(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228614
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】ゲートコンタクトの形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20171030BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20171030BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20171030BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20171030BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20171030BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/80 H
H01L21/28 301B
H01L29/44 S
H01L29/58 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-560399(P2015-560399)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-511942(P2016-511942A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】US2014020155
(87)【国際公開番号】WO2014149662
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年8月31日
(31)【優先権主張番号】13/837,856
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503178185
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN SYSTEMS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ナンバ、キャロル オー.
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ポ−シン
(72)【発明者】
【氏名】パウスト、スミコ
(72)【発明者】
【氏名】スモーチコバ、イオウリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイトヴィチ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グルンバッヒャー、ロナルド
【審査官】
早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−045545(JP,A)
【文献】
特開2008−124443(JP,A)
【文献】
特開2008−187164(JP,A)
【文献】
特開2004−253484(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0159930(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/337−21/338
H01L 27/095−27/098
H01L 29/775−29/778
H01L 29/80−29/812
H01L 21/28−21/288
H01L 21/44−21/445
H01L 29/40−29/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物半導体装置用のゲートコンタクトの形成方法であって、
第1のフォトレジスト物質層を基板上に堆積すること、
第2のフォトレジスト物質層を前記第1のフォトレジスト物質層上に堆積することであって、前記第2のフォトレジスト物質層は、フォトレジスト現像プロセスに対する感受性が前記第1のフォトレジスト物質層よりも高いこと、
フォトレジスト現像プロセスを実行することにより、第1のビアを前記第1のフォトレジスト物質層に形成し、かつ、前記第1のビア上に重なる第2の大ビアを前記第2のフォトレジスト物質層に形成すること、
第1の導電物質堆積プロセスを実行してゲートコンタクトを形成することであって、前記ゲートコンタクトは、前記基板に接触して前記第1のビアに形成されるゲートコンタクト部と、前記第2の大ビアにおいて前記ゲートコンタクト部上に接触して配置されるウィングコンタクト部とを有すること、
前記第1の導電物質堆積プロセスの結果として生じる導電物質層を前記第2のフォトレジスト物質層から剥離すること、
エッチングプロセスを実行することにより、前記第2のフォトレジスト物質層の付加的な部分を前記第2の大ビアから除去して前記第2の大ビアを横に広げること、および、
第2の導電物質堆積プロセスを実行して外側ウィングコンタクト部を形成することにより、前記ゲートコンタクト部の長さを維持したまま前記ウィングコンタクト部の断面積を増大させること
を含む方法。
【請求項2】
前記フォトレジスト現像プロセスは電子ビームリソグラフィを利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゲートコンタクトは、金、アルミニウム、銅、白金、チタン、およびタングステンのうちの1つを含むか、あるいは金、アルミニウム、銅、白金、チタン、およびタングステンのうちの1つ以上の層から形成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板はトランジスタのバリア層である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トランジスタは高電子移動度トランジスタ(HEMT)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ゲートコンタクトは全体として松の木の形をしている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第2の導電物質堆積プロセスの実行は、導電物質蒸発器を使用して非共形の導電物質堆積プロセスを実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の導電物質堆積プロセスの結果として生じる導電物質層を剥離すること、および、湿式の化学ストリップを使用して前記第1のフォトレジスト物質層および前記第2のフォトレジスト物質層を剥離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ゲートコンタクト部の長さは40nm未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記導電物質層の剥離を繰り返すこと、酸素O2プラズマプロセスを実行すること、および、第2の導電物質堆積プロセスを実行することにより1つ以上の付加的な外側ウィングコンタクト部を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体、特にゲートコンタクトの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
高電子移動度トランジスタ(HEMT)などのIII−V族半導体トランジスタは、高周波動作のためにゲートコンタクト長さ(Lg)が短いこと(40nm未満)およびゲートコンタクト抵抗(Rg)が小さいことを要する。しかしながら、通常、ゲートコンタクトのサイズが小さくなると、ゲートコンタクト長さの物理的寸法が短いせいでゲート抵抗(Rg)は大きくなる。従来、この業界ではIII〜V族半導体トランジスタにT形のゲートコンタクト(Tゲートコンタクト)製造アプローチが採用されてきた。T形ゲートコンタクトは、小さなゲートコンタクト部と、ウィングと称される大きなトップコンタクト部とを採用している。大きなトップコンタクト部(ウィング)の目的は、短いゲート長さ(低Lg)を維持しながらゲートの断面積を増大させる(Rgを小さくする)ことである。しかしながら、小さなゲートコンタクトサイズ(40nm以下)にまでTゲートを縮小すると、それに比例してウィングコンタクト部のサイズも縮小して寸法が小さくなる。
【0003】
小さなゲートコンタクト部と大きなウィングコンタクト部とを備えたゲートコンタクトを形成するいくつかの手法が利用されてきた。小さなゲートコンタクト部と大きなウィングコンタクト部を備えたゲートコンタクトを形成するために用いられる手法の1つは、2つの別個の露光/現像ステップおよび2つの別個の金属化ステップを使用することを含む。ゲートコンタクトは、第1のレジスト露光、現像、および金属化処理ステップにおいて形成され、ウィングコンタクト部は、第2のレジスト露光、現像、および金属化処理ステップにおいて形成される。このプロセスにより、ウィングのサイズは多くの選択的なウィングサイズに設定することができる。しかしながら、ウィングコンタクト部とゲートコンタクト部の位置がずれるという欠点がある。また、成果を上げるために処理ステップ数を増大させると、40nm以下のゲートサイズに対処する場合に総ゲート歩留まりが低下する。また、処理ステップ数の増加は処理時間の長さとコストの増大にもなる。
【0004】
もう1つの手法では、まずウィングコンタクト部のレジストを露光および現像してからゲートコンタクト部のレジストを露光および現像させる2段階のレジスト露光プロセスが使用される。しかしながら、ウィングコンタクト部とゲートコンタクト部の位置がずれ、ゲート露光量に対するウィング露光量の寄与によりゲートサイズの制御/均一性が悪化する可能性がある。
【0005】
3つ目の手法では、複数のレジスト層と1セットの現像剤が使用される。それぞれの現像剤によって各レジスト層を個別に現像する。このため、より長い時間にわたりウィングサイズを現像することができ、結果として大きなウィングになる。しかしながら、次の現像剤によって次の層を正確に現像することができるように、各レジスト層は完全に現像される必要がある。完全に現像されなかったレジストは、次の現像剤が次の層のレジストを開放(open)するのを阻害する。また、異なるレジストが混ざることによってどんな現像剤でも完全に現像しきることが困難な層が形成される可能性がある。
【0006】
概要
本発明の一側面によると、化合物半導体装置用のゲートコンタクトの形成方法が提供される。この方法は、第1のフォトレジスト物質層を基板上に堆積すること、および、第2のフォトレジスト物質層を第1のフォトレジスト物質層上に堆積することを含む。第2のフォトレジスト物質層は、フォトレジスト現像プロセスに対する感受性が第1のフォトレジスト物質層よりも高い。この方法は、フォトレジスト現像プロセスを実行することにより、第1のビアを第1のフォトレジスト物質層に形成し、かつ、第1のビア上に重なる第2の大ビアを第2のフォトレジスト物質層に形成すること、第1の導電物質堆積プロセスを実行してゲートコンタクトを形成することであって、ゲートコンタクトは、基板に接触して第1のビアに形成されるゲートコンタクト部と、第2の大ビアにおいてゲートコンタクト部上に接触して配置されるウィングコンタクト部とを有すること、および、第1の導電物質堆積プロセスの結果として生じる導電物質層を第2のフォトレジスト物質層から剥離することをさらに含む。この方法は、エッチングプロセスを実行することにより、第2のフォトレジスト物質層の付加的な部分を第2の大ビアから除去して第2の大ビアを横に広げることと、および、第2の導電物質堆積プロセスを実行して外側ウィングコンタクト部を形成することにより、ゲートコンタクト部の長さを維持したままウィングコンタクト部の断面積を増大させることをさらに含む。
【0007】
本発明の別の側面によると、化合物半導体装置の形成方法が提供される。この方法は、第1のフォトレジスト物質層を基板上に堆積すること、および、第2のフォトレジスト物質層を第1のフォトレジスト物質層上に堆積することを含む。第2のフォトレジスト物質層は、フォトレジスト現像プロセスに対する感受性が第1のフォトレジスト物質層よりも高い。この方法は、電子ビームリソグラフィプロセスを実行することにより、第1のビアを第1のフォトレジスト物質層に形成し、かつ、第1のビア上に重なる第2の大ビアを第2のフォトレジスト物質層に形成すること、第1の導電物質を堆積させてゲートコンタクトを形成することであって、ゲートコンタクトは、基板に接触して第1のビアに形成されるゲートコンタクト部と、第2の大ビアにおいてゲートコンタクト部上に接触して配置されるウィングコンタクト部とを有すること、第1の導電物質を堆積させた結果として生じる導電物質層を第2のフォトレジスト物質層から剥離することをさらに含む。この方法は、酸素O
2プラズマプロセスを実行することにより、第2のフォトレジスト物質層の付加的な部分を第2の大ビアから除去して第2の大ビアを横に広げること、および、第2の導電物質を蒸発および堆積させて外側ウィングコンタクト部を形成することにより、ゲートコンタクト部の長さを維持したままウィングコンタクト部の断面積を増大させることをさらに含み、ゲートコンタクト部の長さは、所期の動作周波数を与えるように選択され、ウィングコンタクト部の断面積は、所期の動作周波数に悪影響を及ぼすことなく所期のゲートコンタクト抵抗を与えるように選択される。
【0008】
本発明のさらに別の側面によると、基板およびゲートコンタクトを備える化合物半導体装置が提供され、ゲートコンタクトは、基板に接触するゲートコンタクト部と、ゲートコンタクト部上に接触して配置されるウィングコンタクト部とを有する。ウィングコンタクト部は内側ウィングコンタクト部および外側ウィング部を有し、外側ウィングコンタクト部は、ゲートコンタクト部の長さを維持したままウィングコンタクト部の断面積を増大する。ゲートコンタクト部の長さは、所期の動作周波数を与えるように選択され、ウィングコンタクト部の断面積は、所期の動作周波数に悪影響を及ぼすことなく所期のゲートコンタクト抵抗を与えるように選択される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一側面に係る化合物半導体構造の概略断面図。
【
図2】40nm以下のゲートサイズの場合の標準的なウィングベースライン対大きなウィングベースラインのゲート抵抗の表。
【
図3】本発明の一側面に係る、形成用の基板上に重なる第1のフォトレジスト物質層および第2のフォトレジスト物質層を示す概略断面図。
【
図4】本発明の一側面に係る、フォトレジスト現像プロセスを受けている
図3の構造を示す概略断面図。
【
図5】本発明の一側面に係る、フォトレジスト現像プロセスを受けた後の
図4の構造を示す概略断面図。
【
図6】本発明の一側面に係る、第1の導電物質堆積プロセスを受けている
図5の構造を示す概略断面図。
【
図7】本発明の一側面に係る、第1の導電物質堆積プロセスを受けた後の
図6の構造を示す概略断面図。
【
図8】本発明の一側面に係る、等方性の酸素O
2プラズマプロセスを受けている
図7の構造を示す概略断面図。
【
図9】本発明の一側面に係る、等方性の酸素O
2プラズマプロセスを受けた後の
図8の構造を示す概略断面図。
【
図10】本発明の一側面に係る、第2の導電物質堆積プロセスを受けている
図9の構造を示す概略断面図。
【
図11】本発明の一側面に係る、第2の導電物質堆積プロセスを受けた後の
図10の構造を示す概略断面図。
【
図12】本発明の一側面に係る、第2のフォトレジスト物質層から導電物質層を剥離した後の
図11の構造を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)などの化合物半導体装置用のゲートコンタクトを形成する方法を提供する。化合物半導体装置は、半導体装置の各層に2つの異なる原子を含む。たとえば、半導体装置は、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、またはその他の化合物半導体などのIII−V族半導体物質から形成される半導体層を有することができる。ゲートコンタクトは、ゲートコンタクト部とトップコンタクト部すなわちウィングコンタクト部とから形成されている。この方法は、所期の動作周波数に基づいてゲートコンタクト部のサイズを保持しながらウィングコンタクト部のサイズの調整を可能にする。これは、1つ以上の付加的な導電物質プロセスをウィングコンタクト部に施すことで、ゲートコンタクト部の長さを維持して装置の動作周波数を維持したまま、ウィングコンタクト部の断面積を増大してゲート抵抗を低下させることによって達成される。
【0011】
図1は、本発明に係る化合物半導体構造10の一部を示す概略断面図である。化合物半導体構造10は、基板12上に重なるゲートコンタクト14を備える。基板12は、トランジスタのチャネル領域(図示せず)に重なる誘電体層とすることができる。トランジスタは、たとえば種々の化合物半導体物質層から形成された高電子移動度トランジスタ(HEMT)とすることができる。
基板12は、トランジスタのバリア層、さらに言えば高電子移動度トランジスタ(HEMT)のバリア層とすることもできる。ゲートコンタクト14は、抵抗を最小限に抑えるために全体として松の木の形、すなわち「T」形状を有し、高い装置動作性能を提供する。ゲートコンタクト
14は、金、アルミニウム、銅、白金
、チタン、タングステン、またはその他の導電物質層などの1つ以上の導電物質から形成することができる。
【0012】
ゲートコンタクト
14は、基板12に接触するゲートコンタクト部16と、ゲートコンタクト部16上に接触して重なるトップコンタクト部すなわちウィングコンタクト部18とから形成されている。ゲートコンタクト部16は、所期の動作周波数に基づいて選択される長さを有し、ウィングコンタクト部18は、ゲートコンタクト14の抵抗を最小化する断面積を有するように選択され、これも高い動作周波数に寄与する。ウィングコンタクト部18は、内側ウィングコンタクト部20および外側ウィングコンタクト部22を有する。内側ウィングコンタクト部20と外側コンタクト部22は、後述するように、ゲートコンタクト部16の長さを増大させることなくウィングコンタクト部14の断面積を増大させるべく異なる導電物質堆積プロセスから形成される。
【0013】
小さなゲートサイズ(40nm以下)にまでゲートコンタクトを縮小すると、それに比例してウィングサイズも縮小して寸法が小さくなると認識すべきである。ゲートサイズがこの範囲にある場合、ウィングサイズは元のウィングサイズの30%にまで減少することができる。開示の方法を用いてウィングサイズを増大させることにより、
図2の表30に示すようにゲート抵抗を低減することができる。
【0014】
次に、
図3〜
図13を参照して本発明の一側面に係る化合物半導体構造(たとえば、HEMT)の一部の製造に関係するプロセスブロックを説明する。第1のフォトレジスト物質層54は基板52(たとえば、化合物半導体基板、誘電体層)上に堆積され、第2のフォトレジスト物質層56は第1のフォトレジスト物質層54上に堆積される。第1のフォトレジスト物質層54および第2のフォトレジスト物質層56は、任意の適切な手段を用いて堆積することができる。たとえば、第1のフォトレジスト物質層54は、スピンコーティング堆積法またはスピンキャスティング堆積法を用いて基板52上に堆積することができる。第1のフォトレジスト物質層54が乾燥すれば、スピンコーティング堆積法またはスピンキャスティング堆積法を用いて第1のフォトレジスト物質層54上に第2のフォトレジスト物質層56を堆積することができる。第2のフォトレジスト物質層56はフォトレジスト現像プロセスに対する感受性が第1のフォトレジスト物質層54よりも高いように選択されているため、フォトレジスト現像プロセスの完了後に第2のフォトレジスト物質層56は第1のフォトレジスト物質層54よりも大きなビアを提供する。
【0015】
図4は、フォトレジスト現像プロセス100を受けている
図3の構造を示し、露光源(光学的な光、X線、または電子ビームなど)が間のマスクを介して第1のフォトレジスト物質層54および第2のフォトレジスト物質層56の選択領域を特定パターンで照射し、特定の現像液への溶解性が(コーティングに応じて)高いか低くなる。次に、
図5に示すように、露出した第1のフォトレジスト物質層54および第2のフォトレジスト物質層56に現像液が塗布され、第1のフォトレジスト物質層54に第1のビア58が開き、第2のフォトレジスト物質層56に第1のビア58上に重なる第2の大ビア60が開く。本発明の一側面によると、フォトレジスト現像プロセスは電子ビームリソグラフィを利用する。しかしながら、任意の適切なフォトリソグラフィ技術を用いることにより、パターン化された第1のフォトレジスト物質層54および第2のフォトレジスト物質層56を形成することができる。
【0016】
図6は、第1の導電物質堆積プロセス110を受けている
図5の構造を示す。金属蒸着法、スパッタ蒸着法、めっき法、低圧化学気相蒸着(LPCVD)法、プラズマ誘起化学気相蒸着(PECVD)法、原子層堆積(ALD)法、スパッタリング法、またはスピンオン法などの任意の適切な導電物質を堆積する方法を使用することができる。導電物質は、金、アルミニウム、銅、白金、
チタン、タングステン、またはその他の導電物質などの1つ以上の導電物質および/または導電物質層とすることができる。
【0017】
図7は、ゲートコンタクト61が形成された導電物質堆積プロセス110後の
図6の構造を示す。ゲートコンタクト61は全体として松の木の形、すなわち「T」形状を有し、ゲートコンタクト部62が基板52と接触し、トップコンタクト部すなわちウィングコンタクト部64がゲートコンタクト部62上に重なる。また、導電物質層66は、導電物質層プロセス110の結果として第2のフォトレジスト物質層56上に重なって形成される。導電物質層66は、第2の大ビア60上に重なる部分を含んでおり、これによりウィングコンタクト部64の断面積がさらに形成されるのを防止する。
【0018】
次に、導電物質層66が第2のフォトレジスト物質層56から剥離され、
図8に示すように、その結果得られる構造に等方性の酸素O
2プラズマプロセス120が施される。等方性の酸素O
2プラズマプロセス120は、第2のフォトレジスト物質層56の付加的な部分を除去し、第2の大ビア60を横に広げる。この横に広げる量は、プラズマプロセスの時間長および/またはプラズマ速度に依存する。第2の大ビア60を横に広げるためには他のエッチング法を使用することもできると理解すべきである。
【0019】
導電物質層66を剥離した結果、第2のフォトレジスト物質層56の上面は、第2の大ビア60のフォトレジスト物質よりも等方性プラズマプロセス120に対して耐性が高くなることが分かった。したがって、第2の大ビア60のフォトレジスト物質は、第2のフォトレジスト物質層56の上面よりも速い速度でエッチングされる。
図9は、第2のビア68が横に広げられた
図8の結果として得られる構造を示す。
【0020】
図10は、第2の導電物質堆積プロセス130を受けている
図9の構造を示す。第2の導電物質堆積プロセス130は、非共形(non-conformal)の導電物質堆積とすることができ、ウィングコンタクト部64の上だけに導電物質を堆積する導電物質蒸発器を使用する。その結果得られる構造を
図11に示しており、ウィングコンタクト部64上に外側ウィングコンタクト部72が形成されるが、これはこの時点で内側ウィングコンタクト部である。ここでも、導電物質層プロセス130の結果として、第2のフォトレジスト物質層56上に導電物質層74が重なって形成される。次に、導電物質層74が第2のフォトレジスト物質層56から剥離され、その結果得られる構造を
図12に示す。
【0021】
このプロセスを繰り返すことで、付加的な外側ウィングコンタクト部を形成し、現実的な制約の範囲内でウィングコンタクト部の断面積64を増大させることができる。
図12に示す第1のフォトレジスト物質層54および第2のフォトレジスト物質層56は、湿式の化学ストリップを使用して剥離することができ、その結果として
図1に示す構造を提供する。
【0022】
上述した内容は、本発明の例示の実施例を含む。当然のことながら、本発明を説明する目的で考えられる限りすべての構成要素または方法の組み合わせを記載することはできない。だが、当業者であれば、その他多くの本発明の組み合わせおよび変更が可能であると認識するであろう。したがって、本発明は、そのようなすべての変更、修正、変形を包含することを意図とする。