(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228764
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】CNC機械装置におけるレーザ測定システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
G01B11/00 B
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-141459(P2013-141459)
(22)【出願日】2013年7月5日
(65)【公開番号】特開2014-89175(P2014-89175A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2016年6月27日
(31)【優先権主張番号】61/668324
(32)【優先日】2012年7月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506380075
【氏名又は名称】フレクストロニクス エーピー,リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト、ツェーベ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、リー
【審査官】
櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−255826(JP,A)
【文献】
特開2003−057022(JP,A)
【文献】
特開2004−077380(JP,A)
【文献】
特開平11−173814(JP,A)
【文献】
特開平11−160023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の反射端を有する被加工物の側部測定を実行する方法であって、上記被加工物がレーザ走査装置を有する機械装置のXY平行移動台に対して固定された位置にあって、上記レーザ走査装置を最初に上記被加工物に対して所定のXYZ座標に設ける方法において、
a.上記XY平行移動台によって上記レーザ走査装置を次のXYZ座標に配置する工程と、
b.上記レーザ走査装置によって該レーザ走査装置が出射した光線を用いて、上記レーザ走査装置から上記被加工物の複数の反射端のうちの第1番目の反射端上の反射点までの距離を読み出す工程と、
c.上記反射点のXY座標を判定する工程と、
d.上記被加工物の全ての側部測定が実行されるまで上記工程a、b及びcを繰り返す工程とを含む方法。
【請求項2】
上記側部測定を実行する工程は、上記複数の反射端のそれぞれにおける複数の点で上記反射点のXY座標を判定する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
上記被加工物は、略矩形であり、上記被加工物は、上記XY平行移動台のXY平面に略揃えられ、上記レーザ走査装置の位置の変更は、X軸及びY軸の1つに沿って上記レーザ走査装置の位置をインクリメントすることを含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
上記XY座標を保存する工程を更に含む請求項2記載の方法。
【請求項5】
上記レーザ走査装置によって出射された光線に対応する反射が受信されない場合、無効な座標を保存する工程を更に含む請求項4記載の方法。
【請求項6】
上記被加工物の識別子を判定する工程を更に含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
上記被加工物の上記識別子を判定する工程は、上記レーザ走査装置を用いて上記識別子を走査する工程を含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
上記識別子に関連する最適な座標の所定の一組を読み出す工程を更に含む請求項6記載の方法。
【請求項9】
上記保存された座標を上記最適な座標の上記所定の一組と比較する工程を更に含む請求項8記載の方法。
【請求項10】
上記機械装置は、通知システムを更に備え、上記方法は、保存された座標が上記最適な座標の上記所定の一組に略一致したこと及び略一致しなかったことのうちの何れか1つを示す通知を発行する工程を更に含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
複数の反射端を有する被加工物の側部測定を実行するためのシステムにおいて、
a.上記被加工物を固定された位置に受容するXY平行移動台と、
b.上記XY平行移動台に接続されたレーザ走査装置と、
c.コントローラとを備え、
該コントローラは、
1.上記XY平行移動台を上記被加工物に対して所定の次のXYZ座標に配置し、
2.上記レーザ走査装置を制御して、該レーザ走査装置が出射した光線を用いて、上記レーザ走査装置から上記被加工物の複数の反射端のうちの第1番目の反射端上の反射点までの距離を読み出し、
3.上記反射点のXY座標を判定し、
4.上記被加工物の全ての側部測定が実行されるまで上記工程1、2及び3を繰り返すシステム。
【請求項12】
更に、上記被加工物の複数の反射端のそれぞれにおける点に上記光線を反射する複数の反射器を含む請求項11記載のシステム。
【請求項13】
上記レーザ走査装置は、上記被加工物の反射端上の点に上記光線を反射する反射器を含む請求項11記載のシステム。
【請求項14】
上記XY平行移動台は、該XY平行移動台の上面に垂直なZ軸において上記レーザ走査装置を回転させる請求項13記載のシステム。
【請求項15】
上記コントローラは、上記XY平行移動台の位置を上記第1の所定のXYZ座標を通り、上記複数の反射端の1つに平行な線上に有する第2の所定のXYZ座標に変更する請求項13記載のシステム。
【請求項16】
上記コントローラは、上記XY平行移動台の位置を上記複数の反射器の1つの軸によって画定される線上に有する第2の所定のXYZ座標に変更する請求項12記載のシステム。
【請求項17】
プロセッサが実行可能な命令によってプログラムされた非一時的なコンピュータ読取可能媒体において、複数の反射端を有する被加工物の側部測定を実行する方法であって、上記被加工物がレーザ走査装置を有する機械装置のXY平行移動台に対して固定された位置にあり、上記レーザ走査装置が最初に上記被加工物に対して所定のXYZ座標に設けられる方法を実行するコンピュータ読取可能媒体において、
上記方法は、
a.上記XY平行移動台によって上記レーザ走査装置を次のXYZ座標に配置する工程と、
b.上記レーザ走査装置によって該レーザ走査装置が出射した光線を用いて、上記レーザ走査装置から上記被加工物の複数の反射端のうちの第1番目の反射端上の反射点までの距離を読み出す工程と、
c.上記反射点のXY座標を判定する工程と、
d.上記被加工物の全ての側部測定が実行されるまで上記工程a、b及びcを繰り返す工程とを含むコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
この非仮特許出願は、米国特許法§119(e)に基づき、2012年7月5日に出願された米国仮出願番号第61/668,324号、発明の名称「LASER MEASUREMENT SYSTEM AND METHOD IN A CNC MACHINE」及び2013年3月15日に出願された米国仮出願番号第61/798,836号、発明の名称「LASER MEASUREMENT SYSTEM AND METHOD IN A CNC MACHINE」の優先権を主張し、これらは、何れも引用することによって本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、コンピュータ支援製造システムの分野に関する。詳しくは、本発明は、CNC機械装置を組み込んだレーザ範囲検出システムを用いて加工される部分を測定するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
CNC機械装置は、コンピュータの数値によって制御される工作機である。CNC機械装置は、「被加工物」と呼ばれる構成要素又は部分を加工するために使用される。CNC機械装置は、被加工物が固定される平行移動台を備える。平行移動台は、X軸及びY軸に沿って平行移動できる。通常、X軸及びY軸によって略水平な平面が画定されるが、他の方向の平行移動も可能である。CNC機械装置は、被加工物が固定される平行移動台から独立した少なくとも1つの旋盤を更に備える。旋盤は、X軸、Y軸及びZ軸に沿って平行移動でき、平行移動台と連携して又は平行移動台から独立して平行移動することができる。
【0004】
CNC機械装置によって被加工物を加工できるようにするために、被加工物の詳細な側部測定を行い、CNC機械装置に入力する必要がある。従来の技術では、この測定は、機械的なゲージを用いて行われている。この測定は、通常、約100個のデータ点に対して行われ、約1分の時間が必要であるこれに対し、測定の後の被加工物の実際の加工は、約15秒程度である。被加工物を平行移動台に略直角に配置する搭載システムをCNC機械装置平行移動台が備えていない場合、被加工物を正確に加工するためには、CNC機械装置の座標系に対する被加工物の搭載時の歪みを考慮することが望ましい。平行移動台への被加工物の搭載における歪みを手動で考慮するためには、測定及びCNC機械装置への歪みデータの入力のために、更なる時間が必要となる。
【0005】
被加工物の側部測定を実行する現在の手法は、遅く、データ点の数が少なく、そしてCNC機械装置に組み込むことが容易ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
被加工物を正しく加工することを保証するために、被加工物の寸法を正確に測定する必要がある。とりわけ、これらの測定された寸法は、未加工の被加工物が製品仕様を満たし、及び正しい位置で機械加工されていることを保証することを示す。寸法は、なるべくレーザ光を用いて光学的に測定することが望ましいが、本発明の原理に基づいて、音波の又は他の測定法を用いることもできる。
【0007】
一実施形態においては、TOF(time-of-flight)方式のレーザ走査装置をXYZ方向に平行移動できるCNC機械装置の旋盤に接続する。被加工物は、CNC機械装置のXY平行移動台に固定される。被加工物は、XY平行移動台に固定されたミラー又はプリズム等の反射器によって取り囲まれる。これに代えて、レーザ走査装置の出力側に配置された反射器をレーザ走査装置に組み込んでもよい。CNC機械装置は、旋盤を移動させ、これにより、レーザ走査装置がXY平行移動台の上の所定のXYZ座標に移動する。レーザ走査装置の光線は、平行移動台によって画定されるXY平面に対して所定の角度でXY平行移動台に向けられる。好ましくは、光線は、XY平面に垂直なZ軸に沿って方向付けられ、この場合、所定の角度は、XY平面に対して90°である。光線は、被加工物のエッジに沿って配置された反射器に向けられ、これにより、当該光線は、反射器によって被加工物のエッジに反射され、更に被加工物のエッジにおいて反射して、反射器を経由して、レーザ走査装置内の検出器に戻る。これに代えて、当該光線は、被加工物のエッジに光線を向けるレーザ走査装置の出力側に接続される反射器によって反射してもよい。レーザ走査装置は、レーザ走査装置から被加工物のエッジまでの距離を測定する。この距離は、レーザ走査装置の所定のXYZ座標に関連付けられ、被加工物のエッジ上の点のXY座標が算出される。そして、レーザ走査装置は、反射器に平行な軸に沿って平行移動し、更なるデータ点が収集される。各反射器は、同様に走査されて、この結果、被加工物の側部測定が行われる。本発明によれば、僅か数秒で全ての走査が実行でき、1000個以上のデータ点が生成され、この結果、従来の技術に比べ、被加工物の側部測定の速度及び精度の双方が向上する。
【0008】
CNC機械装置は、プロセッサと、コンピュータ読取可能媒体、読出/書込メモリ、ユーザインタフェース、ネットワークインタフェース、他のI/O及び補助I/Oを有する制御システムを備える。補助I/Oは、アナログ入出力及びデジタル入出力を含む。プロセッサ及び/又は補助I/Oは、更に、PWM生成モジュールと、割込コントローラと、デジタル信号処理モジュールと、カウンタと、組込みシステム設計の技術において周知の他のI/Oとを備えていてもよい。CNC機械装置制御ソフトウェアは、上述した測定システムをCNC機械装置に統合する1つ以上のプログラムを含む。
【0009】
第1の態様では、複数の反射端を有する被加工物の側部測定を実行する方法は、被加工物
がレーザ走査装置を有する機械装置
のXY平行移動台に対して固定された位置にあり、レーザ走査装置が最初に被加工物に対して所定のXYZ座標に設けられる機械装置において実行される。この方法は、X
Y平行移動台によって、レーザ走査装置を次のXYZ座標に配置する工程と(これを最初に行う場合、「次」のXYZ座標とは、初期のXYZ座標である。)、レーザ走査装置によって、レーザ走査装置が出射した光線を用いて、レーザ走査装置から被加工物の複数の反射端のうちの第1番目の反射端上の反射点までの距離を読み出す工程と、反射点のXY座標を判定する工程と、被加工物の全ての側部測定が実行されるまでこれらの工程を繰り返す工程とを含む。側部測定を実行する工程は、好ましくは、複数の反射端のそれぞれの複数の点で反射点のXY座標を判定する工程を含む。一実施形態においては、被加工物の周辺部全体に沿った(例えば、各エッジに沿った)不連続な距離の測定が行われると、全ての側部測定が行われる。好ましい実施形態では、被加工物は、略矩形であり、被加工物は、X
Y平行移動台のXY平面に略揃えられ、レーザ走査装置の位置の変更は、X軸及びY軸の1つに沿ってレーザ走査装置の位置をインクリメントすることを含む。この方法は、好ましくはXY座標を保存する工程を更に含む。レーザ走査装置によって出射された光線に対応する反射が受信されない場合、無効な座標を保存する。好ましい実施形態では、この方法は、被加工物の識別子を判定する工程を更に含む。識別子は、好ましくはレーザ走査装置を用いて走査される。識別子からは、識別子に関連する最適な座標の所定の一組を読み出すことができる。この方法は、好ましくは保存された座標を最適な座標の所定の一組と比較する工程を更に含む。このような実施形態では、機械装置は、通知システムを更に備え、上記方法は、保存された座標が、上記最適な座標の所定の一組に略一致したこと及び略一致しなかったことのうちの1つを示す通知を発行する工程を更に含む。
【0010】
第2の態様では、複数の反射端を有する被加工物の側部測定を実行するためのシステムは、
被加工物を固定された位置に受容するX
Y平行移動台と、X
Y平行移動台に接続されたレーザ走査装置と
、コントローラとを備える。当該コントローラは、X
Y平行移動台を被加工物に対して所定の次のXYZ座標に配置し、レーザ走査装置を制御して、そのレーザ走査装置が出射した光線を用いて、当該レーザ走査装置から被加工物の複数の反射端のうちの第1番目の反射端上の反射点までの距離を読み出し、反射点のXY座標を判定し、被加工物の全ての側部測定が実行されるまで、これらの工程を繰り返す。幾つかの実施形態では、
更に、被加工物の複数の反射端のそれぞれの上の点に光線を反射する複数の反射器を含む。被加工物は、好ましくは略矩形であり、反射器は、被加工物の反射端に平行に配置される。好ましい実施形態では、レーザ走査装置は、被加工物の反射端の上の点に光線を反射する反射器を含む。このような実施形態では、X
Y平行移動台は、
XY平行移動台の上面に垂直なZ軸においてレーザ走査装置を回転させる。好ましい実施形態では、コントローラは、X
Y平行移動台の位置を、第1の所定のXYZ座標を通り、複数の反射端の1つに平行な線上にある第2の所定のXYZ座標に変更する。幾つかの実施形態では、コントローラは、X
Y平行移動台の位置を複数の反射器の1つの軸によって画定される線上にある第2の所定のXYZ座標に変更する。
【0011】
第3の態様では、プロセッサが実行可能な命令によってプログラムされた非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、実行されると上述した方法の何れかを実現する命令をするようプログラムされている。
【0012】
以下の図面の詳細な情報によって説明される実施形態は、本発明の特徴を例示的に示すものである。同様の符号は、同様又は同じ要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】幾つかの実施形態に基づくレーザ測定のためのシステムを示す図である。
【
図2A】幾つかの実施形態に基づいて被加工物の側部測定を実行するシステムの部分側断面図である。
【
図2B】幾つかの実施形態に基づいて被加工物の側部測定を実行するシステムの部分側断面図である。
【
図3A】システム実施形態に基づく丸みを帯びたコーナを有する被加工物の側部測定を示す図である。
【
図3B】幾つかの実施形態に基づくオフセットを有する被加工物の側部測定を示す図である。
【
図4A】幾つかの実施形態に基づく被加工物の側部測定を実行する測定グリッドを示す図である。
【
図5】幾つかの実施形態に基づく被加工物の側部測定の方法の工程を示すフローチャートである。
【
図6】幾つかの実施形態に基づく側部測定を実行する被加工物を特定する方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、幾つかの実施形態に基づく被加工物の側部を測定するためのシステム100を示している。当該システム100は、システム支持体105と、(
図2A及び
図2Bに示す)検出器115を有するレーザ走査装置110と、XY平行移動台120と、複数の保持部140及び付随する(
図2A及び
図2Bに示す)留め具145に保持される複数の反射器130と、及び測定される被加工物150とを備える。被加工物150は、複数の反射端135を有する。被加工物150は、XY平行移動台120に搭載され、これによって、被加工物150は、XY平行移動台120の上面に画定される平面において、XY方向に移動することができる。レーザ走査装置110は、当該レーザ走査装置110から出射される(
図2A及び
図2Bに示す)レーザ光160が被加工物150及びXY平行移動台120の平面に略垂直になるように方向付けられる。レーザ光160は、複数の反射器130のうちの1つの反射器130に向けられる。これら複数の反射器130は、被加工物150の近傍の周囲に配置され、これにより、レーザ光160は、反射器130によって、被加工物150の反射端135に向かって反射され、(
図2A及び2Bに符号165として示すように)反射端135に反射されて反射器130に戻り、更に反射器130に反射されて検出器115に戻る。レーザ走査装置110は、当該レーザ走査装置110から被加工物150までの距離を測定する。この距離及びレーザ走査装置のXYZ座標を用いて、反射端135上のレーザ光160の反射点のXY座標が判定される。この座標は、データ保存される。そして、レーザ走査装置110は、複数の反射器130のうちの1つの反射器130に平行移動してから、他の測定値が取得されて保存される。なお、本発明の範囲内で変更を加えられることは、当業者にとって明らかである。例えば、スキャナシステム110をX
Y平行移動台に搭載し、被加工物150をある位置に固定してもよい。
【0015】
図2Aは、被加工物150の側部測定を実行するシステム100の側断面図である。CNC機械装置(図示せず)は、XY平行移動台120と、検出器115を有するレーザ走査装置110と、留め具145を有する保持部140によってXY平行移動台120に保持された反射器130とを備える。レーザ走査装置110は、CNC機械装置によって、XY平行移動台120に対して、所定のZ座標に配置される。被加工物150の側部測定の間、所定のZ座標は、一定のままである。レーザ走査装置110は、反射器130によって被加工物150に反射されるレーザ光160を出射する。レーザ光160は、被加工物150の反射端135によって反射されて反射光165となり、続いて反射器130によって検出器115に反射される。レーザ走査装置110は、レーザ光160及び上述のように反射した反射光165の「走行時間」を計算することによって、レーザ走査装置110から被加工物150を経て検出器115に戻る距離を計算する。レーザ光160、165の往復経路を2で除算することによって、レーザ走査装置110から被加工物150の反射端135までの一方向のレーザ光走行距離が得られる。レーザ光160の全体的な一方向の走行距離からZ方向におけるレーザ光160の一方向の走行距離を減算することによって、反射器130上の反射点から被加工物150までの距離が得られる。反射器130の反射点から被加工物150までの距離を反射器130による反射点の座標に加算又はここから減算することによって、被加工物150上の反射光165の反射点のXY座標を得ることができる。(座標演算の詳細説明図を
図4として示す。)レーザ走査装置110は、反射器130の軸180(
図4に示す。)に沿って増加的に平行移動し、各インクリメント毎に被加工物150の更なる座標を判定する。被加工物150の各反射端135を同様に走査することによって、被加工物150の座標の全ての集合が生成される。レーザ走査装置110から出射されたレーザ光160は、説明のためのみに反射光165からオフセットしているように示している。実際には、レーザ光160、165は、同じ位置にあることは、当業者にとって明らかである。ここでは、レーザ走査装置に関連して本発明を説明しているが、音波スキャナを用いてもよいことは、当業者にとって明らかである。但し、精度の高さから、レーザ走査装置を用いることが好ましい。
【0016】
図2Bは、幾つかの実施形態に基づくCNC機械装置上の被加工物の側部測定を実行するシステム100の側断面図を示している。この実施形態では、単一の反射器130が反射器アーム170を介してレーザ走査装置110に機械的に接続されている。反射器130は、レーザ走査装置110から所定の固定された距離に配置される。レーザ走査装置110は、XY平行移動台(図示せず)に搭載され、
図2AのXY平行移動台120に代えて固定された台120’が設けられている。被加工物150の反射端135は、
図1及び
図2Aに示す反射器130の中心線に沿った走査と同様に、反射端135に平行な線に沿って走査される。そして、レーザ走査装置は、この具体例では、Z軸を中心に時計回りに90°回転し、被加工物150の次の反射端135が同様に走査される。長方形の被加工物150の残りの2つの反射端135のそれぞれも同様に走査され、
図1及び
図2Aの場合と同様に、被加工物150の座標が得られる。
【0017】
図3Aは、半径Rを有する丸みを帯びたコーナを有する被加工物150の側部測定を示している。
図3Aは、側部測定システムの部分平面図である。保持部140及び留め具145は、説明を明瞭にするために省略している。ここに示す側部測定システム100は、被加工物150の近傍の周囲に固定された複数の反射器130を備える。側部測定システム100の当該実施形態では、反射器130は、被加工物150の反射端135に向けてレーザ光160を反射し、続いて反射端135は、レーザ光160を戻り方向に反射して反射光165を生成し、反射光165は、レーザ走査装置110に設けられた検出器115によって検出される。レーザ光160−1〜160−5は、レーザ走査装置110から下向きに出射される。光線、例えば、レーザ光160−1が反射器130に当たる点は、光線方向を示す矢印の開始端における白抜きの円で示されている。被加工物150の反射端135が丸みを帯びた場合又は直角ではない場合、反射光165は、検出器115によって検出されない。ここでは、複数のレーザ光160−1〜160−5及び反射光165−1〜165−5を示している。第1及び第2の反射光165−1、165−2は、それらの入射レーザ光160−1、160−2のそれぞれに平行に反射される。反射光165−1及び165−2は、検出器115によって検出及び測定される。第3及び第4のレーザ光160−3、160−4は、反射端135の曲がった部分において当該反射端135に当たる。従って、反射光165−3、165−4は、検出器115によって検出されない。レーザ光160−5は、当該レーザ光160−5と直交する被加工物150の反射端135において被加工物150に当たるので、かかるレーザ光160−5は、反射光165−5となって検出器115に反射して戻される。
【0018】
図3Bは、幾つかの実施形態に基づく、オフセットを有する被加工物150の側部測定を示している。この図は、側部測定システム100の部分平面図である。保持部140及び留め具145は、説明を明瞭にするために省略している。ここに示す側部測定システム100は、被加工物150の近傍の周囲に固定された複数の反射器130を備える。
図3Aの実施形態と同様、レーザ光160は、反射器130から被加工物150の反射端135に向かって反射される。反射端135は、レーザ光160を反射光165として反射して反射器130に戻し、当該反射光165は、レーザ走査装置110に設けられた検出器115によって検出される。被加工物150が反射端135内にオフセットを有する場合、又は他の態様の直角ではない端部を有する場合、反射光165は、検出器115によって検出されない。ここでは、複数のレーザ光160−10〜160−15及び反射光165−10〜165−15を示している。第1の反射光165−10は、入射レーザ光160−10に平行に反射される。反射光165−10は、検出器115によって検出及び測定される。第2のレーザ光160−11は、被加工物150の端部のオフセットした部分において、反射端135に当たる。従って、反射光165−11は、検出器115によって検出されない。レーザ光160−12〜160−15は、レーザ光160−12〜160−15と直交する反射端135の部分に当たるので、レーザ光160−12〜160−15は、反射光165−12〜165−15として検出器115に反射して戻される。
【0019】
図4Aは、被加工物150の側部測定を実行するための測定グリッドを示している。要素180は、被加工物150の反射端135の走査のパスの中心線を表している。複数の反射器130がXY平行移動台120に固定される実施形態では、要素180は、反射器130の軸及びレーザ走査装置110の走査パスを表す。レーザ走査装置100が反射器130を備える実施形態では、要素180は、レーザ走査装置110の走査パスを表す。要素180は、XY平行移動台120が被加工物150を移動させる任意のXY座標空間に重畳され、又は被加工物150が固定され、レーザ走査装置110が平行移動する実施形態では、レーザ走査装置110が平行移動する任意のXY座標空間に重ねられる。
図4Bは、システム100の要素を更に示すために用いられる
図4Aの線A−Aにおけるグリッドの側断面図である。要素180は、4つの任意に命名された点(X
0,Y
0)、(X
0,Y
1)、(X
1,Y
1)及び(X
1,Y
0)において交差している。走査を実行するための工程は、
図5を用いて後に説明する。
図4A及び
図4Bは、被加工物150の座標を判定する演算原理を示している。
図4Bに示すように、レーザ走査装置110は、任意の走査点(X
0,Y
i)上の高さd
1に位置する。レーザ光160を反射器130上の点(X
0,Y
i)に方向付けることによって、測定が行われる。レーザ走査装置110は、出射されたレーザ光160及びその反射光165の往復経路(160/165として示す。)を測定し、これを2で除算して片方の距離を算出し、ここからd
1を減算することによって、d
iの値を算出する。この測定点における被加工物の座標は、(X
0+d
i,Y
i)である。レーザ走査装置110は、X座標をX
0としたまま、(図の紙面に垂直な)Y方向にインクリメントされる。各インクリメント毎に、被加工物150の反射端135までの距離を測定し、被加工物150の座標を判定する。そして、レーザ走査装置は、ダッシュ付きの符号110’で示すように、第2の位置(X
1,Y
j)において、更なる測定を行う。出射されたレーザ光160’及びその反射光165’の往復経路(160’/165’として示す。)が測定され、これを2で除算して片方の距離が算出され、ここらd
1を減算することによって、d
jの値が算出される。この結果、測定点における被加工物150の座標は、(X
1−d
j,Y
i)となる。また、
図4Bには、測定される部分のタイプを特定する部分ID領域190が示されている。部分IDは、CNC機械装置に付与され、CNC機械装置は、その部分IDを有する特定のタイプの部分のCNC情報を読み取ることができる。
図6は、部分ID領域190を走査する方法600の工程を示している。
【0020】
図5は、幾つかの実施形態に基づく被加工物の側部測定のための方法500の工程を示している。当該測定方法は、工程505で開始され、ここで測定される部分の型について、部分IDで判定される。部分IDは、側部測定システムに手作業で入力してもよく、レーザ走査装置110によって、部分ID領域190を走査することによって判定してもよい。側部測定走査は、レーザ走査装置の第1の位置X
0,Y
0で開始される。工程510では、
図4Bを用いて上述で説明したように、レーザ走査装置の位置をY方向にインクリメントし、測定を行う。工程515において、レーザ走査装置のY座標がY
1となった場合、X座標がX
0である反射端についてのY方向の測定走査を停止して、当該測定方法は、工程520に進む。そうでない場合では、当該測定方法は、工程510に戻る。工程520では、初期値がX
0,Y
1であるレーザ走査装置の位置をX方向にインクリメントして、測定を行う。工程525では、レーザ走査装置のX座標がX
1となった場合、Y座標がY
1である反射端についての測定走査を停止し、当該測定方法は、工程530に進む。そうでない場合では、当該測定方法は、工程520に戻る。工程530では、初期値がX
1,Y
1であるレーザ走査装置の位置をY方向にデクリメントして、測定を行う。工程535では、レーザ走査装置位置のY座標がY
0となった場合、X座標がX
1である反射端についての測定走査を停止し、当該測定方法は、工程540に進む。そうでない場合では、当該測定方法は、工程530に戻る。工程540では、初期値がX
1,Y
0であるレーザ走査装置の位置をX方向にデクリメントして、測定を行う。工程545では、レーザ走査装置のX座標がX
0となった場合、Y座標がY
0である反射端についての測定走査を停止し、当該測定方法500は終了する。そうでない場合では、当該測定方法は、工程540に戻る。
【0021】
一例として、レーザ走査は、不連続なオフセットで被加工物の周辺部の全体を横断するような所定のパターンで移動する。他の実施形態として、レーザ走査は、被加工物の周辺部の全体ではなく、被加工物の正確な測定を行うために十分な数の点を走査するように横断してもよい。
【0022】
図6は、幾つかの実施形態に基づく側部測定を実行する被加工物を特定する方法600の工程を示す。
図4Bに示すように、被加工物150の反射端上には、部分ID領域190が設けられている。工程605では、レーザ走査装置を最初にX
0,Y
0に配置する。部分ID領域は、X
1,Y
0で終了する。工程610では、レーザ走査装置のX座標をインクリメントして、測定を行う。上述のようにして、測定値を座標に変換する。工程615では、レーザ走査装置のX座標がX
1になった場合、当該方法は、工程620に進む。そうでない場合では、当該方法は、工程610に戻る。工程620では、部分IDの座標をデコードする。座標から部分IDをデコードする手法については、後述する。
【0023】
システム統合
ここに説明した側部測定プロセスは、被加工物の機械加工における前処理工程である。従って、側部測定システムは、既存のCNC機械装置に統合できる。このような統合において、レーザ走査装置は、CNC機械装置内のプロセッサにインタフェースを介して接続され、これによりレーザ走査装置によって生成された被加工物の座標がデータとしてCNC機械装置に送られる。CNC機械装置は、被加工物を加工するように既にプログラムされており、従って、CNC機械装置は、機械加工の前及び加工中に被加工物を記述するデータを含んでいる。レーザ走査装置が生成した座標は、CNC機械装置に保存されている被加工物のための設計データと比較することができる。比較等を容易にするために、CNCデータは、部分IDを参照することができる。機械加工される被加工物及びその側部測定値も部分IDによって参照することができる。
【0024】
部分IDのデコード
ここに説明する部分IDは、特定のクラスの被加工物150の識別子である。部分IDは、特定のタイプ又は形状の被加工物150をCNC命令に関連付けて、CNC命令は、その特定のタイプ又は形状の全ての被加工物150を加工する。部分IDは、側部測定プロセスを実行する前に手作業でCNC機械装置に入力してもよい。これに代えて、部分IDは、被加工物150上のステッカ又は機械加工から走査してもよい。レーザ走査装置110は、反射の有無を検出し、反射が有る場合、レーザシステムから被加工物150上の反射点までの距離を算出する。このため、レーザ走査装置は、被加工物150の反射端135上の機械加工の深さと幅の両方を検出できる。従って、部分IDは、被加工物150上の部分ID領域190内の様々な深さ、幅及び/又は反射率を有する機械加工から構成することができる。走査された深さ、幅及び/又は反射率のパターンは、CNC機械装置に渡され、CNC機械装置に保存されているパターンに基づいて、部分IDに変換される。
【0025】
被加工物の非反射的部分
図3A及び
図3Bを用いて説明したように、被加工物150は、必ずしも直交する反射端のみを含んでいるわけではない。歪みやオフセットがなければ反射端となる筈の曲がったエッジ又はオフセットは、測定の間、レーザ走査装置110が出射したレーザ光160に対応する反射光165を検出器115が受信されなかったことによって検出できる。非反射性領域は、無効な座標として保存される。無効な座標とは、例えば、負の座標や、明らかに無効とわかる程度の大きい座標、又は他の論理的に無効な値を有する座標である。そして、これらの非反射性領域の座標をCNC機械装置内の一組の最適な座標と比較して、被加工物150が最適な座標に一致しているかを判定することができる。測定された座標の最適な座標からの偏りが閾値より大きい場合、被加工物150が間違った部分IDを有していると論理的に推定することができ、CNC機械装置の機械加工を開始する前に、側部測定/CNCシステムのオペレータに適切な通知を行うことができる。このような比較は、被加工物150の製造不良を特定でき、及び被加工物150に不適当な部分IDが付されていることを特定できる。何れの場合も、被加工物を機械加工する前に、側部測定座標をCNC機械装置の最適な座標と比較することによって、生成されるスクラップを減らすことができる。
【0026】
スキャニング効率の向上
上述したように、側部測定システムは、CNC機械装置に組み込むことができる。CNC機械装置は、被加工物150のための機械加工命令を含む。機械加工命令は、被加工物の部分IDを参照することができる。レーザ測定プロセスをCNC機械装置に組み込むことによって、被加工物150のための最適な座標を前処理し、被加工物150の各反射端135の非反射的な領域がどこに位置しているかを判定することができる。そして、ここに説明した側部測定プロセスを変更して、これらの非反射的な領域をスキップするようにでき、これによって、反射端の非反射的な部分を走査することによる無駄な時間を省略するので、側部測定の速度を速めることができる。
【0027】
実際の動作では、被加工物は、圧盤に載置され、当該圧盤に固定される。被加工物は、通常、反射端を有する実質的な矩形の形状を有する。レーザ走査装置は、被加工物の全体の周辺部について、反射端の座標を測定し、当該座標を保存する。反射端に関する各レーザ測定の間のインクリメント量は、スキャニングの速度と、収集されるデータ点の数量との間のバランスを考慮して変更することができる。側部測定座標は、保存され、CNC機械装置による機械加工の前に、CNC機械装置に付与される。
【0028】
本発明の特徴を示すために特定の実施形態について説明した。添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、実施形態を変更できることは、当業者にとって明らかである。