(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プラグ(74)が、前記電気機械デバイス(40)と前記双方向DC−AC電圧インバータ(14)とを介して前記充電バス(16)に接続される、請求項2記載の電気車
両。
前記プラグ(74)が、前記電気機械デバイス(40)の複数の巻線と前記双方向DC−AC電圧インバータ(14)とを介して前記充電バス(16)に接続される、請求項3記載の電気車両。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド電気自動車は、自動車を推進するのに、内燃エンジンと主電池などのエネルギー蓄積デバイスによって電力が供給されるモータとを組み合わせることができる。そのような組合せは、内燃機関およびモータがそれぞれ、効率の高いそれぞれの範囲内で動作するのを可能にすることにより、全体の燃料効率を向上することができる。例えば、モータは、スタンディングスタートからの加速時に効率的であり、一方、内燃機関は、ハイウェイ運転中など一定のエンジン運転の持続時間を通じて効率的であり得る。モータに初期加速を後押しさせると、ハイブリッド車両内の内燃機関を、より小さくより低燃費にすることが可能になる。
【0003】
純粋な電気自動車は、モータに電力を供給するのに蓄積された電気エネルギーを用い、これが自動車を推進し、補助駆動装置を作動させることもできる。純粋な電気自動車は、1つまたは複数の蓄積電気エネルギー源を使用することができる。例えば、第1の蓄積電気エネルギー源は、より長続きするエネルギーを供給するのに使用することができ、一方、第2の蓄積電気エネルギー源は、例えば加速用といった、より高出力のエネルギーを供給するのに使用することができる。
【0004】
ハイブリッド電気式であれ純粋な電気式であれ、プラグイン電気自動車は、主電池を再充電するのに外部電源からの電気エネルギーを用いるように構成される。そのような自動車には、例として、オンロード車およびオフロード車、ゴルフカート、近距離電気自動車、フォークリフト、および小型トラックが含まれ得る。これらの自動車は、電力系統または再生可能エネルギー源から自動車の車載主電池へ電気エネルギーを伝達するのに、非車載の据置き型電池充電器または車載の電池充電器のいずれかを使用することができる。プラグイン自動車は、例えば、電力系統または他の外部電源からの主電池の充電を容易にするために、回路および接続を含むことができる。しかし、この電池充電回路は、ブーストコンバータ、高周波フィルタ、チョッパ、コイル、および車載の蓄電デバイスと外部電源との間のエネルギー伝達専用の他の電気部品など、専用構成要素を含むことがある。付加的な専用構成要素によって、自動車に追加費用および重量が加わる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態によるトラクションシステム10の概略図である。トラクションシステム10は、第1のエネルギー蓄積デバイス12を含む。一実施形態では、第1のエネルギー蓄積デバイス12は高電圧エネルギー蓄積デバイスであり、電池、フライホイールシステム、燃料電池、ウルトラキャパシタなどでよい。第1のエネルギー蓄積デバイス12は、DCバス16を介して双方向電圧修正アセンブリ14に結合される。一実施形態では、双方向電圧修正アセンブリ14は、双方向DC−AC電圧インバータである。双方向DC−AC電圧インバータ14は、組み合わせられて3つの相30、32および34を形成する6つの半位相モジュール18、20、22、24、26、および28を含む。各相30、32、34は、DCバス16の1対の導体36、38に結合される。電気機械デバイスすなわちモータ40は、双方向DC−AC電圧インバータ14に結合される。一実施形態では、電気機械デバイス40は、自動車(図示せず)、またはクレーン、エレベータ、もしくは昇降機を含む他の電気装置の、1つまたは複数の駆動輪または車軸42に機械的に結合されたトラクションモータである。電気機械デバイス40は、双方向DC−AC電圧インバータ14のそれぞれの相30、32、34に結合された複数の導体50を有する複数の巻線44、46、および48を含む。巻線44〜48は、ともに結合されてノード54を形成する複数の導体52も有する。
【0014】
トラクションシステム10は、ライン58を介して半位相モジュール18〜28に結合されたコントローラ56を含む。コントローラ56は、半位相モジュール18〜28を適切に制御することにより双方向DC−AC電圧インバータ14を制御して、DCバス16上のDC電圧またはDC電流を、導体50を介して巻線44〜48に供給するためのAC電圧またはAC電流に変換するように構成される。したがって、第1のエネルギー蓄積デバイス12からのDC電圧またはDC電流は、AC電圧またはAC電流に変換され、モータ40に配送されて車輪42を駆動する。他の非自動車推進システムでは、駆動輪42は、ポンプ、ファン、ウィンチ、クレーンまたは他のモータ駆動負荷を含む別のタイプの負荷(図示せず)でよい。回生制動モードでは、電気機械デバイス40は発電機として動作し、車輪42にブレーキをかけ、かつ第1のエネルギー蓄積デバイス12を再充電するのに適切な、DCバス16へのDC電圧またはDC電流に転換するための、双方向DC−AC電圧インバータ14へのAC電圧またはAC電流を供給することができる。
【0015】
トラクションシステム10を組み込んだ自動車または装置が、止めておかれる、または使用されないとき、エネルギー蓄積デバイス12を回復または再充電するために、自動車を例えば電力系統または再生可能エネルギー源に接続するのが望ましいことがある。したがって、
図1は、トラクションシステム10の構成要素が、エネルギー蓄積デバイス12を再充電し、かつエネルギー蓄積デバイス12からのエネルギーを負荷の駆動または自動車の推進に利用可能なエネルギーに変換する、といった2つの目的に使用され得るように、エネルギー蓄積デバイス12を充電するためのトラクションシステム10に結合された充電システム60を含む本発明の一実施形態を示す。
【0016】
充電システム60は、整流器66および接点70、72を有するレセプタクルまたはプラグの68に結合された複数の導体64を有する外部の高インピーダンス電圧源62を含む。外部の高インピーダンス電圧源62は、3相を有する多相ユーティリティシステムとして
図1〜
図3に示されているが、外部の高インピーダンス多相電源は、代わりに、1つ、2つ、6つ、または任意の他の数の相を有することができるように企図されている。プラグ68は、接点76、78を有するトラクションシステム10のプラグ74と対合するように構成されている。高インピーダンス電圧源62は、第2の巻線80を含む。以下で
図3に示されるように、電源62は、電力系統などの電源に結合することができる
図1に示されていない1次巻線も含むことを理解されたい。プラグ74はノード54に結合され、モータ40の各巻線44〜48は、高インピーダンス電圧源62によって供給される充電エネルギーをフィルタリングする。
【0017】
再充電動作では、電流などの充電エネルギーは、再充電動作の第1ステージの間中、高インピーダンス電圧源62から、整流器66、巻線44〜48、それぞれの半位相モジュール18、22、26のダイオード82、84、86を通って充電バス16へ流れる。充電バス16からの充電エネルギーは第1のエネルギー蓄積デバイス12に流れ込み、エネルギー蓄積デバイス12は、一実施形態では、高インピーダンス電圧源62の瞬時送出能力より大きな瞬時受入れ能力を有する。充電エネルギーは、少なくとも高インピーダンス電圧源62のインピーダンスによって制限される。ダイオード82〜86の定格は、高インピーダンス電圧源62からの電流が、第1ステージの間中、第1のエネルギー蓄積デバイス12に直接流れ込むことができるように設定される。この実施形態では、それぞれの半位相モジュール20、24、28のダイオード88、90、92は、第1のエネルギー蓄積デバイス12から充電バス16に充電エネルギーを直接供給するようには構成されない。したがって、ダイオード88〜92の定格電流は、ダイオード82〜86のものより小さくてよく、したがって、トラクションシステム10のコスト低減を可能にすることができる。
【0018】
再充電動作に戻って、コントローラ56は、第1ステージの間中、第1のエネルギー蓄積デバイス12に供給された充電エネルギーを監視するようにプログラムまたは構成される。一実施形態では、第1ステージの間中、充電エネルギーの電流が、ダイオード82〜86を除くと双方向DC−AC電圧インバータ14の構成要素の定格電流より大きいので、充電エネルギーは、第1ステージの間中、ダイオード82〜86のみを通って流れる。第1のエネルギー蓄積デバイス12内の電圧上昇につれて、充電電流は漸減する。コントローラ56は、電流センサ94を介して充電エネルギーの電流を監視するように構成される。検知電流が、巻腺48とダイオード86との間を流れるように示されているが、充電エネルギー電源からの電流を検知することができるように、電流センサ94がトラクションシステム10のどこにでも配置され得るように企図されている。
【0019】
コントローラ56は、監視された充電エネルギー電流を所定の閾値と比較する。一実施形態では、閾値は、双方向DC−AC電圧インバータ14のすべての構成要素の定格電流の範囲内に入る充電エネルギー電流の値である。閾値は、第1のエネルギー蓄積デバイス12の設計および温度に基づくものでもあり得る。ひとたびコントローラ56が、閾値が横切られたのを検出すると、コントローラ56は、再充電動作の第2ステージの間の双方向DC−AC電圧インバータ14の能動制御を開始する。このように、第1ステージの間中、第1のエネルギー蓄積デバイス12を再充電することにより、主として高インピーダンス電圧源62のインピーダンスによって制限される迅速な充電が可能になる。第2ステージの間中、双方向電圧修正アセンブリ14の構成要素によって充電が制御される。
【0020】
第2ステージの間中、第1のエネルギー蓄積デバイス12が、高インピーダンス電圧源62によってブーストなしで直接再充電することにより可能な電圧より大きな電圧へ再充電され得るように、コントローラ56は、半位相モジュール18〜28を、それらに供給される充電エネルギーの電流および/または電圧をブーストするように制御する。それぞれの対の半位相モジュール18と20、22と24、26と28は、モータ40内の高周波のトルクリップルを低減または除去するように同相で動作する個々のブーストコンバータを形成する。さらに、巻線44〜48は、ブースト動作の間中、ブーストインダクタとして働く。
【0021】
コントローラ56は、電圧センサ96を介して第1のエネルギー蓄積デバイス12の電圧を検知し、第1のエネルギー蓄積デバイス12の電圧が指定レベルを超過しないように第1のエネルギー蓄積デバイス12の充電を調整する。充電の最後の間近で、再充電電流が低レベルへ漸減するのに従って、コントローラ56は、DCバス16上の再充電電圧の「フロート電圧」への調整も行う。
【0022】
図2は、本発明の別の実施形態によるトラクションシステム98の概略図を示す。トラクションシステム10および98に共通の要素および構成要素は、必要に応じて同じ符号に関連して論じられることになる。
図3もまた、同じ符号に関連して共通構成要素について論じることになる。トラクションシステム98は、トラクションシステム10と共通の構成要素に加えて、駆動輪42に電力を供給するようにDCバス16に結合された第2のエネルギー蓄積デバイス100を含む。一実施形態では、第2のエネルギー蓄積デバイス100は低電圧エネルギー蓄積デバイスであり、電池、燃料電池、ウルトラキャパシタなどでよい。第1のエネルギー蓄積デバイス12は、例えば自動車の加速期間を通じて電力を供給するために、第2のエネルギー蓄積デバイス100より高い電力を供給するように構成することができる。第2のエネルギー蓄積デバイス100は、自動車の走行距離を増すために、第1のエネルギー蓄積デバイス12より高いエネルギーを供給して自動車により長持ちする電力を供給するように構成することができる。
【0023】
複数の双方向DC−DC電圧コンバータ102、104、106が第2のエネルギー蓄積デバイス100およびDCバス16に結合され、これらはDC電圧を別のDC電圧に変換するように構成される。各双方向DC−DC電圧コンバータ102〜106は、1対のスイッチ110、112および1対のダイオード114、116に結合されたコイル108を含む。各スイッチ110、112が、それぞれダイオード114、116に結合され、各スイッチ/ダイオード対が、それぞれ半位相モジュール118、120を形成する。説明の目的のために、スイッチ110、112は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)として示されている。しかし、本発明の諸実施形態はIGBTに限定されない。例えば金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、および金属酸化物半導体制御サイリスタ(MCT)などの任意の適切な電子スイッチも使用することができる。
【0024】
コントローラ56は、ライン58を介して双方向DC−DC電圧のコンバータ102〜106に結合され、第2のエネルギー蓄積デバイス100を介して供給されたエネルギーは、DCバス16に高電圧を供給するために、双方向DC−DC電圧コンバータ102〜106のスイッチ110、112を制御することによりブーストされる。第2のエネルギー蓄積デバイス100を介してDCバス16に供給されたエネルギーは、双方向DC−AC電圧インバータ14によって変換され、モータの電気機械デバイス40に供給される。同様に、回生制動モードの間に生成されたエネルギーも、双方向DC−AC電圧インバータ14により、また双方向DC−DC電圧コンバータ102〜106のスイッチ110、112のバッキング制御によって第2のエネルギー蓄積デバイス100を再充電するのに用いることができる。
【0025】
図2に示されるように、充電システム60はDC/充電バス16に結合される。第1のスイッチすなわち接触器122は、第2のエネルギー蓄積デバイス100と充電バス16との間に結合される。再充電動作では、スイッチ122に結合されたコントローラ56がスイッチ122を閉じ、したがって、高インピーダンス電圧源62からの充電エネルギーが第2のエネルギー蓄積デバイス100に直接流れ込むことが可能になる。一実施形態では、第2のエネルギー蓄積デバイス100は、高インピーダンス電圧源62の瞬時送出能力より大きな瞬時受入れ能力を有する。充電の第1ステージの間中、コントローラ56は、第2のエネルギー蓄積デバイス100に供給される充電電圧を電圧センサ124によって監視する。
【0026】
コントローラ56は、監視された充電電圧を所定の閾値と比較する。一実施形態では、閾値は、第2のエネルギー蓄積デバイス100の電圧の値である。閾値は、第2のエネルギー蓄積デバイス100の設計および温度に基づくものでもあり得る。第2のエネルギー蓄積デバイス100の瞬時受入れ能力が高インピーダンス電圧源62の瞬時送出能力より大きいので、コントローラ56は、第2のエネルギー蓄積デバイス100の電圧が、その定格電圧を超過しないように監視する。したがって、コントローラ56は、第2のエネルギー蓄積デバイス100の監視された電圧を、再充電動作を第2ステージへ切り換えるのに最適な値にあらかじめ決められている電圧閾値と比較する。
【0027】
電圧閾値が横切られた後、コントローラ56は、第2のエネルギー蓄積デバイス100が制御されかつ調整されたペースで所望の再充電レベルへよりゆっくり再充電され得るように、スイッチ122を開き、双方向DC−DC電圧コンバータ102〜106の能動制御を開始してそれらに供給される充電エネルギーの電圧に対抗させる。コントローラ56は、複数の双方向DC−DC電圧コンバータ102〜106を、第2のエネルギー蓄積デバイス100の「フロート電圧」が維持される一方で第2のエネルギー蓄積デバイス100に流れ込む充電エネルギーの電流が低レベルへ漸減し得るように作動させる。電流センサ126によって、コントローラ56は、第2のエネルギー蓄積デバイス100に蓄積されるエネルギーが「最高レベルに達する」ように充電エネルギーの電流を設定することができる。
【0028】
再充電動作の間中、必要に応じて充電バス16から第1のエネルギー蓄積デバイス12を切り離すために、スイッチすなわち接触器128も導体36に結合されてよい。第1および第2のエネルギー蓄積デバイス12、100の公称電圧が適切に選択されており、各エネルギー蓄積デバイス12、100のそれぞれの充電状態(SOC)が所定値の範囲内にあるとき、スイッチ128も再充電動作の間中、閉じていてよく、その結果、以下で述べるように、第1のエネルギー蓄積デバイス12が第2のエネルギー蓄積デバイス100と一緒に同時に再充電される。充電エネルギーが充電バス16に直接結合されるので、充電エネルギーをブーストして第1のエネルギー蓄積デバイス12を最大レベルへ再充電するのに、双方向DC−AC電圧インバータ14は使用されない。コントローラ56に結合された電圧センサ130により、コントローラ56が第1のエネルギー蓄積デバイス12の充電を監視することが可能になる。
【0029】
別の実施形態では、第2のエネルギー蓄積デバイス100が、高インピーダンス電圧源62の瞬時送出能力より小さな瞬時受入れ能力を有してよい。コントローラ56は、例えばそのSOCを測定することにより、第2のエネルギー蓄積デバイス100の瞬時受入れ能力を測定することができる。この実施形態では、コントローラ56は、スイッチ122を開いた状態のままにしておき、双方向DC−DC電圧コンバータ102〜106を充電バス16上の充電エネルギーの電圧に対抗させるように能動制御して、第2のエネルギー蓄積デバイス100の所望の閾値または再充電レベルが調整されたペースで制御され得るように、第2のエネルギー蓄積デバイス100に供給される電圧を閾値または所定の値に調整する。双方向DC−DC電圧コンバータ102〜106を制御することにより、コントローラ56が、第2のエネルギー蓄積デバイス100の設計またはパラメータに基づいて、第2のエネルギー蓄積デバイス100に与えられる最大電流を所望の限度または最大限度に調整することが可能になる。
【0030】
本明細書で説明した実施形態において、コントローラ56は、第2のエネルギー蓄積デバイス100の所望の閾値または再充電レベルが達せられたとき再充電のすべてのステージを終了するようにプログラムされてよい。
【0031】
図3は、本発明の別の実施形態によるトラクションシステム132の概略図を示す。トラクションシステム10、98および132に共通の要素および構成要素は、必要に応じて同じ符号に関連して論じられることになる。図示のように、高インピーダンス電圧源62は、2次巻線80に結合された複数の1次巻線134を含む。1次巻線134は、電力系統に結合されてよい。複数のコイル136が2次巻線80に結合される。
図3に示される高インピーダンス電圧源62が、
図1および
図2に示された高インピーダンス電圧源62に適用可能であることを理解されたい。
【0032】
高インピーダンス電圧源62は、双方向DC−AC電圧インバータ14に結合される。しかし、
図1に示されたものと異なり、プラグ74は、ダイオード82〜86と巻線44〜48との間の双方向DC−AC電圧インバータ14に結合される。再充電動作の間、充電システム60がトラクションシステム132に結合されたとき、モータ40がそこから切り離され得るように、複数のスイッチすなわち接触器138が巻線44〜48に結合され、その結果、充電エネルギーがモータ40を電気的に励起したりモータ40にエネルギーを供給したりすることがなく、したがって充電中はモータ40が自動車を動かすことがない。
【0033】
この実施形態では、充電システム60には個別の整流器66がない。その代わりに、ダイオード82〜92が、高インピーダンス電圧源62を介して供給されたAC電力を充電バス16向けのDC電力に変換するように整流する。この実施形態では、すべてのダイオード82〜92の定格は、充電バス16上の充電エネルギーからの電流が、第1ステージの間中、第1または第2のエネルギー蓄積デバイス12、100に直接流れ込むことができるように設定される。
【0034】
図1に関して上記で説明されたものと同様に、再充電動作では、充電エネルギーは、再充電動作の第1ステージの間中、高インピーダンス電圧源62からダイオード82〜92を通って充電バス16へ流れる。以下で述べるように、充電バス16からの充電エネルギーは、第1のエネルギー蓄積デバイス12および第2のエネルギー蓄積デバイス100に流れ込む。コントローラ56は、各エネルギー蓄積デバイス12、100に対して、再充電動作を第2ステージへ切り換えるべき時間を別々に決定するために、前述のように、監視された充電エネルギーを監視して比較する。ブースト動作の間中、巻線136によって表された変圧器漏れインダクタンスを支援するために、必要に応じて複数のコイル140(2点鎖線で示されている)が含まれてよい。トラクションシステム10、98または
図1および
図2も、ブースト動作の間中、変圧器漏れインダクタンスを支援するために、必要に応じてコイル140を含み得るように企図されている。
【0035】
接触器122が開で接触器128が閉であると、エネルギー蓄積デバイス12は高インピーダンス電圧源62から直接充電され、一方、エネルギー蓄積デバイス100は対抗モードで動作している双方向コンバータ102、104、および106によって充電され、したがって両方のエネルギー蓄積デバイス12および100が同時に充電され得る。接触器128が開で接触器122が閉であると、エネルギー蓄積デバイス100は、第1ステージの間中、まさに
図2で上述のように高インピーダンス電圧源62から直接充電される。第2ステージに入ったとき、接触器122が開き、第2ステージは、双方向コンバータ102、104、および106が対抗モードで動作しながら充電を制御して継続する。次いで、後に、エネルギー蓄積デバイス12は、接触器122が開で接触器128が閉の状態で高インピーダンス電圧源62から充電することができ、あるいは、高インピーダンス電圧源62のトラクションシステム132からの接続が外れている場合、エネルギー蓄積デバイス100(一般にエネルギー蓄積デバイス12よりかなり大きなエネルギーを有する)からブーストモードで動作している双方向コンバータ102、104、および106を介して直接充電することができる。双方向コンバータ102、104、および106は、両エネルギー蓄積デバイスにおける電圧および電流のリップルレベルを低下させるように、切換えの位相をシフトさせて動作することができる。
【0036】
本発明の別の実施形態では、エネルギー蓄積デバイス100の充電の間中、第2ステージすなわち動作モードの間、接触器128が閉じ、コントローラ56は、DC−ACインバータ14を動作させ、AC電圧源62によって供給されるエネルギーを用いる電圧センサ130を使用して検知されるDC充電バス16上の電圧を閾値に制御または調整するようにDC−ACインバータ14を動作させる。エネルギー蓄積デバイス100は、対抗モードで動作している双方向コンバータ102、104、および106またはそれらのサブセットを制御することにより、同時に充電することができる。
【0037】
したがって、本発明の実施形態は、トラクションコントロールシステムの1つまたは複数のエネルギー蓄積デバイスを再充電するのに、トラクションコントロールシステムに既に搭載されているインバータ、コンバータ、フィルタおよび/または装置のインダクタンスなどの構成要素を利用する。このように、これらの構成要素は、エネルギー蓄積デバイスの監視および再充電の両目的に使用され得る。自動車の車載構成要素を使用することで、非車載の充電ステーションに対して、簡単、低価格、高出力の設計が可能になる。また、費用対効果が大きいやり方で大電流充電を得ることができる。したがって、第1の再充電ステージでエネルギー蓄積デバイスに大電流が流れ込むようにして、車載エネルギー蓄積デバイスの迅速な急速充電を達成することができ、電流は、より高い電流制限特性を有する電子スイッチング要素による初期電流制御なしで、主として電圧変成器のインピーダンスによって制限される。
【0038】
開示された装置に関する技術的な寄与は、車載パワーエレクトロニクスを使用してエネルギーを伝達するための、コントローラによって実施される技法が提供されることである。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、装置は、DC電圧を出力するように構成された第1のエネルギー蓄積デバイスと、第1のエネルギー蓄積デバイスに結合された第1の双方向電圧修正アセンブリと、第1のエネルギー蓄積デバイスおよび第1の双方向電圧修正アセンブリに結合された充電バスとを備える。この装置は、充電バスに結合することができる高インピーダンス電圧源および高インピーダンス電圧源から第1のエネルギー蓄積デバイスへ供給される充電エネルギーの伝達を監視するように構成されたコントローラも備える。コントローラは、また、監視された充電エネルギーの伝達を閾値と比較して、閾値が横切られた後、第1のエネルギー蓄積デバイスに供給される充電エネルギーの電圧および電流のうちの1つを修正するように第1の双方向電圧修正アセンブリを制御するように構成される。
【0040】
本発明の別の実施形態によれば、方法は、直流電圧を出力するように構成された電池を第1の電圧バスに結合するステップと、第1の双方向電圧修正アセンブリを第1の電圧バスに結合するステップと、高インピーダンス電圧源から充電エネルギーを受け取って第1の双方向電圧修正アセンブリおよび第1の電圧バスのうちの1つに充電エネルギーを供給するように構成された第2の電圧バスを第1の電圧バスに結合するステップとを含む。この方法はまた、コントローラが、電池への充電エネルギーの伝達を監視し、監視された充電エネルギーの伝達を閾値と比較して、閾値が横切られた後、電池に供給される充電エネルギーの電圧および電流のうちの1つを修正するように第1の双方向電圧修正アセンブリを制御するようにコントローラを構成するステップを含む。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態によれば、システムは、電圧源から充電エネルギーを受け取るように構成された充電バスと、DC電圧を出力するように構成され、充電バスに結合されたエネルギー蓄積デバイスと、充電バスおよびコントローラに結合された第1の双方向電圧修正アセンブリとを備える。コントローラは、エネルギー蓄積デバイスに供給される充電エネルギーの伝達を監視し、監視された充電エネルギーの伝達を、エネルギー蓄積デバイスの電圧および充電バスの整流された電源電圧の平均値のうちの1つから成る閾値と比較して、閾値が横切られた後、第1のエネルギー蓄積デバイスに供給される充電エネルギーの電圧および電流のうちの1つを修正するように第1の双方向電圧修正アセンブリを制御するように構成される。
【0042】
本発明を、限定された数の実施形態だけに関連して詳細に説明してきたが、本発明がそのような開示された実施形態に限定されないことが容易に理解されるはずである。むしろ、本発明は、これまでに説明されていない、しかし本発明の趣旨および範囲と相応するものである任意の数の変形、改変、置換または均等な構成を組み込むように変更することができる。さらに、本発明の様々な実施形態を説明してきたが、本発明の諸態様が、説明された実施形態のうちのいくつかしか含まないことがあることを理解されたい。したがって、本発明は前述の説明によって限定されるものと見なされるべきでなく、添付の特許請求の範囲の適用範囲によってのみ限定される。