【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する請求項1の車体構造は、軸圧潰により衝撃エネルギを吸収する左右のメインフレーム及び左右のアッパフレームを備え、該左右のメインフレーム間にパワーユニットが配置される車体構造において、車幅方向に延在して前記左右のアッパフレーム間に架設されたサスペンションクロスメンバと、該サスペンションクロスメンバの左右にそれぞれ
設けられ、板面が車体前後方向を向く板状のサスペンション支持部材とを備え、該サスペンション支持部材は、車幅方向に延在して前記サスペンションクロスメンバに結合される上縁部と、該上縁部から下方に延在して下端にサスペンション支持部を有すると共に前記メインフレームに結合される外側縁部と、前記上縁部と
前記サスペンション支持部との間に
位置するパワーユニット支持部を有す
ることを特徴とする。
【0016】
これによると左右のアッパフレームに架設されたサスペンションクロスメンバとメインフレームとに掛け渡されて支持された板状のサスペンション支持部材によってパワーユニット及びサスペンション装置が強固に支持されると共に、メインフレームとサスペンション支持部材との結合による剛性増大範囲が抑制されて十分なクラッシュストロークが得られ、メインフレームの軸圧潰変形による良好な衝撃エネルギの吸収が得られる。
【0017】
請求項2の発明は、
軸圧潰により衝撃エネルギを吸収する左右のメインフレーム及び左右のアッパフレームを備え、該左右のメインフレーム間にパワーユニットが配置される車体構造において、車幅方向に延在して前記左右のアッパフレーム間に架設されたサスペンションクロスメンバと、該サスペンションクロスメンバの左右にそれぞれ設けられた板状のサスペンション支持部材とを備え、該サスペンション支持部材は、車幅方向に延在して前記サスペンションクロスメンバに結合される上縁部と、該上縁部から下方に延在して下端にサスペンション支持部を有すると共に前記メインフレームに結合される外側縁部と、
前記上縁部と前記サスペンション支持部との間に位置するパワーユニット支持部と、該パワーユニット支持部から放射状に延在して前記上縁部及び
前記外側
縁部に結合される複数のリブとを備えたトラス形状であることを特徴とす
る。
【0018】
これによると、サスペンション支持部材が剛性強度に優れたトラス形状に構成されると共に、パワーユニット支持部が放射状に配置された各リブによってサスペンションクロスメンバ及びメインフレームに結合される上縁部及び外側縁部に連結され、パワーユニットの支持剛性が確保できる。一方、衝撃力が付与されてパワーユニットが移動した際に、パワーユニット支持部を介して各リブに衝撃が付与されて各リブが破損乃至変形してパワーユニットが開放された下方に脱落してメインフレームと干渉することなく、メインフレームの円滑な軸圧潰が確保できる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項2の車体構造において、前記複数のリブは、前記パワーユニット支持部をそれぞれ前記上縁部の外方端及び内方端に連結する上部内側リブ及び上部外側リブと、前記パワーユニット支持部と前記外側縁部の下端とを連結する下部側リブであることを特徴とする。
【0020】
これによると、パワーユニット支持部に放射状に配置された上部内側リブが上縁部の端部に連結され、上部外側リブが上縁部と外側縁部との接続部に連結され、
下部側リブが外側縁部の下端に結合されてサスペンション支持部材の剛性強度が確保されてパワーユニット支持部の剛性が確保されてパワーユニットの支持剛性が得られる。一方、衝撃力が付与されてパワーユニットが移動した際に、上部内側リブ、上部外側リブ、
下部側リブの各リブが破損乃至変形してパワーユニットを脱落させる。
【0021】
上記目的を達成する請求項4の車体構造は、軸圧潰により衝撃エネルギを吸収する左右のメインフレーム及び左右のアッパフレームを備え、該左右のメインフレーム間にパワーユニットが配置される車体構造において、車幅方向に延在して前記左右のアッパフレーム間に架設されたサスペンションクロスメンバと、該サスペンションクロスメンバの左右にそれぞれ
設けられ、車幅方向に延在して前記サスペンションクロスメンバに結合される上縁部と、該上縁部から下方に延在して下端に
前側サスペンション支持部を有すると共に前記メインフレームに結合される外側縁部と、前記上縁部と
前記前側サスペンション支持部との間に
位置する前側パワーユニット支持部を有する板状の前側サスペンション支持部材と、前記サスペンションクロスメンバの左右にそれぞれ
設けられ、車幅方向に延在して前記サスペンションクロスメンバに結合される上縁部と、該上縁部から下方に延在して下端に
後側サスペンション支持部を有すると共に前記メインフレームに結合される外側縁部と、前記上縁部と
前記後側サスペンション支持部との間に
位置する後側パワーユニット支持部を有
し、板状で前記前側サスペンション支持部材と対向配置される後側サスペンション支持部材とを備え、対向する前記前側パワーユニット支持部と
前記後側パワーユニット支持部
との間でパワーユニットを支持し、対向する前記前側サスペンション支持部と
前記後側サスペンション支持部との間でサスペンションアームを支持することを特徴とする。
【0022】
これによると、左右のアッパフレームに架設されたサスペンションクロスメンバ及びメインフレームに支持されて対向配置された板状の
前側サスペンション支持部材及び
後側サスペンション支持部材によってパワーユニット及びサスペンションアームの支持が得られると共に、メインフレームの前側サスペンション支持部材及び後側サスペンション支持部材との結合部による剛性増大範囲が抑制されてクラッシュストロークが得られ、メインフレームの軸圧潰による良好な衝撃エネルギの吸収が確保できる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項4の車体構造において、前記前側サスペンション支持部材は、車幅方向に延在して前記サスペンションクロスメンバに結合される上縁部と、該上縁部の外方端から下方に延在して下端に
前側サスペンション支持部を有すると共に前記メインフレームに結合される外側縁部と、前側パワーユニット支持部と、該前側パワーユニット支持部から放射状に延在して前記上縁部及び
前記外側
縁部に結合される複数のリブとを備えたトラス形状であり、前記後側サスペンション支持部材は、車幅方向に延在して前記サスペンションクロスメンバに結合される上縁部と、該上縁部の外方端から下方に延在して下端に
後側サスペンション支持部を有すると共に前記メインフレームに結合される外側縁部と、後側パワーユニット支持部と、該後側パワーユニット支持部から放射状に延在して前記上縁部及び
前記外側縁部に結合される複数のリブとを備えたトラス形状であ
ることを特徴とする。
【0024】
これによると、前側サスペンション支持部材の前側パワーユニット支持部が放射状に配置された各リブによってサスペンションクロスメンバ及びメインフレームに結合される上縁部及び外側縁部に連結され、後側サスペンション支持部材の後側パワーユニット支持部が放射状に配置された各リブによってサスペンションクロスメンバ及びメインフレームに結合される上縁部及び外側縁部に連結されて、パワーユニットの支持剛性が確保できる。
【0025】
一方、衝撃が付与されてパワーユニットが移動した際に、前側サスペンション支持部材の前側パワーユニット支持部を支持する各リブ及び後側サスペンション支持部材の後側パワーユニット支持部を支持する各リブが破損乃至変形してパワーユニットを下方に脱落させる。