特許第6228323号(P6228323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228323
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】高効率エタノール発酵菌
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/16 20060101AFI20171106BHJP
   C12P 7/06 20060101ALN20171106BHJP
   C12N 1/19 20060101ALN20171106BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20171106BHJP
【FI】
   C12N1/16 G
   !C12P7/06
   !C12N1/19ZNA
   !C12N15/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-562188(P2016-562188)
(86)(22)【出願日】2014年12月5日
(86)【国際出願番号】JP2014082329
(87)【国際公開番号】WO2016088272
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2017年2月28日
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-01964
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土田 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】塚越 範彦
(72)【発明者】
【氏名】栗原 育美
(72)【発明者】
【氏名】青柳 昭彦
【審査官】 小林 薫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−167096(JP,A)
【文献】 Appl. Microbiol. Biotechnol., 2001, Vol.55, p.36-42
【文献】 Appl. Microbiol. Biotechnol., 2007, Vol.75, p.303-310
【文献】 LIQUAR MAKING, 2008, Vol.35, No.2, p.38-41
【文献】 FEMS Yeast Res., 2008, Vol.8, p.1164-1174
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00− 7/08
C12P 1/00−41/00
C12N 15/00−15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
五炭糖及び六炭糖から効率的にエタノールを産生する発酵菌であって、
稲わら由来の糖化溶液中で変異を誘発することによって訓化培養を行い、
スラリー及び清澄液中の発酵収率が67.0〜87.5%である特許寄託センターに寄託番号NITE BP-01964として寄託されていることを特徴とする高効率エタノール発酵菌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
リグノセルロース系バイオマスを用いたバイオエタノール生産において、糖化溶液を発酵するための微生物に関する。
【0002】
特に、リグノセルロース系バイオマスを用いたバイオエタノール生産において、五炭糖(以下、C5ということもある。)、及び六炭糖(以下、C6ということもある。)から効率的にエタノール生産することができる微生物に関する。
【背景技術】
【0003】
バイオエタノールは、バイオマスから産生される枯渇することのない再生可能資源として期待されている。また、バイオエタノールを燃焼させて発生する二酸化炭素はカーボンニュートラルであることから、バイオエタノールの利用が進むことによって、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の上昇を抑制すると考えられている。
【0004】
バイオエタノールは、バイオマスを発酵させ、蒸留してエタノールを精製する。バイオエタノールの収率を高めるために糖化溶液から多くのアルコールを生成する必要がある。バイオエタノール生産の過程で一般的に用いられている酵母は、キシロース、アラビノースなどの五炭糖をアルコールに変換できないため、発酵原料としては六炭糖のみが用いられてきた。
【0005】
原料によって異なるものの典型的なバイオマスには、35〜45%のセルロース、25〜40%のヘミセルロース、15〜30%のリグニンが含まれていると言われている。したがって、六炭糖が重合しているセルロースだけではなく、五炭糖であるキシロース等を主として含有するヘミセルロースを基質として利用することは効率的なエタノール産生につながることになる。
【0006】
キシロースはグルコースの次にバイオマス中に多く含まれている糖であると言われており、五炭糖を効率的に利用することはバイオエタノール生産において大きな課題となっている。
【0007】
これまでに、遺伝子組換えによるキシロース利用能の付与や、キシロースを利用してエタノールを産生する微生物の利用等により、キシロースを少しでも利用する技術が開示されている。
【0008】
特許文献1には、キシローストランスポーター活性を有する遺伝子を宿主細胞に導入することによって、キシロース(C5)をキシルロースに変換し、解糖系のペントースリン酸経路に組み入れ、発酵に利用する発明が開示されている。
【0009】
特許文献2には、アラビノーストランスポーターを付与した酵母によって、アルコールを生成する技術が開示されている。特許文献1と同様にアラビノース(C5)をアラビトール、キシルロースを経て解糖系のペントースリン酸経路に組み入れ、発酵に利用するものである。
【0010】
非特許文献1には、大腸菌由来のキシロース資化遺伝子をザイモモナスに組み込むことにより、キシロース資化能を付与することが開示されている。
【0011】
非特許文献2には、ピキア属酵母が、キシロースを利用してエタノールを生産することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2012-170422号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/189788号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Zhang, M., et al., Science, 1995. Vol. 267, pp. 240-243.
【非特許文献2】Bicho, P.A., et al., Appl. Environ. Microbiol., 1988, Vol. 54, pp. 50-54.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1の発明は、Candida guilliermondii由来のキシローストランスポーター活性のあるタンパク質を宿主としてSaccharomycescerevisiaeに導入している。すなわち外来遺伝子を導入することになる。
【0015】
また、特許文献2の発明もトランスポーター遺伝子は異なるものの、宿主に対して異なる種の遺伝子を導入する発明である。
【0016】
また、非特許文献1に記載の技術は、キシロース資化遺伝子を導入するものであり、上記特許文献1及び2とは技術思想は異なるが、外来遺伝子を導入することに変わりない。
【0017】
そのため、上記特許文献1及び2、非特許文献1はいずれも国連で採択された「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」を実施するための封じ込め策を講じる必要がある。したがって、バイオセーフティを保証するための施設を必要とすることから、当該細菌を利用してエタノールを生産することはコストの面で不利である。
【0018】
また、非特許文献2に記載の技術によって、ピキア属酵母を利用することは、野生型のピキア属酵母のキシロース利用性が低いため、エタノール産生効率はさほど高くならない。
【0019】
本発明は、外来遺伝子を導入することなく、エタノール産生効率の高い発酵菌を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、五炭糖及び六炭糖から効率的にエタノールを産生する発酵菌であって、特許微生物寄託センター(独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター 日本国 〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に受託番号NITE BP−01964(以下、BP−01964株ともいう。)として、2014年11月19日(受託日)付けで寄託されている高効率エタノール発酵菌に、セルフクローニングしたピルビン酸デカルボキシラーゼ、蟻酸デヒドロゲナーゼのうち少なくとも1つの遺伝子を導入したことを特徴とする。
【0021】
野生型Meyerozyma guilliermondiiはキシロース資化能を備えている。しかしながら、バイオエタノール生産に十分なキシロース利用能を備えているわけではない。BP−01964株は、Meyerozyma guilliermondiiを菌株育種により五炭糖の利用効率の高い菌を選択して得たものである。その結果、親株に対して約2倍のエタノール生産性を備えた菌を選択することができた。
【0022】
また、本発明は、前記Meyerozyma guilliermondii株に、セルフクローニングしたトランスアルドラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、トランスケトラーゼ、蟻酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を導入したことを特徴とする。
【0023】
Meyerozyma guilliermondii自身の酵素遺伝子を導入することはカルタヘナ法に則した封じ込め策を必要としない。したがって、バイオセーフティのための特別な施設を必要とせず、従来の設備を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】BP−01964株と親株(N株)のエタノール生成量を示す図。
図2】スラリー発酵でのグルコース、キシロース資化能を示す図。
図3】スラリー発酵、清澄液発酵での発酵収率を示す図。
図4】BP−01964株のコーンストーバー清澄液でのエタノール産生能を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
子嚢菌系酵母であるMeyerozyma guilliermondiiはキシロース資化能を備えている。Meyerozyma guilliermondiiのN株を親株として、変異を誘発させながら変異株を選択する育種によって、寄託番号NITE BP−01964の菌を得た。
【0026】
一般に、変異の誘発には、紫外線や放射線の照射、N−エチル−N−ニトロソウレア(ENU)、メタンスルホン酸エチル(EMS)などのアルキル化剤、BrdUなどの塩基類似化合物、ニトロアミンやニトロソグアニジンなどのニトロソ化合物などを用いる。本発明では、UVの照射やEMSなどの化学薬品の添加により、変異を誘発している。
【0027】
以下に菌株の取得方法を説明する。
【実施例】
【0028】
1.菌株の単離
Meyerozyma guilliermondiiの親株を稲わら由来の糖液を用い培養を行った。熊谷産の稲わらを、等量の25%アンモニア水に80℃3時間漬け込んだ後、アンモニアを放散させた。処理したバイオマスは、pHを10%NaOHで4に調整後、アクレモニウムセルラーゼ(Meiji Seika ファルマ社製)を添加して、50℃で72時間酵素糖化を行った。作成したスラリーはフィルタープレス法にて固液分離を行い液体を回収した。この液体(以下、清澄液ともいう。)を用いて、変異剤を加えながら19ヶ月馴化培養を行い、発酵性能向上株を選抜した。選抜は一定時間後のエタノール量を基準に行った。発酵性能の高い菌株を独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに、寄託番号NITE BP−01964として寄託した。
【0029】
2.菌株の性質
2.1 エタノール産生能
図1は親株であるN株に対するBP−01964株のエタノール産生量を示す。コーンストーバーを希硫酸処理した糖化液をNaOH水溶液でpHを6に調整して用い、同株の培養液を培地のOD600が2.0となるように添加し、30℃、96時間培養した後の培養液中のエタノール量を示す。糖化溶液のグルコースは、63.2g/L、キシロースは34.5g/Lであった。エタノール測定はGC−FID(ジーエルサイエンス社製:GC390B)を用いた。
【0030】
図1より明らかなように、野生型に対して2倍以上エタノールを産生する株を得ることができた。野生株に対してエタノール産生が向上していることから、C5であるキシロースの資化能が向上していると考えられる。そこで、この菌株のグルコース及びキシロース資化能を確認した。
【0031】
次に、稲わらをアンモニア水で前記アンモニア処理と同様に処理した後、アクレモニウムセルラーゼを添加して、50℃72時間酵素糖化を行い、作成したスラリーを用いて発酵を行った。
【0032】
スラリー発酵槽はジャケット構造になっており、温度はジャケット部に温水を循環させて調節を行った。また、底部には通気口を設けてあり、底部の通気口からは、フィルタを通した空気を所定量通気し続け、モータに連動したヘラで撹拌を行いながら発酵を行った。
【0033】
スラリー中に含まれるグルコース、キシロース、エタノールの量の経時的な変化の解析を行った。グルコース、キシロースはスラリーをサンプリングし、遠心により得た上清をHPLC測定にかけて測定した。エタノールは上記と同様にGC−FID(ジーエルサイエンス社製:GC390B)を用いた。結果を図2に示す。
【0034】
C6であるグルコースが先に消費されるが、その後、スラリー中のグルコースの減少とともにC5であるキシロースが消費され、エタノールが産生される。得られた菌は、C5、C6ともに資化能を備えていることから、効率よくエタノールを産生することができる。したがって、工業生産的にも有用な菌株である。
【0035】
2.2 スラリー発酵能、清澄液発酵能
バイオエタノール産生を行うときに、スラリー、清澄液、どちらを用いた場合であっても効率よく発酵する菌であることが望ましい。そこで、スラリー、清澄液を用いて発酵収率を比較した。発酵収率は以下の式により計算される。
発酵収率=得られたエタノール量(g/L)/発酵開始時の糖液に含まれていたグルコース+キシロース量(g/L)/0.5114
【0036】
図3に示すように、スラリー発酵であっても、清澄液発酵であっても、同等の性能を発揮することのできる菌株を得ることができた。
【0037】
2.3 コーンストーバー糖液でのエタノール産生能
稲わらと同様に、コーンストーバーもバイオエタノール産生に多用されるバイオマスである。本菌株は稲わらから製造した清澄液を用いて馴化を行い、単離した菌株であるが、コーンストーバーでも同様にバイオエタノールを効率よく産生する。
【0038】
米国アイオワ州産のコーンストーバーを2倍量の3.7重量%硫酸水溶液に浸して、170℃で10分間処理した。常温に戻した後、4M水酸化ナトリウム水溶液にてpH4に調製し、バイオマス糖化用酵素(アクレモニウムセルラーゼなど、Meiji Seika ファルマ社製)を添加して50℃72時間酵素糖化を行った。作成したスラリーは、遠心分離法にて固液分離を行い、液体(以下、コーンストーバー清澄液という。)を回収した。
【0039】
コーンストーバー清澄液をNaOH水溶液でpH6に調整したものを用いて、本菌株を用いて発酵を行い、エタノール産生量を経時的に測定した。結果を図4に示す。野性型(N株)は48時間後のエタノール産生がほぼ頭打ちになるのに対し、本菌株は72時間後までエタノールを産生し続け、最終的に約1.5倍程度高い収量でエタノールを産生することができる。
【0040】
また、本発明で得られた菌株にさらにキシロースを利用しやすくするために、ペントースリン酸経路の酵素であるトランスアルドラーゼや、アセトアルデヒドからエタノールを生成する酵素であるアルコールデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼの基質となるアセトアルデヒドをピルビン酸から生成するピルビン酸デカルボキシラーゼを遺伝子導入することもできる。
【0041】
例えば、遺伝子導入にあたっては、次の手順を取ることができる。導入したい遺伝子及びそのターミネーター部(以下、遺伝子+ターミネーター部という。)をPCR増幅する。導入に用いたいプロモーター部をPCR増幅する。これらは何れも本発明で用いた菌株であるMeyerozyma guilliermondiiの染色体からPCR増幅する。
【0042】
PCR増幅したDNA断片をプロモーター、遺伝子+ターミネーター部の順になるよう、インフュージョン法を用いて、大腸菌用の市販ベクターにクローニングする。クローニングされたベクターを大腸菌に形質転換し、ベクターを増幅する。増幅したベクターからプロモーター及び遺伝子+ターミネーター部を制限酵素で切出す、あるいは増幅したベクターからPCR増幅することにより、相同組換用のDNA断片を得る。
【0043】
得られたDNA断片を菌株に相同組換えし、所望の菌株を得る。相同組換にはエレクトロポレーション法を用いた。この方法によって遺伝子を導入すると、染色体上に複数コピー導入することができるため、導入した酵素の活性を増強することができる。
【0044】
相同組換用DNA断片としては、例えば、キシロースレダクターゼのプロモーター、トランスアルドラーゼ+ターミネーターを用いると良い。キシロース資化の際に機能するキシロースレダクターゼのプロモーターを用いることによって、トランスアルドラーゼが効率良く作用すると考えられるからである。
【0045】
キシロースレダクターゼのプロモーターは具体的には下記配列番号1及び配列番号2のプライマー、トランスアルドラーゼ遺伝子及びターミネーター部分は下記配列番号3及び4のプライマーを用いて増幅する。
配列番号1:AAGGCTTGGGAACTTTCTTT
配列番号2:AGCAATTGATGATTAATTTT
配列番号3:ATGACCAATTCTCTTGAACA
配列番号4:AAATTGTGCCGTGTCAAACT
【0046】
また、GAPDHのプロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼ+ターミネーターを用いると良い。GAPDHは解糖系に存在する強力なプロモーターであることから、解糖系の酵素であるアルコールデヒドロゲナーゼのプロモーターとして使用することにより、効率よく作用するものと考えられる。アルコールデヒドロゲナーゼはアセトアルデヒドをエタノールに変換する作用を持つとともに、NADH依存の場合にはNADを生産するため、NAD依存のキシリトールデヒドロゲナーゼの作用を強化する作用がある。
【0047】
GAPDHのプロモーターは具体的には下記配列番号5及び配列番号6のプライマー、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子及びターミネーター部分は下記配列番号7及び8のプライマーを用いて増幅する。
配列番号5:GTTGTAGCGGAGGCTCAATT
配列番号6:TGTATAATTTAAATGTGGGT
配列番号7:ATGTCAATTCCAGAATCCAT
配列番号8:CACCTTGGCTGGAAGTGCTG
【0048】
さらに、得られた菌株に糖液を作成の際に含まれる酢酸等の有機酸や、フルフラール等のアルデヒドに耐性を持たせるためにトランスアルドラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼの他に、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、トランスケトラーゼ、蟻酸デヒドロゲナーゼなどの酵素を上記プロモーターのいずれかの下流にクローニングし導入してもよい。
【0049】
ピルビン酸デカルボキシラーゼ、キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ、トランスケトラーゼ、蟻酸デヒドロゲナーゼは、下記のプライマーによって増幅することができる。
ピルビン酸デカルボキシラーゼ
配列番号9:ATGACAGAAATTACTTTGGG
配列番号10:ACAAACAAATGCTGAAAAC
キシロースレダクターゼ(XR)

配列番号11:ATGTCTATTACTTTGAACTC配列番号12:CACAAAAGTTGGAATCTTGT
キシリトールデヒドロゲナーゼ(XDH)

配列番号13:ATGACTCCCAACCCATCTTT配列番号14:CTCGGGACCATCTATAATAA
トランスケトラーゼ(TLK)

配列番号15:ATGACCACCGACGACTACGA配列番号16:AACAGCTAGCAAGTCCTGA

蟻酸デヒドロゲナーゼ(FDH)配列番号17:ATGAGTCCAGCAACAAAAGG
配列番号18:TTTCATCTTGTGTCTTTCAC
【0050】
また、この方法により得られた菌株は、遺伝子を導入しているが、セルフクローニングであるため、カルタヘナ法上、非組換菌扱いになる範疇に属するものとなっている。
【0051】
BP−01964株は、以上示してきたように、野生型Meyerozyma guilliermondiiのキシロース資化能が育種によって強化されており、バイオマスとして稲わら、コーンストーバーどちらを用いた場合であっても効率的にエタノール産生を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]