(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定部は、前記複数のグループのそれぞれにおける平均的なユーザにおける、前記宣伝商品への好感を示す度合いを算出し、当該算出した好感を示す度合いを、前記反応する度合いとして推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の文書配布装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来技術において、対象ユーザに配布するための文書に対し、配布の効果が特に顕著であるユーザに配布先を絞り込む、または、配布の効果が見込めるユーザに配布先を拡大する、といったことを実現するものはない。
【0007】
多くの場合、配布者が情報を配布する文書を作成する際、配布対象となるユーザがなんであるかを想定して文書を作成する。しかし、実際に文書を配布する段階にあって、配布先として想定しているユーザの数を確認したところ、想定していた配布数よりも著しく多い場合、または少ないケースが生じうる。
【0008】
配布者にとって、想定していた数よりも多くのユーザに文書を配布することは、配布コストの増加につながるため、望ましくない。一方で、配布者にとって、想定していた数よりも少ないユーザにしか文書を配布しないことは、配布による広告効果を得られないことにつながり、これも望ましくない。情報の配布者にとっては、文書を配布する対象のユーザの数を配布前に検証し、想定していた範囲から外れていた場合に、対象のユーザの数を調整することに対するニーズが存在する。特に、対象のユーザの数を調整するにあたり、配布が想定されるユーザ群から、ユーザの性質に応じ、配布の効果が特に顕著であるユーザに配布先を絞り込み、または、配布の効果が見込めるユーザに配布先を拡大することができることが望ましい。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、文書を配布する対象となるユーザの範囲を、ユーザの性質を踏まえて調整することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる文書配布装置は、
配布すべき文書を配布者から受け付ける受付部、
複数のグループのそれぞれに属するユーザについて、前記受け付けられた文書の送付に反応する度合いを推定する推定部、
前記推定された度合いが上位のグループを、当該グループに属するユーザの数と対応付けて提示し、いずれかのグループを選択する入力を前記配布者から受け付ける選択部、
前記配布者を差出人とし、前記選択されたグループに属するユーザを宛先として、前記受け付けられた文書を配布する配布部、
を備えることを特徴とする。
【0011】
第1の観点にかかる文書配布装置は、
当該ユーザの購入履歴に含まれる購入商品の類似度を基準に、前記ユーザを前記複数のグループに分類する分類部、をさらに備え、
前記推定部は、前記受け付けられた文書により宣伝される宣伝商品に基づいて、前記複数のグループのそれぞれに属するユーザが、前記受け付けられた文書の送付に反応する度合いを推定する、
ものであってもよい。
【0012】
第1の観点にかかる文書配布装置において、
前記推定部は、前記受け付けられた文書から、前記宣伝商品を識別するための情報を抽出し、当該抽出された情報によって前記宣伝商品を特定する、
ものであってもよい。
【0013】
第1の観点にかかる文書配布装置において、
前記推定部は、前記複数のグループのそれぞれにおける平均的なユーザにおける、前記宣伝商品への好感を示す度合いを算出し、当該算出した好感を示す度合いを、前記反応する度合いとして推定する、
ものであってもよい。
【0014】
第1の観点にかかる文書配布装置において、
前記選択部は、前記提示されたグループのうち、2以上を選択する入力を受け付けると、当該選択された2以上のグループのいずれかに属するユーザの実数を提示する、
ものであってもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる文書配布方法は、
配布すべき文書を配布者から受け付ける受付ステップ、
複数のグループのそれぞれに属するユーザについて、前記受け付けられた文書の送付に反応する度合いを推定する推定ステップ、
前記推定された度合いが上位のグループを、当該グループに属するユーザの数と対応付けて提示し、いずれかのグループを選択する入力を前記配布者から受け付ける選択ステップ、
前記配布者を差出人とし、前記選択されたグループに属するユーザを宛先として、前記受け付けられた文書を配布する配布ステップ、
を備えることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
コンピュータに、
配布すべき文書を配布者から受け付ける受付手順、
複数のグループのそれぞれに属するユーザについて、前記受け付けられた文書の送付に反応する度合いを推定する推定手順、
前記推定された度合いが上位のグループを、当該グループに属するユーザの数と対応付けて提示し、いずれかのグループを選択する入力を前記配布者から受け付ける選択手順、
前記配布者を差出人とし、前記選択されたグループに属するユーザを宛先として、前記受け付けられた文書を配布する配布手順、
を実行させることを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかる非一時的な記録媒体は、
コンピュータに、
配布すべき文書を配布者から受け付ける受付手順、
複数のグループのそれぞれに属するユーザについて、前記受け付けられた文書の送付に反応する度合いを推定する推定手順、
前記推定された度合いが上位のグループを、当該グループに属するユーザの数と対応付けて提示し、いずれかのグループを選択する入力を前記配布者から受け付ける選択手順、
前記配布者を差出人とし、前記選択されたグループに属するユーザを宛先として、前記受け付けられた文書を配布する配布手順、
を実行させるプログラムを記録している。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、文書を配布する対象となるユーザの範囲を、ユーザの性質に応じて調整することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0021】
<実施の形態>
本発明の実施の形態にかかる文書配布装置100は、配布者が作成した文書を、対象として選定された宛先である複数のユーザに配布する装置である。文書配布装置100は、特に、電子市場を介して出店している販売店が、顧客になりうるユーザに配布しようとする文書を受け付け、その電子市場に登録されているユーザに配布する。配布する文書は主として電子データであり、配布者が文書配布装置100に入力する。文書配布装置100は、配布者により設定された宛先に、入力された文書を配布する。配布する手段は任意であるが、主として、文書配布装置100は電子メールの形態で入力された文書を配布する。
【0022】
文書配布装置100が文書を配布する宛先のユーザは、1つの母集団(例えば、電子市場に登録されているユーザ)から、配布者によって選択されたユーザ群に属するユーザである。配布者は、例えば、自身が運営する販売店から、電子市場を介して購入経験のあるユーザを、電子市場に登録されているユーザから抽出し、抽出したユーザに、新商品の告知などの情報を提供することを望む場合がある。そのような場合に、文書配布装置100は、配布者から、配布すべき情報を記載した文書を受け付けるとともに、配布する対象のユーザを配布者の入力に従って抽出し、抽出されたユーザのメールアドレスに受け付けた文書を配布する。
【0023】
配布者が文書を作成して配布しようとする際、文書配布装置100は、事前に配布対象となるユーザの数を配布者に提示する。配布者は、提示されたユーザの数を確認するだけでなく、提示されたユーザの数が想定していた範囲に含まれていなかった場合に、配布対象であるユーザの範囲を拡大し、あるいは縮小することにより、文書を配布するユーザの数を想定した範囲内となるまで調整することが可能である。
【0024】
文書配布装置100は、配布者が文書を配布するユーザの数を調整する際、ユーザを、その特性に応じて複数のグループに分類された形態で提示する。配布者は、文書配布装置100に提示された複数のグループから、1つまたは複数のグループを選択する操作を行う。文書配布装置100は、配布者に選択されたグループに属するユーザを配布対象として文書を配布する。
【0025】
ここで、グループとは、1つの母集団に属するユーザを、その特性ごとに分類した結果生じる、共通する性質を持つユーザの集合を指す。文書配布装置100は、1つの母集団において、ある共通の性質を持つユーザは、共通する1つのグループに属するように分類する。
【0026】
文書配布装置100は、ユーザの持つ様々な性質や、ユーザの過去の行動などに基づいて、ユーザを分類する。例えば、文書配布装置100は、ユーザの年齢や性別、職業、趣味などによってグループに分類する。または、文書配布装置100は、ユーザが過去に電子市場でどのような購買行動をとったか(購入または閲覧した商品の傾向、または、購入時期の傾向など)に基づいて、ユーザをグループに分類する。
【0027】
文書配布装置100による分類では、1人のユーザが複数のグループに重複して属するケースがある。例えば、28歳の男性であるユーザは、「男性」のグループと、「年齢20−29」のグループとの両方のグループに所属する。逆に、1人のユーザが重複して属することが排除されているグループも存在する。例えば、「年齢20−29」のグループに属するユーザが、同時に「年齢30−39」のグループに属することはない。
【0028】
文書配布装置100は、配布者に、それぞれのグループに属するユーザの数を提示し、どのグループのユーザを対象として文書を配布するかを選択させる。配布者は、文書配布装置100に提示された、各グループに属するユーザの数を把握したうえで、どのグループに属するユーザに文書を配布するかを選択することができる。そのため、配布者としては、当初「年齢20−29」のグループに属するユーザを念頭に作成した文書であっても、「年齢20−29」のグループに属するユーザの数が想定の範囲よりも少なかった場合に、「年齢30−39」のグループまたは「男性」のグループに属するユーザを文書の配布対象に含めることができる。逆に、想定していたグループに属するユーザが想定以上に多かった場合に、想定していたグループ内でさらに文書の配布対象を絞り込むことができる。
【0029】
文書配布装置100は、
図1に示すように、機能面では、受付部11、推定部12、選択部13、配布部14を備える。また、任意の構成として、分類部15を備えるものであってもよい。
【0030】
受付部11は、配布すべき文書DCを配布者Dから受け付ける。配布者Dは、ユーザに配布する文書DCとなる電子データを作成し、文書配布装置100に導入する。受付部11は、配布者Dから、文書DCを示す電子データを受け付け、配布文書データ21として記録する。
【0031】
推定部12は、ユーザデータ22およびユーザ反応データ23を参照し、複数のグループのそれぞれに属するユーザについて、配布文書が送付されたときに反応する度合いを推定する。ユーザデータ22には、電子市場に登録されているユーザが、そのユーザの属性(そのユーザが属するグループ)と対応付けられて記録されている。推定部12は、グループごとに、そのグループに属するユーザをユーザデータ22から読み出し、そのグループにおけるユーザがどの程度、配布文書が送付されたときに反応するかをユーザ反応データ23に基づいて推定する。
【0032】
選択部13は、反応する度合いが上位のグループを、そのグループに属するユーザの数と対応付けて配布者Dに提示する。そのため、配布者Dは、配布を予定している文書DCに反応する見込みが高いユーザが属するグループと、そのグループに属するユーザの数と、を知ることができる。選択部13は、推定部12が各グループについて推定した、ユーザが反応する度合いに基づいてグループをソートする。そのうえで推定部12は、反応する度合いが高い(文書の送付に対してより強く反応することが見込める)ユーザのグループを、あらかじめ定められた数、ソートされたグループの上位から順に抽出する。選択部13は、抽出したグループと、そのグループに属するユーザの数と、を対応付けて配布者Dに提示する。
【0033】
さらに選択部13は、提示されたグループからいずれかのグループを選択する入力を、配布者Dから受け付ける。配布者Dは、提示されたグループ(反応する度合いが高いグループ)から、文書を配布するユーザの属するグループを選択する。配布者Dがいずれかのグループを選択する操作を行うと、選択部13は、配布者Dによる操作に従い、選択されたグループを示す情報を受け付ける。
【0034】
配布部14は、選択部13が受け付けた操作入力が示すグループに属するユーザを宛先とし、配布者Dを差出人として、受付部11が受け付けた文書を配布する。すなわち、配布部14は、選択部13が受け付けた操作入力が示すグループ(グループUG)を特定し、特定したグループに属するユーザ(ユーザU1およびユーザU2)の電子メールアドレスをユーザデータ22から読み出す。配布部14は、配布文書データ21から、配布すべき文書DCを示すデータを読み出す。配布部14は、読み出した文書DCを示すデータを、配布者Dを差出人とし、読み出した電子メールアドレスのそれぞれに電子メールとして送信する。これにより、配布者Dが選択したグループUGに属するユーザ(ユーザU1およびユーザU2)に、配布者Dが作成した文書DCが配布される。
【0035】
上述したように、1人のユーザが複数のグループに所属することがある。選択部13が受け付けた操作入力により、複数のグループが選択されていた場合に、1人のユーザの電子メールアドレスに、同一の文書が重複して送付されることは避けることが望ましい。そのため、配布部14は、選択部13が、複数のグループ(グループAおよびグループB)を選択する操作入力を受け付けていた場合、配布部14は、グループAおよびグループBのそれぞれに属するユーザのメールアドレスを読み出した後で、重複するメールアドレスを集約する。これにより、配布部14は、グループAおよびグループBの両方に属しているユーザに、同一の文書が複数送付されることを回避する。
【0036】
分類部15は、定期的に、または何らかのトリガー(操作者による操作など)を契機に、ユーザデータ22にアクセスし、記録されている各ユーザをグループに分類する。分類部15がユーザをグループに分類する基準は任意であり、例えば、年齢、性別、職業、趣味などに基づいて分類する。また、分類部15は、後述するように、電子市場における各ユーザの過去の購入履歴を示すデータを用いてユーザを分類してもよい。一例として、分類部15は、ユーザの購入履歴に含まれる購入商品の類似度を基準に、ユーザをグループに分類するものであってもよい。
【0037】
上述したように、文書配布装置100にとって分類部15は任意の構成要素である。すなわち、文書配布装置100は、グループに分類されたユーザが記録されたデータにアクセスすることができれば、自らユーザを分類する機構を備えなくともよい。分類部15を備える場合、文書配布装置100は、分類部15によりグループに分類されたユーザを記録したデータに基づいて、各グループに属するユーザの反応する度合いを推定し、また文書を配布する。
【0038】
本実施の形態にかかる文書配布装置100は、
図2に示すように、ハードウェアとして、制御部110、記憶装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150を備え、これらが内部バス190を介して互いに接続された構成を有する。
【0039】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部110のCPUが、ROMまたはRAMに記録されているプログラムを実行することにより、制御部110は、文書配布装置100全体の動作を制御する。制御部110は、必要に応じて記憶装置120からプログラム等のデータを読み出し、また記憶装置120にデータを保存する。
【0040】
記憶装置120は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の記憶装置を備え、文書配布装置100が稼動するために必要なデータを記憶する。
【0041】
記憶装置120は、例えば、制御部110が実行するためのプログラム、あるいは制御部110がプログラムを実行する上で参照するデータを記録し、制御部110からの要求に応じて制御部110に提供する。また、記憶装置120は、制御部110からの要求に応じ、制御部110から出力されたデータを記録する。
【0042】
操作デバイス130は、キーボードやマウス等を備え、操作者による入力操作を受け付けて制御部110に伝達する。
【0043】
ディスプレイ140は、液晶ディスプレイまたはブラウン管などの情報を表示する装置を備え、文書配布装置100が操作者に提示すべき情報を表示する。
【0044】
もっとも、文書配布装置100が操作デバイス130およびディスプレイ140を備えていることは必須ではない。例えば、後述するネットワークインターフェース150を介して、操作者(配布者D)からの操作入力を受けつけ、あるいは操作者に情報を提示することができるなら、文書配布装置100は操作デバイス130あるいはディスプレイ140を備えていなくともよい。
【0045】
ネットワークインターフェース150は、文書配布装置100をネットワーク(図示せず)に接続する。文書配布装置100が、ネットワークを介して他機器に情報を送信し、あるいは他機器から情報を受信する際、ネットワークインターフェース150は、制御部110から後述する内部バス190を介して受信した情報を、ネットワークを介して他機器へ送信し、また他機器からネットワークを介して受信した情報を、内部バス190を介して制御部110へ送信する。特に、文書配布装置100は、ネットワークを介して接続されたユーザ(ユーザU1など)の端末装置、または、ユーザの端末装置がアクセスできるメールサーバ等と通信することができる。文書配布装置100は、配布文書を含む電子メールをユーザのメールアドレスを宛先として、インターネットを介して送信することにより文書を配布する。ユーザは、自身のメールアドレス宛に送信された電子メールを、メールサーバを介して受信することにより、文書配布装置100により配布された文書を参照する。
【0046】
ネットワークインターフェース150は、例えばケーブルを介して文書配布装置100をネットワークに接続してもよいし、あるいは無線通信により文書配布装置100をネットワークに接続してもよい。ケーブルによる場合も無線通信による場合も、任意の通信規格によるものを用いることが可能である。
【0047】
内部バス190は、文書配布装置100内の構成要素(制御部110、記憶装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150等)間での情報のやり取りを中継する。例えば、制御部110が必要なデータを記憶装置120から読み出すとき、制御部110は、内部バス190を介して記憶装置120からデータを読み出す。
【0048】
本実施の形態にかかる文書配布装置100は、記憶装置120に、
図3に示す各データを記録する。すなわち、記憶装置120は、配布文書データ21、ユーザデータ22、ユーザ反応データ23、といったデータを記録する。他にも、記憶装置120は、購入履歴データ24、およびユーザ好感データ25を記録してもよい。
【0049】
配布文書データ21には、文書配布装置100が配布する文書の内容を示す電子データが記録される。本実施の形態においては、配布者Dが作成した文書を示すデータが入力されると、受付部11がそれを受領し、配布文書データ21に記録する。
【0050】
配布文書データ21に記録される文書は、さまざまな形態が考えられる。例えば、宣伝しようとする商品(宣伝商品)に関する文章を示すテキストデータであってもよいし、また宣伝商品を撮影した画像を示す画像データであってもよい。さらに、テキストデータと画像データとが混在する文書データであってもよい。この場合、文書データは、たとえばhtml(HyperText Markup Language)言語で記載されたデータ、または、PDF(Portable Document Format)仕様に従うデータでもよい。
【0051】
ユーザデータ22は、文書配布装置100が文書を配布する対象となる可能性のあるユーザに関する情報が記録されているデータである。ユーザデータ22には主として、電子市場に登録しているユーザを識別するための識別符号、ユーザの氏名、ユーザの電子メールアドレス、ユーザの性別および年齢などが記録される。さらに、ユーザデータ22には、記録されているユーザごとに、そのユーザが属するグループを示す情報が記録される。ユーザデータ22の構造については後述する。
【0052】
ユーザ反応データ23は、ユーザデータ22に記録されているユーザが、電子市場で取り扱われている商品について宣伝する文書を受け取った時に、その文書の送付に反応したか否かを示すデータである。ユーザ反応データ23には、ユーザを識別するための識別符号に対応付けて、商品を示す識別符号と、そのユーザがその商品を宣伝する文書を受け取った時に、所定期間内に何らかの反応(その商品の購入またはその商品を販売するウェブサイトの閲覧)をしたか否かを示すデータが記録される。
【0053】
購入履歴データ24は、ユーザデータ22に記録されている各ユーザが、電子市場において購入した内容を記録するデータである。購入履歴データ24には、ユーザが電子市場において商品を購入すると、購入したユーザ、購入された商品、購入先となる販売店、購入した日時や個数、価格など、その商品購入にかかわるデータが逐次記録される。購入履歴データ24は、分類部15が、ユーザを、これまでの購入履歴に含まれる商品の類似度を基準にグループに分類するときに参照されるデータである。
【0054】
ユーザ好感データ25は、ユーザデータ22に記録されているユーザが、電子市場で取り扱われている個々の商品に対する好感度を記録したデータである。ユーザ好感データ25には、ユーザを識別するための識別符号に対応付けて、商品を示す識別符号と、そのユーザがその商品に対して感じている好感の度合いを示す数値データ(好感度)とが記録される。
【0055】
本実施の形態にかかる文書配布装置100は、
図4に示すフローチャートに従って文書配布処理を実行する。文書配布装置100の制御部110が、プログラムに従って動作することにより、文書配布処理の各ステップの動作を実現する。ここから、文書配布処理について説明する。
【0056】
文書配布処理の最初に、制御部110は、配布文書を取得する(ステップS10)。制御部110は、配布者Dから、配布すべき文書DCの内容を示す電子データを受け付け、配布文書データ21に記録する。このステップを実行することにより、制御部110は、受付部11としての機能を実装する。
【0057】
次に、制御部110は、文書DCに関連する宣伝商品を特定する(ステップS11)。宣伝商品とは、配布者Dが文書DCを配布することにより宣伝しようとする商品である。制御部110は、例えば、配布者Dに、宣伝商品を特定する操作入力を要求したうえで、配布者Dによる操作入力を受け付けることにより、宣伝商品を特定するための識別符号を取得し、宣伝商品を特定する。または、後述するように、文書DCを解析することにより、宣伝商品を特定するための識別符号を取得するものであってもよい。1つの配布文書により宣伝される宣伝商品の数は任意である。すなわち制御部110は、1つの配布文書に、複数の宣伝商品を特定してもよい。
【0058】
次に、制御部110は、各グループに属するユーザについて、配布文書の送付に反応する度合いを推定する(ステップS12)。制御部110は、ユーザデータ22を参照し、各グループに所属するユーザを特定するとともに、各グループに所属するユーザの数をカウントする。制御部110は、ユーザ反応データ23を参照し、グループごとに、そのグループに所属するユーザのうち、過去に宣伝商品を宣伝する文書が配布されたときに反応したことが記録されているユーザの数を特定する。制御部110は、グループごとに、グループに所属するユーザの数のうちで文書が配布されたことに反応したことが記録されているユーザの数の割合を、そのグループに属するユーザが配布文書の送付に反応する度合いであると推定し、その数値データを記録する。制御部110は、この処理を、ユーザデータ22に記録されているグループのそれぞれについて実行し、グループごとに、反応する度合いを算出して記録する。ステップS12を実行することにより、制御部110は、推定部12としての機能を実装する。
【0059】
次に、制御部110は、反応する度合いの高いグループを特定する(ステップS13)。制御部110は、ステップS12で算出した数値をもとにしてグループをソートし、数値の高い順に、あらかじめ定められた数のグループを、反応する度合いの高いグループとして特定する。
【0060】
次に、制御部110は、特定したグループに属するユーザの数を取得する(ステップS14)。制御部110は、ステップS13で特定した各グループに属するユーザの数を、ユーザデータ22を参照して算出する。
【0061】
次に、制御部110は、特定したグループごとに、そのグループに属するユーザの配布文書に反応する度合いと、そのグループに属するユーザ数とを対応付けて提示する(ステップS15)。制御部110は、ステップS13で特定したグループごとに、ステップS12で推定した反応する度合いと、ステップS14で算出したユーザの数とを対応付け、配布者Dに、ディスプレイ140を介して提示する。
【0062】
次に、制御部110は、配布者Dによる選択入力を受け付ける(ステップS16)。制御部110は、配布者Dが操作デバイス130を介し、ステップS15で提示されたグループからいずれかのグループを選択する操作入力をしたときに、当該操作入力を受け付け、どのグループが選択されたかを特定する。特定されるグループは一つであってもよい。逆に、配布者Dに、複数のグループを選択することを可能とし、複数のグループを選択する入力を受け付けてもよい。ステップS13からステップS16までの工程を実行することにより、制御部110は、選択部13としての機能を実装する。
【0063】
次に、制御部110は、選択されたグループに、配布文書を配布する(ステップS17)。制御部110は、ステップS16で選択されたグループに属するユーザを、ユーザデータ22を参照して特定し、特定したユーザに配布文書を配布する。ステップS17を実行することにより、制御部110は、配布部14としての機能を実装する。
【0064】
ステップS17を完了すると、制御部110は、文書配布処理を終了する。
【0065】
ここまで説明した文書配布処理を実行することにより、文書配布装置100は、文書を配布する対象となるユーザの範囲を、グループ単位で調整することが可能となる。文書配布装置100は、グループに属するユーザの反応する度合いを推定し、反応する度合いが上位のグループを配布者Dに提示する。そのため、配布者Dは、比較的広告効果の高いユーザの属するグループから配布先を選択できる。さらに、文書配布装置100は、グループに対応付けてそのグループに属するユーザの数を提示する。そのため、配布者Dは、文書を配布する対象となるユーザの数を認識しつつ、配布対象となるユーザが属するグループを選定することができる。
【0066】
より具体的な内容として、
図5に、ユーザデータ22に記録されているデータ内容の一部を示す。ユーザデータ22には、ユーザを識別するためのデータ22Aと、そのユーザが属するグループを示すデータ22Bと、を連結したレコードが記録されている。このレコードはユーザごとに作成されるため、ユーザデータ22には、電子市場に登録されているユーザと同数のレコードが記録される。また、レコードには、上述のデータ22Aおよびデータ22Bのほかに、そのユーザの氏名、年齢、電子メールアドレス等を記録するデータも連結されて記録されるが、図上では割愛されている。
【0067】
図5に示されているレコードR1においては、ユーザ2を示す識別符号を記録するデータR1a、および、ユーザ2の属するグループを示すデータ(データR1b、R1c、R1d)が記録されている。データR1bは、ユーザ2が「女性」を示すグループに属していることを示している。同様に、それぞれデータR1cおよびデータR1dは、ユーザ2が「年齢20−29」および「乳児用品」を示すグループに属していることを示している。
【0068】
図6に、ユーザ反応データ23に記録されているデータ内容の一部を示す。ユーザ反応データ23には、ユーザを識別するためのデータ23Aと、そのユーザに配布された文書に記載されている商品を示すデータ23Bと、そのユーザが配布された文書に反応したか否かを示すデータ23Cとが連結したレコードが記録されている。このレコードはユーザごとに作成される。配布された文書を受け取ったユーザが、その文書に記載されている商品に反応する(具体的には、その商品を購入し、またはその商品を販売するウェブサイトを閲覧する)と、文書配布装置100は、データ23Cに、そのユーザが反応したことを示すデータを記録する。
【0069】
文書配布装置100は、データ23Cに、文書を前回配布してからのユーザの反応を記録する。文書配布装置100は、各ユーザに文書を配布するときに、合わせてデータ23Cの内容をクリアしてもよい。または、文書配布装置100は、データ23Cの内容をクリアするのではなく、蓄積するものであってもよい。その場合、文書配布装置100は、ユーザ反応データ23に、前回の文書配布以降のユーザの反応を示すデータと、前回の文書配布以前のユーザの反応を示すデータとを区別可能な形で記録する。
【0070】
図6に示されているレコードR2においては、ユーザ2を示す識別符号がデータR2aに記録されている。また、レコードR2には、ユーザ2に配布された文書に記録されている商品を示すデータ(データR2b、R2c、R2d)が記録されている。データR2bは、ユーザ2に配布された文書に「商品A」を宣伝する内容が記載されていたことを示している。同様に、それぞれデータR2cおよびデータR2dは、ユーザ2に配布された文書に「商品B」および「商品C」を宣伝する内容が記載されていたことを示している。また、データR2eには、ユーザ2が、文書が配布されてから所定期間(例えば、2週間など)の間に、商品AないしCのいずれかの商品を購入し、または、これらの商品を販売するウェブサイトを閲覧したことが記録されている。
【0071】
図6に示した例では、ユーザ反応データ23には、反応を記録する領域は1つ(データ23C)しか明示されていない。しかし、上述したとおり、1人のユーザに対し、反応行動の有無を記録する領域が複数あってもよい。その場合、ユーザ反応データ23は、それまで配布された文書と、それに対するユーザの反応の有無とが重畳的に記録されたデータベースの形態をとってもよい。その場合、前回の文書配布以降のユーザの反応を示すデータと、前回の文書配布以前のユーザの反応を示すデータとを区別できるよう、前回の文書配布時期、および、反応行動があった時期を記録する形態であってもよい。
【0072】
文書配布装置100は、
図7に示すフローチャートに従って反応データ記録処理を行うことにより、ユーザが配布された文書に応じて反応行動をとったことを記録する。反応データ記録処理の各ステップの動作は、文書配布装置100の制御部110が、プログラムに従って動作することによって実現される。ユーザが、電子市場にアクセスし、商品を購入、または商品を販売するウェブサイトを閲覧すると、文書配布装置100は
図7に示すフローチャートに従って反応データ記録処理を実行する。
【0073】
反応データ記録処理の最初に、制御部110は、ユーザによる反応を検出する(ステップS20)。制御部110は、ユーザが反応行動を示した対象の商品(購入された商品、または閲覧されたウェブサイトで販売されている商品)を特定する。
【0074】
次に制御部110は、ユーザによる反応行動が、文書の配布から所定の期間内であるか否かを判定する(ステップS21)。制御部110は、そのユーザに文書を配布した記録を参照し、ユーザの反応行動が、文書を配布してから所定の期間内であるか否かを検証する。
【0075】
ステップS21で、ユーザの反応行動が文書を配布してから所定の期間内であると判定した場合(ステップS21:YES)、次に制御部110は、ユーザによる反応行動が、そのユーザに直近に配布された文書に記載されていた商品であるか否かを判定する(ステップS22)。制御部110は、ユーザ反応データ23を参照し、そのユーザの、データ23Bに、ステップS20で特定された商品が含まれているか否かを判定する。
【0076】
ステップS22で、ユーザの反応行動をとった対象の商品が、ユーザに配布された文書により宣伝された商品であると判定した場合(ステップS22:YES)、制御部110は、ユーザ反応データ23を更新する(ステップS23)。制御部110は、ユーザ反応データ23において、検出された反応行動をとったユーザのレコードのデータ23Cに、反応行動があったことを示すデータを記録する。
【0077】
ステップS23を完了した場合、ステップS21で、ユーザの反応行動が文書を配布してから所定の期間内でないと判定した場合(ステップS21:NO)、および、ステップS22で、ユーザの反応行動をとった対象の商品が、ユーザに配布された文書により宣伝された商品でないと判定した場合(ステップS22:NO)、制御部110は反応データ記録処理を終了する。
【0078】
ここまで説明した反応データ記録処理により、文書配布装置100は、ユーザが配布された文書に対して反応したかどうかをユーザ反応データ23に記録する。ユーザ反応データ23には、個々のユーザが配布された文書に反応したか否かが記録されている。文書配布装置100(推定部12)は、ユーザ反応データ23を参照することにより、グループに属するユーザのうち、どの程度の割合のユーザがその商品に反応したか否かを算出する。
【0079】
図8に、推定部12が、各グループについて反応する度合いを算出した結果であるデータTD1の具体的な例を示す。データTD1は、グループごとに、そのグループを示すデータTD1aと、そのグループに属するユーザが配布文書の送付に反応する度合いを示すデータTD1bとが連結したレコードを備え、このレコードが多数連結した構造を備える。
図8に示した例では、レコードR3において、「男性」を示すグループに所属するユーザが配布文書の送付に反応する度合いは「46.7」であることが記録されている。
【0080】
選択部13は、推定部12が推定した反応する度合いを示す数値を参照し、その数値が上位である順に、規定された数のグループを特定する。そのうえで選択部13は、特定した各グループに所属するユーザの数を、ユーザデータ22から読み出し、記録する。その結果、選択部13は、グループを示すデータTD2aと、そのグループに属するユーザの反応する度合いを示すデータTD2bと、そのグループに属するユーザの数を示すデータTD2cとが連結したレコードを生成する。選択部13は、これを、特定したグループ数と同じ回数繰り返すことにより、反応する度合いが高かった各グループに所属するユーザの数を算出した結果であるデータTD2を生成する。
【0081】
図9に、選択部13が生成したデータTD2の具体的な例を示す。この例においては、選択部13が、特定するグループの数について「5」と設定されている。選択部13は、反応する度合いが上位である5グループ(「登山」「アウトドア」「男性」「年齢30−39」「年齢20−29」を示すグループ)を特定し、各グループについて所属するユーザの数を記録している。データTD2では、レコードR4に、「登山」を示すグループに所属するユーザは、配布文書に反応する度合いが「68.4」であり、また同グループに所属するユーザの数が「208」人であることが記録されている。他のレコードにおいても同様に、それぞれ各グループに属するユーザが反応する度合いと、各グループに属するユーザの数とが記録されている。
【0082】
これらの算出結果を受け、選択部13は、文書配布装置100の操作者である配布者Dに、一例として、
図10に示す操作画面を提示する。すなわち選択部13は、ディスプレイ140の画面140aにおいて、配布者Dによるグループを選択する入力を受け付けるためのインターフェースをエリアA1に、データTD2の内容をエリアA2にそれぞれ表示する。
【0083】
選択部13はエリアA2に、生成したデータTD2を表示する。すなわち選択部13はエリアA2に、ユーザの反応する度合いが比較的高い各グループと、反応する度合いを示す数値と、ユーザの数とを表示する。選択部13は、エリアA1に、データTD2に記録されているグループごとに、配布者Dが選択するか否かを意思表示するためのチェックボックスを表示する。配布者Dは、エリアA2に表示されているグループのいずれかを選択しようとするときには、エリアA1に表示されている、対応するチェックボックスをオンにする操作を行う。逆に、いったん選択したグループを、選択から除外しようとするときには、配布者Dは、そのグループに対応するチェックボックスをオフにする操作を行う。
【0084】
また選択部13は、グループ選択の操作入力の完了を受け付けるためのインターフェースであるボタンB3を画面140aに表示する。選択部13は、ボタンB3がクリックされると、その時点で、エリアA1の中でオンになっているチェックボックスを特定し、そのチェックボックスに対応するグループを、配布者によって選択されたグループとして受け付ける。
【0085】
ほかに文書配布装置100は、画面140aに、選択されたグループの数を表示するボックスB1、選択されたグループに属するユーザの数を表示するボックスB2、配布者Dによる操作入力をキャンセルして前の画面に戻るためのインターフェースであるボタンB4などを表示するものであってもよい。
【0086】
図11に、配布者Dが、提示されたグループから、いくつかグループを選択する操作を行う場合の操作画面の一例を示す。この操作画面においては、「登山」を示すグループのレコードR5を選択するチェックボックスC1と、「男性」を示すグループのレコードR6を選択するチェックボックスC2とがオンとなっている。このまま配布者Dが、ボタンB3をクリックした場合、文書配布装置100は、「登山」のグループに属するユーザと、「男性」のグループに属するユーザを、文書を配布する対象として選定する。
【0087】
選択部13は、選択されたグループの数をボックスB1に表示する。
図11の例では、2つのグループが選択されているため、ボックスB1には、「2」の数値が表示されている。
【0088】
また選択部13は、選択されたグループに属するユーザの数をボックスB2に表示する。特に、提示されたグループのうち、2以上を選択する入力を受け付けた場合に、選択された2以上のグループに属するユーザの実際の数をボックスB2に表示する。
【0089】
上述の通り、ユーザが複数のグループに並行して所属することがある。そのため、選択部13が、2以上のグループに属するユーザの実際の数を表示する場合に、単にデータTD2に記録されているユーザ数を合計した場合、その2以上のグループに並行して所属するユーザが重複して計算される。これは、広告の送付対象であるユーザの数を過大に算出すること、ひいては同一人物に同一文書を重複して配信することにつながり望ましくない。そのため、選択部13は、提示されたグループのうち、2以上を選択する入力を受け付けた場合には、当該選択された2以上のグループに属するユーザから重複を排除して表示する。それにより、選択部13は、選択された2以上のグループのいずれかに属するユーザの実数を、ボックスB2に提示する。
【0090】
具体的には、
図11に示すように、「登山」および「男性」の2つのグループが選択されている場合、選択部13は、ユーザデータ22を参照し、(1)「登山」のグループに属するユーザ数、(2)「男性」のグループに属し、かつ、「登山」のグループには属していないユーザ数、をそれぞれ算出する。そのうえで、選択部13は、(1)および(2)のユーザ数を合計することで、重複を排除し、「登山」または「男性」のグループのいずれかに属するユーザの実数を算出して表示する。
【0091】
選択されたグループの数が3以上でも同様の処理を行い、選択部13は、複数のグループのいずれかに属するユーザの実数を表示する。
【0092】
さらに、選択部13は、グループの中をさらに細分化したグループを提示し、配布者Dに選択させるものであってもよい。
図12には、一例として、「男性」のグループをさらに細分化して配布者に提示し、選択可能とした画面表示の例を示す。
【0093】
選択部13は、画面のエリアA3に、「男性」のグループが既に選択されていること、また「男性」のグループに属するユーザの反応する度合い、ユーザ数を表示する。そのうえで選択部13は、エリアA2に、「男性」のグループを、さらに「年齢30−39」「登山」「年齢20−29」の各グループで細分化したグループを表示する。すなわち、
図12のエリアA2で「年齢30−39」のグループに表示されている反応する度合いおよびユーザ数は、「男性」および「年齢30−39」のグループの両方に属するユーザの反応する度合いおよびユーザ数を示す。選択部13は、このようにすることで、配布者Dに、配布対象となるユーザを、ユーザの性質に基づいてさらに絞り込むことを可能とする。
【0094】
ここまで本実施の形態について説明したが、文書配布装置100は、さらに以下に示すような変形、応用が可能である。
【0095】
文書配布装置100は、配布する文書に関連する宣伝商品に基づいて、ユーザが文書の送付に反応する度合いを推定する。文書配布装置100は、文書を受け付ける際に、配布者Dから、商品に固有に割り当てられた識別符号の入力を受け付けることにより宣伝商品を特定してもよい。または、推定部12が、配布する文書を解析することによって宣伝商品を特定するための識別符号を取得するものであってもよい。
【0096】
具体的には、推定部12は、受け付けられた文書を解析し、その文書に含まれる「商品に割り当てられた識別符号」「商品名」「商品を販売するための商品ページのURL(Uniform Resource Locator)」などの情報を抽出する。推定部12は、抽出した情報の種類を判別し、抽出した情報が識別符号であると判定した場合には、その識別符号を宣伝商品の識別符号として特定する。また、推定部12は、抽出した情報が商品名であると判定した場合には、その商品名に対応する商品を示す識別符号を取得し、それを宣伝商品の識別符号であると特定する。推定部12は、抽出した情報が、商品を販売するための商品ページのURLで有った場合には、その商品ページに対応付けられた商品の識別符号を取得し、それを宣伝商品の識別符号であると特定する。
【0097】
このようにすることで、文書配布装置100は、配布者D自身が宣伝商品を特定するための識別符号を入力する手順を解消することができる。これにより、配布者Dの労力を低減するとともに、入力ミスによる誤処理の発生を抑制することができる。
【0098】
文書配布装置100は、ユーザが商品に対して感じている好感度に基づいて、反応する度合いを算出するものであってもよい。具体的には、推定部12が、ユーザ好感データ25を参照し、反応する度合いを示すデータであるデータTD1を算出するものであってもよい。
【0099】
この場合、ユーザが商品に対して感じている好感度を算出する手法は任意である。例えば、そのユーザが、その商品を評価するレビューを投稿していた場合、そのレビューにおいてその商品に付与された「リコメンド度」(その商品を推奨する度合いを示す情報)を数値化し、記録するものであってもよい。具体的には、あるユーザがある商品に対し、その商品のリコメンド度を5点満点のうち「5点」と評価するレビューを記録していた場合、好感度として「5」が記録される。他にも、そのユーザが、その商品を販売する商品ページを閲覧する頻度などから好感度を算出してもよい。
【0100】
文書配布装置100は、ユーザを複数のグループに分類する分類部15を備えるものであってもよい。この場合、分類部15は、そのユーザによる電子市場での過去の購買履歴を参照し、購入商品の類似度を基準に、ユーザを分類するものであってもよい。
【0101】
具体的には、分類部15は、電子市場で取り扱われている商品について、商品ごとに属しているカテゴリを特定する。分類部15は、あるカテゴリに属する商品を掲載した文書を文書配布装置100が配布した後、所定の期間内に、その文書の配布を受けたユーザが反応行動をとった場合に、その反応行動の内容を取得する。分類部15は、そのユーザがとった反応行動を数値化し、その値が閾値以上となった場合、そのユーザを、その商品が属するカテゴリに対応付けられたグループに属するものとして分類する。その際、分類部15は、購入履歴データ24など、ユーザの行動履歴を記録したデータを参照する。
【0102】
分類部15がユーザの反応行動を数値化する場合、さまざまな観点での数値化が可能である。例えば、そのユーザによるそのカテゴリの商品の購入総額、または購入回数によって評価してもよいし、所定の期間内におけるそのユーザによる商品を販売するためのウェブサイトへの訪問回数によって評価してもよい。他にも、任意の指標によって分類してもよい。
【0103】
分類部15を備えることにより、文書配布装置100は、ユーザを、性別や年齢、職業といった属性だけではなく、実際の行動履歴に基づいてそのユーザの性質を判断し、分類することができる。そのため、文書の配布者は、ユーザの興味などを踏まえて文書の配布対象を調整することが可能となる。
【0104】
配布部14が文書を配布する手段は、電子メールに限られない。例えば、配布部14は、配布者Dから受け付けた文書を印刷し、ユーザに郵送するものであってもよい。この場合、ユーザデータ22には、ユーザの住所を示すデータが記録されていることが必要となる。配布部14は、配布文書データ21に記録されているデータに基づいて文書を印刷し、印刷した文書を、ユーザの住所宛てに発送する。配布部14は、ユーザの住所を印刷する機能を備えていてもよい。
【0105】
本発明の実施の形態にかかる文書配布装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、コンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magnet Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶して配布し、これをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する文書配布装置を構成しても良い。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0106】
また、本発明の実施の形態にかかる文書配布装置は、1台で実現されるものに限定されない。複数のコンピュータが上述した各部の機能を分担することにより、それらの複数のコンピュータからなる1つのシステムとして各機能を提供するものであってもよい。
【0107】
また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。