【実施例1】
【0021】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この袋状容器の充填装置は袋状容器の処理装置(全体として符号1で示す)に設けられている。この袋状容器の処理装置1は、
図1に示すように、回転体(ターンテーブル)2の外周部に円周方向等間隔で複数のグリッパ4(後に説明する
図2および
図5参照)が設けられている。このグリッパ4を備えたターンテーブル2に、袋状容器供給装置6(図示を省略)によって袋状容器8が供給され、各グリッパ4に保持される。ターンテーブル2が図示しない駆動手段の駆動によって間欠的に回転することにより、グリッパ4に保持された袋状容器8が各処理ステーションに順次停止されて、それぞれの処理が行われる。なお、この実施例では、8箇所の処理ステーションA〜Hが設けられており、各ステーションA〜Hで袋状容器8を2個ずつ処理するようになっている。従って、ターンテーブル2には、一つの袋状容器8を把持する一対のグリッパ4が2個一組として円周方向等間隔で8組、計16個のグリッパ4が設けられている。このターンテーブル2は、1/8回転ずつ間欠動作して、2個(2対)のグリッパ4がそれぞれ保持している2枚の袋状容器8を各ステーションA〜Hに順次停止させる。
【0022】
ターンテーブル2の周囲に設けられている8箇所の処理ステーションA〜Hについて簡単に説明すると、袋状容器供給装置6によって袋状容器8が供給される第1位置が給袋ステーションA、その次の第2位置が印字装置9によって袋状容器8に印字を行う印字ステーションB、第3位置は、閉じた状態の開口部側を上にして、グリッパ4に両側端部を把持されている袋状容器8を開口する開口ステーションC、第4位置が、開口している袋状容器8内に充填ノズル10を挿入して液体等の内容物を充填する充填ステーションD、第5位置は、袋状容器8の上方に位置している開口部を閉じる袋閉じステーションE、第6位置は、液体が充填された袋状容器8の開口部をシールする第1シールステーションF、第7位置は、同様の第2シールステーションGであり、袋状容器8の形状に応じていずれか一方のシールステーションF、Gでシールが行われる。最後の第8位置は、前記第1シールステーションFまたは第2シールステーションGでシールをした部分の安定化を図るために冷却を行う冷却ステーションHであり、この冷却ステーションHで冷却処理が済んだ袋状容器8は、グリッパ4から解放され、排出コンベヤ12によって排出されて次の工程に送られる。なお、この実施例で扱う袋状容器8は、
図5に示すように上端の一部分、中央に開口部8aが形成されており、開口部8aを挟んで両側にシール部8bが形成されている。この袋状容器8は、充填を行う前の状態では、両面が密着した扁平形状をしている。
【0023】
袋状容器供給装置6は、袋状容器8の開口部8a側を搬送方向の前方側(下流側)を向けた状態で連続的に供給する供給コンベヤ(図示せず)を備えており、この供給コンベヤ上の先頭の袋状容器8を、一枚ずつ取り出して位置決めをした後、受け渡し手段によって、給袋ステーションAに停止しているグリッパ4に受け渡す。各グリッパ4は、それぞれ一対のグリップ部材を備えており、これら両グリップ部材によって袋状容器8の両面側から挟んで保持するようになっており、この実施例では、両側に配置された2個のグリッパ4によって、前記袋状容器供給装置6から供給された袋状容器8の両側のシール部8bの下方を把持するようになっている(
図5参照)。
【0024】
第3位置の開口ステーションCには、グリッパ4に保持されて搬送されてきた袋状容器8の開口部8aを開放する開放手段としての吸着パッド(図示せず)が設けられている。開口ステーションCに搬送されてくる袋状容器8は、開口部8aを上に向け、この開口部8aに近い上部の両側端部をグリッパ4よって把持されて、ほぼ垂直に垂れ下がった状態で搬送されてくる。袋状容器8は、その両面が密着した状態で、一方の面をターンテーブル2の半径方向外方側を向け、他方の面を半径方向の内方側を向けて保持されており、吸着パッドは、この両面を吸着できるように、グリッパ4に保持されて搬送される袋状容器8の移動経路の内側と外側にそれぞれ配置されている。
【0025】
前記開口ステーションCには、袋状容器8の開口部8aから内部に挿入され、内部で拡開することにより袋状容器8を強制的に開放するとともに、袋状容器8の内部にエアを吹き込んで袋状容器8を底部側まで完全に開放するための開口フラッパ16が設けられている(
図2(a)参照)。この開口フラッパ16には、回転および昇降させる機構が設けられており、回転機構によってターンテーブル2の第3位置の開口ステーションCと第4位置の充填ステーションDとの間で往復回動されるとともに、昇降機構によって、袋状容器8内に挿入された位置と上方の位置との間で昇降できるようになっている。開口フラッパ16は、下部側が外方へ向けて折り曲げられた一対のフラッパ部材16a、16bを有している。これら各フラッパ部材16a、16bは、その内部にエア通路が設けられており、このエア通路から袋状容器8内にエアを噴射できるようになっている。また、この実施例では、開口フラッパ16の両フラッパ部材16a、16bを閉じた状態(下部が当接して鉛直方向を向いた状態)で袋状容器8の開口部8aから内部に挿入し、両フラッパ部材16a、16bを拡開することにより袋状容器8の開口部8aを開放する。
【0026】
前記開口ステーションCの次の第4位置は充填ステーションDであり、グリッパ4によって把持されて搬送されてくる2個の袋状容器8に対し液体等の内容物の充填を行う2本の充填ノズル10が配置されている。これら充填ノズル10は昇降動作を行うようになっており、開口ステーションCで、吸着パッドおよび開口フラッパ16によって開口部8aから下部までに亘って開放された袋状容器8が、開口フラッパ16によって開放した状態を維持したまま搬送されて来ると、下降されて袋状容器8に内に挿入される。なお、この実施例では、シリンダピストン式の充填方式を用いており、図示しないシリンダピストン機構によって定量の液体を袋状容器8内に充填する。但し、その他の充填方式を用いることもできる。
【0027】
充填ノズル10は、充填ステーションDが設けられた位置の、前記ターンテーブル2の外側に配置されている。
図2(a)、(b)に示すように、下方に配置された固定プレート18上の、ターンテーブル2の外側に、直立した固定筒20が設置されており、この固定筒20を貫通して昇降軸22が昇降可能に支持されている。この昇降軸22は、下端部が基台24上に設置されたサーボモータ26の駆動軸に連結され、サーボモータ26の駆動により昇降される。また、この昇降軸22の上端に、水平な取付プレート28を介して2本の充填ノズル10が支持されている。水平な取付プレート28の両端に、グリッパ4に保持されて搬送されてきた袋状容器8に対して直交する方向を向けて、ベース30が取り付けられている。充填ノズル10は、これらベース30に支点ピン32を介して支持されており、この支点ピン32を中心に揺動することができる。水平な取付プレート28の下面にシリンダ34が取り付けられており、このシリンダ34によって前記支点ピン32よりもやや下方を押されて、充填ノズル10の先端(下端)の吐出口10aをターンテーブル2の中心方向を向けて傾斜させる。また、ベース30上には、充填ノズル10の上部側を向けてストッパ36が設けられており、シリンダ34によって下部側が押されたときに、充填ノズル10の支点ピン32よりも上方位置がこのストッパ36に当たることにより充填ノズル10の傾斜位置が規制される。
【0028】
以上の構成に係る袋状容器の処理装置1の作動について説明する。袋状容器の処理装置1の第1位置である給袋ステーションAの前方に、袋状容器供給装置6が設けられており、図示しない供給コンベヤによって搬送されてきた袋状容器8を、受け渡し手段が取り出して、この給袋ステーションAに停止しているグリッパ4に受け渡す。袋状容器8は、開口部8a側を上方に向けて受け渡され、グリッパ4は、
図5に示すように、袋状容器8の上端両側に設けられたシール部8bのやや下方を把持する。
【0029】
給袋ステーションAでグリッパ4に把持された袋状容器8は、間欠回転するターンテーブル2の一ピッチの回転(1/8回転)により次の印字ステーションBに停止する。この印字ステーションBには印字装置9が設けられており、袋状容器8に所定の印字が行われる。
【0030】
ターンテーブル2の次の1ピッチ分の回転により、袋状容器8は、次の開口ステーションCに送られる。この開口ステーションCには、吸着パッド(図示せず)が設けられており、半径方向内方側と外方側の吸着パッドが互いに接近して袋状容器8を両面から吸着する。袋状容器8を吸着した内外の吸着パッドを後退させるとともに、両側一対のグリッパ4を接近させて吸着パッドによる袋状容器8の開放動作を補助する。
【0031】
袋状容器8の開口部8aが開放された時点で、開口フラッパ16は、両フラップ部材16a、16bの下部側を閉じた状態で上方に停止しており、その後、昇降手段により開口フラッパ16を下降させて、その下端部を、開放している袋状容器8の開口部8a内に挿入する。その後、開口フラッパ16の下部側を拡開して、袋状容器8の開口部8aを開放する。続いて、吸着パッドを前進(互いに接近)させるとともに、両グリッパ4を再度離隔させ、開口フラッパ16を挿入した状態のまま、開口部8aと開口フラッパ16との間に形成されている隙間を閉鎖した後、開口フラッパ16から袋状容器8内にエアを噴射して袋状容器8を完全に開放させる。その後、再び両吸着パッドを後退(離隔)させるとともに、両グリッパ4を接近させることにより袋状容器8の開口部8aを開放して、袋状容器8全体を開放した状態にする。
【0032】
袋状容器8全体を開放した後、吸着パッドのバキュームを解除して袋状容器8を離す。続いて、ターンテーブル2の回転による袋状容器8の移動に追従して、開口フラッパ16を回転機構により回転させる。
【0033】
ターンテーブル2の回転により、開口フラッパ16が挿入されたまま回転搬送された袋状容器8が、充填ステーションDに到達して停止すると、開口フラッパ16が挿入された状態のまま、上方に停止していた充填ノズル10(
図4(a)参照)が下降されて袋状容器8内に挿入される(
図4(b)参照)。充填ノズル10は袋状容器8に挿入される時点では
図3に示すように直立した状態になっており、この状態でサーボモータ26の駆動により昇降軸22が下降され、充填ノズル10の先端の吐出口10a側が袋状容器8内に挿入される。
【0034】
直立した状態の充填ノズル10を袋状容器8内に挿入した後、開口フラッパ16を上昇させて袋状容器8の開口部8aから抜き取る(
図4(c)参照)。その後、シリンダ34を作動させて、充填ノズル10の支点ピン32によって支持されている位置よりも下方側を、ターンテーブル2の中心方向に押圧し、充填ノズル10を袋状容器8の上端部の長手方向に対し直交する方向(ターンテーブル2の接線方向に対する直交方向)に傾斜させる。このように充填ノズル10を傾斜させることにより、充填ノズル10の先端の吐出口10a側を袋状容器8の壁面に当接させる(
図4(d)参照)。
【0035】
充填ノズル10の先端を袋状容器8の内壁面に当接させた状態で液体の充填を開始する(
図4(e)参照)。所定量の充填を行った後(
図4(f)参照)、シリンダ34の作動により充填ノズル10を垂直な状態に戻す(
図4(g)参照)。充填ノズル10を垂直な状態に戻した後、サーボモータ26の駆動により昇降軸22を上昇させて充填ノズル10を袋状容器8から抜き取る(
図4(h)参照)。
【0036】
充填が終了した後、ターンテーブル2の回転により、袋状容器8は次の袋閉じステーションEに移動される。袋閉じステーションEで停止した後、両グリッパ4を離隔させることによって、袋状容器8の両側端部を引き離し、開放していた開口部8aを閉じる。また、前記開口フラッパー16は、上昇した位置のまま充填ステーションDから開口ステーションCに戻り、次の袋状容器8に挿入される。
【0037】
その後、ターンテーブル2の一ピッチ分ずつの回転によって第1シールステーションF、第2シールステーションGに順次停止する。これらのシールステーションF、Gでは、各袋状容器8の形状、サイズ等に応じて予め決められたいずれかのステーションでシールが行われる。続いて、冷却ステーションHまで搬送されて冷却された後、袋状容器8を把持していたグリッパ4を開放して袋状容器8を離す。すると、袋状容器8はグリッパ4から開放されて排出コンベヤ12に載せられてこの袋状容器の処理装置1から排出され、次の工程へ送られる。