特許第6228424号(P6228424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6228424含フッ素オレフィン化合物、およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228424
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】含フッ素オレフィン化合物、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 21/18 20060101AFI20171030BHJP
   C07C 21/19 20060101ALI20171030BHJP
   C07C 17/269 20060101ALI20171030BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20171030BHJP
【FI】
   C07C21/18CSP
   C07C21/19
   C07C17/269
   !C07B61/00 300
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-218505(P2013-218505)
(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公開番号】特開2015-81232(P2015-81232A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】591180358
【氏名又は名称】東ソ−・エフテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182073
【弁理士】
【氏名又は名称】萩 規男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 典久
(72)【発明者】
【氏名】河野 昌広
【審査官】 黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/093024(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/091517(WO,A1)
【文献】 特開平01−180837(JP,A)
【文献】 特開昭62−026240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式(1)中、nは5または6、mは0または1である。)または、一般式(2)
【化2】

(式(2)中、nは5または6、pは0または1である。)で表される含フッ素オレフィン化合物。
【請求項2】
一般式(3)
【化3】

(式(3)中、nは5または6である。)
で表わされる含フッ素アルキルジアイオダイドに、加熱下あるいは開始剤存在下でフッ化ビニリデンを反応させた後、塩基性化合物を反応させる、請求項1記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項3】
さらに、反応液を分留して一般式(1)及び/又は一般式(2)の含フッ素オレフィン化合物を得る、請求項2記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項4】
開始剤がハロゲン化金属である、請求項2又は請求項3記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項5】
ハロゲン化金属が塩化第1鉄または塩化第2鉄である、請求項4記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項6】
開始剤がラジカル開始剤である、請求項2又は請求項3記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項7】
ラジカル開始剤がtert-ブチルパーオキサイドまたは2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)である、請求項6記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項8】
塩基性化合物が無機塩基性化合物である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項9】
無機塩基性化合物が水酸化ナトリウムおよび/又は水酸化カリウムである、請求項8記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項10】
塩基性化合物が含窒素有機塩基性化合物である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【請求項11】
含窒素有機塩基性化合物がトリエチルアミンまたは1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンである、請求項10記載の含フッ素オレフィン化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(共)重合して新規なポリマー類を生じうる新規な部分フッ素置換オレフィン化合物、およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、C4、C5またはC6パーフルオロアルキル基を有する化合物であって、撥水揆油剤等の有効成分である含フッ素重合体の製造時に重合性単量体として用いられる含フッ素オレフィン化合物、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーフルオロアルキルアルコールのアクリル酸誘導体、例えばCF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2は、繊維用撥水撥油剤合成モノマーとして多量に使用されている。また、そのアクリレートの原料となるパーフルオロアルキルアルコールは、界面活性剤等として広く使用されている(例えば特許文献1参照)。
このように、パーフルオロアルキル基を構造単位として有する化合物は、繊維、金属、ガラス、ゴム、樹脂等の表面にこれを適用することによって、表面改質性、撥水撥油性、防汚性、離型性、レベリング性などを向上させる効果のあることが一般に知られているが、撥水撥油性を得るために望まれるRfの炭素鎖長は、通常C4以上である。
【0003】
その中でも、パーフルオロアルキル基の炭素数がC8〜C12である化合物(テロマー化合物)が上記の如き望ましい性能を最も発現し易いので、C8のテロマー化合物が特に好んで使用されてきた。
しかしながら、近年、長鎖フルオロアルキル化合物の一種であるPFOA(perfluorooctanoic acid)に対する環境への負荷の懸念が明らかとなってきており、EPA(米国環境保護庁)は2006年1月に、PFOA、PFOA 類縁物質及びこれらの前駆体物質の環境中への排出削減と製品中の含有量削減について自主削減計画を立案、同プログラムへの参加をフッ素樹脂・フッ素系撥水撥油剤メーカーに提案し、全メーカーが自主的取組に合意している。
【0004】
一方、米国食品医薬品庁(FDA)は、C8以上のテロマー化合物についても分解または代謝によりPFOAを生成する可能性があり、安全上の懸念があるとする最近の研究結果を受け、C8化合物に関するデータの包括的な見直しを開始した。これを受けて2012年にC8化合物のメーカー各社はC8化合物を含有するすべての耐油脂剤の販売中止について合意に達している。
【0005】
そのため、このようなテロマー化合物を製造している各社は、それの製造からの撤退やC8未満のパーフルオロアルキル基を有する化合物への代替などを進めているが、パーフルオロアルキル基の炭素数が2以下の化合物では、処理基材表面での配向性が著しく低下し、また融点、ガラス転移点等がC4以上の化合物と比べて著しく低いため、温度、湿度、応力、有機溶剤等の使用環境条件に大きな影響を受け、そこに求められる十分な性能が得られず、また耐久性などにも影響が出てくるようになる。
【0006】
一方、片末端に官能基を持ったテロマー化合物は多くの例が報告されており、なかでも片末端にジフルオロビニル基を持つテロマー化合物もいくつかの報告例がある(例えば非特許文献1参照)。
しかしながら、架橋剤としての効果が期待できる両末端ジフルオロビニル基を持つテロマー化合物や、連鎖移動剤機能をあわせ持ち、官能基変換が容易なジフルオロビニル基とヨウ素を両末端に持つテロマー化合物の報告例はなく、その調製が待たれてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭63-22237号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ビー・オタザギン(B.Otazaghine)ら、「Synthesis and copolymerization of fluorinated monomers bearing a reactive lateral group Part 21. Radical copolymerization of vinylidene fluoride with 2-hydroperfluorooct-1-ene」、ジャーナル オブ フルオリン ケミストリー(Journal of Fluorine Chemistry)、126、(2005年)、1009〜1016頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、パーフルオロアルキル基の連続したCF2基の数が4、5または6の化合物であって、撥水撥油剤、離型剤等の表面処理剤の有効成分となる樹脂状またはエラストマー状含フッ素重合体の製造に際し、重合性単量体として有効に用いられる含フッ素オレフィン化合物、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によって、一般式(1)
【0011】
【化1】
【0012】
(式(1)中、nは4、5または6、mは0または1である。)及び/又は、一般式(2)
【0013】
【化2】
【0014】
(式(2)中、nは4、5または6、pは0または1である。)で表わされる含フッ素オレフィン化合物が提供される。
かかる含フッ素オレフィン化合物は、一般式(3)
【0015】
【化3】
【0016】
(式(3)中、nは4、5または6である。)で表わされる含フッ素アルキルジアイオダイドに、フッ化ビニリデンを反応させた後、塩基性化合物を反応させることによって製造される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る含フッ素オレフィン化合物は、環境中へ放出されたときそれが容易にオゾン分解などされて、環境濃縮性、生体蓄積性の低い化合物へと分解され易い不飽和構造を有し、なおその製造工程でC8以上のパーフルオロアルキルカルボン酸等の環境負荷物質を生成させない。
このような環境面ですぐれている本発明の含フッ素オレフィン化合物は、C8テロマーと比較してC4以下のテロマーでは発現できないあるいは不足している表面改質性、撥水撥油性、防汚性、離型性、レベリング性などの性能面をも改善できる含フッ素共重合体の共重合性単量体として、有効に使用することができる。
【0018】
また、本発明に係る含フッ素オレフィン化合物は、他のフッ素化オレフィン単量体、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等の少なくとも一種と共重合させることにより、可視光領域における光透過性にすぐれた含フッ素共重合体を与えることができる。かかる含フッ素共重合体は、そのすぐれた光透過性を実質的に損なうことなく、フィルム、シート、チューブ、ホース、ロッド、ブロック、ベルト、ボトル、タンク等の各種基材へ積層することができ、得られた複合体は、薬液チューブ、燃料ホース、反射防止膜等の高光透過性、低屈折率性、耐薬品性、耐誘電性等が要求される各種用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下にさらに詳細に本発明を説明する。
本発明によって、一般式(1)
【0020】
【化1】
【0021】
(式(1)中、nは4、5または6、mは0または1である。)及び/又は、一般式(2)
【0022】
【化2】
【0023】
(式(2)中、nは4、5または6、pは0または1である。)で表わされる含フッ素オレフィン化合物が提供される。
かかる含フッ素オレフィン化合物は、一般式(3)
【0024】
【化3】
【0025】
(式(3)中、nは4、5または6である。)で表わされる含フッ素アルキルジアイオダイドに、加熱下あるいは開始剤存在下で、フッ化ビニリデンを反応させた後、塩基性化合物を反応させることにより製造できる。
出発原料物質となる含フッ素アルキルジアイオダイドは、後記参考例に詳しく示される如く、低分子の含フッ素アルキルジアイオダイドをテトラフロオロエチレン等の含フッ素オレフィンと反応させる方法で得られる。なお、出発原料物質となる含フッ素アルキルジアイオダイドを得る方法としては上記方法に限定されるものではなく、これらと同様に製造できる方法であればよい。
【0026】
含フッ素アルキルジアイオダイドとしては、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,5-ジヨードパーフルオロペンタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサンが挙げられる。
フッ化ビニリデンによる反応、すなわち挿入反応は、含フッ素アルキルジアイオダイドに加熱下、あるいは開始剤存在下で、加圧しながらフッ化ビニリデンを反応させることにより行なうとよい。
【0027】
開始剤非存在下、加熱による反応の際には、フッ化ビニリデンを1.0MPa以下、好ましくは0.5MPa以下に保ちながら、170〜230℃で行なうとよい。
開始剤存在下で加圧しながらフッ化ビニリデンを反応させる際に用いる開始剤としては、ハロゲン化金属、またはラジカル開始剤を使用することができる。
ハロゲン化金属における金属としては、鉄、ニッケル、コバルト、バナジウム、モリブデンまたはクロムが挙げられ、ハロゲンとしては、塩素、臭素またはヨウ素が使用可能であり、これらの内でも鉄が、特に塩化第1鉄、塩化第2鉄が好ましく用いられる。
【0028】
ラジカル開始剤としてはtert-ブチルパーオキサイド、ジ(tert-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネート等の過酸化物開始剤、または、2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(イソブチル酸ジメチル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)等のアゾ化合物開始剤等が挙げられ、これらの内でも過酸化物開始剤が、特にtert-ブチルパーオキサイドが好ましく用いられる。
【0029】
開始剤の使用量は特に限定されるものではないが、ポリフルオロアルキルジアイオダイドに対して0.5〜10モル%の割合での使用が好ましい。
溶媒は必要に応じて使用可能であり、トルエン、アセトニトリル、ヘプタン等が好ましく、これらの内でもアセトニトリルが好ましく用いられる。
反応温度は用いられる開始剤の分解温度にも関係するが、反応は一般に80〜140℃で行われ、低温で分解する過酸化物開始剤を用いた場合には80℃以下での反応が可能である。
【0030】
フッ化ビニリデンは1.0MPa以下、好ましくは0.5MPa以下に保ちながら、挿入反応が行なうとよい。
フッ化ビニリデンと反応させた生成物に塩基性化合物を反応させることにより、脱HI化反応が進行し、所望の含フッ素オレフィン化合物を調製することができる。
塩基性化合物としては無機塩基性化合物、または含窒素有機塩基性化合物を使用することができる。
【0031】
無機塩基性化合物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の金属の炭酸塩等が用いられる。また、必要に応じて、第4級オニウム塩やクラウンエーテル等の相間移動触媒を用いても良い。これらの内でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物が、特に水酸化カリウムが好ましく用いられ、これらを複数一緒に用いてもよい。
【0032】
また、含窒素有機塩基性化合物としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン、ジアザビシクロノネン等が挙げられる。これらの内でもトリエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンが好ましく用いられ、これらを複数一緒に用いてもよい。
【0033】
これらの無機または有機の塩基性化合物は、ポリフルオロアルキルジアイオダイドに対してモル比で0.5〜10、好ましくは0.95〜2.5、さらに好ましくは1.0〜1.5の割合で用いられる。塩基性化合物の使用割合がこれよりも少ないと、所望の脱Hl反応が円滑に進行しないことがあり、一方、これよりも多い使用割合で用いられると、塩基性化合物の除去が困難となることがあるばかりではなく、副反応を誘発するなどの問題が生じることがあり、廃棄物量が増加することがあるからである。
【0034】
脱HI反応は、無溶媒でも行われるが、反応効率、発熱制御の観点から、水性溶媒または有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。水性溶媒としては一般に水が用いられ、また有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒を用いるとよい。
【0035】
脱HI反応は、0〜100℃、好ましくは20〜80℃で行なうとよい。
反応終了後、静置分相する場合には、分液された有機層を水洗などにより塩基性化合物を除去した後、定法にしたがって蒸留などによる精製を行い、目的物である含フッ素オレフィン化合物を得ることができる。極性溶媒を用いるなどして静置分相しない場合には、溶媒を減圧下で留去した後、静置分相する場合と同様な処理を行なうとよい。
【0036】
反応終了後の反応液から、反応に用いた溶媒を留去し、反応液中に複数種の含フッ素オレフィン化合物が存在する場合には、これを蒸留操作にて分留し、各留分にてほぼ単一種の上記した一般式(1)又は一般式(2)の含フッ素オレフィン化合物を得ることができる。さらには一般式(1)と一般式(2)の含フッ素オレフィン化合物の混合物を得ることもできる。
【実施例】
【0037】
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。以下に、実施例、比較例に用いた化合物の名称とその略号を示す。
IC2F4I:1,2-ジヨードパーフルオロエタン
IC4F8I:1,4-ジヨードパーフルオロブタン
IC5F10I:1,5-ジヨードパーフルオロペンタン
IC6F12I:1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン
TFE:テトラフルオロエチレン
VDF:フッ化ビニリデン
4E-T2T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,8,8-ドデカフルオロ-1,7-オクタジエン
4E-1T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-6-ヨード-1-ヘキセン
4E-T3TT:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,8,8,10,10-テトラデカフルオロ-1,9-デカジエン
4E-2TT:1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8-ドデカフルオロ-8-ヨード-1-オクテン
5E-T2T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9-テトラデカフルオロ-1,8-ノナジエン
5E-1T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロ-7-ヨード-1-ヘプテン
5E-T3TT:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11-ヘキサデカフルオロ-1,10-ウンデカジエン
5E-2TT:1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-テトラデカフルオロ-9-ヨード-1-ノネン
6E-T2T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,10,10-ヘキサデカフルオロ-1,9-デカジエン
6E-1T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-テトラデカフルオロ-8-ヨード-1-オクテン
6E-T3TT:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,10,10,12,12-オクタデカフルオロ-1,11-ドデカジエン
6E-2TT:1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘキサデカフルオロ-10-ヨード-1-デセン
また、反応液はガスクロマトグラフィー(GL Sciences社製TC-1、30m及びVARIAN社製CP-Sil 8CB、50m)を用いて分析した。
【0038】
また、生成物の構造はNMR(Bruker社製Avance II 400)を用いて決定した。
参考例1
撹拌機および温度計を備えた容量1200mlの反応器にヨウ素203g(0.80モル)およびジイソプロピルエーテル300gを添加した。次いでTFE(テトラフルオロエチレン、東ソー・エフテック社製)を0.65MPaになるまで添加後、70℃で15時間加熱した。さらに、反応液が30℃になるまで冷却した後、圧力が0.65MPaになるまでTFEを添加して、反応が進行して圧力が低下する都度0.65MPaまで加圧し、16時間反応を継続した。総量120g(1.20モル)のTFEを反応器に供給した。
【0039】
冷却、および残ガスを排出後、生成物からジイソプロピルエーテルを留去した。得られた生成物を蒸留し、沸点70℃(25.33kPa)のIC2F4I留分138gを取得した。
次いで、撹拌機および温度計を備えた容量1200mlの反応器に減圧下、上記操作で得られたIC2F4I106g(0.30モル)を添加した。次いでTFEを0.65MPaになるまで添加後、210℃で15時間加熱した。さらに、反応液が160℃になるまで冷却した後、圧力が0.65MPaになるまでTFEを添加して、反応が進行して圧力が低下する都度0.65MPaまで加圧し、210℃で6時間反応を継続した。総量27g(0.27モル)のTFEを反応器に供給した。
【0040】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物を蒸留し、沸点65℃(5.33kPa)のIC4F8I留分38gおよび沸点70℃(1.20kPa)のIC6F12I留分13gを取得した。同様の操作を繰り返し、以降の実施例で使用するIC4F8IおよびIC6F12Iを取得した。
参考例2
撹拌機および温度計を備えた容量2500mlの反応器にブロモジフルオロ酢酸エチル(和光純薬工業社より入手) 201g(1.00モル)、ヨウ化カリウム 166g(1.00モル)、ヨウ素254g(1.00モル)、ヨウ化第1銅 190g(1.00モル)およびジメチルホルムアミド1300gを添加した。次いで、80℃で7時間加熱した。
【0041】
冷却、および残ガスを排出後、得られた生成物を蒸留し、沸点61℃(26.66kPa)のCF2I2留分125gを取得した。
次いで、撹拌機および温度計を備えた容量1200mlの反応器に減圧下、上記操作で得られたCF2I2I122g(0.40モル)を添加した。次いでTFEを0.65MPaになるまで添加後、200℃で8時間加熱した。さらに、反応液が160℃になるまで冷却した後、圧力が0.65MPaになるまでTFEを添加して、反応が進行して圧力が低下する都度0.65MPaまで加圧し、200℃で12時間反応を継続した。総量64g(1.00モル)のTFEを反応器に供給した。
【0042】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物を蒸留し、沸点67℃(2.67kPa)のIC5F10I留分30gを取得した。
実施例1
撹拌機および温度計を備えた容量150mlの反応器に参考例1で得られたIC4F8I 18.2g(0.04モル)を添加した。次いで減圧下でVDF(フッ化ビニリデン、旭硝子社製)を0.5MPaになるまで添加後、210℃で3時間加熱した。さらに、反応液が70℃になるまで冷却した後、VDFを0.5MPaになるまで添加し、210℃で5時間加熱した。総量4.6g(0.07モル)のVDFを反応器に供給した。
【0043】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物にクロロホルム60gおよびトリエチルアミン8.1g(0.08モル)を添加し、35℃で3時間反応を行った。得られた反応液に水30gおよび10%塩酸水溶液8gを添加して、分液操作を行い、有機層を取得した。
クロロホルムを留去後、蒸留し、下記式(4)の沸点55℃(33.33kPa)の4E-T2T留分(純度99%)5.2g(収率40%)、下記式(5)の沸点64℃(6.67kPa)の4E-1T留分(純度97%)3.0g(収率19%)、下記式(6)の沸点69℃(6.67kPa)の4E-T3TT留分(純度97%)1.6g(収率10%)、および下記式(7)の沸点78℃(4.00kPa)の4E-2TT留分(純度98%)0.2g(収率1%)を取得した。得られた留分の構造は1H-NMRおよび19F-NMRで確認した。
【0044】
4E-T2T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,8,8-ドデカフルオロ-1,7-オクタジエン
【0045】
【化4】
【0046】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ4.70(2H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-70.8(2F)、-71.9(2F)、-108.7(4F)、-124.0(4F)
4E-1T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-6-ヨード-1-ヘキセン
【0047】
【化5】
【0048】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ4.70(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-59.6(2F)、-70.8(1F)、-71.9(1F)、-108.7(2F)、-113.9(2F)、-123.6(2F)
4E-T3TT:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,8,8,10,10-テトラデカフルオロ-1,9-デカジエン
【0049】
【化6】
【0050】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ2.87(2H)、4.70(1H)、4.78(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-70.8(1F)、-71.9(1F)、-74.7(1F)、-78.4(1F)、-84.9(2F)、-108.7(2F)、-113.6(2F)、-122.4(2F)、-123.6(2F)
4E-2TT:1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8-ドデカフルオロ-8-ヨード-1-オクテン
【0051】
【化7】
【0052】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ2.87(2H)、4.78(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-59.6(2F)、-74.7(1F)、-78.4(1F)、-84.9(2F)、-113.6(2F)、-113.9(2F)、-123.6(2F)
実施例2
撹拌機および温度計を備えた容量150mlの反応器に参考例2で得られたIC5F10I 25.2g(0.05モル)およびtert-ブチルパーオキサイド 0.58g(0.004モル)を添加した。次いで減圧下でVDFを0.5MPaになるまで添加後、125℃で3時間加熱した。さらに、反応液が70℃になるまで冷却した後、VDFを0.5MPaになるまで添加し、125℃で3時間加熱した。さらに、反応が進行して圧力が低下する都度0.5MPaまで加圧し、125℃で12時間加熱した。総量7.0g(0.11モル)のVDFを反応器に供給した。
【0053】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物にクロロホルム300gおよびトリエチルアミン10.1g(0.10モル)を添加し、35℃で3時間反応を行った。得られた反応液に水150gおよび10%塩酸水溶液12gを添加して、分液操作を行い、有機層を取得した。
有機層からクロロホルムを留去後、蒸留し、下記式(8)の沸点60℃(16.00kPa)の5E-T2T留分(純度99%)7.1g(収率38%)、下記式(9)の沸点70℃(6.67kPa)の5E-1T留分(純度98%)1.1g(収率5%)、下記式(10)の沸点78℃(6.67kPa)の5E-T3TT留分(純度97%)4.8g(収率22%)、および下記式(11)の沸点85℃(4.00kPa)の5E-2TT留分(純度97%)0.5g(収率2%)を取得した。得られた留分の構造は1H-NMRおよび19F-NMRで確認した。
【0054】
5E-T2T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9-テトラデカフルオロ-1,8-ノナジエン
【0055】
【化8】
【0056】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ4.70(2H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-70.8(2F)、-71.9(2F)、-108.7(4F)、-122.4(4F)、-124.3(2F)
5E-1T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロ-7-ヨード-1-ヘプテン
【0057】
【化9】
【0058】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ4.70(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-59.6(2F)、-70.8(1F)、-71.9(1F)、-108.7(2F)、-113.9(2F)、-122.4(2F)、-124.1(2F)
5E-T3TT:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,11,11-ヘキサデカフルオロ-1,10-ウンデカジエン
【0059】
【化10】
【0060】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ2.87(2H)、4.70(1H)、4.78(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-70.8(1F)、-71.9(1F)、-74.7(1F)、-78.4(1F)、-84.9(2F)、-108.7(2F)、-113.6(2F)、-122.4(4F)、-124.1(2F)
5E-2TT:1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-テトラデカフルオロ-9-ヨード-1-ノネン
【0061】
【化11】
【0062】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ2.87(2H)、4.78(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-59.6(2F)、-74.7(1F)、-78.4(1F)、-84.9(2F)、-113.6(2F)、-113.9(2F)、--122.4(2F)、-124.1(2F)
実施例3
撹拌機および温度計を備えた容量150mlの反応器に参考例1で得られたIC6F12I 55.4g(0.10モル)およびtert-ブチルパーオキサイド 0.58g(0.004モル)を添加した。次いで減圧下でVDFを0.5MPaになるまで添加後、125℃で3時間加熱した。さらに、反応液が70℃になるまで冷却した後、VDFを0.5MPaになるまで添加し、125℃で3時間加熱した。さらに、反応液が70℃になるまで冷却した後、VDFを0.5MPaになるまで添加し、125℃で5時間加熱した。総量12.2g(0.19モル)のVDFを反応器に供給した。
【0063】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物にクロロホルム300gおよびトリエチルアミン20.2g(0.20モル)を添加し、35℃で3時間反応を行った。得られた反応液に水150gおよび10%塩酸水溶液25gを添加して、分液操作を行い、有機層を取得した。
有機層からクロロホルムを留去後、蒸留し、下記式(12)の沸点76℃(13.33kPa)の6E-T2T留分(純度99%)17.8g(収率42%)、下記式(13)の沸点63℃(4.00kPa)の6E-1T留分(純度97%)3.6g(収率7%)、下記式(14)の沸点74℃(4.00kPa)の6E-T3TT留分(純度97%)9.8g(収率20%)、および下記式(15)の沸点66℃(2.67kPa)の6E-2TT留分(純度98%)0.8g(収率1%)を取得した。得られた留分の構造は1H-NMRおよび19F-NMRで確認した。
【0064】
6E-T2T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,10,10-ヘキサデカフルオロ-1,9-デカジエン
【0065】
【化12】
【0066】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ4.70(2H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-70.8(2F)、-71.9(2F)、-108.7(4F)、-122.4(4F)、-124.6(4F)
6E-1T:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8-テトラデカフルオロ-8-ヨード-1-オクテン
【0067】
【化13】
【0068】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ4.70(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-59.6(2F)、-70.8(1F)、-71.9(1F)、-108.7(2F)、-113.9(2F)、-121.8(2F)、-122.4(2F)、-124.3(2F)
6E-T3TT:1,1,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,10,10,12,12-オクタデカフルオロ-1,11-ドデカジエン
【0069】
【化14】
【0070】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ2.87(2H)、4.70(1H)、4.78(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-70.8(1F)、-71.9(1F)、-74.7(1F)、-78.4(1F)、-84.9(2F)、-108.7(2F)、-113.6(2F)、-122.4(4F)、-124.4(2F)、-124.6(2F)
6E-2TT:1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10-ヘキサデカフルオロ-10-ヨード-1-デセン
【0071】
【化15】
【0072】
1H-NMR(CDCl3、TMS、ppm):δ2.87(2H)、4.78(1H)
19F-NMR(CDCl3、C6F6、ppm):δ-59.6(2F)、-74.7(1F)、-78.4(1F)、-84.9(2F)、-113.6(2F)、-113.9(2F)、-121.6(2F)、-122.4(2F)、-124.4(2F)
実施例4
撹拌機および温度計を備えた容量150mlの反応器に参考例1で得られたIC6F12I 11.1g(0.02モル)、塩化第2鉄FeCl3 0.16g(0.001モル)およびアセトニトリル15gを添加した。次いで減圧下でVDFを0.5MPaになるまで添加後、130℃で14時間加熱した。総量3.2g(0.05モル)のVDFを反応器に供給した。
【0073】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物に1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン6.1g(0.04モル)を添加し、10℃で3時間反応を行った。得られた反応液に水30gおよび20%塩酸水溶液8gを添加した後に、アセトニトリルを留去した。さらにクロロホルム40gを添加して、分液操作により、有機層を取得した。
有機層からクロロホルムを留去後、蒸留し、式(12)の沸点76℃(13.33kPa)の6E-T2T留分(純度99%)1.4g(収率16%)、式(13)の沸点63℃(4.00kPa)の6E-1T留分(純度97%)3.4g(収率35%)を取得した。
実施例5
撹拌機および温度計を備えた容量150mlの反応器に参考例1で得られたIC6F12I 11.1g(0.02モル)、塩化第1鉄FeCl2 0.13g(0.001モル)およびアセトニトリル15gを添加した。次いで減圧下でVDFを0.5MPaになるまで添加後、130℃で15時間加熱した。さらに、反応液が25℃になるまで冷却した後、VDFを0.5MPaになるまで添加し、130℃で15時間加熱した。総量4.9g(0.08モル)のVDFを反応器に供給した。
【0074】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物にメタノール10gを添加して5℃まで冷却した後に、水酸化カリウム2.2g(0.04モル)を添加して6時間反応を行った。得られた反応液に20%塩酸水溶液5gを添加した後にメタノールを留去した。さらにクロロホルム100gを添加して、分液操作により、有機層を取得した。
有機層からクロロホルムを留去後、蒸留し、式(12)の沸点76℃(13.33kPa)の6E-T2T留分(純度99%)1.6g(収率19%)、式(13)の沸点63℃(4.00kPa)の6E-1T留分(純度98%)1.7g(収率17%)を取得した。
実施例6
撹拌機および温度計を備えた容量150mlの反応器に参考例1で得られたIC6F12I 11.1g(0.02モル)、および2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル) 0.16g(0.001モル)を添加した。次いで減圧下でVDFを0.5MPaになるまで添加後、125℃で3時間加熱した。さらに、反応液が70℃になるまで冷却した後、VDFを0.5MPaになるまで添加し、105℃で6時間加熱した。さらに、反応液が70℃になるまで冷却した後、VDFを0.5MPaになるまで添加し、105℃で5時間加熱した。総量2.6g(0.04モル)のVDFを反応器に供給した。
【0075】
冷却、および残ガスを排出後、この生成物にクロロホルム100gおよびトリエチルアミン8.1g(0.08モル)を添加し、35℃で3時間反応を行った。得られた反応液に水150gおよび10%塩酸水溶液8gを添加して、分液操作を行い、有機層を取得した。
有機層からクロロホルムを留去後、蒸留し、式(12)の沸点76℃(13.33kPa)の6E-T2T留分(純度99%)3.0g(収率35%)、式(13)の沸点63℃(4.00kPa)の6E-1T留分(純度96%)1.1g(収率11%)、式(14)の沸点74℃(4.00kPa)の6E-T3TT留分(純度98%)1.5g(収率15%)を取得した。