特許第6228455号(P6228455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228455
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】貯湯ユニットおよび給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20171030BHJP
   F24H 4/02 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   F24H9/00 E
   F24H4/02 F
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-272632(P2013-272632)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-127600(P2015-127600A)
(43)【公開日】2015年7月9日
【審査請求日】2016年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】佐治 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】秋田 和洋
(72)【発明者】
【氏名】野村 泰光
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−033054(JP,A)
【文献】 特開2010−025454(JP,A)
【文献】 特開昭58−224256(JP,A)
【文献】 米国特許第04320630(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00
F24H 4/02
F24H 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を貯留するための缶体(11)と、
上記缶体(11)の上部を覆う缶体断熱材(5,5A,5B)と、
上記缶体(11)に接続されると共に上記缶体(11)の上側に位置する水熱交換器(12,12C)と、
上記缶体断熱材(5,5A,5B)とは別体に設けられ、上記水熱交換器(12,12C)を覆う水熱交断熱材(6,6A,6B)と
を備え、
上記缶体断熱材(5,5A,5B)の上面(50)には、上方および一側方が開放された凹部(51)が設けられ、
上記水熱交断熱材(6,6A,6B)は、上記缶体断熱材(5,5A,5B)の上記凹部(51)に配置されて、上記水熱交断熱材(6,6A,6B)の上面および一側面が露出していることを特徴とする貯湯ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の貯湯ユニットにおいて、
上記水熱交断熱材(6,6A,6B)の上面(60)の高さは、上記缶体断熱材(5,5A,5B)の上面(50)の高さと同じかそれよりも低いことを特徴とする貯湯ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の貯湯ユニットにおいて、
上記水熱交断熱材(6,6A,6B)の断熱性は、上記缶体断熱材(5,5A,5B)の断熱性よりも高いことを特徴とする貯湯ユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一つに記載の貯湯ユニットにおいて、
上記缶体(11)の上面(11a)は、上記缶体(11)のセンター(C1)に頂部を有する凸状に形成され、
上記水熱交断熱材(6,6A,6B)のセンター(C2)は、上記缶体(11)のセンター(C1)に対して、オフセットした位置にあることを特徴とする貯湯ユニット。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一つに記載の貯湯ユニットにおいて、
上記缶体断熱材(5A)と上記水熱交断熱材(6A)とは、それぞれ、互いの相対的な水平方向の移動を規制する規制部(52,62)を有することを特徴とする貯湯ユニット。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一つに記載の貯湯ユニットにおいて、
上記缶体断熱材(5B)と上記水熱交断熱材(6B)とは、それぞれ、互いの相対的な上下方向の移動を規制する規制部(52,62)を有することを特徴とする貯湯ユニット。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一つに記載の貯湯ユニット(1,1A,1B)と、
上記貯湯ユニット(1,1A,1B)の上記水熱交換器(12)に接続される圧縮機(21)、膨張手段(22)および空気熱交換器(23)を含むヒートポンプユニット(2)と
を備えることを特徴とする給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯湯ユニットおよび給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯湯ユニットとしては、特開昭58−224256号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この貯湯ユニットは、缶体と、この缶体の上側に配置され缶体に接続される水熱交換器とを備えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−224256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の貯湯ユニットでは、上記水熱交換器を上記缶体の上側に配置する際、水熱交換器を水熱交断熱材で覆い、この水熱交断熱材を、缶体の上部を覆う缶体断熱材上に載置していた。しかしながら、水熱交断熱材を缶体断熱材に積み上げると、断熱材全体の高さ寸法が大きくなって、貯湯ユニットの高さ寸法が大きくなる問題があった。一方、水熱交断熱材の全体の厚みや缶体断熱材の全体の厚みを薄くして、断熱材全体の高さ寸法を押さえることも考えられるが、こうすると、水熱交換器の断熱性や缶体の断熱性が低下して、熱ロスが増大する問題があった。
【0005】
そこで、この発明の課題は、高さ寸法を抑え、かつ、熱ロスを抑えることができる貯湯ユニットおよび給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明の貯湯ユニットは、
温水を貯留するための缶体と、
上記缶体の上部を覆う缶体断熱材と、
上記缶体に接続されると共に上記缶体の上側に位置する水熱交換器と、
上記缶体断熱材とは別体に設けられ、上記水熱交換器を覆う水熱交断熱材と
を備え、
上記缶体断熱材の上面には、上方および一側方が開放された凹部が設けられ、
上記水熱交断熱材は、上記缶体断熱材の上記凹部に配置されて、上記水熱交断熱材の上面および一側面が露出していることを特徴としている。
【0007】
この発明の貯湯ユニットによれば、上記水熱交断熱材は、上記缶体断熱材の上記凹部に、配置されている。これにより、水熱交断熱材を缶体断熱材に積み上げても、断熱材全体の高さ寸法を抑えることができて、貯湯ユニットの高さ寸法を抑えることができる。
【0008】
また、上記缶体断熱材の凹部が設けられている部分の厚みは、薄くなって、この部分の断熱性は、低くなるが、この部分に、水熱交断熱材が積み上げられているので、この部分の断熱性を、水熱交断熱材が兼ねることができる。したがって、缶体の断熱性を低下させることがなく、缶体の熱ロスを抑制できる。
【0009】
また、一実施形態の貯湯ユニットでは、上記水熱交断熱材の上面の高さは、上記缶体断熱材の上面の高さと同じかそれよりも低い。
【0010】
この実施形態の貯湯ユニットによれば、上記水熱交断熱材の上面の高さは、上記缶体断熱材の上面の高さと同じかそれよりも低い。これにより、断熱材全体の高さ寸法を一層抑えることができて、貯湯ユニットの高さ寸法を一層抑えることができる。
【0011】
また、一実施形態の貯湯ユニットでは、上記水熱交断熱材の断熱性は、上記缶体断熱材の断熱性よりも高い。
【0012】
この実施形態の貯湯ユニットによれば、上記水熱交断熱材の断熱性は、上記缶体断熱材の断熱性よりも高い。これにより、水熱交断熱材の上面の高さを、缶体断熱材の上面の高さより低くしても、缶体の断熱性を低下させることがなく、缶体の熱ロスを抑制できる。
【0013】
また、一実施形態の貯湯ユニットでは、
上記缶体の上面は、上記缶体のセンターに頂部を有する凸状に形成され、
上記水熱交断熱材のセンターは、上記缶体のセンターに対して、オフセットした位置にある。
【0014】
この実施形態の貯湯ユニットによれば、上記缶体の上面は、凸状に形成され、上記水熱交断熱材のセンターは、上記缶体のセンターに対して、オフセットした位置にある。これにより、水熱交断熱材を、缶体の上面の頂部から離してできる限り下方に、配置することができ、断熱材全体の高さ寸法を一層抑えることができる。
【0015】
また、一実施形態の貯湯ユニットでは、上記缶体断熱材と上記水熱交断熱材とは、それぞれ、互いの相対的な水平方向の移動を規制する規制部を有する。
【0016】
この実施形態の貯湯ユニットによれば、上記缶体断熱材と上記水熱交断熱材とは、それぞれ、互いの相対的な水平方向の移動を規制する規制部を有する。これにより、貯湯ユニットを運搬する時などにおいて、水熱交断熱材の水平方向のずれを防止できる。
【0017】
また、一実施形態の貯湯ユニットでは、上記缶体断熱材と上記水熱交断熱材とは、それぞれ、互いの相対的な上下方向の移動を規制する規制部を有する。
【0018】
この実施形態の貯湯ユニットによれば、上記缶体断熱材と上記水熱交断熱材とは、それぞれ、互いの相対的な上下方向の移動を規制する規制部を有する。これにより、貯湯ユニットを運搬する時などにおいて、水熱交断熱材の上下方向のずれを防止できる。
【0019】
また、一実施形態の給湯装置では、
上記貯湯ユニットと、
上記貯湯ユニットの上記水熱交換器に接続される圧縮機、膨張手段および空気熱交換器を含むヒートポンプユニットと
を備える。
【0020】
この実施形態の給湯装置によれば、上記貯湯ユニットを備えるので、貯湯ユニットの高さ寸法を抑えることができ、かつ、貯湯ユニットの缶体の熱ロスを抑えることができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明の貯湯ユニットおよび給湯装置によれば、上記水熱交断熱材は、上記缶体断熱材の上記凹部に、配置されているので、高さ寸法を抑え、かつ、熱ロスを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態の貯湯ユニットを含む給湯装置を示す簡略構成図である。
図2】上記貯湯ユニットの側方からみた断面図である。
図3】本発明の第2実施形態の貯湯ユニットを示す側方からみた断面図である。
図4】本発明の第3実施形態の貯湯ユニットを示す側方からみた断面図である。
図5】本発明の第4実施形態の貯湯ユニットを示す簡略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の一実施形態の給湯装置を示す簡略構成図である。図1に示すように、給湯装置は、温水を貯留する貯湯ユニット1と、貯湯ユニット1に貯留される温水を加熱するためのヒートポンプユニット2とを備える。
【0025】
上記貯湯ユニット1は、温水を貯留する缶体11と、上記缶体11に接続されて缶体11に貯留される温水を加熱する水熱交換器12とを有する。上記ヒートポンプユニット2は、水熱交換器を除く冷媒回路を備えている。つまり、ヒートポンプユニット2は、上記水熱交換器12に接続される圧縮機21、膨張手段22および空気熱交換器23を含む。
【0026】
上記圧縮機21、上記水熱交換器12、上記膨張手段22および上記空気熱交換器23は、冷媒配管31を介して、順に接続される。水熱交換器12は、凝縮器として作用し、空気熱交換器23は、蒸発器として作用する。膨張手段22は、例えば、膨張弁である。
【0027】
上記ヒートポンプユニット2を流れる冷媒は、例えば、R32である。なお、冷媒としては、二酸化炭素や、HFC等のフロン類などを用いてもよい。
【0028】
上記缶体11の底部には、給水源Eに接続される給水配管32から分岐した一方の入水流路32aが、接続されている。これにより、給水源Eから供給される市水が、入水流路32aを介して、缶体11の底部に導入される。また、缶体11の底部には、循環配管33の一端が、接続されている。この循環配管33には、循環ポンプ34および上記水熱交換器12が接続されている。
【0029】
上記缶体11の頂部には、上記循環配管33の他端が接続されている。また、缶体11の頂部には、給湯配管35を介して、混合弁36が接続されている。この混合弁36には、給水配管32から分岐した他方の入水流路32bと、給湯端末Tとが接続されている。これにより、缶体11の頂部から出湯された温水を、給水源Eから供給される水と混合することが可能となり、給湯端末Tにおいて、所望の温度の温水を供給できる。
【0030】
そして、上記循環ポンプ34を駆動させると、缶体11内の水が、缶体11の底部から水熱交換器12へ流れる。上記圧縮機21を駆動させると、冷媒配管31内の冷媒が、水熱交換器12を流れる。これにより、缶体11内の水は、水熱交換器12で、高温の冷媒によって、加熱され(沸き上げられ)、缶体11の頂部に返流される。このような動作を継続して行うことによって、水熱交換器12によって生成された高温の温水を、缶体11に貯留することができる。缶体11内の温水は、給湯端末Tに供給される。
【0031】
図2は、上記貯湯ユニット1の側方からみた断面図である。図2に示すように、上記缶体11の上部は、缶体断熱材5により、覆われている。上記水熱交換器12は、缶体11の上側に位置する。水熱交換器12は、水熱交断熱材6により、覆われている。缶体断熱材5と水熱交断熱材6とは、断熱材からなり、例えば、発泡スチロールなどの樹脂からなる。水熱交換器12は、例えば、配管を渦巻き状に巻き回して形成され、平面視、環状である。水熱交換器12は、水熱交断熱材6から取り出し可能である。
【0032】
上記缶体断熱材5の上面50には、凹部51が設けられている。この凹部51は、缶体断熱材5の上面50および側面53を切り欠いて、形成されている。上記水熱交断熱材6は、この凹部51に、配置されている。つまり、水熱交断熱材6は、缶体断熱材5の凹部51が設けられている部分に、積み上げられている。
【0033】
上記水熱交断熱材6の上面60の高さは、上記缶体断熱材5の上面50の高さよりも低い。水熱交断熱材6の断熱性は、缶体断熱材5の断熱性よりも高い。
【0034】
上記缶体11の上面11aは、上記缶体11のセンターC1に頂部を有する凸状に形成されている。つまり、上面11aは、上方に凸の湾曲面である。上面11aは、平面視、円形に形成されている。
【0035】
上記水熱交断熱材6は、平面視、矩形状に形成されている。水熱交断熱材6のセンターC2は、上記缶体11のセンターC1に対して、オフセットした位置にある。また、水熱交断熱材6は、缶体11のセンターC1に重ならない。
【0036】
上記構成の貯湯ユニット1によれば、上記水熱交断熱材6は、上記缶体断熱材5の上記凹部51に、配置されている。これにより、水熱交断熱材6を缶体断熱材5に積み上げても、断熱材全体の高さ寸法を抑えることができて、貯湯ユニット1の高さ寸法を抑えることができる。
【0037】
また、上記缶体断熱材5の凹部51が設けられている部分の厚みは、薄くなって、この部分の断熱性は、低くなるが、この部分に、水熱交断熱材6が積み上げられているので、この部分の断熱性を、水熱交断熱材6が兼ねることができる。したがって、缶体11の断熱性を低下させることがなく、缶体11の熱ロスを抑制できる。さらに、水熱交断熱材6の厚みを薄くしなくてもよく、水熱交換器12の熱ロスを抑制できる。
【0038】
また、上記缶体断熱材5と上記水熱交断熱材6とは、別体であるため、水熱交換器12を缶体断熱材5にインサート成形する場合に比べて、水熱交換器12のメンテナンスが容易となる。
【0039】
また、上記水熱交断熱材6の上面60の高さは、上記缶体断熱材5の上面50の高さよりも低い。これにより、断熱材全体の高さ寸法を一層抑えることができて、貯湯ユニット1の高さ寸法を一層抑えることができる。
【0040】
また、上記水熱交断熱材6の断熱性は、上記缶体断熱材5の断熱性よりも高い。これにより、水熱交断熱材6の上面60の高さを、缶体断熱材5の上面50の高さより低くしても、缶体11の断熱性を低下させることがなく、缶体11の熱ロスを抑制できる。
【0041】
また、上記缶体11の上面11aは、凸状に形成され、上記水熱交断熱材6のセンターC2は、上記缶体11のセンターC1に対して、オフセットした位置にある。これにより、水熱交断熱材6を、缶体11の上面11aの頂部から離してできる限り下方に、配置することができ、断熱材全体の高さ寸法を一層抑えることができる。また、水熱交断熱材6は、缶体11の上面11aの頂部付近に接続される配管の邪魔にならない。
【0042】
上記構成の給湯装置によれば、上記貯湯ユニット1を備えるので、貯湯ユニット1の高さ寸法を抑えることができ、かつ、貯湯ユニット1の缶体11の熱ロスを抑えることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
図3は、この発明の第2実施形態の貯湯ユニットの側方からみた断面図である。この第2の実施形態は、上記第1の実施形態とは、缶体断熱材および水熱交断熱材の構成が相違する。この相違する構成のみを以下に説明する。なお、この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の符号は、上記第1の実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0044】
図3に示すように、この第2実施形態の貯湯ユニット1Aでは、缶体断熱材5Aと水熱交断熱材6Aとは、それぞれ、互いの相対的な水平方向の移動を規制する規制部52,62を有する。
【0045】
上記缶体断熱材5Aの規制部52は、凹部51の底面に窪み状に設けられている。上記水熱交断熱材6Aの規制部62は、水熱交断熱材6Aの下面側から下方に突出するように設けられている。水熱交断熱材6Aの規制部62は、缶体断熱材5Aの規制部52に、嵌め込まれる。これにより、缶体断熱材5Aと水熱交断熱材6Aとは、互いに、水平方向の移動を規制される。
【0046】
上記構成の貯湯ユニット1Aによれば、上記第1実施形態の作用効果に加え、さらに、上記規制部52,62を有しているので、貯湯ユニット1Aを運搬する時などにおいて、水熱交断熱材6Aの水平方向のずれを防止できる。
【0047】
(第3の実施形態)
図4は、この発明の第3実施形態の貯湯ユニットの側方からみた断面図である。この第3の実施形態は、上記第1の実施形態とは、缶体断熱材および水熱交断熱材の構成が相違する。この相違する構成のみを以下に説明する。なお、この第3の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の符号は、上記第1の実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0048】
図4に示すように、この第3実施形態の貯湯ユニット1Bでは、缶体断熱材5Bと水熱交断熱材6Bとは、それぞれ、互いの相対的な上下方向の移動を規制する規制部52,62を有する。
【0049】
上記缶体断熱材5Bの規制部52は、凹部51の側面側に窪み状に設けられている。上記水熱交断熱材6Bの規制部62は、水熱交断熱材6Bの側面から水平方向に突出するように設けられている。水熱交断熱材6Bの規制部62は、缶体断熱材5Bの規制部52に、嵌め込まれる。これにより、缶体断熱材5Bと水熱交断熱材6Bとは、互いに、上下方向の移動を規制される。
【0050】
上記構成の貯湯ユニット1Bによれば、上記第1実施形態の作用効果に加え、さらに、上記規制部52,62を有しているので、貯湯ユニット1Bを運搬する時などにおいて、水熱交断熱材6Bの上下方向のずれを防止できる。
【0051】
(第4の実施形態)
図5は、この発明の第4実施形態の貯湯ユニットを示す簡略構成図である。この第4の実施形態は、上記第1の実施形態とは、水熱交換器の構成のみが相違する。この相違する構成のみを以下に説明する。なお、この第4の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の符号は、上記第1の実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0052】
図5に示すように、貯湯ユニット1Cの水熱交換器12Cは、缶体11に接続されて、風呂Fを循環する水を加熱する。つまり、この水熱交換器12Cは、第1実施形態のヒートポンプ用水熱交換器でなく、追い焚き用水熱交換器である。
【0053】
なお、図示しないが、ヒートポンプ用水熱交換器は、缶体11に接続されている。この場合、ヒートポンプ用水熱交換器は、貯湯ユニット1Cに含まれていてもよく、または、ヒートポンプユニット2に含まれていてもよい。
【0054】
上記缶体11の頂部には、追い焚き循環配管40の入口および出口が、接続されている。追い焚き循環配管40には、循環ポンプ37および上記水熱交換器12Cが接続されている。
【0055】
上記水熱交換器12Cには、風呂循環配管38が接続されている。風呂循環配管38の入口および出口は、風呂Fに接続されている。風呂循環配管38には、循環ポンプ39が接続されている。
【0056】
そして、上記追い焚き循環配管40の循環ポンプ37を駆動させると、缶体11内の温水が、水熱交換器12Cを流れる。上記風呂循環配管38の循環ポンプ39を駆動させると、風呂F内の水が、水熱交換器12Cを流れる。これにより、風呂循環配管38を流れる水は、水熱交換器12Cで、追い焚き循環配管40を流れる高温の温水により、加熱され、風呂Fの水が、追い焚きされる。
【0057】
図示しないが、上記水熱交換器12Cは、上記第1実施形態と同様に、水熱交断熱材に覆われ、水熱交断熱材は、缶体断熱材の凹部に、配置される。したがって、この第4実施形態においても、上記第1実施形態と同じ作用効果を奏する。
【0058】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、上記第1から上記第4の実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
【0059】
上記第1実施形態では、上記水熱交断熱材の上面の高さを、上記缶体断熱材の上面の高さよりも低くしたが、水熱交断熱材の上面の高さを、缶体断熱材の上面の高さと同じにしてもよい。
【0060】
上記第1実施形態では、上記水熱交断熱材の断熱性を、上記缶体断熱材の断熱性よりも高くしたが、水熱交断熱材の断熱性を、缶体断熱材の断熱性と同じにしてもよい。
【0061】
上記第1実施形態では、上記水熱交断熱材のセンターを、上記缶体のセンターに対して、オフセットした位置に配置したが、水熱交断熱材のセンターを、缶体のセンターに一致させてもよい。
【0062】
上記第2実施形態では、上記缶体断熱材および上記水熱交断熱材に、水平方向の移動を規制する規制部を設けたが、この規制部に加えて、上記第3実施形態の上下方向の移動を規制する規制部を、さらに、設けてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1,1A,1B,1C 貯湯ユニット
2 ヒートポンプユニット
5,5A,5B 缶体断熱材
6,6A,6B 水熱交断熱材
11 缶体
11a 上面
12,12C 水熱交換器
21 圧縮機
22 膨張手段
23 空気熱交換器
50 上面
51 凹部
52 規制部
53 側面
60 上面
62 規制部
C1 (缶体の)センター
C2 (水熱交断熱材の)センター
図1
図2
図3
図4
図5