特許第6228358号(P6228358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6228358車載装置、危険予測方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228358
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】車載装置、危険予測方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20171030BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20171030BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20171030BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20171030BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20171030BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20171030BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G08G1/16 A
   G08G1/0969
   G08G1/00 D
   G01C21/26 C
   B60R21/00 628F
   G09B29/10 A
   G09B29/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-238627(P2012-238627)
(22)【出願日】2012年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-89554(P2014-89554A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年6月2日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】松原 圭一
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−050967(JP,A)
【文献】 特表2010−500678(JP,A)
【文献】 特開2010−044632(JP,A)
【文献】 特開2001−273588(JP,A)
【文献】 特開2006−277058(JP,A)
【文献】 特開2010−097345(JP,A)
【文献】 特開2001−289643(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01482280(EP,A1)
【文献】 特開平9−42002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−1/16
B60R 21/00
G01C 21/00−21/36
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と他の移動体との距離に関する距離関連情報に関する条件を有した、危険であると判断するための危険判断条件が格納される危険判断条件格納部と、
移動体が走行している道路に関する情報である道路関連情報を取得する道路関連情報取得部と、
走行時の移動体に関する情報である移動体関連情報を取得する移動体関連情報取得部と、
移動体と他の移動体との距離に関する距離関連情報を取得する他移動体関連情報取得部と、
前記道路関連情報取得部が取得した道路関連情報と、前記移動体関連情報取得部が取得した移動体関連情報とが、前記危険判断条件合致するか否かを判断し、かつ前記他移動体関連情報取得部が取得した距離関連情報が、前記危険判断条件に合致するか否かを判断する危険判断部と、
前記危険判断部が、前記危険判断条件に合致すると判断した場合に、危険である旨を出力する危険報知部とを備え、
前記移動体関連情報は、
移動体の加速度に関する加速度情報または移動体の速度が速くなっているか遅くなっているかの判断結果を含み、
前記他移動体関連情報取得部は、移動体の前方の画像である前方画像を取得する前方画像取得手段を備え、
前記前方画像取得手段は、前記前方画像から他の移動体の輪郭を検出し、前記前方画像の大きさに対する前記他の移動体の大きさの割合を算出し、前記割合から移動体と他の移動体との距離を算出する車載装置。
【請求項2】
前記距離関連情報は、
移動体と他の移動体との距離が縮まっているか伸びているかの判断結果を示す距離変化情報を含む請求項1記載の車載装置。
【請求項3】
移動体と他の移動体との距離に関する距離関連情報に関する条件を有した、危険であると判断するための危険判断条件が格納される危険判断条件格納部と、道路関連情報取得部と、移動体関連情報取得部と、
他移動体関連情報取得部と、危険判断部と、危険報知部と、前方画像取得手段とを用いて行われる危険予測方法であって、
前記道路関連情報取得部が、移動体が走行している道路に関する情報である道路関連情報を取得するステップと、
前記移動体関連情報取得部が、走行時の移動体に関する情報である移動体関連情報を取得するステップと、
前記他移動体関連情報取得部が、移動体と他の移動体との距離に関する距離関連情報を取得するステップと、
前記危険判断部が、前記道路関連情報取得部が取得した道路関連情報と、前記移動体関連情報取得部が取得した移動体関連情報とが、前記危険判断条件に合致するか否かを判断し、かつ前記他移動体関連情報取得部が取得した距離関連情報が、前記危険判断条件に合致するか否かを判断するステップと、
前記危険報知部が、前記危険判断部が、前記危険判断条件に合致すると判断した場合に、危険である旨を出力するステップとを備え、
前記移動体関連情報は、
移動体の加速度に関する加速度情報または移動体の速度が速くなっているか遅くなっているかの判断結果を含み、
前記他移動体関連情報取得部が、移動体の前方の画像である前方画像を取得するステップと、
前記前方画像取得手段が、前記前方画像から他の移動体の輪郭を検出し、前記前方画像の大きさに対する前記他の移動体の大きさの割合を算出し、前記割合から移動体と他の移動体との距離を算出するステップを備えた危険予測方法。
【請求項4】
移動体と他の移動体との距離に関する距離関連情報に関する条件を有した、危険であると判断するための危険判断条件が格納される危険判断条件格納部にアクセス可能なコンピュータを、
移動体が走行している道路に関する情報である道路関連情報を取得する道路関連情報取得部と、
走行時の移動体に関する情報である移動体関連情報を取得する移動体関連情報取得部と、
移動体と他の移動体との距離に関する距離関連情報を取得する他移動体関連情報取得部と、
前記道路関連情報取得部が取得した道路関連情報と、前記移動体関連情報取得部が取得した移動体関連情報とが、前記危険判断条件に合致するか否かを判断し、かつ前記他移動体関連情報取得部が取得した距離関連情報が、前記危険判断条件に合致するか否かを判断する危険判断部と、
前記危険判断部が、前記危険判断条件に合致すると判断した場合に、危険である旨を出力する危険報知部として機能させ、
前記移動体関連情報は、
移動体の加速度に関する加速度情報または移動体の速度が速くなっているか遅くなっているかの判断結果を含み、
前記他移動体関連情報取得部は、移動体の前方の画像である前方画像を取得する前方画像取得手段を備え、
前記前方画像取得手段は、前記前方画像から他の移動体の輪郭を検出し、前記前方画像の大きさに対する前記他の移動体の大きさの割合を算出し、前記割合から移動体と他の移動体との距離を算出する、ものとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、他車両の挙動から衝突の危険性を予測し、当該衝突を回避する装置等が開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−242887
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、走行している道路の種類や、走行している道路の構造、走行時の速度など、走行している道路や移動体の状況に応じて、危険であると判断する条件は異なる。しかしながら、従来の車載装置では、走行している道路や移動体の状況に応じて危険予測を行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の車載装置は、危険であると判断するための1以上の危険判断条件が格納される危険判断条件格納部と、移動体が走行している道路に関する情報である道路関連情報を取得する道路関連情報取得部と、走行時の移動体に関する情報である移動体関連情報を取得する移動体関連情報取得部と、道路関連情報取得部が取得した道路関連情報と、移動体関連情報取得部が取得した移動体関連情報とが、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する危険判断部と、危険判断部が、1以上の危険判断条件のいずれかに合致すると判断した場合に、危険である旨を出力する危険報知部とを備える車載装置である。
【0006】
このような構成により、走行している道路や移動体の状況に応じて危険予測を行うことができる。
【0007】
また、本第二の発明の車載装置は、第一の発明に対して、危険判断条件は、移動体が走行している道路の種類を示す道路種類情報に関する条件と、移動体の速度を示す速度情報に関する条件とを有する条件であり、道路の種類を示す道路種類情報を有する1以上の道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、移動体の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得部とをさらに備え、道路関連情報取得部は、現在位置情報取得部が取得した現在位置情報が示す現在位置に位置する道路の種類を示す道路種類情報を、地図情報格納部から取得し、移動体関連情報取得部は、速度情報を取得し、危険判断部は、道路関連情報取得部が取得した道路種類情報と、移動体関連情報取得部が取得した速度情報とが、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する車載装置である。
【0008】
このような構成により、走行している道路の種類と、移動体の速度とに応じて危険予測を行うことができる。
【0009】
また、本第三の発明の車載装置は、第二の発明に対して、危険判断条件は、2以上の道路種類情報の履歴と、速度情報に関する条件とを有する条件であり、危険判断部は、道路種類情報取得手段が取得した2以上の道路種類情報の履歴と、速度情報取得手段が取得した速度情報とが、1以上の危険判断条件のいずれに合致するか否かを判断する車載装置である。
【0010】
このような構成により、走行した道路の種類の履歴と、移動体の速度とに応じて危険予測を行うことができる。
【0011】
また、本第四の発明の車載装置は、第三の発明に対して、危険判断条件は、移動体が走行している道路の種類が高速道路から一般道路になり、かつ移動体の速度が所定の速度以上であることである車載装置である。
【0012】
このような構成により、走行している道路が高速道路から一般道になり、かつ速度が所定の速度以上である場合に、危険であると判断することができる。
【0013】
また、本第五の発明の車載装置は、第一の発明に対して、危険判断条件は、他の移動体との関係に関する情報である他移動体関連情報に関する条件をも有する条件であり他移動体関連情報を取得する他移動体関連情報取得部をさらに備え、危険判断部は、他移動体関連情報取得部が取得した他移動体関連情報をも、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する車載装置である。
【0014】
このような構成により、他の移動体との関係にも応じて危険予測を行うことができる。
【0015】
また、本第六の発明の車載装置は、第五の発明に対して、危険判断条件は、移動体が走行している道路の構造を示す道路構造情報に関する条件と、他の移動体との距離に関する情報である距離関連情報に関する条件とを有する条件であり、道路の構造を示す道路構造情報を有する1以上の道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、移動体の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得部とをさらに備え、道路関連情報取得部は、現在位置情報取得部が取得した現在位置情報が示す現在位置に位置する道路の構造を示す道路構造情報を、地図情報格納部から取得し、他移動体関連情報取得部は、他の移動体との距離に関する情報である距離関連情報を取得し、危険判断部は、道路関連情報取得部が取得した道路種類情報と、他移動体関連情報取得部が取得した距離関連情報とが、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する車載装置である。
【0016】
このような構成により、走行している道路の構造と、他の移動体との距離とに応じて危険予測を行うことができる。
【0017】
また、本第七の発明の車載装置は、第六の発明に対して、危険判断条件は、移動体がトンネルに進入し、かつ他の移動体との距離が所定の距離以下であることである車載装置である。
【0018】
このような構成により、トンネルに進入し、かつ他の移動体との距離が所定の距離以下である場合に、危険であると判断することができる。
【0019】
また、本第八の発明の車載装置は、第六または第七の発明に対して、他移動体関連情報取得部は、移動体の前方の画像である前方画像を取得する前方画像取得手段と、前方画像取得手段が取得した前方画像から移動体を検出し、前方画像中の移動体である他の移動体との距離を示す距離関連情報を取得する距離関連情報取得手段とを備える車載装置である。
【0020】
このような構成により、他の移動体との距離を、前方の画像を用いて算出することができる。
【0021】
また、本第九の発明の車載装置は、第一の発明に対して、危険判断条件は、走行時の天候に関する情報である天候関連情報に関する条件をも有する条件であり、天候関連情報を取得する天候関連情報取得部をさらに備え、危険判断部は、天候関連情報取得部が取得した天候関連情報をも、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する車載装置である。
【0022】
このような構成により、走行時の天候にも応じて危険予測を行うことができる。
【0023】
また、本第十の発明の車載装置は、第一から第九いずれか1つの発明に対して、危険報知部は、危険判断部が合致すると判断した危険判断条件に応じた出力を行う車載装置である。
【0024】
このような構成により、危険である旨の判断結果に応じて、出力の方法や内容などを変更することができる。
【0025】
また、本第十一の発明の車載装置は、第一から第十いずれか1つの発明に対して、危険報知部は、危険である旨を画面出力する車載装置である。
【0026】
このような構成により、危険である旨を画面出力することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による車載装置等によれば、走行している道路や移動体の状況に応じて危険予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施の形態1における車載装置1のブロック図
図2】同車載装置1の全体動作について説明するフローチャート
図3】同危険判断条件に合致するか否かの判断処理について説明するフローチャート
図4】同危険判断条件の例を示す図
図5】同画面出力の例を示す図
図6】同画面出力の例を示す図
図7】同前方画像の例を示す図
図8】同前方画像からの輪郭抽出の例を示す図
図9】同危険判断条件の例を示す図
図10】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
図11】上記実施の形態におけるコンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明による車載装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、本実施の形態において説明する各情報の形式、内容などは、あくまで例示であり、各情報の持つ意味を示すことができれば、形式、内容などは問わない。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態において、移動体が走行している道路や、移動体の速度、他の移動体との距離などに応じて危険予測を行う車載装置1について説明する。
【0031】
なお、本実施の形態における車載装置1は、例えば、カーナビゲーションシステムや、ディスプレイ・オーディオなどであり、通常、移動体に搭載される。また、移動体は、例えば、自動車や、バイク、自転車などである。なお、移動体には、人を含んでもよい。
【0032】
図1は、本実施の形態における車載装置1のブロック図である。車載装置1は、危険判断条件格納部11、地図情報格納部12、現在位置情報取得部13、道路関連情報取得部14、移動体関連情報取得部15、他移動体関連情報取得部16、天候関連情報取得部17、危険判断部18、危険報知部19を備える。また、他移動体関連情報取得部16は、前方画像取得手段161、距離関連情報取得手段162を備える。
【0033】
危険判断条件格納部11には、危険であると判断するための1以上の危険判断条件が格納される。危険判断条件とは、例えば、移動体が走行している道路に関する条件である道路関連条件や、走行時の移動体に関する条件である移動体関連条件、車載装置1が搭載されている移動体(以下、適宜、自車)と他の移動体(以下、適宜、他車)との関係に関する条件である他移動体関連条件、走行時の天候に関する条件である天候関連条件などである。
【0034】
道路関連条件は、通常、移動体が走行している道路に関する情報である道路関連情報に関する条件である。道路関連情報は、例えば、道路の種類や、道路の構造、道路の名称、道路の制限速度、道路の傾斜などを示す情報である。道路の種類とは、例えば、高速道路や、一般道路、県道、市道などである。また、道路の構造とは、例えば、トンネルや、橋、高架などである。
【0035】
以上より、道路関連条件は、例えば、「高速道路を走行していること」や、「高速道路を下りたこと」、「走行している道路が高速道路から一般道路になったこと」、「トンネルに進入したこと」などである。
【0036】
また、移動体関連条件は、通常、走行時の移動体に関する情報である移動体関連情報に関する条件である。移動体関連情報は、通常、移動体の走行時の速度に関する情報である速度関連情報である。速度関連情報は、例えば、移動体の速度や、移動体の加速度、移動体の角速度、移動体の角加速度、移動体の速度が速くなっているか遅くなっているかの判断結果などを示す情報である。
【0037】
以上より、移動体関連条件は、例えば、「速度が60km/h以上であること」や、「速度が上昇していること」などである。
【0038】
また、他移動体関連条件は、通常、自車と他車との関係に関する情報である他移動体関連情報に関する条件である。他移動体関連情報は、例えば、自車と他車との距離に関する情報である距離関連情報や、自車と他車との速度の差を示す速度差情報、自車と他車との進行方向の差を示す進行方向差情報、自車と他車との位置関係などを示す位置関係情報などである。また、距離関連情報は、例えば、自車と他車との距離(前後、左右)を示す距離情報や、自車と他車との距離が縮まっているか伸びているか(他車に近づいているか他車から遠ざかっているか)の判断結果を示す距離変化情報などである。
【0039】
距離変化情報は、例えば、距離が縮まっていることを示す「縮」や、他車に接近していることを示す「接近」などである。また、速度差情報は、例えば、自車が他車よりも「10km/h」速いことを示す「+10km/h」や、自車よりも他車の方が速いことを示す「速」などである。また、速度差情報は、例えば、自車に対する他車の速度の差を示す情報であってもよい。また、進行方向差情報は、例えば、自車の進行方向が他車の進行方向に対して「10°」傾いていることを示す「+10°」や、自車の進行方向が他車の進行方向の逆であることを示す「逆」などである。また、位置関係情報は、例えば、他車が自車の前方に位置することを示す「前」や、自車からみて北の方向に他車が位置することを示す「北」などである。また、他移動体関連情報は、例えば、自車に対する他車の関係を示してもよいし、他車に対する自車の関係を示してもよい。
【0040】
以上より、他移動体関連条件は、例えば、「前方の他車との車間距離が4m以下であること」や、「前方の移動体に近づいていること」、「自車と他車との速度の差が10km/h以上であること」、「自車と他車との進行方向が同じであること」、「他車が自車の前方に位置すること」などである。
【0041】
また、天候関連条件は、通常、走行時の天候に関する情報である天候関連情報に関する条件である。天候関連情報は、例えば、天気や、降水量、風速、風向などを示す情報である。
【0042】
以上より、天候関連条件は、例えば、「天気が晴れであること」や、「風速が5m/s以上であること」、「雨が降っていること」、「北向きの風であること」などである。
【0043】
また、危険判断条件は、例えば、上記の2以上の条件の組み合わせであってもよい。組み合わせとは、通常、論理積(AND)であるが、論理和(OR)であってもよい。この場合、危険判断条件は、例えば、道路の種類に関する条件と、移動体の速度に関する条件との組み合わせや、道路の構造に関する条件と、車間距離に関する条件との組み合わせ、移動体の速度に関する条件と、天気に関する条件との組み合わせ、道路の構造に関する条件と、風速および風向に関する条件との組み合わせなどである。また、危険判断条件は、通常、少なくとも道路関連条件を有することが好適である。
【0044】
また、危険判断条件には、後述の危険報知部19が出力する内容を示す報知内容情報が対応付いていてもよい。報知内容情報は、例えば、危険である旨を画面に出力することを示す「画面出力」や、危険である旨を警告音により報知することを示す「警告音」、画面に出力する文字である「危険!!」、警告音を識別する「Alert.mp3」などである。
【0045】
地図情報格納部12には、地図を示す地図情報が格納される。地図情報が示す地図の種類は、問わない。また、地図情報は、通常、カーナビゲーションで用いられるKIWIフォーマットのものであるが、例えば、いわゆるラスタデータや、いわゆるベクタデータであってもよい。また、地図情報は、通常、1以上の道路情報を有する。また、当該道路情報は、通常、道路の種類を示す道路種類情報や、道路の構造を示す道路構造情報、道路の名称を示す道路名称情報、道路の起点や終点、通過地点などの位置を示す道路位置情報などを有する。当該位置情報は、通常、経緯度を示す経緯度情報である。また、地図情報は、例えば、地形を示す地形情報や、当該地形の範囲を示す地形範囲情報などを有していてもよい。地形範囲情報は、通常、1以上の位置情報を有しており、当該1以上の位置情報が示す位置により、地形の範囲が示される。また、地図情報は、例えば、地図上の1以上の地点を示す1以上の地点情報を有していてもよい。当該地点は、例えば、駅や、観光名所、公園、テーマパーク、その他の建造物などある。
【0046】
現在位置情報取得部13は、移動体の現在位置を示す現在位置情報を取得する。当該位置情報は、通常、経緯度を示す経緯度情報であるが、高度を示す高度情報であってもよい。また、現在位置情報取得部13は、通常、定期的に現在位置情報を取得する。また、現在位置情報取得部13は、通常、衛星航法システム(GPS受信機など)や、移動体通信用の基地局から位置情報を受信する装置などから、現在位置情報を取得する。この場合、現在位置情報取得部13は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、現在位置情報取得部13の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0047】
道路関連情報取得部14は、移動体が走行している道路に関する情報である道路関連情報を取得する。道路関連情報取得部14は、通常、定期的に道路関連情報を取得する。また、道路関連情報取得部14は、例えば、ユーザからの指示に応じて道路関連情報を取得してもよい。
【0048】
また、道路関連情報取得部14は、通常、道路関連情報を、地図情報格納部12から取得する。当該道路関連情報は、現在位置情報取得部13が取得した現在位置情報が示す現在位置に位置する道路に関する情報である。例えば、道路種類情報を取得する場合、道路関連情報取得部14は、まず、現在位置情報取得部13が取得した現在位置情報が示す現在位置に位置する道路を示す道路情報を、地図情報格納部12に格納されている地図情報が有する1以上の道路情報から取得する。このとき、道路関連情報取得部14は、通常、現在位置情報が示す現在位置と、道路位置情報が示す道路の位置との距離が近いか否かなどを判断することで、現在位置に位置する道路を特定し、当該道路を示す道路情報を取得する。そして、道路関連情報取得部14は、取得した道路情報が有する道路種類情報を取得する。
【0049】
なお、道路の構造や、道路の名称などを示すその他の道路関連情報の取得の方法や手順などは、道路種類情報の取得の方法や手順などと同様であるので、説明を省略する。
【0050】
移動体関連情報取得部15は、走行時の移動体に関する情報である移動体関連情報を取得する。移動体関連情報取得部15は、通常、定期的に移動体関連情報を取得する。また、移動体関連情報取得部15は、例えば、ユーザからの指示に応じて移動体関連情報を取得してもよい。
【0051】
例えば、速度情報を取得する場合、移動体関連情報取得部15は、通常、速度センサや、速度計などの装置から、速度情報を取得する。この場合、移動体関連情報取得部15は、例えば、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、移動体関連情報取得部15の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0052】
また、移動体関連情報取得部15は、例えば、加速度や、角加速度などのその他の速度関連情報を取得してもよい。この場合、移動体関連情報取得部15は、通常、加速度センサや、ジャイロ、これらの装置から取得した情報を表示する装置などから、速度関連情報を取得する。また、この場合、移動体関連情報取得部15は、例えば、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。
【0053】
他移動体関連情報取得部16は、他移動体関連情報を取得する。他移動体関連情報取得部16は、通常、定期的に他移動体関連情報を取得する。また、他移動体関連情報取得部16は、例えば、ユーザからの指示に応じて他移動体関連情報を取得してもよい。また、他移動体関連情報取得部16は、通常、後述の各手段により、他移動体関連情報を取得する。つまり、後述の各手段が取得した他移動体関連情報は、他移動体関連情報取得部16が取得した他移動体関連情報となる。
【0054】
前方画像取得手段161は、移動体の前方の画像である前方画像を取得する。前方画像は、当該2以上の画像を有する映像であってもよい。また、前方画像取得手段161は、通常、CMOSやCCDなどのイメージセンサ(固体撮像素子)や、イメージセンサを用いたカメラ(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ)などから、前方画像を取得する。また、この場合、前方画像取得手段161は、例えば、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、前方画像取得手段161の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0055】
距離関連情報取得手段162は、他の移動体との距離(車間距離)に関する情報である距離関連情報を取得する。距離関連情報取得手段162は、通常、前方画像取得手段161が取得した前方画像を使用せずに、または使用して、距離関連情報を取得する。また、距離関連情報取得手段162は、通常、自車と他車との距離を示す距離情報を取得する。また、距離関連情報取得手段162は、通常、一の他車について取得した2以上の距離情報を用いて、自車が当該他車に近づいているか、または自車が当該他車から遠ざかっているかを示す距離変化情報を取得する。
【0056】
前方画像を使用しない場合、距離関連情報取得手段162は、例えば、自車の位置を示す自車位置情報と、他車の位置を示す他車位置情報とを用いて、距離情報を取得する。当該「取得」は、通常、「算出」である。また、自車位置情報、および他車位置情報は、通常、経緯度であるが、地図上の座標や、高度であってもよい。
【0057】
また、距離関連情報取得手段162は、通常、他車位置情報を、いわゆる車車間通信により取得する。当該「取得」は、通常、「受信」である。また、距離関連情報取得手段162は、通常、1以上の他車位置情報を取得する。従って、距離関連情報取得手段162は、自車位置情報と、1以上の他車位置情報とを用いて、1以上の距離情報を取得する。なお、自車位置情報と、他車位置情報との2つの位置情報を用いて、当該2つの位置間の距離を示す距離情報を算出する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。
【0058】
また、前方画像を使用する場合、距離関連情報取得手段162は、例えば、当該前方画像から他車を検出し、当該他車との距離を示す距離情報を取得する。距離関連情報取得手段162は、例えば、前方画像から、他車が写っている領域を検出する。当該領域の検出は、例えば、輪郭抽出(エッジ検出)や、抽出した輪郭のパターン認識などにより行う。輪郭抽出や、パターン認識などは、公知の技術であるので、詳細な説明を省略する。なお、他車が写っている領域の検出は、当該領域を検出することができれば、その方法は問わない。そして、距離関連情報取得手段162は、例えば、前方画像の大きさに対する検出した領域の大きさの割合や、検出した領域の大きさなどから、他車までの距離を示す距離情報を算出する。この場合、距離関連情報取得手段162は、例えば、当該割合や、検出した領域の大きさなどから距離情報を算出する式を保持しており、当該式に算出した割合や、検出した領域の大きさを代入することで、距離情報を算出する。
【0059】
また、距離変化情報を取得する場合、距離関連情報取得手段162は、通常、一の他の移動体について取得した2以上の距離情報(時間的に先の距離情報と、時間的に後の距離情報)を比較する。そして、時間的に後の距離情報が、時間的に先の距離情報よりも小さい場合、距離関連情報取得手段162は、他車に近づいていると判断し、他車に近づいていることを示す距離変化情報を取得する。また、例えば、時間的に後の距離情報が、時間的に先の距離情報よりも大きい場合、距離関連情報取得手段162は、他車から遠ざかっていると判断し、他車から遠ざかっていることを示す距離変化情報を取得する。また、例えば、時間的に後の距離情報と、時間的に先の距離情報とが同じ場合、距離関連情報取得手段162は、他車との距離に変化がないと判断し、他車との距離に変化がないことを示す距離変化情報を取得する。
【0060】
また、距離関連情報取得手段162は、通常、衛星航法システム(GPS受信機など)や、移動体通信用の基地局から位置情報を受信する装置などから、自車位置情報を取得する。この場合、距離関連情報取得手段162は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、距離関連情報取得手段162は、他車位置情報を取得するために、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。また、距離関連情報取得手段162は、例えば、レーザ距離測定装置や、赤外線距離センサなどの距離を測定する装置などから、距離情報を取得してもよい。この場合、距離関連情報取得手段162は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、距離関連情報取得手段162の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0061】
なお、速度差情報や、進行方向差情報、位置関係情報などのその他の他移動体関連情報の取得は、例えば、他移動体関連情報取得手段(図示せず)が行ってもよい。この場合、他移動体関連情報取得手段は、通常、他移動体関連情報取得部16が備えている。
【0062】
他移動体関連情報取得手段は、速度差情報を取得する。移動体関連情報取得手段は、通常、移動体関連情報取得部15が取得した自車の速度情報と、他車の速度情報とを用いて、速度差情報を取得する。当該「取得」は、通常、「算出」である。また、他移動体関連情報取得手段は、例えば、前方画像取得手段161が取得した2以上の前方画像を用いて、速度差情報を取得してもよい。この場合、他移動体関連情報取得手段は、例えば、時間的に連続する2つの前方画像から他車が写っている領域を検出する。当該他車は、通常、同一である。そして、他移動体関連情報取得手段は、当該検出した2つの領域(時間的に先の領域と、時間的に後の領域)の大きさを比較する。そして、時間的に後の領域が、時間的に先の領域よりも小さい場合、他移動体関連情報取得手段は、他車の方が速いと判断し、他車の方が速いことを示す速度差情報を取得する。また、例えば、時間的に後の領域が、時間的に先の領域よりも大きい場合、他移動体関連情報取得手段は、自車の方が速いと判断し、自車の方が速いことを示す速度差情報を取得する。また、例えば、時間的に後の領域と、時間的に先の領域との大きさが同じ場合、他移動体関連情報取得手段は、他車との速度に佐賀ないと判断し、他車との速度に差がないことを示す速度差情報を取得する。
【0063】
また、他移動体関連情報取得手段は、進行方向差情報を取得する。移動体関連情報取得手段は、通常、いわゆる方位センサや、地磁気センサなどから進行方向情報を取得する。そして、他移動体関連情報取得手段は、自車の進行方向情報と、他車の進行方向情報とを用いて、進行方向差情報を取得する。当該「取得」は、通常、「算出」である。
【0064】
また、他移動体関連情報取得手段は、位置関係情報を取得する。他移動体関連情報取得手段は、通常、現在位置情報取得部13が取得した現在位置情報(以下、適宜、自車位置情報)と、他車の現在位置情報(以下、適宜、他車位置情報)とを用いて、位置関係情報を取得する。当該「取得」は、通常、「算出」である。なお、自車位置情報と、他車位置情報との2つの位置情報を用いて、当該2つの位置関係を示す位置関係情報を算出する方法や手順などは、公知であるので、詳細な説明を省略する。
【0065】
なお、他移動体関連情報取得手段は、他車の速度情報や、他車の進行方向情報、他車の現在位置情報などを、いわゆる車車間通信により取得する。当該「取得」は、通常、「受信」である。
【0066】
天候関連情報取得部17は、天候関連情報を取得する。天候関連情報取得部17は、通常、照度計や、雲量計、風速計などの装置から、天候関連情報を取得する。この場合、天候関連情報取得部17は、例えば、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、天候関連情報取得部17の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0067】
なお、道路関連情報取得部14、移動体関連情報取得部15、他移動体関連情報取得部16、天候関連情報取得部17は、それぞれ、例えば、危険判断条件格納部11に格納されている危険判断条件の内容に応じて、所定の情報を取得してもよい。
【0068】
例えば、危険判断条件が、道路種類情報に関する条件を有する場合、道路関連情報取得部14は、道路種類情報を取得する。また、例えば、危険判断条件が、道路構造情報に関する条件を有する場合、道路関連情報取得部14は、道路構造情報を取得する。
【0069】
また、例えば、危険判断条件が、速度情報に関する条件を有する場合、移動体関連情報取得部15は、速度情報を取得する。また、例えば、危険判断条件が、加速度情報に関する条件を有する場合、移動体関連情報取得部15は、加速度情報を取得する。
【0070】
また、例えば、危険判断条件が、距離変化情報に関する条件を有する場合、他移動体関連情報取得部16は、距離変化情報を取得する。また、例えば、危険判断条件が、速度差情報に関する条件を有する場合、他移動体関連情報取得部16は、速度差情報を取得する。
【0071】
また、例えば、危険判断条件が、天気情報に関する条件を有する場合、天候関連情報取得部17は、天気情報を取得する。また、例えば、危険判断条件が、降水量を示す降水量情報に関する条件を有する場合、天候関連情報取得部17は、降水量情報を取得する。
【0072】
危険判断部18は、道路関連情報取得部14が取得した道路関連情報、移動体関連情報取得部15が取得した移動体関連情報、他移動体関連情報取得部16が取得した他移動体関連情報、天候関連情報取得部17が取得した天候関連情報のうちの1以上の情報が、危険判断条件格納部11に格納されている1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。また、危険判断部18は、例えば、当該道路関連情報などが、当該1以上の危険判断条件のいずれにも合致しないか否かを判断してもよい。
【0073】
例えば、道路関連情報取得部14が道路種類情報を取得し、移動体関連情報取得部15が速度情報を取得した場合、危険判断部18は、当該道路種類情報と速度情報とが、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。また、例えば、道路関連情報取得部14が速度情報を取得し、天候関連情報取得部17が天気を示す天気情報を取得した場合、危険判断部18は、当該速度情報と天気情報とが、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。また、例えば、道路関連情報取得部14が道路構造情報を取得し、他移動体関連情報取得部16が距離情報と距離変化情報とを取得した場合、危険判断部18は、当該道路構造情報と距離情報と距離変化情報とが、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。
【0074】
また、危険判断部18は、例えば、時間的に異なる2以上の道路関連情報が、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断してもよい。例えば、道路関連情報取得部14が時刻t1とt2において道路種類情報を取得したとする。この場合、危険判断部18は、当該2つの道路種類情報が、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。また、例えば、道路関連情報取得部14が時刻t1とt2において道路構造情報を取得したとする。この場合、危険判断部18は、当該2つの道路構造情報が、1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。
【0075】
例えば、道路種類情報が「高速道路」であるとする。また、危険判断条件が「道路種類=高速道路or自動車専用道路」であるとする。この場合、危険判断部18は、当該道路種類情報が、当該危険判断条件に合致すると判断する。
【0076】
また、例えば、時間的に異なる2つの道路種類情報が「高速道路」と「一般道路」であり、速度情報が「85km/h」であるとする。また、危険判断条件が「(道路種類=高速道路→一般道路)&(速度≧80km/h)」であるとする。この場合、危険判断部18は、当該道路種類情報と速度情報とが、当該危険判断条件に合致すると判断する。
【0077】
また、例えば、道路構造情報が「トンネル」であり、距離情報が「25m」であり、距離変化情報が「接近中」であるとする。また、危険判断条件が「(道路構造=トンネル)&(距離≦30m)&(距離変化=接近中)」であるとする。この場合、危険判断部18は、当該道路構造情報と距離情報と距離変化情報とが、当該危険判断条件に合致すると判断する。
【0078】
また、例えば、危険判断条件に報知内容情報が対応付いている場合、危険判断部18は、通常、道路関連情報などが合致すると判断した危険判断条件に対応付いている報知内容情報を、危険判断条件格納部11から取得する。
【0079】
危険報知部19は、危険判断部18が、道路関連情報取得部14が取得した道路関連情報、移動体関連情報取得部15が取得した移動体関連情報、他移動体関連情報取得部16が取得した他移動体関連情報、天候関連情報取得部17が取得した天候関連情報のうちの1以上の情報が、1以上の危険判断条件のいずれかに合致すると判断した場合に、危険である旨を出力する。また、危険報知部19は、例えば、危険判断部18が、当該道路関連情報などが、1以上の危険判断条件のいずれにも合致しないと判断した場合に、危険である旨を出力してもよい。
【0080】
当該「危険である旨を出力する」とは、通常、危険である旨を示す情報を出力することである。また、当該出力とは、ディスプレイへの表示、音出力、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、送信や蓄積、処理結果の引渡しについては、出力対象が最終的にユーザに提示されるものとする。また、送信や蓄積、処理結果の引渡しの結果、例えば、いわゆるドライブレコーダーなどの装置が始動されたり、いわゆるビデオカメラやデジタルカメラによる映像の記録が開始されたりしてもよい。また、当該出力の結果、通常、危険である旨がユーザに報知される。
【0081】
また、「危険である旨」とは、例えば、一般道路を制限速度以上の速度で走行していることや、前方の移動体に接近していること、前方の移動体との車間距離に注意すること、集中力が低下していること、運転に注意が必要であることなどを含み、広く解する。
【0082】
また、出力の方法や手段などは、通常、予め決められているが、そうでなくてもよい。そうでない場合、危険報知部19は、例えば、危険判断部18が取得した報知内容情報に従い、危険である旨を出力してもよい。例えば、報知内容情報が「画面出力」であれば、危険報知部19は、例えば、文字や画像を画面に出力する。また、例えば、報知内容情報が「警告音」であれば、危険報知部19は、例えば、所定の警告音や、報知内容情報が有する警告音を出力する。
【0083】
また、危険報知部19は、通常、危険である旨を画面出力する。当該画面出力する場合において、例えば、画面に地図が出力されている場合や、前方画像が出力されている場合などでは、危険報知部19は、通常、既に出力されている当該出力内容の上に重ねて、文字や画像を出力する。
【0084】
また、危険報知部19は、通常、危険判断部18が1以上の危険判断条件のいずれかに合致すると判断してから、当該1以上の危険判断条件のいずれにも合致しないと判断するまでの間、危険である旨を出力し続ける。また、危険報知部19は、例えば、危険判断部18が1以上の危険判断条件のいずれかに合致すると判断してから、所定の時間の間、危険である旨を出力し、その後、出力を終了してもよい。
【0085】
また、危険報知部19は、ディスプレイやスピーカーなどの出力デバイスを含むと考えてもよいし、含まないと考えてもよい。危険報知部19は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイスなどで実現され得る。
【0086】
なお、危険判断条件格納部11、地図情報格納部12は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。また、危険判断条件格納部11などに所定の情報が記憶される過程は、問わない。例えば、当該所定の情報は、記録媒体や、通信回線、入力デバイスなどを介して危険判断条件格納部11などに記憶されてもよい。
【0087】
また、道路関連情報取得部14、他移動体関連情報取得部16、距離関連情報取得手段162、危険判断部18などは、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。また、道路関連情報取得部14などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0088】
次に、車載装置1の全体動作について、フローチャートを用いて説明する。なお、所定の情報におけるi番目の情報は、「情報[i]」と記載するものとする。図2は、車載装置1の全体動作を示すフローチャートである。
【0089】
(ステップS201)車載装置1は、図示しない受付部が電源ONの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS202に進み、そうでない場合は、ステップS201に戻る。
【0090】
(ステップS202)車載装置1は、電源ONの処理を行う。
【0091】
(ステップS203)現在位置情報取得部13は、現在位置情報の取得を開始する。以降、現在位置情報取得部13は、定期的に現在位置情報を取得する。
【0092】
(ステップS204)車載装置1は、受付部が電源OFFの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS205に進み、そうでない場合は、ステップS207に進む。
【0093】
(ステップS205)現在位置情報取得部13は、現在位置情報の取得を終了する。
【0094】
(ステップS206)車載装置1は、電源OFFの処理を行う。そして、ステップS201に戻る。
【0095】
(ステップS207)道路関連情報取得部14は、道路関連情報の取得のタイミングであるか否かを判断する。例えば、定期的に道路関連情報を取得すると予め決められている場合、道路関連情報取得部14は、以前に道路関連情報を取得してから、所定の時間が経過したか否かを判断する。そして、取得のタイミングである場合は、ステップS208に進み、そうでない場合は、ステップS209に進む。
【0096】
(ステップS208)道路関連情報取得部14は、道路関連情報を取得する。
【0097】
(ステップS209)移動体関連情報取得部15は、移動体関連情報の取得のタイミングであるか否かを判断する。例えば、定期的に移動体関連情報を取得すると予め決められている場合、移動体関連情報取得部15は、以前に移動体関連情報を取得してから、所定の時間が経過したか否かを判断する。そして、取得のタイミングである場合は、ステップS210に進み、そうでない場合は、ステップS211に進む。
【0098】
(ステップS210)移動体関連情報取得部15は、移動体関連情報を取得する。
【0099】
(ステップS211)他移動体関連情報取得部16は、他移動体関連情報の取得のタイミングであるか否かを判断する。例えば、定期的に他移動体関連情報を取得すると予め決められている場合、他移動体関連情報取得部16は、以前に他移動体関連情報を取得してから、所定の時間が経過したか否かを判断する。そして、取得のタイミングである場合は、ステップS212に進み、そうでない場合は、ステップS213に進む。
【0100】
(ステップS212)他移動体関連情報取得部16は、他移動体関連情報を取得する。
【0101】
(ステップS213)天候関連情報取得部17は、天候関連情報の取得のタイミングであるか否かを判断する。例えば、定期的に天候関連情報を取得すると予め決められている場合、天候関連情報取得部17は、以前に天候関連情報を取得してから、所定の時間が経過したか否かを判断する。そして、取得のタイミングである場合は、ステップS214に進み、そうでない場合は、ステップS215に進む。
【0102】
(ステップS214)天候関連情報取得部17は、天候関連情報を取得する。
【0103】
(ステップS215)危険判断部18は、ステップS208で取得した道路関連情報、ステップS210で取得した移動体関連情報、ステップS212で取得した他移動体関連情報、ステップS214で取得した天候関連情報が、危険判断条件格納部11に格納されている1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。この処理の詳細は、図3のフローチャートを用いて説明する。また、この処理の結果、危険判断部18は、道路関連情報などが危険判断条件に合致したか否かを示す合致フラグに「1」または「0」を代入する。
【0104】
(ステップS216)危険報知部19は、合致フラグが1であるか否かを判断する。1である場合は、ステップS217に進み、そうでない場合は、ステップS204に戻る。
【0105】
(ステップS217)危険報知部19は、危険である旨を出力する。
【0106】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0107】
図3は、図2のフローチャートのステップS215の危険判断条件に合致するか否かの判断処理を示すフローチャートである。なお、図3のフローチャートにおいて、危険判断条件格納部11には、m個の危険判断条件が格納されているものとする。
【0108】
(ステップS301)危険判断部18は、合致フラグに0をセットする。
【0109】
(ステップS302)危険判断部18は、道路関連情報取得部14が道路関連情報を取得済みであるか否かを判断する。取得済みである場合は、ステップS303に進み、そうでない場合は、ステップS304に進む。
【0110】
(ステップS303)危険判断部18は、危険判断条件に合致するか否かを判断する情報を格納する配列Target[]に、道路関連情報をセットする。
【0111】
(ステップS304)危険判断部18は、移動体関連情報取得部15が移動体関連情報を取得済みであるか否かを判断する。取得済みである場合は、ステップS305に進み、そうでない場合は、ステップS306に進む。
【0112】
(ステップS305)危険判断部18は、Target[]に移動体関連情報を追加する。
【0113】
(ステップS306)危険判断部18は、他移動体関連情報取得部16が他移動体関連情報を取得済みであるか否かを判断する。取得済みである場合は、ステップS307に進み、そうでない場合は、ステップS308に進む。
【0114】
(ステップS307)危険判断部18は、Target[]に他移動体関連情報を追加する。
【0115】
(ステップS308)危険判断部18は、天候関連情報取得部17が天候関連情報を取得済みであるか否かを判断する。取得済みである場合は、ステップS309に進み、そうでない場合は、ステップS310に進む。
【0116】
(ステップS309)危険判断部18は、Target[]に天候関連情報を追加する。
【0117】
(ステップS310)危険判断部18は、カウンタiに1をセットする。
【0118】
(ステップS311)危険判断部18は、Target[]に格納されている情報が、危険判断条件[i]に合致するか否かを判断する。合致する場合は、ステップS312に進み、そうでない場合は、ステップS313に進む。
【0119】
(ステップS312)危険判断部18は、合致フラグに1をセットする。そして、上位処理にリターンする。
【0120】
(ステップS313)危険判断部18は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、上位処理にリターンし、そうでない場合は、ステップS314に進む。
【0121】
(ステップS314)危険判断部18は、iを1インクリメントし、ステップS311に戻る。
【0122】
(具体例)
次に、車載装置1の動作の具体例について説明する。なお、本具体例において、移動体は、自動車であるものとする。また、車載装置1は、自動車に搭載されているカーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)であるものとする。また、危険判断条件格納部11には、図4に示す危険判断条件が格納されているものとする。当該危険判断条件(項目名:条件)は、レコードを一意に特定するためのID(項目名:ID)が対応付いている。
【0123】
(例1)
まず、ユーザ(ドライバー)が自動車に乗り込み、運転を開始したとする。すると、現在位置情報取得部13は、現在位置情報の定期的な取得を開始する。また、道路関連情報取得部14と、移動体関連情報取得部15と、他移動体関連情報取得部16と、天候関連情報取得部17は、それぞれ、道路関連情報と、移動体関連情報と、他移動体関連情報と、天候関連情報の取得を開始する。
【0124】
次に、道路関連情報を取得するタイミングにおいて、道路関連情報取得部14が道路種類情報「高速道路」を取得したとする。また、当該タイミングの次のタイミングにおいて、道路関連情報取得部14が道路種類情報「一般道路」を取得したとする。
【0125】
次に、道路関連情報取得部14が道路種類情報「一般道路」を取得したタイミングにて、移動体関連情報取得部15が速度情報「85km/h」を取得したとする。
【0126】
次に、危険判断部18は、道路関連情報取得部14が取得した時間的に連続する2つの道路種類情報「高速道路」、「一般道路」と、移動体関連情報取得部15が取得した速度情報「85km/h」とが、図4の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する。そして、危険判断部18は、これらの情報が、図4の「ID=012」の危険判断条件「(道路種類=高速道路→一般道路)&(速度≧80km/h)」に合致すると判断する。当該危険判断条件は、「走行している道路が高速道路から一般道路になったこと、かつ、速度が80km/h以上であること」を意味する。
【0127】
次に、危険報知部19は、危険である旨を出力する。ここで、車載装置1は画面を備えており、図5に示す画像を出力しているものとする。この場合、危険報知部19は、例えば、図6に示すように、既に出力されている画像に重ねて危険である旨を示す情報(ここでは画像)を出力する。
【0128】
また、例えば、上記において、道路関連情報取得部14が道路構造情報「トンネル」を取得し、距離関連情報取得手段162が距離情報「25m」と、距離変化情報「接近」を取得したとする。当該距離情報と、距離変化情報とは、自車の前方に位置する他車に対してのものである。この場合、危険判断部18は、これらの情報が、図4の「ID=013」の危険判断条件「(道路構造=トンネル)&(車間距離≦30m)&(距離変化=接近)」に合致すると判断する。当該危険判断条件は、「走行している道路の構造がトンネルであること、かつ、前方の他車との車間距離が30m以下であること、かつ、前方の他車に接近していること」を意味する。
【0129】
なお、距離変化情報の取得の方法の例は、次のとおりである。まず、距離関連情報取得手段162は、距離変化情報の取得のタイミングにて、距離情報を取得する。ここで、当該距離情報が「26m」であったとする。次に、距離関連情報取得手段162は、次のタイミングでさらに距離情報を取得する。ここで、当該距離情報が「25m」であったとする。そして、距離関連情報取得手段162は、後に取得した距離情報「25m」が、先に取得した距離情報「26m」よりも大きいか、または小さいか、または同じであるかを判断する。そして、距離関連情報取得手段162は、後に取得した距離情報が先に取得した距離情報よりも小さいと判断し、他車との距離が縮まっていることを示す距離変化情報「接近」を取得する。
【0130】
また、例えば、上記において、道路関連情報取得部14が道路種類情報「一般道路」を取得し、天候関連情報取得部17が天気情報「雨」を取得し、移動体関連情報取得部15が速度情報「55km/h」を取得したとする。この場合、危険判断部18は、これらの情報が、図4の「ID=014」の危険判断条件「(道路種類=一般道路)&(天気=雨)&(速度≧50km)」に合致すると判断する。当該危険判断条件は、「走行している道路の種類が一般道路であること、かつ、天気が雨であること、かつ、速度が50km/h以上であること」を意味する。
【0131】
(例2)
本例において、前方画像を用いた距離関連情報の取得の方法の例について説明する。なお、距離変化情報の取得の方法の例については、例1において説明したので、距離情報の取得の方法の例についてのみ説明する。
【0132】
まず、前方画像取得手段161は、距離関連情報の取得のタイミングにおいて、前方画像を取得する。ここで、当該前方画像は、図7に示す画像であるものとする。
【0133】
次に、距離関連情報取得手段162は、図7の画像から輪郭を検出する。そして、距離関連情報取得手段162は、図8に示す画像を取得したものとする。
【0134】
次に、距離関連情報取得手段162は、図8の形状が、自動車の形状であるか否かを判断する。このとき、距離関連情報取得手段162は、自動車の形状のパターンを保持しており、図8の形状が、当該パターンに一致するまたは類似するか否かを判断する。この結果、距離関連情報取得手段162は、図8の形状が自動車の形状であると判断したものとする。そして、距離関連情報取得手段162は、図8の形状で示される図7の画像中の領域を、他車が写っている領域(以下、適宜、他車領域)であると特定する。
【0135】
次に、距離関連情報取得手段162は、図7の前方画像の大きさに対する他車領域の大きさの割合(以下、適宜、他車割合)を算出する。ここで、当該割合が「80%」であったとする。
【0136】
次に、距離関連情報取得手段162は、他車割合を算出することで距離情報を算出する式を保持しており、当該式に算出した他車割合を代入し、距離情報を算出する。この結果、距離関連情報取得手段162は、距離情報「10m」を取得したものとする。
【0137】
(例3)
本例において、危険判断条件格納部11に格納されている危険判断条件に、報知内容情報が対応付いている例について説明する。なお、当該危険判断条件は、図9に示すものである。図9において、報知内容情報は、項目名「報知内容」である。他の項目の説明については、前述のとおりであるので、説明を省略する。
【0138】
まず、例1と同様に、道路関連情報取得部14などが道路種類情報などを取得した結果、危険判断部18が、それらの情報が図9の「ID=012」の危険判断条件に合致すると判断したとする。すると、危険判断部18は、図9の「ID=012」の報知内容情報「警告画面01」を取得する。当該報知内容情報は、「警告画面01」で識別される予め用意された画像を画面出力することを示す。また、当該画像は、車載装置1の所定の記憶領域に格納されているものとする。
【0139】
次に、危険報知部19は、所定の記憶領域から「警告画面01」で識別される画像を取得する。そして、危険報知部19は、当該取得した画像を画面出力する。当該出力の様子は、例えば、図6である。
【0140】
また、例えば、危険判断部18が、道路関連情報取得部14などが道路構造情報などを取得した結果、それらの情報が図9の「ID=015」の危険判断条件に合致すると判断したとする。すると、危険判断部18は、図9の「ID=015」の報知内容情報「警告音02」を取得する。当該報知内容情報は、「警告音02」で識別される予め用意された楽曲データを再生し、スピーカー出力することを示す。当該楽曲データは、例えば、警告音を発するものである。また、当該楽曲データは、車載装置1の所定の記憶領域に格納されているものとする。
【0141】
次に、危険報知部19は、所定の記憶領域から「警告音02」で識別される楽曲データを取得する。そして、危険報知部19は、当該取得した楽曲データを再生し、警告音をスピーカー出力する。
【0142】
以上、本実施の形態による車載装置1によれば、走行している道路や移動体の状況に応じて危険予測を行うことができる。これにより、例えば、危険な状況になりやすいシーンを走行しているユーザに対して、危険である旨を報知することができ、事故などを未然に防ぐことができる。
【0143】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0144】
また、上記各実施の形態における車載装置は、例えば、スタンドアロンの装置であってもよいし、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、例えば、ASP(Application Service Provider)として危険予測が行われてもよい。
【0145】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよいし、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0146】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよいし、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0147】
また、上記各実施の形態における車載装置を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、危険であると判断するための1以上の危険判断条件が格納される危険判断条件格納部にアクセス可能なコンピュータを、移動体が走行している道路に関する情報である道路関連情報を取得する道路関連情報取得部と、走行時の移動体に関する情報である移動体関連情報を取得する移動体関連情報取得部と、前記道路関連情報取得部が取得した道路関連情報と、前記移動体関連情報取得部が取得した移動体関連情報とが、前記1以上の危険判断条件のいずれかに合致するか否かを判断する危険判断部と、前記危険判断部が、前記1以上の危険判断条件のいずれかに合致すると判断した場合に、危険である旨を出力する危険報知部として機能させるためのプログラムである。
【0148】
なお、上記プログラムにおいて、ハードウェアでしか行われない処理は少なくとも含まれない。
【0149】
また、上記プログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよいし、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0150】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよいし、複数であってもよい。つまり、集中処理を行ってもよいし、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0151】
また、図10は、前述のプログラムを実行して、前述の実施の形態の車載装置等を実現するコンピュータシステム9の概観図である。前述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
【0152】
図10において、コンピュータシステム9は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0153】
図11は、コンピュータシステム9のブロック図である。図11において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012に加えて、MPU9013と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM9014と、MPU9013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM9015と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク9016と、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012、MPU9013等を相互に接続するバス9017とを備える。ここでは図示しないが、コンピュータ901は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを備えていてもよい。
【0154】
コンピュータシステム9に、前述の実施の形態の車載装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM9101、またはFD9102に記憶されて、CD−ROMドライブ9011またはFDドライブ9012に挿入され、さらにハードディスク9016に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク9016に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM9015にロードされる。プログラムは、CD−ROM9101、FD9102またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0155】
プログラムは、コンピュータ901に、前述の実施の形態の車載装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム9がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0156】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0157】
以上のように、本発明にかかる車載装置は、走行している道路や移動体の状況に応じて危険予測を行うことができるという効果を有し、ナビゲーション装置等として有用である。
【符号の説明】
【0158】
1 車載装置
11 危険判断条件格納部
12 地図情報格納部
13 現在位置情報取得部
14 道路関連情報取得部
15 移動体関連情報取得部
16 他移動体関連情報取得部
17 天候関連情報取得部
18 危険判断部
19 危険報知部
161 前方画像取得手段
162 距離関連情報取得手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11