特許第6228529号(P6228529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228529
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   A63F5/04 512Z
   A63F5/04 512D
【請求項の数】2
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-232086(P2014-232086)
(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公開番号】特開2016-93377(P2016-93377A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2015年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博一
【審査官】 安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−087391(JP,A)
【文献】 特開2010−199428(JP,A)
【文献】 特開2004−309614(JP,A)
【文献】 実開昭52−099772(JP,U)
【文献】 特開2013−153596(JP,A)
【文献】 特開2008−307069(JP,A)
【文献】 特開2009−034391(JP,A)
【文献】 特開2008−173190(JP,A)
【文献】 特開平04−162557(JP,A)
【文献】 特開平05−121596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数列に図柄を表示し、前記図柄の変動表示と停止表示とを繰り返す遊技を実行する遊技機であって、
コネクタを介して接続される第一及び第二の発光素子基板を備えており、
前記第一の発光素子基板が、
複数の発光素子に接続され、該発光素子を制御する第一の集積回路と、
発光素子の制御のための制御信号を前記第一の集積回路に入力する第一配線と、
発光素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を前記第一の集積回路に入力する第二配線と、
前記第一の集積回路から出力される発光素子の制御のための制御信号を伝送する第三配線と、
前記第一の集積回路から出力される発光素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を伝送する第四配線と、
前記第一配線、前記第二配線、前記第三配線、及び前記第四配線に設けられたノイズ低減素子と、
前記第三配線及び前記第四配線に接続されており、前記ノイズ低減素子よりも出力側に設けられた第二の集積回路と、
を有しており、
前記コネクタの端子は、前記第二の集積回路から出力される信号を伝送する配線と接続されている、
遊技機。
【請求項2】
複数列に図柄を表示し、前記図柄の変動表示と停止表示とを繰り返す遊技を実行する遊技機であって、
コネクタを介して接続される第一及び第二の発光素子基板を備えており、
前記第一の発光素子基板が、
複数の発光素子に接続され、該発光素子を制御する第一の集積回路と、
発光素子の制御のための制御信号を前記第一の集積回路に入力する第一配線と、
発光素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を前記第一の集積回路に入力する第二配線と、
前記第一の集積回路から出力される発光素子の制御のための制御信号を伝送する第三配線と、
前記第一の集積回路から出力される発光素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を伝送する第四配線と、
前記第一配線、前記第二配線、前記第三配線、及び前記第四配線に設けられたノイズ低減素子と、
を有しており、
前記コネクタは、前記第三配線及び前記第四配線に設けられた前記ノイズ低減素子よりも出力側に設けられており、
前記第二の発光素子基板は、複数の発光素子に接続され、該発光素子を制御する第二の集積回路を有しており、
前記第一の集積回路と前記第二の集積回路とは、前記コネクタを介して前記第三配線及び前記第四配線を含む配線群により接続されている、
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるパチンコ機またはスロットマシンに代表される遊技機は、その内部に多数の電子回路を搭載しており、コンピュータ制御によって遊技が実行されている。これらの遊技機が正常に動作するためには、各電子回路において発生するノイズ対策が重要である。
この種の遊技機に施されているノイズ対策の一例として、下記の特許文献1を例示する。
【0003】
特許文献1の遊技機は、メイン基板から表示制御基板への制御コマンドを伝達するパターン上にノイズフィルタ回路を設けており、各制御コマンドへのノイズ干渉を低減させて、より確実な制御を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−140350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、特許文献1の遊技機に設けられたノイズフィルタ回路は、表示制御データを伝達する各パターンの全てに設けられており、当該パターンの数が増えるほどノイズフィルタ回路が配設される基板上の領域が拡大する。従って、当該遊技機のノイズ対策は省スペース設計の観点から未だ改善の余地を有していた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、効率的なノイズ対策が施され、小規模かつ高機能な遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、複数列に図柄を表示し、前記図柄の変動表示と停止表示とを繰り返す遊技を実行する遊技機であって、コネクタを介して接続される第一及び第二の発光素子基板を備えており、前記第一の発光素子基板が、複数の発光素子に接続され、該発光素子を制御する第一の集積回路と、発光素子の制御のための制御信号を前記第一の集積回路に入力する第一配線と、発光素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を前記第一の集積回路に入力する第二配線と、前記第一の集積回路から出力される発光素子の制御のための制御信号を伝送する第三配線と、前記第一の集積回路から出力される発光素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を伝送する第四配線と、前記第一配線、前記第二配線、前記第三配線、及び前記第四配線に設けられたノイズ低減素子と、前記第三配線及び前記第四配線に接続されており、前記ノイズ低減素子よりも出力側に設けられた第二の集積回路と、を有しており、前記コネクタの端子は、前記第二の集積回路から出力される信号を伝送する配線と接続されている、遊技機が提供される。

【0009】
上記発明に用いられる集積回路のように複数かつ同種の電子素子を制御する場合、電子素子の数が増大するほどクロック信号および制御信号を入力するパターン上に集中的に大きなノイズが重畳しうる。従って、当該パターン上にノイズ低減素子を設けることによって効率的にノイズ低減を図ることができる。すなわち、ノイズ低減素子の部品点数が削減され、小規模ながらも多数の電子素子を制御することができる高機能な遊技機を実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、効率的なノイズ対策が施され、小規模かつ高機能な遊技機が提供される。

【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】遊技機の正面図である。
図2】リールユニットの斜視図である。
図3】各リールの外周に描かれている図柄の配列を示す図である。
図4】遊技機の機能ブロック図である。
図5】主制御基板の機能ブロック図である。
図6】LED基板の概略回路である。
図7図7(a)は、ノイズが重畳した信号の説明図であり、図7(b)は、ノイズが除去された信号の説明図である。
図8】遊技機における遊技状態の遷移状態を示す説明図である。
図9】遊技機における遊技のメインフローを示すフローチャートである。
図10】通常回動制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0013】
遊技機10は、遊技を繰り返し実行させる遊技制御手段(主制御基板100)と、遊技制御手段によって実行される遊技に関連する演出を実行させる演出制御手段(演出制御基板200、液晶制御基板220、電飾表示部250、スピーカ部240)を備えている。
また、遊技機10は、複数列に図柄を表示し、遊技の開始に応じて、表示された図柄の変動表示を始動し、その遊技の終了までに図柄の変動表示を停止し、表示された図柄の組合せから構成される停止パターンを停止表示する図柄表示手段(リールユニット40)を備えている。
【0014】
演出制御手段(演出制御基板200、液晶制御基板220、電飾表示部250、スピーカ部240)は、複数かつ同種の電子素子80(例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode))に接続され、これら複数の電子素子80を制御する集積回路(LED駆動IC201)を備えている。
また、演出制御手段(演出制御基板200、液晶制御基板220、電飾表示部250、スピーカ部240)は、電子素子80の制御に用いられる制御データを含んでいる制御信号を集積回路に入力する第一配線(データ線)と、電子素子80の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を集積回路に入力する第二配線(クロック線)を有し、この第一配線および第二配線にノイズ低減素子が設けられている。
【0015】
ここで、本実施形態において「遊技に関連する演出」とは、図9に示すメインフローに含まれる処理(遊技のために実行される一連の処理)と連動して、またはこれらの処理を契機として実行され、遊技者が感得可能に出力される演出をいう。「遊技に関連する演出」に用いられる出力手段(以下「演出出力手段」という)としては、例えば、演出表示装置16、スピーカ61、62、装飾ランプ51〜56等が挙げられる。
【0016】
また、複数かつ同種の電子素子80は発光する発光素子(発光ダイオード(以下「LED」という))であり、かつこれらは遊技に関連する演出に用いられる。
【0017】
このように、遊技機10では、演出制御を行う基板上の配線(例えば、導電体のプリントパターン)にノイズ低減素子を設けることによって、演出制御用の基板上の回路で発生するノイズを効率的に低減することができ、このため、遊技機から遊技者に対して放出されるノイズを抑制することが可能となる。
【0018】
[遊技機の外観]
次に、遊技機10の外観について、図1図4を用いて説明する。遊技機10は、遊技機の一種である回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)である。
図1は、遊技機10の正面図である。図2は、リールユニット40の斜視図である。図3は、各リール42(42L、42C、42R)の外周に描かれている図柄の配列を示す図である。図4は、遊技機10の機能ブロック図である。図5は、主制御基板100の機能ブロック図である。
【0019】
遊技機10は、前面を開口した直方体状の本体(図示せず)と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12と、を備えている。
前面扉12には、中央パネル15と、メダル投入口27と、MAXBETボタン28と、BETボタン29と、精算スイッチ31と、スタートレバー32と、ストップボタン33(33L、33C、33R)と、メダル排出口36と、下皿37と、装飾ランプ51〜56と、スピーカ61、62と、が配設されている。
【0020】
中央パネル15には、上部に演出表示装置16が配置されており、下部に視認窓18が形成されている。
【0021】
また、遊技機10本体においてストップボタン33の下方となる位置には、図1に破線で示すように、遊技機10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー38が配置されている。
このホッパー38の下方側にはメダル排出口36が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め決められた賞態様(役)になった場合には、ホッパー38に貯留されたメダルがメダル排出口36へと払い出されるようになっている。前面扉12の裏面側においてメダル投入口27の下方位置には、該メダル投入口27とホッパー38とを繋ぐようにメダルセレクター39が配設されている。
【0022】
スタートレバー32は、回動開始条件が成立しているとき、遊技者の始動操作を受け付けることができる。ここで始動操作とは、具体的には初期状態において前面扉12に対して略垂直に設けられているスタートレバー32をいずれかの方向に倒すことである。
また、ここで回動開始条件とはスタートレバー32が始動操作を受け付けるための前提条件であり、回動開始条件が成立する要件は種々想定される。例えば、当該要件の一つは、メダル投入口27から所定のベット数だけメダルが投入されることである。ここで所定のベット数とは、遊技機10が行う1回の遊技において、投入可能なメダル数の上限値をいう。本実施形態の遊技機10においては、所定のベット数が3枚に設定されている。
【0023】
また、当該要件の一つは、遊技機10に貯留されているメダル枚数(いわゆるクレジット)をBETボタン29およびMAXBETボタン28の押下によって減算させ、減算させた値を所定のベット数に到達させることである。本実施形態において、BETボタン29は1回の押下でクレジットを最大で1つ減算させることができ、MAXBETボタン28は1回の押下でクレジットを最大で3つ減算させることができる。なお、BETボタン29およびMAXBETボタン28を押下しても、当該遊技におけるクレジットの減算値が所定のベット数に達している場合には、それを超えてクレジットを減算させることができない。
【0024】
また、当該要件の一つは、メダル投入口27から投入したメダル数と、BETボタン29またはMAXBETボタン28の押下で減算したクレジット数と、の合算値が所定のベット数に到達することである。
また、当該要件の一つは、前回の遊技において再遊技が作動した場合においては、当該再遊技の作動に起因して遊技機10が再遊技処理を行うことである。この場合、遊技者がメダル投入やクレジット減算を行わずとも、自動的に回動開始条件が成立する。ここで述べた再遊技については、後に詳述する。
【0025】
以上列挙した要件のいずれかを満足する場合、回動開始条件が成立する。ただし、遊技機10が遊技不能である場合は除く。
ここで遊技不能である場合としては、(i)前面扉12が開扉している場合、(ii)遊技機10に内蔵されているメダル払出装置70(図5参照)の中にメダルが無い場合、(iii)貯留されているクレジットに相当するメダルを、精算スイッチ31の押下に起因してメダル排出口36からメダルを排出する処理が行われている場合、等が挙げられる。
【0026】
ここでメダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルの一部または全部に代えて、その数に相当する数値(クレジット)を遊技機10の内部で記憶する機能をいう。メダルが貯留される(クレジットが増大する)場合は、例えば(i)所定のベット数を超えてメダル投入口27からメダルが投入された場合、(ii)遊技において入賞し、当該入賞の特典としてメダルが付与された場合、等が挙げられる。
【0027】
なお、本実施形態においてクレジットの上限は「50」に設定されており、クレジットが上限値を超えるメダル投入またはメダル付与がなされる場合、上限値を超えた分に相当するメダルがメダル排出口36から下皿37に払い出される。より詳細には、クレジットが上限値に到達するとメダルブロッカ(図示せず)が作動し、当該メダルブロッカが作動しているときにメダル投入口27からメダルが投入された場合、投入されたメダルがそのままメダル排出口36から排出される。また、クレジットの上限値を超えてメダルが付与された場合、付与されたメダル数に相当するメダルがメダル払出装置70から取り出され、メダル排出口36から排出される。
【0028】
リールユニット40は、スタートレバー32が受け付けた始動操作に起因して回動を開始する。このとき、前回の遊技における回動開始から当該遊技における回動開始までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間を超えていることを要する。すなわち、スタートレバー32にてウェイト時間が経過する前に始動操作が受け付けられた場合、ウェイト時間が経過するまで待機した後にリールユニット40は回動を開始する。なお、本実施形態におけるウェイト時間は4.1秒に設定されている。
【0029】
リールユニット40が回動している最中、各リール42は原則として上から下へと回動する。以下の説明において、各リール42における上から下への回動を「順方向」、下から上への回動を「逆方向」と称する。
【0030】
リールユニット40が回動を開始した後に回動停止条件が成立し、ストップボタン33は遊技者から停止操作を受け付け可能となる。ここで停止操作とは、具体的にはストップボタン33を押下することである。
また、ここで回動停止条件とはリールユニット40の停止操作を受け付けるための前提条件であり、回動停止条件が成立する要件は種々想定される。
例えば、(i)回動停止条件のすべてのリール42の速度が所定の回動速度に到達する、(ii)回動開始から当該回動速度の到達に十分な時間が経過する、(iii)回動開始位置を基準として当該回動速度の到達に十分な回動角度に到達する、等が挙げられる。
【0031】
ストップボタン33は、各リール42に対して一つずつ設けられている。具体的には、ストップボタン33Lは、リール42Lを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン33Cは、リール42Cを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン33Rは、リール42Rを停止させるための停止操作を受け付ける。
【0032】
ここで挙げたストップボタン33は遊技者の任意の順番で押すことも可能であるが、多くの遊技においてストップボタン33Lを最初に押下しないと特典が受けられない等のペナルティが付与される。従って、ART(有利遊技状態:アシスト・リプレイ・タイム)等の特定の遊技状態を除いて、遊技者はストップボタン33Lを最初に押下して遊技を進行させる。
【0033】
前段で挙げたすべてのストップボタン33について回動停止条件が一旦は同時に成立するが、一のストップボタン33を押下すると所定の時間だけ回動停止条件が解除され、他のストップボタン33の停止操作を受け付けなくなる。そして、当該時間が経過した後に他のストップボタン33に対して再び回動停止条件が成立し、他のストップボタン33の停止操作を受け付けることが可能となる。このとき、停止操作受付済みの一のストップボタン33については回動停止条件が成立しない。
回動停止条件は以上のように成立するので、遊技者はストップボタン33の停止操作を当該時間未満の間隔で行えない。
なお、本実施形態におけるストップボタン33は、LEDランプ(図示せず)を内包し、その周囲を透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタン33は、LEDランプの点灯色で回動停止条件の成立の可否を遊技者に報知する仕様となっている。
【0034】
ストップボタン33で受け付けた停止操作に起因して、当該停止操作を受け付けたストップボタン33に対応するリール42が停止する。リール42の停止位置は、ストップボタン33の押下時におけるリール42の位置を基準として最大4コマまで移動しうる。ストップボタン33を押下してからリール42が停止するまでのリール42の回動制御を、一般的にはすべり制御という。
ここでコマとは、リール42の外周(図2:帯58)に示されている図柄の一つに対して与えられている領域をいい、1コマとは、一つの当該領域、または、一つの当該領域の上下方向の寸法をいう。本実施形態において、リール42の外周は、図3に示すように、それぞれ21コマに等分されており、各コマにそれぞれ一つずつ図柄が配列されている(図3参照)。
なお、本実施形態においてリール42の停止とは、所定のコマを基準に1コマ未満の変動幅でリール42が揺動している状態も含むものとする。
【0035】
中央パネル15には、上部に演出表示装置16が配置されており、下部に視認窓18が形成されている。
【0036】
演出表示装置16は、前面扉12の前面上部に配置されており、遊技機10の遊技に関する各種演出または各種情報を表示する。演出表示装置16には、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置や、ドットマトリクス型の表示装置などが用いられる。
【0037】
演出表示装置16は、指令生成部170(図5参照)から送られた信号情報(制御信号)に基づく出力表示を行うことによって、例えば、遊技者にとって有利な特定の遊技状態、すなわち、大当たりや大当たりに当選しやすい状態を遊技者に報知することができる。
【0038】
主制御基板100は、演出制御基板200に対して、スピーカ61、62による音声演出、LED(三色LEDランプ)や冷陰極線管放電管によるランプ演出、及び、演出表示装置16による図柄演出を実現するための制御コマンドを出力している。
ここで、音声演出に利用されるスピーカ61、62や、ランプ演出で利用される三色LEDランプ(以下「LED」という)や冷陰極線管放電管や、演出表示装置16などは上記電子素子80に該当する。
なお、複数かつ同種の電子素子80としては、装飾ランプであれば、点灯原理の異なるランプや点灯されるランプの作動電圧、明るさ、発色などが異なるランプについては同種とみなす。また、スピーカについても出力原理や作動電圧、出力音声の特性などが異なる複数のスピーカについて同種とみなす。また、演出表示装置16における表示画面として異なる表示領域、作動電圧、明るさ、また、液晶以外の動作原理により図柄表示を行う表示画面を備えた演出表示装置も同種とみなす。
【0039】
演出表示装置16に表示される演出図柄や背景等の画像データは、液晶制御基板220に設けられた画像ROM(図示なし)に格納されている。また、液晶制御基板220は、演出制御基板200からサブ中継基板210を介して送られた制御信号のコマンドに基づいて所定のプログラムを実行する画像CPU(図示なし)を備えている。
この画像CPUは、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など演出表示装置16に対する各種画像出力処理を実行することにより、演出表示装置16における図柄演出が実現される。
【0040】
上記の各種画像出力処理では、画像CPUが上記プログラムに基づき画像ROMから画像データをVRAMに読み出し、演出表示装置16における表示制御を行う。
これにより、演出表示装置16の表示画面上には、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像などが重畳表示される。
また、演出表示装置16にて実行される図柄演出は、スピーカ部240によるスピーカ61、62からの音声出力制御や電飾表示部250による装飾ランプ51〜56の点灯制御と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。
【0041】
視認窓18は、本体内部(前面扉12の裏面側)に備えられたリールユニット40の前面側に形成された窓枠で、内部領域と外部領域とに区画されている。
視認窓18の内部領域は透明部材で形成することによって、当該内部領域を介してリールユニット40の一部が視認可能にすると共に、リールユニット40を保護している。
また、視認窓18の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、外部領域を介したリールユニット40の視認を困難としている。
【0042】
リールユニット40は、縦方向(上下方向)に回動可能な三つのリール42L、リール42C、リール42Rが横方向(左右方向)に配列され、フレーム44に収容されている。以下、リール42L、リール42C、リール42Rからなる総称をリール42という。
リール42は、ドラム46の外周に帯58が貼られたものである。ドラム46は、その内側に内包されたステッピングモータ(図示せず)によって駆動されて回動する構成となっている。なお、当該ステッピングモータは、図5に図示するリール駆動部511、リール駆動部512、およびリール駆動部513の主要構成部品であり、図4、5に図示する主制御基板100からの制御信号に応じて動作する。
【0043】
帯58には、図3に示すように、21個の図柄が描かれており、これらの図柄の一部が視認窓18の内部領域を介して遊技者に対して視認される。リール42上の図柄配列については、後に詳述する。
より詳細には、視認窓18の内部領域は縦方向に三コマ分の寸法となっている。また、各リール42は視認窓18の内部領域の縦方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄を視認窓18の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール42が横方向に3つ配置されているので、各リール42が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0044】
前段のように各リール42が停止制御されるとき、各リール42において停止する図柄のうち上段・中段・下段に停止する図柄が形成する略直線(図1において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。
また、リール42Lの上段と、リール42Cの中段と、リール42Rの下段に停止する図柄が形成する略直線(図1において一点鎖線で示す)をラインL4と称す。リール42Lの下段と、リール42Cの中段と、リール42Rの上段に停止する図柄が形成する略直線(図1において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
【0045】
[遊技機の機能構成]
次に、遊技機10の機能構成について、主に図4、5を用いて説明する。ただし、先に説明した図1図2に図示される構成要素についても適宜言及する。
なお、図4は、遊技機10全体の機能ブロック図であり、図5は、主制御基板100の機能ブロック図である。
【0046】
遊技機10は、主要な構成要素として主制御基板100と演出制御基板200とを内蔵している。また、演出制御基板200から送られた演出制御用のコマンドなどの信号を、液晶制御基板220、電飾表示部250(各LED基板251(251a、251b)〜256)へと中継するサブ中継基板210を備えている。
【0047】
尚、主制御基板100には、図4に示すように、CPU101、ROM103、RAM105等の電子部品が実装されており、これらの電子部品や各種センサ等の間で授受するデータや制御信号の処理を実行することによって、遊技に関する各種機能(図4)を実現している。また、主制御基板100はリールユニット40やメダル払出部370も制御している。
【0048】
また、演出制御基板200も、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)またはRAM(図示せず)等の電子部品が実装され、情報処理によって各種機能を実現している点においては主制御基板100と同様である。
しかし、演出制御基板200は、主制御基板100(指令生成部170)からの制御信号によって制御されている点、および、演出表示装置16、スピーカ部(スピーカ61、62)、または装飾ランプ51〜56の主に遊技に関する演出に用いられる周辺機器がその制御対象である点において主制御基板100とは異なる。
【0049】
主制御基板100は、図5に示すように、遊技機10の各種センサを監視する遊技管理部110と、始動操作の検知に応じて入賞役の抽選を行う内部抽選部120と、入賞または再遊技を作動させる条件装置130と、クレジットの増減を管理するメダル処理部140と、リールユニット40の回動を制御する回動制御部150を備えている。
また、主制御基板100は、抽選内容などに基づいて遊技者に対して付与される特典を決定する特典付与部160と、主制御基板100が有する種々の機能から出力されたデータまたは制御信号に基づき演出制御基板200を制御する指令生成部170と、入賞役に対応する情報を指令生成部170を介して演出制御基板200に送ることにより各演出機能ユニットに実行させる報知制御部180を備えている。
【0050】
遊技管理部110は、他の機能や各種センサを監視または制御して遊技状態を管理し、少なくとも以下の処理を実行する。
(i)遊技不能である場合に、遊技を停止(中断)させる
(ii)前回の遊技において再遊技が成立している場合に、再遊技処理を行って回動開始条件を成立させる
(iii)回動開始条件が成立している場合に、始動操作センサ326を作動させて遊技者の始動操作を待機する
ここで、本実施形態における遊技状態には異なる複数のメインモードと、後述するサブモードS1〜S4とが含まれ、メインモードについては、遊技管理部110により管理されている。なお、各メインモードには、異なる抽選テーブル(図示なし)が割り当てられているものとする。
遊技管理部110は、メインモードの移行条件が成立した場合に、該当するメインモードに移行させる。
【0051】
また、遊技管理部110は、遊技機10の遊技設定値も管理しており、遊技が実行されるごとに各種機能に当該遊技設定値を出力している。ここで、遊技設定値とは、遊技機10に内蔵されている設定変更装置(図示せず)によって変更される値であり、前面扉12を開放した状態において設定キー(図示せず)を挿入することにより変更操作が可能となる。また、遊技設定値は、内部抽選部120における各種抽選の当選確率、または、演出制御基板200によって制御される各種演出の発生確率、等に影響を与える。
【0052】
内部抽選部120は、始動操作センサ326による始動操作の検知に応じて入賞役の抽選を行う。ここで、内部抽選部120は、上記遊技状態として滞在しているメインモードに割り当てられた抽選テーブルを参照して各入賞役を抽選する。また、内部抽選部120は、抽選された入賞役に対応している条件装置130を作動させる。
【0053】
メダル処理部140は、クレジットを記憶し、その増減を管理する機能を有する。より詳細には、BETボタンセンサ320がBETボタン29の押下を検知したとき、または、MAXBETボタンセンサ322がMAXBETボタン28の押下を検知したとき、メダル処理部140は記憶しているクレジットから所定の値を減算する。
また、メダル処理部140は、特典付与部160によって付与された特典に対応するメダル数に相当する値を、記憶しているクレジットに加算する。記憶しているクレジットが上限値であるときに特典付与部160から特典としてメダルが付与された場合、メダル処理部140は、メダル払出部370を介してメダル払出装置70に働きかけて、超過したメダル数に相当するメダルを払い出させる。
また、メダル処理部140は、精算スイッチセンサ330が精算スイッチ31の押下を検知した場合にメダル払出部370を制御し、メダル払出装置70に蓄えられているメダルを払い出させる。
【0054】
回動制御部150は、リールユニット40の回動を制御する機能を有している。より詳細には、回動制御部150は、通常の回動態様でリールユニット40の制御(通常回動制御)を行う通常回動制御部151と、予め設定されたリール回動演出における回動態様でリールユニット40の制御(特別回動制御)を行う特別回動制御部152と、作動している条件装置130とリールユニット40によって表示されている停止パターンとを比較し、入賞の成否を判定する表示図柄判定部153と、を備えている。
【0055】
ここで、上記予め設定されたリール回動演出とは、例えば、ストップボタン33の押下を許容しない状態(回動停止条件が不成立である状態)においてリール42が回動する演出などをいう。なお、通常回動制御部151による通常回動制御については、後に詳述する。
【0056】
始動操作センサ326がスタートレバー32の操作(始動操作)を検知したとき、遊技管理部110は通常回動制御部151に制御信号を出力する。当該制御信号を受けた通常回動制御部151は、いわゆるウェイト時間が経過した後に、通常回動態様で各リール42を回動させるようにリール駆動部511、リール駆動部512およびリール駆動部513にパルス信号を出力する。
【0057】
リール駆動部511はリール42Lを、リール駆動部512はリール42Cを、リール駆動部513はリール42Rを、それぞれ回動させる機能を有する。より詳細には、リール駆動部511、リール駆動部512およびリール駆動部513の主要な構成部品はステッピングモータ(図示せず)であり、通常回動制御部151が出力するパルス信号を入力することによって、断続的に可変な回動態様で各リール42を回動させることができる。
なお、リール42の回動角度(移動コマ数)は、通常回動制御部151が出力したパルス信号の長さに比例して増大する。また、リール42の回動速度は、通常回動制御部151が出力したパルス信号の周波数に比例して増大する。
【0058】
特典付与部160は、抽選内容などに基づいて遊技者に付与される特典を決定し、その特典(メダルなど)を付与する機能を有する。
ここで特典とは、遊技者にとって好まれる遊技機10の遊技に関する恩恵をいう。より具体的には、以下の態様等が挙げられる。
(i)クレジットまたはメダルの増加処理
(ii)有利遊技状態への移行処理
(iii)有利遊技状態の延長処理
(iv)希少な確率の演出(いわゆるプレミアム演出)、または通常は秘匿されている遊技状態または遊技設定値を示唆する演出処理
(v)遊技機10で行う遊技と外部システム(例えばウェブサイト)とを連携させるために必要な種々のデータの付与処理
ここで、特典付与部160は、所定の条件を満たすとき、後述するサブモードを管理している指令生成部170を制御して、サブモードを移行させることができる。
【0059】
なお、前段の(i)から(v)の分類は便宜的に区分したに過ぎず、同一の処理が複数の分類に含まれることを排除するものではない。例えば、本実施形態におけるARTへの移行は(ii)に該当する特典であるが、その結果として再遊技や入賞機会が増えてメダル払出が増大するため(i)にも該当する特典といえる。
【0060】
指令生成部170は、主制御基板100が有する種々の機能から出力されたデータ信号または制御信号を演出制御基板200に出力し、これらに基づいて演出制御基板200を制御する機能を有している。より詳細には、指令生成部170は、液晶制御基板220、スピーカ部240、電飾表示部250における駆動素子による動作(演出動作)を制御する。
【0061】
指令生成部170は、遊技管理部110によって管理されている遊技状態や遊技管理部110から通知される遊技設定値に基づいて予め設定された演出テーブル(図示なし)を選択する。
また、指令生成部170は、回動制御部150によって制御される各リール42の回動態様(各リール42の停止した順番および停止した配列目を含む)、または特典付与部160によって付与される特典に起因して実行する演出処理を演出テーブルから選択または決定する。
【0062】
また、指令生成部170は、管理している遊技状態(サブモードS1〜S4)および報知制御部180からの制御信号に応じて、演出表示装置16、LED基板251〜256、スピーカ部240によって連動して行われる、ストップボタン33の停止操作を報知する報知処理を実行させる。報知制御部180は、適切なストップボタン33の停止操作を報知する報知処理を指令生成部170を介して演出制御基板200を制御して実行させる。
【0063】
より具体的には、報知制御部180は、内部抽選部120によって押し順が定められている入賞役が抽選された遊技の少なくとも一部(例えばサブモードS4に滞在している遊技)において、その入賞役に対応する押し順を示す報知処理制御情報を、指令生成部170を介して演出制御基板200に送ることにより、演出制御基板200に接続して設けられ、遊技に関連する演出に用いられる各演出出力手段に対応した各演出機能ユニットに実行させる。
ここで、上記演出出力手段は、演出表示装置16、装飾ランプ51〜56、スピーカ61、62などに該当し、ARTなどの遊技者に有利な状態やこの状態に当選しやすい状態を示す演出のときに用いられる(電子素子80に該当)。
また、上記各演出機能ユニットとは、演出表示装置16における表示内容を制御する液晶制御基板220、装飾ランプ51〜56における電飾(例えば、三色LED)の点灯/消灯を制御する電飾表示部250、および、スピーカ61、62における音声出力を制御するスピーカ部240に該当する。
【0064】
なお、本実施形態においては主制御基板100(報知制御部180)が演出制御基板200を介して上記の各演出出力手段を制御して報知処理を実行させるように述べたが、この態様に限られない。例えば、主制御基板100が各演出出力手段を直接に制御して報知処理を実行させてもよい。
【0065】
また、報知制御部180は、ARTが開始される遊技(サブモードS4に移行する遊技)においてARTの遊技数を抽選で決定し、この抽選の結果を示す特別演出を指令生成部170に実行させる。
【0066】
指令生成部170は、特別回動制御部152、液晶制御基板220、電飾表示部250およびスピーカ部240を制御して、リールユニット40、演出表示装置16、LED基板251〜256(LED基板251はLED基板251aおよび251bからなる)、およびスピーカ61、62に特別演出を実行させる。
【0067】
[演出制御基板の機能構成]
演出制御基板200は、信号伝送線400を介して主制御基板100に接続して設けられ、主制御基板100から遊技に係る音声演出、ランプ演出、図柄演出を実現するための演出制御コマンドを受ける。
また、演出制御基板200は、各演出用サブ基板に対して演出制御コマンドに基づき生成した演出制御用の信号(制御信号)を送信することにより、各演出出力手段を利用した演出動作を実現している。なお、本実施形態における演出用サブ基板としては、液晶制御基板220、電飾表示部250のLED基板251〜256、またはスピーカ部240と、それぞれの制御対象となる演出表示装置16、スピーカ61、62、装飾ランプ51〜56とが含まれる。
【0068】
また、演出制御基板200は信号線404を介して接続したスピーカ部240を制御することにより、スピーカ61、62を利用した音声演出を実現している。すなわち、演出制御基板200は、主制御基板100から送られた音声演出の制御コマンドをスピーカ部240に送ることにより、スピーカ部240による音声出力および音声演出を実現している。
【0069】
ここで、スピーカ部240は、制御信号に基づきスピーカ61、62を駆動することにより音声出力を行うスピーカ制御機能を有する演出用サブ基板であり、スピーカ61、62は、スピーカ部240における同種の電子素子80(演出出力手段)に該当する。
これにより、演出制御基板200は、主制御基板100によって制御される遊技と連動してスピーカ61、62による音声演出を実行することが可能となる。
【0070】
また、演出制御基板200は、主制御基板100から送られたランプ演出の制御コマンドに基づき生成した制御信号を電飾表示部250に送ることにより、電飾表示部250に含まれるLED基板251a、251b、252〜256上に設定された各種のLEDや冷陰極線管放電管(図示なし)における点灯制御を行い、ランプ演出を実現する。
【0071】
さらに、演出制御基板200は、液晶制御基板220に制御信号を送ることにより液晶制御基板220を介して演出表示装置16における図柄演出を実現している。
このように、演出制御基板200は、主制御基板100から受けた制御コマンドに基づき生成した制御信号を各演出用サブ基板に送ることにより音声演出、ランプ演出、および図柄演出を実現する。このため、全ての演出動作を容易に同期させることが可能となる。
【0072】
また、演出制御基板200は、信号伝送線402を介してサブ中継基板210に接続されている。サブ中継基板210は、信号伝送線406を介して液晶制御基板220に、また、信号伝送線408を介して電飾表示部250のLED基板251〜256それぞれに接続されている。
【0073】
サブ中継基板210は、演出制御基板200から液晶制御基板220または電飾表示部250に対して送られた制御信号(データ信号)を中継する機能を有する。
また、サブ中継基板210は、信号伝送線402を介して演出制御基板200から送られた各種の制御信号を受ける集積回路(バスバッファ)を備えた構成であってもよい。このとき、サブ中継基板210は制御信号の内容に基づいて処理を行う集積回路を特定し、その集積回路を備えた演出用サブ基板(演出機能ユニット)に対して制御信号を送信する設定であってもよい。
【0074】
液晶制御基板220は、演出制御基板200から送られた制御信号に基づき演出表示装置16に対する画像や映像などの出力表示を制御する機能を有する。また、液晶制御基板220は、主制御基板100によって制御される遊技と連動して、演出表示装置16における遊技に関わる表示演出を実行する。
【0075】
電飾表示部250は、主制御基板100によって制御される遊技機10における遊技と連動して、装飾ランプ51〜56の点灯/消灯動作等を制御するLED基板251(251a、251b)、252〜256を有する。
ここで、上記装飾ランプ51に含まれる複数かつ同種の発光素子であるLEDはLED基板251(251a、251b)に設けられ、同様に、装飾ランプ52に含まれるLEDはLED基板252に設けられ、装飾ランプ53〜56に含まれるLEDは、それぞれLED基板253〜256に設けられている。
なお、本実施形態である遊技機10では、三原色(RGB)に点灯される3個のLEDを組み合わせた三色LEDランプを使用しているが、白色など単色の発光ダイオードやその他のランプを使用する設定であってもよい。
【0076】
また、電飾表示部250は、演出制御基板200から送り込まれた制御信号およびクロック信号に基づき、装飾ランプ51に含まれるLEDの点灯や消灯を制御するLED基板251(251a、251b)と、装飾ランプ52に含まれるLEDの点灯や消灯を制御するLED基板252と、装飾ランプ53に含まれるLEDの点灯や消灯を制御するLED基板253と、装飾ランプ54に含まれるLEDの点灯や消灯を制御するLED基板254と、装飾ランプ55に含まれるLEDの点灯や消灯を制御するLED基板255と、装飾ランプ56に含まれるLEDの点灯や消灯を制御するLED基板256と、を含み構成されている。
【0077】
[LED基板の構成]
次に、電飾表示部250の有するLED基板251aについて説明する。図6は、LED基板251aの概略回路図である。
LED基板251aは、遊技機10に用いられる複数かつ同種の電子素子80(LED1〜6)と、この電子素子80(LED1〜6)のそれぞれを制御する集積回路(LED駆動IC201)と、を備えている。
また、LED基板251aは、電子素子80(LED1〜6)の制御に用いられる制御データを含む制御信号(データ信号)を集積回路(LED駆動IC201)に入力する第一配線(データ線2614)と、電子素子80(LED1〜6)の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を集積回路(LED駆動IC201)に入力する第二配線(クロック線2615)と、を備えている。また、LED基板251aには、第一配線(データ線2614)および第二配線(クロック線2615)にノイズ低減素子(フェライトビーズFL3、4)が設けられている。
【0078】
ここでは、遊技の演出に用いられる複数かつ同種の電子素子80(LED1〜6)を制御する集積回路(LED駆動IC201)に対して制御信号(データ信号(DATA1))を入力するデータ線2614、およびクロック信号(CLK1)を入力するクロック線2615に対してノイズ低減素子(フェライトビーズ)を設けたことにより、遊技機10から放出されるノイズ信号を有効に軽減することを可能としている。
【0079】
ここで、上記ノイズ低減素子として、本実施形態では、フェライトビーズ(より具体的には、チップフェライトビーズ)を用いるものとする。
なお、基板上の配線であるプリントパターンで伝送される各種信号に重畳されたノイズ(特に、高周波ノイズ)や基板上のプリントパターンなどから放出されるノイズを軽減するための素子としてはコンデンサタイプ、コモンモードチョークコイル、フェライトビーズなどのEMI除去フィルタやフェライトコアなどが利用可能であるが、本実施形態では、グランドへの接続が不要で、小型化が可能な、そして、低インピーダンスラインでノイズ除去の効果が出やすいフェライトビーズ(フェライトビーズFL1〜6)をノイズ低減素子として利用する。
これにより、ノイズ低減素子(ノイズフィルタ回路)が配設される基板上の領域について省スペース化が可能となる。
ここで、上記制御信号としてのデータ信号(DATA1)は、演出制御基板200から送られLED基板251aに対して送り込まれた制御信号であって、LED1〜6の点灯制御用のコマンド信号等が含まれる。また、データ信号(DATA1)には、コマンド信号に基づく処理(制御コマンド処理)を行うLED駆動ICを特定するための固有アドレスが含まれていてもよい。また、クロック信号(CLK1)は、演出制御基板200から送られた制御信号に含まれ、上記制御コマンド処理のタイミングを規定する定周期信号を示す。なお、データ信号(DATA1)、クロック信号(CLK1)は、後述するLED基板251aのコネクタ2511から入力され、LED駆動IC201に入力される。
【0080】
また、LED基板251aには集積回路(LED駆動IC201、202)が複数備えられており、一の集積回路(LED駆動IC202)に制御信号(データ信号)を入力する第一配線(内部データ線2012−2014)は他の集積回路(LED駆動IC201)から配線されている。また、一の集積回路(LED駆動IC202)にクロック信号を入力する第二配線(内部クロック線2016−2018)は、他の集積回路(LED駆動IC201)から配線されている。また、一の集積回路(LED駆動IC202)と他の集積回路(LED駆動IC201)との間に設けられている第一配線(内部データ線2012−2014)および第二配線(内部クロック線2016−2018)にはノイズ低減素子(フェライトビーズFL5およびフェライトビーズFL6)が設けられた構成でもよい。
【0081】
また、LED基板251aは、集積回路(LED駆動IC201、202)が複数備えられている場合に、以下に示す構成を備えていてもよい。
すなわち、一の集積回路(LED駆動IC202)に制御信号(データ信号(DATA1))を入力する第一配線(内部データ線2012−2014)は他の集積回路(LED駆動IC201)から配線され、一の集積回路(LED駆動IC202)にクロック信号を入力する第二配線(内部クロック線2016−2018)が他の集積回路(LED駆動IC201)から配線されている。
ここで、上述の一の集積回路(LED駆動IC202)と他の集積回路(LED駆動IC201)との間に設けられている第一配線(内部データ線2012−2014)と第二配線(プリントパターン(クロック線)2615)とにそれぞれノイズ低減素子(フェライトビーズFL5とフェライトビーズFL4)を、もしくは、上述の一の集積回路(LED駆動IC202)と他の集積回路(LED駆動IC201)との間に設けられている第二配線(内部クロック線2016−2018)と第一配線(プリントパターン(データ線)2614)とにそれぞれノイズ低減素子(フェライトビーズFL6とフェライトビーズFL3)を設けた構成であってもよい。
【0082】
換言すると、このLED基板251aの構成では、LED駆動IC201の入力側である、データ線2614またはクロック線2615の一方にノイズ低減素子を設け、さらに、LED駆動IC201およびLED駆動IC202の間を接続するデータ線(プリントパターン2012および2014の間)またはクロック線(プリントパターン2016および2018の間)の一方にノイズ低減素子(フェライトビーズ)を設けた構成であってもよい。すなわち、本実施形態では、フェライトビーズFL3およびFL6が設けられた構成、または、フェライトビーズFL4およびFL5が設けられた構成であってもよい。
【0083】
また、本実施形態のLED基板251aは、以下に示す構成であってもよい。
LED基板251aでは、遊技機10に用いられる複数かつ同種の電子素子80と、この電子素子80のそれぞれを制御する複数の集積回路(LED駆動IC201、202)と、を備えている。また、一の集積回路(LED駆動IC202)に制御信号(データ信号(DATA2))を入力する第一配線(内部データ線:プリントパターン2012−2014)は他の集積回路(LED駆動IC201)から配線され、一の集積回路(LED駆動IC202)にクロック信号を入力する第二配線(内部クロック線:プリントパターン2016−2018)は、他の集積回路(LED駆動IC201)から配線されている。
ここで、一の集積回路(LED駆動IC202)と他の集積回路(LED駆動IC201)との間に設けられている第一配線(内部データ線)および第二配線(内部クロック線)に対してノイズ低減素子(フェライトビーズFL5およびFL6)が備えられた構成としてもよい。
すなわち、LED基板251a上については、データ信号(DATA1)、クロック信号(CLK1)が入力されるプリントパターン(データ線)2614、プリントパターン(クロック線)2615にはノイズ低減素子は配設されることなく、内部クロック線と内部データ線に対してノイズ低減素子が設けられた構成であってもよい。
【0084】
さらに、上記他の集積回路(LED駆動IC201)に制御信号を入力する第一配線(プリントパターン2614)の入力側および他の集積回路(LED駆動IC201)にクロック信号を入力する第二配線(プリントパターン2615)の入力側に設けられているコネクタ2511を備え、第一配線(プリントパターン2614)および第二配線(プリントパターン2615)に設けられたノイズ低減素子(フェライトビーズFL3、4)は、それぞれ第一配線(データ線)および第二配線(クロック線)における、コネクタ2511より集積回路(LED駆動IC201)に近接している側に設けられている。
なお、本実施形態における電子素子80としては、LED1〜6の他にもLED駆動IC202により制御される複数かつ同種のLEDが、LED基板251bに設けられている。
【0085】
次に、LED基板251aの構成について説明する。なお、LED基板251aは、銅箔等の導電体の配線(以下「プリントパターン」という)が基板に形成された片面のプリント基板である。
【0086】
以下、図6に基づきLED基板251aの構成を詳説する。
LED基板251aは、図6に示すように、6ピンからなるコネクタ2511が搭載され、サブ中継基板210から送られた各種信号等がコネクタ2511を介してLED基板251のプリントパターンに入力される。
【0087】
なお、コネクタ2511は、図4に示すように、信号伝送線408を介してサブ中継基板210に接続されており、サブ中継基板210からLED制御用のデータ信号(DATA1)とクロック信号(CLK1)とがLED基板251aに入力される。また、これらの信号は、演出制御基板200からサブ中継基板210を経由してLED基板251aに供給される。
【0088】
LED基板251a上におけるコネクタ2511の2ピンと6ピンそれぞれの信号ライン(プリントパターン2612、2616)はそれぞれLED基板251の基準電圧となるグランド(GND)と接続されている。
また、コネクタ2511の1ピンの信号ラインであるプリントパターン2611には、LED基板251aに対して印加された電源電圧信号(3.3V)が入力される。更に、1ピンのプリントパターン2611には、ノイズ低減素子としてのフェライトビーズFL1を介して電源電圧ライン(3.3V)が並列接続されている。
【0089】
また、コネクタ2511の3ピンの信号ラインであるプリントパターン2613には、LED基板251aに対して印加された電源電圧信号(12V)が入力される。更に、3ピンのプリントパターン2613には、ノイズ低減素子としてのフェライトビーズFL2を介して電源電圧ライン(12V)が並列接続されている。
なお、フェライトビーズFL1、2は、コネクタ2511の1ピン、3ピンの電源電圧ラインそれぞれに対して直列に接続されており、これによりコネクタ2511の1ピン、3ピンへの電源電圧ラインから発生するノイズを軽減することできる。
【0090】
また、コネクタ2511の4ピンの信号ラインとして、演出制御基板200から送られたデータ信号(ここでは、データ信号(DATA1)とする)が入力され、これを伝送するためのデータ線2614が形成されている。また、データ線2614は、LED駆動IC201の23ピンに接続されており、コネクタ2511に入力されたデータ信号(DATA1)はデータ線2614を介してLED駆動IC201に伝送される。
【0091】
このため、データ線2614には、フェライトビーズFL3が直列に接続されている。
なお、フェライトビーズFL3が接続して設けられたデータ線上における位置は、コネクタ2511よりもLED駆動IC201に近い側であるものとする。
すなわち、図6に示すように、フェライトビーズFL3からLED駆動ICの23ピンまでのプリントパターン(「プリント2614D」という)の長さが、フェライトビーズFL3からコネクタ2511の4ピンまでのプリントパターン(「プリント2614A」という)の長さより短いものとする。
【0092】
また、コネクタ2511の5ピンの信号ラインとして、演出制御基板200から送られたクロック信号(ここでは、クロック信号(CLK1)とする)が入力され、これを伝送するためのクロック線2615が形成されている。また、このクロック線2615は、LED駆動IC201の24ピンに接続されており、コネクタ2511に入力されたクロック信号(CLK1)はクロック線2615を介してLED駆動IC201に伝送される。
【0093】
また、クロック線2615には、フェライトビーズFL4が直列に接続されている。
なお、フェライトビーズFL4が接続して設けられたクロック線2615上における位置は、コネクタ2511よりもLED駆動IC201に近い側であるものとする。
すなわち、図6に示すように、フェライトビーズFL4からLED駆動ICの24ピンまでのプリントパターン(「プリント2615C」という)の長さが、フェライトビーズFL4からコネクタ2511の5ピンまでのプリントパターン(「プリント2615B」という)の長さより短いものとする。
【0094】
ところで、LED基板251に設けられたLED駆動IC201は、複数かつ同種の電子素子80であるLED1〜6の点灯および消灯を制御する。このとき、制御対象であるLEDの数が増大するほど、また、ランプ演出の頻度が高まるほど、LED制御用のクロック信号および制御信号(データ信号)が入力される各LED基板のプリントパターンには集中的に大きなノイズが重畳してしまう、といったことが生じ得る。この場合、プリントパターンから不要輻射と呼ばれるノイズが発生してしまう。
図7(a)は、フェライトビーズが設けられていないクロック線を伝送されるクロック信号に上記のようにノイズが重畳した場合の一例を示している。ここで、図7(a)の特に点線部A、Bでは、ノイズの放射の影響で一定の周期でリンギングが生じていることが示されている。
これに対して、図7(b)では、上記のクロック線にフェライトビーズが設けられた場合に伝送されるクロック信号の一例が示されている。ここでは、フェライトビーズを設けたことにより、リンギングが収まり、クロック信号が矩形波に近い形状になっていることが示されている。
なお、ここでは、クロック信号にノイズが重畳した場合を例示したが、データ線にフェライトビーズを直列に設けることによりデータ信号に対しても同様にノイズ抑制を行うことができる。
【0095】
また、プリント2614Aでは、プリントパターンが分岐されバリスタ素子V1を介してグランド(GND)に接続されている。また、プリント2615Bでは、プリントパターンが分岐されバリスタ素子V2を介してグランド(GND)に接続されている。
ここで、上記バリスタ素子V1、V2は、印加される電圧により抵抗値が非線形に変化する。このため、ある一定の電圧までは高い抵抗値を示し、その電圧を超えると急激に抵抗値が下がって大電流を流すという性質を利用して、バリスタ素子V1、V2を静電気放電に利用することができる。
【0096】
ここでは、プリントパターン2614A、2615Bそれぞれから分岐したプリントターンにバリスタ素子V1、V2をそれぞれ直列に接続したことにより、発生した静電気を自然に流れやすい方に流すことができる、このため、プリント2614Aまたはプリント2615Bから様々な性質の静電気を効果的に除去することができる。
【0097】
次に、LED駆動IC201の構成について説明する。
LED基板251aでは、演出制御基板200から送られたLED点灯制御用のデータ信号に基づいて、LED駆動IC201がLED基板251上に設置されたLED1〜6それぞれの点灯制御を行う。
【0098】
また、LED駆動IC201は、パラレル信号入力ピン19、20(以下「19、20ピン」という)および予め設定された入力ピンから印加される電位信号(3.3V)に基づいて、LED1〜6を点灯するための12Vの駆動信号(パラレル信号)を生成する。
【0099】
また、LED駆動IC201は、入力された制御信号(データ信号)と、生成した駆動信号を保持するバッファを内部に備え、データ信号の内容に基づき決定された出力ピン(以下「1〜18ピン」という)から駆動信号を出力する処理を行う。
【0100】
LED駆動IC201は、1〜18ピンそれぞれから128段階に階調制御された駆動信号を出力する設定であってもよい。この場合、各LED(1〜6)に対応する画素(三色LED)は、原理的には、128×128×128色の何れかの色彩に点灯可能となる。
【0101】
また、LED駆動IC201の25、26、27、および28の信号ラインはそれぞれLED基板251の基準電圧となるグランド(GND)に接続されている。
【0102】
LED駆動IC201は、出力ピン1〜18(以下「1〜18ピン」という)にプリントパターンを介して接続された6組の三色LED1〜6(以下「LED1〜6」という)における点灯制御を行う。すなわち、LED駆動IC201に接続されたLED1〜6は、同一のLED駆動集積回路201によって駆動されている。尚、LED駆動IC201の1〜18ピンから各LED端子までのプリントパターンにはそれぞれ電気抵抗素子が設けられてる。
【0103】
LED1〜6はそれぞれ赤(R)、緑色(G)、青色(B)三色のLED端子からなるユニットを形成している。
LED駆動IC201の出力ピン1は赤色のLED(R)端子、出力ピン2は緑色のLED(G)端子、出力ピン3は青色のLED(B)端子それぞれのアノード側に接続されている。また、赤色のLED1(以下「LED1(R)という」)、緑色のLED1(以下「LED1(G)という」)、青色のLED1(以下「LED1(B)という」)それぞれのカソード側にはLED基板251aに対して印加された電源電圧信号(12V)が導電体のプリントパターンを介して印加されている。
【0104】
LED2〜6のLEDユニットも同様に、LED駆動IC201の出力ピン4、7、10、13、16はそれぞれ赤色のLED2(R)、LED3(R)、LED4(R)、LED5(R)、LED6(R)それぞれのアノード側に接続されている。また、LED駆動IC201の出力ピン5、8、11、14、17はそれぞれ緑色のLED2(G)、LED3(G)、LED4(G)、LED5(G)、LED6(G)それぞれのアノード側に接続されている。また、LED駆動IC201の出力ピン6、9、12、15、18はそれぞれ青色のLED2(B)、LED3(B)、LED4(B)、LED5(B)、LED6(B)それぞれのアノード側に接続されている。
【0105】
また、赤色のLED2〜6(R)、緑色のLED2〜6(G)、青色のLED2〜6(B)それぞれのLED端子のカソード側にはLED基板251aに対して印加された電源電圧信号(12V)が導電体のプリントパターンを介して印加されている。
【0106】
また、LED駆動IC201は、上述のように、コネクタ2511からデータ信号(DATA1)が入力される入力ピン23(DATA端子)と、クロック信号(CLK1)が入力される入力ピン24(CLK端子)と、LED駆動信号が出力される出力ピン1〜18を備えている。
【0107】
なお、データ信号には、LED駆動ICを特定するために、固有アドレスの内容を示すアドレス信号が含まれていてもよい。
このとき、LED駆動IC201は、受信したデータ信号(DATA1)に含まれるアドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致しているか否かを判定する。また、アドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致している場合には、その後に続くデータ信号を取得する。
一方、アドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致していない場合、LED駆動IC201は、アドレス信号が含まれるそのデータ信号(DATA2)を21ピン(DATA0端子)から出力する。このとき、22ピン(CLK0端子)からは、このデータ信号に対応したクロック信号が出力される。
ここで、データ信号(DATA2)は、LED1〜6以外の点灯制御用のコマンド信号等が含まれる。このため、データ信号(DATA2)はLED駆動IC202に転送される。このとき、LED駆動IC202に対応する固有アドレスが含まれている場合には、データ信号(DATA2)に含まれるコマンド信号に基づく処理(制御コマンド処理)がLED駆動IC202により行われる。また、クロック信号(CLK2)は、データ信号(DATA2)における制御コマンド処理のタイミングを規定する定周期信号を示す。
【0108】
なお、本実施形態では、LED基板251aに設置された集積回路をLED駆動ICとしているが、他の演出用サブ基板上に設置される集積回路としては、入力された制御信号に対する複製や分割などの処理を行い、これらの処理データを異なる出力端子から出力するバッファ素子や、入力されたシリアル信号をパラレル信号に変換して異なる出力端子からパラレル信号として出力するシリアル−パラレル信号変換素子などの集積回路であってもよい。
【0109】
ここで、本実施形態では、相互に接続された少なくとも2つのLED駆動IC(「一方のLED駆動ICと他方のLED駆動IC」という)がそれぞれ異なる演出用サブ基板(例えば、LED基板251aとLED基板251bする)に設置されている場合、少なくとも一方のLED基板のプリントパターン上における、一方または他方のLED駆動ICとコネクタの間のプリントパターンにノイズ低減素子(フェライトビーズ)を設ける構成としてもよい。
すなわち、異なる複数の基板に跨がって相互に接続された集積回路が設けられた場合に、例えば、一方のLED駆動ICが実装された演出用サブ基板(LED基板251a)と他方のLED駆動ICが実装された演出用サブ基板(LED基板251b)とがそれぞれのコネクタを介して接続されている。このとき、少なくとも一方の基板上におけるLED駆動ICとコネクタとの間のプリントパターンにノイズ低減素子(フェライトビーズ)を設けてもよい。
また、LED基板251a上における一方のLED駆動ICとコネクタとを接続するプリントパターンと、LED基板251b上における他方のLED駆動ICとコネクタとを接続するプリントパターンと、の何れに対してもノイズ低減素子が設けられた構成であってもよい。
【0110】
次に、LED駆動IC201とLED駆動IC202の間に配線されたデータ線(内部クロック線)およびクロック線(内部クロック線)の構成について説明する。
また、図6に示すように、LED駆動IC201の21ピン(DATA0端子)から出力されたデータ信号(DATA2)は、内部データ配線としてのプリントパターン2012、フェライトビーズFL5、およびプリントパターン2014を介してLED駆動IC202の6ピンに入力される。
また、LED駆動IC201の22ピン(CLK0端子)から出力されたクロック信号は、内部クロック配線としてのプリントパターン2016、フェライトビーズFL6、およびプリントパターン2018を介してLED駆動IC202の7ピンに入力される。
尚、フェライトビーズFL5は、上述のように、プリントパターン2012および2014の間に直列に設けられており、フェライトビーズFL6は、プリントパターン2016および2018の間に直列に設けられている。
【0111】
次に、コネクタ2512とLED駆動IC202について説明する。
コネクタ2512の1ピンはLED基板251の基準電圧となるグランド(GND)と接続されている。また、コネクタ2512の2ピン、3ピン、4ピンはそれぞれの信号ライン(プリントパターン2021、2022、2023)を介して、LED駆動IC202の1ピン、2ピン、3ピンに接続されている。
【0112】
LED駆動IC202は、12、14ピンおよび予め設定された入力ピンから印加される電位信号(3.3V)を用いて、LED基板251bに設置されたLED(図示なし)を点灯制御するための駆動信号(パラレル信号)を生成する。また、LED駆動IC202は、入力された制御信号(データ信号(DATA2))に基づき生成した駆動信号を保持するバッファを内部に備えており、データ信号(DATA2)に基づき決定された出力ピン(1、2、3ピン)から駆動信号を出力する。
【0113】
これにより、LED駆動IC202から出力された駆動信号はコネクタ2512に接続されたLED基板251bに送られる。
ここで、LED基板251bは、信号伝送線(図示なし)を介してコネクタ2512に接続された演出用サブ基板である。
このため、LED駆動IC202は、コネクタ2512に信号伝送線を介して駆動信号を送ることができるので、これにより、LED基板251b上に設けられたLEDの点灯制御を行うことができる。なお、LED基板251b上に設けられたLEDは装飾ランプ51に含まれるものとする。
【0114】
また、LED駆動IC202は、LED駆動IC201から送られたLED点灯制御用のデータ信号およびクロック信号を取得し、データ信号を複製して1〜3ピンから出力するバッファICとして機能する設定であってもよい。
また、LED基板251bは、LED駆動IC201、202と同等のLED駆動ICを備えていてもよい。この場合、LED基板251bでは、コネクタ2512を介してLED基板251aからデータ信号およびクロック信号が送られた場合に、これに基づき、LED基板251b内に設けられたLEDの点灯制御が行われる。
【0115】
[遊技状態と内部抽選について]
次に、本実施形態の遊技機10における遊技状態と内部抽選について図3図5図8を用いて説明する。
図3は、各リール42の外周に描かれている図柄の配列を示す図である。図4は、遊技機10の機能ブロック図である。図5は、主制御基板100の機能ブロック図である。図8は、遊技機10における遊技状態の遷移図である。
なお、ここで述べる遊技状態や入賞役(条件装置130)は一例であり、必ずしも図示したものに限られない。
【0116】
ここで条件装置130とは、入賞または再遊技を作動させる機能を有する。より具体的には、条件装置130は、内部抽選部120による内部抽選の当選によって作動を開始し、ストップボタン33が受け付けた停止操作に起因して停止した配列目に応じて特典付与部160を作動させる。
【0117】
ここで入賞とは、入賞役が内部抽選部120によって抽選され、その入賞役に対応している図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止することをいう。
また、再遊技とは、次の遊技をメダル投入に因らずに行うことができる特典が内部抽選部120によって抽選され、その特典に対応している図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止することをいう。
また、入賞ラインとは、図1の視認窓18内に示すように、リールユニット40の回動方向に対して交差する略直線方向のいずれかであって遊技者に視認可能な位置に設けられているラインL1からラインL5のうち一又は複数に対して設定される。なお、本実施形態における入賞ラインは、ラインL1のみとする。
【0118】
本実施形態における遊技状態には、遊技管理部110によって管理されているメインモードと、図8に示すように、指令生成部170によって管理されているサブモードS1〜S4と、が含まれている。なお、内部抽選部120は、その遊技において滞在しているメインモードに割り当てられた抽選テーブル(図示なし)を参照して各入賞役を抽選するものとする。
【0119】
サブモードS1〜S4について、図8を用いてより具体的に説明する。
サブモードS1は、「通常モード」と称される遊技状態であり、また、本実施形態における通常遊技状態はサブモードS1が含まれる。
【0120】
サブモードS2は、「チャンスゾーン」と称される遊技状態であり、ART(サブモードS4)への移行確率がサブモードS1より高確率となる遊技状態をいう。
なお、本実施形態における通常遊技状態はサブモードS2が含まれる。ただし、上述したように、「チャンスゾーン」であるサブモードS2が有利遊技状態となる態様も採りうる。
【0121】
サブモードS3は、「ART確定画面」が演出表示装置16に表示される遊技状態であり、また、本実施形態における有利遊技状態はサブモードS3が含まれる。
ここで「ART確定画面」とは、サブモードS4への移行を確定的にする表示演出である。より具体的には、「ART確定画面」が演出表示装置16に表示されている間には、以下の報知が行われることによって、サブモードS4への移行を担保している。
【0122】
サブモードS4は、「ART」と称される遊技状態であり、本実施形態における有利遊技状態にはサブモードS4が含まれる。ここでARTとは、通常遊技状態より再遊技が成立する確率を高くすると共に、特定の入賞役に対応している停止操作を報知して当該特定の入賞役が成立する確率を実質的に高くする遊技状態をいう。なお、本実施形態における特定の入賞役とは、例えば「移行リプレイ」、「維持リプレイ」または「押し順ベル」である。
なお、上述のように設定されているので、サブモードS4において獲得可能となる遊技媒体の数は、サブモードS1またはサブモードS2(通常遊技状態)において獲得可能となる遊技媒体の数より多くなる。
【0123】
また、サブモードS4は、通常遊技状態より再遊技が成立する確率を高くすると共に、特定の入賞役に対応している停止操作を報知して当該特定の入賞役が成立する確率を実質的に高くする遊技状態である。従って、サブモードS4において獲得可能となる遊技媒体の数は、サブモードS1またはサブモードS2(通常遊技状態)において獲得可能となる遊技媒体の数より多くなる。
【0124】
本実施形態の遊技機10によって行われる遊技の多くは、サブモードS1またはサブモードS2に滞在するように設定されている。また、サブモードS1またはサブモードS2において所定の条件が成立することによってサブモードS3に移行し、サブモードS3を経由してサブモードS4に移行する。
【0125】
本実施形態では、サブモードS4において遊技媒体(メダル)の払出を多く受けることが遊技者の最大の関心事であり、サブモードS4に移行するプロセスにおいて遊技者の興趣を喚起させることが遊技機10の主な遊技性となる。
【0126】
以上のように、特に、サブモードS4に移行するプロセスでは、スピーカ部240による音声演出、LED(三色LEDランプ)1〜6におけるランプ演出、及び、演出表示装置16における図柄演出が実行される頻度が高まる。
これにより、演出制御基板200から、サブ中継基板210や液晶制御基板220、電飾表示部250、スピーカ部240などの演出用サブ基板へ各種信号が送られる頻度や各演出用サブ基板を制御する演出用の基板上における各種信号の伝送量が増加するため、クロック信号や制御信号(データ信号)が伝送されるプリントパターンや演出用の基板から出力されるノイズ(不要輻射)を抑制することが必要となる。
このため、本実施形態では、演出制御を行う基板上の配線にノイズ低減素子を設けることによって、演出制御用の基板で発生するノイズを低減することができ、これにより、遊技機から遊技者に対して放出されるノイズを抑制することが可能となる。
【0127】
また、上記の実施形態では、演出用サブ基板のうちLED基板251aの回路上にノイズ低減素子(フェライトビーズ)を設けた場合について説明したが、その他のサブ基板、すなわち、遊技機10内における主制御基板100以外の、演出制御基板200を含めた演出用サブ基板(サブ中継基板210、液晶制御基板220、スピーカ部240、LED基板251b、252〜256)上の回路に対して適用することが可能である。
【0128】
[遊技機における遊技の動作説明]
次に、遊技機10における遊技の動作内容について、主に図9を用いて説明する。ただし、先に説明した図1または図4に図示される構成要素についても適宜言及する。
図9は、遊技機10における遊技のメインフローを示すフローチャートである。
なお、図9における遊技開始処理(ステップS102)から遊技終了処理(ステップS136)までの一連の処理(遊技のために実行される一連の処理)を実行することをもって一回の遊技とする。
【0129】
遊技管理部110は、当該遊技における遊技状態や遊技設定値に関する情報を取得し、各種機能に出力して遊技を開始する(ステップS102)。
ここで、当該遊技の前回遊技において「再遊技」が作動している場合(ステップS104のYES)、遊技管理部110は再遊技処理を実行し(ステップS110)、回動開始条件を成立させる(ステップS112)。ここで再遊技処理とは、メダルをベットすることなく回動開始条件を成立させることをいう。
【0130】
また、前回遊技において「再遊技」が作動していない場合(ステップS104のNO)、遊技管理部110は、BETボタンセンサ320、MAXBETボタンセンサ322またはメダル通過センサ324の作動を待機する。これらのいずれかの作動に応じてベット数を増加させ(ステップS106:メダル投入)、ベット数がメダル3枚に達するまで待機し(ステップS108のNO)、ベット数がメダル3枚に達したとき(ステップS108のYES)、遊技管理部110は回動開始条件を成立させる(ステップS112)。
【0131】
回動開始条件が成立している状態において、遊技管理部110は、始動操作センサ326による始動操作の検知を待機する(ステップS114のNO)。」また、始動操作センサ326が始動操作を検知したとき(ステップS114のYES)、遊技管理部110はこの通知に起因して内部抽選部120に内部抽選を実行させる(ステップS116)。また、この内部抽選において抽選された入賞役に対応している条件装置130が作動する(ステップS118)。
【0132】
また、遊技管理部110は、ステップS114における始動操作センサ326の検知を回動制御部150にも通知する。
ウェイト時間が経過するのを待ち(ステップS120のNO)、ウェイト時間が経過した後に(ステップS120のYES)、通常回動制御部151は通常回動態様でリールユニット50を制御する(ステップS126)。
【0133】
次いで、表示図柄判定部153はステップS126で停止させた各リール42の停止パターンを判別し、ステップS118で作動した条件装置130に対応しているか図柄の組合せが入賞ラインに停止しているか否か(入賞しているか否か)を判定する(ステップS128)。
ステップS128の判定において入賞している旨が判定された場合(ステップS130のYES)、特典付与部160は判定された入賞に対応している特典を付与し(ステップS132)、メダル処理部140は当該入賞に対するメダル処理を実行する(ステップS134)。
【0134】
ステップS128の判定において入賞していない旨(はずれ)が判定された場合(ステップS130のNO)、または必要なメダル処理(ステップS134)が終了した後に、
当該遊技を終了させて次回の遊技に移行する(ステップS136)。
【0135】
[通常回動制御の動作説明]
次に、通常回動制御部151によって実行される通常回動制御(S126)について、主に図10のフローチャートを用いて説明する。ただし、先に説明した図1図4または図5に図示される構成要素についても適宜言及する。なお、図10は、通常回動制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0136】
通常回動制御部151は、リールユニット40に含まれるすべてのリール42R、42C、42Lが同一の到達速度で順方向に回動するように、リール駆動部511、512、513にパルス信号を出力する(ステップS202)。
ここで到達速度とは、通常回動制御部151または特別回動制御部152がリール駆動部511、512、513に与える制御上のパラメータであり、当該制御における所望の回動速度をいう。また、本実施形態における到達速度は、通常回動制御部151または特別回動制御部152がリール駆動部511、512、513に出力するパルス信号の周波数に依存して決まる。
【0137】
また、通常回動制御部151は、すべてのリール42の回動速度が定速になるまで(ステップS204の判定がNOであるとき)は回動停止条件を否定しつつ待機する。また、通常回動制御部151は、すべてのリール42の回動速度が定速になったとき(ステップS204の判定がYESであるとき)は回動停止条件を成立させる(ステップS206)。
なお、ステップS204の回動速度の定速判定は、上述のように、様々な態様を採ることができ、ここで示す態様は一例である。
また、ステップS206における回動停止条件の成立は、リールユニット40に含まれるすべてのリール42R、42C、42Lについて同時に行われる。
【0138】
次いで、通常回動制御部151は、回動停止条件を成立させた状態で、いずれかのストップボタン33が押下され、当該押下を停止操作センサ328が検知するまで(ステップS208の判定がNOであるとき)待機する。最初の停止操作(第1停止操作)を停止操作センサ328の検知が通知されたとき(ステップS208の判定がYESであるとき)、通常回動制御部151は、第1停止操作に対応しているリール42を停止させる(ステップS210)
ここでステップS210の停止処理において、最大4コマまでリールが移動しうる制御(すべり制御)を行うため、停止操作センサ328における押下操作の検知からリール42の停止までにはタイムラグが生じうる。なお、当該タイムラグは190ms以下となるように設定されている。
【0139】
通常回動制御部151は、回動停止条件を成立させた状態で、停止操作センサ328が次の停止操作(第2停止操作)を検知するまで(ステップS212の判定がNOであるとき)待機する。停止操作センサ328が第2停止操作を検知して通知されたとき(ステップS212の判定がYESであるとき)、通常回動制御部151は、第2停止操作に対応しているリール42を停止させる(ステップS214)。
また、通常回動制御部151は、回動停止条件を成立させた状態で、停止操作センサ328が最後の停止操作(第3停止操作)を検知するまで(ステップS216の判定がNOであるとき)待機する。停止操作センサ328が第3停止操作を検知して通知されたとき(ステップS216の判定がYESであるとき)、通常回動制御部151は、第3停止操作に対応しているリール42を停止させる(ステップS218)
ステップS214またはステップS218の停止処理において、すべり制御が行われるのは、第1停止操作のときと同様である。
【0140】
次いで、図9に示すように、表示図柄判定部153が、停止した各リール42の停止パターンが入賞しているか否かを判定し(ステップS128)、その判定結果に基づき特典付与部160による特典付与が行われる。
なお、上記の実施形態において、サブモードS1またはサブモードS2からサブモードS3への移行条件や、サブモードS4への移行条件として、特典付与部160が特典付与を行う事例を説明したが、これは一つの実施例に過ぎない。変形例としては、例えば、(i)特定の入賞役に当選する、(ii)規定の遊技数に到達する等が挙げられる。
【0141】
以上のように、特に、サブモードS4に移行するプロセスでは、スピーカ部240による音声演出、LED(三色LEDランプ)1〜6におけるランプ演出、及び、演出表示装置16における図柄演出が実行される頻度が高まる。
これにより、演出制御基板200から、サブ中継基板210や液晶制御基板220、電飾表示部250、スピーカ部240などの演出用サブ基板へ各種信号が送られる頻度や各演出用サブ基板を制御する演出用の基板上における各種信号の伝送量が増加する。
このため、本実施形態では、演出制御を行う基板上の配線にノイズ低減素子を設けることによって、クロック信号や制御信号(データ信号)が伝送されるプリントパターンや演出制御用の基板から出力されるノイズ(不要輻射)を低減することができ、これにより、遊技機から遊技者に対して放出されるノイズを抑制することが可能となる。
【0142】
また、上記の実施形態では、本発明を遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、遊技媒体としてパチンコ球を使用し、遊技の状況に応じて各種の遊技の演出を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。
【0143】
以上のように、本実施形態では、遊技の演出に係る基板に電子素子(例えば、LED)の制御に係る信号が入力される回数や頻度が増大した場合でも、遊技機の基板から放出されるノイズ信号を有効に軽減することが可能となる。
【0144】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)複数列に図柄を表示し、前記図柄の変動表示と停止表示とを繰り返す遊技を実行する遊技機に用いられる複数かつ同種の電子素子に接続され、前記電子素子のそれぞれを制御する集積回路と、前記電子素子の制御に用いられる制御データを含んでいる制御信号を前記集積回路に入力する第一配線と、前記電子素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を前記集積回路に入力する第二配線と、を備え、前記第一配線および前記第二配線にノイズ低減素子が設けられていることを特徴とする遊技機用電子回路。
(2)前記集積回路が複数備えられており、一の前記集積回路に前記制御信号を入力する前記第一配線は、前記他の集積回路から配線されており、一の前記集積回路に前記クロック信号を入力する前記第二配線は、前記他の集積回路から配線されており、前記一の集積回路と前記他の集積回路との間に設けられている前記第一配線および前記第二配線に前記ノイズ低減素子が設けられている(1)に記載の遊技機用電子回路。
(3)前記他の集積回路に前記制御信号を入力する前記第一配線の入力側および前記他の集積回路に前記クロック信号を入力する前記第二配線の入力側に設けられているコネクタを備え、前記ノイズ低減素子は、当該第一配線および当該第二配線にも設けられ、前記コネクタより前記集積回路に近接している(2)に記載の遊技機用電子回路。
(4)前記複数かつ同種の電子素子は発光する発光素子であり、かつ前記遊技に関連する演出に用いられる(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機用電子回路。
(5)遊技を繰り返し実行させる遊技制御手段と、前記遊技制御手段によって実行される前記遊技に関連する演出を実行させる演出制御手段と、複数列に図柄を表示し、前記遊技の開始に応じて前記図柄の変動表示を始動し、当該遊技の終了までに前記変動表示を停止し、前記図柄の組合せから構成される停止パターンを停止表示する図柄表示手段と、を備え、前記演出制御手段は、複数かつ同種の電子素子に接続され、複数の前記電子素子を制御する集積回路と、前記電子素子の制御に用いられる制御データを含んでいる制御信号を前記集積回路に入力する第一配線と、前記電子素子の制御タイミングの同期に用いられるクロック信号を前記集積回路に入力する第二配線と、を含んでおり、前記第一配線および前記第二配線にノイズ低減素子が設けられていることを特徴とする遊技機。
(6)前記複数かつ同種の電子素子は発光する発光素子であり、前記演出制御手段は、前記演出の少なくとも一部において前記発光素子を発光させる(5)に記載の遊技機。
(7)前記一の集積回路と前記他の集積回路とは異なる基板に実装されており、前記ノイズ低減素子は、前記一の集積回路が実装されている前記基板または前記他の集積回路が実装されている前記基板の少なくとも一方に設けられている(2)に記載の遊技機用電子回路。
【符号の説明】
【0145】
10 遊技機
12 前面扉
15 中央パネル
16 演出表示装置
18 視認窓
27 メダル投入口
28 MAXBETボタン
29 BETボタン
31 精算スイッチ
32 スタートレバー
33、33C、33L、33R ストップボタン
36 メダル排出口
37 下皿
38 ホッパー
39 メダルセレクター
40 リールユニット
42、42C、42L、42R リール
44 フレーム
46 ドラム
51、52、53、54、55、56 装飾ランプ
58 帯
61、62 スピーカ
70 メダル払出装置
80 電子素子
100 主制御基板
101 CPU
103 ROM
105 RAM
110 遊技管理部
120 内部抽選部
130 条件装置
140 メダル処理部
150 回動制御部
151 通常回動制御部
152 特別回動制御部
153 表示図柄判定部
160 特典付与部
170 指令生成部
180 報知制御部
200 演出制御基板
201、202 LED駆動集積回路(IC)
210 サブ中継基板
220 液晶制御基板
240 スピーカ部
250 電飾表示部
251a、251b、252、253、254、255、256 LED基板
320 BETボタンセンサ
322 MAXBETボタンセンサ
324 メダル通過センサ
326 始動操作センサ
328 ストップボタンセンサ
330 精算スイッチセンサ
370 メダル払出部
400、402、406、408 信号伝送線
511、512、513 リール駆動部
2511、2512 コネクタ
図1
図2
図3
図4
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図10