(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6228352
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】不織布要素と発泡材要素とを備えた積層繊維複合材
(51)【国際特許分類】
B32B 5/06 20060101AFI20171030BHJP
B32B 5/24 20060101ALI20171030BHJP
B60N 2/58 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
B32B5/06 A
B32B5/24 101
B60N2/58
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-531142(P2017-531142)
(86)(22)【出願日】2015年10月23日
(86)【国際出願番号】EP2015074621
(87)【国際公開番号】WO2016074908
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年6月8日
(31)【優先権主張番号】102014116356.7
(32)【優先日】2014年11月10日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517161809
【氏名又は名称】ヨット.ハー.ツィーグラー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】J.H.ZIEGLER GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シェーンフェルダー、シュテフィ
【審査官】
増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】
独国実用新案第9415040(DE,U1)
【文献】
国際公開第2014/150336(WO,A2)
【文献】
欧州特許出願公開第1039005(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0103970(US,A1)
【文献】
特表2007−538162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B60N 2/00−2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全材料厚さ(28)が7mm未満であり、さらに少なくとも1つの不織布要素(12)と、前記不織布要素(12)に結合されている少なくとも1つの発泡材要素(14)とを備え、前記不織布要素(12)は、150℃超の溶融温度を有する少なくとも1つのバインダ繊維(38)を備えており、前記不織布要素(12)は、50デシテックス以下の線質量密度値を有する少なくとも1つの機能繊維(26)を備え、前記機能繊維(26)は、中空繊維として具体化されている積層繊維複合材において、前記不織布要素(12)は、互いに絡み合っている複数のバインダ繊維(38)と複数の機能繊維(26)とを備え、当該バインダ繊維(38)及び当該機能繊維(26)の少なくともいずれか一方は、紡糸繊維又はフィラメントとして具体化されており、互いに絡み合っていることから、前記不織布要素(12)の前記バインダ繊維(38)及び前記機能繊維(26)の少なくともいずれか一方は、フォームフィット結合、熱融着、及び接着の少なくともいずれか1つにより相互結合され、前記不織布要素(12)を具体化するために、前記バインダ繊維(38)及び前記機能繊維(26)の少なくともいずれか一方は、配向された態様又は絡み合った態様で配置されており、前記不織布要素(12)と前記発泡材要素(14)とは互いに機械的に結合されており、前記不織布要素(12)と前記発泡材要素(14)とは互いにニードル加工されており、前記バインダ繊維(38)は、160℃から190℃までの範囲の値に等しい溶融温度を有することを特徴とする積層繊維複合材。
【請求項2】
前記発泡材要素(14)は、5mm未満の最大発泡材要素厚さ(22)を有することを特徴とする請求項1に記載の積層繊維複合材。
【請求項3】
前記不織布要素(12)は、5mm未満の最大不織布要素厚さ(24)を有する請求項1又は2に記載の積層繊維複合材。
【請求項4】
前記発泡材要素(14)は、10kg/m3超の体積重量を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の積層繊維複合材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の積層繊維複合材で具体化されていることを特徴とする座席カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に係る積層繊維複合材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から
、全材料厚さが7mm未満
の積層繊維複合材は既知であり、さらに少なくとも1つの不織布要素と、少なくとも1つの発泡材要素とを備え、これらが互いに結合されているものであり、前記不織布要素は、150℃超の溶融温度を有する少なくとも1つのバインダ繊維を備えており、前記不織布要素は、50デシテックス以下の線質量密度値に特徴づけられた少なくとも1つの機能繊維を備えている。
特許文献2から、本体に近接するとともに、繊維表面実装材で作製された1つ以上の層からなる製品側材を備えた積層繊維複合材は既知であり、前記層の少なくとも1つは、前記繊維表面実装材に隣接するスペーサから製造され、かつ、連続気泡発泡体から作られた導電性中空繊維からなり、本体に近接する製品側材に設けられた前記繊維表面実装材は、不織布から製造されている。前記積層繊維複合材の全材料厚さは、7mm未満である。導電性繊維は、マイクロフィラメントとして具体化される。本体に近接する製品側材は、綿、レーヨン、又はポリエステル−レーヨン混合物から作製され、150℃超の溶融温度を有する吸収性繊維をさらに備えている。
特許文献3から、30重量%から95重量%までの中空繊維と5重量%から70重量%までの非中空繊維とを含む不織布要素と、多孔性カバー層とを備えた合成皮革は、既知である。前記中空繊維及び前記非中空繊維は、ポリエチレンテレフタレートからなる。
特許文献4から、線質量密度値が2デニールから18デニールまでのポリエチレンテレフタレート(PET)で作製された10重量%から50重量%の、機能繊維としての中空繊維と、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、共ポリエステル/PET、ナイロン6/ナイロン6,6、又はナイロン6/PET製の二成分バインダ繊維とを備えた不織布が既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/150336号
【特許文献2】独国実用新案第9415040号明細書
【特許文献3】欧州特許第1039005号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/103970号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、特に好適な加工特性、特に時間を節約する加工特性を可能にする一般的な積層繊維複合材を利用可能にすることにある。本目的は、本発明に係る請求項1の特定事項によって達成されるとともに、本発明の好適な実施態様及びさらなる発展態様が、従属項から明らかになるであろう。
【0005】
本発明は、積層繊維複合材に係り、特には、全材料厚さが7mm未満であり、さらに少なくとも1つの不織布要素と、その不織布要素に結合された少なくとも1つの発泡材要素とを備えた座席カバーの積層繊維複合材に係るものであり、前記不織布要素は、150℃超の溶融温度を有する少なくとも1つのバインダ繊維を備えており、前記不織布要素は、50デシテックス以下の線質量密度値に特徴づけられた少なくとも1つの機能繊維
であって、中空繊維として形成される機能繊維を備えているものである。
【0006】
前記不織布要素は、互いに絡み合っている複数のバインダ繊維と複数の機能繊維とを備え、当該バインダ繊維及び当該機能繊維の少なくともいずれか一方は、紡糸繊維又はフィラメントとして具体化されており、互いに絡み合っていることから、前記不織布要素の前記バインダ繊維及び前記機能繊維の少なくともいずれか一方は、フォームフィット結合、熱融着、及び接着の少なくともいずれか1つにより相互結合され、前記不織布要素を具体化するために、前記バインダ繊維及び前記機能繊維の少なくともいずれか一方は、配向された態様又は絡み合った態様で配置されており、前記不織布要素と前記発泡材要素とは互いに機械的に結合されており、前記不織布要素と前記発泡材要素とは互いにニードル加工されており、発泡材−不織布分離力に抗して前記不織布要素と前記発泡材要素との間に作用する保持力は、1N超であり、前記バインダ繊維は、160℃から190℃までの範囲の値に等しい溶融温度を有することが提案される。好適には、バインダ繊維は、部分的又は全体的な溶融によって追加的な要素部材を結合するため、或いは、不織布要素の個々の繊維を互いに結合する接着手段として機能するように構成された溶融繊維として具体化される。「構成された」は、特に、具体的に設計されること、及び具体的に装備されることの少なくともいずれか一方を意味する。特定の機能のために構成されたエレメントやユニットは、当該エレメントやユニットが適用されている状態と操作されている状態の少なくともいずれか一方において、所定の機能を具体化すること、或いは、前記所定の機能を達成するように特別に設計されているものであると特に理解すべきである。バインダ繊維は、線質量密度値を特に有し、前記線質量密度値は、1デシテックス超であり、好適には5デシテックス超であり、特に好適には15デシテックス未満である。特に好適には、バインダ繊維は、1デシテックスから9デシテックスまでの範囲の値と等しい線質量密度値を有する。好適には、バインダ繊維は、160℃超、特に好適には200℃以下の溶融温度を有する。バインダ繊維は、少なくとも1つの追加的な材料、特に接着性織物を特に加熱工程後の物質と物質との結合によって不織布要素に結合する、不織布要素の結合要素として構成されていることが好ましい。ここで追加材料は、例えば、織物生地として、タテ編生地として、追加の不織布要素生地として、ニット編生地として、その他の生地として、具体化されてもよい。製造工程において、バインダ繊維の熱活性化は、オーブン中で好適に行われる。このようにして、追加材料の非溶融繊維が溶融したバインダ繊維に接着結合可能な状態で、バインダ繊維は、当該追加材料の繊維との加熱接着を確立する。追加された複合材料と少なくとも不織布要素との材料複合体は、それ自身が、弾性に富み、伸長可能なものとなる。
【0007】
少なくとも1つのバインダ繊維(溶融繊維)に加えて、不織布要素は、少なくとも1つの機能繊維を好適に備えている。好適には、機能繊維は、ポリエステル繊維で、特にポリエチレンテレフタレート繊維で具体化される。しかしながら、機能繊維が、例えば、ポリアミド繊維として、ポリアクリロニトリル繊維として、ポリ塩化ビニル繊維として、ポリビニルアルコール繊維として、ポリフッ化ビニリデン繊維として、ポリテトラフルオロエチレン繊維として、ポリウレタン繊維等として具体化され、当業者に好適であるとみなされる異なる態様を特徴づける機能繊維であることも想定される。ここで機能繊維は、特に、1デシテックス超の線質量密度値を有し、好適には15デシテックス超、特に好適には30デシテックス未満の線質量密度値を有する。特に優れて好適には、機能繊維は、1.5デシテックスから24デシテックスまでの範囲内の値に等しい線質量密度値を有する。好適には、機能繊維は、40デシテックスより小さく、特に好適には30デシテックス未満の線質量密度値を有する。特に好適には、機能繊維は、1.5デシテックスから24デシテックスまでの範囲の値に等しい線質量密度値を有する。好適には、有孔不織布要素で具体化することが可能である。これにより、通気性不織布要素を好適に実現可能である。
【0008】
好適には、機能繊維は高い弾性復元力を有する。この目的のために、機能繊維は螺旋状に丸められた形で好適に具体化される。特に好適には、不織布要素は、複数のバインダ繊維と複数の機能繊維とを備え、これらが互いに絡み合っている。ここで、バインダ繊維及び機能繊維の少なくともいずれか一方は、紡糸繊維(ステープルファイバー)又はフィラメント(連続繊維)として具体化可能である。不織布要素のバインダ繊維及び機能繊維の少なくともいずれか一方は、互いに絡み合っていることから、好適には、フォームフィット結合(インターレース)、熱融着、及び接着の少なくともいずれか1つにより相互結合される。不織布要素を具体化するために、バインダ繊維及び機能繊維の少なくともいずれか一方は、配向された態様又は絡み合った態様で配置可能である。不織布要素は、特に30g/m
2超の目付量を有し、好適には60g/m
2超であり、特に好適には550g/m
2未満である。不織布要素は、50g/m
2から500g/m
2までの範囲の値に相当する目付量が特に好適である。
【0009】
発泡材要素は、ポリウレタン−ポリエーテル発泡材又はポリウレタン−ポリエステル発泡材、特にポリウレタン−ポリエーテル裁断発泡材又はポリウレタン−ポリエステル裁断発泡材として具体化されることが好ましい。しかしながら、発泡材要素は、当業者に好適とみなされる異なる実施態様、特に、転がり可能で、かつ軟弾性であって、好適には高い弾性力とともに好適には高い空気透過性(例えば、網状発泡材)を特徴づけるものとして、当業者に好適とみなされる異なる実施態様である、と想定してもよい。
【0010】
積層繊維複合材は、好適には、7mm未満の全材料厚さを有する。特に、積層繊維複合材は、0.9mm超の全材料厚さを有する。特に好適には、積層繊維複合材は、1mmから6mmまでの範囲の値に等しい全材料厚さを有する。好適には、積層繊維複合材の全材料厚さは、不織布要素の最大不織布要素厚さと発泡材要素の最大発泡材要素厚さとの最低限の値からなる。
【0011】
好適には、不織布要素は、中空繊維として具体化された機能繊維の少なくとも一部と、中空繊維としては具体化されていない機能繊維の一部とを備えている。「中空繊維」という文言は、ここでは特に、少なくとも1つの中空空間を含む繊維、特に、繊維の全長に沿って少なくとも実質的に延びる少なくとも1つの中空空間を含む繊維を定義することを意図しており、繊維の長軸の周りに延びる少なくとも円周方向に沿ってみて、この繊維は、当該繊維の少なくとも1つの中空空間を囲うものである。繊維の中空空間は、本明細書では特に、環状、三つ股型、若しくは多角形、又は同等の態様で、囲われていてもよい。ここで、中空繊維として具体化された機能繊維は、好適には中空繊維の体積全体に対して少なくとも1%超、好適には少なくとも5%超、特に好適には8%超の中空空間を有する。特に優れて好適には、中空繊維として具体化される機能繊維は、中空繊維の体積全体に対して15%未満、特に10%の範囲の中空空間を有する。
【0012】
本発明の態様によれば、特に好適には、螺旋状に丸められた繊維を有する不織布要素を実施可能である。さらに好適なことに、積層繊維複合材は、好適な加工特性、特に時間の節約となる加工特性を可能にする利用可能性を有するものとなる。好適には、加工特性は、特に、少なくともバインダ繊維を溶融するための連続加熱を可能ならしめ、特に、積層繊維複合材の製造過程において、積層繊維複合材の厚さ−厚いものであれ、薄いものであれ−に拘わらず、一定の温度設定で実施される連続加熱を可能ならしめる。このことは好適なことに、機械の短い段取り時間を可能にするか、又は同段取り時間での分配さえも可能にする。しかも好適なことに、高い処理速度が、特に積層繊維複合材が薄い場合には、好適に可能となり、処理温度が上がるほど、積層繊維複合材、特に薄い積層繊維複合材の加熱が促進される。この結果、積層繊維複合材を処理する時間の節約が好適に可能になる。
【0013】
特に好適には、バインダ繊維は、160℃から190℃までの範囲の値に等しい溶融温度を有する。しかしながら、代替的な態様において、バインダ繊維の溶融温度が220℃を超えることも想定される。本発明の具体的な態様を通して、製造工程において、全材料厚さが7mmを超える積層繊維複合材を加熱するために使用される温度設定を、本発明による積層繊維複合材を加熱するために適用することが可能となる。
【0014】
発泡材要素が、5mm未満の最大発泡材要素厚さを有することも提案される。特に、発泡材要素は、3.5mm未満の、好適には3.1mm未満の、特に好適には0.9mm超の最大発泡材要素厚さを有する。特に好適には、発泡材要素は、1mmから3mmまでの範囲の値に等しい最大発泡材要素厚さを有する。本発明に係る態様によれば、薄肉の発泡材要素を具体化することによって、発泡材要素と不織布要素との間に高い熱流が生じることが実現可能となり、追加的に設けられた接着剤織物の迅速な加熱が可能な発泡材要素を好適に達成することが可能である。
【0015】
さらに、前記不織布要素の最大不織布要素厚さが5mm未満であることが提案される。特に、前記不織布要素は、3.5mm未満、好適には3.1mm未満、最も好適には0.9mm超の最大不織布要素厚さを有する。特に優れて好適には、前記不織布要素は、1mmから5mmまでの範囲の値に等しい最大不織布要素厚さを有する。好適には、積層繊維複合材は、少なくとも1倍以上の不織布要素の最大不織布要素厚さに対する発泡材要素の最大発泡材要素厚さの割合を有する。しかしながら、積層繊維複合材は、発泡材要素の最大発泡材要素厚さと不織布要素の最大不織布要素厚さとの割合が少なくとも1倍以下であることも想定される。ここで「不織布要素の最大不織布要素厚さ」は、不織布要素の主たる表面に対して少なくとも実質的に直交する方向、特に、発泡材要素の結合面に対し実質的に直交する方向に沿って見た、不織布要素の最大長さを意味し、特に互いに絡まる不織布要素の繊維の総数の少なくとも70%まで、好適には少なくとも80%まで、特に好適には少なくとも90%までで実現され、特に互いに絡まっている繊維の全体は、断面で見て多角形、例えば四角形、正方形等を形成する。ここで特に、多角形の形状を越えて延びる単一繊維は、不織布要素の最大不織布要素厚さを決定するために考慮されない。特に「実質的に直交する」という文言は、ここでは特に、基準方向に対する方向の向きを規定することであり、方向及び基準方向、特に平面で見た場合の方向及び基準方向は、90度の角度を含み、この角度は特に8°未満、好適には5°未満、特に好適には2°未満の最大偏差を有する。本発明に係る態様は、不織布要素を通る熱の高速拡散、したがって不織布要素のバインダ繊維を通る熱の高速拡散を好適に可能にする。
【0016】
さらに、発泡材要素は、10kg/m
3超の体積重量を有することが提案される。好適には、発泡材要素は、15kg/m
3超の体積重量を有し、特に好適には100kg/m
3未満である。特に優れて好適には、発泡材要素は、20kg/m
3から90kg/m
3までの範囲の値に等しい体積重量を有する。本発明による態様を通して、好適な加工特性に加え、好適なクッション特性をもたらす積層繊維複合材が利用可能となる。
【0017】
「互いに機械的に結合される」は、ここでは、特に、理解されるべき少なくとも2つの要素のフォームフィット結合及びフォースフィット結合の少なくともいずれか一方、特に、不織布要素と発泡材要素とのフォームフィット結合及びフォースフィット結合の少なくともいずれか一方である。好適には、不織布要素と発泡材要素とは、物質と物質との接着なしに互いに機械的に結合される。特に好適には、不織布要素の繊維は、発泡材要素に絡まるものである。好適には、積層繊維複合材は、座席カバー、特に自動車の座席カバーに少なくとも一部が実装されるように構成される。
【0018】
前記不織布要素と前記発泡材要素とは互いにニードル加工されており、前記発泡材要素の結合面全体の少なくとも5%超のところに前記不織布要素の繊維が進入していることも提案される。特に好適なことに、不織布要素と発泡材要素とが互いにニードル加工され、発泡材要素の結合面全体の少なくとも15%超のところに不織布要素の繊維が貫通する。好適には、不織布要素の繊維は、発泡材要素の結合面の少なくとも15%に、さらには結合面全体にわたって配分され、当該結合部に対し、少なくとも実質的に横切る方向に延びる。「少なくとも実質的に横切る」とは、ここでは特に、基準方向及び基準軸の少なくともいずれか一方に対する方向及び軸の少なくともいずれか一方の向きをいい、方向ないし軸の向きは、基準方向ないし基準軸に対して少なくとも実質的に平行であり、特に基準方向ないし基準軸に対して傾いているか又は直交している。
【0019】
「ニードル加工された」という文言は、ここでは特に、不織布要素が発泡材要素に結合された場合に、少なくとも1つの繊維、特に不織布要素の複数の繊維が少なくとも部分的に発泡材要素内に延びた状態での不織布要素と発泡材要素との間の機械的結合を指す。「発泡材要素の結合面」は、ここでは特に、不織布要素が当該不織布要素に隣接する発泡材要素に結合された場合の状態における発泡材要素の表面全体のことを意味し、特に、投影面に投影された発泡材要素の表面であると理解すべきである。好適には、不織布要素と発泡材要素とは、ニードル加工によって互いに結合される。こうして不織布要素の繊維は、好適には、発泡材要素の中にニードル加工される。好適には、追加的な接着剤を省くことが可能となる。好適には、特に、ニードル加工後に発泡材要素から突出するバインダ繊維が溶融するように構成され、同様に、不織布要素から離反する側に面する発泡材要素の側に設けられる、例えば皮革材料と結合されるように構成されて、不織布要素と発泡材要素との間に機械的な保持が確立される。
【0020】
好適には、前記発泡材要素の結合面1cm
2当たりに前記不織布要素の少なくとも2本の繊維が当該発泡材要素に進入するように、前記不織布要素と前記発泡材要素とを互いにニードル加工されていることが提案される。特に、発泡材要素の結合面1cm
2当たりに、不織布要素の少なくとも3本の繊維が、好適には不織布要素の少なくとも5本の繊維が、特に好適には不織布要素の少なくとも10本の繊維が、当該発泡材要素に進入する。優れて好適には、発泡材要素の結合面の1cm
2当たりに、不織布要素の10本を超える繊維が、さらには少なくとも20本から300本の繊維が、当該発泡材要素に進入する。「発泡材要素に進入する」という文言は、ここでは特に、不織布要素と発泡材要素との結合状態において、繊維の不織布要素が当該不織布要素から発泡材要素中に延びている、発泡材要素に対する不織布要素の繊維の配置を意味する。
【0021】
特に、前記発泡材要素に進入する前記不織布要素の多数の繊維が当該発泡材要素の最大発泡材厚さの少なくとも50%まで当該発泡材要素に延びるように、前記不織布要素と前記発泡材要素とは、互いにニードル加工される。「発泡材要素に進入する前記不織布要素の繊維の大部分」は、ここでは特に、総数の少なくとも20%超、好適には30%超、特に好適には50%超までの不織布要素の繊維が、発泡材要素の中に進入することを意味する。しかしながら、不織布要素の単一の繊維が発泡材要素の最大発泡材厚さの少なくとも50%超までが発泡材要素内に延びている、或いは、発泡材要素を完全に貫通している場合を想定してもよい。「発泡材要素の最大発泡材厚さの少なくとも50%まで発泡材要素に延びる」という文言は、ここでは特に、不織布要素の繊維が、当該不織布要素の縁領域から出発して、特に発泡材要素の中に突出した、発泡材要素の最大発泡材厚さの少なくとも50%に相当する伸長部分を有することを意味ものと理解されるべきである。
【0022】
本発明による態様により、不織布要素と発泡材要素との間の特に好適で堅固な結合が可能になる。好適なことに、発泡材要素の高レベルの安定性を維持可能である。このように、発泡材要素の弾性及び耐久性を好適に維持可能である。さらに、積層繊維複合材を配置可能な物品の形状に対応するべく、積層繊維複合材、特に発泡材要素の好適な適合性を可能にする目的で、ニードル加工の間に針が進入し貫通することによって、発泡材要素の表面張力は、好適に失われる。
【0023】
前記不織布要素の繊維と前記発泡材要素との間のフォームフィット結合及びフォースフィット結合の少なくともいずれか一方により、発泡材−不織布分離力に抗して前記不織布要素と前記発泡材要素との間に作用する保持力は、1N超である
。「発泡材−不織布分離力」は、ここでは特に、発泡材要素の結合面に少なくとも実質的に直交するように延びる方向に沿って見た場合において、不織布要素と発泡材要素との間の結合の分離を誘発する虞のある、少なくとも負荷の作用する一例において、積層繊維複合材に作用する力である、と理解されるべきものである。特に、発泡材−不織布分離力に抗して前記不織布要素と前記発泡材要素との間に作用する保持力は、1kN未満であり、好適には0.8kN未満であり、特に好適には10N超であり、特に10N未満且つ2N超である。発泡材−不織布分離力に抗して前記不織布要素と前記発泡材要素との間に作用する保持力は、ここで好適には、発泡材要素内における不織布要素の繊維との絡まりからもたらされる、特に不織布要素と発泡材要素との間にフォームフィット結合及びフォースフィット結合の少なくともいずれか一方からもたらされる好ましい結果となる。本発明による態様は、不織布要素と発泡材要素との望ましくない分離を打ち消し又は少なくとも実質的に防止することを好適に可能にする。
【0024】
さらに、少なくとも部分的に前記積層繊維複合材によって具体化されるシートカバーが提案される。
本発明による積層繊維複合材及び本発明による座席カバーの少なくともいずれか一方は、ここでは、上記の適用及び実施形態に限定されない。特に、本明細書に記載された機能性を達成する目的で、本発明による積層繊維複合材や座席カバーは、多数のそれぞれの要素、構造部品及びユニットを含むことができる本明細書に記載された数とは異なる数の方法ステップを含む。さらに、本開示に示される値の範囲に関して、上記の範囲内の値は、開示され、要件に従って適用可能であると想定されるべきである。
【0025】
さらなる利点は、図面の以下の説明から明らかになるであろう。図面には、本発明の例示的な実施形態が示されている。図面、説明及び特許請求の範囲は、複数の特徴を組み合わせて含む。当業者は意図的に特徴を別々に考察し、さらに経験を積み重ねた組み合わせを見出すだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】皮製の座席カバーが本発明による積層繊維複合材の上に配置されている、同積層繊維複合材の概略断面図。
【
図3】皮革に被覆されているとともに、本発明による座席カバーの皮革補強材とを備えた本発明による積層繊維複合材の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、少なくとも1つの不織布要素12と、この不織布要素12に結合された少なくとも1つの発泡材要素14とを有し、全材料厚さ28が7mm未満の積層繊維複合材10を示す。ここで、不織布要素12及び発泡材要素14は機械的に結合されている。不織布要素12と発泡材要素14は、ニードル加工され、発泡材要素14の結合面16全体の少なくとも5%超に不織布要素12の繊維18,20が貫通している。好適には、不織布要素12と発泡材要素14は、発泡材要素14の結合面全体16の少なくとも15%超に不織布要素12の繊維18,20が貫通するように、互いにニードル加工されている。このようにして、発泡材要素14の結合面16の1cm
2当たり、不織布要素12の少なくとも2本の繊維18,20が発泡材要素14に入り込んでいる。好適には、発泡材要素14の結合面16の1cm
2当たり、不織布要素12の少なくとも10本の繊維18,20が、特に20本から300本の繊維18,20が発泡材要素14に進入する。しかしながら、また、発泡材要素14の結合面16の1cm
2当たり、不織布要素12の繊維18,20が10本を超えて、特に300本を超えて発泡材要素14に進入することも想定される。
【0028】
さらに、発泡材要素14に進入する不織布要素12の少なくとも大部分の繊維18,20は、少なくとも発泡材の最大発泡材厚さ22の最大で少なくとも50%まで発泡材要素14内に貫通する。しかしながら、単一の繊維18,20、或いは、代替的に多数の繊維18,20が発泡材要素14を完全に貫通することも想定される。さらに、単一の繊維18,20若しくは多数の繊維18,20が発泡材要素14の最大発泡材厚み22の50%を越えて奥に、或いは、代替的に多数の繊維18,20が発泡材要素14の最大発泡材厚み22の50%未満の範囲で中に進入することも想定される。不織布要素12の最大不織布厚さ24に対する発泡材要素14の最大発泡材厚さ22の割合は、ここでは、少なくとも1倍以上である。ここで、発泡材要素14は、4mm未満の最大発泡材要素厚さ22を有する。特に、発泡材要素14は、4mm未満の最大発泡材要素厚さ22を有する。特に、不織布要素12は、1mmから3mmまでの範囲の値に対応する最大不織布要素厚さを有する。不織布要素12は、1mmから3mmまでの範囲の値に対応する最大不織布要素厚さ24を有する。積層繊維複合材10の全材料厚さ28は、ここでは、少なくとも発泡材要素14の最大発泡材要素厚さ22及び不織布要素12の最大不織布要素厚さ24によって具体化される。
【0029】
不織布要素12と発泡材要素14は、さらに、発泡材−不織布分離力に抗して不織布要素12と発泡材要素14との間に作用する保持力が1N超になるように互いにニードル加工される。これは、ニードル機(詳細には示されていない)によって、不織布要素12のファイバー18,20が発泡材要素14の中に入り込み、不織布要素12の繊維18,20が発泡材要素14とのフォームフィット結合及びフォースフィット結合の少なくともいずれか一方を確立する結果となるように、不織布要素12と発泡材要素14とをニードル加工する過程で達成される。このようにして、不織布要素12は、取り外し不能に、すなわち永久的に発泡材要素14と結合される。ここで発泡材要素14は、10kg/m
3超の体積重量を有する。不織布要素12は、45g/m
2超の目付量を有する。
【0030】
不織布要素12は、50デシテックス以下の線質量密度値を有する少なくとも1つの機能繊維26をさらに備えている。機能繊維26は、ここでは、不織布要素12の繊維18,20のうちの1つによって具体化される。機能繊維26は、中空繊維として具体化される。ここで、機能繊維26は、当業者によって適切であるとみなされるあらゆる断面、例えば、星形断面、正方断面、三つ股断面、馬蹄形断面、環形断面等を有していてもよい。全体として、不織布要素12は、50デシテックス以下の線質量密度値を有し、特に中空繊維として具体化された複数の機能繊維26を備えている。
【0031】
これとは別に、不織布要素12は、少なくとも1つのバインダ繊維38(溶融繊維)をさらに備えている。バインダ繊維38は、ここでは、不織布要素12の繊維18,20の1つによって具体化されている。ここで、少なくとも1つのバインダ繊維38の溶融温度は、220℃未満である。バインダ繊維38の溶融温度は、160℃から180℃までの範囲の値に相当する。特に、バインダ繊維38の溶融温度は、160℃から180℃までの範囲の値に等しい。バインダ繊維38は、不織布要素12の繊維18,20のうちの1つによって具体化される。全体として、不織布要素12は、複数のバインダ繊維38を含む。不織布要素12のバインダ繊維38及び機能繊維26の少なくともいずれか一方は、その混合によって、フォームフィッティング結合(絡み合い)及び接着の少なくともいずれか一方によって相互結合される。ここで、バインダ繊維38及び機能繊維26の少なくともいずれか一方は、整列させてもよいし、もつれた状態にしてもよい。
【0032】
積層繊維複合材10は、座席カバーの積層繊維複合材として具体化されている。従って、積層繊維複合材10は、座席カバー30、特に自動車用座席カバーを少なくとも部分的に具体化するように構成されている。この目的のために、積層繊維複合材10は、織物、皮革、合成皮革等の少なくとも1つの追加材料32に結合可能である(
図2及び
図3)。このように少なくとも積層繊維複合材10と追加材料32とを結合することを介して、座席カバー30を少なくとも部分的に具体化可能としてもよい。
図2に示される例示的な実施形態では、追加材料32は、積層繊維複合材10に結合可能な座席カバー30を具体化する皮革として実施されている。この目的のために、追加材料32は、発泡材要素14の不織布要素12から離反して面する側に配置可能である。積層繊維複合材10と追加材料32との結合のために、積層繊維複合材10及び座席カバー30の少なくともいずれか一方は、少なくとも一種類の結合要素36を含む。結合要素36は接着要素として具体化される。ここで結合要素36は、特に、自己接着性接着剤、感圧性接着剤等として接着性不織布/接着性織物として具体化されることが想定される。接着性不織布/接着性織物としての結合要素36の実施形態において、結合要素36は網状構造を有し、特にバインダ繊維38と類似又は同1つの材料で具体化されており、成分36は、50℃から140℃までの値の範囲の値、好適には90℃から100℃までの範囲の値に等しい融点を有する。ここで、結合要素36は、例えば共重合ポリアミドとして具体化されることもまた想定される。
【0033】
織物又は合成皮革としての追加材料32の代替的な実施形態において、結合要素36は、少なくとも部分的に発泡材要素14の一実施形態において具体化され、又は発泡材要素14に付加されるものとして具体化されており、いずれの実施形態においても、結合要素36は、熱溶着可能なものである。付加的な発泡材要素としての結合要素36を具体化する際には、当業者には既に知られている消失模型鋳造法が好適に適用可能である。ここで、結合要素36は、熱溶着を介して発泡材要素14上に配置可能であり、追加材料32は、発泡材要素14の上に既に配置されている結合要素36上に、熱溶着によって配置可能である。熱溶着の後、付加的な発泡材要素として具体化された結合要素36は、薄い接着剤層のように存在する。好適なことに、積層繊維複合材10の元の厚さは、少なくとも実質的に維持可能である。代替的に又は追加的に、当業者によって好適であるとみなされ、積層繊維複合材10の繊維特性を好適に維持する接着粒又は接着剤粉末、溶融印刷法、ホットメルト接着剤、接着箔、若しくは他の接着剤結合手段又は接着結合法、特にホットメルト法若しくはコールドメルト法が、追加材料32を発泡材要素14に結合するために使用される。
【0034】
積層繊維複合材10は、例えば、フラットベッド積層機又は皮革固定機で、追加材料32に結合可能である。ここで積層繊維複合材10と追加材料32とを結合するための処理温度は、特に接着性不織布/接着性織物として、結合要素36を具体化する際に好適に低く保たれる場合がある。
【0035】
図3において、座席カバー30は、積層繊維複合材10及び追加材料32に加えて、少なくとも1つの補強材料34を備えている。ここで、補強材料34は、追加材料32を補強するように構成される。従って、
図3に例示的に示す積層繊維複合材10の実施形態においては、補強材料34は皮革補強材料として具体化される。しかしながら、補強材料34は、当業者によって適切とみなされる異なる実施形態、特に追加材料32の実施形態に依拠した実施形態を特徴づけることも想定される。補強材料34は、積層繊維複合材10と追加材料32との間に配置される。ここで、補強材料34は、発泡材要素14の不織布要素12側、特に発泡材要素14と結合要素36との間に配置される。しかしながら、補強材料34は、当業者によって好適とみなされる異なる構成に特徴づけられていることも想定される。補強材34は、織物生地として、タテ編生地として、ニット編生地として、レース編生地として、その他の生地として、皮革用に具体化されてもよい。好適には、補強材料34は、接着性織物(詳細には示されていない)によって発泡材要素14に固定可能である。このようにして、荷重が作用した場合において、レザーの伸張は、好適に、少なくとも実質的に抑制可能であり、或いは、少なくとも実質的に低減可能である。さらに、座席カバー30に特定の応力が加わる領域、例えば、側方エアバッグの出口部分に適切な補強部を設けることが可能である。さらに、補強材料34の適切な選択により、積層繊維複合材10の少なくとも伸張特性、材料特性、特に耐えられる最大引っ張り力等が修正可能である。ここでは詳細には示されていないが、織物又は合成皮革としての追加材料32の代替的な実施形態の場合において、結合要素36に加えて、化学的結合剤(ここには詳細を図示せず)を、例えば接着剤を追加材料32と積層繊維複合材10の少なくともいずれか一方に塗布することが想定可能である。前記結合剤は、好適なことに、追加材料32及び不織布12の少なくともいずれか一方の繊維からの繊維ダストの追加材料32上への付着や、さらには、結合剤の後処理を少なくとも実質的に回避し、或いは少なくとも低減する。好適なことに、毛羽の保護が達成可能である。
【0036】
積層繊維複合材10は、座席、特に自動車用座席の難しい輪郭、例えば、ひどくひずんだ領域で出っ張った形に具体化された座席や、例えば、サイドアクセス座席の横翼等であっても、積層繊維複合材の滑らかで折目のない配置を好適に可能にする。これに加えて、積層繊維複合材10は、例えば、積層繊維複合材10が当該積層繊維複合材10の一部分で盛り上がり、その一部分に連続する他の部分で窪むような座席に配置される場合のように、ごく小さな半径でのドレープ性が、好適なことに高い。さらに、積層繊維複合材10は、FMVSS302又はISO3795に準拠して、発火しにくい。さらに、自動車産業のすべての関連文書、例えば、排出ガス/フォギング/臭気に関する諸要件や、廃車規制等々が考慮される。
【符号の説明】
【0037】
10 積層繊維複合材
12 不織布要素
14 発泡材要素
16 結合面
18 繊維
20 繊維
22 発泡材厚さ
24 不織布厚さ
26 機能繊維
28 全材料厚さ
30 座席カバー
32 追加材料
34 補強材料
36 結合要素
38 バインダ繊維
【要約】
本発明は、全材料厚さが7mm未満であり、さらに少なくとも1つの不織布要素(12)と、前記不織布要素に結合されている少なくとも1つの発泡材要素(14)とを備えている積層繊維複合材、特に座席シート用の積層繊維複合材である。前記不織布要素(12)は、150℃超の溶融温度を有する少なくとも1つのバインダ繊維(38)を備えており、前記不織布要素(12)は、50デシテックス以下の線質量密度値を有する少なくとも1つの機能繊維(26)を備えている。前記機能繊維(26)は、中空繊維として具体化されている。