(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気ヒータを備えたやぐらの中に暖房空間を形成し、温度設定手段を有するコントローラにより前記電気ヒータへの電源の供給を制御して暖房空間の温度を調整する電気こたつにおいて、前記コントローラは前記温度設定手段により調整される可変抵抗により電気ヒータの通電量を制御する通電量制御装置と、前記可変抵抗を挟んでこの可変抵抗にそれぞれ直列に接続される第1の固定抵抗及び第2の固定抵抗と、前記第1の固定抵抗、前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の直列回路と並列に接続される第3の固定抵抗と、前記第1の固定抵抗、前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の前記直列回路を前記通電量制御装置に接続したり、又は前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の直列回路を前記通電量制御装置に接続したり、又は前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の前記直列回路と前記第3の固定抵抗との並列回路を前記通電量制御装置に接続したりする切替手段とを備えたことを特徴とする電気こたつ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、一般的に、使用者がこの電気こたつを使い始めるときは内部が冷えているため、暖房開始初期は温度設定を高めに設定する傾向がある。このため、電気ヒータ通電後、電気こたつ内部の暖房空間の温度が使用者の快適温度を超えて上昇する結果となり、使用者は温度設定摘み等の温度設定手段を操作して設定温度を低くするが、この操作をすると使用者は暖かく感じている状況であるため、今度は設定温度を低くし過ぎる傾向がある。設定温度を低くし過ぎても、一時的には快適性に問題はないが、時間経過とともに電気こたつ内部の暖房空間の温度が下がり過ぎてしまい快適性が損なわれる状態になる。
【0005】
このため、快適な温度状態にするには幾度も温度設定手段を操作して温度設定を上げ下げしなければならず、使用者の中には繰り返し操作をあきらめ、無駄な電力消費をする暖めすぎの使用者もあり、操作性、節電性から不便なものであった。
【0006】
また、逆に、暖房開始初期の際や、少し熱くしたいときに、設定温度手段により設定された設定温度より少し高い温度に、早く暖めたい場合もある。
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑み、温度設定手段を有するコントローラにより電気ヒータへの電源の供給を制御して暖房空間の温度を調整する電気こたつにおいて、快適性を維持しつつ、節電性が良好で且つ使用勝手が良好な電気こたつを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため本発明は、電気ヒータを備えたやぐらの中に暖房空間を形成し、温度設定手段を有するコントローラにより前記電気ヒータへの電源の供給を制御して暖房空間の温度を調整する電気こたつにおいて、前記コントローラは前記温度設定手段により調整される可変抵抗により電気ヒータの通電量を制御する通電量制御装置と、前記可変抵抗を挟んでこの可変抵抗にそれぞれ直列に接続される第1の固定抵抗及び第2の固定抵抗と、前記第1の固定抵抗、前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の直列回路と並列に接続される
第3の固定抵抗と、前記第1の固定抵抗、前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の前記直列回路を前記通電量制御装置に接続したり、又は前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の直列回路を前記通電量制御装置に接続したり、又は前記可変抵抗及び前記第2の固定抵抗の前記直列回路と前記第3の固定抵抗との並列回路を前記通電量制御装置に接続したりする切替手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、温度設定手段を有するコントローラにより電気ヒータへの電源の供給を制御して暖房空間の温度を調整する電気こたつにおいて、快適性を維持しつつ、節電性が良好で且つ使用勝手が良好な電気こたつを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下
図1乃至
図3に基づき、本発明の第1の実施の形態について説明する。先ず、電気こたつの縦断面図である
図1において、1は室内の畳の上に敷かれたこたつ用敷き布団Mなどの略中央に載置され暖を採る電気こたつで、やぐら本体2A及びこのやぐら本体2Aの隅部に設けられた4本の支持脚2Bとでやぐら2が形成される。そして、前記やぐら本体2Aの裏面中央部には電気ヒータ4などが設けられている。
【0014】
そして、前記やぐら2を覆うようにこたつ布団5が設けられ、やぐら本体2Aの上に前記こたつ布団5を介して天板3を載置することにより、前記やぐら2の中に暖房空間Sが形成されている。前記電気こたつ1の前記暖房空間S内に足や身体を入れたときに前記電気ヒータ4に直接触れて火傷などが起こるのを防止する網目状の保護ケース6にはコントラローラ接続部7が、また前記保護ケース6内に前記電気ヒータ4への電源供給を制御する本体側コントローラ8Aが設けられている。
【0015】
手元用コントローラの概略説明図である
図2は前記コントラローラ接続部7に接続される手元側コントローラ8Bの概略説明図であり、以下詳述する。この手元側コントローラ8Bは電気ヒータ4への制御信号と電源を供給するコントローラ接続プラグ9と、交流電源を受電する電源プラグ10と、これらを接続するコード11及びコントローラケース12とを備えている。
【0016】
そして、前記コントローラケース12には、温度設定手段であるダイヤル式の温度設定摘み(温度調節摘み)13、この温度設定摘み13の回動に伴って温度設定状態を表示する温度調節表示部14、温度設定変更手段を構成するパワーモード(パワ−アップモード)、ノーマルモード、エコモードを切り替え選択するスライド式の設定変更摘み15、パワーモード(パワ−アップモード)表示ランプ16、ノーマルモード表示ランプ17、エコモード表示ランプ18などが設けられている。
【0017】
図3は前記本体側コントローラ8Aと前記手元側コントローラ8Bとで構成されるコントローラ8の電気回路図である。前記本体側コントローラ8Aでは、前記電気ヒータ4がトライアック22に接続されており、このトライアック22と位相制御回路21とで通電量制御装置23を構成する。
【0018】
前記手元側コントロ−ラ8Bでは、「切」位置から「微弱」、「弱」、「1」、「3」、「5」、「7」位置を経て「強」位置まで回動可能な前記温度設定摘み13と連動し、温度設定摘み13が「切」位置から離れて操作されると閉成してオンになる電源スイッチ25に抵抗(固定抵抗)R1、ダイオードD1を介して電源表示ランプ26が接続されている。
【0019】
なお、使用者の回動操作に伴って回動する前記温度設定摘み13が「強」位置に向かうに従って、後述する可変抵抗VRの抵抗値は小さくなる。
【0020】
更に、前記設定変更摘み15のスライド移動に伴って切片が移動する3連のうちの左の設定変更スイッチ27Aのa接点及びb接点に抵抗R2、ダイオードD2及び前記エコモード表示ランプ18が直列に接続され、またa接点及びc接点には抵抗R3、ダイオードD3及び前記ノーマルモード表示ランプ17が直列に接続され、更にa接点及びd接点には抵抗R4、ダイオードD4及び前記パワーモード表示ランプ16が直列に接続されている。
【0021】
また、3連のうちの中央の設定変更スイッチ27Bのe接点及びf接点に抵抗(固定抵抗)R6、前記温度設定摘み13と連動する温度設定手段である可変抵抗VR及び抵抗R5が直列接続され、これらは前記位相制御回路21に接続されている。そして、同じくe接点及びg接点は前記抵抗R6と前記可変抵抗VRの中間接続点に接続されている。そして、同じくe接点及びh接点も前記抵抗R6と前記可変抵抗VRの中間接続点に接続されている。
【0022】
更に、3連のうちの右の設定変更スイッチ27Cのi接点及びl接点に抵抗(固定抵抗)R7が直列接続され、この抵抗R7は前記位相制御回路21に接続されている。なお、前述した前記設定変更摘み15及び3連の設定変更スイッチ27A、27B、27Cとで設定変更手段(切替手段)を構成するが、これらの構成に限らず、前記少なくともエコモード、パワーモードに対応した押圧により作動する各ボタンとこれに対応した各スイッチ(前記ノーマルモードに対応したボタンとスイッチとを設けてもよい。)とで構成したり、単一のボタンとスイッチとを設けて押圧操作毎に各運転モードを変更させるようにしたりしてもよく、種々の構成が考えられれる。
【0023】
従って、スライド式の前記設定変更摘み15によりノーマルモードが使用者により選択されている状態下において、前記温度設定摘み13が使用者により操作されて「切」位置から離れると、交流電源に接続される前記電源スイッチ25が閉成してオンになると、前記抵抗R1及び前記ダイオードD1を介して前記電源表示ランプ26が点灯する。また、前記設定変更摘み15によりノーマルモードが選択されているので、前記設定変更スイッチ27A、27B、27Cの各切片は、c、g、kの位置にあり、前記電源スイッチ25がオンになると、前記設定変更スイッチ27Aのa接点及びc接点、前記抵抗R3及び前記ダイオードD3を介して前記ノーマルモード表示ランプ17が点灯する。
【0024】
更に、前記設定変更スイッチ27Bのe接点及びg接点、前記可変抵抗VR、抵抗R5を介して前記位相制御回路21のスタートパルス発生回路(図示せず)に電流が供給され、スタートパルス発生回路のコンデンサに充電されることによりスタートパルスが発生し、前記トライアック22の位相制御が行なわれる。
【0025】
このため、前記温度設定摘み13による前記可変抵抗VRの抵抗値に応じて前記スタートパルス発生回路の前記コンデンサの充電時間が変化し、前記電気ヒータ4への電源供給が制御され、前記電気こたつ1の前記暖房空間Sの温度調整が行なわれる。
【0026】
そして、暖房開始当初は使用者により前記温度設定摘み13による温度設定が高めに調整されるので、前記可変抵抗VRの抵抗値が低く調整され、前記位相制御回路21に流れる電流が大きく前記スタートパルス発生回路の前記コンデンサの充電時間が短くて放電による前記トライアック22がオンするタイミングも早くなるため、単位時間当たりの前記電気ヒータ4の通電時間が長くなり、前記暖房空間Sの温度は急激に上昇し、高めに維持されるようになる。
【0027】
前記電気こたつ1を使用して、使用者が暑く感じるようになって、使用者が前記設定変更摘み15をスライドさせてエコモードを選択すると、前記設定変更スイッチ27Aのa接点及びb接点、前記抵抗R2、前記ダイオードD2を介して前記エコモード表示ランプ18が点灯する。また同時に、前記設定変更スイッチ27Bのe接点及びf接点、前記抵抗R6、前記可変抵抗VR及び前記抵抗R5を介して前記位相制御回路21に電流が流れるため、前記ノーマルモードに比して前記抵抗R6の固定抵抗値の分だけ合成抵抗が大きくなって前記コンデンサの充電時間が長くなり放電による前記トライアック22がオンするタイミングも遅れるため、単位時間当たりの前記電気ヒータ4の通電時間が短くなり、前記電気ヒータ4の発熱量が減ることとなる。
【0028】
この結果、前記暖房空間Sの温度設定が一定値低めにシフトしたことになり、前記温度設定摘み13で低めに調整しなくても前記暖房空間Sの温度を一定値下げることができ、温度設定の下げすぎを防止して、快適性を維持できるとともに、操作性及び節電性に優れた温度調整を行なうことができる。
【0029】
また逆に、使用者が中々暖かくならないと感じた場合には、使用者が前記設定変更摘み15をスライドさせてパワーモードを選択すると、前記設定変更スイッチ27Aのa接点及びd接点、前記抵抗R4、前記ダイオードD4を介して前記パワーモード表示ランプ16が点灯する。また同時に、前記設定変更スイッチ27Bのe接点及びh接点、前記可変抵抗VR及び前記抵抗R5を介して前記位相制御回路21に電流が流れると共に前記設定変更スイッチ27Cのi接点及びl接点、前記抵抗R7を介して前記位相制御回路21に電流が流れる。
【0030】
このため、前記可変抵抗VR及び前記抵抗R5との直列回路に並列に前記抵抗R7が接続されているために、前記ノーマルモードに比して、合成抵抗が小さくなって前記コンデンサの充電時間がより短くなり放電による前記トライアック22がオンするタイミングも早くなるため、単位時間当たりの前記電気ヒータ4の通電時間が長くなり、前記電気ヒータ4の発熱量が増えることとなる。
【0031】
この結果、前記暖房空間Sの温度設定が一定値高めにシフトしたことになり、前記温度設定摘み13で高めに調整しなくても前記暖房空間Sの温度を一定値上げることができ、特に暖房開始初期の際や、少し熱くしたいときに、設定温度手段により設定された設定温度より少し高い温度に、迅速に暖めることができ、使用勝手が良好となる。
【0032】
なお、上述の動作説明において、当初前記ノーマルモードで動作を開始して、次いで前記エコモードやパワーモードに変更したが、これに限らず、当初前記エコモードやパワーモードで動作を開始して、次いで前記ノーマルモードに変更してもよく、更にはこれらのいずれか任意の運転モードで開始して、次いで他の運転モードに変更してもよく、種々の運転形態がある。
【0033】
上述した実施形態は、使用者が前記設定変更摘み15をスライド操作させることにより暖房空間Sの温度設定を一定値低めに及び高めにシフトする固定方式の温度設定変更手段について説明したが、この固定方式の温度設定変更については種々の実施態様があり、デジタル方式で温度設定するものではスイッチ操作で温度設定を一定値低めに及び高めにシフトするようにしても良い。
【0034】
また、以下詳述するように、温度設定変更手段による温度設定のシフト量を使用環境や使用者の好みに応じて自動式に変えるようにしても良い。
【0035】
温度設定変更手段の一例を示すブロック図である
図4において、交流電源に接続される電源ラインに前記電源スイッチ25と前記トライアック22と前記電気ヒータ4を接続する。電源ラインには他に、電力測定のためのカレントトランスCTや電源電圧測定配線や制御回路電源を作るための配線が接続されている。但し、制御回路電源は図示していない。
【0036】
前記電源スイッチ25が閉成してオンして、エコモード選択スイッチ27D及びパワーモード選択スイッチ27Eが開成してオフしている通常のノーマルモードの状態では、温度設定手段である温度設定器31により設定された温度と前記暖房空間S内に設置される温度センサー32により検出された前記暖房空間Sの温度を温度制御回路33で比較し、差が大きい場合は前記トライアック22の通電電力を大きくし、差が小さい場合は通電電力を小さくするように電力制御回路34で前記トライアック22を制御する。この場合、前記電力制御回路34と前記トライアック22とで、通電量制御装置を構成する。
【0037】
そして、所定時間毎に前記温度設定器31により設定された温度と前記暖房空間Sの温度を比較し、その差に応じて前記電気ヒータ4の電力制御を継続するため、前記暖房空間Sの温度は設定温度になるように上昇する。この場合、前記温度センサー32が検出した暖房開始時の初期温度T1は前記エコモード選択スイッチ27Dや前記パワーモード選択スイッチ27Eが閉成されるまで記憶される。
【0038】
前記カレントトランスCTで検出する電流と電源電圧の積から前記トライアック22の通電電力を電力積算回路35にて算出している。通電電力の積算は次の2種類である。
A.前記電源スイッチ25のオンから前記温度センサー32の検出温度が設定温度に到達するまでの値
B.前記電源スイッチ25のオンから前記エコモード選択スイッチ27Dや前記パワーモード選択スイッチ27Eが閉成されるまでの値
前記電源スイッチ25がオンされている間に前記エコモード選択スイッチ27Dや前記パワーモード選択スイッチ27Eが閉成されると、設定温度TSと前記暖房空間Sの初期温度T1の差で上記Aの値を演算回路36で除し、前記暖房空間Sの温度を1℃上げるのに要した熱量を算出し、この値を標準値(製造段階で入力してあるデータ)と比較して、1℃当たりの熱量が標準値より大きい場合は標準より放熱ロスが大きいと判断し、設定温度を低めに変更するシフト量を小さくし、電力削減率を小さくする。逆に、1℃当たりの熱量が標準値より小さい場合は標準より放熱ロスが小さいと判断し、設定温度を低めに変更するシフト量を大きくし、電力削減率を大きくする。
【0039】
さらに、設定温度に達した後、前記エコモード選択スイッチ27Dや前記パワーモード選択スイッチ27Eが閉成されるまでの時間を測定し、この時間が所定値を超える場合、使用者が暖かめ目が好みであると判断し、上記の設定温度シフト量を緩和し、逆に、短い場合は設定温度シフト量を増加させる。
【0040】
この第2の実施態様のように、温度設定変更手段が自動式のものでは、電気ヒータ4の通電開始から暖房空間Sの温度が設定温度になるまでに要した1℃当たりの熱量と、暖房空間Sの温度が設定温度に達した時点から前記エコモード選択スイッチ27Dや前記パワーモード選択スイッチ27Eが閉成されるまでの時間とに応じて温度設定のシフト量を自動的に低めに又は高めに変更するものであるから、使用環境や使用者の好みに応じて温度のシフト量が自動的に決まり、より快適な温度制御を行なうことができ、使用勝手がよい。
【0041】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。