(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記下降押し切りモードにおいて、前記操作手段から前記開閉体の巻取り又は停止を行う出力が出ている場合、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、又は前記エマーゼン検知手段によって異常が検知された場合、のいずれの場合においても、当該操作に応じた前記開閉体の巻出しを継続する、
請求項1に記載の開閉装置。
前記制御手段は、前記操作手段において前記開閉体の巻出しを行うための操作が所定時間以上継続して行われた場合に、前記通常モードを前記下降押し切りモードに切り替える、
請求項1又は2に記載の開閉装置。
【背景技術】
【0002】
各種の建築物に設けられた開口部を開閉するためのシャッター装置は、概略的に、開口部の縁部に設けられたガイドレールに沿って、シャッターカーテンを巻き取り可能及び巻き出し可能として構成されている。このようなシャッター装置の一つとして、電動式シャッターが普及している。この電動式シャッターは、ユーザの操作スイッチの操作に応じて、シャッターカーテンを開閉機により電動で巻き取り及び巻き出しすることが可能となるように構成されている。より具体的には、操作スイッチとしては、上昇スイッチ、下降スイッチ、及び停止スイッチの3つのスイッチが設けられており、ユーザによって上昇スイッチが押下された場合には、シャッターカーテンを巻き取ることによって上昇させ、ユーザによって下降スイッチが押下された場合には、シャッターカーテンを巻き出すことによって下降させ、ユーザによって停止スイッチが押下された場合には、シャッターカーテンの巻き取りや巻き出しを止めることで、シャッターカーテンを停止させる。
【0003】
このような電動式シャッターには、安全性等を向上させるため、「所定位置検知機能」、「障害物検知機能」、及び「エマーゼン検知機能(異常検知機能)」が設けられている。このうち、「位置検知機能」とは、シャッターカーテンが所定位置に到達したか否かを検知するための機能であり、この機能を実現するために、シャッターカーテンが所定の上限位置に到達したことを検知する上限リミットスイッチと、シャッターカーテンが所定の下限位置に到達したことを検知する下限リミットスイッチが設けられている。そして、シャッターカーテンの巻き取り中に、上限リミットスイッチから検知信号が出力された場合には、シャッターカーテンが所定の上限位置に到達したものとして、シャッターカーテンを停止させる。また、シャッターカーテンの巻き出し中に、下限リミットスイッチから検知信号が出力された場合には、シャッターカーテンが所定の下限位置に到達したものとして、シャッターカーテンを停止させる。また、「障害物検知機能」とは、シャッターカーテンに対する障害物の有無を検知するための機能であり、この機能を実現するために、シャッターカーテンの下端部に設けられた座板が障害物に接触したことを検知する座板スイッチや、シャッターカーテンを巻き取り及び巻き出しするための開閉機の過負荷を検知する過負荷検知部が設けられている。そして、シャッターカーテンの巻き取り中に、過負荷検知部から検知信号が出力された場合や、シャッターカーテンの巻き出し中に、座板スイッチや過負荷検知部から検知信号が出力された場合には、シャッターカーテンに対する障害物が存在するものとして、シャッターカーテンを停止させる。あるいは、「エマーゼン検知機能」とは、シャッターカーテンの開閉機能の異常(エマーゼン、エマージェンシー)を検知するための機能であり、この機能を実現するために、シャッターカーテンが過大に巻き出されたこと又は過大に巻き取られたこと(オーバーランしたこと)を検知するオーバーラン検知部、シャッターカーテンの巻き取り及び巻き出しを行うためのチェーンが過大に緩んだことを検知するチェーン緩み検知部、及びシャッターカーテンを巻き取り及び巻き出しするための開閉機の過熱を検知する過熱検知部が設けられている。そして、シャッターカーテンの巻き取り中や巻き出し中に、これらオーバーラン検知部、チェーン緩み検知部、あるいは過熱検知部から検知信号が出力された場合には、シャッターカーテンの開閉機能に異常が存在するものとして、シャッターカーテンを停止させることで、電動式シャッターに重大な故障が発生することを防止する。
【0004】
このように構成された電動式シャッターを動作させるための動作モードとしては、「通常モード(自己保持モード)」と「下降押し切りモード」の2つの動作モードを相互に切り替えることが行われている。このうち、「通常モード」とは、シャッターカーテンの巻き取りや巻き出しの動作を、自動的に保持するモードである。この通常モードにおいて、ユーザによって上昇スイッチが一旦押下された場合には、ユーザによる上昇スイッチの押下がなくなった場合においても、シャッターカーテンの巻き取りを継続し、あるいは、ユーザによって下降スイッチが一旦押下された場合には、ユーザによる下降スイッチの押下がなくなった場合においても、シャッターカーテンの巻き出しを継続する。ただし、この通常モードにおけるシャッターカーテンの巻き取り中や巻き出し中において、所定位置検知機能、障害物検知機能、あるいはエマーゼン検知機能による各検知があった場合には、シャッターカーテンを停止させる。一方、「下降押し切りモード」とは、シャッターカーテンの巻き出しの動作を、ユーザの操作中のみに行うモードである。この下降押し切りモードにおいて、ユーザによって下降スイッチが押下されている間は、シャッターカーテンの巻き出しを行うが、ユーザによる下降スイッチの押下がなくなった時点で、シャッターカーテンを停止させる。ただし、この下降押し切りモードにおけるシャッターカーテンの巻き出し中においても、所定位置検知機能、障害物検知機能、あるいはエマーゼン検知機能による各検知があった場合には、シャッターカーテンを停止させる。このような2つの動作モードは、例えば、ユーザがモード切り替えスイッチを操作することで、相互に切り替えることが可能となっている。
【0005】
このような下降押し切りモードにおいて電動式シャッターを動作させる場合に、従来、所定条件下では障害物検知機能を無効化してシャッターカーテンの動作を継続させることが提案されている。例えば、特許文献1には、電動式シャッターの建付け時やメンテナンス時にシャッターカーテンの全開位置や全閉位置を設定するために、動作モードを下降押し切りモードに切り替えた場合に、風圧による負荷によって過負荷検知部が作動してシャッターカーテンが予期せず停止してしまうことを回避するため、過負荷検知部から検知信号が出力された場合であっても、この検知信号を無視してシャッターカーテンの巻き取りや巻き出しを継続することが開示されている(特許文献1の段落0017〜0019参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、障害物検知機能に関しては、上記のように無効化することが提案されていたが、エマーゼン検知機能に関しては、電動式シャッターに重大な故障が発生することを防止するために不可欠であるとの理由から、これを無効化することは提案すらされていなかった。このため、シャッターカーテンを緊急に閉じる必要があっても、シャッターカーテンを閉じることができない場合が想定され、ユーザの安全性向上の観点から改善の余地があった。例えば、電動式シャッターの一つとして、洪水時に開口部を閉鎖することで浸水を防止するための防水シャッターがある。このような防水シャッターにおいて、洪水時には、仮に防水シャッターに重大な故障が発生する可能性があっても、開口部を緊急に閉じてユーザの安全性を向上させることが優先されるべきである。しかしながら、従来の防水シャッターでは、動作モードを下降押し切りモードに切り替えてユーザが下降スイッチを押し続けているような場合であっても、オーバーラン検知部、チェーン緩み検知部、又は過熱検知部が、洪水の影響等によって故障等することで検知信号を出力した場合には、この検知信号が優先されてシャッターカーテンを停止させてしまうため、シャッターカーテンを閉じることができない場合があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、所定条件下においてエマーゼン検知機能を無効化してシャッターカーテンの如き開閉体の巻出しを継続することを可能とし、ユーザの安全性を向上させることを可能とする、開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の開閉装置は、開閉体を巻取り方向及び巻出し方向に移動可能に備える開閉装置であって、前記開閉体の巻取り及び巻出しを行う電動式の開閉手段と、前記開閉手段による前記開閉体の巻取り及び巻出しを操作するための操作手段と、前記開閉体に対する障害物を検知するための障害物検知手段と、前記開閉体の開閉機能の異常を検知するためのエマーゼン検知手段と、前記操作手段からの出力、前記障害物検知手段からの出力、及び前記エマーゼン検知手段からの出力に基づいて、前記開閉手段による前記開閉体の巻取り及び巻出しを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操作手段により前記開閉体を巻取り又は巻出すための操作が行われた場合に、当該操作に応じて前記開閉体の巻取り又は巻出しを行う通常モードであって、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、又は前記エマーゼン検知手段によって異常が検知された場合には、当該操作に応じた前記開閉体の巻取り又は巻出しを少なくとも一時的に停止させる通常モードと、前記操作手段により前記開閉体を巻出すための操作が行われた場合に、当該操作が行われている間にのみ前記開閉体の巻出しを行う下降押し切りモードであって、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、又は前記エマーゼン検知手段によって異常が検知された場合、のいずれの場合においても、当該操作に応じた前記開閉体の巻出しを継続する下降押し切りモードとを、前記操作手段に対する操作に応じて切り替える。
【0010】
また、請求項2に記載の開閉装置は、請求項1に記載の開閉装置において、前記制御手段は、前記下降押し切りモードにおいて、前記操作手段から前記開閉体の巻取り又は停止を行う出力が出ている場合、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、又は前記エマーゼン検知手段によって異常が検知された場合、のいずれの場合においても、当該操作に応じた前記開閉体の巻出しを継続する。
【0011】
また、請求項3に記載の開閉装置は、請求項1又は2に記載の開閉装置において、前記制御手段は、前記操作手段において前記開閉体の巻出しを行うための操作が所定時間以上継続して行われた場合に、前記通常モードを前記下降押し切りモードに切り替える。
【0012】
また、請求項4に記載の開閉装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記開閉体が下限位置に巻き出されたことを検知する下限検知手段を備え、前記制御手段は、前記下降押し切りモードにおいて、前記下限検知手段によって前記開閉体が下限位置に巻き出されたことが検知された場合、前記開閉体の巻出しを停止する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の開閉装置によれば、下降押し切りモードで開閉体を動作させることで、障害物検知手段によって障害物が検知された場合、又はエマーゼン検知手段によって異常が検知された場合、のいずれの場合においても、当該操作に応じた開閉体の巻出しを継続することが可能になるので、障害物検知手段やエマーゼン検知手段が故障等した場合であっても、開閉体を巻き出して開口部を閉鎖することが可能になり、ユーザの安全性を向上させることが可能になる。
【0014】
また、請求項2に記載の開閉装置によれば、下降押し切りモードで開閉体を動作させることで、操作手段から開閉体の巻取り又は停止を行う出力が出ている場合、障害物検知手段によって障害物が検知された場合、又はエマーゼン検知手段によって異常が検知された場合、のいずれの場合においても、当該操作に応じた開閉体の巻出しを継続することが可能になるので、障害物検知手段やエマーゼン検知手段のみならず操作手段が故障等した場合であっても、開閉体を巻き出して開口部を閉鎖することが可能になり、ユーザの安全性を向上させることが可能になる。
【0015】
また、請求項3に記載の開閉装置によれば、操作手段において開閉体の巻出しを行うための操作が所定時間以上継続して行われた場合に、通常モードを下降押し切りモードに切り替えることが可能になるので、ユーザが開閉体の巻取り及び巻出しを操作するために通常時から使用している操作手段を用いて、かつ、開閉体の巻出しを行うために通常時から行っている操作を継続することで、下降押し切りモードへの切り替えを行うことが可能になり、開閉装置の操作に不慣れなユーザであっても直感的かつ簡易的な操作によって下降押し切りモードへの切り替えを行うことが可能になるので、ユーザの安全性を向上させることが可能になる。さらに、特別な手段を用いて下降押し切りモードへの切り替えを行うようにした場合には、特別な手段に関しては操作頻度が少ないために、当該特別な手段に故障が生じてもその発見が遅くなる可能性が高いのに対して、操作手段を用いて下降押し切りモードへの切り替えを行うようにした場合には、操作手段に関しては操作頻度が多いために、当該操作手段に故障が生じてもその発見を早期に行なうことができる可能性が高いため、ユーザの安全性を一層向上させることが可能になる。さらにまた、操作手段以外の特別な手段を用いることなく、下降押し切りモードへの切り替えを行うことが可能になるので、特別な手段を設ける場合に比べて、開閉装置の製造コストを抑えることが可能になる。
【0016】
また、請求項4に記載の開閉装置によれば、下降押し切りモードにおいて、下限検知手段によって開閉体が下限位置に巻き出されたことが検知された場合、開閉体の巻出しを停止するので、開閉体を巻き出して開口部を閉鎖する操作が完了した場合において、開閉体が下限位置を越えてさらに巻き出されることを防止でき、開閉体が破損等することを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。最初に、本実施の形態の基本的概念について説明し、次に、本実施の形態の具体的内容について順次説明し、最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
〔本実施の形態の基本的概念〕
最初に、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る開閉装置は、開閉体を巻き取り方向及び巻き出し方向に移動可能に備える装置であり、例えば、建築物に設けた開口部を開閉するためのシャッター装置や、日除けや雨除けのためのオーニング装置を含む。シャッター装置としては、主として上述した電動式シャッター装置が該当するが、この他の任意の構造のシャッター装置を対象にしてもよく、例えば、手動と自動の両方で開閉が可能であるシャッター装置を対象にしてもよい。また、シャッター装置の目的、種類、設置場所等も任意であり、上述した防水シャッターの他、防火シャッター、防煙シャッター、気密用シャッター、管理用シャッター、防音シャッター、あるいは、管理併用型シャッターを対象にしてもよい。さらに、シャッター装置が備えるシャッターカーテンの開閉方向も任意であり、シャッターカーテンを鉛直方向に沿って開閉させるシャッター装置の他、シャッターカーテンを水平方向に沿って開閉させるシャッター装置を含む。以下、この実施の形態では、本発明を、シャッターカーテンを鉛直方向に沿って開閉させる管理併用型の電動式シャッター装置(以下、シャッター装置)に適用した例について説明する。
【0020】
〔本実施の形態の具体的内容〕
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。ここでは、シャッター装置の構成について説明した後、シャッター装置で実行される開閉処理について説明する。
【0021】
(構成)
最初に、本実施の形態に係るシャッター装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るシャッター装置を概念的に示す正面図、
図2は、シャッター装置の電気的構成を概念的に示すブロック図である。なお、以下の説明では、
図1のX方向を幅方向(+X方向を右方、−X方向を左方)、Y方向を高さ方向(+Y方向を上方、−Y方向を下方)、X方向及びY方向に直交する方向を内外方向又は厚み方向(
図1紙面の奥側に至る方向を屋外方向、
図1紙面の手前側に至る方向を屋内方向)と称する。
【0022】
このシャッター装置10は、建築物の外壁や外構に形成された開口部1を開閉するための開閉装置である。このシャッター装置10は、
図1、2に示すように、シャッター収納部11、シャッターカーテン12、操作部13、報知部14、位置検知部15、障害物検知部16、エマーゼン検知部17、及び制御部18を備えて構成されている(位置検知部15、障害物検知部16、及びエマーゼン検知部17については、
図1における図示を省略する)。
【0023】
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部11は、シャッターカーテン12を巻き取り及び巻き出し自在に収容するシャッター収納手段であり、
図1に示すように、収納ケース11a、巻き取りシャフト11b、及び開閉機11cを備えて構成されている。収納ケース11aは、シャッター装置10の各部を収容するための中空体であり、建築物における開口部1の上端近傍位置に取り付けられている。この収納ケース11aの下面には、マグサ(図示省略)が形成されており、このマグサを介して、シャッターカーテン12を収納ケース11aに対して出し入れすることが可能になっている。巻き取りシャフト11bは、シャッターカーテン12の巻き取り及び巻き出しを行うための軸部材であり、収納ケース11aの内部において水平方向に沿って配置された状態で、収納ケース11aに対して回転可能に固定されている。この巻き取りシャフト11bには、シャッターカーテン12の上端部に配置された後述する吊元スラットが連結されている。開閉機11cは、シャッターカーテン12の巻取り及び巻出しを行う電動式の開閉手段であり、巻き取りシャフト11bに連結されて、この巻き取りシャフト11bを巻き取り方向又は巻き出し方向に回転させる。具体的には、開閉機11cは、制御部18から上昇制御信号が入力された場合には、シャッターカーテン12を巻き取ることによって上昇させ、制御部18から下降制御信号が入力された場合には、シャッターカーテン12を巻き出すことによって下降させ、制御部18から停止制御信号が入力された場合には、シャッターカーテン12の巻き取りや巻き出しを止めることでシャッターカーテン12を停止させる。
【0024】
(構成−シャッターカーテン)
シャッターカーテン12は、巻き取りシャフト11bを中心として巻き取り又は巻き出しされることで、開口部1を、全開状態、全閉状態、あるいはこれらの2つの状態の相互間の中間状態とする開閉体である。このシャッターカーテン12は、上下方向に並設された複数のスラット12aを相互に連結して構成されている。各スラット12aは、スチール等から横長板状に形成された金属板であり、その幅寸法は開口部1の幅寸法にほぼ対応するものであり(ただし、後述する吊元スラットを除く)、その高さ寸法は5〜10cm程度となっている。各スラット12aの上端部及び下端部は、側面円弧状のスラット連結部(図示省略)として形成されており、このスラット連結部を介して、各スラット12aが隣接するスラット12aと回転可能に連結されている。このような複数のスラット12aのうち、最上方に配置されるスラット12aは、吊元スラット(図示省略)と呼ばれ、この吊元スラットの上端部が巻き取りシャフト11bに固定される。また、最下方に配置されるスラット12aの下端には、側面形状を逆T字形状とする座板12bが固定されている。このように構成されたシャッターカーテン12は、開口部1の左右の縁部において上下方向に沿って設けられたガイドレール2に沿って、移動可能となっている。より具体的には、シャッターカーテン12の幅方向の両端部は、開口部1の左右の縁部において上下方向に沿って設けられたガイドレール2に挿入されており、上下方向においてはガイドレール2の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール2の外部に脱落しないように規制されている。
【0025】
(構成−操作部)
操作部13は、開閉機11cによるシャッターカーテン12の巻取り及び巻出しを操作するための操作手段である。この操作部13は、
図1、2に示すように、スイッチボックスの前面に、上昇スイッチ(開スイッチ)13a、下降スイッチ13b、及び停止スイッチ(閉スイッチ)13cの3つのスイッチを設けて構成されている。上昇スイッチ13aは、シャッターカーテン12を巻き取ることによって上昇させるための押しボタン式スイッチであり、ユーザによって押下されている状態において上昇操作信号を出力する。下降スイッチ13bは、シャッターカーテン12を巻き出すことによって下降させるための押しボタン式スイッチであり、ユーザによって押下されている状態において下降操作信号を出力する。停止スイッチ13cは、シャッターカーテン12の巻き取りや巻き出しを止めることで、シャッターカーテン12を停止させるための押しボタン式スイッチであり、ユーザによって押下されている状態において停止操作信号を出力する。
【0026】
(構成−報知部)
報知部14は、シャッター装置10に状態をユーザに報知するための報知手段であり、例えば、シャッター収納部11の外面に取り付けられた表示灯若しくはブザーや、操作部13の近傍に配置されたディスプレイとして構成されており、制御部18からの報知制御信号に基づいて表示出力や音声出力を行う。
【0027】
(構成−位置検知部)
位置検知部15は、シャッターカーテン12が所定位置に到達したか否かを検知するための位置検知手段であり、上限リミットスイッチ(図示省略)と、下限リミットスイッチ(図示省略)とを備えて構成されている。上限リミットスイッチは、シャッターカーテン12が所定の上限位置に到達したことを検知する上限位置検知手段であり、下限リミットスイッチは、シャッターカーテン12が所定の下限位置に到達したことを検知する下限位置検知手段である。これら上限リミットスイッチと下限リミットスイッチは、例えば、シャッター収納部11の内部において巻き取りシャフト11bの回転量を検出する共通のポテンショメータやカウンター式リミットスイッチとして構成されており、シャッターカーテン12が上限位置に到達したことを検知した場合には、上限検知信号を出力し、シャッターカーテン12が下限位置に到達したことを検知した場合には、下限検知信号を出力する。
【0028】
(構成−障害物検知部)
障害物検知部16は、シャッターカーテン12に対する障害物を検知するための障害物検知手段であり、座板スイッチ(図示省略)又は過負荷検知部(図示省略)のいずれか一方を備えて構成されている。座板スイッチは、シャッターカーテン12が障害物に接触したことを検知する障害物センサである。この座板スイッチは、例えば、シャッターカーテン12における下端部近傍位置において座板12bに連係するように配置されたマイクロスイッチとして構成されており、座板12bが障害物に接触してシャッターカーテン12に対して相対的に所定距離以上だけ持ち上げられた際に押圧されることによって、座板検知信号を出力する。過負荷検知部は、シャッターカーテン12を巻き取り及び巻き出しするための開閉機11cに過負荷が加わったことを検知する障害物センサである。この過負荷検知部は、例えば、シャッター収納部11の内部において開閉機11cの回転速度を取得する回転速度取得部(図示省略)と、この回転速度取得部によって取得された回転速度の変化率に基づいて過負荷の有無を判定する判定部(図示省略)を備えて構成されており、過負荷であると判定した場合には、過負荷検知信号を出力する。なお、この過負荷検知部は、シャッターカーテン12に対する障害物を直接的に検知するものではないが、この障害物の存在を開閉機11cの負荷状態によって間接的に検知するものであるため、障害物検知部16を構成する。なお、以下では、障害物検知部16として、座板スイッチが設けられている場合について説明する。また、以下では、座板検知信号と過負荷検知信号を、相互に区別する必要がない場合には、障害物検知信号と総称する。
【0029】
(構成−エマーゼン検知部)
エマーゼン検知部17は、シャッターカーテン12の開閉機能の異常を検知するためのエマーゼン検知手段であり、オーバーラン検知部(図示省略)、チェーン緩み検知部(図示省略)、及び過熱検知部(図示省略)を備えて構成されている。オーバーラン検知部は、シャッターカーテン12が過大に巻き出されたこと(オーバーランしたこと)を検知するオーバーラン検知手段であり、例えば、シャッター収納部11の内部に配置されたマイクロスイッチとして構成されており、シャッターカーテン12が過大に巻き出された場合に当該シャッターカーテン12によって押圧されることによって、オーバーラン検知信号を出力する。チェーン緩み検知部は、シャッターカーテン12の巻き取り及び巻き出しを行うためのチェーンが過大に緩んだことを検知するチェーン緩み検知手段であり、例えば、シャッター収納部11の内部に配置されたマイクロスイッチとして構成されており、チェーンが緩んだ場合に当該チェーンによって押圧されることによって、チェーン緩み検知信号を出力する。過熱検知部は、シャッターカーテン12を巻き取り及び巻き出しするための開閉機11cの過熱を検知する過熱検知手段であり、例えば、シャッター収納部11の内部における開閉機11cの近傍に配置された温度検知センサとして構成されており、開閉機11cが所定温度以上になった場合に、過熱検知信号を出力する。なお、以下では、これらオーバーラン検知信号、チェーン緩み検知信号、及び過熱検知信号を、相互に区別する必要がない場合には、エマーゼン信号と総称する。
【0030】
(構成−制御部)
制御部18は、操作部13からの出力、障害物検知部16からの出力、及びエマーゼン検知部17からの出力に基づいて、開閉機11cによるシャッターカーテン12の巻取り及び巻出しを制御する制御手段である。この制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラム及びパラメータを記憶する記憶素子とを備えて構成されており、記憶素子から読み出したプログラムをCPUで解釈及び実行することにより、後述する開閉処理及び下降押し切り処理を実行する。この制御部18は、開閉機11cに対して、シャッターカーテン12を巻き取ることによって上昇させることを指示するための上昇制御信号、シャッターカーテン12を巻き出すことによって下降させることを指示するための下降制御信号、及びシャッターカーテン12の巻き取りや巻き出しを止めることでシャッターカーテン12を停止させることを指示するための停止制御信号を出力する。
【0031】
(処理−開閉処理)
次に、このように構成されたシャッター装置10で実行される開閉処理について説明する。この開閉処理は、シャッターカーテン12の巻取り及び巻出しを行うことより、開口部1をシャッターカーテン12によって開閉するための処理である。
図3、4は、開閉処理のフローチャートである。なお、この開閉処理の実行タイミングは任意であり、例えば、制御部18が公知の方法で起動されることにより開始され、繰り返し実行される。なお、以下の処理の説明において、制御主体を特記しない処理については、制御部18にて実行されるものとし、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、制御部18の記憶素子に予め格納されているものとする。また、ステップを「S」と略記する。
【0032】
(処理−開閉処理−通常モード)
最初に、制御部18は、動作モードを「通常モード」に設定する(SA1)。すなわち、シャッター装置10の動作モードとしては、「通常モード(自己保持モード)」と「下降押し切りモード」の2つの動作モードを相互に切り替えることが可能となっており、SA1においては、動作モードを初期モードである通常モードに設定する。この通常モードは、概略的に、シャッターカーテン12の巻き取りや巻き出しの動作を、自動的に保持するモードである。この通常モードにおいて、ユーザによって上昇スイッチ13aが一旦押下された場合には、ユーザによる上昇スイッチ13aの押下がなくなった場合においても、シャッターカーテン12の巻き取りを継続し、あるいは、ユーザによって下降スイッチ13bが一旦押下された場合には、ユーザによる下降スイッチ13bの押下がなくなった場合においても、シャッターカーテン12の巻き出しを継続する。ただし、この通常モードにおけるシャッターカーテン12の巻き取り中や巻き出し中において、停止スイッチ13cが押下された場合や、所定位置検知機能、障害物検知機能、あるいはエマーゼン検知機能による各検知があった場合には、シャッターカーテン12を停止させる。
【0033】
この通常モードにおいて、概略的に、制御部18は、操作部13における操作状態を特定し、この操作状態に応じた開閉機11cの制御を行う。このため、制御部18は、停止スイッチ13cから停止操作信号が入力されているか否かを判定し(SA2)、停止操作信号が入力されていないと判定した場合には(SA2、No)、上昇スイッチ13aから上昇操作信号が入力されているか否かを判定し(SA5)、上昇操作信号が入力されていないと判定した場合には(SA5、No)、下降スイッチ13bから下降操作信号が入力されているか否かを判定し(SA14)、下降操作信号が入力されていないと判定した場合には(SA14、No)、SA2に戻る。以降同様に、停止操作信号が入力されたと判定し(SA2、Yes)、上昇操作信号が入力されたと判定し(SA5、Yes)、あるいは下降操作信号が入力されると判定する迄(SA14、Yes)、SA2、SA5、SA14を順次繰り返す。
【0034】
次に、SA2において停止操作信号が入力されていると判定した場合(SA2、Yes)について説明する。この場合、SA2においてユーザによって実際に停止スイッチ13cが押下されたのであれば、シャッターカーテン12を動作させる必要がないため、開閉処理を終了してもよい。しかしながら、停止スイッチ13cが浸水によるショートやその他の原因で故障しており、SA2においてユーザによって実際に停止スイッチ13cが押下されていないにも関わらず、停止操作信号が出力された場合も考えらえる。このため、本実施の形態においては、制御部18は、さらに下降スイッチ13bから下降操作信号が入力されているか否かを判定する(SA3)。そして、下降操作信号が入力されていないと判定した場合には(SA3、No)、制御部18は、シャッターカーテン12を動作させる必要がないため、開閉処理を終了する。
【0035】
一方、SA3において、下降操作信号が入力されていると判定した場合(SA3、Yes)、制御部18は、この下降操作信号の入力が切り替え基準時間だけ継続して行われているか否かを判定する(SA4)。所定時間(以下、切り替え基準時間)(例えば3秒間)だけ継続して行われていないと判定した場合(つまり、切り替え基準時間が経過する前に下降操作信号の入力がなくなった場合)(SA4、No)、制御部18は、シャッターカーテン12を動作させる必要がないため、開閉処理を終了する。ただし、切り替え基準時間だけ継続して行われていると判定した場合(つまり、下降スイッチ13bが切り替え基準時間継続して押下された場合)(SA4、Yes)、制御部18は、ユーザによって通常モードから下降押し切りモードへの動作モードの切り替えが指示されたものとして、下降押し切り処理を行う(SA22)。この下降押し切り処理については後述する。
【0036】
次に、SA5において上昇操作信号が入力されていると判定した場合(SA5、Yes)について説明する。この場合、制御部18は、上昇スイッチ13aから上昇操作信号が入力されているか否かを判定する(SA5)。ここで、上昇操作信号が入力されていると判定した場合(SA5、Yes)、制御部18は、開閉機11cに上昇制御信号を出力することにより(SA6)、シャッターカーテン12を上昇させる。ここで、動作モードは通常モード(自己保持モード)に設定されているため、このように上昇スイッチ13aの操作に基づいてシャッターカーテン12を一旦上昇させた場合には、その後に上昇操作信号の入力がなくなっても、原則として、シャッターカーテン12の上昇を自動的に継続する。そして、シャッターカーテン12が上限位置に到達し、上限リミットスイッチから上限検知信号が入力された場合(SA11、Yes)、制御部18は、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより(SA13)、シャッターカーテン12を停止させ、開閉処理を終了する。
【0037】
ただし、SA6の後におけるシャッターカーテン12の上昇中に、エマーゼン検知部17からエマーゼン信号が入力された場合(SA9、Yes)、制御部18は、所定の上昇停止制御を行い(SA10)、開閉処理を終了する。この上昇停止制御は、従来と同様に行うことができるためにその詳細な説明は省略するが、例えば、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより、シャッターカーテン12を停止させると共に、報知部14に報知制御信号を出力することにより、異常が検知された旨をユーザに対して表示出力や音声出力により報知する。
【0038】
あるいは、SA6の後におけるシャッターカーテン12の上昇中に、停止スイッチ13cから停止操作信号が入力された場合(SA12、Yes)、制御部18は、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより(SA13)、シャッターカーテン12を停止させ、開閉処理を終了する。
【0039】
ここで、SA5においてユーザによって実際に上昇スイッチ13aが押下されたのであれば、エマーゼン信号が入力された場合(SA9、Yes)や、停止操作信号が入力された場合(SA12、Yes)を除き、上限検知信号が入力される迄(SA11、Yes)、シャッターカーテン12を上昇させ続けてもよい。しかしながら、上昇スイッチ13aが浸水によるショートやその他の原因で故障しており、ユーザによって実際に上昇スイッチ13aが押下されていないにも関わらず、上昇操作信号が出力された場合も考えられる。また、エマーゼン検知部17が浸水によるショートやその他の原因で故障しており、エマーゼン検知部17によって異常が検知されていないにも関わらず、エマーゼン検知信号が出力された場合も考えられる。あるいは、停止スイッチ13cが浸水によるショートやその他の原因で故障しており、ユーザによって実際に停止スイッチ13cが押下されていないにも関わらず、停止操作信号が出力された場合も考えられる。
【0040】
そして、このように上昇操作信号、エマーゼン信号、あるいは停止操作信号が故障等により出力された場合には、本来であればシャッターカーテン12を下降させたい場合であっても、シャッターカーテン12を下降させることができなくなる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、制御部18は、これら各信号の有無の判定に先立って、下降スイッチ13bから下降操作信号が入力されているか否かを判定する(SA7)。そして、下降スイッチ13bから下降操作信号が入力された場合であって(SA7、Yes)、この下降操作信号の入力が切り替え基準時間継続して行われた場合(つまり、下降スイッチ13bが切り替え基準時間継続して押下された場合)(SA8、Yes)、制御部18は、ユーザによって通常モードから下降押し切りモードへの動作モードの切り替えが指示されたものとして、下降押し切り処理を行う(SA22)。この下降押し切り処理については後述する。
【0041】
次に、SA14において下降操作信号が入力されていると判定した場合(SA14、Yes)について説明する。この場合、制御部18は、開閉機11cに下降制御信号を出力することにより(SA15)、シャッターカーテン12を下降させる。ここで、動作モードは通常モード(自己保持モード)に設定されているため、このように下降スイッチ13bの操作に基づいてシャッターカーテン12を一旦下降させた場合、その後に下降操作信号の入力がなくなっても、原則として、シャッターカーテン12の下降を自動的に継続する。そして、シャッターカーテン12が下降位置に到達し、下限リミットスイッチから下限検知信号が入力された場合(SA19、Yes)、制御部18は、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより(SA21)、シャッターカーテン12を停止させ、開閉処理を終了する。
【0042】
ただし、SA15の後におけるシャッターカーテン12の下降中に、障害物検知部16から障害物検知信号が入力された場合や(SA17、Yes)、エマーゼン検知部17からエマーゼン信号が入力された場合(SA18、Yes)、制御部18は、所定の下降停止制御を行い(SA23、Yes)、開閉処理を終了する。この下降停止制御は、従来と同様に行うことができるためにその詳細な説明は省略するが、例えば、障害物検知信号に入力に基づく下降停止制御においては、開閉機11cに一定時間だけ上昇制御信号を出力することにより、シャッターカーテン12を所定量だけ巻き取った後、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより、シャッターカーテン12を停止させる動作(タッチアップ動作)を行うことにより、シャッターカーテン12を所定量だけ上昇させて、障害物へ危害が加わることを防止する。なお、この際には、報知部14に報知制御信号を出力することにより、障害物が検知された旨をユーザに対して表示出力や音声出力により報知するようにしてもよい。あるいは、エマーゼン信号に入力に基づく下降停止制御においては、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより、シャッターカーテン12を停止させると共に、報知部14に報知制御信号を出力することにより、異常が検知された旨をユーザに対して表示出力や音声出力により報知する。
【0043】
あるいは、SA15の後におけるシャッターカーテン12の下降中に、停止スイッチ13cから停止操作信号が入力された場合(SA20、Yes)、制御部18は、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより(SA20)、シャッターカーテン12を停止させ、開閉処理を終了する。
【0044】
ここで、SA15の後におけるシャッターカーテン12の下降中に、障害物検知信号が入力された場合(SA17、Yes)、エマーゼン信号が入力された場合(SA18、Yes)、あるいは、停止操作信号が入力された場合(SA20、Yes)には、シャッターカーテン12の下降を単に停止等させてもよい。しかしながら、障害物検知部16が浸水によるショートやその他の原因で故障しており、障害物が検知されていないにも関わらず、障害物検知信号が出力された場合も考えられる。また、エマーゼン検知部17が浸水によるショートやその他の原因で故障しており、エマーゼン検知部17によって異常が検知されていないにも関わらず、エマーゼン検知信号が出力された場合も考えられる。あるいは、停止スイッチ13cが浸水によるショートやその他の原因で故障しており、ユーザによって実際に停止スイッチ13cが押下されていないにも関わらず、停止操作信号が出力された場合も考えられる。そして、このように障害物検知信号、エマーゼン信号、あるいは停止操作信号が故障等により出力された場合には、本来であればシャッターカーテン12を下降させたい場合であっても、シャッターカーテン12を下降させることができなくなる可能性がある。
【0045】
そこで、本実施の形態においては、制御部18は、これら各信号の有無の判定に先立って、下降操作信号の入力が切り替え基準時間継続して行われたか否か(つまり、下降スイッチ13bが切り替え基準時間継続して押下されたか否か)を判定し(SA16)、切り替え基準時間継続して行われたと判定した場合(SA16、Yes)、制御部18は、ユーザによって通常モードから下降押し切りモードへの動作モードの切り替えが指示されたものとして、下降押し切り処理を行う(SA22)。
【0046】
(処理−開閉処理−下降押し切りモード)
次に、SA22の下降押し切り処理について説明する。
図5は、下降押し切り処理のフローチャートである。この下降押し切り処理において、最初に、制御部18は、動作モードを「下降押し切りモード」に設定する(SB1)。この下降押し切りモードは、概略的に、シャッターカーテン12の巻き出しの動作を、ユーザの操作中のみに行うモードである。この下降押し切りモードにおいて、ユーザによって下降スイッチ13bが押下されている間は、シャッターカーテン12の巻き出しを行うが、ユーザによる下降スイッチ13bの押下がなくなった時点で、シャッターカーテン12を停止させる。ただし、ユーザによって下降スイッチ13bが押下されている間に、障害物検知部16によって障害物が検知された場合、又はエマーゼン検知部17によって異常が検知された場合、のいずれの場合においても、当該操作に応じたシャッターカーテン12の巻出しを継続する。つまり、下降操作信号の出力中においては、障害物検知信号やエマーゼン検知信号を無効化して、下降操作信号を優先させる。さらに、本実施の形態においては、操作部13からシャッターカーテン12の巻取り又は停止を行う出力が出ている場合においても、当該操作に応じたシャッターカーテン12の巻出しを継続する。つまり、下降操作信号の出力中においては、障害物検知信号やエマーゼン検知信号に加えて、上昇操作信号や停止操作信号も無効化して、下降操作信号を優先させる。なお、このように、各種の信号を無効化した場合には、シャッター装置10の安全性が低下するという懸念も生じ得る。しかし、ユーザによって下降スイッチ13bが押下されていることをシャッターカーテン12の巻出し継続の条件としているため、ユーザがシャッターカーテン12の巻出し状態を監視していることが想定でき、仮に障害物や異常がある場合にはユーザが下降スイッチ13bの押下を中止することが想定できるため、安全性が低下することを回避できる。
【0047】
具体的には、制御部18は、下降操作信号が入力されているか否かを判定する(SB2)。そして、下降操作信号が入力されていると判定した場合(SB2、Yes)、制御部18は、開閉機11cに下降制御信号を出力することにより(SB3)、シャッターカーテン12の下降を継続する。次いで、制御部18は、下限リミットスイッチから下限検知信号が入力されたか否かを判定する(SB4)。そして、下限検知信号が入力されていないと判定した場合には、SB2に戻る。以降同様に、下降操作信号が入力されていないと判定する迄(SB2、No)、あるいは下限検知信号が入力されたと判定する迄(SB4、Yes)、SB2〜SB4を繰り返すことで、ユーザによって下降スイッチ13bが押下されている間は、シャッターカーテン12の巻き出しを行って下降させる。
【0048】
ただし、SB2において下降操作信号が入力されていないと判定した場合(SB2、No)、ユーザによる下降スイッチ13bの押下がなくなったと考えられるため、制御部18は、シャッターカーテン12の下降を継続する必要がないとして、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより(SB5)、シャッターカーテン12を停止させ、下降押し切りモードを終了し、開閉処理を終了する。
【0049】
あるいは、SB4において下限検知信号が入力されたと判定した場合(SB4、Yes)、シャッターカーテン12が下降位置に到達したと考えられるので、制御部18は、開閉機11cに停止制御信号を出力することにより(SB5)、シャッターカーテン12を停止させ、下降押し切りモードを終了し、開閉処理を終了する。
【0050】
なお、このように下降押し切りモードを終了し、さらに開閉処理を終了させた場合、次の開閉処理のSA1において、制御部18は、動作モードを「下降押し切りモード」から「通常モード」に切り替えるため、以降同様に、通常モードによる動作が行われる。
【0051】
(作用)
最後に、このように構成されたシャッター装置10の作用について説明する。ここでは、ユーザによる下降スイッチ13bの押下のタイミングと、障害物検知部16からの障害物検知信号又はエマーゼン検知部17からのエマーゼン信号(以下、障害物エマーゼン信号)の出力のタイミングに応じて、シャッターカーテン12がどのように下降するのかを、第1から第4の4つのケースについて説明する。
【0052】
図6は、第1のケースのタイミングチャートであり、最下方に示した時間軸に対応させて、ユーザによる下降スイッチ13bの押下のタイミング、障害物エマーゼン信号の出力のタイミング、及びシャッターカーテン12の下降状態を示す(
図7〜
図9においても同じ)。この第1のケースでは、ユーザによる下降スイッチ13bの押下より前に、障害物エマーゼン信号が出力された場合について説明する。時点T1aにおいて障害物エマーゼン信号が出力され、その後の時点T1bにおいてユーザによって下降スイッチ13bが押下された場合、この時点T1bから切り替え基準時間Tが経過する迄は、シャッターは下降せず、切り替え基準時間Tが経過した時点T1cにおいて、動作モードが通常モードから下降押し切りモードに切り替えられ、シャッターが下降する。その後、時点T1cより後の時点T1dにおいて、ユーザによる下降スイッチ13bの押下が解除されると、シャッターの下降が停止する。
【0053】
図7は、第2のケースのタイミングチャートである。この第2のケースでは、ユーザによる下降スイッチ13bの押下と同時に、障害物エマーゼン信号が出力されていた場合について説明する。時点T2aにおいて障害物エマーゼン信号が出力されると同時に、ユーザによって下降スイッチ13bが押下された場合、この時点T2aから切り替え基準時間Tが経過する迄は、シャッターは下降せず、切り替え基準時間Tが経過した時点T2bにおいて、動作モードが通常モードから下降押し切りモードに切り替えられ、シャッターが下降する。なお、時点T2b以降の時点T2cにおいて障害物エマーゼン信号の出力がなくなり、その後の時点T2dにおいて障害物エマーゼン信号が出力されると同時に、ユーザによって下降スイッチ13bが押下された場合、上記と同様に、この時点T2dから切り替え基準時間Tが経過する迄は、シャッターは下降しない。従って、この切り替え基準時間Tが経過する前の時点T2eにおいて、ユーザによる下降スイッチ13bの押下が解除された時点には、シャッターは下降しないままになる。
【0054】
図8は、第3のケースのタイミングチャートである。この第3のケースでは、ユーザによる下降スイッチ13bの押下があった時点から、切り替え基準時間Tが経過する前に、障害物エマーゼン信号が出力された場合について説明する。時点T3aにおいてユーザによって下降スイッチ13bが押下された場合、障害物エマーゼン信号が出力されていないことから、シャッターが下降する。この時点T3aから切り替え基準時間Tが経過する前の時点T3bで障害物エマーゼン信号が出力された場合、動作モードは未だ通常モードのままであるため、シャッターの下降が停止する。その後もユーザによる下降スイッチ13bの押下が継続され、時点T3aから切り替え基準時間Tが経過した時点T3cにおいて、動作モードが通常モードから下降押し切りモードに切り替えられ、シャッターが下降する。その後、時点T3cより後の時点T3dにおいて、ユーザによる下降スイッチ13bの押下が解除されると、シャッターの下降が停止する。
【0055】
図9は、第4のケースのタイミングチャートである。この第4のケースでは、ユーザによる下降スイッチ13bの押下があった時点から、切り替え基準時間Tが経過した時点で、障害物エマーゼン信号が出力された場合について説明する。時点T4aにおいてユーザによって下降スイッチ13bが押下された場合、障害物エマーゼン信号が出力されていないことから、シャッターが下降する。その後もユーザによる下降スイッチ13bの押下が継続され、この時点T4aから切り替え基準時間Tが経過した時点T4bで障害物エマーゼン信号が出力された場合、動作モードが通常モードから下降押し切りモードに切り替えられ、シャッターが下降する。その後の時点T4cにおいてユーザによる下降スイッチ13bの押下が解除された場合には、動作モードが通常モードに切り替えられるため、シャッターの下降が停止する。
【0056】
なお、
図6〜
図9において、図示は省略しているが、動作モードが通常モードから下降押し切りモードに切り替えられ、シャッターが下降している状態において、下限リミットスイッチから下限検知信号が入力された場合には、シャッターカーテン12が下降位置に到達したと考えられるので、シャッターカーテン12を停止させ、下降押し切りモードを終了する。
【0057】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0058】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、従来よりユーザの安全性を向上できていない場合であっても、従来と同等のユーザの安全性を従来とは異なる手段によって達成できている場合には、本願の課題が解決されている。
【0059】
(操作部)
上記実施の形態では、操作部13として、スイッチボックスに上昇スイッチ13a、下降スイッチ13b、及び停止スイッチ13cを設けた場合について説明したが、その他の任意のスイッチを設けてもよい。例えば、上記実施の形態では、下降スイッチ13bが切り替え基準時間継続して押下された場合に、動作モードを通常モードから下降押し切りモードに切り替えた場合について説明したが、この他の任意の基準によって動作モードの切り替えを行ってもよく、スイッチボックスに設けたモード切り替えスイッチに対するユーザの操作によって動作モードの切り替えを行ったり、各スイッチが特殊な所定の順序で操作された場合に動作モードの切り替えを行ったりしてもよい。あるいは、スイッチボックスを無線式リモコンとして構成したり、スイッチボックスとして有線式スイッチボックスと無線式リモコンの両方を設けたりしてもよい。このように両方設ける場合において、いずれが操作された場合であっても、上記と同様に動作モードの切り替えを行うようにしてもよいが、いずれか一方が操作された場合にのみ、上記と同様に動作モードの切り替えを行うようにしてもよい。また、上記実施の形態では、上昇操作信号や停止操作信号を無効化する例を説明したが、上昇操作信号や停止操作信号のいずれか一方のみを無効化したり、上昇操作信号や停止操作信号については無効化しないようにしてもよい。また、障害物検知信号やエマーゼン検知信号を無効化してシャッターが全閉状態となるまで降下させるような非常閉鎖ボタンを設けてもよい。このような非常閉鎖ボタン等を備えた開閉装置において、通常モードや下降押し切りモードのような動作モードが設定されていないように見える場合であっても、障害物検知信号やエマーゼン検知信号を有効とする制御状態と、障害物検知信号やエマーゼン検知信号を無効とする制御状態とを、ユーザの操作に応じて切り替えることが可能となっている開閉装置である場合には、通常モードと下降押し切りモードを操作手段により切り替え可能な開閉装置に該当する。
【0060】
(位置検知部について)
上記実施の形態では、下降押し切りモードに切り替えた場合においても、下限検知信号が出力された場合には、シャッターの降下を停止させる場合について説明したが、下限検知信号を無視して、シャッターの降下を継続させるようにしてもよい。
【0061】
(障害物検知部について)
上記実施の形態では、障害物検知部16として、座板スイッチ又は過負荷検知部を設けた場合について説明したが、その他の障害物検知部16を設けてもよい。あるいは、座板スイッチに代えて、超音波センサ、静電容量センサ、あるいは光学センサによって、シャッターカーテン12の座板12bよりも下方に障害物が存在することを検知してもよい。また、障害物検知部16を複数設ける場合において、下降押し切りモードにおいて、全ての障害物検知部16からの出力を無効化してもよいが、所定の一部の障害物検知部16からの出力のみを無効化するようにしてもよい。
【0062】
(エマーゼン検知部について)
上記実施の形態では、エマーゼン検知部17として、オーバーラン検知部、チェーン緩み検知部、及び過熱検知部を設けた場合について説明したが、その他のエマーゼン検知部17を設けてもよい。また、このように、エマーゼン検知部17を複数設ける場合において、上記実施の形態では、下降押し切りモードにおいて、全てのエマーゼン検知部17からの出力を無効化しているが、所定の一部のエマーゼン検知部17からの出力のみを無効化するようにしてもよい。