(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば船舶等の移動体の位置を検出するために、GPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System、全地球航法衛星システム)を利用した測位が広く行われている。GPS受信機は、複数のGPS衛星から測位信号を受信し、これらの測位信号に基づいて測位を行う。
【0003】
GPSを初めとするGNSSでは、衛星からの微弱な信号を受信して測位を行うものであるため、信号の受信状況等によって、測位の精度が低下したり、測位自体ができなかったりすることが避けられない。GNSSの測位精度を低下させる要因は様々であるが、例えば、測位時点での衛星の配置、衛星自体に生じる不具合、マルチパス、ノイズ等を指摘することができる。
【0004】
この点に関し、特許文献1は、GPS測位信号が妨害波によって妨害され、測位に影響を与え得ることを指摘する。また、特許文献2は、位置情報の精度を劣化させる主要因の1つであるマルチパスの影響を抑圧するために、マルチパスの影響を受けた衛星情報を仰角及び方位角マスクによって規制し、精度の高い測位演算を実現する構成を提案している。
【0005】
GNSSを利用した航法システムにおいて、GNSSによる高精度な測位が安定して行われることは極めて重要である。このことから、GNSSの測位結果を表示する航法装置等においては、GNSS電波の受信状況や衛星の配置等を示す画面(いわゆるインテグリティ画面)を表示可能になっている。航法装置のユーザは、例えばGNSSの測位精度が低下したときは、このインテグリティ画面で各種の情報を表示させることで、その原因の手掛かりとなる情報を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のインテグリティ画面においては、GNSS電波の受信状況等に関する現在の状態をリアルタイムで表示することはできるものの、事後的に故障原因の究明を行うことが困難であった。特に、長期間の航海を行う船舶等で、航海中に一時的にエラーが発生した場合には、故障箇所の修理等の対応を即座にとれないことがある。
【0008】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、GNSS測位に関する状況の最新データとその時間履歴とを、理解し易くかつリアルタイム性を損なわず表示できるGNSS状況表示装置を提供することにある。
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のGNSS状況表示装置が提供される。即ち、GNSSの状況を表示する表示部を備える。一方の軸を時間軸とし、他方の軸を、GNSS衛星の仰角、GNSS衛星からの信号の受信強度、又はGNSS測位誤差のうち少なくとも何れか1つとするグラフを表示する。前記グラフは、前記時間軸の方向にスクロールしながら最新のデータを表示することで、時間の経過に伴うデータの推移をリアルタイムで示す。
前記表示部は、GNSS測位に関するアラームが発生したタイミングに対応する時間軸方向での位置を前記グラフに表示する。前記表示部は、前記アラームが発生したタイミングに対応する時間軸方向での位置が選択されると、前記アラームの詳細情報を表示する。前記表示部が表示する前記アラームの詳細情報は、アラームの発生日時及びアラーム発生時の測位結果のうち少なくとも何れかを含む。
【0011】
これにより、グラフという分かり易い形で、GNSS測位に関する状況の最新データと、その時間履歴の両方を表示することができる。また、スクロールするグラフにより直近のデータを常に表示することになるので、ユーザとしては、小さな表示領域でデータの傾向を容易に理解することができる。
そして、アラームが発生した時刻との関係で、GNSS測位に関してどのような状況だったかを分かり易く示すことができる。更に、アラームが発生したタイミングをグラフ上で直感的に示すとともに、アラームの詳細を知りたいユーザのニーズにも応えることができる。また、アラームの詳細情報の表示により、ユーザは、アラームに関する重要な情報を得ることができる。
【0018】
前記のGNSS状況表示装置においては、前記表示部は、前記グラフ上で時間が指示されると、その時間に対応するスカイプロット表示を行うことが好ましい。
【0019】
これにより、ユーザは、例えば測位精度の低下等の現象が発生したタイミングにおける衛星飛来状況の情報を得ることができるので、原因を事後的に究明するための手掛かりとすることができる。
【0020】
前記のGNSS状況表示装置においては、前記表示部は、一方の軸を時間軸とし、他方の軸をGNSS衛星の仰角とするグラフと、一方の軸を時間軸とし、他方の軸をGNSS衛星からの信号の信号強度又はGNSS測位誤差とするグラフとを対応付けて表示することが好ましい。
【0021】
これにより、GNSS衛星の仰角の変化との関係で、GNSS状況のデータの傾向を理解し易く示すことができる。
【0022】
前記のGNSS状況表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このGNSS状況表示装置は、衛星の仰角が所定の仰角より高いにもかかわらずGNSS衛星からの信号の受信強度が所定の信号強度より低い場合に異常と判定する異常判定部を備える。前記表示部は、前記異常判定部の判定結果を表示する。
【0023】
これにより、ユーザは、高い仰角の衛星からGNSS電波を良好に受信できない異常を早期に知って対応することができる。
【0024】
本発明の第2の観点によれば、以下のようにしてGNSSの状況を表示するGNSS状況表示方法が提供される。即ち、一方の軸を時間軸とし、他方の軸を、GNSS衛星の仰角、GNSS衛星からの信号の受信強度、又はGNSS測位誤差のうち少なくとも何れか1つとするグラフを表示する。前記グラフは、前記時間軸の方向にスクロールしながら最新のデータを表示することで、時間の経過に伴うデータの推移をリアルタイムで示す。
GNSS測位に関するアラームが発生したタイミングに対応する時間軸方向での位置を前記グラフに表示する。前記アラームが発生したタイミングに対応する時間軸方向での位置が選択されると、前記アラームの詳細情報を表示する。前記アラームの詳細情報は、アラームの発生日時及びアラーム発生時の測位結果のうち少なくとも何れかを含む。
【0025】
これにより、グラフという分かり易い形で、GNSS測位に関する状況の最新データと、その時間履歴の両方を表示することができる。また、スクロールするグラフにより直近のデータを常に表示することになるので、ユーザとしては、小さな表示領域でデータの傾向を容易に理解することができる。
そして、アラームが発生した時刻との関係で、GNSS測位に関してどのような状況だったかを分かり易く示すことができる。更に、アラームが発生したタイミングをグラフ上で直感的に示すとともに、アラームの詳細を知りたいユーザのニーズにも応えることができる。また、アラームの詳細情報の表示により、ユーザは、アラームに関する重要な情報を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
図1には、本実施形態のGNSS状況表示装置としてのプロッタ装置12を備える航法装置1の機能的構成が示されている。航法装置1は移動体としての船舶に設置されるものであり、GPSアンテナ(GNSSアンテナ)11と、プロッタ装置12と、を備えている。
【0029】
GPSアンテナ11は例えばマイクロストリップアンテナなどの平面アンテナとして構成されており、GPS衛星から送信される1.5GHz帯の電波を受信できるように構成されている。この信号は、プロッタ装置12に入力される。
【0030】
プロッタ装置12は、主要には、GPS受信機31と、操作部32と、制御部33と、表示部34と、を備えている。
【0031】
GPS受信機31は、プロッタ装置12に接続されるGPSアンテナ11から測位信号を受信して、船舶の現在の位置を取得する。
【0032】
操作部32は、キーやボタン等で構成されており、プロッタ装置12の各種設定の入力に用いられる。航法装置1のユーザである操船者は、操作部32を操作することにより、自船を向かわせたい目的地、及び、目的地に向かう途中に通過する中継点(中間的な目的地)等を入力することができる。また、操船者は、操作部32を操作することにより、自船の位置を表示するプロッタ画面と、GPS測位に関する状況を示すインテグリティ画面(GPS状況画面、GNSS状況画面)と、を切り替えることができる。
【0033】
制御部33は、CPU,ROM,RAM等のハードウェア(図略)と、前記ROMに記憶されたGNSS状況表示プログラム等のソフトウェアと、から構成されている。そして、表示部34にインテグリティ画面を表示させる際は、上記のハードウェアと各種ソフトウェアとが協働して動作することにより、制御部33を、
図1に示すアラーム判定部(異常判定部)41、グラフ出力部42、アラームマーク出力部43、アラーム詳細出力部44、及びグラフ更新部45として機能させることができる。
【0034】
アラーム判定部41は、測位の際にGPS受信機31が出力するデータを監視し、所定の条件を満たす場合は、異常であると判定してGPSアラームを発生させる。GPSアラームの条件は様々であり、例えば衛星の仰角が所定の仰角より高いのに当該衛星からの信号強度が所定の信号強度より低い場合、妨害波が検出された場合、GPS測位ができなかった場合、測位精度が低下した場合等が考えられるが、これらに限定されない。GPSアラームが発生した場合、アラーム判定部41は表示部34に図略の警告を表示させることにより操船者の注意を喚起するとともに、GPSアラームの発生時刻、測位結果、アラームの発生事由等について、図示しない記憶部に記憶させる。
【0035】
グラフ出力部42は、GPS受信機31が出力するデータを加工することにより、横軸を時間、縦軸をGPS衛星の仰角等とするグラフを作成し、当該グラフを表示部34において表示させる(
図3のグラフ表示領域65を参照)。なお、このグラフの詳細については後述する。
【0036】
アラームマーク出力部43は、グラフ出力部42で出力するグラフの横軸(時間軸)全体に相当する時間範囲において、GPSアラームが発生していた場合、その旨を示すアラームマーク71をグラフに重ねた状態で表示部34に表示させる。
【0037】
アラーム詳細出力部44は、表示部34において上記のアラームマーク71が選択されるように操作部32が操作された場合に、そのアラームマーク71に対応するGPSアラームの詳細を表示部34に表示させる(
図5のアラーム詳細表示領域66を参照)。
【0038】
グラフ更新部45は、グラフ出力部42により出力されたグラフについて、時間が経過した場合、あるいは最新のデータが得られた場合に、当該グラフの表示に反映させる(例えば
図4等を参照)。このリアルタイム更新により、GPS衛星の仰角等について、常に直近の時間履歴の情報を提供することができる。
【0039】
表示部34は、例えば液晶ディスプレイとして構成される表示装置である。この表示部34は、GPS受信機31から得られた船舶の現在の位置情報に基づいて、地図上における自船の位置をグラフィカルに表示することができる(プロッタ画面モード)。
【0040】
プロッタ画面モードにおける表示部34の表示内容の例を
図2に示す。このプロッタ画面においては、予めプロッタ装置12に記憶されているチャートが表示されるとともに、このチャートに、設定した目的地を示す目的地マーク56と、目的地までの進行予定ルートを示すルート線57と、が表示される。そして、このチャートに重ねられるようにして、現在の自船の位置がボートアイコン51で表示される。
【0041】
上記のプロッタ画面モードのほか、プロッタ装置12は、操作部32の操作によっていわゆるインテグリティ画面モードに移行することもできる。インテグリティ画面モードでは、表示部34は、機器のメンテナンス等のために、GPS信号の受信状態を初めとした様々な情報(GPS状況の情報)を表示する。操船者は、このインテグリティ画面を見ることで、例えばGPS測位精度を低下させている原因を究明するのに有用な情報を得て、メンテナンスや将来の操船のために活かすことができる。
【0042】
インテグリティ画面の出力例を
図3に示す。このインテグリティ画面60は、左上側の経度緯度表示領域61と、右上側の誤差情報表示領域62及びGPS時刻表示領域63と、左下側のスカイプロット表示領域64と、右下側のグラフ表示領域65及びアラーム詳細表示領域66と、により構成されている。
【0043】
経度緯度表示領域61においては、現在のGPS測位結果を示す経度及び緯度が数値で表示される。誤差情報表示領域62には、GPSの測位誤差に関する情報が表示される。具体的には、本実施形態では、衛星の幾何学的配置を指数化した位置精度劣化度(PDOP)の水平方向成分であるHDOPの値を誤差情報表示領域62に表示している。このHDOPの値は、小さければ測位誤差が大きくなり易く、大きければ測位誤差が小さくなり易いいことを示している。従って、操船者は、誤差情報表示領域62の表示を確認することで、GPS測位誤差の傾向についてある程度把握することができる。
【0044】
スカイプロット表示領域64には、GPS衛星の現在の飛来状況を示すスカイプロット図が表示される。このスカイプロット図では、GPSアンテナ11の上空におけるそれぞれの衛星の位置が、衛星を識別する擬似雑音番号(PRN番号)が付された図形で表示される。これにより、衛星は何個飛来しているか、仰角の高い衛星はどれか、等を操船者は直感的に理解することができる。なお、このスカイプロット図において、上空に飛来している衛星のうち実際に測位に利用した衛星を強調して表示する等して、他の衛星と表示が異なるようにしても良い。これにより、どの位置のGPS衛星からの信号に基づいて測位を行っているかを、操船者は容易に把握することができる。
【0045】
グラフ表示領域65においては、時間を横軸にとり、GPS測位に関する状況を表すパラメータを縦軸にとったグラフが表示される。
図3の表示例では、各GPS衛星の仰角の時間履歴を示す仰角グラフが表示されている。この仰角グラフは点の集まりで表現され、仰角グラフの右側には、衛星の上記PRN番号と点の対応を示す凡例が表示されている。
【0046】
このグラフ表示領域65における仰角グラフの表示内容は、前述のグラフ更新部45の処理によってリアルタイムで更新される。具体的には、
図4(a)から
図4(b)への変化に示すように、グラフの横軸のほぼ右端部が常に現在時刻に対応するように、グラフの横軸の目盛りが時間の経過に伴って左に徐々に移動し、それに伴って、グラフにプロットされている既存のデータの点がすべて左側に移動する。言い換えれば、時間の経過に伴って、グラフにおけるプロット領域が、時間軸に沿って左側(過去を示す側)にスクロールする。このスクロールの結果、左端側にある古いデータのプロットは表示されなくなる。一方、衛星の仰角に関する新しいデータが得られると、
図4(b)に示すように、当該データを表す点が、横軸の右端に対応する位置にプロットされる。
【0047】
これにより、操船者は、衛星の仰角に関する最新データとその時間履歴の両方を、グラフの形で容易に理解することができる。また、スクロールするグラフにより直近のデータを常に表示することになるので、操船者は、グラフ表示領域65上を流れていくデータを眺めることで、データの傾向を容易に理解することができる。
【0048】
なお、グラフ表示領域65の仰角グラフで表示されている時間の範囲においてGPSアラームが発生していた場合、当該仰角グラフには、GPSアラームが起こったタイミングをグラフ上で示すアラームマーク71が重ねて表示される。アラームマーク71は、横軸上での位置(時刻)を示す三角形のマーク72と、当該三角形のマークから縦軸と平行に延びる指示線73と、により構成される。
【0049】
三角形のマーク72の上端と、前記指示線73は、GPSアラームの発生タイミングに対応する時間軸方向での位置を示している。従って、操船者は、アラームが発生した時刻にGPS衛星の仰角がどのようであったかを、グラフのアラームマーク71近傍を見ることで容易に理解することができる。このアラームマーク71の表示位置は、グラフの横軸の目盛りが時間の経過に伴って左に徐々に移動するのに対応して、左に徐々に移動するように更新される。
【0050】
グラフ表示領域65の下方には、GPSアラームの詳細な内容を表示するためのアラーム詳細表示領域66が配置される。この構成で、操船者が操作部32を操作することによりグラフ表示領域65(グラフ)のアラームマーク71の位置を選択すると、当該アラームマーク71に対応するGPSアラームの内容が、
図5に示すようにアラーム詳細表示領域66に表示される。
図5の例では、アラーム詳細表示領域66に、アラーム発生日時と、アラーム発生時の測位結果である緯度及び経度と、が文字で表示されている。これにより、操船者は、GPSアラームに関する重要な情報を得ることができる。
【0051】
なお、GPSアラームは、グラフの時間軸の長さに相当する時間範囲で、1回のみならず複数回発生することも考えられる。この場合はアラームマーク71がグラフ上に複数表示され、それぞれのアラームマーク71を選択すると、対応するGPSアラームの詳細情報がアラーム詳細表示領域66に表示されることになる。
【0052】
また、表示部34は、操作部32の操作に応じて、横軸(時間軸)は共通のままで、グラフ表示領域65に表示するグラフにおける縦軸のパラメータを切り替えることができる。具体的には、各GPS衛星の信号強度としてのキャリア/ノイズ比(C/No)を縦軸に表示したり、測位誤差を表すパラメータ(例えば、前記HDOP)を縦軸に表示したりすることができる。
図6にはキャリア/ノイズ比のグラフを表示した例が示され、このグラフも、
図6(a)から
図6(b)への変化に示すように、時間の経過とともに時間軸に沿ってスクロールするようにリアルタイムで更新される。
【0053】
なお、キャリア/ノイズ比を縦軸に表示するグラフの場合、当該グラフに、GPS衛星の仰角を参照情報としてプロットしても良い。この場合、GPS衛星の仰角と、キャリア/ノイズ比と、の時間履歴が1つのグラフに表されることになる。これにより、操船者は、GPS衛星の仰角の変化との関係で、キャリア/ノイズ比のデータの傾向を容易に理解することができる。
【0054】
キャリア/ノイズ比とGPS衛星の仰角を上記のように1つのグラフにまとめてプロットすることに代えて、グラフ表示領域65に、GPS衛星の仰角のグラフと、キャリア/ノイズ比のグラフと、を上下に並べて表示しても良い。この例を
図7に示す。
図7のように、グラフを並べる方向を上下方向(時間軸に垂直な方向)とし、複数のグラフの時間軸で表示する時間範囲を一致させることで、GPS衛星の仰角とキャリア/ノイズ比とを対応付けて表示することができる。2つのグラフは、時間の経過とともに時間軸に沿ってスクロールするようにリアルタイムで同時更新される。この場合も、操船者は、GPS衛星の仰角との関係で、キャリア/ノイズ比の変動傾向を把握することができる。
【0055】
なお、
図7の例においても、キャリア/ノイズ比のグラフに代えて、他のパラメータ(例えば、測位誤差を表すパラメータであるHDOP)のグラフを表示するように切り替えることができる。
【0056】
本実施形態において、
図3のスカイプロット表示領域64に表示されるスカイプロット図は、リアルタイムで更新され、常時、現在の衛星飛来状況を示すように構成されている。ただし、過去の飛来状況をスカイプロット表示領域64に表示できるようにしても良い。例えば、以下のように制御することが考えられる。即ち、ユーザは操作部32を操作し、グラフ表示領域65に表示されるグラフのプロット領域内の任意の位置を指示することで、どのタイミングでの衛星飛来状況を表示させたいかを指示する。すると、制御部33は、指示された位置に時間指定カーソルを表示させるように、表示部34を制御する。また、制御部33は、グラフでの当該時間指定カーソルが示す位置に対応する時刻における飛来状況をスカイプロット表示領域64に表示させるように、表示部34を制御する。なお、上記の時間指定カーソルの形態は任意であるが、例えば、上記アラームマーク71の指示線73のように、時間軸に垂直な向きに細長い形状のカーソルとすることが考えられる。
【0057】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0058】
グラフ表示領域65に表示されるグラフ(
図3〜
図6)の形式は、点のプロットによらず、折れ線グラフ、棒グラフ等の形式で表示することもできる。また、グラフの縦軸と横軸とを交換して、縦軸側に時間をとって表示するように変更しても良い。また、1つだけでなく複数のグラフを並べるように構成しても良い。
【0059】
アラームマーク71の図形は、三角形と直線の組み合わせによって表示しているが、三角形の代わりに他の図形(例えば、ひし形)を用いたり、直線でなく破線で表示するようにしても良い。また、アラームマーク71において、三角形と直線の何れかを省略しても良い。なお、上記のようにアラームマーク71を複数表示する場合は、複数のGPSアラームの区別を容易にするため、アラームマーク71同士で表示を異ならせることが好ましい。
【0060】
アラーム詳細表示領域66は、グラフ表示領域65の下側に表示することに代えて、グラフの前面に重なるようにポップアップ画面を表示し、このポップアップ画面にアラームの詳細を表示しても良い。また、アラーム詳細情報として、アラーム発生日時だけを表示したり、アラーム発生時の測位結果だけを表示したりすることができる。
【0061】
インテグリティ画面におけるグラフ表示領域65等のレイアウトは適宜変更することができる。また、上記のようにリアルタイムで更新されるグラフを、インテグリティ画面以外に表示しても良い。
【0062】
上記実施形態では、GNSSの一例としてGPSを用いた実施形態を説明したが、他のGNSSを用いる構成であっても良いことは勿論である。
【0063】
本発明の航法装置は、船舶に限らず、飛行機、自動車等の任意の移動体に搭載することができる。