答を待つことなく、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過するまで再送すること(104)と、
を含み、
前記第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少する、
方法。
【請求項2】
前記メッセージに関連する後続の送信の間の時間インターバルは、前記第1の送信モードよりも前記第2の送信モードにおいてより短い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の送信モードは、連続的送信を含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の送信モードは、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過した際に終了する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
受信不成功の前記標識は、
−前記メッセージに関連する予め定義される数の否定応答(NACK)、又は、
−前記メッセージに関連する確認応答(ACK)の不在、
を含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
時間、周波数、符号、電力、送信ポイント、及び/又は計算リソースの観点で、前記第1の送信モードよりも多くのリソースが、前記第2の送信モードにおいて再送のために使用される、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第2の送信モードにおいて再送のために使用されるリソースは、前記受信ノードから受信される受信不成功に関連する情報に依存する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
自動再送要求を適用する無線通信ネットワーク内の受信ノードにより実行される方法であって、
第1の受信モードにおいて、
−メッセージ又は前記メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を、前記メッセージの遅延バジェットよりも短い時間内に検出すること(201)と、
−前記受信不成功を前記送信ノードへ指し示すこと(202)と、
−検出された前記受信不成功に基づいて、第2の受信モードへと切り替えること(203)と、
前記第2の受信モードにおいて、
−前記メッセージに関連する少なくとも1つの再送を、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過するまで受信すること(204)と、
を含み、
前記第1の受信モードは、受信不成功の標識の後の再送を含む、確認応答がなされる第1の送信モードに対応し、
前記第2の受信モードは、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなくなされる再送を含む第2の送信モードに対応
前記第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少する、
方法。
【請求項9】
前記第2の送信モードは、前記第1の送信モードよりも頻度の高い再送を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の送信モードは、連続的送信を含む、請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
受信不成功を前記送信ノードへ指し示すことは、前記第1の送信モードにおける受信成功を妨げる条件を指し示すこと、を含む、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第2の受信モードは、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過した際に終了する、請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
受信不成功の前記標識は、
−前記メッセージに関連する予め定義される数の否定応答(NACK)、又は、
−前記メッセージに関連する確認応答(ACK)の不在、
を含む、請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
時間、周波数、符号、電力、送信/受信ポイント、及び/又は計算リソースの観点で、前記第1の送信モードよりも多くのリソースが、前記第2の送信モードにおいて再送のために使用される、請求項8〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記第2の受信モードは、前記送信ノードへ送信される受信不成功に関連する情報に依存する、請求項8〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
自動再送要求を適用する無線通信ネットワークにおいて動作可能な送信ノード(700)であって、
プロセッサ(703)とメモリ(704)とを備え、前記メモリは、前記プロセッサにより実行可能な命令(705)を含み、それにより前記送信ノードは、
確認応答がなされる第1の送信モードにおいて、
−受信ノードへメッセージを送信し、
−前記メッセージの遅延バジェットよりも短い時間内に、前記受信ノードにおける前記メッセージの又は前記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出し、
−検出された前記標識に基づいて、第2の送信モードへと切り替え、
前記第2の送信モードにおいて、
−前記メッセージ又はその一部を、複数回、メッセージ受信の確認応答を待つことなく、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過するまで再送する、
ように動作可能であり、
前記第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少する、
送信ノード。
【請求項17】
前記メッセージに関連する後続の送信の間の時間インターバルは、前記第1の送信モードよりも前記第2の送信モードにおいてより短い、請求項16に記載の送信ノード。
【請求項18】
前記第2の送信モードは、連続的送信を含む、請求項16又は請求項17に記載の送信ノード。
【請求項19】
前記第2の送信モードを、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過した際に終了させる、ようにさらに動作可能である、請求項16〜18のいずれかに記載の送信ノード。
【請求項20】
受信不成功の前記標識は、
−前記メッセージに関連する予め定義される数の否定応答(NACK)、又は、
−前記メッセージに関連する確認応答(ACK)の不在、
を含む、請求項16〜19のいずれかに記載の送信ノード。
【請求項21】
時間、周波数、符号、電力、送信ポイント、及び/又は計算リソースの観点で、前記第1の送信モードよりも多くのリソースが、前記第2の送信モードにおいて再送のために使用される、請求項16〜20のいずれかに記載の送信ノード。
【請求項22】
前記第2の送信モードにおいて再送のために使用されるリソースは、前記受信ノードから受信される受信不成功に関連する情報に依存する、請求項16〜21のいずれかに記載の送信ノード。
【請求項23】
自動再送要求を適用する無線通信ネットワークにおいて動作可能な受信ノード(900)であって、
プロセッサ(903)とメモリ(904)とを備え、前記メモリは、前記プロセッサにより実行可能な命令(905)を含み、それにより前記受信ノードは、
第1の受信モードにおいて、
−メッセージ又は前記メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を、前記メッセージの遅延バジェットよりも短い時間内に検出し、
−前記受信不成功を前記送信ノードへ指し示し、
−検出された前記受信不成功に基づいて、第2の受信モードへと切り替え、
前記第2の受信モードにおいて、
−前記メッセージに関連する少なくとも1つの再送を、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過するまで受信する、
ように動作可能であり、
前記第1の受信モードは、受信不成功の標識の後の再送を含む、確認応答がなされる第1の送信モードに対応し、
前記第2の受信モードは、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなくなされる再送を含む第2の送信モードに対応
前記第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少する、
受信ノード。
【請求項24】
前記第2の送信モードは、前記第1の送信モードよりも頻度の高い再送を含む、請求項23に記載の受信ノード。
【請求項25】
前記第2の送信モードは、連続的送信を含む、請求項23又は請求項24に記載の受信ノード。
【請求項26】
前記第2の受信モードを、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過した際に終了させる、ようにさらに動作可能である、請求項23〜25のいずれかに記載の受信ノード。
【請求項27】
受信不成功の前記標識は、
−前記メッセージに関連する予め定義される数の否定応答(NACK)、又は、
−前記メッセージに関連する確認応答(ACK)の不在、
を含む、請求項23〜26のいずれかに記載の受信ノード。
【請求項28】
時間、周波数、符号、電力、送信/受信ポイント、及び/又は計算リソースの観点で、前記第1の送信モードよりも多くのリソースが、前記第2の送信モードにおいて再送のために使用される、請求項23〜27のいずれかに記載の受信ノード。
【請求項29】
前記第2の受信モードは、前記受信ノードから送信される受信不成功に関連する情報に依存する、請求項23〜28のいずれかに記載の受信ノード。
【請求項30】
自動再送要求を適用する無線通信ネットワークにおいて動作可能な送信ノード(800)であって、
−確認応答がなされる第1の送信モードにおいて、受信ノードへメッセージを送信する送信ユニット(804)と、
−前記メッセージの遅延バジェットよりも短い時間内に、前記受信ノードにおける前記メッセージの又は前記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出する検出ユニット(804)と、
−検出された前記標識に基づいて、第2の送信モードへと切り替えるための切り替えユニット(806)と、
を備え、
前記第2の送信モードにおいて、前記メッセージ又はその一部が、複数回、メッセージ受信の確認応答を待つことなく、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過するまで再送され、
前記第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少する、
送信ノード。
【請求項31】
前記送信ノードは、ユーザ機器、通信デバイス、センサ、アクチュエータ、タブレット、コンピュータ、無線通信可能なデバイス、無線基地局、eNB、ノードB、アクセスノード及び中継機、のうちの少なくとも1つである、請求項16及び請求項30のいずれかに記載の送信ノード(700,800)。
【請求項32】
自動再送要求を適用する無線通信ネットワークにおいて動作可能な受信ノード(1000)であって、
−第1の受信モードにおいて、メッセージ又は前記メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を、前記メッセージの遅延バジェットよりも短い時間内に検出するための検出ユニット(1004)と、
−前記受信不成功を前記送信ノードへ指し示すための指示ユニット(1005)と、
−検出された前記受信不成功に基づいて、第2の受信モードへと切り替えるための切り替えユニット(1006)と、
を備え、
前記第1の受信モードは、受信不成功の標識の後の再送を含む、確認応答がなされる第1の送信モードに対応し、
前記第2の受信モードは、前記メッセージの前記遅延バジェットが超過するまでメッセージ受信の確認応答を待つことなくなされる再送を含む第2の送信モードに対応
前記第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少する、
受信ノード。
【請求項33】
前記受信ノードは、無線基地局、eNB、ノードB、アクセスノード、中継機、又は、ユーザ機器、通信デバイス、センサ、アクチュエータ、タブレット、コンピュータ及び無線通信可能なデバイスのうちの少なくとも1つである、請求項23及び請求項32のいずれかに記載の受信ノード(900,1000)。
【請求項34】
送信ノードにおいて実行される場合に、前記送信ノードに請求項1〜のいずれかに記載の方法を実行させるコンピュータ読取可能なコード手段、を含むコンピュータプログラム(705)。
【請求項35】
請求項34に記載のコンピュータプログラム(705)を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項36】
受信ノードにおいて実行される場合に、前記受信ノードに請求項8〜15のいずれかに記載の方法を実行させるコンピュータ読取可能なコード手段、を含むコンピュータプログラム(905)。
【請求項37】
請求項36に記載のコンピュータプログラム(905)を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される解決策は、一般的に、高信頼性伝送に関し、より具体的には、再送方式に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モバイル通信システムの焦点は、インターネット接続性を提供するためのモバイルブロードバンドに当てられている。そうしたネットワークの最適化は、典型的には、スループット性能を改善するために行われる。それらネットワーク、及びより重要なものとして、適用される伝送方式は、極限までの信頼性と同時に極めて遅延が許されないアプリケーションのためには最適化されない。この文脈での信頼性とは、送信機ノードにより送信されるメッセージ又はパケットが受信機が当該メッセージを復号可能な形で何らかの時間インターバル以内に受信機へ到達するする確率をいう。
【0003】
高信頼性及び低遅延を要するアプリケーションの例は、多様なマシンタイプ通信(MTC)トラフィック、交通安全関連アプリケーション、遠隔保護(tele-protection)などの何らかのスマートグリッドアプリケーション、及び産業におけるプロセス制御である。
【0004】
LTE、HSPA(High Speed Packet Access)及び他の現代の無線通信システムは、システムの信頼性を改善するために、再送方式を適用する。
【0005】
単純な自動再送要求(ARQ)システムにおいて、送信機は、メッセージを送信し、及び、所定の時間内に確認応答(ACK)が受信されなければメッセージを再送する。古典的なARQ方式は、前方エラー訂正(FEC)を適用するのではなく、エラー検出のみを適用して受信機がメッセージの正確さを判定することを可能にする。ARQの図解が図3に示されている。図3において、メッセージの初回の送信(1stTX)及び2回目の送信(2ndTX)は、受信機により成功裏には受信されず、受信機は、否定応答(NACK)を送信する。3回目の送信(3rdTX)は成功裏に受信され、受信機によりACKで確認応答がなされる。
【0006】
ハイブリッドARQ(HARQ)は、ARQとFECとの組合せである。FECによって、受信機は、過度に壊れていない限りメッセージが破損していてもそれを復元できる可能性を有する。受信機は、メッセージの復元に失敗すると、否定応答(NACK)を送信機へ送信して再送を要求することになり、さもなければACKが送信される。適用されるHARQ方式に依存して、メッセージの再送は、もとの送信信号と同一の複製か、又はもとの送信信号の符号化ビットの相異なるサブセットかのいずれかである。後者は、増分冗長性(incremental redundancy)を伴うハイブリッドARQと呼ばれ、LTE及びHSPAにおいて適用される。
【0007】
ハイブリッドARQは、オプションとしてソフト合成(soft combining)を用いることができ、その場合、受信機は、以前に受信したデータビットと最新のそれらとを合成して、メッセージを復号する。ソフト合成は、例えば、HSDPA(high speed downlink packet access)ネットワーク及びLTEにおいて使用される。
【0008】
2つの送信/再送の間の最小の時間は、受信機が送信信号を受信して復号し、ACK又はNACKのいずれかである応答信号を生成して送信するために必要とされる時間と、送信機がその応答信号を受信して復号し、再送を準備するために必要とされる時間とにより与えられる。この時間を、再送ラウンドトリップ時間(RTT)という。
【0009】
LTEにおいて、送信時間インターバル(TTI)、即ち、上位レイヤにより把握される最小の時間単位は、1msである。LTE ULにおけるハイブリッドARQラウンドトリップ時間は、8TTI、即ち8msに固定されている。
【0010】
低遅延アプリケーションについて、パケット又はメッセージが伝達されなければならない時間は限られており、即ち、各パッケージについてある遅延Dのみが許容される。従って、低遅延アプリケーションにおいては、この限られた時間又は遅延内に、パケット又はメッセージの成功裏の受信が起こらなければならず、さもなければ、メッセージは時間切れとなり失われる。問題は、通常の再送方式を用いる場合に、限られた時間又は遅延Dの期間内に低遅延関連メッセージの信頼性のある伝達、即ち受信、を達成することである。
【発明の概要】
【0011】
ここで開示されるこの解決策は、低遅延/高信頼性の送信向けのリソース効率を改善するための伝送方式に関する。それは、通常の再送方式と共にメッセージ送信を開始することを提案する。例えば、遅延バジェットよりも小さい構成可能な時間の後であって、受信機からACKが受信されない場合、送信機は、より「アグレッシブな」送信モードの使用を開始する。この送信モードは、連続的送信(continuous transmission)、より高い電力での送信、より頻度の高い送信、より冗長的な送信などであり得る。喩えて言うならば、送信機は、例えば構成可能な時間の後に「パニック」になり始め、「シャウト」を開始する。
【0012】
開示される解決策によれば、第1の送信モードにおいて、メッセージのほとんどが、優に遅延バジェットの範囲内で、通常の再送方式を用いて送信機から受信機へと成功裏に伝達されるであろう。それらメッセージについて、不必要な再送は行われない。第1の送信モードにおいて通常の再送によって成功裏に受信されないわずかなメッセージのみについて、第2の送信モードが使用される。第2の送信モードでは、リソース効率が信頼性のために引き換えとなり、例えば受信成功の後でさえも、送信ノードがACKを受信するまで、データが送信され続ける。
【0013】
しかしながら、この手法で扱われるメッセージは少しだけであることから、システムレベルでの「リソースの浪費」は小さい。開示される解決策は、リソースの多大な過剰供給をすることなく、所与の遅延バジェットの範囲内で、メッセージの受信の信頼性を高める。
【0014】
開示される解決策の固有の利点は、高モビリティ又は高チャネル品質変動の状況における変化するチャネル状態に合わせて通信モードを動的に調整する能力である。例えば、送信機及び受信機が可変的なシャドウ条件を伴う領域内で移動する場合、開示される解決策は、適応的に最良の送信モードを使用することを支援する。
【0015】
第1の観点によれば、ARQ方式を適用するように動作可能な送信ノードにより実行されるべき方法が提供される。上記方法は、確認応答がなされる(acknowledged)第1の送信モードにおいて、受信ノードへメッセージを送信すること、を含む。上記方法は、上記メッセージの又は上記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出すること、をさらに含む。上記方法は、検出された前記標識に基づいて、第2の送信モードへと切り替えることと、第2の送信モードにおいて、上記メッセージ又はその一部を、複数回、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなく再送することと、をさらに含む。
【0016】
第2の観点によれば、ARQ方式を適用するように動作可能な受信ノードにより実行されるべき方法が提供される。上記方法は、第1の受信モードにおいて、メッセージ又は当該メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を検出すること、を含む。上記方法は、受信不成功を送信ノードへ指し示すことと、検出された受信不成功に少なくとも部分的に基づいて、第2の受信モードへと切り替えることと、をさらに含む。上記方法は、第2の受信モードにおいて、上記メッセージに関連する少なくとも1つの再送を受信すること、をさらに含む。第1の受信モードは、受信不成功の標識の後の再送を含む、確認応答がなされる第1の送信モードに対応し、第2の受信モードは、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなくなされる再送を含む第2の送信モードに対応する。
【0017】
第3の観点によれば、ARQ方式を適用するように動作可能な送信ノードが提供される。上記送信ノードは、確認応答がなされる第1の送信モードにおいて、受信ノードへメッセージを送信する、ように動作可能である。上記送信ノードは、受信ノードにおける上記メッセージの又は上記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出し、検出された標識に基づいて第2の送信モードへと切り替える、ようにさらに動作可能である。上記送信ノードは、第2の送信モードにおいて、上記メッセージ又はその一部を、複数回、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなく再送する、ようにさらに動作可能である。
【0018】
第4の観点によれば、ARQ方式を適用するように動作可能な受信ノードが提供される。上記受信ノードは、第1の受信モードにおいて、メッセージ又は当該メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を検出する、ように動作可能である。上記受信ノードは、受信不成功を送信ノードへ指し示し、検出された受信不成功に少なくとも部分的に基づいて第2の受信モードへと切り替える、ようにさらに動作可能である。上記受信ノードは、第2の受信モードにおいて、上記メッセージに関連する少なくとも1つの再送を受信する、ようにさらに動作可能である。第1の受信モードは、受信不成功の標識の後の再送を含む、確認応答がなされる第1の送信モードに対応し、第2の受信モードは、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなくなされる再送を含む第2の送信モードに対応する。
【0019】
第5の観点によれば、送信ノードにおいて実行される場合に当該送信ノードに上の第1の観点に係る方法を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【0020】
第6の観点によれば、受信ノードにおいて実行される場合に当該受信ノードに上の第2の観点に係る方法を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【0021】
さらなる観点によれば、上の第5及び第6の観点に係るそれぞれのコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
ここに開示される解決策の上述した及び他の目的、特徴並びに利点が、添付図面に例示されるような実施形態の以下のより具体的な説明から明らかとなるであろう。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、ここに開示される解決策の原理の描写に対し強調が加えられる。
図1】例示的な実施形態に係る送信ノードにより実行される方法のフローチャートである。
図2】例示的な実施形態に係る受信ノードにより実行される方法のフローチャートである。
図3】従来技術に係る確認応答がなされる再送方式を例示している。
図4】例示的な実施形態に係る第2の送信モードにおいて使用され得る連続的再送方式を例示している。
図5】例示的な実施形態に係る第1及び第2の送信モードにおける再送を例示している。
図6】例示的な実施形態に係る第1及び第2のモードにおける再送を例示している。
図7】例示的な実施形態に係る送信ノードを示している。
図8】例示的な実施形態に係る送信ノードを示している。
図9】例示的な実施形態に係る受信ノードを示している。
図10】例示的な実施形態に係る受信ノードを示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
セルラー通信において典型的に使用される通常の再送方式の、低遅延/高信頼性通信への適用は、次のことを示唆する:例えば、再送ラウンドトリップ時間(RTT)が送信時間インターバル(TTI)N個分である場合に、伝送媒体が、連続的にではなく、あり得るN個のスロットにつき1回のみ使用される。最小数Nは、受信機から送信機へとフィードバックを提供するために掛かる時間と、そのフィードバックを送信機が復号するために掛かる時間とに依存する。その結果、所与の遅延バジェットの期間中に、媒体はN分の1のみ使用される。この時間バジェットの最後にメッセージが成功裏に復号されていないとすれば、それは、媒体が利用可能な時間のN分の1しか利用されなかったこと、即ち可能であったエネルギーのN分の1しか伝達されなかったことの帰結であり得る。
【0024】
この欠点を克服するために、送信機は、完全な遅延バジェットの期間中に、受信機へと連続的に送信を行うことができる。これは、最大量のエネルギーが送信機から受信機へと伝達されることを保証し、よってリンクの信頼性が最大化される。連続的送信の欠点は、リソースがしばしば多く使用され過ぎることであり、受信機がメッセージを復号できた後には送信を続ける必要性は無い。
【0025】
妥協策は、確認応答(ACK)が受信されるまで連続的送信を行い、そして送信を止めることであろう。しかしその場合でも、受信機がメッセージを成功裏に復号した時刻から受信機により送信されたACKを送信機が復号できるまでの送信リソースが無駄であり、それが図4に例示されている。
【0026】
ここで、異なる送信戦略が適用される少なくとも2つのモード又はフェーズを用いる高信頼性及び低遅延のための伝送システムが開示される:
1)第1のフェーズ又はモードでは、標準的な再送システムが適用される。メッセージが送信されると、再送を行う前に、送信機はフィードバックを受信しておかなければならない。フィードバックが阻害され送信機により受信されない場合、それはNACKであると見なされ得る。
2)第2のフェーズ又はモードは、例えば、メッセージの遅延バジェットよりも短い構成可能な時間の後に受信ノードによりメッセージが成功裏に受信されなかったという標識が受信された場合に開始する。第2のフェーズでは、リソースの利用率増加という代償を払いつつも受信機による受信成功の可能性のより高い送信モードが使用される。この文脈におけるリソースとは、より多くの時間/周波数/符号/電力リソース、計算リソース、又は、より強力であって但し複雑な送信モードが使用される場合に送信機及び/若しくは受信機において消費されるエネルギーであり得る。
【0027】
開示される解決策の様々な実施形態によれば、標準的な送信モードから例えば連続的送信といった第2の送信モードへのモード切り替えは、次のような様々な条件によってトリガされることができる:
・送信機における、構成可能な数の立て続けのNACK
・パケットの送信成功についての予め定義されるタイムアウトの満了。これはACKを受信するためのタイムアウトである
・例えば受信機でのチャネル状態情報(CSIR)に基づく、受信ノードから受信されるメッセージによる明示的なトリガ
送信機は、例えば連続的送信といった第2の送信モードを停止し又は終了させる様々な可能性を有する。例は次の通りである:
・送信機は、N個の立て続けの成功裏のACKを検出した後に、通常の標準的な方法へと切り戻す
・送信機は、NACKメッセージが受信されない限り、時間Tの後に通常の送信方法へと切り戻す
【0028】
図5は、2つの送信フェーズ又はモードを含む簡単な例を概説している。第1のフェーズにおいて、メッセージ(1stTX)が送信され、ACKが受信されないことから当該メッセージは再送される(2ndTX)。構成可能な時間の後に、送信機は、第2のフェーズへと切り替わる。この例において、受信機からのフィードバックを待つ代わりに、送信機は、連続的な送信を開始する。今や媒体が連続的に使用されることから、伝達されるエネルギーは第2フェーズ内で最大化され、それによりリンクの見地からの受信確率も最大化される。
【0029】
さらに、図5において、第2フェーズの範囲内のいくらかの時間の後に、受信機は、メッセージを成功裏に受信し、ACKを送信する。フィードバックは、送信機へと伝播し及び送信機により復号されるための時間を必要とすることから、受信機でのメッセージの受信成功時から送信機でのフィードバックの受信時に、不必要な再送が生じ得ることは避けられない。このリソースの無駄は、受信確率、即ち信頼性の増加について支払われる代償である。
【0030】
他の変形例は、第2フェーズにおいて受信機がいかなるACKも送信せず、送信機がメッセージの有効性が失効するまで、即ち許容される遅延バジェットが超過するまで送信を行うことであろう。これにより一層多くのリソースが浪費されるが、送信プロトコルは簡略化される。
【0031】
第2フェーズ又はモードにおける連続的送信モードへの切り替えは、多くのあり得る例のうちの1つに過ぎない。他の例は、より多くのリソースを各送信に割り当て、コーディングレートを減少させることである。リソースは、例えば、時間、周波数、符号又は電力においてより多くであり得る。例えば、1つの可能性は、コードレートを変えることなく、増加した電力で送信を行うことである。
【0032】
他の可能性は、再送の間の時間インターバルを低減することである。極端なケースでは、これは連続的送信につながる。さらに、第2の送信モードにおいて、割り当てられる帯域幅が増加されてもよく、及び/又は、割り当てられるリソースが周波数ダイバーシティを増加させるために周波数領域において分散されてもよい。
【0033】
他の可能性は、変更された送信フォーマットを使用することである。例えば、ある送信の範囲内で、リファレンス信号の量及び/又はエネルギーを増加させて、チャネル推定を改善することができる。
【0034】
他の可能性は、より多くの送信及び/又は受信アンテナを使用し、第2の送信モードにおいてそれに応じてマルチアンテナ送信方式を変更することである。例えば、単一の送信アンテナが第1の送信モードにおいて使用されてよく、複数の送信アンテナがアンテナダイバーシティと共に第2の送信モードにおいて使用されてよい。
【0035】
他の可能性は、より複雑だがより処理が重くもある送信ストラテジーを使用することである。例えば、第1の送信モード又は第1フェーズは例えば畳み込み符号といった簡易な符号に基づいてよく、一方で、第2の送信モード又は第2フェーズにおける送信は例えば低密度パリティチェック符号(LDPC)又はターボ符号といった高度な符号に基づく。双方のフェーズにおいて、同じ量のリソース、例えば電力、時間、周波数、符号及びアンテナを使用することができる。違いは、コードレートが同じであるとすれば、高度な符号は簡易な符号よりも良好な性能を達成することである。費やされる送信リソースが同じであるとしても、送信機及び/又は受信機におけるエネルギー消費/計算リソースは、第1フェーズにおいて後続のフェーズよりも少ない。本発明のこの側面は、例えばバッテリー駆動のセンサといったエネルギー/処理に限りのある通信デバイスにとって特に興味深い。そうしたデバイスは、複雑さのより低い送信モードで開始し、ある時間の後にメッセージが受信されない場合にのみ、より複雑な送信モードが使用される。
【0036】
他の可能性は、第2フェーズ又は送信モードにおいてマルチパスダイバーシティを可能とすることであり、即ち、第1フェーズ又は送信モードでの数よりも、第2フェーズにおいて送信及び/又は受信ポイントの数がより多い。
【0037】
第2の送信フェーズにおいてフィードバック方式が使用されてもよく、但し、第2の送信フェーズにおいてフィードバックを使用せず、即ち、第2の送信フェーズが許容される遅延バジェットの最後にまで延長されることも可能である。
【0038】
上述した方式の全てが組み合わされてもよく、例えば、第2フェーズでの再送がより高い頻度で行われ、かつ各再送自体が第1フェーズよりも多くのリソースを含んでもよい。
【0039】
加えて、上記システムが、複数の送信フェーズ又はモードへと一般化されてもよい。例えば、3つ以上のフェーズを想起することができ、再送の間の時間長が1つのフェーズから次のフェーズへと減少する。図面での例について図6を参照されたい。
【0040】
ここで開示された送信システムを配備する、複数のユーザを伴うシステムにおいて、第2のフェーズ及び潜在的には他のより遅いフェーズの開始といったパラメータ、例えばリソースの量、再送インターバルなどのフェーズのパラメータは、ユーザごと又はユーザのグループごとに個別に設定されてもよい。例えば、ユーザをグルーピング可能であり、同じグループ内のユーザが同様の/等しい特性、例えば遅延及び信頼性でメッセージを送信する必要のある通信システムでは、同じグループ内のユーザが同様のパラメータで構成されてよい。より厳しいメッセージ要件を伴うグループ内のユーザは、「より良好な」パラメータで構成されてよい。
【0041】
送信フェーズの構成をユーザへとリンク付けする代わりに、メッセージ特性へのリンク付けがなされてもよい。これは、あるユーザが様々な特性でメッセージを送信できるとすれば有益である。このケースにおいて、メッセージタイプがグルーピングされてもよく、構成は、メッセージタイプごとではなくメッセージタイプグループごとに行われてもよい。
【0042】
ここで開示された方法を、リッチフィードバックと組み合わせることもできる。ACK又はNACKはメッセージの正確性を示す単一のビットに過ぎないことが多い。リッチフィードバックでは、その時点の受信ステータスについてより詳細なステータス、例えば受信機がメッセージを復号「間近」であるか否かなど、を伝達することできる。「間近」という判定は、例えばソフト値又はメッセージビットの対数尤度比に基づいてもよい。受信機がメッセージを復号するために十分な情報を既にほとんど有していることを、受信されたフィードバックが示す場合、次のフェーズへの遷移がより遅く生じてもよく、あるいは、第2フェーズでの送信モードは、他の場合に使用されるよりも少ないリソースを使用する。
【0043】
以下の段落において、ここで開示される解決策の様々な観点が、ある実施形態及び添付図面を参照しながらより詳細に説明されるであろう。限定ではなく説明の目的で、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定のシナリオ及び技法などの固有の詳細が説明される。しかしながら、他の実施形態がそれら特定の詳細から外れてもよい。
【0044】
[送信ノードにより実行される例示的な方法(図1)]
送信ノードにより実行される例示的な方法が、図1を参照しながら以下に説明されるであろう。送信ノードは、自動再送要求(ARQ)方式、即ち、例えばHARQといった再送のための方式を適用するように動作可能である。送信ノードは、例えば、LTE eNBなどの無線基地局(RBS)、アクセスノード、中継機、若しくは、例えばLTE UEなどのユーザ機器(UE)、センサ、アクチュエータ、通信デバイス、タブレット、コンピュータ、又は、無線通信可能な任意の他のデバイスであってよい。無線基地局は、代替的に、eNodeB、ノードB又は単に基地局と称されてもよい。
【0045】
図1が示している方法は、確認応答がなされる第1の送信モードにおいて、受信ノードへメッセージを送信すること101、を含む。当該方法は、受信ノードにおける上記メッセージの又は上記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出すること102、をさらに含む。当該方法は、検出された標識に基づいて、第2の送信モードへと切り替えること103と、第2の送信モードにおいて、上記メッセージ又はその一部を、複数回、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなく再送すること104と、をさらに含む。
【0046】
第1の送信モードは、ARQ又はHARQ方式といった、確認応答がなされる通常の再送手続によって特徴付けられる。メッセージの送信後に、送信機は、当該メッセージに関連するいかなる再送よりも前に、確認応答を待ち受ける。確認応答は、否定的又は肯定的であって、明示的又は暗黙的であり得る。暗黙的な否定応答の一例は、例えば、RTTに関連するメッセージの送信後のある時間ウィンドウにおけるACKの不在である。即ち、「受信不成功の標識を受信すること」という表現は、ACKの不在をNACKとして解釈することをも包含するものと見なされる。
【0047】
受信不成功の標識は、以下により詳細に説明する様々なものであってよく、又はそれらを含む。当該標識は、意図された受信機である受信ノードでの受信に関する。即ち、当該標識は、メッセージが受信ノードにおいて受信に失敗したことを指し示す。
【0048】
第2の送信モードへの切り替えは、検出された受信不成功の標識に基づいて行われる。第2の送信モードは、第1の送信モードと比較すると、遅延バジェット内で受信成功確率を増加させるために送信方式が変更されることにより特徴付けられる。これは、複数の手法で実装されることができ、それらは以下にさらに説明されるであろう。第2の送信モードにおいて、メッセージの再送は、肯定的であれ否定的であれ、メッセージ受信の確認応答の受信が無くとも、又はその受信の前に行われる。これは、確認応答がなされないモードとして言及されてもよく、但し、送信ノードがメッセージ若しくはその一部の再送前に確認応答を待ち受け又は受信することがないとしても、送信されたメッセージに対し受信ノードにより確認応答がなされてもよい。
【0049】
本方法は、信頼性が高く遅延が許されないアプリケーションのために、遅延バジェットの範囲内で受信成功確率を増加させる。
【0050】
例えば、メッセージに関連する後続の送信の間の時間インターバルが、第1の送信モードよりも第2の送信モードにおいてより短くてもよい。これは、例えば図5及び図6に示されている。第2の送信モードにおける再送間の時間インターバルもまた、時間にわたって減少してもよく、これは、第2及び第3の送信フェーズを第2の送信モードとして定義するならば図6に示されている。
【0051】
第2の送信モードにおけるより短い時間インターバルの極端なケースは、図4及び図5に示されている連続的送信であり、図6の第3の送信フェーズでも同様である。
【0052】
第2の送信モードは、受信ノードからの、メッセージに関連する少なくとも1つの受信成功の標識の受信時など、様々なイベントに基づいて終了してよい。代替的に又は追加的に、第2の送信モードへの切り替えからの時間Tの経過時に、例えばメッセージの初回の送信開始といったメッセージの送信からの時間T´の経過時に、又は予め定義される数のNACKの受信時に、第2の送信モードが終了してもよい。
【0053】
さらに、受信不成功の標識は、例えば、メッセージに関連する予め定義される数の1つ以上の否定応答(NACK)を含んでもよく、NACKは明示的であっても暗黙的であってもよい。代替的に又は追加的に、受信不成功の標識は、例えば受信側の復号ステータスに関する情報を含むリッチフィードバックを含んでもよく、及び/又は、第1の送信モードにおける受信成功を妨げる受信ノードでの条件の標識を含んでもよい。
【0054】
即ち、送信ノードは、受信ノードから明示的であれ暗黙的であれメッセージに関連する予め定義される数のNACKを受信した場合に第2の送信モードへと切り替えてよい。極端なケースでは、メッセージに関連する1つのNACKの受信後に早くも第2の送信ノードへと変更してもよい。但し、NACKの数は、例えば、RTT、送信の遅延感受性及び/又は遅延バジェットに基づいて決定され又は設定され得る。
【0055】
受信不成功の標識がリッチフィードバックを含む場合、第2の送信モードは、そのリッチフィードバックにより与えられる情報に基づいて適応され又は選択されてもよい。例えば、再送の間の時間は、受信ノードがどの程度まで受信メッセージの復号に成功しているかに依存してもよい。ACK又はNACKは、メッセージの正確性を示す単一のビットに過ぎないことが多い。しかしながら、リッチフィードバックでは、その時点の受信ステータスについてより詳細なステータス、例えば受信機がメッセージを復号「間近」であるか否かなど、を伝達することできる。「間近」という判定は、例えばソフト値又はメッセージビットの対数尤度比に基づいてもよい。受信機がメッセージを復号するために十分な情報を既にほとんど有していることを、受信されたフィードバックが示す場合、次のフェーズ/第2の送信モードへの遷移がより遅く生じてもよく、あるいは、第2の送信モードが他の場合に使用されるよりも少ないリソースを使用してもよい。
【0056】
第1の送信モードにおいて受信成功を妨げる受信ノードでの条件の標識は、例えば、チャネル状態情報(CSI)又はCSIから導出されるパラメータ若しくは情報を含むメッセージであってもよい。即ち、それは、受信ノードが実質的な干渉を被っていて、そのために送信ノードからのメッセージの受信の困難を経験している、といった標識であってもよい。
【0057】
例えば、時間、周波数、符号、電力、送信ポイント及び/又は計算リソースの観点で、第1の送信モードよりも多くのリソースが第2の送信モードにおいて再送のために使用されてもよい。即ち、より短い再送間の時間、より複雑な符号、複数アンテナからの送信、及び/又は他のダイバーシティといった、増加したリソースの使用が、メッセージをなんとかして受信ノードへ受け渡すため、即ち成功裏に受信させるために適用されてもよい。
【0058】
第2の送信モードにおいて再送のために使用されるリソースは、受信ノードから受信される受信不成功に関連する情報に依存してもよい。即ち、上述したように、リッチフィードバック情報は、成功裏の受信を達成するためにより多くの又はより少ないリソースが必要とされることを指し示してもよい。
【0059】
上で第1の送信モードを説明する際には明示的に言及しなかったものの、暗に開示されていると考えられることとして、第1の送信モードにおいてメッセージの送信及び再送のためにリソースは使用される。
【0060】
[受信ノードにより実行される例示的な方法(図2)]
受信ノードにより実行される例示的な方法が、図2を参照しながら以下に説明されるであろう。受信ノードにより実行される方法は、上述した送信ノードにより実行される方法に対応する。受信ノードは、自動再送要求(ARQ)方式、即ち、例えばHARQといった再送のための方式を適用するように動作可能である。受信ノードは、例えば、LTE UEなどのユーザ機器(UE)、センサ、アクチュエータ、通信デバイス、タブレット、コンピュータ、又は、無線通信可能な任意の他のデバイス、又は、LTE eNBなどの無線基地局(RBS)、アクセスノード若しくは中継機であってよい。
【0061】
図2が示している方法は、第1の受信モードにおいて、メッセージ又は上記メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を検出すること201、を含む。当該方法は、受信不成功を送信ノードへ指し示すこと202と、検出された受信不成功に少なくとも部分的に基づいて、第2の受信モードへと切り替えること203と、をさらに含む。当該方法は、第2の受信モードにおいて、上記メッセージに関連する少なくとも1つの再送を受信すること204、をさらに含む。第1の受信モードは、受信不成功の標識の後の再送を含む、確認応答がなされる第1の送信モードに対応し、第2の受信モードは、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなくなされる再送を含む第2の送信モードに対応する。図2は、アクション201において検出成功が検出されるケースも示している。メッセージが成功裏に受信される場合、受信ノードは、第2の受信モードへと切り替えるのではなく、図2のアクション205のように示されている次のメッセージの受信のための、例えば第1の受信モードとして表されている通常の受信モードのままでいるべきである。
【0062】
受信不成功を検出するアクションは、例えば、受信試行の不成功、最初の受信試行の不成功といったイベントからのある時間の経過、又は第1の送信モードにおける受信成功を妨げる受信ノードでの条件、のうちの1つ以上に関連し又は含んでもよい。
【0063】
「受信不成功を送信ノードへ指し示す」との表現は、送信ノードへACKを送信することを控えることをも包含するものと見なされ、これは送信ノードによりNACKとして解釈されるであろう。
【0064】
送信ノードに関連して上述したように、第2の送信モードは、第1の送信モードよりも頻度の高い再送を含んでよい。これは、メッセージに関連する後続の送信の受信の間の時間インターバルが第1の受信/送信モードよりも第2の受信/送信モードにおいてより短いというように表現されてもよい。前に述べたように、第2の送信モードにおける再送の間の時間長は、時間にわたって減少してもよい。さらに、第2の送信モードは、連続的送信を含んでもよく、よって第2の受信モードは連続的受信を含んでもよい。
【0065】
受信不成功を送信ノードへ指し示すことは、例えばCQIを含むCSIなど、第1の送信モード/受信モードにおいて受信成功を妨げる条件を指し示すことを含んでもよい。
【0066】
第2の受信モードは、メッセージに関連する受信成功時に、第2の受信モードへの切り替えからの時間Tの経過時に、送信信号の受信不成功の検出から、例えばメッセージに関連する初回の受信の開始からの、時間T´の経過時に、予め定義される数のNACKの送信後に、又は、メッセージに関連する予め定義される数の送信信号の受信不成功の後に、終了してもよい。
受信不成功の標識は、メッセージに関連する予め定義される数の否定応答(NACK)、復号ステータスに関する情報を含むリッチフィードバック、及び第1の送信モードにおける受信成功を妨げる受信ノードでの条件の標識、のうちの1つであってもよい。
【0067】
[例示的な送信ノード(図7)]
ここで説明されている実施形態は、送信ノード700にも関する。送信ノードは、上で説明し、例えば図1に示した方法と同じ技術的特徴、目的、及び利点に関連付けられる。送信ノードは、不必要な繰り返しを避ける目的で、簡潔に説明されるであろう。送信ノード700は、例えば、LTE eNBなどの無線基地局(RBS)、アクセスノード、中継機、若しくは、例えばLTE UEなどのユーザ機器(UE)、センサ、アクチュエータ、通信デバイス、タブレット、コンピュータ、又は、無線通信可能な任意の他のデバイスであってよい。送信ノードは、UMTS、E−UTRAN又はCDMA2000といった1つ以上の無線通信システムにおいて通信するように動作可能であってよい。
【0068】
以下、上述した送信ノードにおける方法の少なくとも1つの実施形態を実行するように適合される、上述した方法の実行を可能とするように適合される例示的な送信ノード700が、図7を参照しながら説明されるであろう。
【0069】
送信ノードは、HARQといったARQ方式を適用するように動作可能であり、通信ネットワーク内の他のノード又はエンティティと通信するように動作可能である。
【0070】
ここで提案した解決策に最も関連する送信ノードの部分は、破線で囲まれた構成701として描かれている。送信ノードの当該構成及びあり得る他の部分は、上述し及び例えば図1に示した方法又は手続のうちの1つ以上の実行を可能にするように適合される。送信ノードは、他のエンティティと通信するための通信ユニット702を備えてよく、及び破線で描かれているさらなる機能性707を備えてよい。
【0071】
図7に示した送信ノードは、処理手段を備え、この例において処理手段は、プロセッサ703及びメモリ704の形式であり、当該メモリは、当該プロセッサにより実行可能な命令705を収容しており、それにより送信ノードは、上述した方法を実行するように動作可能である。即ち、送信ノードは、確認応答がなされる第1の送信モードにおいて、受信ノードへメッセージを送信するように動作可能である。送信ノードは、受信ノードにおける上記メッセージの又は上記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出し、検出された標識に基づいて第2の送信モードへと切り替える、ようにさらに動作可能である。送信ノードは、第2の送信モードにおいて、上記メッセージ又はその一部を、複数回、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなく再送する、ようにさらに動作可能である。
【0072】
前に説明したように、メッセージに関連する後続の送信の間の時間インターバルは、第1の送信モードよりも第2の送信モードにおいてより短くてよい。第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少してもよい。第2の送信モードは、連続的送信を含んでもよい。
【0073】
上記命令を実行することにより、送信ノードは、メッセージに関連する少なくとも1つの受信成功の標識の、受信ノードからの受信時に、第2の送信モードへの切り替えからの時間Tの経過時に、例えばメッセージの初回の送信開始といったメッセージの送信からの時間T´の経過時に、又は、暗黙的であれ明示的であれ予め定義される数のNACKの受信後に、第2の送信モードを終了させるようにさらに動作可能であってもよい。
【0074】
さらに、受信不成功の標識は、暗黙的であれ明示的であれメッセージに関連する予め定義される数の否定応答(NACK)、受信側の復号ステータスに関する情報を含むリッチフィードバック、及び第1の送信モードにおける受信成功を妨げる受信ノードでの条件の標識、のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0075】
時間、周波数、符号、電力、送信ポイント及び/又は計算リソースの観点で、第1の送信モードよりも多くのリソースが第2の送信モードにおいて再送のために使用されてもよい。第2の送信モードにおいて再送のために使用されるリソースは、前に説明したように、受信ノードから受信される受信不成功に関連する情報に依存してもよい。上で第1の送信モードを説明する際には明示的に言及しなかったものの、暗に開示されていると考えられることとして、第1の送信モードにおいてメッセージの送信及び再送のためにリソースは使用される。
【0076】
構成701は、代替的に、図8に示した通り実装され及び/又は概略的に説明されてもよい。構成801は、確認応答がなされる第1の送信モードにおいて受信ノードへメッセージを送信するための送信ユニット803を備える。上記構成は、受信ノードにおける上記メッセージの又は上記メッセージに関連する再送の受信不成功の標識を検出するための検出ユニット804、をさらに備える。上記構成は、検出された標識に基づいて第2の送信モードへと切り替えるための切り替えユニット806、をさらに備える。
【0077】
構成801は、第2の送信モードへいつ切り替えるべきかを判定するための、オプションとしての判定ユニット805を備えてもよい。代替的に、そうした判定機能又はユニットは、例えば切り替えユニット806の一部であってもよい。第2の送信モードにおいて、メッセージ又はその一部は、複数回、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなく再送される。これは、代替的に、送信ユニット803が、第2の送信モードにおいて次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなく複数回メッセージ又はその一部を再送するためにさらに構成されるというように表現されることもできる。
【0078】
送信ノード800は、例えば、LTE eNBなどの無線基地局(RBS)、アクセスノード、中継機、若しくは、例えばLTE UEなどのユーザ機器(UE)、センサ、アクチュエータ、通信デバイス、タブレット、コンピュータ、又は、無線通信可能な任意の他のデバイスであってよい。送信ノードは、UMTS、E−UTRAN又はCDMA2000といった1つ以上の無線通信システムにおいて通信するように動作可能であってよい。
【0079】
送信ノード700についてそうであるように、送信ノード800、例えば構成801は、メッセージに関連する後続の送信の間の時間インターバルが第1の送信モードよりも第2の送信モードにおいてより短くなるように適合されてよい。第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少してもよい。第2の送信モードは、連続的送信を含んでもよい。
【0080】
さらに、第2の送信モードは、例えば、メッセージに関連する少なくとも1つの受信成功の標識の受信時に、第2の送信モードへの切り替えからの時間Tの経過時に、メッセージの送信からの時間T´の経過時に、又は、暗黙的であれ明示的であれ予め定義される数のNACKの受信ノードからの受信後に、終了してもよい。
【0081】
受信不成功の標識は、メッセージに関連する予め定義される数のNACK、受信側の復号ステータスに関する情報を含むリッチフィードバック、及び第1の送信モードにおける受信成功を妨げる受信ノードでの条件の標識、のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0082】
時間、周波数、符号、電力、送信ポイント及び/又は計算リソースの観点で、第1の送信モードよりも多くのリソースが第2の送信モードにおいて再送のために使用されてもよい。
【0083】
第2の送信モードにおいて再送のために使用されるリソースは、受信ノードから受信される受信不成功に関連する情報に依存してもよい。
【0084】
送信ノードの構成801及び他の部分は、例えば、プロセッサ又はマイクロプロセッサ、適切なソフトウェア及びストレージのうちの1つ以上により実装されてよく、従って、上述したアクションを実行するように構成されるプログラマブルロジックデバイス(PLD)又は他の電子的なコンポーネント/処理回路により実装されてよい。
【0085】
図8に示した送信ノード800は、他のエンティティと通信するための通信ユニット802、例えば情報を記憶するための1つ以上のメモリ807、並びに信号処理及び/又はスケジューリングなどのさらなる機能性808をさらに備えてもよい。
【0086】
[例示的な受信ノード(図9)]
ここで説明されている実施形態は、受信ノード900にも関する。受信ノードは、上で説明し、例えば図2に示した方法と同じ技術的特徴、目的、及び利点に関連付けられる。受信ノードは、例えばHARQといった再送のための方式などの自動再送要求(ARQ)方式を適用するように動作可能である。受信ノードは、不必要な繰り返しを避ける目的で、簡潔に説明されるであろう。受信ノード900は、例えば、LTE UEなどのユーザ機器(UE)、センサ、アクチュエータ、通信デバイス、タブレット、コンピュータ、又は、無線通信可能な任意の他のデバイス、又は、LTE eNBなどの無線基地局(RBS)、アクセスノード若しくは中継機であってよい。受信ノードは、UMTS、E−UTRAN又はCDMA2000といった1つ以上の無線通信システムにおいて通信するように動作可能であってよい。
【0087】
以下、上述した受信ノードにおける方法の少なくとも1つの実施形態を実行するように適合される、上述した方法の実行を可能とするように適合される例示的な受信ノード900が、図9を参照しながら説明されるであろう。
【0088】
ここで提案した解決策に最も関連する受信ノードの部分は、破線で囲まれた構成901として描かれている。受信ノードの当該構成及びあり得る他の部分は、上述し及び例えば図2に示した方法又は手続のうちの1つ以上の実行を可能にするように適合される。受信ノードは、他のエンティティと通信するための通信ユニット902を備えてよく、及び破線で描かれているさらなる機能性907を備えてよい。
【0089】
図9に示した受信ノードは、処理手段を備え、この例において処理手段は、プロセッサ903及びメモリ904の形式であり、当該メモリは、当該プロセッサにより実行可能な命令905を収容しており、それにより受信ノードは、上述した方法を実行するように動作可能である。即ち、受信ノードは、第1の受信モードにおいて、メッセージ又は当該メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を検出する、ように動作可能である。上記受信ノードは、受信不成功を送信ノードへ指し示し、検出された受信不成功に少なくとも部分的に基づいて第2の受信モードへと切り替える、ようにさらに動作可能である。上記受信ノードは、第2の受信モードにおいて、上記メッセージに関連する少なくとも1つの再送を受信する、ようにさらに動作可能である。第1の受信モードは、受信不成功の標識の後の再送を含む、確認応答がなされる第1の送信モードに対応し、第2の受信モードは、前に説明したように、次の再送の送信の前にメッセージ受信の確認応答を待つことなくなされる再送を含む第2の送信モードに対応する。
【0090】
前に説明したように、メッセージに関連する後続の送信の間の時間インターバルは、第1の送信モードよりも第2の送信モードにおいてより短くてよい。第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少してもよい。第2の送信モードは、連続的送信を含んでもよい。第1及び第2の受信モードは、対応する特徴及び特性を有する。
【0091】
上記命令を実行することにより、受信ノードは、上記メッセージに関連する受信成功時に、第2の受信モードへの切り替えからの時間Tの経過時に、例えば上記メッセージに関連する初回の送信の初回の受信不成功の開始といった受信不成功の検出からの時間T´の経過時に、又は、予め定義される数のNACKの送信後に、第2の受信モードを終了させる、ようにさらに動作可能であってもよい。
【0092】
さらに、受信不成功の標識は、上記メッセージに関連する予め定義される数のNACK、受信機側の復号ステータスに関する情報を含むリッチフィードバック、第1の送信/受信モードにおける受信成功を妨げる、受信ノードにおける条件の標識、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0093】
時間、周波数、符号、電力、送信/受信ポイント、及び/又は計算リソースの観点で、第1の送信モードよりも多くのリソースが、第2の送信モードにおいて再送のために使用されてもよい。第2の送信モード及び受信モードにおいて再送のために使用されるリソースは、受信ノードから送信される受信不成功に関連する情報に依存してもよい。第2の受信モード、例えば再送がいつ行われると予期するかが、送信ノードへ送信される受信不成功に関連する情報に依存してもよい。
【0094】
構成901は、代替的に、図10に示した通り実装され及び/又は概略的に説明されてもよい。構成1001は、確認応答がなされる第1の受信モードにおいて、メッセージ又は当該メッセージに関連する再送である送信ノードからの送信の受信不成功を検出するための検出ユニット1004、を備える。上記構成は、受信不成功を送信ノードへ指し示すための指示ユニット1005、をさらに備える。上記構成は、検出された上記受信不成功に基づいて第2の受信モードへと切り替えるための切り替えユニット1006、をさらに備える。
【0095】
構成1001は、送信ノードからの送信及び再送を受信するための受信ユニット1003を備えるように示され得る。この機能は、代替的に暗黙的なものと見なされてもよい。受信ノードは、例えば、LTE UEなどのユーザ機器(UE)、センサ、アクチュエータ、通信デバイス、タブレット、コンピュータ、又は、無線通信可能な任意の他のデバイス、又は、LTE eNBなどの無線基地局(RBS)、アクセスノード若しくは中継機であってよい。受信ノードは、UMTS、E−UTRAN又はCDMA2000といった1つ以上の無線通信システムにおいて通信するように動作可能であってよい。
【0096】
図10に示した受信ノード1000は、他のエンティティと通信するための通信ユニット1002、例えば情報を記憶するための1つ以上のメモリ1008、並びに信号処理及び/又はスケジューリングなどのさらなる機能性1009をさらに備えてもよい。
【0097】
受信ノード900についてそうであるように、受信ノード1000、例えば構成1001は、メッセージに関連する後続の送信の間の時間インターバルが第1の送信モードよりも第2の送信モードにおいてより短くなるように適合されてよい。第2の送信モードにおける再送の間の時間インターバルは、時間にわたって減少してもよい。第2の送信モードは、連続的送信を含んでもよい。第1及び第2の受信モードは、対応する特徴及び特性を有する。
【0098】
受信ノードは、上記メッセージに関連する受信成功時に、第2の受信モードへの切り替えからの時間Tの経過時に、又は、予め定義される数のNACKの送信後に、第2の受信モードを終了させる、ようにさらに適合されてもよい。
【0099】
さらに、受信不成功の標識は、上記メッセージに関連する予め定義される数のNACK、受信機側の復号ステータスに関する情報を含むリッチフィードバック、第1の送信/受信モードにおける受信成功を妨げる、受信ノードにおける条件の標識、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0100】
時間、周波数、符号、電力、送信/受信ポイント、及び/又は計算リソースの観点で、第1の送信モードよりも多くのリソースが、第2の送信モードにおいて再送のために使用されてもよい。第2の送信モード及び受信モードにおいて再送のために使用されるリソースは、受信ノードから送信される受信不成功に関連する情報に依存してもよい。第2の受信モード、例えば再送がいつ行われると予期するかが、送信ノードへ送信される受信不成功に関連する情報に依存してもよい。
【0101】
受信ノードの構成1001及び他の部分は、例えば、プロセッサ又はマイクロプロセッサ、適切なソフトウェア及びストレージのうちの1つ以上により実装されてよく、従って、上述したアクションを実行するように構成されるプログラマブルロジックデバイス(PLD)又は他の電子的なコンポーネント/処理回路により実装されてよい。
【0102】
理解されるべきこととして、相互作用をするユニット又はモジュールの選択と共に、ユニットのネーミングは、例示の目的のためのものに過ぎず、上述した方法のいずれかを実行するために適した送信ノード及び受信ノードは、提案した処理のアクションを実行することができるように複数の代替的な手法で構成され得る。
【0103】
また、留意すべきこととして、本開示において説明したユニット又はモジュールは、論理的なエンティティであると見なされるべきであり、必ずしも別個の物理的なエンティティではない。
【0104】
上の説明は複数の具体的記述を含んでいるものの、それらはここで説明した概念の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、説明した概念のいくつかの例示的な実施形態の例を単に提供しているものと解釈されるべきである。現に説明した概念の範囲は、当業者にとって明白となり得る他の実施形態を完全に包含すること、及び現に説明した概念の範囲はそれによって限定されないことが理解されるであろう。単数形のエレメントへの言及は、明示的に記述されない限りは「1つであって唯1つ」を意味することを意図されず、むしろ「1つ以上」を意味する。当業者に知られた上述の実施形態のエレメントについての全ての構造的な及び機能的な均等物は、明らかに参照によりここに取り入れられ、ここに包含されることを意図される。そのうえ、現に説明した概念により解決することを模索されるあらゆる問題が必ずしもデバイス又は方法により解決されるわけではなく、そうしたもののここに包含される。
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図10