特許第6228570号(P6228570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228570
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】健康サービスシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20171030BHJP
【FI】
   G06Q50/22
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-101101(P2015-101101)
(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公開番号】特開2016-157410(P2016-157410A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年6月9日
(31)【優先権主張番号】特願2014-267220(P2014-267220)
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-51387(P2015-51387)
(32)【優先日】2015年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515014222
【氏名又は名称】H2bank株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 徹
【審査官】 佐藤 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−192050(JP,A)
【文献】 特開昭62−103764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子供与商品を販売する販売者が保有する販売用端末と、
電子供与商品を管理する管理者が保有する管理用端末と、
前記販売用端末と前記管理用端末との間で情報を送受信可能とする情報通信手段を備える健康サービスシステムであって、
前記販売用端末は、
利用者の個人情報データを入力する個人情報データ入力部と、
前記利用者が購入した電子供与商品に関する購入情報を入力する購入情報入力部と、
前記個人情報データ及び前記購入情報を前記管理用端末に送信する購入情報送信部と、
前記個人情報データ及び前記購入情報に基づいて前記管理用端末で蓄積され送信された前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を受信する利用情報受信部と、
該利用者情報受信部で受信した前記累積情報又は前記サービス情報を出力する利用情報出力部を有し、
前記管理用端末は、
全利用者の個人情報データを記憶する個人情報データ記憶部と、
前記販売用端末から送信された前記個人情報データ及び前記購入情報を受信する購入情報受信部と、
前記購入情報受信部で受信した前記購入情報に基づいて生体機能性分子関連情報を出力する関連情報出力部と、
前記購入情報受信部で受信した前記個人情報データ及び前記関連情報出力部から出力された前記生体機能性分子関連情報に基づいて前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶する利用者別情報蓄積部と、
前記利用者別情報蓄積部に記憶された前記累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を前記販売用端末に送信する利用情報送信部を有し、
前記関連情報出力部は、
電子供与商品別の生体機能性分子含有量又は生体機能性物質含有量に関する含有情報を記憶する商品別含有情報記憶部と、
生体機能性物質別の供与電子効率情報を記憶する物質別効率情報記憶部と、
前記購入情報入力部で入力された購入情報、前記含有情報及び前記供与電子効率情報に基づいて生体機能性分子関連情報を演算する演算部と、
演算された前記生体機能性分子関連情報を出力する演算結果出力部を備えている
ことを特徴とする健康サービスシステム。
【請求項2】
電子供与商品を販売する販売者が保有する販売用端末と、
電子供与商品を管理する管理者が保有する管理用端末と、
前記販売用端末と前記管理用端末との間で情報を送受信可能とする情報通信手段を備える健康サービスシステムであって、
前記販売用端末は、
利用者の個人情報データを入力する個人情報データ入力部と、
前記利用者が購入した電子供与商品に関する購入情報を入力する購入情報入力部と、
前記購入情報に基づいて生体機能性分子関連情報を出力する関連情報出力部と、
前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報を前記管理用端末に送信する関連情報送信部と、
前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報に基づいて前記管理用端末で蓄積され送信された前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を受信する利用情報受信部と、
該利用者情報受信部で受信した前記累積情報又は前記サービス情報を出力する利用情報出力部を有し、
前記管理用端末は、
全利用者の個人情報データを記憶する個人情報データ記憶部と、
前記販売用端末から送信された前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報を受信する関連情報受信部と、
前記関連情報受信部で受信した前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報に基づいて前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶する利用者別情報蓄積部と、
前記利用者別情報蓄積部に記憶された前記累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を前記販売用端末に送信する利用情報送信部を有し、
前記関連情報出力部は、
電子供与商品別の生体機能性分子含有量又は生体機能性物質含有量に関する含有情報を記憶する商品別含有情報記憶部と、
生体機能性物質別の供与電子効率情報を記憶する物質別効率情報記憶部と、
前記購入情報入力部で入力された購入情報、前記含有情報及び前記供与電子効率情報に基づいて生体機能性分子関連情報を演算する演算部と、
演算された前記生体機能性分子関連情報を出力する演算結果出力部を備えている
ことを特徴とする健康サービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人を含む生命体の健康に寄与する生体機能性分子(水素分子等)を、円滑かつ経済的に利用するための健康サービスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品を購入した顧客等に対して、その購入額に応じたポイントを加算するサービスシステムは広く普及しており、薬品等に関するポイントシステムも知られている。
例えば、特許文献1(特開2007−108849号公報)には、ジェネリック医薬品の普及を主目的として、購入した薬品が安価な薬品に該当する場合に、その用量や報酬点数に応じたポイントを使用実績として加算するポイントサービスシステムが記載されている(特に段落0015及び0016を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−108849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているポイントサービスシステムは、医薬品の用量や報酬点数に応じたポイントを加算してはいるが、ジェネリック医薬品の普及を主目的としており、利用者の健康に配慮したシステムではない。
そして、従来のポイントシステムでは生体機能性分子を含む商品(以下「電子供与商品」という。)に特有の問題により、適切な利用を実現することが困難であった。
そこで、電子供与商品に特有の問題について説明する。
水素分子をはじめとする生体機能性分子の多くは、生体内において還元力を有し、抗酸化力、すなわち電子供与体となり得る物質である。これらの生体機能性分子について、利用者が効能を考えるに当たり重要なのは、電子供与商品に実際に含まれる生体機能性分子の絶対量及び電子供与能力である。
しかし、これまでのポイントサービスシステムでは、電子供与商品に実際に含まれる生体機能性分子の絶対量及び電子供与能力は、電子供与商品の種類によってまちまちであるにもかかわらず、他の商品と同様に購入価格や購入数を基準にしたポイント加算が行われるにすぎなかった。
そのため、利用者は電子供与商品を購入しても、実際にどれだけの生体機能性分子を摂取できるのか分からず、購入した電子供与商品の種類や量が健康維持向上のために適切なものかどうかについて判断することは相当の知識を有していない限り難しかった。
本発明はこのような状況に鑑み、電子供与商品を購入する利用者の健康増進や医療負担軽減に資することのできる健康サービスシステムの提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明の健康サービスシステムは、
電子供与商品を販売する販売者が保有する販売用端末と、
電子供与商品を管理する管理者が保有する管理用端末と、
前記販売用端末と前記管理用端末との間で情報を送受信可能とする情報通信手段を備える健康サービスシステムであって、
前記販売用端末は、
利用者の個人情報データを入力する個人情報データ入力部と、
前記利用者が購入した電子供与商品に関する購入情報を入力する購入情報入力部と、
前記個人情報データ及び前記購入情報を前記管理用端末に送信する購入情報送信部と、
前記個人情報データ及び前記購入情報に基づいて前記管理用端末で蓄積され送信された前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を受信する利用情報受信部と、
該利用者情報受信部で受信した前記累積情報又は前記サービス情報を出力する利用情報出力部を有し、
前記管理用端末は、
全利用者の個人情報データを記憶する個人情報データ記憶部と、
前記販売用端末から送信された前記個人情報データ及び前記購入情報を受信する購入情報受信部と、
前記購入情報受信部で受信した前記購入情報に基づいて生体機能性分子関連情報を出力する関連情報出力部と、
前記購入情報受信部で受信した前記個人情報データ及び前記関連情報出力部から出力された前記生体機能性分子関連情報に基づいて前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶する利用者別情報蓄積部と、
前記利用者別情報蓄積部に記憶された前記累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を前記販売用端末に送信する利用情報送信部を有し、
前記関連情報出力部は、
電子供与商品別の生体機能性分子含有量又は生体機能性物質含有量に関する含有情報を記憶する商品別含有情報記憶部と、
生体機能性物質別の供与電子効率情報を記憶する物質別効率情報記憶部と、
前記購入情報入力部で入力された購入情報、前記含有情報及び前記供与電子効率情報に基づいて生体機能性分子関連情報を演算する演算部と、
演算された前記生体機能性分子関連情報を出力する演算結果出力部を備えていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明の健康サービスシステムは、
電子供与商品を販売する販売者が保有する販売用端末と、
電子供与商品を管理する管理者が保有する管理用端末と、
前記販売用端末と前記管理用端末との間で情報を送受信可能とする情報通信手段を備える健康サービスシステムであって、
前記販売用端末は、
利用者の個人情報データを入力する個人情報データ入力部と、
前記利用者が購入した電子供与商品に関する購入情報を入力する購入情報入力部と、
前記購入情報に基づいて生体機能性分子関連情報を出力する関連情報出力部と、
前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報を前記管理用端末に送信する関連情報送信部と、
前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報に基づいて前記管理用端末で蓄積され送信された前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を受信する利用情報受信部と、
該利用者情報受信部で受信した前記累積情報又は前記サービス情報を出力する利用情報出力部を有し、
前記管理用端末は、
全利用者の個人情報データを記憶する個人情報データ記憶部と、
前記販売用端末から送信された前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報を受信する関連情報受信部と、
前記関連情報受信部で受信した前記個人情報データ及び前記生体機能性分子関連情報に基づいて前記利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶する利用者別情報蓄積部と、
前記利用者別情報蓄積部に記憶された前記累積情報又は該累積情報に基づくサービス情報を前記販売用端末に送信する利用情報送信部を有し、
前記関連情報出力部は、
電子供与商品別の生体機能性分子含有量又は生体機能性物質含有量に関する含有情報を記憶する商品別含有情報記憶部と、
生体機能性物質別の供与電子効率情報を記憶する物質別効率情報記憶部と、
前記購入情報入力部で入力された購入情報、前記含有情報及び前記供与電子効率情報に基づいて生体機能性分子関連情報を演算する演算部と、
演算された前記生体機能性分子関連情報を出力する演算結果出力部を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1又は2に係る発明の健康サービスシステムによれば、電子供与商品を購入した利用者に対して、購入した電子供与商品に関する生体機能性分子関連情報及びその利用者がこれまでに購入した電子供与商品に関する生体機能性分子関連情報の累積情報若しくはその累積情報に基づくサービス情報を出力して知らせることができる。
そのため、利用者にとって把握しにくい電子供与商品に実際に含まれる生体機能性分子の絶対量及び摂取量を把握することができ、その絶対量及び摂取量から利用者の健康状態を推定して調剤に反映させたり、電子供与商品を継続購入する場合には値引きや割引を行う等のサービスを提供したりすることができるので、電子供与商品を購入する利用者の健康増進や医療負担軽減を支援することができる。
また、関連情報出力部が、電子供与商品別の生体機能性分子含有量又は生体機能性物質含有量に関する含有情報を記憶する商品別含有情報記憶部と、生体機能性物質別の供与電子効率情報を記憶する物質別効率情報記憶部と、購入情報入力部で入力された購入情報、含有情報及び供与電子効率情報に基づいて生体機能性分子関連情報を演算する演算部と、演算された生体機能性分子関連情報を出力する演算結果出力部を備えているので、生体機能性分子関連情報をすばやく演算することができ、利用者に対して迅速に購入した電子供与商品について、含有情報及び供与電子効率情報に基づいた生体機能性分子関連情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】健康サービスシステムの概念図。
図2】実施例1における販売用端末の構成を示す図。
図3】実施例1における管理用端末の構成を示す図。
図4】実施例1の関連情報出力部の構成を示す図。
図5】物質別効率情報記憶部に記憶されている情報の一例を示す図。
図6】電子マネーカードの表示例を示す図。
図7】実施例2における販売用端末の構成を示す図。
図8】実施例2における管理用端末の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に係る健康サービスシステムの概念図である。
電子供与商品販売者は、インターネット回線に接続されている販売用端末1又は21を保有し、電子供与商品管理者は、同じくインターネット回線に接続されている管理用端末2又は22を保有するとともに、販売用端末1又は21には電子供与商品管理者が開発し提供した販売用アプリケーションソフトウェアがインストールされ、管理用端末2又は22には電子供与商品管理者が開発した管理用アプリケーションソフトウェアがインストールされている。
そして、販売用端末1又は21と管理用端末2又は22は、インターネット回線を利用した情報通信手段3を介して相互に各種の情報が送受信可能となっている。
また、電子供与商品販売者が販売する電子供与商品を購入する利用者には、その利用者の希望に基づいて個人情報データ(具体的には会員番号)を記録してある登録カードが発行されており、登録カードの発行時点で販売用端末1又は21から個人情報データと利用者の氏名(必要に応じて、住所、性別、年齢等)が入力され、販売用端末1又は21及び管理用端末2又は22に記憶されている。
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0014】
図2は実施例1における販売用端末1の構成を示す図である。
販売用端末1としては、インターネット回線に接続されているパーソナルコンピュータ又はタブレット端末とプリンタ又は記録媒体書込装置が用いられ、必要に応じて登録カードから個人情報データを読み取るカードリーダーや商品につけられているバーコード等を読み取るバーコードリーダーを追加しても良い。
販売用端末1は、各種の情報を入力するための販売用入力部4(具体的にはキーボードやタッチパネル)、各種の情報を表示するための販売用表示部5(具体的には液晶ディスプレイ)、個人情報データを入力するための個人情報データ入力部6(具体的にはキーボードやカードリーダー)、利用者が購入した商品に関する購入情報を入力する購入情報入力部7(具体的にはキーボードやバーコードリーダー)、入力された個人情報データ及び購入情報を管理用端末2に送信する購入情報送信部8(具体的にはモデム)、管理用端末2から送信された利用者についての各種情報を受信する利用情報受信部9(具体的にはモデム)、利用者についての各種情報を適宜の媒体に出力する利用情報出力部10(具体的にはプリンタ)及び端末全体を制御するためCPUやメモリを備えている。
【0015】
図3は実施例1における管理用端末2の構成を示す図である。
管理用端末2は、インターネット回線に接続されているサーバーコンピュータ、パーソナルコンピュータ又はタブレット端末が用いられ、必要に応じてプリンタや記録媒体書込装置等を追加しても良い。
管理用端末2は、各種の情報を入力するための管理用入力部11(具体的にはキーボードやタッチパネル)、各種の情報を表示するための管理用表示部12(具体的には液晶ディスプレイ)、登録されている利用者の個人情報データを記憶するための個人情報データ記憶部13(具体的にはRAM)、販売用端末1から送信された個人情報データ及び購入情報を受信する購入情報受信部14(具体的にはモデム)、購入情報受信部14で受信した購入情報に基づいて生体機能性分子関連情報を出力する関連情報出力部15(具体的にはROM等)、購入情報受信部14で受信した個人情報データ及び関連情報出力部15から出力された生体機能性分子関連情報に基づいて利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶する利用者別情報蓄積部16(具体的にはRAM)、利用者別情報蓄積部16に記憶された累積情報又はその累積情報に基づくサービス情報を販売用端末1に送信する利用情報送信部17(具体的にはモデム)及び端末全体を制御するためCPUやメモリを備えている。
【0016】
関連情報出力部15は、図4に示すように電子供与商品別の生体機能性物質含有量に関する含有情報を記憶する商品別含有情報記憶部18、生体機能性物質別の供与電子効率情報を記憶する物質別効率情報記憶部19及び演算部20を備えており、購入情報受信部14で購入情報を受信すると、演算部20は購入した商品に含まれている生体機能性物質含有量を商品別含有情報記憶部18から取得し、さらに購入した商品に含まれている生体機能性物質の供与電子効率情報を取得して、利用者が購入した生体機能性分子関連情報を演算して出力する。
【0017】
図5は、物質別効率情報記憶部19に記憶されている生体機能性物質別の分子量、電子供与可能数、符号、供与電子効率A(電子供与可能数÷分子量)、供与電子効率B及び総合供与電子効率A×Bの一例を示すものであり、演算部20は、これらの情報、商品別含有情報記憶部18から得た含有情報及び購入情報に基づいて、利用者が購入した商品の生体機能性分子関連情報を演算して出力することとなる。
なお、供与電子効率Bは、生体機能性物質が親水性、疎水性、両親媒性のいずれかによって決まる倍率を示すものであり、図5においては、親水性又は疎水性の物質については細胞内に取り込まれ難いことを考慮して1倍としてあり、両親媒性の物質については細胞内に取り込まれ易いことを考慮して100倍としてある。
生体機能性分子関連情報の演算及び出力の方法の一例は次のとおりである。
(1)符号が「+」の場合(購入した商品が水素の場合)
購入した商品の生体機能性物質の含有量に供与電子効率Aの数値及び供与電子効率Bの倍率を掛け、得られた数値を出力。(水素を摂取すると、生命体に必ず還元物質として取り込まれ、かつ、水素は両親媒性であるため。)
(2)符号が「±」の場合(購入した商品がアスコルビン酸又は補酵素Q10の場合)
購入した商品の生体機能性物質の含有量に供与電子効率Aの数値及び供与電子効率Bの倍率を掛け、得られた数値及びその正負を逆にした数値を出力。(アスコルビン酸や補酵素Q10を摂取すると、生命体に還元物質として取り込まれる場合と酸化物質として取り込まれる場合と還元物質として取り込まれた後に酸化物質に変化する場合があり、かつ、アスコルビン酸は親水性、補酵素Q10は疎水性であるため。)
(3)符号が「<」の場合(購入した商品がアスタキサンチンの場合)
購入した商品の生体機能性物質の含有量に供与電子効率Aの下限値を掛けて得られた数値及び同含有量に供与電子効率Aの上限値及び供与電子効率Bの倍率を掛けて得られた数値を出力。(アスタキサンチンを摂取すると、生命体に還元物質として取り込まれる量が時と場合によって変化し、かつ、アスタキサンチンは両親媒性であるため。)
【0018】
上記(2)又は(3)のように正負の数値出力又は下限値と上限値の数値出力があった場合、利用者別情報蓄積部16には両方の数値を記憶し、累積値には最小値と最大値を記憶する。
ただし、累積値が減少したり累積値として2つの値が表示されて利用者が混乱したりするのを避けるため、正負の数値出力があった場合には正の数値のみを加算し、下限値と上限値の数値出力があった場合には上限値又は平均値の数値のみを加算して、累積値が1つの値になるようにしても良い。
いずれにしても、両親媒性の水素又はアスタキサンチンを摂取することにより、大きな生体機能性分子関連情報を得ることができるので、細胞内に多くの還元物質取り込むためにはどうしたら良いかを利用者に知らせることができる。
なお、上記(1)〜(3)においては、いずれの場合も供与電子効率Aの数値及び供与電子効率Bの倍率を掛けているので、図5の最も右側の欄に示すように、供与電子効率Aの数値及び供与電子効率Bの倍率に代えて、これらの数値を掛け合わせた総合供与電子効率A×Bを物質別効率情報記憶部19に記憶しておき、その数値を用いて利用者が購入した商品の生体機能性分子関連情報を演算しても良い。
【0019】
次に、実施例1において、登録カードを持っている利用者が電子供与商品販売者から電子供与商品を含む商品を購入した場合に行われる作業や手続の流れについて、順を追って説明する。
なお、未登録の利用者に対しては、電子供与商品販売者又はその使用者が、電子供与商品を含む商品購入の際に利用者の希望を聞き、希望する場合には登録カード発行手続きを行う。
(1)利用者が電子供与商品販売者の店舗において電子供与商品を含む商品を選択し、精算を依頼するとともに登録カードを提示する。
(2)電子供与商品販売者又はその使用者は、個人情報データ入力部6により個人情報データを入力し、購入情報入力部7により利用者が選択した商品に関する購入情報を入力する。(具体的には登録カードに記録されている個人情報データをカードリーダーで読み取り、商品に付けられているバーコードをバーコードリーダー読み取る。)
(3)個人情報データの入力及び利用者が選択した商品に関する購入情報の入力に伴い、販売用端末1は、入力された個人情報データ及び購入情報を購入情報送信部8により管理用端末2に送信する。そして、全ての購入情報を入力したら入力終了情報を管理用端末2に送信する。
(4)販売用端末1から個人情報データ及び購入情報の送信を受けた管理用端末2は、関連情報出力部15により利用者が購入した生体機能性分子関連情報を演算して出力し、入力終了情報の送信を受けたら、その利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を利用者別情報蓄積部16に記憶し、最新の累積情報に基づくサービス情報を出力する。
そして、購入情報等を送信してきた販売用端末1に対して、その利用者についての最新の生体機能性分子関連情報の累積情報及び最新の累積情報に基づくサービス情報を送信する。
(5)管理用端末2から最新の生体機能性分子関連情報の累積情報及び最新の累積情報に基づくサービス情報を受信した販売用端末1は、購入商品額を算出して表示するとともに、利用情報出力部10により、図6に示すように、個人情報データ(会員番号)、利用者の氏名(お名前)、生体機能性分子関連情報の累積情報(合計電子摂取量)及び最新の累積情報に基づくサービス情報(電子マネー残高)を表示したカード(電子マネーカード)をプリントする。
なお、プリントに代えて登録カードへの情報の書き込みや表示を行っても良い。
(6)プリントが終了したら、電子供与商品販売者又はその使用者は、精算を行うとともにプリントされた電子マネーカードと登録カードを利用者に渡す。
【実施例2】
【0020】
図7は実施例2における販売用端末21の構成を示す図である。
販売用端末21も用いられる装置は実施例1の販売用端末1と同様、インターネット回線に接続されているパーソナルコンピュータ等とプリンタ等、必要に応じてカードリーダーやバーコードリーダーである。
販売用端末21は、各種の情報を入力するための販売用入力部23(具体的にはキーボードやタッチパネル)、各種の情報を表示するための販売用表示部24(具体的には液晶ディスプレイ)、個人情報データを入力するための個人情報データ入力部25(具体的にはキーボードやカードリーダー)、利用者が購入した商品に関する購入情報を入力する購入情報入力部26(具体的にはキーボードやバーコードリーダー)、入力された購入情報に基づいて生体機能性分子関連情報を出力する関連情報出力部27(具体的にはROM等)、入力された個人情報データ及び出力された生体機能性分子関連情報を管理用端末22に送信する関連情報送信部28(具体的にはモデム)、管理用端末22から送信された利用者についての各種情報を受信する利用情報受信部29(具体的にはモデム)、利用者についての各種情報を適宜の媒体に出力する利用情報出力部30(具体的にはプリンタ)及び端末全体を制御するためCPUやメモリを備えている。
【0021】
図8は実施例2における管理用端末22の構成を示す図である。
管理用端末22も実施例1の管理用端末2と同様に、インターネット回線に接続されているサーバーコンピュータ、パーソナルコンピュータ又はタブレット端末が用いられ、必要に応じてプリンタや記録媒体書込装置等を追加しても良い。
管理用端末22は、各種の情報を入力するための管理用入力部31(具体的にはキーボードやタッチパネル)、各種の情報を表示するための管理用表示部32(具体的には液晶ディスプレイ)、登録されている利用者の個人情報データを記憶するための個人情報データ記憶部33(具体的にはRAM)、販売用端末21から送信された個人情報データ及び生体機能性分子関連情報を受信する関連情報受信部34(具体的にはモデム)、関連情報受信部34で受信した個人情報データ及び生体機能性分子関連情報に基づいて利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶する利用者別情報蓄積部35(具体的にはRAM)、利用者別情報蓄積部35に記憶された累積情報又はその累積情報に基づくサービス情報を販売用端末1に送信する利用情報送信部36(具体的にはモデム)及び端末全体を制御するためCPUやメモリを備えている。
【0022】
関連情報出力部27、物質別効率情報記憶部については、実施例1の関連情報出力部15、物質別効率情報記憶部19と同じなので説明は省略するが、実施例2においては関連情報出力部27や物質別効率情報記憶部を販売用端末21に備えているので、管理用端末22の負荷が軽くなり、販売用端末21と管理用端末22間の通信が途切れた場合でも、少なくとも購入した商品に関する生体機能性分子関連情報は、利用者に対して提示することができる。
【0023】
次に、実施例2において、登録カードを持っている利用者が電子供与商品販売者から電子供与商品を含む商品を購入した場合に行われる作業や手続の流れについて、順を追って説明する。
(1)利用者が電子供与商品販売者の店舗において電子供与商品を含む商品を選択し、精算を依頼するとともに登録カードを提示する。
(2)電子供与商品販売者又はその使用者は、個人情報データ入力部25により個人情報データを入力し、購入情報入力部26により利用者が選択した商品に関する購入情報を入力する。(具体的には登録カードに記録されている個人情報データをカードリーダーで読み取り、商品に付けられているバーコードをバーコードリーダー読み取る。)
(3)個人情報データの入力及び利用者が選択した商品に関する購入情報の入力に伴い、販売用端末21は、関連情報出力部27により利用者が購入した生体機能性分子関連情報を演算して出力し、入力された個人情報データ及び出力された生体機能性分子関連情報を関連情報送信部28により管理用端末22に送信する。そして、全ての購入情報を入力したら入力終了情報を管理用端末22に送信する。
(4)販売用端末21から個人情報データ及び生体機能性分子関連情報の送信を受けた管理用端末22は、入力終了情報の送信を受けたら、その利用者についての生体機能性分子関連情報の累積情報を利用者別情報蓄積部35に記憶し、最新の累積情報に基づくサービス情報を出力する。
そして、購入情報等を送信してきた販売用端末21に対して、その利用者についての最新の生体機能性分子関連情報の累積情報及び最新の累積情報に基づくサービス情報を送信する。
(5)管理用端末22から最新の生体機能性分子関連情報の累積情報及び最新の累積情報に基づくサービス情報を受信した販売用端末21は、購入商品額を算出して表示するとともに、利用情報出力部30により、図6に示すように、個人情報データ(会員番号)、利用者の氏名(お名前)、生体機能性分子関連情報の累積情報(合計電子摂取量)及び最新の累積情報に基づくサービス情報(電子マネー残高)を表示したカード(電子マネーカード)をプリントする。
なお、プリントに代えて登録カードへの情報の書き込みや表示を行っても良い。
(6)プリントが終了したら、電子供与商品販売者又はその使用者は、精算を行うとともにプリントされた電子マネーカードと登録カードを利用者に渡す。
【0024】
登録カードを持っている利用者が、例えば30日間を通して1.6ppm程度あるいはそれ以上のH2ガスを溶解した水素水を一日1000ml購入し摂取した場合、水素分子の総量は少なくとも約50mg程度以上となり、水素分子1mgを電子マネーとして1ポイント(1e)と設定すると、利用者に付与される電子マネーは1か月に50ポイント(50e)となる。この50eは50mmolの電子を摂取したことを意味することになる。
すなわち、利用者が得たポイントは、摂取した水素分子の質量を示すと同時に、水素分子摂取によって供与され得る電子総数のmmolも示すこととなるので、ポイントを多く獲得すれば多くの電子を摂取することとなり、利用者に科学的な知識がなくても電子の摂取に伴って現れる、肩こりが取れる、顔色が良くなる、素早く歩けるようになる、血圧が適正化する、冷え症がなくなり四肢の血流が改善する等の健康増進効果を自覚できることとなる。
そして、健康増進効果を自覚できた利用者は、さらなる健康増進効果を期待してポイントの獲得つまりは生体機能性分子の摂取に積極的となり、生活習慣もより適正化することとなるので、例えば消炎鎮痛剤の使用量を減らすことができ、結果的に調剤費用を抑えることにもつながる。
また、利用者が獲得したポイントは、電子供与商品を含む商品の購入に対する割引のみならず、他の商品や各種保険商品に対する割引にも利用可能である。
特に、多くのポイントを得ている利用者は健康である可能性が高くなることから、利用者の健康と直接関係する生命保険や入院保険の掛け金の減額又は還付金の増額を獲得ポイント数やポイント獲得期間に応じて累進的に行う等のサービスを提供することにより、登録カードを持つインセンティブを増し、生体機能性分子の積極的な摂取、利用者の健康増進、保険負担及び医療負担の軽減という好循環を実現できる。
【0025】
実施例1及び2の健康サービスシステムに関する変形例を列記する。
(1)実施例1及び2においては、商品別含有情報記憶部18は、電子供与商品別の生体機能性物質含有量に関する含有情報を記憶したが、電子供与商品別の生体機能性分子含有量に関する含有情報を記憶するものでも良い。
そうした場合、物質別効率情報記憶部19を電子供与商品別の供与電子効率Cを記憶する電子供与商品効率情報記憶部に代え、購入した商品の生体機能性分子含有量にその供与電子効率Cを掛け、得られた数値を出力することとなる。
なお、供与電子効率Cは電子供与商品に含まれる生体機能性物質が一つならば、図5に示したその物質についての供与電子効率Bの倍率となり、複数であれば図5に示した各物質の供与電子効率Bにそれぞれの含有量を考慮して求めた倍率となる。
(2)実施例1及び2においては、管理用端末2及び22は、生体機能性分子関連情報の累積情報及び累積情報に基づくサービス情報を送信し、販売用端末1及び21は、生体機能性分子関連情報の累積情報及びサービス情報を表示したカードをプリントしたが、いずれか一方の情報を送信し、プリントしても良い。
また、図6では累積情報として合計電子摂取量を供与電子数で表示したが、水素分子の摂取質量(g)で表示しても良い。
(3)実施例1及び2においては、販売用端末1、21及び管理用端末2、22は、インターネット回線に接続され、両端末間で各種の情報が送受信可能となっているが、インターネット回線に限らず、適宜の無線通信回線は有線通信回線によって情報を送受信できれば、どのような情報通信手段を用いても良い。
(4)実施例1及び2の利用者別情報蓄積部16、35には、生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶するものとしたが、過去に提供したサービスや利用されたサービスについての情報を蓄積記憶できるようにしても良い。
また、従来の購入額に応じたポイントを加算するサービスシステムで蓄積されている購入商品についての各種情報(商品名称、購入額、獲得ポイント等)を蓄積記憶し、生体機能性分子関連情報の累積情報とは区別して利用者に提示できるようにしても良い。
そうした場合、利用者別情報蓄積部16、35には、生体機能性分子関連情報の累積情報を記憶する領域と、購入商品についての各種情報を蓄積記憶する領域を設け、利用情報送信部17、36は、それぞれの領域からの情報を区別して販売用端末1、21に送信できるようにする必要がある。
さらに、そうした場合、電子供与商品に対して購入額に応じたポイントを加算するか否かについて、電子供与商品を管理する管理者又は販売する販売者が自由に設定できるようにしても良い。
(5)実施例1及び2においては、電子供与商品販売者の店舗において利用者が商品を購入する場合について説明したが、バーチャル店舗であっても良い。
そうした場合、利用者の操作する利用者端末において、個人情報データを入力するとともに、購入する商品を選択することとなる。そして、利用者端末から個人情報データ及び利用者が選択した商品に関する購入情報が販売用端末1、21に送信され、それぞれ個人情報データ入力部6、25及び購入情報入力部7、26に入力され、利用情報出力部10、30は、プリントや登録カードへの情報書込等に代えて、利用者端末へ生体機能性分子関連情報の累積情報及び最新の累積情報に基づくサービス情報を送信するものとなる。
(6)生体機能性分子関連情報の演算及び出力の方法は、符号が「+」、「±」及び「<」のいずれであるかに応じてそれぞれ異なる方法としたが、符号を記憶せずアスタキサンチンのように電子供与可能数に範囲がある場合には平均値を記憶して、購入した商品の生体機能性物質の含有量に供与電子効率Aの数値及び供与電子効率Bの倍率を掛けて得られた数値だけが出力されるようにしても良い。
(7)実施例1、2及び上記変形例(6)における生体機能性分子関連情報の演算では、購入した商品の生体機能性物質の含有量に供与電子効率Aの数値及び供与電子効率Bの倍率を掛けたが、供与電子効率Bの倍率を記憶せず、購入した商品の生体機能性物質の含有量に供与電子効率Aの数値のみを掛けるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明により、H2などの生体機能性分子を摂取あるいは購入することによって得られる生体機能性分子関連情報を電子摂取量や電子マネー等として利用者が認識でき、健康維持向上への意欲と努力、そして認識、さらには疾病予防へと導くことができるので、社会的な貢献を期待できる。
中でも、今後の人類の健康に欠かせない医療ガスである水素分子を、より広く利用できるようにしているので、医療、産業上の利用価値は計り知れない。
【符号の説明】
【0027】
1、21 販売用端末 2、22 管理用端末
3 情報通信手段 4、23 販売用入力部
5、24 販売用表示部 6、25 個人情報データ入力部
7、26 購入情報入力部 8 購入情報送信部
9、29 利用情報受信部 10、30 利用情報出力部
11、31 管理用入力部 12、32 管理用表示部
13、33 個人情報データ記憶部 14 購入情報受信部
15、27 関連情報出力部 16、35 利用者別情報蓄積部
17、36 利用情報送信部 18 商品別含有情報記憶部
19 物質別効率情報記憶部 20 演算部
28 関連情報送信部 34 関連情報受信部
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8