(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6228338
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】雨具
(51)【国際特許分類】
A41D 3/04 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
A41D3/04
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-92294(P2017-92294)
(22)【出願日】2017年5月8日
【審査請求日】2017年5月8日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年11月9日アジア太平洋トレードセンターにおいて開催された一般社団法人全国発明婦人協会主催「暮らしの発明展」で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305050133
【氏名又は名称】鵜川 恵子
(72)【発明者】
【氏名】鵜川 恵子
【審査官】
北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3141734(JP,U)
【文献】
仏国特許出願公開第03028386(FR,A1)
【文献】
実開昭54−145308(JP,U)
【文献】
特開2011−001659(JP,A)
【文献】
特開2011−074511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 3/04−3/06
A41D 13/00−13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上半身を覆う長尺シートからなる雨具(2)であって、前記シートの中央に頭を通す開口部(10)を有し、前記シートの左右両側を表面側に折り返した折り返し部(6)を有することを特徴とする雨具。
【請求項2】
前記シートの前後の表面には、雨水を受け止める雨水受けポケット(7)が設けられ、前記雨水受けポケット(7)の内部に吸湿素材(8)が配置され、更に前記雨水受けポケット(7)に排出口(9)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の雨具。
【請求項3】
前記開口部(10)に頭を覆うフード(13)を設け、前記フードの前側に透明の鍔(4)と、前記フードの内側又は外側に、マスク(5)のひもを係止するための係止具(3)を有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の雨具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は左右端部を把持して操作する乗り物で自転車などのような直接雨などがあたる乗り物で出かけるときに使用する雨具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自転車での雨対策はレインコート、ポンチョ型、上着とズボンの上下式タイプの雨具が主流であり、また急に雨が降ってきたときにレインコートやポンチョ型雨具だけでは、風で裾が開き下半身や靴が濡れてしまう。
途中で上下式雨具のズボンを身に付けるのは難しく、また傘の対応だけでは袖も下半身も濡れてしまう。
【0003】
この問題を解消するために、下記文献1、2に示すような雨具は雨具の裾に足をかける使用方法であるため、止まるときや走行中に、雨具が車輪に巻き込まれないか不安であり、自転車上部を覆っても雨が滴り落ちるので下半身が濡れてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開 2001−192910
【特許文献2】特開 2002―227009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献に対し下半身の雨具を使用しなくても、本発明の雨具で下半身が濡れ難くすることができる雨具である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、少なくとも上半身を覆う長尺シートからなる雨具(2)であって、前記シートの中央に頭を通す開口部を有し、前記シートの左右両側には表面の内側に折り返し部(6)を有することを特徴とする雨具。
【0007】
請求項2の発明は、前記シートの前後にも前記シート表面の内側に雨水を受け止める雨水受けポケットが設けられ、前記雨水受けポケット(7)の内部に吸湿性素材(8)が配置され、更に前記雨水受けポケットに排出口(9)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の雨具。
【0008】
請求項3の発明は、前記開口部(10)に頭を覆うフード(13)を設け、前記フードの前側に透明の鍔(4)と、前記フードの内側又は外側に、マスク(5)のひもを係止するための係止具(3)を有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の雨具。
【発明の効果】
【0009】
従来の雨具は、レインコート、ポンチョ型、上着とズボンの上下式タイプの雨具である。最近、前かごから人体を覆う雨具を見かけるが、どの雨具も雨具からしたたり落ちる雨水で、下半身や靴が濡れている。
【0010】
従来の雨具はしたたり落ちた雨水で下半身や靴が濡れて気持ちの悪い思いをしたが、本発明の雨具の前後身ごろの左右両側に、折り返し部を設けることにより、自転車での走行中に前後身ごろに当たった雨水の水しぶきをせき止め、せき止めた雨水を前後身ごろの下部
に雨水受けポケットを設け、前記雨水受けポケットに雨水を受け止めることで雨水のしたたり落ちるのを防止できる。
【0011】
前記雨水受けポケットに吸湿性素材を設け、雨水を吸収した吸湿性素材がおもりの代わりになり、雨具の裾がひらひらとはためくことを軽減できる。
【0012】
前記雨水受けポケットに設けた吸湿性素材で吸収できなくなった雨水は、ポケットの下部に設けた排出口で排水し、また排出口に止水栓を取り付けることにより、屋内の短時間の買い物、用事などはその都度脱ぎ着しなくても、着たままでも雨水のしたたり落ちを気にしなくてもよい。
【0013】
前記雨具の中央に設けたフードに透明の大きめの鍔を設けることで視野が広くなり、フードに使い捨てマスクを係止する係止具を設けることで、口元の衛生面と自転車での走行中風を受けフードが飛ばされないように固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】
図2の側部の立ち上がり部の拡大図と、立ち上がり部の断面図である。
【
図4】
図2の雨水を集める底部の拡大図と、底部の断面図である。
【
図6】フード両サイドの係止具に使い捨てマスクを係止した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の雨具(2)を装着した全体図で、ハンドル前方もしくは前かご前方より、人体全体を覆う長尺シートの雨具(2)を装着し、雨具の中央に設けたフードの両サイドに係止具(3)を設け、その係止具(3)に使い捨てマスク(5)を係止して、使い捨てマスク(5)を装着することで口元の衛生を確保でき、また走行中にフードが飛ばないように固定できる。
【0017】
図2は、本発明の正面図で、人体全体を覆う長尺シートの雨具(2)の左右両側に、シリコンなどのような柔らかい素材で樋状の折り返し部(6)を設ける、また樋状の折り返し部(6)にスポンジのような吸収性素材を両サイドに取り付ける。
折り返し部を取り付けることにより、雨水が雨具(2)全体から飛び散ったり流れ落ちたりしないように、折り返し部でブロックし、その雨水を前記カバーの底部に流し、流れ落ちた雨水を前後身ごろ下部に設けた雨水受けポケット(7)に集め、集めた雨水を排出する排出口(9)を設け雨水を排出できるようにする。
【0018】
図3は、人体全体を覆う長尺シートの雨具(2)の左右両側に樋状の折り返し部(6)を設け、雨水が雨具の左右両側から飛び散らないように、樋状の折り返し(6)部でブロックする。
また立ち上がり部(6)にスポンジのような吸湿性素材(8)を配置し、ブロックし吸収した雨水を下方に流れ落ちるようにする。
【0019】
図4は、人体全体を覆う長尺シートの雨具(2)の左右両側の折り返し部(6)でブロックした雨水と、身ごろから流れ落ちる雨水を受け止めるための、前記雨具(2)の前後身ごろの裾を外側に折り返した雨水受けポケット(7)を設ける。
雨水受けポケット(7)の内側にスポンジのような吸湿性素材(8)を配置し、吸湿性素材(8)が吸収した雨水がおもりとなり、雨具(2)の裾がはためくことが軽減できる
吸湿性素材が吸収できなくなった雨水は、雨水受けポケット(7)の下部に雨水を排出する排出口(9)を設け排出する。
【0020】
図5は、雨具(2)の周縁に折り返し部(6)を設け、その折り返し部(6)にスポンジのような吸湿性素材(8)を配置し、前記雨具の裾部に排出口(9)を設ける。
また上着とズボンの上下式雨具は上着の袖先端とズボンの裾を外側に折り返し、本発明と同様の雨水受けポケット(7)と排出口(9)を設ける。
【0021】
図6は視野を広くするためフードの前側に大きめの透明の鍔(4)設ける。
フードの両サイドに口元を覆う使い捨てマスク(5)を係止する係止具(3)を設け、使い捨てマスク(5)を係止することで口元の衛生面を確保でき、また風でフードが飛ばされないように固定できる。
【0022】
図7は長尺シートの雨具(2)を平面に広げ、前身ごろ(11)と後身ごろ(12)の折り返す部(6)と雨水受けポケット(7)の全面図です。
【符号の説明】
【0023】
1 自転車。
2 雨具。
3 係止具
4 透明鍔
5 マスク
6 折り返し部
7 雨水受けポケット
8 吸収性素材
9 排出口
10 開口部
11 前身ごろ
12 後身ごろ
13 フード
【要約】
【課題】
雨具や傘を持ち歩くことなく、急な雨降りにも対応でき、雨具から流れ落ちる雨水で衣類や靴が濡れ難くい雨具を提供する。
【解決手段】
少なくとも上半身を覆う長尺のシートによって構成され、前身ごろと後身ごろとを有し、左右両側が前身ごろは前に折り返し、後ろ身ごろは後ろに折り返された折り返し部を有する。前後身ごろの下部の裾部分は外側に折り返され、前後身ごろには、それぞれ下部に雨水を受け止めるポケットが設けられる。
前記ポケットの内部に吸湿性素材が配置され、前記、前後身ごろに設けられたポケットの下部に排出口が設けられている。長手方向の中央にフードを有し、前記フードは前側に透明の鍔と、前記フードの左右両側において、前記フードの内側または外側に口を覆うマスクを係止するための係止部材を有する。
【選択図】
図1