特許第6228314号(P6228314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許62283143次元積層造形装置、3次元積層造形装置の制御方法および3次元積層造形装置の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6228314
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】3次元積層造形装置、3次元積層造形装置の制御方法および3次元積層造形装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/153 20170101AFI20171030BHJP
   B29C 64/386 20170101ALI20171030BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20171030BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20171030BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALN20171030BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALN20171030BHJP
【FI】
   B29C64/153
   B29C64/386
   B22F3/105
   B22F3/16
   !B33Y30/00
   !B33Y50/00
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-547112(P2016-547112)
(86)(22)【出願日】2016年3月25日
(86)【国際出願番号】JP2016059765
【審査請求日】2016年7月15日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度 経済産業省「産業技術開発(次世代産業用三次元造形システム技術開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】514227988
【氏名又は名称】技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(74)【代理人】
【識別番号】100198960
【弁理士】
【氏名又は名称】奥住 忍
(72)【発明者】
【氏名】法山 敬一
(72)【発明者】
【氏名】倉本 博久
【審査官】 ▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−196265(JP,A)
【文献】 特表2016−502603(JP,A)
【文献】 特開2015−188938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/105
B22F 3/16
B29C 64/00−64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元積層造形物の材料を噴射する材料噴射手段と、
噴射された材料に光線を照射する光線照射手段と、
前記噴射された材料に前記光線を照射することにより形成される溶融池を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した溶融池の画像の輝度に基づいて、前記溶融池の温度分布を導出する温度導出手段と、
前記光線の走査方向を導出する走査方向判定手段と、
前記輝度および前記走査方向に基づいて、前記溶融池の形状を導出する形状導出手段と、
前記輝度および走査距離に基づいて、前記溶融池の冷却速度を導出する冷却速度導出手段と、
を備える3次元積層造形装置。
【請求項2】
前記輝度および前記走査方向に基づいて、前記溶融池の前記走査方向に対して垂直な方向の幅を導出する幅導出手段をさらに備える請求項に記載の3次元積層造形装置。
【請求項3】
前記幅導出手段は、事前に設定した前記輝度の閾値の境界線を用いる請求項に記載の3次元積層造形装置。
【請求項4】
前記輝度は、前記溶融池からの放射光の輝度である請求項1乃至のいずれか1項に記載の3次元積層造形装置。
【請求項5】
3次元積層造形物の材料を噴射する材料噴射ステップと、
噴射された材料に光線を照射する光線照射ステップと、
前記噴射された材料に前記光線を照射することにより形成される溶融池を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像した溶融池の画像の輝度に基づいて、前記溶融池の温度を導出する温度導出ステップと、
前記光線の走査方向を導出する走査方向判定ステップと、
前記輝度および前記走査方向に基づいて、前記溶融池の形状を導出する形状導出ステップと、
前記輝度および走査距離に基づいて、前記溶融池の冷却速度を導出する冷却速度導出ステップと、
を含む3次元積層造形物の造形方法。
【請求項6】
3次元積層造形物の材料を噴射する材料噴射ステップと、
噴射された材料に光線を照射する光線照射ステップと、
前記噴射された材料に前記光線を照射することにより形成される溶融池を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像した溶融池の画像の輝度に基づいて、前記溶融池の温度を導出する温度導出ステップと、
前記光線の走査方向を導出する走査方向判定ステップと、
前記輝度および前記走査方向に基づいて、前記溶融池の形状を導出する形状導出ステップと、
前記輝度および走査距離に基づいて、前記溶融池の冷却速度を導出する冷却速度導出ステップと、
をコンピュータに実行させる3次元積層造形物の造形プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元積層造形装置、3次元積層造形装置の制御方法および3次元積層造形装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、リコートした粉末層の表面温度を赤外線カメラにより計測する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−509092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、溶融池の温度を正確に計測することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る3次元積層造形装置は、
3次元積層造形物の材料を噴射する材料噴射手段と、
噴射された材料に光線を照射する光線照射手段と、
前記噴射された材料に前記光線を照射することにより形成される溶融池を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した溶融池の画像の輝度に基づいて、前記溶融池の温度分布を導出する温度導出手段と、
前記光線の走査方向を導出する走査方向判定手段と、
前記輝度および前記走査方向に基づいて、前記溶融池の形状を導出する形状導出手段と、
前記輝度および走査距離に基づいて、前記溶融池の冷却速度を導出する冷却速度導出手段と、
を備える。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る3次元積層造形物の造形方法は、
3次元積層造形物の材料を噴射する材料噴射ステップと、
噴射された材料に光線を照射する光線照射ステップと、
前記噴射された材料に前記光線を照射することにより形成される溶融池を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像した溶融池の画像の輝度に基づいて、前記溶融池の温度を導出する温度導出ステップと、
前記光線の走査方向を導出する走査方向判定ステップと、
前記輝度および前記走査方向に基づいて、前記溶融池の形状を導出する形状導出ステップと、
前記輝度および走査距離に基づいて、前記溶融池の冷却速度を導出する冷却速度導出ステップと、
を含む。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る3次元積層造形物の造形プログラムは、
3次元積層造形物の材料を噴射する材料噴射ステップと、
噴射された材料に光線を照射する光線照射ステップと、
前記噴射された材料に前記光線を照射することにより形成される溶融池を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像した溶融池の画像の輝度に基づいて、前記溶融池の温度を導出する温度導出ステップと、
前記光線の走査方向を導出する走査方向判定ステップと、
前記輝度および前記走査方向に基づいて、前記溶融池の形状を導出する形状導出ステップと、
前記輝度および走査距離に基づいて、前記溶融池の冷却速度を導出する冷却速度導出ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、赤外線カメラなどで撮像した画像に基づいて、溶融池の温度を正確に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る3次元積層造形装置の構成の概略を示す図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置の構成の概略を示す図である。
図3A】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置により形成される溶融池を撮像した画像の一例を示す図である。
図3B】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置により形成される溶融池を撮像した画像の輝度分布データグラフの一例を示す図である。
図3C】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置により形成される溶融池の画像と輝度分布データとの関係を示す図である。
図4A】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置により形成される溶融池の画像から走査方向を導出する方法を説明する図である。
図4B】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置により形成される溶融池の画像から溶融池の幅および長さを導出する方法を説明する図である。
図4C】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置により形成される溶融池の画像から溶融池の冷却速度を導出する方法を説明する図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置の処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての3次元積層造形装置100について、図1を用いて説明する。3次元積層造形装置100は、造形台120に材料130を噴射し、噴射された材料130に光線140を照射して3次元積層造形物を造形する装置である。
【0013】
図1に示すように、3次元積層造形装置100は、材料噴射部101と、光線照射部102と、撮像部103と、温度導出部104とを含む。材料噴射部101は、3次元積層造形物が造形される造形台120上に、3次元積層造形物の材料130を噴射する。光線照射部102は、材料130に光線140を照射する。撮像部103は、材料130に光線140を照射することにより形成される材料130の溶融池150を撮像する。温度導出部104は、撮像部103が撮像した画像の輝度に基づいて、溶融池150の温度分布を導出する。
【0014】
本実施形態によれば、撮像部で撮像した画像に基づいて、溶融池の温度を正確に計測することができる。
【0015】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る3次元積層造形装置200について、図2乃至図5を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る3次元積層造形装置200の構成の概略を説明するための図である。
【0016】
3次元積層造形装置200は、噴射ノズル201と、光線照射部202と、カメラ203と、温度導出部204と、走査方向判定部205と、形状導出部206と、冷却速度導出部207と、幅導出部208とを備える。
【0017】
噴射ノズル201は、造形台220上に3次元積層造形物の材料230である金属粉末などを噴射する。そして、光線照射部202から放射されたレーザ光などの光線240を噴射ノズル201の先端部分から材料230に照射する。レーザ光や電子線などの光線240を照射された材料230は、光線240から与えられた熱により溶融し、溶融池250(溶融プール)を形成する。
【0018】
そして、噴射ノズル201に対して斜め横に配置された可視光を撮像するカメラ203により溶融池250の画像(映像)を撮像する。なお、カメラ203は、光線240の光軸241と同じ軸上に配置されてもよい。ここでは、撮像装置の一例としてカメラ203を用いているが、本発明はこれには限定されず、例えば、赤外光やその他の波長の光線を撮像可能なセンサでもよい。
【0019】
また、本実施形態の3次元積層造形装置200においては、造形台220がXY平面上で(XY方向に)移動する。なお、本実施形態の3次元積層造形装置200においては、噴射ノズル201が固定され、造形台220が移動する構成となっているが、これとは反対に、造形台220が固定され、噴射ノズル201が移動する構成であってもよい。
【0020】
温度導出部204は、カメラ203で撮像した画像の輝度に基づいて、溶融池250の温度を計測する。走査方向判定部205は、光線240の走査方向、すなわち、XY平面上の材料230の積層される方向を導出する。走査方向判定部205は、造形台220の位置、例えば、NC(Numerical Control)装置の機械座標などに基づいて、造形台220の走査方向(移動方向)を導出する。この場合、例えば、走査方向判定部205は、造形台220の現在の位置や過去の位置に基づいて、造形台220の移動方向を導出し、これにより、光線240の走査方向を導出する。
【0021】
そして、形状導出部206は、カメラ203で撮像した画像の輝度と、走査方向判定部205で導出した光線240の走査方向とに基づいて、溶融池250の形状を導出する。さらに、冷却速度導出部207は、カメラ203で撮像した画像の輝度と、光線240の走査方向とに基づいて、溶融池250の冷却速度を導出する。冷却速度導出部207は、光線240(造形台220)の走査距離、すなわち、光線240(造形台220)の移動距離、走査方向(移動方向)および画像の輝度に基づいて、溶融池250の冷却速度を導出する。例えば、冷却速度導出部207は、光線240の移動距離と画像の輝度変化とから溶融池250の冷却速度を導出する。つまり、時間に対する画像の輝度の変化は、時間に対する溶融池250の温度変化に相当するので、冷却速度導出部207は、この時間に対する温度変化から、溶融池250の冷却速度を導出する。
【0022】
幅導出部208は、カメラ203で撮像した画像の輝度と、光線240の走査方向とに基づいて、光線240の走査方向(積層方向)に対して垂直な方向の溶融池の幅を導出する。例えば、幅導出部208は、画像の輝度、つまり、画像中の明るい部分の大きさなどに基づいて、積層方向に対して垂直な方向の溶融池250の幅を決定する。
【0023】
図3Aは、本実施形態に係る3次元積層造形装置200により形成される溶融池250を撮像した画像の一例を示す図である。図3Bは、本実施形態に係る3次元積層造形装置200により形成される溶融池250を撮像した画像の輝度分布データグラフの一例を示す図である。図3Cは、本実施形態に係る3次元積層造形装置200により形成される溶融池250の画像と輝度分布データとの関係を示す図である。
【0024】
図3Aに示したように、溶融池250の形状は、光線240の走査方向(積層方向)を長辺とする楕円形状となる。つまり、溶融池250の形状は、光線240の走査方向(積層方向)に長く、走査方向に対して垂直な方向に短い楕円形状となる。そして、溶融池250の中心301に光線240が照射される。ここで、図3Aに示した、解析角度は、カメラ203で撮像している方向と積層方向との角度をいう。
【0025】
図3Bは、横軸を距離、縦軸を輝度とした輝度分布データのグラフの一例を示している。なお、この輝度分布データのグラフは、カメラ203で撮像した画像を、積層方向(光線240の走査方向)と、積層方向に対して垂直な方向(走査方向(進行方向)に対して90°の方向)との2つの方向で解析した輝度のデータをグラフ化したものである。そして、図3Cには、図3Aおよび図3Bで示した、溶融池250の画像と輝度分布データグラフとの関係を示した。光線240の焦点位置の輝度一番大きく、焦点位置から離れるにつれて輝度が低下していくことが分かる。
【0026】
図4Aは、本実施形態に係る3次元積層造形装置200により形成される溶融池250の画像から走査方向を導出する方法を説明する図である。溶融池250(メルトプール)の冷却速度(温度勾配)を導出するためには、光線240の焦点位置(レーザ焦点位置)と溶融池250の後端の位置の輝度(温度)とを把握する必要がある。しかしながら、3次元積層造形物の造形中は、積層したい形状に応じて光線240の走査方向(進行方向)が常に変化しているので、溶融池250を撮像した画像からだけでは走査方向(進行方向)を判断するのは困難である。そこで、走査方向判定部205は、造形台220の位置、つまり、NC装置の機械座標から走査方向(進行方向)を導出している。
【0027】
3次元積層造形装置200においては、噴射ノズル201は固定され、造形台220が移動することにより、3次元積層造形物を造形している。そして、3次元積層造形装置200は、造形台220の機械座標のデータを常に把握しているので、走査方向判定部205は、この機械座標のデータの変化に基づいて、進行方向を導出している。
【0028】
図4Bは、本実施形態に係る3次元積層造形装置200により形成される溶融池250の画像から溶融池の幅および長さを導出する方法を説明する図である。幅導出部208は、例えば、一定の輝度値(閾値)を超えるエリアを溶融池250(メルトプール)と判断し、光線240の走査方向(進行方向、積層方向)の溶融池250の長さであるメルトプール長さを導出する(計算する)。また、幅導出部208は、同様に、一定の輝度値を超えるエリアにおいて、光線240の走査方向に対して直角方向(垂直方向)の長さ、すなわち、溶融池250の幅を導出する(計算する)。そして、幅導出部208による導出値(計算値)の変動を低減させるために、例えば、事前に設定した輝度の閾値の境界線としての長さ計算用ライン数を指定できるようにしている。
【0029】
図4Cは、本実施形態に係る3次元積層造形装置200により形成される溶融池250の画像から溶融池の冷却速度を導出する方法を説明する図である。材料230の積層後の溶融池250の温度変化を監視することを目的として、溶融池250内の温度勾配を確認できるように、冷却速度導出部207は、光線240の照射位置(焦点位置)から溶融池250後端までの距離であるベース長さを導出する。また、同様の理由により、冷却速度導出部207は、ベース高さ(光線240の照射位置の輝度値−溶融池250の輝度閾値)を導出する。
【0030】
図5は、本実施形態に係る3次元積層造形装置200の処理手順を説明するフローチャートである。ステップS501において、3次元積層造形装置200は、造形台220上に材料230を噴射し、光線照射部202から光線240を照射する。3次元積層造形装置200は、例えば、3次元積層造形物の造形モデルを取得し、取得した造形モデルに基づいて、材料230の噴射プランおよび光線240の照射プランを作成し、作成した噴射プランおよび照射プランに従って、3次元積層造形物の造形を実行する。
【0031】
ステップS503において、3次元積層造形装置200は、溶融池250をカメラ203で撮像し、溶融池250の画像を取得する。ステップS505において、3次元積層造形装置200は、取得した溶融池250の画像の輝度に基づいて、溶融池250の温度を導出する。ステップS507において、3次元積層造形装置200は、造形台220の位置(機械座標)に基づいて、光線240の走査方向(積層方向、進行方向)を導出する。ステップS509において、3次元積層造形装置200は、溶融池250の画像の輝度および光線240の走査方向に基づいて、溶融池250の冷却速度を導出する。
【0032】
ステップS511において、3次元積層造形装置200は、溶融池250の画像の輝度および光線240の走査方向に基づいて、光線240の走査方向に垂直な方向の溶融池250の幅を導出する。また、ステップS511において、3次元積層造形装置200は、溶融池250の画像の輝度および光線240の走査方向に基づいて、光線240の走査方向に平行な方向の溶融池250の長さを導出してもよい。なお、上述したステップS505〜S511までの順序は、ここに示した順序には限定されず、様々な順序としてもよい。
【0033】
ステップS513において、3次元積層造形装置200は、3次元積層造形物の造形が終了したか否かを判断する。3次元積層造形物の造形が終了していない場合(ステップS513のNO)、3次元積層造形装置200は、ステップS501に戻り、以降の各ステップを繰り返す。3次元積層造形物の造形が終了した場合(ステップS513のYES)、3次元積層造形装置200は、処理を終了する。
【0034】
本実施形態によれば、撮像部で撮像した画像に基づいて、溶融池の温度を正確に計測することができる。また、撮像部で撮像した画像に基づいて、光線の走査方向に平行な方向の溶融池の長さや、光線の走査方向に垂直な方向の溶融池の幅を計測することができる。さらに、撮像部で撮像した画像の輝度および光線の走査方向に基づいて、溶融池の冷却速度を導出することができる。さらにまた、溶融池の絶対温度によらず、溶融地の、輝度変化を温度勾配として近似して利用するため測定器の校正が不要となる。さらに輝度変化の閾値を設定しその境界を表す二次元座標データを溶融地の寸法として簡略化、利用するため高応答の計測、制御が可能となる。
【0035】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0036】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
【要約】
赤外線カメラなどで撮像した画像に基づいて、溶融池の温度を計測すること。3次元積層造形装置であって、3次元積層造形物の材料を噴射する材料噴射部を備える。3次元積層造形装置は、噴射された材料に光線を照射する光線照射部を備える。3次元積層造形装置は、前記噴射された材料に前記光線を照射することにより形成される前記材料の溶融池を撮像する撮像部を備える。3次元積層造形装置は、前記撮像部が撮像した溶融池の画像の輝度に基づいて、前記溶融池の温度を導出する温度導出部を備える。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5