(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1決済手段により減額された前記電子バリューに相当する金額を、複数の前記第2の決済方法のうち前記ユーザにより予め指定された優先順位に応じて割り振る割振手段を更に備え、
前記第2決済手段は、前記電子バリューに相当する金額を、前記割り振られた前記第2の決済方法により決済することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理システム。
前記第1決済手段により減額された前記電子バリューに相当する金額を、複数の前記第2の決済方法のうちから変更先として前記ユーザにより選択された第2の決済方法に割り振る割振手段を更に備え、
前記第2決済手段は、前記電子バリューに相当する金額を、前記割り振られた前記第2の決済方法により決済することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理システム。
電子マネー決済により電子バリューを減額する決済が行われてから所定期間内に、前記電子マネー決済とは異なる他の決済方法に変更する変更要求を受け付ける変更要求受付手段と、
前記変更要求受付手段により前記変更要求が受け付けられた場合、前記電子マネー決済により減額された前記電子バリューを回復させて当該電子マネー決済をキャンセルし、当該電子バリューに相当する金額を前記他の決済方法により決済する決済手段と、
前記電子マネー決済により前記決済が行われてから所定期間において前記電子マネー決済により減額された電子バリューが回復するまで、前記他の決済方法により決済される前記金額を仮減額として端末に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、電子決済システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0025】
[1.電子決済システムの構成及び機能概要]
先ず、
図1等を参照して、本実施形態に係る電子決済システムSの構成及び概要機能について説明する。
図1は、本実施形態に係る電子決済システムSの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、電子決済システムSは、ユーザ端末1、店舗端末2、第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、クレジットカード管理サーバ5、ポイント管理サーバ6、口座管理サーバ7、及びウォレットサーバ8等を含んで構成される。第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、クレジットカード管理サーバ5、ポイント管理サーバ6、口座管理サーバ7、及びウォレットサーバ8は、それぞれ、ネットワークNWに接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築される。なお、クレジットカード管理サーバ5、口座管理サーバ7、及びウォレットサーバ8は、例えば専用回線を介して、金融機関(例えば銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫等)により運営される金融機関システム9に接続可能になっている。金融機関システム9は、多数の口座を有し、クレジットカード管理サーバ5、口座管理サーバ7、またはウォレットサーバ8からの要求によって、口座間の資金移動が行うことが可能なコンピュータシステムである。
【0026】
ユーザ端末1は、制御部11、記憶部12、操作・表示部13、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等に基づく通信機能を有する通信部14、及び近距離無線通信(例えばNFC(Near field radio communication)、BLE(Bluetooth Low Energy)、IrDA(Infrared Data Association)などの規格に準拠した通信)機能を有する近距離無線通信部15等を含んで構成される。なお、ユーザ端末1には、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、または携帯ゲーム機などの携帯端末が適用されるとよい。制御部11は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等を備える。
【0027】
記憶部12は、OS(Operating System),アプリケーションプログラム,及びWebブラウザプログラム等を記憶する。ユーザ端末1にインストールされるアプリケーションプログラムには、取引対象(商品またはサービス)に対する決済を求めるユーザが利用可能な複数の決済方法に関する設定要求、変更要求、及び表示を行うことが可能なユーザ側決済用プログラムが含まれる。このような決済方法の例として、電子マネー決済、クレジット決済、ポイント決済、及び即時引落決済が挙げられる。また、記憶部12には、ユーザ端末1のユーザのユーザID(ユーザの識別情報)が記憶されている。このユーザIDは、例えばユーザ側決済用プログラムがユーザ端末1にインストールされたときに表示される設定画面から入力される。なお、本実施形態では、ユーザ端末1、第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、クレジットカード管理サーバ5、ポイント管理サーバ6、口座管理サーバ7、及びウォレットサーバ8で管理されるユーザIDは、同じユーザについて同一であるものとするが、同じユーザについて各サーバ間で異なるユーザIDが管理されてもよく、この場合、例えばウォレットサーバ8で同じユーザの複数のユーザIDが互いに対応付けられて管理される。操作・表示部13は、例えば、ユーザの指やペン等による操作を受け付ける入力機能と、情報を表示する表示機能を有するタッチパネルを備える。
【0028】
制御部11は、OS上でユーザ側決済用プログラムを実行することにより、取引対象に対する決済を求めるユーザが利用可能な複数の決済方法に関する設定要求、変更要求、及び表示を行うための処理等を実行する。例えば、制御部11は、既に行われた電子マネー決済を、当該電子マネー決済とは異なる第2の決済方法に変更する変更要求をウォレットサーバ8へ行う。また、制御部11は、本発明における表示制御手段の一例である。なお、ユーザ側決済用プログラムは、所定のサーバからユーザ端末1にダウンロードされてもよいし、CD、DVDなどの記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部12に記憶されるようにしてもよい。また、制御部11は、通信部14によりネットワークNWを介して所定のWebサーバ(図示せず)、第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、クレジットカード管理サーバ5、ポイント管理サーバ6、口座管理サーバ7、及びウォレットサーバ8等との間で通信を行うことが可能になっている。また、制御部11は、近距離無線通信部15により店舗端末2との間で近距離無線通信を行うことが可能になっている。
【0029】
店舗端末2は、制御部21、記憶部22、操作・表示部23、HTTP等に基づく通信機能を有する通信部24、近距離無線通信機能(例えばNFC、BLE、IrDAなどの規格に準拠した通信)を有する近距離無線通信部25、及び外部のリーダライタRWとのインターフェイスを担うI/F26等を含んで構成される。なお、店舗端末2には、CAT(Credit Authorization Terminal)機能を備えるPOS(Point of sale)端末が適用されるとよい。制御部21は、CPU,ROM,及びRAM等を備える。記憶部22は、OS,アプリケーションプログラム,及びWebブラウザプログラム等を記憶する。店舗端末2にインストールされるアプリケーションプログラムには、ユーザから指定された決済方法により決済を行うことが可能な店舗側決済用プログラムが含まれる。また、記憶部22には、店舗端末2が設置される店舗の店舗ID(店舗の識別情報)が記憶されている。この店舗IDは、例えば店舗側決済用プログラムが店舗端末2にインストールされたときに表示される設定画面から入力される。操作・表示部23は、例えば、店舗の店員の指やペン等による操作を受け付ける入力機能と、情報を表示する表示機能を有するタッチパネルを備える。
【0030】
制御部21は、OS上で店舗側決済用プログラムを実行することにより、
図1に示すように、ID取得部211、及び第1決済部212等として機能する。なお、ID取得部211は、本発明における取得手段の一例である。第1決済部212は、本発明における第1決済手段の一例である。ID取得部211は、取引対象に対する決済を求めるユーザの識別情報を取得する。ユーザの識別情報の例として、ユーザのユーザID、当該ユーザが所有する決済用のカード(例えば国際標準規格等で寸法が定められた平板状のカードである)のカード番号(電子マネー番号を含む)が挙げられる。なお、店舗側決済用プログラムは、所定のサーバから店舗端末2にダウンロードされてもよいし、CD、DVDなどの記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部22に記憶されるようにしてもよい。また、制御部21は、通信部24によりネットワークNWを介して第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、クレジットカード管理サーバ5、ポイント管理サーバ6、口座管理サーバ7、及びウォレットサーバ8等との間で通信を行うことが可能になっている。また、制御部21は、近距離無線通信部25によりユーザ端末1との間で近距離無線通信を行うことが可能になっている。また、制御部21は、I/F26によりリーダライタRWと通信を行うことが可能になっている。これにより、第1決済部212は、ユーザが所有する決済用のカードからリーダライタRWにより読み取られた情報を取得し、取得した情報に基づいて、決済(電子マネー決済、クレジット決済、ポイント決済、または即時引落決済)を行うことができる。決済用のカードの例として、電子マネーカード、クレジットカード、ポイントカード、デビットカードなどがある。
【0031】
ここで、電子マネーカードは、例えば非接触型ICチップ(ICモジュール)を備えており、当該ICチップの不揮発性メモリには、貨幣価値に対応させた電子バリューの残高、電子マネー番号、及びログデータ等の情報が記憶されている。この電子バリューは、ストアドバリュー型前払い式の電子マネー(以下、「ストアド型電子マネー」という)である。電子マネー番号は、電子マネーカード毎に固有の番号であり、これにより、電子マネーカードの発行対象者であるユーザを特定することができる。電子バリューの残高及び電子マネー番号等の情報は、電子マネーカードの非接触型ICチップから店舗端末2のリーダライタRWにより読み取られ、電子マネー決済(以下、「ストアド型電子マネー決済」という)に用いられる。電子マネー決済では、上記取引対象の支払金額を電子バリューの残高から減額する決済が行われる。ログデータの例として、利用履歴データ、及びチャージ履歴データがある。利用履歴データは、電子バリューが決済(支払い)に利用された履歴を示すデータであり、ストアド型電子マネー決済時に店舗端末2により生成される。利用履歴データには、例えば利用日(ストアド型電子マネー決済による決済日であり、例えば、年月日の他、時刻を含んでもよい、以下同様)、取引店(利用店舗)名、及び利用額等の情報が含まれる。チャージ履歴データは、電子バリューがチャージ(つまり、電子バリューの残高が増額)された履歴を示すデータであり、電子バリューのチャージ時に店舗端末2により生成される。チャージ履歴データには、例えばチャージ日、及びチャージ額等の情報が含まれる。なお、ストアド型電子マネーを管理するアプリケーションプログラムが、ユーザ端末1にインストールされてもよい。この場合、ユーザ端末1に搭載される非接触型ICチップの不揮発性メモリには、電子バリューの残高等の情報が店舗端末2のリーダライタRWにより読み取り可能に記憶される。また、電子マネーカードは、後述するサーバ型前払い式の電子マネー(以下、「サーバ型電子マネー」という)の電子マネー番号等の情報を記憶するものであってもよい。この場合、サーバ型電子マネーの電子バリューの残高は、第2電子マネー管理サーバ4で管理される。
【0032】
クレジットカードは、例えば非接触型ICチップを備えており、当該ICチップの不揮発性メモリには、クレジットカード番号、クレジットカードの発行対象者であるユーザの氏名、及びクレジットカードの有効期限等の情報が記憶されている。クレジットカード番号は、クレジットカード毎に固有の番号であり、これにより、クレジットカードの発行対象者であるユーザを特定することができる。クレジットカード番号、ユーザの氏名、及びクレジットカードの有効期限等の情報は、クレジットカードの非接触型ICチップから店舗端末2のリーダライタRWにより読み取られ、クレジット決済に用いられる。なお、電子マネーカードとクレジットカードとは一体型の共用カードであってもよい。この場合、共用カードの非接触型ICチップの不揮発性メモリには、電子バリューの残高等の情報と、クレジットカード番号等の情報とが店舗端末2のリーダライタRWにより読み取り可能に記憶される。なお、クレジットカードは、店舗端末2で通常の決済に利用される他にも、所定のWebサイト(例えばショッピングモールサイト)でのクレジット決済にも用いられる。或いは、クレジットカードは、定期的な支払いが生じる取引対象の支払金額(例えば、ガス代、水道代、その他の公共料金、家賃、保険料、携帯キャリア利用料金など)のクレジット決済にも用いられる。
【0033】
ポイントカードには、ポイントカード番号がバーコードまたは2次元コードにより記載されている。ポイントカード番号は、ポイントカード毎に固有の番号であり、これにより、ポイントカードの発行対象者であるユーザを特定することができる。ポイントカード番号は、バーコードまたは2次元コードから店舗端末2のリーダライタRWにより読み取られ、ポイント決済に用いられる。なお、電子マネーカード(またはクレジットカード)とポイントカードとは一体型の共用カードであってもよい。この場合、共用カードの非接触型ICチップの不揮発性メモリには、電子バリューの残高等の情報(またはクレジットカード番号等の情報)と、ポイントカード番号とが店舗端末2のリーダライタRWにより読み取り可能に記憶される。或いは、ポイントカード番号を管理するアプリケーションプログラムが、ユーザ端末1にインストールされてもよい。この場合、ユーザ端末1に搭載される非接触型ICチップの不揮発性メモリには、ポイントカード番号が店舗端末2のリーダライタRWにより読み取り可能に記憶される。或いは、この場合、ユーザの操作に応じて当該ポイントカード番号を有するバーコードまたは2次元コードがユーザ端末1の操作・表示部13に表示され、当該バーコードまたは2次元コードから当該ポイントカード番号が店舗端末2のリーダライタRWにより読み取られてもよい。なお、ポイントカードは、店舗端末2で利用される他にも、所定のWebサイト(例えばショッピングモールサイト)でのポイント決済にも用いられる。
【0034】
デビットカードは、例えば非接触型ICチップを備えており、当該ICチップの不揮発性メモリには、デビットカード番号、デビットカードの発行対象者であるユーザの氏名、デビットカードを発行した金融機関を識別する金融機関ID、及びデビットカードの有効期限等の情報が記憶されている。デビットカード番号は、デビットカード毎に固有の番号であり、これにより、デビットカードの発行対象者であるユーザを特定することができる。デビットカード番号、ユーザの氏名、金融機関コード、及びデビットカードの有効期限等の情報は、デビットカードの非接触型ICチップから店舗端末2のリーダライタRWにより読み取られ、即時引落決済(デビット決済)に用いられる。なお、キャッシュカードがデビットカードとして用いられる場合もある。なお、デビットカードは、店舗端末2で利用される他にも、所定のWebサイト(例えばショッピングモールサイト)においても即時引落決済に用いられる。なお、デビットカードは、店舗端末2で通常の決済に利用される他にも、所定のWebサイト(例えばショッピングモールサイト)での即時引落決済にも用いられる。或いは、デビットカードは、定期的な支払いが生じる取引対象の支払金額(例えば、ガス代、水道代、家賃、保険料、携帯キャリア利用料金など)の即時引落決済にも用いられる。この場合、例えば月毎に定められた支払金額が毎月の引落日にユーザの口座から自動的に引き落とされる。
【0035】
第1電子マネー管理サーバ3は、ストアド型電子マネーの情報を管理するサーバである。第1電子マネー管理サーバ3の記憶部には、電子マネー番号、ストアド型電子マネーの電子バリューの残高、ログデータ、及びユーザID等の情報がユーザ毎に対応付けられて記憶される。上述したように、例えば店舗端末2においてストアド型電子マネー決済が行われた場合、店舗端末2からネットワークNWを介して第1電子マネー管理サーバ3へ、上記利用履歴データ、及び電子マネー番号が送信(例えば即時送信、または定期的に送信)され、第1電子マネー管理サーバ3の記憶部に記憶される。このとき、電子バリューの残高が更新される。なお、電子マネーカードの非接触型ICチップに記憶された電子バリューの残高と、この残高と同一の電子マネー番号が対応付けられている残高であって第1電子マネー管理サーバ3の記憶部に記憶されている電子バリューの残高とは、タイムラグにより一致しない場合がある。また、例えば店舗端末2において電子バリューのチャージが行われた場合、店舗端末2からネットワークNWを介して第1電子マネー管理サーバ3へ、上記チャージ履歴データ、及び電子マネー番号が送信(例えば即時送信、または定期的に送信)され、第1電子マネー管理サーバ3の記憶部に記憶される。このとき、電子バリューの残高が更新される。
【0036】
第2電子マネー管理サーバ4は、サーバ型電子マネーの情報を管理するサーバである。サーバ型電子マネーの例として、インターネット上の所定のWebサイトで利用可能なオンライン電子マネーが挙げられる。第2電子マネー管理サーバ4の記憶部には、サーバ型電子マネーの電子バリューの残高、電子マネー番号、ログデータ、及びユーザID等の情報がユーザ毎に対応付けられて記憶される。ログデータの例として、上記と同様、利用履歴データ、及びチャージ履歴データがある。さらに、第2電子マネー管理サーバ4の記憶部には、サーバ型電子マネーの電子バリューの残高、及びサーバ型電子マネーの取扱い店舗を識別する店舗ID等の情報が店舗毎に対応付けられて記憶される。そして、第2電子マネー管理サーバ4は、所定のWebサイト(例えばショッピングモールサイト)におけるWebサーバへアクセスしたユーザ端末1からのサーバ型電子マネーによる決済要求(ユーザID、及び支払金額等を含む)に応じて、当該ユーザIDに対応付けられた電子バリューの残高を減らす(つまり、支払金額分だけ減額する)電子マネー決済(以下、「サーバ型電子マネー決済」という)を行う。このとき、第2電子マネー管理サーバ4は、利用履歴データを生成する。
【0037】
クレジットカード管理サーバ5は、クレジットカードの情報を管理するサーバである。クレジットカード管理サーバ5の記憶部には、クレジットカード番号、クレジットカードの発行対象者であるユーザの氏名、クレジットカードの有効期限、与信限度額(与信枠)、利用可能額、利用履歴データ、ユーザ口座情報、及びユーザID等の情報がユーザ毎に対応付けられて記憶される。与信限度額は、例えばクレジットカードを利用した買い物やキャッシングの累積に対して許容される上限額である。利用可能額とは、現時点でクレジットカードを利用することができる総額(例えば、与信限度額から当月利用額を減じた額)である。利用履歴データは、クレジットカードが決済に利用された履歴を示すデータであり、クレジット決済による決済日に例えばクレジットカード管理サーバ5により生成される。この利用履歴データには、例えば利用日、取引店(利用店舗)名、及び利用額等の情報が含まれる。この利用日は、例えば、クレジット決済による決済日である。ユーザ口座情報には、クレジット決済に係る支払金額が引き落とされる引落口座(ユーザの口座)の口座番号、引落日、及び当該口座を管理する金融機関を識別する金融機関ID等が含まれる。
【0038】
さらに、クレジットカード管理サーバ5の記憶部には、クレジットカードの取扱い店舗(加盟店)を識別する店舗ID、及び店舗口座情報等の情報が店舗毎に対応付けられて記憶される。店舗口座情報には、クレジット決済に係る支払金額が振り込まれる口座(店舗の口座)の口座番号、及び当該口座を管理する金融機関を識別する金融機関ID等が含まれる。そして、クレジットカード管理サーバ5は、例えば店舗端末2或いは所定のWebサイトからの与信照会(クレジットカード番号、有効期限、及び支払金額等を含む)に応じてクレジットカードを用いたクレジット決済が可能であるか否かの与信照会を行い、例えば有効期限が過ぎておらず、且つ取引対象の支払金額が利用可能額を超えていない場合に、与信承認OKメッセージを店舗端末2へ返信する。そして、与信承認OKメッセージが受信された場合、クレジット決済が行われる。すなわち、店舗端末2により売上が計上され、当該取引対象の支払金額を請求する請求データ(店舗ID及び支払金額を含む)がクレジットカード管理サーバ5へ送信され、さらに、クレジットカード管理サーバ5から金融機関システム9へ資金移動要求が送信される。これにより、当該取引対象の支払金額が立替払取次業者(例えば、クレジットカード会社)の口座(口座の残高)から引き落とされてユーザと取引を行った店舗の口座に振り込まれる。その後、当該取引対象の支払金額及び手数料が当該ユーザの口座から引き落とされる。
【0039】
ポイント管理サーバ6は、所定の換算率で支払いに利用可能なポイントの情報を管理するサーバである。ポイント管理サーバ6の記憶部には、ポイントカード番号、残りポイント数(残高)、ログデータ、及びユーザID等の情報がユーザ毎に対応付けられて記憶される。残りポイント数は、利用可能ポイントである。ログデータの例として、利用履歴データ、及び獲得履歴データがある。利用履歴データは、ポイントが決済に利用された履歴を示すデータであり、例えばポイント決済時にポイント管理サーバ6により生成される。利用履歴データには、例えば利用日、取引店(利用店舗)名、及び利用ポイント数等の情報が含まれる。獲得履歴データは、ポイントが獲得(例えば、商品購入、アンケート回答、或いはキャンペーン応募により残りポイント数が増加)された履歴を示すデータであり、ポイントの獲得時に例えばポイント管理サーバ6により生成される。獲得履歴データには、例えば獲得日、及び獲得ポイント数等の情報が含まれる。
【0040】
さらに、ポイント管理サーバ6の記憶部には、残りポイント数、及びポイントの取扱い店舗を識別する店舗ID等の情報が店舗毎に対応付けられて記憶される。そして、ポイント管理サーバ6は、例えば店舗端末2または所定のWebサイトからのポイントによる決済要求(ポイントカード番号、及び支払金額等を含む)に応じて、当該ポイントカード番号に対応付けられた残りポイント数を減らす(つまり、支払金額を所定の換算率で換算したポイント分だけ減らす)ポイント決済を行う。このとき、ポイント管理サーバ6は、利用履歴データを生成する。
【0041】
口座管理サーバ7は、口座の情報を管理するサーバである。口座管理サーバ7の記憶部には、デビットカード番号、デビットカードの発行対象者であるユーザの氏名、デビットカードの有効期限、ログデータ、ユーザ口座情報、及びユーザID等の情報がユーザ毎に対応付けられて記憶される。ログデータの例として、利用履歴データ、及び振込履歴データがある。利用履歴データは、デビットカードが決済に利用された履歴を示すデータであり、例えば即時引落決済時に口座管理サーバ7により生成される。この利用履歴データには、例えば利用日、取引店(利用店舗)名、及び利用額等の情報が含まれる。振込履歴データは、デビット決済に利用される口座(ユーザの口座)に振込された履歴を示すデータであり、例えば振込時に口座管理サーバ7により生成される。この振込履歴データには、例えば振込日、取引店(利用店舗)名、及び振込額等の情報が含まれる。なお、ユーザの口座には、例えばユーザの給料など、定期的に振り込まれる場合(自動振込)がある。ユーザ口座情報には、即時引落決済に係る支払金額が引き落とされる口座(ユーザの口座)の口座番号、残高(預金残高)、及び当該口座を管理する金融機関を識別する金融機関ID等が含まれる。
【0042】
さらに、口座管理サーバ7の記憶部には、デビットカードの取扱い店舗(加盟店)を識別する店舗ID、及び店舗口座情報等の情報が店舗毎に対応付けられて記憶される。店舗口座情報には、例えば即時引落決済に係る支払金額が振り込まれる口座(店舗の口座)の口座番号、及び当該口座を管理する金融機関を識別する金融機関ID等が含まれる。そして、口座管理サーバ7は、例えば店舗端末2または所定のWebサイトからの即時引落による決済要求(デビットカード番号、及び支払金額等を含む)に応じて、取引対象の支払金額の移動要求(ユーザの口座の口座番号、店舗の口座の口座番号、及び支払金額を含む)を金融機関システム9へ送信する。これにより、当該取引対象の支払金額がユーザの口座(口座の残高)から引き落とされて当該ユーザと取引を行った店舗の口座に振り込まれ、口座管理サーバ7が記憶するユーザ口座情報と店舗口座情報中の残高が更新される。このとき、口座管理サーバ7は、利用履歴データを生成する。なお、口座管理サーバ7は、金融機関システム9の構成要素として組み込まれてもよい。
【0043】
ウォレットサーバ8は、ユーザから指定された決済方法により決済を行うサーバである。さらに、ウォレットサーバ8は、各決済方法で利用可能な金額の全部または一部のチャージを受け付け、決済方法毎に区別してチャージ額を管理するウォレット機能を有する。例えば、ウォレットサーバ8は、ユーザの操作により電子マネーカードからユーザ端末1により取得された電子バリューを取得し、当該ユーザ端末1のユーザのユーザIDに対応付けて記憶する。なお、サーバ型電子マネー決済、クレジット決済、ポイント決済、及び即時引落決済で利用可能な貨幣価値に対応するチャージ額をウォレット機能により管理することもできる。
【0044】
図2は、ウォレットサーバ8のハードウェア構成例を示す図である。ウォレットサーバ8は、
図2に示すように、通信部81、記憶部82、及びシステム制御部83等を備え、これらの構成要素はシステムバス84に接続されている。なお、ウォレットサーバ8は、サーバ装置の一例である。通信部81は、ネットワークNWに接続され、通信状態の制御を行う。システム制御部83は、通信部81によりネットワークNWを介して、ユーザ端末1、店舗端末2、第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、ポイント管理サーバ5、クレジットカード管理サーバ6、及び口座管理サーバ7のそれぞれとの間で通信を行うことが可能になっている。なお、システム制御部83は、第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、ポイント管理サーバ5、クレジットカード管理サーバ6、及び口座管理サーバ7のそれぞれと専用回線を介して通信してもよい。記憶部82は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、OS及び決済用プログラム(本発明の情報処理プログラムを含む)等の各種プログラムを記憶する。なお、決済用プログラムは、所定のサーバからウォレットサーバ8にダウンロードされてもよいし、CD、DVDなどの記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部82に記憶されるようにしてもよい。
【0045】
また、記憶部82には、店舗情報データベース(DB)82a、ユーザ情報データベース(DB)82b、及び決済方法情報データベース(DB)82c等が構築される。なお、ウォレットサーバ8以外のサーバに設けられてもよい。
図3(A)は、店舗情報データベース82aの内容の一例を示す図であり、
図3(B)は、ユーザ情報データベース82bの内容の一例を示す図である。
図4は、決済方法情報データベース82cの内容の一例を示す図である。
【0046】
店舗情報データベース82aには、
図3(A)に示すように、本電子決済システムSの利用登録を行った店舗の店舗ID、パスワード、店舗の名称、店舗の連絡先、及び店舗口座情報等の情報が店舗毎に対応付けられて格納されている。ここで、店舗ID及びパスワードは、ウォレットサーバ8へのログイン等の認証処理に用いられる。店舗の連絡先には、店舗の住所、電話番号、電子メールアドレス等が含まれる。また、店舗口座情報には、決済に係る支払金額が振り込まれる口座(店舗の口座)の口座番号、及び当該口座を管理する金融機関を識別する金融機関ID等が含まれる。なお、店舗情報データベース82aに格納される情報は、例えばそれぞれの店舗の店員の操作に応じてウォレットサーバ8にアクセスした店舗端末2からの設定要求に応じて格納される。
【0047】
ユーザ情報データベース82bには、
図3(B)に示すように、本電子決済システムSの利用登録を行ったユーザのユーザID、パスワード、ユーザの氏名、ユーザの連絡先、ユーザが所有するカードの番号等(クレジットカード番号の場合、ユーザの氏名、及びクレジットカードの有効期限が含まれてもよい)の情報がユーザ毎に対応付けられて格納されている。ここで、ユーザID及びパスワードは、ウォレットサーバ8へのログイン等の認証処理に用いられる。ユーザの連絡先には、ユーザの住所、電話番号、電子メールアドレス等が含まれる。
図3(B)の例では、ユーザa(ユーザID:U0001)は、1つの電子マネーカードと、1つのクレジットカードと、1つのポイントカードと、1つのデビットカードとを所有している。また、ユーザb(ユーザID:U0002)は、2つの電子マネーカードと、1つのクレジットカードと、1つのデビットカードとを所有している。また、ユーザc(ユーザID:U0003)は、1つの電子マネーカードと、1つのクレジットカードと、1つのポイントカードと、1つのデビットカードとを所有している。なお、ユーザ情報データベース82bに格納される情報は、例えばそれぞれのユーザの操作に応じてウォレットサーバ8にアクセスしたユーザ端末1からの設定要求に応じて格納される。
【0048】
決済方法情報データベース82cには、
図4に示すように、本電子決済システムSの利用登録を行ったユーザのユーザID、ユーザが利用可能な決済方法(例えば、決済方法を識別する決済種別IDでもよいし、文字列でもよい)、利用可能額、入出金履歴、決済方法の変更期日、用途、割振の可否、及び割振の優先順位等の情報がユーザ毎に対応付けられて格納されている。
図4の例では、ユーザID“U0001”には、ユーザaが利用可能な決済方法として、電子マネー決済、クレジット決済、ポイント決済、及び即時引落決済が対応付けられている。また、ユーザID“U0002”には、ユーザbが利用可能な決済方法として、電子マネー決済1(例えば、ストアド型電子マネー決済)、電子マネー決済2(例えば、サーバ型電子マネー決済)、クレジット決済、及び即時引落決済が対応付けられている。また、ユーザID“U0003”には、ユーザcが利用可能な決済方法として、電子マネー決済、クレジット決済、ポイント決済、及び即時引落決済が対応付けられている。
【0049】
また、
図4に示す利用可能額及び入出金履歴は、ユーザが利用可能な決済方法の情報である。電子マネー決済に対応付けられた利用可能額には、電子バリューの残高が該当する。電子マネー決済に対応付けられた入出金履歴中の入出金日には、利用履歴データに含まれる利用日(出金日)と、チャージ履歴データに含まれるチャージ日(入金日)とが該当する。電子マネー決済に対応付けられた入出金履歴中の入出金額には、利用履歴データに含まれる利用額(出金額:
図4の例では、−(マイナス)で表す)と、チャージ履歴データに含まれるチャージ額(入金額:
図4の例では、+(プラス)で表す)とが該当する。
【0050】
例えばユーザID“U0001”、且つ電子マネー決済に対応付けられた入出金日“2016/1/25”の入出金額“\-2,000”は、電子マネー決済により電子バリュー(残高)から\2,000減額されたことを意味する。本実施形態では、電子マネー決済が行われてから所定期間内に、当該電子マネー決済により減額された電子バリューを回復させて当該電子マネー決済をキャンセルし、当該電子バリューに相当する金額を当該電子マネー決済とは異なる第2の決済方法により決済(つまり、第1の決済方法から第2の決済方法に変更して決済)することが可能になっている。ここで、電子マネー決済が行われてから所定期間は、例えば、10日〜30日程度に設定される。
図4の例は、ユーザID“U0001”且つ電子マネー決済に対応付けられた決済方法の変更期日は“2016/2/4”であるので、所定時間は10日ということになる。ただし、第2の決済方法がクレジット決済である場合、上記所定期間は当月(例えば1月)の請求確定日を基準に決定されるとよい。1月の請求確定日を“2016/1/31”とすると、この日が期日となり、
図4の例では、所定期間は5日となる。これは、クレジットカードを利用するユーザにとって、例えば1月中の取引はその月の利用額としたい場合があるからである。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0051】
また、電子バリューの残高、利用履歴データ、及びチャージ履歴データは、例えばユーザIDまたは電子マネーカード番号をキーとして、第1電子マネー管理サーバ3または第2電子マネー管理サーバ4から所定のタイミング(定期的(例えば、1日毎)など)で取得され、決済方法情報データベース82cに格納される。
【0052】
一方、クレジット決済には、利用可能額と共に与信限度額が対応付けられており、利用可能額は、与信限度額から当月利用額を減じた額が該当する。例えばユーザID“U0001”、且つクレジット決済に対応付けられた入出金日“2016/1/15”の入出金額“\20,000”は当月利用額である。クレジット決済に対応付けられた利用履歴(
図4の例では、便宜上、入出金履歴と記す)中の入出金日には、利用履歴データに含まれる利用日(決済日)が該当する。クレジット決済に対応付けられた利用履歴中の入出金額には、利用履歴データに含まれる利用額(決済額)が該当する。与信限度額、利用履歴データ、及びチャージ履歴データは、例えばユーザIDまたはクレジットカード番号をキーとして、クレジットカード管理サーバ5から所定のタイミング(定期的(例えば、1日毎)など)で取得され、決済方法情報データベース82cに格納される。
【0053】
一方、ポイント決済に対応付けられた利用可能額(ポイント決済の利用可能額)には、残りポイント数(残高)が該当する。ポイント決済に対応付けられた入出金履歴中の入出金日には、利用履歴データに含まれる利用日(出金日)と、獲得履歴データに含まれる獲得日(入金日)とが該当する。ポイント決済に対応付けられた入出金履歴中の入出金額には、利用履歴データに含まれる利用ポイント数を所定の換算率で通貨に換算した額(出金額)と、獲得履歴データに含まれる獲得ポイント数を所定の換算率で通貨に換算した額(入金額)とが該当する。残りポイント数、利用履歴データ、及び獲得履歴データは、例えばユーザIDまたはポイントカード番号をキーとして、ポイント管理サーバ6から所定のタイミング(定期的(例えば、1日毎)など)で取得され、決済方法情報データベース82cに格納される。
【0054】
一方、即時引落決済に対応付けられた利用可能額(即時引落決済の利用可能額)には、ユーザ口座情報に含まれる残高が該当する。即時引落決済に対応付けられた入出金履歴中の入出金日には、利用履歴データに含まれる利用日(出金日)と、振込履歴データに含まれる振込日(入金日)とが該当する。即時引落決済に対応付けられた入出金履歴中の入出金額には、利用履歴データに含まれる利用(出金額)と、振込履歴データに含まれる振込額(入金額)とが該当する。口座の残高、利用履歴データ、及び振込履歴データは、例えばユーザIDまたはデビットカード番号をキーとして、口座管理サーバ7から所定のタイミング(定期的(例えば、1日毎)など)で取得され、決済方法情報データベース82cに格納される。
【0055】
また、
図4に示す割振の可否は、電子マネー決済された支払金額の割振候補(変更先)とするか否かを、ユーザが利用可能な決済方法毎に示す。なお、割振の可否は、それぞれのユーザにより任意に選択可能であり、例えばユーザの操作に応じてウォレットサーバ8にアクセスしたユーザ端末1からの設定要求に応じて更新される。
【0056】
また、
図4に示す用途は、それぞれの決済方法を何の用途に使うかを示す。例えばユーザID“U0002”に対応付けられた電子マネー決済1の用途は食費であり、電子マネー決済2の用途は交通費(例えば、電車賃、タクシー代などが該当する)であり、クレジット決済の用途は旅行費(例えば、ホテル代、航空券、高速バスなどが該当する)であり、即時引落決済の用途は日用品費である。このような用途は、電子マネー決済された支払金額が割り振られる第2の決済方法を選定するために用いられる。なお、決済方法の用途は、それぞれのユーザにより任意に選択可能であり、例えばユーザの操作に応じてウォレットサーバ8にアクセスしたユーザ端末1からの設定要求に応じて更新される。
【0057】
また、
図4に示す割振の優先順位は、電子マネー決済された支払金額の割り振り候補の中で優先して割り振る順番を示す。このような優先順位が高いほど支払金額が優先して割り振られる。なお、割振の優先順位は、それぞれのユーザにより任意に指定可能であり、例えばユーザの操作に応じてウォレットサーバ8にアクセスしたユーザ端末1からの設定要求に応じて更新される。
【0058】
システム制御部83(本発明におけるコンピュータの一例)は、CPU(Central Processing Unit)83a(プロセッサ),ROM(Read Only Memory)83b,及びRAM(Random Access Memory)83c等を備え、OS上で決済用プログラム等を実行する。
図5は、電子決済システムSの各構成要素の繋がりと、ウォレットサーバ8のシステム制御部83の機能ブロックとを示す図である。システム制御部83(システム制御部83内のプロセッサ)は、決済用プログラムを実行することにより、
図5に示すように、決済情報取得部831、変更要求受付部832、金額割振部833、及び第2決済部834等として機能する。なお、変更要求受付部832は、本発明における変更要求受付手段の一例である。金額割振部833は、本発明における割振手段の一例である。第2決済部834は、本発明における決済手段(第2決済手段)の一例である。
【0059】
決済情報取得部831は、店舗端末2、第1電子マネー管理サーバ3、第2電子マネー管理サーバ4、クレジットカード管理サーバ5、ポイント管理サーバ6、または口座管理サーバ7からのログデータ等を取得して選別した上で決済方法情報データベース82cに格納する。
【0060】
変更要求受付部832は、電子マネー決済が行われてから所定期間内に、当該電子マネー決済とは異なる他の決済方法に変更する変更要求を受け付ける。この変更要求は、例えばユーザ端末1または決済情報取得部831から受け付けられる。
【0061】
金額割振部833は、電子マネー決済により減額された電子バリューに相当する金額を、ユーザが利用可能な複数の決済方法のうちから変更先として当該ユーザにより選択された第2の決済方法に割り振る。これにより、ユーザに負担をかけずに、ユーザの意向に沿った割り振りを行うことができる。
【0062】
また、金額割振部833は、電子マネー決済により減額された電子バリューに相当する金額を、ユーザが利用可能な複数の決済方法のうち、当該電子マネー決済の用途に応じた第2の決済方法に割り振ってもよい。これにより、ユーザによる決済方法の用途に応じた使い分けを強力にサポートすることができる。
【0063】
ここで、
図4の例で、ユーザb(ユーザID“U0002”)がタクシー代の支払いに電子マネー決済1を使ったとき、その利用履歴データに取引店名としてタクシー会社名が記述されている場合、金額割振部833は、その用途(つまり、交通費)に応じた電子マネー決済2へ割り振る。この場合、例えば、タクシー会社名を示す文字列と、交通費を示す文字列とが対応付けられたテーブルが用いられる。その他、鉄道会社名を示す文字列と交通費を示す文字列とが対応付けられたテーブル、ホテル名を示す文字列と旅行費を示す文字列とが対応付けられたテーブル、航空会社を示す文字列と旅行費を示す文字列とが対応付けられたテーブル、コンビニアンスストア名を示す文字列と日用品費を示す文字列とが対応付けられたテーブルなどを予め記憶しておくように構成すれば、これらのテーブルと、利用履歴データとから、その決済時の用途を判別することができる。なお、決済時に例えば店舗端末2から取引対象のコード(例えばJANコード)やカテゴリ等の情報を得ることができればこれを利用して用途が判別されてもよい。
【0064】
或いは、金額割振部833は、電子マネー決済により減額された電子バリューに相当する金額を、ユーザが利用可能な複数の決済方法のうち当該ユーザにより予め指定された割振の優先順位に応じて割り振ってもよい。これにより、ユーザに負担をかけずに、ユーザの意向に沿った割り振りを行うことができる。
【0065】
第2決済部834は、電子マネー決済により減額された電子バリューを回復させて当該電子マネー決済をキャンセルし、当該電子バリューに相当する金額を上記第2の決済方法により決済する。例えば、第2決済部834は、第2の決済方法に対応する管理サーバ4〜7の何れかへ決済要求を送信する。なお、ストアド型電子マネー決済が変更先になった場合、電子マネー決済により減額された電子バリューを回復させ、且つ、ウォレット機能により当該ユーザのユーザIDに対応付けられて管理されているチャージ額から、上記回復させる電子バリューに相当する金額だけ減らす。
【0066】
[2.電子決済システムSの動作]
次に、本実施形態に係る電子決済システムSの動作について説明する。
【0067】
(2−1.割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位設定時の動作)
先ず、
図6等を参照して、割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位設定時の動作について説明する。
図6は、割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位設定時におけるユーザ端末1及びウォレットサーバ8の処理例を示すシーケンス図である。
【0068】
例えばユーザaのユーザ端末1においてユーザ側決済用プログラムが起動してウォレットサーバ8へアクセスしてログインが完了した後、制御部11は、操作・表示部13に表示されたメニュー(図示せず)から、ユーザaにより設定開始ボタンの指定を受け付けると、取得要求をネットワークNWを介してウォレットサーバ8へ送信する(ステップS1)。この取得要求には、例えばユーザaのユーザIDが含まれる。
【0069】
次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、ユーザ端末1からの取得要求を受信すると、ユーザaのユーザIDに対応付けられている決済方法毎の割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位を決済方法情報データベース82cから取得する(ステップS2)。なお、例えば、割振の可否は、設定前の初期状態では「否」に設定されており、決済方法の用途は、設定前の初期状態では「限定無」に設定されており、割振の優先順位は、設定前の初期状態では「無」に設定されている。次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、ステップS2で取得した決済方法毎の割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位を含むデータをネットワークNWを介してユーザ端末1へ送信する(ステップS3)。
【0070】
次いで、ユーザ端末1の制御部11は、ウォレットサーバ8からの割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位を含むデータを受信すると、割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位を記憶し、割振可否設定画面を操作・表示部13に表示する(ステップS4)。
【0071】
図7は、ユーザ端末1における割振可否設定画面の表示例を示す図である。
図7に示す割振可否設定画面には、ユーザaが利用可能な決済方法の割振の可否を選択するためのチェックボックス51と、ユーザaが利用可能な決済方法の用途を指定するための入力欄52と、ユーザaが利用可能な決済方法の割振の優先順位を指定するための入力欄53と、設定ボタン54とが設けられている。
【0072】
このような表示状態で、ユーザaは、チェックボックス51の全部または一部をチェック(選択)することができる。制御部11は、チェックボックス51へのチェックを受け付けると(ステップS5:YES)、チェックされた決済方法の割振を「可」に更新する(ステップS6)。なお、図示しないが、チェックボックス51へのチェックを外すと、その決済方法の割振が「否」に更新される。また、ユーザaは、入力欄52の全部または一部に用途を入力(例えば、プルダウン表示から指定)することができる。制御部11は、入力欄52への入力を受け付けると(ステップS7:YES)、元の用途を、入力された用途に更新する(ステップS8)。また、ユーザaは、入力欄53の全部または一部に優先順位(数値)を入力(指定)することができる。制御部11は、入力欄53への入力を受け付けると(ステップS9:YES)、元の優先順位を、入力された優先順位に更新する(ステップS10)。そして、制御部11は、ユーザaによる設定ボタン54の指定を受け付けると(ステップS11:YES)、設定要求をネットワークNWを介してウォレットサーバ8へ送信する(ステップS12)。この設定要求には、上記更新された割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位、並びにユーザaのユーザIDが含まれる。
【0073】
次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、ユーザ端末1からの設定要求を受信すると、受信された設定要求に含まれる割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位に基づいて、決済方法情報データベース82cに格納されている割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位であってユーザaのユーザIDに対応付けられている決済方法毎の割振の可否、決済方法の用途、及び割振の優先順位を更新(最新に設定)する(ステップS13)。
【0074】
(2−2.電子マネー決済時の動作)
次に、
図8を参照して、電子マネー決済時の動作について説明する。なお、以下では、ストアド型電子マネー決済時の動作を例にとって説明するが、サーバ型電子マネー決済時の動作であってもよい。
図8は、ストアド型電子マネー決済時における電子マネーカード、店舗端末2、第1電子マネー管理サーバ3、及びウォレットサーバ8の処理例を示すシーケンス図である。
【0075】
例えば、店舗で提供された取引対象に対するストアド型電子マネー決済を求めるユーザaは、当該店舗のレジにおいて、自身が所持する電子マネーカードをリーダライタRWに翳すと、店舗端末2の制御部21(ID取得部211)は、リーダライタRWを介して電子マネー番号及び電子バリューの残高を電子マネーカードに要求する(ステップS21)。電子マネーカードは、当該要求に応じて、不揮発性メモリに記憶された電子マネー番号及び電子マネーの残高を読み出してリーダライタRWへ送信する(つまり、リーダライタRWにより、電子マネー番号及び電子バリューの残高が読み取られる)(ステップS22)。こうして、制御部21(ID取得部211)は、リーダライタRWにより読み取られた電子マネー番号及び電子バリューの残高を取得する(ステップS23)。
【0076】
次いで、制御部21(第1決済部212)は、ステップS23で取得された電子バリューの残高が支払金額以上(ステップS24:YES)であれば利用履歴データを生成し(ステップS25)、当該生成した利用履歴データと、電子バリューの残高を減らす(つまり、支払金額だけ減額する)減額命令を、リーダライタRWを介して電子マネーカードへ送信する(ステップS26)。そして、電子マネーカードは、店舗端末2からの利用履歴データ及び減額命令を受信すると、不揮発性メモリに記憶された電子バリューの残高を支払金額だけ減額し(ステップS27)、且つ利用履歴データを不揮発性メモリに記憶して、処理結果をリーダライタRWを介して店舗端末2へ応答する(ステップS28)。そして、店舗端末2の制御部21は、電子マネーカードからの応答を受信するとストアド型電子マネー決済を完了し、例えば即時送信、または所定時間が経過した後に、ステップS23で取得された電子マネー番号と、ステップS25で生成された利用履歴データとを、第1電子マネー管理サーバ3へ送信する(ステップS29)。第1電子マネー管理サーバ3は、店舗端末2から受信された電子マネー番号及び利用履歴データを、例えばウォレットサーバ8からの要求に応じて、ウォレットサーバ8へ送信する(ステップS30)。
【0077】
そして、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、電子マネー番号及び利用履歴データを受信すると、受信した電子マネー番号からユーザIDを特定し(ステップS31)、受信した利用履歴データ中の利用日(決済日)から決済方法の変更期日を決定する(ステップS32)。例えば、利用日から10日〜30日の間の何れかの日が変更期日として決定される。なお、この変更期日は、ユーザaが利用可能な上述した第2の決済方法毎に異なるように決定してもよい。
図4の例では、ユーザaの利用可能な第2の決済方法はクレジット決済、ポイント決済、及び即時引落決済であるが、システム制御部83は、ポイント決済及び即時引落決済についての変更期日を利用日から10日目の2016/2/4に決定する一方、クレジット決済についての変更期日を2016/1/31(1月の請求確定日)に決定するように構成するとよい。次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、ステップS31で特定したユーザIDと電子マネー決済に対応付けて、上記受信した利用履歴データ中の利用日及び利用額と、ステップS32で決定された変更期日とを、決済方法情報データベース82cに格納する(ステップS33)。なお、変更期日は、その日が到来すると決済方法情報データベース82cから削除される。このとき、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、利用日及び利用額に対応付けて、上記受信した利用履歴データ中の取引店名を決済方法情報データベース82cに格納しておくとよい。
【0078】
(2−3.決済方法の変更時及び電子バリューの回復時の動作)
次に、
図9等を参照して、決済方法の変更時及び電子バリューの回復時の動作について説明する。
図9は、決済方法の変更時におけるユーザ端末1及びウォレットサーバ8の処理例を示すシーケンス図である。
【0079】
例えばユーザaのユーザ端末1においてユーザ側決済用プログラムが起動してウォレットサーバ8へアクセスしてログインが完了した後、制御部11は、操作・表示部13に表示されたメニュー(図示せず)から、ユーザaにより履歴閲覧ボタンの指定を受け付けると、閲覧要求をネットワークNWを介してウォレットサーバ8へ送信する(ステップS41)。この閲覧要求には、例えば、ユーザaのユーザIDが含まれる。
【0080】
次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、ユーザ端末1からの閲覧要求を受信すると、ユーザaのユーザIDに対応付けられている決済方法毎の利用可能額及び入出金履歴(取引店名含む)を一定期間分(例えば、1ヶ月分)、並びに決済方法の変更期日(格納されている場合に限る)を決済方法情報データベース82cから取得する(ステップS42)。次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、ステップS42で取得した決済方法毎の利用可能額及び入出金履歴(一定期間分)、並びに決済方法の変更期日を含むデータをネットワークNWを介してユーザ端末1へ送信する(ステップS43)。
【0081】
次いで、ユーザ端末1の制御部11は、ウォレットサーバ8からの決済方法毎の利用可能額及び入出金履歴(一定期間分)、並びに決済方法の変更期日を含むデータを受信すると、決済方法毎の利用可能額及び入出金履歴を一定期間分、並びに決済方法の変更期日を記憶し、これらの情報を含む利用履歴閲覧画面を操作・表示部13に表示する(ステップS44)。
【0082】
図10(A)は、ユーザ端末1における利用履歴閲覧画面の表示例を示す図であり、
図10(B)は、ユーザ端末1における決済方法の変更先選択画面の表示例を示す図である。
図10(A)に示す利用履歴閲覧画面には、ユーザaが利用可能な決済方法毎の利用可能額及び利用履歴が1ヶ月分、表示されていると共に、変更ボタン61が設けられている。
【0083】
図10(A)に示すような表示状態で、ユーザaは、ストアド型電子マネー決済である第1の決済方法を第2の決済方法に変更したい場合、ユーザaによる変更ボタン61を指定する。制御部11は、当該変更ボタン61の指定を受け付けると(ステップS45:YES)、
図10(B)に示すような変更先選択画面を操作・表示部13に表示(例えば利用履歴閲覧画面から遷移させて表示してもよいし、利用履歴閲覧画面上に重畳させて表示してもよい)する(ステップS46)。
図10(B)に示す変更先選択画面には、ユーザaが利用可能な決済方法のうちから変更先(第2の決済方法)を選択するためのチェックボックス62と、要求ボタン63とが設けられている。なお、割振の可否が「否」である決済方法に対応するチェックボックス62は、変更先選択画面に表示されない。
【0084】
このような表示状態で、ユーザaは、チェックボックス62の全部または一部をチェック(選択)することができる。制御部11は、チェックボックス62へのチェックを受け付け(ステップS47:YES)、決済方法の変更先を選択する(ステップS48)。
図10(A)の例では、変更先として、クレジット決済及び即時引落決済のそれぞれが選択される。そして、制御部11は、ユーザaによる要求ボタン63の指定を受け付けると(ステップS49:YES)、第1の決済方法を上記選択された変更先(第2の決済方法)に変更する変更要求をネットワークNWを介してウォレットサーバ8へ送信する(ステップS50)。この変更要求には、ユーザaのユーザID、及び選択された変更先(第2の決済方法)を示す情報が含まれる。
【0085】
次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83(変更要求受付部832)は、ユーザ端末1からの変更要求を受け付けると、システム制御部83(金額割振部833)は、ストアド型電子マネー決済により減額された電子バリューに相当する金額(
図10(A)の例では、\2,000)を、ユーザaが利用可能な複数の決済方法のうちから変更先として当該ユーザaにより選択された1つ以上の第2の決済方法(クレジット決済及び即時引落決済)に割り振る(ステップS51)。例えば、減額された電子バリューに相当する金額\2,000は、変更先として選択されたクレジット決済と即時引落決済とに均等して割り振られる。
【0086】
なお、変更先として複数の第2の決済方法が指定された場合、減額された電子バリューに相当する金額は、第2の決済方法の割振の優先順位に応じて割り振られてもよい。例えば、
図4の例におけるユーザID“U0003”に関し、ポイント決済の割振の優先順位は1位であり、クレジット決済の割振の優先順位は2位であり、即時引落決済の割振の優先順位は3位である。この場合、減額された電子バリューに相当する金額が\5,000とすると、先ず、割振の優先順位が1位であるポイント決済に対して割振額\4,000が割り振られ(これによりポイント決済の利用可能額(上限)に達するので)、次に、割振の優先順位が2位であるクレジット決済に対して残りの割振額\1,000が割り振られることになる。
【0087】
次いで、ウォレットサーバ8のシステム制御部83(第2決済部834)は、ストアド型電子マネー決済により減額された電子バリューを回復させて当該電子マネー決済をキャンセルし、当該電子バリューに相当する金額(割振額)を、当該割振額が割り振られた第2の決済方法により決済する処理を行う(ステップS52)。
【0088】
ところで、ストアド型電子マネー決済により減額された電子バリューを回復させるためには、ウォレットサーバ8がネットワークNW及びユーザ端末1(店舗端末2でもよい)を介して電子マネーカードの電子バリューを回復させる必要があり、これが完了するまでは第2の決済方法を確定できない。そこで、システム制御部83(第2決済部834)は、電子マネーカードの電子バリューが回復するまで(電子マネー決済が行われてから所定期間において第2の決済方法が確定するまでの一例)、第2の決済方法により実際に決済を行うことを保留し、当該第2の決済方法により決済される金額を仮減額として利用履歴閲覧画面(表示画面の一例)にユーザ端末1に表示させるとよい。これにより、ユーザが利用可能な複数の決済方法について決済方法の変更後の利用可能額等の情報をユーザに対して効果的に提示することができる。なお、電子マネーカードの電子バリューが回復するまでの間、ウォレットサーバ8は、電子マネーカードの電子マネー番号と回復額とを対応付けて管理する。
【0089】
図11(A)は、変更要求を送信したユーザ端末1における利用履歴閲覧画面の表示例を示す図である。
図11(A)に示す利用履歴閲覧画面は、
図10(A)に示す利用履歴閲覧画面と同様、ユーザ端末1からウォレットサーバ8への閲覧要求に応じて表示される。
図11(A)に示す利用履歴閲覧画面には、変更先として選択されたクレジット決済及び即時引落決済の利用履歴(割振額\1,000が減額された履歴)が追加されており、クレジット決済及び即時引落決済の利用可能額\1,000ずつ減額されているが、これらの減額は仮減額であることが明示されている。また、
図11(A)に示す利用履歴閲覧画面には、回復実行ボタン64が設けられている。これにより、電子マネー決済を事後的に第2の決済方法に簡単に変更することができる。
【0090】
ここで、
図12を参照して、電子バリューの回復時の動作について説明する。
図12は、電子バリューの回復時における電子マネーカード、ユーザ端末1、及びウォレットサーバ8の処理例を示すシーケンス図である。このとき、ユーザ端末1には、
図11(A)に示すような利用履歴閲覧画面が表示されているものとする。なお、サーバ型電子マネー決済が行われた場合のステップS52では、ウォレットサーバ8のシステム制御部83(第2決済部834)は、当該サーバ型電子マネー決済により減額された電子バリューを第2電子マネー管理サーバ4より回復させて当該電子マネー決済をキャンセルすればよいので、
図12に示す電子バリューの回復時の動作は行われない。
【0091】
例えば、ユーザaが電子バリューの回復対象となる電子マネーカードをユーザ端末1に近づけると、電子マネーカードとユーザ端末1の近距離無線通信部15との間で通信が行われ、ユーザ端末1の制御部11は、電子マネーカードから電子マネー番号を取得する(ステップS61)。次いで、制御部11は、ユーザaによる回復実行ボタン64の指定を受け付けると(ステップS62:YES)、電子バリューの回復要求をネットワークNWを介してウォレットサーバ8へ送信する(ステップS63)。この回復要求には、電子マネーカードから取得した電子マネー番号等(ユーザIDが含まれてもよい)が含まれる。
【0092】
ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、ユーザ端末1からの回復要求を受け付けると、回復要求に含まれる電子マネー番号に対応付けられた回復額を管理している場合、電子バリューの残高を回復額だけ増額する(つまり、減額された電子バリューを回復させる)回復命令をネットワークNWを介してユーザ端末1へ送信する(ステップS64)。なお、電子マネー決済が行われてから決済方法の変更期日までの間に、ユーザ端末1からの回復要求が受け付けられない場合(つまり、ユーザが回復実行ボタン64を指定しなかった場合)、電子バリューの回復、及び第2の決済方法による決済はキャンセルされるように構成してもよい。
【0093】
次いで、ユーザ端末1は、ウォレットサーバ8からの回復命令を受信すると、当該回復命令を近距離無線通信部15を通じて電子マネーカードへ送信する(ステップS65)。そして、電子マネーカードは、ユーザ端末1からの回復命令を受信すると、不揮発性メモリに記憶された電子バリューの残高を回復額だけ増額し(つまり、減額された電子バリューを回復し)(ステップS66)、ユーザ端末1へ応答する(ステップS67)。ユーザ端末1は、電子マネーカードからの応答を受信すると、当該応答をネットワークNWを介してウォレットサーバ8へ送信する(ステップS68)。これにより、ウォレットサーバ8のシステム制御部83(第2決済部834)は、ユーザ端末1からの応答を受信すると、電子マネーカードの電子マネー番号と回復額とを対応付けた管理を解除し、割振額が割り振られた第2の決済方法に対応する管理サーバへ決済要求(ユーザaのユーザID及び割振額を含む)をネットワークNWを介して送信する。
【0094】
例えば、割振額が割り振られた第2の決済方法がクレジット決済である場合、システム制御部83(第2決済部834)は、クレジットカード管理サーバ5へ、上記決済要求をネットワークNWを介して送信する。クレジットカード管理サーバ5は、ウォレットサーバ8からの決済要求を受信すると、クレジット決済が可能であるか否かの与信照会を行い、例えば有効期限が過ぎておらず、且つ当該決済要求に含まれる割振額が、当該決済要求に含まれるユーザIDに対応付けられた利用可能額を超えていない場合(なお、割振額が利用可能額を超えている場合、クレジット決済は行われない)に、与信承認OKメッセージをウォレットサーバ8へ返信する。ウォレットサーバ8は、与信承認OKメッセージを受信した場合、割振額を請求する請求データ(ユーザaのユーザID、及びウォレットサーバ8の運営者により用意された口座の口座番号、及び割振額を含む)がクレジットカード管理サーバ5へ送信され、さらに、クレジットカード管理サーバ5から金融機関システム9へ資金移動要求が送信される。これにより、当該割振額が立替払取次業者(例えば、クレジットカード会社)の口座(口座の預金残高)から引き落とされてウォレットサーバ8の運営者(立替払取次業者と同一の場合もある)により用意された口座に振り込まれる。その後、当該割振額及び手数料が当該ユーザの口座から引き落とされる。
【0095】
一方、割振額が割り振られた第2の決済方法がポイント決済である場合、システム制御部83(第2決済部834)は、ポイント管理サーバ6へ、上記決済要求をネットワークNWを介して送信する。ポイント管理サーバ6は、ウォレットサーバ8からの決済要求を受信すると、当該決済要求に含まれるユーザIDに対応付けられた残りポイント数が、割振額を所定の換算率で換算したポイント数以上である場合(なお、当該残りポイント数が当該ポイント数未満である場合、ポイント決済は行われない)、当該残りポイント数を減らす(つまり、割振額を所定の換算率で換算したポイント分だけ減らす)処理を行う。
【0096】
一方、割振額が割り振られた第2の決済方法が即時引落決済である場合、システム制御部83(第2決済部834)は、口座管理サーバ7へ、上記決済要求をネットワークNWを介して送信する。口座管理サーバ7は、ウォレットサーバ8からの決済要求を受信すると、当該決済要求に含まれるユーザIDに対応付けられたユーザの口座の残高が、割振額以上である場合(当該残高が割振額未満である場合、即時引落決済は行われない)、当該割振額の移動要求(当該決済要求に含まれるユーザID、ウォレットサーバ8の運営者により用意された口座の口座番号、及び割振額を含む)を金融機関システム9へ送信する。これにより、当該割振額がユーザの口座(口座の残高)から引き落とされてウォレットサーバ8の運営者により用意された口座に振り込まれる。
【0097】
こうして、第2の決済方法により決済が完了する。
図11(B)は、第2の決済方法により決済が完了した後にユーザ端末1における利用履歴閲覧画面の表示例を示す図である。
図11(B)に示す利用履歴閲覧画面は、
図10(A)に示す利用履歴閲覧画面と同様、ユーザ端末1からウォレットサーバ8への閲覧要求に応じて表示される。
図11(B)に示す利用履歴閲覧画面では仮減額の表示は消去されている。
【0098】
なお、上記例では、第2の決済方法が確定するまでの一例として、電子マネーカードの電子バリューが回復するまでとしたが、別の例として、電子マネー決済が行われてから決済方法の変更期日までであってもよい。この場合、電子マネー決済が行われてから決済方法の変更期日までの間(例えば、10日間)に、上述した変更要求が受け付けられたとしても、システム制御部83(第2決済部834)は、第2の決済方法により実際に決済を行うことを保留し、当該第2の決済方法により決済される金額を仮減額として利用履歴閲覧画面にユーザ端末1に表示させ、変更期日が経過してはじめて、上述したように、第2の決済方法により決済が行われる。この場合、電子マネー決済が行われてから決済方法の変更期日までの間に取消要求があった場合、上述した決済方法の変更が取り消されるように構成してもよい。
【0099】
また、上記決済方法の変更時及び電子バリューの回復時の動作は、減額された電子バリューを手動的に回復させる例であるが、減額された電子バリューを自動的に回復させることもできる。この場合、上記ステップS33でユーザIDと電子マネー決済に対応付けて利用日及び利用額が決済方法情報データベース82cに格納された後、システム制御部83(決済情報取得部831)は、利用履歴データ中の例えば取引店名等の情報を取得し、取得した情報から用途を特定できるか否かを判定する。そして、システム制御部83(決済情報取得部831)は、上述したようなテーブルから用途を特定できた場合、変更要求を変更要求受付部832へ出力する。システム制御部83(変更要求受付部832)は、上記変更要求を受け付けた場合、上記特定できた用途が、上記ステップS33で利用日及び利用額が対応付けられた電子マネー決済以外の決済方法に対応付けられているか否かを判定する。上記特定できた用途が利用日及び利用額が対応付けられた電子マネー決済以外の決済方法に対応付けられている場合、システム制御部83(金額割振部833)は、当該電子マネー決済により減額された電子バリューに相当する金額を、当該特定できた用途に応じた第2の決済方法へ割り振る。そして、上述したように、システム制御部83(第2決済部834)は、電子マネー決済により減額された電子バリューを回復させて当該電子マネー決済をキャンセルし、当該電子バリューに相当する金額(割振額)を、当該割振額が割り振られた第2の決済方法により決済する処理を行う。
【0100】
以上説明したように、上記実施形態によれば、システム制御部83は、ユーザが利用可能な複数の決済方法のうちの電子マネー決済が行われてから所定期間内に、当該ユーザが利用可能な複数の決済方法のうちの当該電子マネー決済とは異なる第2の決済方法に変更する変更要求を受け付けた場合、当該電子マネー決済により減額された電子バリューを回復させて当該電子マネー決済をキャンセルし、当該電子バリューに相当する金額を、電子マネー決済とは異なる第2の決済方法により決済するように構成したので、電子マネー決済を事後的に第2の決済方法に変更することができる。これにより、ユーザの利便性を格段に高めることができる。
【0101】
なお、上記実施形態においては、店舗端末2の制御部21が店舗側決済用プログラムを実行することにより、ID取得部211、及び第1決済部212として機能するように構成したが、ウォレットサーバ8のシステム制御部83がID取得部211、及び第1決済部212として機能するように構成してもよい。この場合、ウォレットサーバ8のシステム制御部83は、取引対象に対する決済を求めるユーザのユーザIDをユーザ端末1からネットワークNWを介して取得し、当該ユーザが利用可能な複数の決済方法であって当該ユーザIDに対応付けられている複数の決済方法のうち電子マネー決済により当該支払金額を電子バリューから減額する決済を行う。或いは、ユーザ端末1の制御部11がID取得部211、及び第1決済部212として機能するように構成してもよい。この場合、ユーザ端末1の制御部11は、取引対象に対する決済を求めるユーザのユーザIDを取得し、当該ユーザが利用可能な複数の決済方法であって当該ユーザIDに対応付けられている複数の決済方法のうち電子マネー決済により当該支払金額を電子バリューから減額する決済を行う。
【0102】
また、上記実施形態においては、ウォレットサーバ8のシステム制御部83が決済用プログラムを実行することにより、変更要求受付部832、金額割振部833、及び第2決済部834として機能するように構成したが、ユーザ端末1の制御部11が変更要求受付部832、金額割振部833、及び第2決済部834として機能するように構成してもよい。この場合、ユーザ端末1の制御部11は、電子マネー決済が行われてから所定期間内に、変更要求を受け付けた場合、減額された電子バリューを回復させて電子マネー決済をキャンセルし、当該電子バリューに相当する金額を他の第2の決済方法により決済する。或いは、店舗端末2の制御部21が変更要求受付部832、金額割振部833、及び第2決済部834として機能するように構成してもよい。