(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228429
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】逆止弁の装嵌構造とパッキン一体型逆止弁
(51)【国際特許分類】
F16K 15/06 20060101AFI20171030BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20171030BHJP
E03B 7/07 20060101ALI20171030BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20171030BHJP
F16L 37/38 20060101ALI20171030BHJP
F16L 27/12 20060101ALI20171030BHJP
G01F 1/00 20060101ALI20171030BHJP
G01F 15/18 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
F16K15/06
F16K27/00 C
E03B7/07 A
F16L55/00 N
F16L37/38
F16L27/12 E
G01F1/00 G
G01F15/18
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-226710(P2013-226710)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-86962(P2015-86962A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073623
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 幸吉
(72)【発明者】
【氏名】金井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】金子 晃
【審査官】
北村 一
(56)【参考文献】
【文献】
意匠登録第1092792(JP,S)
【文献】
特開2012−057323(JP,A)
【文献】
特開昭59−131087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/00−15/20
F16K 27/00
F16L 55/00
F16L 27/12
F16L 37/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道メータの1次側に設定される伸縮管ユニットの2次側端部に逆止弁カートリッジの収嵌スペースを設け、
カートリッジケージの後端に着合させた躯体にフランジ体を形成し、同フランジ体のフランジ部にガスケットを着装した逆止弁カートリッジを、
同収嵌スペースに収嵌すると共に、逆止弁カートリッジのフランジ体を、水道メータ1次側端面と伸縮管ユニットの2次側端面に挟着させて、水道メータ1次側に逆止弁を装嵌することを特徴とする逆止弁の装嵌構造。
【請求項2】
逆止弁カートリッジの2次側端部に、水道メータ1次側端面と伸縮管ユニットの2次側端面に挟着されるフランジ体を有するパッキンを一体に形成すると共に、同フランジ体を合成樹脂製のカートリッジケージの後端に着合させた金属躯体によって形成し、その金属躯体のフランジ部にゴム製等弾性素材によるガスケットを着装して構成するようにしたパッキン一体型逆止弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道メータ1次側に設定する逆止弁の装嵌構造とこれに用いるパッキン一体型逆止弁及び伸縮管ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パッキン一体型逆止弁は、水道メータ2次側の接続継手の内径部に設定され、2次側からの逆流が水道メータ内から1次側へのを逆流するのを防止してきたが、逆止弁本体が2次側に流されるのを防止する支持構造が無いため、逆止弁本体の支柱破損等により逆止弁本体の支持が失われると、逆止弁本体や部品が配管下流に流され、回収が困難となるばかりか配管を詰まらせて、除去のために配管の解体等、多大な労力と時間を要するという問題があった。
【0003】
逆止弁が水道メータの2次側内径部に設定される限り、確固たる逆止弁2次側での支持固定が困難であることから、水道メータ1次側での逆止弁設定が検討されたが、一般的に水道メータ1次側には伸縮止水栓が設置されており、水道メータの1次側と接続する既設配管の伸縮管の内径部には逆止弁を設定することは不可能という事情がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
上記の問題に対応して、弁軸を弁孔の下流側に固定する合成樹脂製のケージを金属製の補強材によって補強しようとする特許文献1の提案、水道メータ1次側の止水栓に逆止弁を組み込む特許文献2のような提案、フランジ部を有するパッキン一体型逆止弁を2次側のジョイント管の貫通孔に収嵌して1次側ジョイント管の止水端面と2次側ジョイント管の止水端面の間にフランジ部を挟持する特許文献3の提案が存在する。
【0005】
また、1次側に逆止弁を設定することについては、濾過整流板を弁座を介して設定した逆止弁ユニットのバルブケースを伸縮管に構成した出願人による特許文献4の発明、伸縮ソケットに逆止弁を収納する特許文献5の意匠も存在する。
【特許文献1】特開2010−276037号公報
【特許文献2】特開平7−280114号公報
【特許文献3】特開2009−115147号公報
【特許文献4】特開2008−14352号公報
【特許文献5】第1092792号意匠登録公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献3の発明は、何れも、逆止弁の設定自体は2次側であるため、逆止弁の本体や部材が流失した場合、2次側配管内への流入を避けることができない問題が残り、特許文献5の意匠による逆止弁は弁機構後端を固定する構成がなく開放されているため、1次側から2次側への流圧が高くなると弁機構がソケットから飛び出してメータ内に入り込んでしまう危険を抱えている。
【0007】
また、特許文献2及び特許文献4の発明は、逆止弁の交換、メンテナンスの際に止水栓の上部、或は、伸縮管ユニットを取り外さなければならず、多大な時間と面倒な取り外し作業が必要という問題がある。更に、特許文献1及び特許文献3の図示によって判るように従来のパッキン一体型逆止弁は、収嵌スペースへの固定機構であるフランジ体の後部2次側に弁機構部が設定されているため、1次側から2次側への流圧に対して逆止弁カートリッジケージを後方で支えものがなく破損し易い状態となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記した課題に対応しようとするものであり、逆止弁の交換、メンテナンス作業の容易さを保ちつつ既設配管にも対応できるように、水道メータ1次側に設定される伸縮管ユニットの2次側端部に逆止弁カートリッジの収嵌スペースを設け、同収嵌スペースに、2次側端部に水道メータ1次側端面と伸縮管ユニットの2次側端面に挟着されるフランジ体を有するパッキンを一体に形成した逆止弁カートリッジを収嵌すると共に、伸縮管ユニットの2次側端部と水道メータ1次側端部とを接合して水道メータ1次側に逆止弁を装嵌するようにした。
【0009】
このように構成することにより、逆止弁機構部を収容するカートリッジケージの後端に一体に着合されるフランジ体を有するパッキンが水道メータ1次側端面と伸縮管ユニットの2次側端面に挟着されてカートリッジ後端を構造的に固定すると共に、カートリッジとしてユニット化された弁機構を、伸縮管ユニットにパッキンと一体的にその収嵌スペースに挿脱可能に収嵌することができるものである。
【0010】
またフランジ体を有するパッキンは、カートリッジケージの後端に一体に着合して1次側から2次側への流圧に対しての支持力を強化すると共に、フランジ体を合成樹脂製のカートリッジケージの後端にスナップフィットさせた金属躯体によって形成し、フランジ部にゴム製ガスケットを着装して構成することにより、カートリッジケージの堅牢性を強化した。
【0011】
以上のような構成にしたことにより、既設配管の場合でも伸縮管ユニットを交換することにより、水道メータ1次側へのパッキン一体型逆止弁の取付が可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記のように逆止弁カートリッジが伸縮管ユニットと一体的に固定収嵌されるので1次側配管の止水栓と水道メータ1次側の端面に構造的に固定され、水道メータ1次側への逆止弁の設定が可能となり、逆止弁の交換、メンテナンス作業が極めて容易となると共に、逆止弁やその部品等の2次側配管内への流失を防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例を示すもので、止水状態の止水栓に接合した伸縮管ユニットに逆止弁カートリッジを装嵌する状況を示す止水栓、伸縮管ユニット、逆止弁カートリッジの各要部を切欠断面とした分解側面図
【
図2】同じく、伸縮管ユニットの収嵌スペースに逆止弁カートリッジを収嵌した状態を示す伸縮管ユニットと逆止弁カートリッジの縦断面側面図
【
図3】同じく、止水栓2次側と水道メータ1次側の間に、伸縮管ユニットを介して逆止弁を設定した状態を示す、要部を切欠断面とした止水栓2次側と水道メータ1次側連結部の部分拡大縦断面側面図
【
図4】同じく、伸縮管ユニットに収嵌される逆止弁カートリッジの実施例を示す拡大縦断面側面図
【
図5】同じく、伸縮管ユニットに収嵌される逆止弁カートリッジの他の実施例を示す拡大縦断面側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明すると、1は逆止弁カートリッジの本体で、1次側に弁座12を嵌合し、同弁座12に接触開閉する弁体13をスプリング14によって1次側に付勢させて支持収納するカートリッジケージ11と、カートリッジケージ11の2次側端部に着合するフランジ躯体15と、同フランジ躯体15のフランジ部15aに嵌装されるゴム等の弾性素材によるガスケット15bによって構成されるフランジ体16とから成る。
【0015】
フランジ躯体15は、合成樹脂によりカートリッジケージ11と一体成形しても良いが、より強度のある金属等としてカートリッジケージ11の2次側端部に嵌着、或はスナップフィット等により固着することにより、強度を高めることができ、より堅牢な逆止弁カートリッジ1を構成することができる。
【0016】
2は伸縮管ユニットで、両端に嵌合突起22、23を設けた伸縮管21と、1次側配管の止水栓3の2次側端部雄螺子31と螺合する袋ナット24、水道メータ4の1次側端部41と螺合する袋ナット25から成る。
【0017】
嵌合突起22は、1次側配管の止水栓3の通水路32の内径にOリング22aとパッキン22bにより水密性を保ちつつ摺動可能に伸縮管21を装嵌し、嵌合突起23は袋ナット25の内周端と金属リング23aを介して掛合して水道メータ4の1次側端部41と接合する。伸縮管21の2次側端部には、通水路27に連通して逆止弁カートリッジ1を収嵌する収嵌スペース26が設定されている。
【0018】
以上のように構成された伸縮管21は、既設配管の場合は止水栓を閉止し伸縮管ユニットを取り外して対応可能な新しい伸縮管ユニットを取り付ける。新設の場合は止水栓3の通水路32の内径に1次側端部を挿入して止水栓3の2次側端部外周に設けられた雄螺子31に袋ナット24を螺合して伸縮管21の1次側を止水栓3に螺締する。
【0019】
次いで、伸縮管21の2次側から逆止弁カートリッジ1を挿入し、収嵌スペース26に装嵌すれば、逆止弁カートリッジ1のフランジ体16が伸縮管21の2次側周端面とアンカー状に接面する。
【0020】
更に、水道メータ4の1次側端部41の外周に設けられた雄螺子42に袋ナット25を螺合して伸縮管21の2次側を水道メータ4の1次側に螺締すれば、フランジ体16は伸縮管21の2次側周端面と水道メータ4の1次側端面に挟着され、安定した支持構造を形成して1次側から2次側への流圧に対して逆止弁カートリッジのケージを後方から強力に支えることができる。
【0021】
逆止弁カートリッジ1の1次側端部外周面にはOリング17が設定され、逆流時に逆止弁止弁カートリッジ外周を流れる水を止水するようになっているが、逆止弁の設定環境によっては
図5に示すように逆止弁カートリッジ1の1次側端面にOリング17を設定する。
【0022】
以上のようにして水道メータ4の1次側に逆止弁を設定した後、止水栓3のバルブを開栓して設定を終わるのであるが、本発明においては伸縮管21の収嵌スペース26に逆止弁カートリッジ1が挿脱可能に一体収嵌されるので、容易に解離することができ、収嵌スペース内の逆止弁カートリッジ或いは逆止弁機構を簡単に取り出すことができ、修理、交換を行える。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明に係る逆止弁の装嵌構造とパッキン一体型逆止弁及び伸縮管ユニットは、破損し易い逆止弁カートリッジケージの構造を強化し、破損により2次側配管内にその部品等が流失して水路閉塞等の事故を発生させることを防止したので、水道施設産業上に高
度の利用価値を有するものである。
【符号の説明】
【0024】
1 逆止弁カートリッジ
11 カートリッジケージ
12 逆止弁の弁座
13 逆止弁の弁体
14 弁体を付勢するスプリング
15 逆止弁カートリッジのフランジ躯体
15a フランジ躯体のフランジ部
15b フランジ部に嵌装されるガスケット
16 カートリッジのフランジ体
17 Oリング
2 伸縮管ユニット
21 伸縮管
22 伸縮管1次側の嵌合突起
22a Oリング
22b パッキン
23 伸縮管2次側の嵌合突起
23a 金属リング
24 伸縮管1次側の袋ナット
25 伸縮管2次側の袋ナット
26 伸縮管に設定されたカートリッジ収嵌スペース
27 伸縮管ユニットの通水路
3 止水栓
31 止水栓の2次側端部雄螺子
32 止水栓の通水路
4 水道メータ
41 水道メータの1次側端部
42 水道メータの1次側端部外周に設けられた雄螺子