(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の拡張現実画像に対応する第1の拡張現実画像の位置が前記映像表示領域外に存在するときの当該第1の拡張現実画像の位置を仮想表示位置と定義したとき、前記リンク線表示手段は、前記第2の拡張現実画像の表示位置から前記仮想表示位置へと伸びるように前記リンク線を描画することを特徴とする、請求項2に記載の経路案内装置。
1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像は、縦方向または横方向の一方のみに微小距離だけ移動し得ることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の経路案内装置。
前記第2の拡張現実画像表示手段は、複数の第2の拡張現実画像を表示する際、任意の2つの第2の拡張現実画像が互いに重なることのないように、前記複数の第2の拡張現実画像を配置することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の経路案内装置。
前記第2の拡張現実画像表示手段は、前記映像表示領域および前記地図表示領域とは別に設けられている文字表示領域に前記第2の拡張現実画像を表示することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の経路案内装置。
前記リンク線表示手段は、任意の第2の拡張現実画像と当該第2の拡張現実画像に対応するリンク線とが同じ色になるように、各リンク線を表示することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の経路案内装置。
前記第2の拡張現実画像表示手段は、任意の第1の拡張現実画像と当該第1の拡張現実画像に対応する第2の拡張現実画像とが同じ色になるように、各第2の拡張現実画像を表示することを特徴とする、請求項10に記載の経路案内装置。
前記第2の拡張現実画像に対応する第1の拡張現実画像の位置が前記映像表示領域外に存在するときの当該第1の拡張現実画像の位置を仮想表示位置と定義したとき、前記リンク線表示ステップでは、前記第2の拡張現実画像の表示位置から前記仮想表示位置へと伸びるように前記リンク線が描画されることを特徴とする、請求項15に記載の経路案内プログラム。
1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像は、縦方向または横方向の一方のみに微小距離だけ移動し得ることを特徴とする、請求項14から16までのいずれか1項に記載の経路案内プログラム。
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、複数の第2の拡張現実画像が表示される際、任意の2つの第2の拡張現実画像が互いに重なることのないように、前記複数の第2の拡張現実画像が配置されることを特徴とする、請求項14から18までのいずれか1項に記載の経路案内プログラム。
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、前記撮影映像のうちの空に相当する映像が表示されている領域に前記第2の拡張現実画像が表示されることを特徴とする、請求項20に記載の経路案内プログラム。
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、前記映像表示領域および前記地図表示領域とは別に設けられている文字表示領域に前記第2の拡張現実画像が表示されることを特徴とする、請求項14から21までのいずれか1項に記載の経路案内プログラム。
前記リンク線表示ステップでは、任意の第2の拡張現実画像と当該第2の拡張現実画像に対応するリンク線とが同じ色になるように、各リンク線が表示されることを特徴とする、請求項14から22までのいずれか1項に記載の経路案内プログラム。
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、任意の第1の拡張現実画像と当該第1の拡張現実画像に対応する第2の拡張現実画像とが同じ色になるように、各第2の拡張現実画像が表示されることを特徴とする、請求項23に記載の経路案内プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した拡張現実技術を用いれば、避難誘導アプリにおいて、ユーザーが撮影している風景映像に、避難経路の案内に供される情報(避難所の情報、災害箇所の情報など)としてのエアタグを付加的に表示することができる。また、文字で構成された文字タグと呼ばれる仮想的画像についても、ユーザーが撮影している風景映像に付加的に表示することができる。なお、文字タグはエアタグの一種であるが、本明細書においては、図形の形態で表される仮想的画像のことを「エアタグ」といい、文字の形態で表される仮想的画像のことを「文字タグ」という。このようなエアタグや文字タグが付加された風景映像と避難経路を示す地図とを1つの画面上に表示した場合、例えば
図35に示すような画像(地図および映像)が表示部に表示される。
図35に示す例では、風景映像中に、避難所,進行経路,火災,水害などを表すエアタグが表示されるともに、それらのエアタグに対応する情報を表す文字タグが表示されている。
【0009】
ところで、
図35に示す例では、文字タグはエアタグの近傍に配置されている。このような配置が行われる場合、風景映像中の建物や道路が表示されている領域にエアタグや文字タグが密に混在してユーザーにとって視認性の悪い映像となるおそれがある。そこで、映像の視認性を良くするために、例えば
図36に示すように、文字タグをエアタグから離れた位置に配置することが考えられる。しかしながら、風景映像中に同じ種類のエアタグが多数含まれている場合、ユーザーにとっては、各エアタグと各文字タグとを正確に対応付けることは困難である。従って、ユーザーにとっては、各文字タグがどのエアタグの説明を表しているのかを把握することが困難となる。このため、特に災害発生によってユーザーがパニック状態になっている場合には、ユーザーの迅速な避難が阻害されることやユーザーが誤って避難経路からそれてしまうこと等が考えられる。
【0010】
そこで本発明は、良好な視認性を有し、かつ、文字タグがどの事物・事象の説明をしているのかをユーザーが容易に把握することのできる経路案内装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、目的地までの進行経路を案内するための経路案内装置であって、
利用者によって入力される条件に基づいて、目的地までの進行経路の探索を行う経路探索手段と、
所定の映像表示領域に撮影中の映像を表示する映像表示手段と、
進行経路の案内に供される情報を表す拡張現実画像のうちの図形で表される画像である第1の拡張現実画像を、前記映像表示手段によって表示されている撮影映像に重ねて表示する第1の拡張現実画像表示手段と、
進行経路の案内に供される情報を表す拡張現実画像のうちの文字で表される画像であって前記第1の拡張現実画像に対応する第2の拡張現実画像を表示する第2の拡張現実画像表示手段と、
前記経路探索手段によって得られた進行経路を示す地図および前記第2の拡張現実画像に対応するランドマークを所定の地図表示領域に表示する地図表示手段と、
各時点において一端を前記第1の拡張現実画像または前記ランドマーク
の一方とし、他端を前記第2の拡張現実画像とするリンク線を表示するリンク線表示手段と
を備え、
前記第2の拡張現実画像表示手段は、1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像を微小距離だけ移動し得る範囲内の位置に表示
し、
前記リンク線表示手段は、前記リンク線の一端を前記第1の拡張現実画像と前記ランドマークとの間で切り替えることができることを特徴とする。
【0013】
第
2の発明は、第1の発明において、
前記リンク線表示手段は、
一端を前記第1の拡張現実画像とし、他端を前記第2の拡張現実画像とするリンク線を表示し、
前記映像表示領域に表示されている第1の拡張現実画像の位置の変化に応じて、リアルタイムで前記リンク線を描画することを特徴とする。
【0014】
第
3の発明は、第
2の発明において、
前記第2の拡張現実画像に対応する第1の拡張現実画像の位置が前記映像表示領域外に存在するときの当該第1の拡張現実画像の位置を仮想表示位置と定義したとき、前記リンク線表示手段は、前記第2の拡張現実画像の表示位置から前記仮想表示位置へと伸びるように前記リンク線を描画することを特徴とする。
【0015】
第
4の発明は、第1から第
3までのいずれかの発明において、
1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像の表示位置は、完全に固定されていることを特徴とする。
【0016】
第
5の発明は、第1から第
3までのいずれかの発明において、
1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像は、縦方向または横方向の一方のみに微小距離だけ移動し得ることを特徴とする。
【0017】
第
6の発明は、第1から第
5までのいずれかの発明において、
前記第2の拡張現実画像表示手段は、複数の第2の拡張現実画像を表示する際、任意の2つの第2の拡張現実画像が互いに重なることのないように、前記複数の第2の拡張現実画像を配置することを特徴とする。
【0018】
第
7の発明は、第1から第
6までのいずれかの発明において、
前記第2の拡張現実画像表示手段は、前記映像表示領域のうちの中央部よりも上方の領域に前記第2の拡張現実画像を表示することを特徴とする。
【0019】
第
8の発明は、第
7の発明において、
前記第2の拡張現実画像表示手段は、前記撮影映像のうちの空に相当する映像が表示されている領域に前記第2の拡張現実画像を表示することを特徴とする。
【0020】
第
9の発明は、第1から第
8までのいずれかの発明において、
前記第2の拡張現実画像表示手段は、前記映像表示領域および前記地図表示領域とは別に設けられている文字表示領域に前記第2の拡張現実画像を表示することを特徴とする。
【0021】
第
10の発明は、第1から第
9までのいずれかの発明において、
前記リンク線表示手段は、任意の第2の拡張現実画像と当該第2の拡張現実画像に対応するリンク線とが同じ色になるように、各リンク線を表示することを特徴とする。
【0022】
第
11の発明は、第
10の発明において、
前記第2の拡張現実画像表示手段は、任意の第1の拡張現実画像と当該第1の拡張現実画像に対応する第2の拡張現実画像とが同じ色になるように、各第2の拡張現実画像を表示することを特徴とする。
【0023】
第
12の発明は、第1から第
11までのいずれかの発明において、
前記経路探索手段は、道路および避難所の情報を用いて、目的地である避難所と当該避難所までの避難経路の探索を行うことを特徴とする。
【0024】
第
13の発明は、目的地までの進行経路を端末装置を用いて案内する経路案内方法であって、
前記端末装置の利用者によって入力される条件に基づいて、前記端末装置が目的地までの進行経路の探索を行う経路探索ステップと、
前記端末装置の所定の映像表示領域に撮影中の映像を表示する映像表示ステップと、
進行経路の案内に供される情報を表す拡張現実画像のうちの図形で表される画像である第1の拡張現実画像を、前記映像表示ステップによって表示されている撮影映像に重ねて表示する第1の拡張現実画像表示ステップと、
進行経路の案内に供される情報を表す拡張現実画像のうちの文字で表される画像であって前記第1の拡張現実画像に対応する第2の拡張現実画像を表示する第2の拡張現実画像表示ステップと、
前記経路探索ステップで得られた進行経路を示す地図および前記第2の拡張現実画像に対応するランドマークを前記端末装置の所定の地図表示領域に表示する地図表示ステップと、
各時点において一端を前記第1の拡張現実画像または前記ランドマーク
の一方とし、他端を前記第2の拡張現実画像とするリンク線を表示するリンク線表示ステップと
を含み、
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像は微小距離だけ移動し得る範囲内の位置に表示され
、
前記リンク線表示ステップでは、前記リンク線の一端を前記第1の拡張現実画像と前記ランドマークとの間で切り替えることができることを特徴とする。
【0025】
第
14の発明は、目的地までの進行経路を案内するための、端末装置で実行される経路案内プログラムであって、
前記端末装置の利用者によって入力される条件に基づいて、目的地までの進行経路の探索を行う経路探索ステップと、
前記端末装置の所定の映像表示領域に撮影中の映像を表示する映像表示ステップと、
進行経路の案内に供される情報を表す拡張現実画像のうちの図形で表される画像である第1の拡張現実画像を、前記映像表示ステップによって表示されている撮影映像に重ねて表示する第1の拡張現実画像表示ステップと、
進行経路の案内に供される情報を表す拡張現実画像のうちの文字で表される画像であって前記第1の拡張現実画像に対応する第2の拡張現実画像を表示する第2の拡張現実画像表示ステップと、
前記経路探索ステップで得られた進行経路を示す地図および前記第2の拡張現実画像に対応するランドマークを前記端末装置の所定の地図表示領域に表示する地図表示ステップと、
各時点において一端を前記第1の拡張現実画像または前記ランドマーク
の一方とし、他端を前記第2の拡張現実画像とするリンク線を表示するリンク線表示ステップと
を前記端末装置に含まれるコンピュータのCPUがメモリを利用して実行し、
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像は微小距離だけ移動し得る範囲内の位置に表示され
、
前記リンク線表示ステップでは、前記リンク線の一端を前記第1の拡張現実画像と前記ランドマークとの間で切り替えることができることを特徴とする。
【0027】
第
15の発明は、第
14の発明において、
前記リンク線表示ステップでは、
一端を前記第1の拡張現実画像とし、他端を前記第2の拡張現実画像とするリンク線が表示され、
前記映像表示領域に表示されている第1の拡張現実画像の位置の変化に応じて、リアルタイムで前記リンク線が描画されることを特徴とする。
【0028】
第
16の発明は、第
15の発明において、
前記第2の拡張現実画像に対応する第1の拡張現実画像の位置が前記映像表示領域外に存在するときの当該第1の拡張現実画像の位置を仮想表示位置と定義したとき、前記リンク線表示ステップでは、前記第2の拡張現実画像の表示位置から前記仮想表示位置へと伸びるように前記リンク線が描画されることを特徴とする。
【0029】
第
17の発明は、第
14から第
16までのいずれかの発明において、
1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像の表示位置は、完全に固定されていることを特徴とする。
【0030】
第
18の発明は、第
14から第
16までのいずれかの発明において、
1以上の前記第2の拡張現実画像が同じ並び順で表示されている期間中、各第2の拡張現実画像は、縦方向または横方向の一方のみに微小距離だけ移動し得ることを特徴とする。
【0031】
第
19の発明は、第
14から第
18までのいずれかの発明において、
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、複数の第2の拡張現実画像が表示される際、任意の2つの第2の拡張現実画像が互いに重なることのないように、前記複数の第2の拡張現実画像が配置されることを特徴とする。
【0032】
第
20の発明は、第
14から第
19までのいずれかの発明において、
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、前記映像表示領域のうちの中央部よりも上方の領域に前記第2の拡張現実画像が表示されることを特徴とする。
【0033】
第
21の発明は、第
20の発明において、
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、前記撮影映像のうちの空に相当する映像が表示されている領域に前記第2の拡張現実画像が表示されることを特徴とする。
【0034】
第
22の発明は、第
14から第
21までのいずれかの発明において、
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、前記映像表示領域および前記地図表示領域とは別に設けられている文字表示領域に前記第2の拡張現実画像が表示されることを特徴とする。
【0035】
第
23の発明は、第
14から第
22までのいずれかの発明において、
前記リンク線表示ステップでは、任意の第2の拡張現実画像と当該第2の拡張現実画像に対応するリンク線とが同じ色になるように、各リンク線が表示されることを特徴とする。
【0036】
第
24の発明は、第
23の発明において、
前記第2の拡張現実画像表示ステップでは、任意の第1の拡張現実画像と当該第1の拡張現実画像に対応する第2の拡張現実画像とが同じ色になるように、各第2の拡張現実画像が表示されることを特徴とする。
【0037】
第
25の発明は、第
14から第
24までのいずれかの発明において、
前記経路探索ステップでは、道路および避難所の情報を用いて、目的地である避難所と当該避難所までの避難経路の探索が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
上記第1の発明によれば、映像表示領域には、撮影映像とともにエアタグ(第1の拡張現実画像)が表示され、地図表示領域には、目的地までの進行経路を示す地図が表示されるとともに映像表示領域内のエアタグに対応するランドマークが表示される。また、エアタグに対応する文字タグ(第2の拡張現実画像)が所定の領域に表示される。以上のような表示が行われる経路案内装置において、文字タグとエアタグとを結ぶリンク線または文字タグとランドマークとを結ぶリンク線のうち
の一方が
各時点に表示される。
また、ユーザーは、リンク線の一端をエアタグとランドマークとの間で切り替えることができる。このため、各文字タグとそれに対応するエアタグやランドマークとの対応関係の把握が容易になる。従って、ユーザーは、各文字タグがどの事物・事象に関する説明をしているのかを容易に把握することが可能となる。また、各文字タグはほぼ同じ位置に固定された状態で表示される。このため、ユーザーの動きに伴う文字タグの表示位置のぶれが抑制される。これにより、ユーザーが移動しながら経路案内装置を使用していても、良好な視認性を有する画像がユーザーに提供される。以上より、良好な視認性を有し、かつ、画面上に表示されている文字タグがどの事物・事象の説明をしているのかをユーザーが容易に把握することのできる経路案内装置が実現される。
【0040】
上記第
2の発明によれば、ユーザーによって装置の向きが変えられたり、あるいは、ユーザーが進行経路をたどることによって装置の位置が移動しても、常にエアタグとそれに対応する文字タグとがリンク線によって結ばれる。
【0041】
上記第
3の発明によれば、エアタグが視野角の範囲外に位置する場合であっても、文字タグの表示位置からエアタグの仮想表示位置へと伸びるようにリンク線が表示される。このため、ユーザーは、文字タグが視野角の範囲外の事物・事象についての情報を表している旨を把握することが可能となる。
【0042】
上記第
4の発明によれば、文字タグは完全に固定された状態で表示されるので、ユーザーの動きに伴って文字タグの表示位置がぶれることはない。これにより、きわめて良好な視認性を有する画像がユーザーに提供される。
【0043】
上記第
5の発明によれば、文字タグはほぼ同じ位置に固定された状態で表示されるので、ユーザーの動きに伴う文字タグの表示位置のぶれが抑制される。ここで、仮に文字タグが完全に固定された状態で表示された場合、ユーザーが文字タグを例えばボタン(メニューボタン)と誤認することが懸念される。この点、文字タグが微小距離だけ移動し得るように構成されていると、例えばユーザーの動きに伴って文字タグがわずかに動くので、ユーザーによる上述のような誤認が防止される。
【0044】
上記第
6の発明によれば、2つの文字タグが互いに重なり合うことが防止されるので、有用な情報が文字で確実にユーザーに提供される。
【0045】
上記第
7の発明によれば、映像表示領域においてエアタグと文字タグとが密に混在することや有用な情報が文字タグによって隠されることが抑制される。
【0046】
上記第
8の発明によれば、より効果的に、映像表示領域においてエアタグと文字タグとが密に混在することや有用な情報が文字タグによって隠されることが抑制される。
【0047】
上記第
9の発明によれば、エアタグと文字タグとは異なる領域に表示されるので、エアタグと文字タグとが混在することや有用な情報が文字タグによって隠されることが確実に防止される。
【0048】
上記第
10の発明によれば、画面上の文字タグと当該文字タグに対応するリンク線とは同じ色で表示される。このため、ユーザーは、文字タグとリンク線との対応関係を容易に把握することができる。これにより、より速やかにユーザーを目的地に誘導することが可能となる。
【0049】
上記第
11の発明によれば、映像表示領域中のエアタグと当該エアタグに対応する文字タグとは同じ色で表示される。このため、ユーザーは、エアタグと文字タグとの対応関係を容易に把握することができる。これにより、より速やかにユーザーを目的地に誘導することが可能となる。
【0050】
上記第
12の発明によれば、ユーザーに避難経路を案内するための経路案内装置において、表示画像に関して良好な視認性が得られるとともに、画面上に表示されている文字タグがどの事物・事象の説明をしているのかを容易に把握することが可能となる。
【0051】
上記第
13の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果を経路案内方法の発明において奏することができる。
【0052】
上記第
14から上記第
25の発明によれば、それぞれ上記第1から上記第
12の発明と同様の効果を経路案内プログラムの発明において奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の一実施形態に係る避難誘導システムを実現する機器構成を示すブロック図である。
【
図2】上記実施形態において、携帯端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】上記実施形態において、表示部内の領域についての詳細を示す図である。
【
図4】上記実施形態において、携帯端末装置の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【
図5】上記実施形態において、個人状況入力手段の一画面例を示す図である。
【
図6】上記実施形態において、移動可能距離入力手段の一画面例を示す図である。
【
図7】上記実施形態において、周辺状況入力手段の一画面例を示す図である。
【
図8】上記実施形態において、地図表示手段による地図の表示および映像表示手段による風景映像の表示について説明するための図である。
【
図9】上記実施形態において、ランドマーク表示手段によるランドマークの表示について説明するための図である。
【
図10】上記実施形態において、ワイヤーフレームについて説明するための図である。
【
図11】上記実施形態において、風景映像にワイヤーフレームが付加された映像の一例を示す図である。
【
図12】上記実施形態において、エアタグ表示手段によるエアタグの表示について説明するための図である。
【
図13】上記実施形態において、文字タグ表示手段による文字タグの表示について説明するための図である。
【
図14】上記実施形態において、文字タグ表示手段による文字タグの表示について説明するための図である。
【
図15】上記実施形態において、文字タグ表示手段による文字タグの表示について説明するための図である。
【
図16】上記実施形態において、リンク線表示手段によるリンク線の表示について説明するための図である。
【
図17】上記実施形態において、リンク線表示手段によるリンク線の表示について説明するための図である。
【
図18】上記実施形態において、携帯端末装置での処理フローを示すフローチャートである。
【
図19】上記実施形態において、風景映像にエアタグが付加された映像の一例を示す図である。
【
図20】上記実施形態において、複数の文字タグの表示について説明するための図である。
【
図21】上記実施形態において、複数の文字タグの表示について説明するための図である。
【
図22】上記実施形態において、文字タグの表示位置について説明するための図である。
【
図23】上記実施形態において、文字タグの表示位置について説明するための図である。
【
図24】上記実施形態において、文字タグの表示位置について説明するための図である。
【
図25】上記実施形態において、風景映像中における文字タグの位置について説明するための図である。
【
図26】上記実施形態において、リンク線と文字タグとの位置関係について説明するための図である。
【
図27】上記実施形態において、リンク線と文字タグとの位置関係について説明するための図である。
【
図28】上記実施形態において、リアルタイムでの表示部へのリンク線の描画について説明するための図である。
【
図29】上記実施形態において、エアタグの位置が映像表示領域外にあるときのリンク線の描画について説明するための図である。
【
図30】上記実施形態において、映像表示領域の上方の領域(空の映像が表示されている領域)に文字タグを配置することによる効果について説明するための図である。
【
図31】上記実施形態の第1の変形例における一表示例を示す図である。
【
図32】上記実施形態の第2の変形例における一表示例を示す図である。
【
図33】上記実施形態の第3の変形例において、リンク線の一端の切り替えについて説明するための図である。
【
図34】上記実施形態の変形例に関し、表示部の下方に地図表示領域を配置して表示部の上方に映像表示領域を配置した場合の一表示例を示す図である。
【
図36】文字タグをエアタグから離れた位置に配置した場合の一表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。なお、以下においては、「アプリケーションソフトウェア」のことを「アプリ」と略記している。
【0055】
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る避難誘導システムを実現する機器構成を示すブロック図である。この避難誘導システムは、携帯端末装置10とサーバ20とによって実現される。携帯端末装置10とサーバ20とは、インターネットなどの通信回線を介して接続されている。本実施形態においては、この避難誘導システムを実現するために、避難誘導アプリが携帯端末装置10にインストールされる。避難誘導アプリは、地震などの災害が発生した際にユーザーに現在位置から避難所までの避難経路を提示するためのソフトウェアである。ユーザーは、所定の操作により避難誘導アプリを起動することができる。このような避難誘導アプリを携帯端末装置10にインストールしておくことにより、ユーザーは、例えば土地勘のない場所で災害に遭遇しても、避難誘導アプリを使用することによって避難所に容易にたどり着くことが可能となる。
【0056】
図2は、携帯端末装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。携帯端末装置10は、CPU11,フラッシュROM12,RAM13,通信制御部14,映像撮影部(カメラ)15,GPS処理部16,入力操作部17,表示部18,および傾きセンサ19を有している。CPU11は、この携帯端末装置10の全体を制御するために各種演算処理等を行う。フラッシュROM12は、書き込み可能な不揮発性のメモリであって、携帯端末装置10の電源がオフされても保持されるべき各種プログラム・各種データを格納する。RAM13は、書き込み可能な揮発性のメモリであって、実行中のプログラムやデータ等を一時的に格納する。通信制御部14は、外部へのデータ送信の制御や外部からのデータ受信の制御を行う。映像撮影部(カメラ)15は、ユーザーによる操作に基づいて、現在位置から見える風景の撮影を行う。GPS処理部16は、GPS衛星から受信する電波に基づいて、ユーザーの現在位置を特定するための位置情報(緯度・経度の情報)を取得する。入力操作部17は、例えばタッチパネルであって、ユーザーによる入力操作を受け付ける。表示部18は、CPU11からの指令に基づいて、画像の表示を行う。傾きセンサ19は、この携帯端末装置10の傾きを示す角度情報を取得する。
【0057】
避難誘導アプリが実行されているときにユーザーによって映像撮影部15を用いた撮影が行われると、表示部18内の領域は、例えば
図3に示すように、地図を表示するための領域(以下、「地図表示領域」という。)18aと映像撮影部15による撮影で得られる映像(風景映像)を表示するための領域(以下、「映像表示領域」という。)18bとに分割される。本実施形態においては、
図3に示すように、表示部18の上方に地図表示領域18aが配置され、表示部18の下方に映像表示領域18bが配置される。
【0058】
携帯端末装置10内において、避難誘導アプリを実現する避難誘導プログラムは、フラッシュROM12に格納される。ユーザーによって避難誘導アプリの起動が指示されると、フラッシュROM12に格納されている避難誘導プログラムがRAM13に読み出され、そのRAM13に読み出された避難誘導プログラムをCPU11が実行することにより、避難誘導アプリの機能がユーザーに提供される。なお、避難誘導プログラムは、典型的にはインターネットなどの通信回線を介して所定のサーバ(不図示)から携帯端末装置10にダウンロードされ、当該携帯端末装置10内のフラッシュROM12にインストールされる。このように避難誘導プログラムが携帯端末装置10にインストールされることにより、本発明に係る経路案内装置が当該携帯端末装置10によって実現される。
【0059】
<2.機能構成>
図4は、携帯端末装置10の詳細な機能構成を示すブロック図である。携帯端末装置10は、GPS情報取得手段100,観光機能選択手段110,ユーザー情報送信手段120,データ受信手段121,データ記憶手段130,避難経路探索手段140,個人状況入力手段141,移動可能距離入力手段142,周辺状況入力手段143,地図表示手段150,観光情報表示手段160,映像表示手段170,エアタグ表示手段180,リンク線表示手段181,および文字タグ表示手段182を有している。地図表示手段150には、ランドマーク表示手段152が含まれている。
【0060】
なお、本実施形態においては、避難経路探索手段140によって経路探索手段が実現され、エアタグ表示手段180によって第1の拡張現実画像表示手段が実現され、文字タグ表示手段182によって第2の拡張現実画像表示手段が実現されている。
【0061】
GPS情報取得手段100は、GPS衛星から受信する電波に基づいてユーザーの現在位置を特定するための位置情報(緯度・経度の情報)を取得し、その位置情報を示すGPSデータGdaを出力する。なお、GPS情報取得手段100は、ハードウェアとしてのGPS処理部16(
図2参照)によって実現される。
【0062】
観光機能選択手段110は、ユーザーの所望する観光機能(観光施設の各種情報の提示,観光コースの案内,宿泊施設・飲食店・土産店の紹介など)をユーザーに選択させるための手段である。ユーザーが観光機能を選択すると、観光機能選択手段110は、ユーザーによって選択された観光機能を示す機能選択データFdaを出力する。このように、本実施形態における避難誘導アプリは、平常時には観光のための情報をユーザーに提供することが可能となっている。但し、本発明はこれに限定されず、観光情報をユーザーに提供するための機能は必ずしも携帯端末装置10に設けられていなくても良い。
【0063】
ユーザー情報送信手段120は、GPSデータGdaおよび機能選択データFdaをユーザーデータYdaとしてサーバ20に送信する。なお、GPSデータGdaは、例えば、ユーザーがこの避難誘導アプリを起動したタイミングおよびユーザーがこの避難誘導アプリを用いて何らかの操作を行ったタイミングで、携帯端末装置10からサーバ20へと送信される。また、ユーザーがこの避難誘導アプリを使用している期間中、所定期間毎にGPSデータGdaが携帯端末装置10からサーバ20に送信されるようにしても良い。
【0064】
データ受信手段121は、サーバ20から送信されるサーバデータSdaを受信する。このサーバデータSdaには、避難経路の探索に有用なデータである有意データMdaと、避難経路の案内に供される情報としてのエアタグを表示するためのエアタグデータAdaと、避難経路の案内に供される情報としての文字タグを表示するための文字タグデータCdaと、観光機能選択手段110によってユーザーに選択された観光機能に対応するデータである観光データKdaとが含まれている。また、有意データMdaには、地図データ,道路データ,避難所データなどの基礎データBdaの他に、例えば各道路の混雑度を示すデータが含まれている。サーバ20から送信されたサーバデータSdaのうちの有意データMdaは、データ記憶手段130に格納される。なお、データ記憶手段130はハードウェアとしてのフラッシュROM12またはRAM13(
図2参照)によって実現される。また、避難誘導プログラムが携帯端末装置10にインストールされる際に有意データMdaをデータ記憶手段130にダウンロードしておくことによって、災害発生時に通信状態にかかわらず避難経路の探索を実行することが可能となる。
【0065】
個人状況入力手段141は、災害が発生した際のユーザー(被災者)の被災状況や運動能力(避難経路上の障害を回避・克服できる能力)をユーザーに入力させるための手段である。この個人状況入力手段141は、表示部18に例えば
図5に示すような画面を表示することによって実現される。
図5に示すように、例えば「登れる」,「走れる」,「平坦のみ」,「車いす」,「足の怪我」,「歩けない」,「担架」,「子連れ」,「乳母車」などの状態を示すボタンが表示される。ユーザーは、該当する状態を示すボタンを押すだけで良い。個人状況入力手段141によって入力された内容を示す個人状況データIdaは、避難経路探索手段140によって使用される。
【0066】
なお、
図5に示した画面は一例であって、画面のレイアウトや画面に表示される項目はこれには限定されない。この点については、後述する移動可能距離入力手段142(
図6参照)および周辺状況入力手段143(
図7参照)についても同様である。
【0067】
移動可能距離入力手段142は、災害が発生した際のユーザー(被災者)の移動手段や移動可能距離をユーザーに入力させるための手段である。この移動可能距離入力手段142は、表示部18に例えば
図6に示すような画面を表示することによって実現される。
図6に示すように、例えば「徒歩」,「自転車」,「車」などの移動手段を示すボタンと、移動可能距離の入力が可能な入力ボックスとが表示される。ユーザーは、該当する移動手段を示すボタンを押し、移動可能距離を入力する。移動可能距離入力手段142によって入力された内容を示す移動能力データDdaは、避難経路探索手段140によって使用される。
【0068】
周辺状況入力手段143は、災害が発生した際のユーザー(被災者)の周辺の状況をユーザーに入力させるための手段である。この周辺状況入力手段143は、表示部18に例えば
図7に示すような画面を表示することによって実現される。周辺状況入力手段143は、
図7に示すように、例えば災害状況および混雑状況の入力が可能なように構成されている。災害状況を入力するための領域には、例えば、「火事」,「水害」,「倒壊」,「地割れ」などの災害の種別を表すボタンと、「激しい」,「強い」,「中程度」,「弱い」などの災害の強度を表すボタンと、災害の規模の入力が可能な入力ボックスとが表示される。混雑状況を入力するための領域には、例えば、「危険」,「強い」,「普通」,「少し」などの混雑の程度を表すボタンと、混雑の範囲の入力が可能な入力ボックスとが表示される。ユーザーは、災害の種別,災害の強度,および混雑の程度を選択し、災害の規模および混雑の範囲を入力する。周辺状況入力手段143によって入力された内容を示す周辺状況データPdaは、避難経路探索手段140によって使用される。
【0069】
避難経路探索手段140は、GPSデータGdaと、ユーザーによって入力されたデータ(個人状況データIda,移動能力データDda,および周辺状況データPda)と、サーバ20から送信されデータ記憶手段130に格納されている有意データMdaとに基づいて、ユーザーにとっての最適な避難所・避難経路を探索する。観光情報表示手段160は、観光データKdaを表示部18に表示する。
【0070】
地図表示手段150は、データ記憶手段130に格納されている基礎データBdaに基づいて表示部18内の地図表示領域18aに地図を表示する。その際、避難経路探索手段140によって既に避難所・避難経路の探索が行われている場合には、探索結果Reが地図に反映される。これにより、例えば
図8に示すように、地図および探索結果Reとしての避難経路が地図表示領域18aに表示される。この地図表示手段150には、表示モードとして、ヘディングアップモードとノースアップモードとが用意されている。ヘディングアップモードとは、ユーザーの進行方向が常に画面上において上方向となるように、ユーザーの進行方向に応じて地図を回転させながら表示するモードである。ノースアップモードとは、北方向が画面上において上方向となるように地図を表示するモードである。また、この地図表示手段150は、ピンチ操作(複数の指で画面をつまんだり押し広げたりする操作)等によって地図の拡大・縮小・スクロールが可能なように構成されている。
【0071】
ランドマーク表示手段152は、データ受信手段121によって受信されたエアタグデータAdaに基づいて、後述するエアタグ表示手段180によって映像表示領域18bに表示されるエアタグに対応するランドマーク(このランドマークは、後述する文字タグ表示手段182によって表示される文字タグにも対応する。)を地図表示領域18aに表示する。ランドマーク表示手段152は、例えば、避難所を示すランドマーク,火災や水害などの災害箇所を示すランドマークを表示する。これにより、地図表示領域18aには、例えば
図9に示すように、ランドマークが付加された地図が表示される。なお、各ランドマークは、地図上において、当該ランドマークに対応するエアタグで表されている事物・事象の位置に表示される。すなわち、ランドマーク表示手段152は、地図表示領域18aに表示されている地図上の位置のうちの映像表示領域18bに表示されているエアタグに対応付けられる位置に、当該エアタグに対応するランドマークを表示する。
【0072】
映像表示手段170は、上述した映像撮影部15による撮影で得られる風景映像を表示部18内の映像表示領域18bに表示する。これにより、例えば、
図8に示すように、映像表示領域18bに風景映像が表示される。ところで、この避難誘導アプリにおいては、映像表示領域18bに表示されるエアタグと地図表示領域18aに表示されている地図上の位置との対応関係の把握を容易にするために、
図10に示すような「ワイヤーフレーム」と呼ばれる画像が映像表示領域18bに表示される。
図10に示すように、ワイヤーフレームは、進行方向に向かって伸びる縦軸と、進行方向とは垂直方向に伸びる横軸とによって構成される。隣接する2本の縦軸間の距離Xおよび隣接する2本の横軸間の距離Yは、避難誘導アプリによって定められた一定の距離を表している。
【0073】
ところで、このワイヤーフレームは、携帯端末装置10が地表面に対して垂直になっている場合に映像表示領域18bの中心が消失点となるように、遠近法を用いて表示される。従って、携帯端末装置10が地表面に対して垂直になっていれば、全ての縦軸の一方の端点は、映像表示領域18bの中心に存在する。また、携帯端末装置10が地表面に対して垂直になっている場合の映像表示領域18bの上下方向についての真ん中のラインが風景映像中の水平線(地平線)であるとみなされる。従って、上記消失点は、風景映像中の水平線(地平線)上に存在する。また、ワイヤーフレームの横軸の間隔については、映像表示領域18bの中心に近づくにつれて狭くなっている。以上のようなワイヤーフレームが風景映像に付加されることにより、
図11に示すような映像が映像表示領域18bに表示される。なお、携帯端末装置10が上向きになっている場合(映像撮影部15による撮影方向が水平方向よりも上方向の場合)には、上記消失点は映像表示領域18bの中心よりも下方に位置し、携帯端末装置10が下向きになっている場合(映像撮影部15による撮影方向が水平方向よりも下方向の場合)には、上記消失点は映像表示領域18bの中心よりも上方に位置する。
【0074】
エアタグ表示手段180は、データ受信手段121によって受信されたエアタグデータAdaに基づいて、ユーザーが避難経路をたどって避難する際に当該ユーザーにとって有用となるような情報を表すエアタグ(拡張現実画像)を、ユーザーによって撮影されている風景映像に重ねて表示する。これにより、映像表示領域18bには、例えば、避難所を表すエアタグ,災害(火災,水害など)を表すエアタグ,混雑状況を表すエアタグ,進行経路を表す矢印状のエアタグなどが表示される。例えば
図12に示す映像表示領域18bには、進行経路を表すエアタグ31,避難所を表すエアタグ32,および水害を表すエアタグ33が表示されている。なお、進行経路を表すエアタグ31を映像表示領域18bに表示することによって、ユーザーは、たとえパニック状態になっていても、目指すべき方向を容易に把握することが可能となる。
【0075】
ところで、各エアタグは、当該エアタグに対応する位置と現在位置(ユーザーの位置)とに基づく透視変換の結果を用いて表示される。このため、同じ種類の情報を表すエアタグに着目すると、現在位置に近い位置の情報を表すエアタグほど大きく表示され、現在位置から遠い位置の情報を表すエアタグほど小さく表示される。例えば、現在位置から近い位置で発生している火災を表すエアタグは大きく表示され、現在位置から遠い位置で発生している火災を表すエアタグは小さく表示される。また、上述のようにワイヤーフレームが風景映像に付加されていることから、ユーザーは、映像表示領域18b内におけるエアタグとワイヤーフレームとの位置関係に基づいて、当該エアタグによって表されている事物(例えば避難所)・事象(例えば火災)の地理上の位置や方角をある程度推測することができる。
【0076】
また、エアタグ表示手段180によってエアタグが表示される際には、傾きセンサ19によって携帯端末装置10の傾きが検出され、その傾きに応じて、映像表示領域18bにおけるエアタグの表示位置が決定される。具体的には、携帯端末装置10が上向きになるほど(映像撮影部15による撮影方向が上方向になるほど)エアタグは映像表示領域18b中の下方に表示され、携帯端末装置10が下向きになるほど(映像撮影部15による撮影方向が下方向になるほど)エアタグは映像表示領域18b中の上方に表示される。
【0077】
文字タグ表示手段182は、データ受信手段121によって受信された文字タグデータCdaに基づいて、映像表示領域18bに表示されているエアタグに関する情報を文字で表した文字タグを映像表示領域18bに表示する。例えば、避難所の情報を文字で表した
図13(a)に示すような仮想的画像や火災の発生場所を文字で表した
図13(b)に示すような仮想的画像などが文字タグとして表示される。文字タグは、典型的には、風景映像中の空に相当する領域に表示される。以上より、例えば、
図14に示すような画像に文字タグが付加されることによって、表示部18には
図15に示すような画像が表示される。なお、必ずしも映像表示領域18bに表示されている全てのエアタグについて対応する文字タグが表示される必要はない。文字タグの表示に関する更に詳しい説明は後述する。
【0078】
リンク線表示手段181は、映像表示領域18bに表示される各エアタグの位置データPAと各エアタグに対応する文字タグの位置データPMとに基づいて、映像表示領域18b内のエアタグとそれに対応する文字タグとを結ぶ線(以下、「リンク線」という。)を表示部18に表示する。例えば、
図16(a)に示すように、映像表示領域18bにおいて避難所を表すエアタグA1が表示されるとともにそのエアタグA1に対応する文字タグM1が表示されるとき、リンク線表示手段181は、
図16(b)に示すように、エアタグA1と文字タグM1とを結ぶリンク線LKを表示部18に表示する。このようにして、例えば表示部18に
図15に示すような画像(地図および映像)が表示されるときには、
図17に示すようにリンク線が表示される。
図17に示す例では、リンク線として、建物等(この例では駅)を表すエアタグと当該エアタグに対応する文字タグとを結ぶリンク線LK1と、避難所を表すエアタグと当該エアタグに対応する文字タグとを結ぶリンク線LK2〜LK4とが表示されている。リンク線の表示に関する更に詳しい説明は後述する。また、
図17においてリンク線LK4は映像表示領域18b外に伸びるように表示されているが、これについての説明も後述する。
【0079】
なお、本実施形態においては、エアタグによって第1の拡張現実画像が実現され、文字タグによって第2の拡張現実画像が実現されている。
【0080】
<3.処理フロー>
次に、
図18に示すフローチャートを参照しつつ、携帯端末装置10での処理フローについて説明する。携帯端末装置10では、まず、避難誘導アプリが起動される(ステップS100)。避難誘導アプリの起動後、ユーザーは、経路探索機能を選択する(ステップS110)。そして、GPS情報取得手段100によるGPSデータGdaの取得および当該GPSデータGdaのサーバ20への送信が行われる(ステップS120)。その後、GPSデータGdaに基づくサーバデータSdaの受信が行われる(ステップS130)。すなわち、ステップS130では、携帯端末装置10は、有意データMdaやエアタグデータAdaや文字タグデータCdaなどをサーバ20から受信する。
【0081】
次に、ユーザーは、個人状況入力手段141によって、ユーザーの被災状況や運動能力などの個人状況の入力を行う(ステップS140)。また、ユーザーは、移動可能距離入力手段142によって、移動手段および移動可能距離の入力を行う(ステップS150)。さらに、ユーザーは、周辺状況入力手段143によって、ユーザーの周囲の災害状況や混雑状況などの周辺状況の入力を行う(ステップS160)。
【0082】
ユーザーによって個人状況,移動手段・移動可能距離,および周辺状況の入力が行われた後、避難経路探索手段140による避難経路探索処理(避難所・避難経路を探索する処理)が実行される(ステップS170)。避難経路探索処理の実行後、ユーザーによって映像撮影部(カメラ)15による風景映像の撮影が行われ、当該風景映像が表示部18の映像表示領域18bに表示される(ステップS180)。
【0083】
その後、地図表示手段150によって、地図,道路,避難所,および避難経路が表示部18の地図表示領域18aに表示される(ステップS190)。そして、映像表示領域18bに表示されている風景映像に、避難経路の案内に供される情報としてのエアタグが重ねて表示される(ステップS200)。また、各エアタグに対応するランドマークが地図表示領域18aの地図上に表示される(ステップS210)。さらに、各エアタグに対応する文字タグが映像表示領域18bに表示される(ステップS220)。さらにまた、エアタグと文字タグとを結ぶリンク線が表示部18に表示される(ステップS230)。
【0084】
以上のようにして、例えば、ステップS190の終了時点においては
図11に示すような画像が表示部18に表示され、ステップS200の終了時点においては
図19に示すような画像が表示部18に表示され、ステップS210の終了時点においては
図14に示すような画像が表示部18に表示され、ステップS220の終了時点においては
図15に示すような画像が表示部18に表示され、ステップS230の終了時点においては
図17に示すような画像が表示部18に表示される。但し、ステップS190からステップS230までの処理時間は極めて短い時間であるので、人の目には
図17に示すような画像が瞬時に知覚される。
【0085】
なお、本実施形態においては、ステップS170によって経路探索ステップが実現され、ステップS180によって映像表示ステップが実現され、ステップS190によって地図表示ステップが実現され、ステップS200によって第1の拡張現実画像表示ステップが実現され、ステップS220によって第2の拡張現実画像表示ステップが実現され、ステップS230によってリンク線表示ステップが実現されている。
【0086】
<4.文字タグ>
次に、文字タグ表示手段182によって映像表示領域18bに表示される文字タグについて詳しく説明する。
【0087】
<4.1 複数の文字タグの表示について>
映像表示領域18bに複数の文字タグが表示される際、それら複数の文字タグが互いに重なることのないように、映像表示領域18b内における各文字タグの配置位置が決定される。仮に2つの文字タグ(文字タグM2および文字タグM3)を画面上で横方向に並べて配置すると
図20(a)に示すようにそれら2つの文字タグが互いに重なり合う場合、
図20(b)に示すように、画面上における縦方向についての配置位置を文字タグM2と文字タグM3とで異ならせる。このようにして、映像表示領域18bに表示される任意の2つ文字タグに関し、それら2つの文字タグが互いに重なり合うことが防止されている。
【0088】
例えば、
図21(a)に示すように、2つの文字タグ(文字タグM4および文字タグM5)の文字の合計数が比較的少ない場合には、それら2つの文字タグは横方向に並べて配置される。これに対して、
図21(b)に示すように、2つの文字タグ(文字タグM6および文字タグM7)の文字の合計数が比較的多い場合には、画面上において一方の文字タグ(この例では文字タグM7)が他方の文字タグ(この例では文字タグM6)の下方に配置される。
【0089】
また、本実施形態においては、
図21(b)に示したように複数の文字タグを縦方向に並べて配置する場合、現在位置(ユーザーの位置)から遠い距離にある事物・事象を表す文字タグほど映像表示領域18bの上方に配置される。但し、本発明はこれに限定されず、現在位置から近い距離にある事物・事象を表す文字タグほど映像表示領域18bの上方に配置しても良いし、それ以外の所定の規則に従って複数の文字タグを映像表示領域18bに配置するようにしても良い。
【0090】
<4.2 文字タグの表示位置について>
本実施形態においては、文字タグが表示されると、当該文字タグはほぼ同じ位置に固定された状態で表示される。詳しくは、文字タグは、微小距離だけ移動し得るような限られた範囲内の位置に表示される。換言すれば、文字タグは、表示されている期間中、完全に同じ位置に固定されているわけではなく、わずかな距離だけ移動し得る。例えば、
図22に示すように文字タグM8が表示された場合、当該文字タグM8は符号50の点線で示す範囲内で移動し得る。以上のように、文字タグは、縦方向および横方向に微小距離だけ移動し得る状態で表示される。
【0091】
但し、現在位置から各文字タグに対応する事物・事象までの距離が変化したことに伴って文字タグの並び順が変わる際には、各文字タグは大きく移動し得る。例えば、
図23(a)に示すように4つの文字タグM11〜M14が表示されていると仮定する。ここで、文字タグM12および文字タグM13に着目する。
図23(a)に示す例では、文字タグM13に対応する避難所から現在位置までの距離よりも文字タグM12に対応する避難所から現在位置までの距離の方が長いので、文字タグM13よりも文字タグM12の方が上方に配置されている。ここで、ユーザーが避難経路をたどったことによって、文字タグM12に対応する避難所から現在位置までの距離よりも文字タグM13に対応する避難所から現在位置までの距離の方が長くなったとする。この場合、
図23(b)に示すように、文字タグM12よりも文字タグM13の方が上方に配置される。また、
図24(a)に示すように4つの文字タグM11〜M14が表示されていると仮定する。ここで、ユーザーが避難経路をたどったことによって、新たな文字タグM15が表示されるべき状態になったとする。このとき、文字タグM15に対応する事物(ここでは駅)から現在位置までの距離が最も長ければ、
図24(b)に示すように、文字タグM15が最も上方に配置され、文字タグM11〜M14はそれぞれ元の位置よりも下方に配置される。
【0092】
以上のように、本実施形態においては、1以上の文字タグが同じ並び順で表示されている期間中、各文字タグはほぼ同じ位置(微小距離だけ移動し得る範囲内の位置)に固定された状態で表示される。但し、本発明はこれに限定されない。1以上の文字タグが同じ並び順で表示されている期間中、各文字タグの表示位置が完全に固定されても良いし、各文字タグが縦方向または横方向の一方のみに微小距離だけ移動し得るようにしても良い。これに関し、仮に文字タグが完全に固定された状態で表示されると、ユーザーが文字タグを例えばボタン(メニューボタン)と誤認することが懸念される。この点、文字タグが微小距離だけ移動し得るように構成されていると、例えばユーザーの動きに伴って文字タグがわずかに動くので、ユーザーによる上述のような誤認が防止される。
【0093】
<4.3 風景映像中における文字タグの位置>
ユーザーによって映像撮影部15を用いた風景映像の撮影が行われると、
図25に示すように、映像表示領域18bの上方の領域(符号40で示す領域)には風景映像のうちの空の映像が表示されることが多い。このような空の映像が表示されている領域に各種情報が表示されたとしても、それらの各種情報は、ユーザーが画面を見ながら避難を行うに際して何ら妨げにはならないと考えられる。そこで、本実施形態においては、映像表示領域18bの上方の領域(空の映像が表示されている領域)に文字タグが配置される。その際、上述したように、複数の文字タグが表示される場合には、それら複数の文字タグが互いに重なることのないように各文字タグの配置位置が決定される。
【0094】
<5.リンク線>
次に、リンク線表示手段181によって表示部18に表示されるリンク線について詳しく説明する。
【0095】
<5.1 リンク線と文字タグとの位置関係>
本実施形態においては、リンク線によってエアタグと文字タグとが結ばれるところ、リンク線の文字タグ側の端部は、文字タグの長手方向のほぼ中央部に配置される。従って、リンク線は、例えば
図26に示すように表示される。このようにして全てのリンク線について一端部を文字タグの長手方向のほぼ中央部に配置することによって、例えば
図27に示すように複数の文字タグM16〜M18が表示されている場合に、ユーザーは、文字タグM16はリンク線LK16に対応し、文字タグM17はリンク線LK17に対応し、文字タグM18はリンク線LK18に対応しているということを容易に把握することができる。なお、必ずしもリンク線の文字タグ側の端部を文字タグの長手方向のほぼ中央部に配置する必要はない。例えば、リンク線の文字タグ側の端部を文字タグの長手方向の一端に配置しても良い。
【0096】
<5.2 リンク線の色>
本実施形態においては、各リンク線の色は、対応するエアタグの色および対応する文字タグの色と同じにされる。これにより、エアタグ,文字タグ,およびリンク線の対応関係を把握することがユーザーにとって容易となる。但し、本発明はこれに限定されず、リンク線の色を必ずしも対応するエアタグの色および対応する文字タグの色と同じにする必要はない。
【0097】
<5.3 リンク線の描画>
ユーザーによって携帯端末装置10の向きが変えられたり、あるいは、ユーザーが避難経路をたどることによって携帯端末装置10の位置が移動すると、映像表示領域18bに表示されているエアタグの位置が変化する。このようなエアタグの位置の変化にリンク線は追従する。すなわち、リンク線表示手段181は、映像表示領域18bに表示されているエアタグの位置の変化に応じて、リアルタイムでリンク線を描画する。
【0098】
例えば、或る時点において、エアタグA20,文字タグM20,およびリンク線LK20が
図28(a)に示すように表示されていたと仮定する。ここで、例えばユーザーが進行方向を変えたことによって、映像表示領域18bにおいてエアタグA20の位置が
図28(b)で符号51で示す矢印のように移動したとする。このとき、エアタグA20の位置の変化に従って、リンク線LK20は
図28(a)に示す状態から
図28(c)に示す状態に変化する。
【0099】
ところで、本実施形態に係る避難誘導システムでは、例えば現在位置から所定範囲内にある事物・事象を表すエアタグが映像表示領域18bに表示されるように、表示の設定が行われる。しかしながら、ユーザーの視野角の範囲外にある事物・事象については、たとえ現在位置から所定範囲内にあっても、当該事物・事象を表すエアタグは映像表示領域18bには表示されない。このような場合、本実施形態においては、エアタグに対応する文字タグについては映像表示領域18bに表示される。そして、映像表示領域18bに表示されている文字タグから映像表示領域18b外におけるエアタグの仮想的な表示位置へと伸びるようにリンク線が表示される。すなわち、文字タグに対応するエアタグの位置が映像表示領域18b外に存在するときの当該エアタグの位置を仮想表示位置と定義すると、リンク線表示手段181は、文字タグの表示位置から仮想表示位置へと伸びるようにリンク線を表示する。
【0100】
例えば、或る時点において、エアタグA21,文字タグM21,およびリンク線LK21が
図29(a)に示すように表示されていたと仮定する。ここで、例えばユーザーが避難経路をたどったことによって、エアタグA21の位置が
図29(b)で符号52で示す矢印のように移動したとする(移動後のエアタグA21の位置は、映像表示領域18b外の位置である)。このとき、エアタグA21の位置の変化に従って、リンク線LK21は
図29(a)に示す状態から
図29(c)に示す状態に変化する。
【0101】
<6.効果>
本実施形態によれば、携帯端末装置10には、避難経路の探索を行う避難経路探索手段140と、避難経路を示す地図を地図表示領域18aに表示する地図表示手段150と、ユーザーが撮影している風景映像を表示する映像表示手段170と、避難経路の案内に供される情報としてのエアタグを風景映像に重ねて表示するエアタグ表示手段180と、避難経路の案内に供される情報としての文字タグを表示する文字タグ表示手段182と、エアタグと文字タグとを結ぶリンク線を表示するリンク線表示手段181とが設けられている。上記構成により、映像表示領域18bには、避難に有用な情報としてのエアタグおよび当該エアタグに対応する文字タグが風景映像とともに表示され、地図表示領域18aには、避難経路を示す地図が表示される。そして、エアタグと文字タグとがリンク線によって結ばれる。このため、各エアタグとそれに対応する文字タグとの対応関係の把握が容易になる。従って、ユーザーは、各文字タグがどのエアタグに関する説明をしているのかを容易に把握することが可能となる。また、各文字タグはほぼ同じ位置に固定された状態で表示される。このため、ユーザーの動きに伴う文字タグの表示位置のぶれが抑制される。これにより、ユーザーが移動しながらこの避難誘導アプリを使用していても、良好な視認性を有する画像がユーザーに提供される。以上より、本実施形態によれば、良好な視認性を有し、かつ、画面上に表示されている文字タグがどの事物・事象の説明をしているのかをユーザーが容易に把握することのできる避難誘導システムが実現される。
【0102】
また、本実施形態によれば、文字タグ表示手段182が設けられていることにより、各エアタグの情報すなわち避難経路をたどる際に有用となる情報(例えば、火災が発生している詳細な場所の情報)を文字でユーザーに提供することが可能となる。これにより、災害発生時に、より詳細な情報がユーザーに提供され、ユーザーは安全かつ確実に避難することが可能となる。
【0103】
さらに、本実施形態によれば、互いに対応するエアタグ,文字タグ,およびリンク線は、全て同じ色になっている。このため、ユーザーは、エアタグ,文字タグ,およびリンク線の対応関係を容易に把握することができる。これにより、より速やかにユーザーを避難させることが可能となる。
【0104】
さらにまた、本実施形態によれば、映像表示領域18bの上方の領域(空の映像が表示されている領域)に文字タグが配置される。仮に文字タグを当該文字タグに対応するエアタグの近傍に配置した場合、
図30(a)に示すように、風景映像中の建物や道路が表示されている領域にエアタグや文字タグが密に混在することとなる。このようにエアタグや文字タグが密に混在する映像は、ユーザーにとっては視認性の悪い映像である。また、避難に際して有用な情報が文字タグによって隠されてしまうことも懸念される。以上より、
図30(a)に示すように文字タグが表示される場合、特に災害発生によってユーザーがパニック状態になっていると、ユーザーにとっては進行方向を迅速に正しく把握することが困難である。この点、本実施形態によれば、
図30(b)に示すように、文字タグは映像表示領域18bの上方の領域(空の映像が表示されている領域)40に表示される。このため、映像表示領域18bにおいてエアタグと文字タグとが密に混在することはなく、また、有用な情報が文字タグによって隠されることもない。しかも、文字タグによって、エアタグで示されている事物(例えば避難所)・事象(例えば火災)に関する詳細な情報をユーザーに提供することができる。さらに、上述したようにエアタグと文字タグとがリンク線によって結ばれるので、たとえ文字タグがエアタグから離れた位置に表示されていても、ユーザーは文字タグとエアタグとの対応関係を容易に把握することが可能となる。
【0105】
<7.変形例など>
<7.1 第1の変形例>
上記実施形態においては、文字タグは映像表示領域18bに表示されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本変形例においては、
図31に示すように、地図表示領域18aや映像表示領域18bとは別に文字タグ専用の文字表示領域18cが設けられる。そして、その文字表示領域18cに全ての文字タグが表示される。
【0106】
本変形例においては、エアタグは映像表示領域18bに表示され、文字タグは文字表示領域18cに表示される。すなわち、エアタグと文字タグとは異なる領域に表示される。従って、エアタグと文字タグとが混在することはない。また、文字タグは文字タグ専用の領域に表示されるので、有用な情報が文字タグによって隠されることもない。さらに、上記実施形態と同様、エアタグと文字タグとはリンク線によって結ばれるので、ユーザーは文字タグとエアタグとの対応関係を容易に把握することができる。
【0107】
<7.2 第2の変形例>
上記実施形態においては、文字タグとエアタグとがリンク線によって結ばれていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、文字タグと地図表示領域18a内のランドマークとがリンク線によって結ばれるようにしても良い(本変形例の構成)。
【0108】
本変形例においては、リンク線表示手段181は、映像表示領域18bに表示される各文字タグの位置データと各文字タグに対応するランドマークの位置データとに基づいて、映像表示領域18b内の文字タグとそれに対応するランドマークとを結ぶリンク線を表示部18に表示する。これにより、例えば
図32に示すように、映像表示領域18b内の文字タグと地図表示領域18a内のランドマークとがリンク線によって結ばれた画像が表示部18に表示される。
【0109】
<7.3 第3の変形例>
上記実施形態においては、文字タグとエアタグとがリンク線によって結ばれていた。また、上記第2の変形例においては、文字タグとランドマークとがリンク線によって結ばれていた。これに関し、各携帯端末装置10において、リンク線の一端をエアタグとランドマークとの間で切り替えることができるようにしても良い(本変形例の構成)。このような構成によれば、携帯端末装置10においてリンク線の一端をエアタグにする旨の設定が行われると、
図33(a)に示すように、文字タグとエアタグとを結ぶリンク線が表示される。また、携帯端末装置10においてリンク線の一端をランドマークにする旨の設定が行われると、
図33(b)に示すように、文字タグとランドマークとを結ぶリンク線が表示される。このようにして、ユーザーは、リンク線の接続先を必要に応じて切り替えることが可能となる。
【0110】
<7.4 その他>
上記実施形態においては、表示部18の上方に地図表示領域18aが配置され、表示部18の下方に映像表示領域18bが配置されていた(
図3などを参照)。しかしながら、本発明はこれに限定されず、
図34に示すように、表示部18の下方に地図表示領域18aが配置され、表示部18の上方に映像表示領域18bが配置されていても良い。
【0111】
また、上記実施形態においては、本発明に係る経路案内装置が携帯端末装置10によって実現される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着型表示装置)のように携帯端末装置10以外の端末装置によって本発明に係る経路案内装置を実現することもできる。
【0112】
さらに、上記実施形態においては、避難誘導システムを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。ユーザーに現在位置から目的地までの進行経路を案内するための一般的なナビゲーションシステムにも、本発明を適用することができる。