(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228855
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】トルクスプリット方式の車両用変速装置
(51)【国際特許分類】
F16H 61/02 20060101AFI20171030BHJP
F16H 61/662 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
F16H61/02
F16H61/662
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-18058(P2014-18058)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-145692(P2015-145692A)
(43)【公開日】2015年8月13日
【審査請求日】2016年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】宮田 及
【審査官】
星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−139140(JP,A)
【文献】
特開平02−180358(JP,A)
【文献】
特開2000−193077(JP,A)
【文献】
特開2004−176890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/00−61/70
F16H 59/00−59/78
F16H 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無段変速機構および歯車式変速機構を備えており、
これら両変速機構のうち、前記無段変速機構のみを利用してエンジン出力を車軸側に出力可能な無段変速機構走行モードと、前記両変速機構を併用してエンジン出力を車軸側に出力可能なトルクスプリット走行モードとの切り替えが可能とされており、
前記トルクスプリット走行モード時において、アクセル開度を増大させるアクセル操作が行なわれたことに対応して前記トルクスプリット走行モードから前記無段変速機構走行モードに切り替わる際には、無段変速機構の変速比γBを小さくしていく制御が予め行なわれ、かつこの変速比γBが所定のモード切替え変速比γSに達した時点で前記走行モードの切り替え動作が行なわれるように構成されている、トルクスプリット方式の車両用変速装置であって、
前記モード切替え変速比γSは、前記アクセル操作時におけるアクセル開速度が高速である場合には低速である場合よりも大きくなるように、前記アクセル開速度に応じて変更されることを特徴とする、トルクスプリット方式の車両用変速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト式などの無段変速機構と歯車式変速機構とを備えたトルクスプリット方式の車両用変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トルクスプリット方式の車両用変速装置の一例として、特許文献1に記載されたものがある。
同文献に記載された車両用変速装置は、ベルト式無段変速機構、歯車式変速機構、遊星歯車機構、および走行モード切替え用のクラッチを備えており、車両走行モードとして、トルクスプリット走行モードと、無段変速機構走行モードとを切り替え設定可能とされている。トルクスプリット走行モードは、エンジン出力がベルト式無段変速機構および歯車式変速機構の双方を利用して減速され、遊星歯車機構からはその合成駆動力が車軸側(差動歯車装置側)に出力されるモードである。無段変速機構走行モードは、歯車式変速機構が利用されることなく、ベルト式無段変速機構を利用してエンジン出力の減速が図られ、この駆動力が遊星歯車機構を介して車軸側に出力されるモードである。
【0003】
このような車両用変速装置においては、たとえば
図6に示すように、車速およびエンジン回転数に基づき、ラインLを境界線として、トルクスプリット走行モードと無段変速機構走行モードとが切り替えられる。ここで、実際の車両走行時においては、トルクスプリット走行モード中に、キックダウンまたはこれに近いアクセル操作がなされ、ダウンシフトが実行される場合ある。この場合のダウンシフトは、同図のたとえば符号N1〜N3で示すように、トルクスプリット走行モードから無段変速機構走行モードへの切り替えが伴う。
【0004】
従来においては、前記した走行モードの切り替えは、
図7に示すような態様で行なわれている。しかしながら、このような態様の切り替え制御によれば、次に述べるように、不具合を生じる場合があった。
【0005】
すなわち、キックダウンまたはこれに近いアクセル操作がなされ、
図7(a)に示すように、アクセル開度が増大すると、同図(c)に示すように、ベルト式無段変速機構については、その変速比γ
Bを小さくしていく制御が行なわれる。この変速比γ
Bが、所定のモード切替え変速比γ
Sに達すると、その時点でモード切り替え用のクラッチを動作させて走行モードの切り替えを行なう。ここで、従来においては、モード切替え変速比γ
Sは、一般的には、ベルト式無段変速機構の最ハイの変速比γ
BHとされ、歯車式変速機構の変速比γ
Gと一致する値とされている。このような構成によれば、歯車式変速機構とベルト式無段変速機構との同期点でモード切り替えが行なわれるために、変速ショックをなくし、または少なくすることができる(同図(b)のエンジン回転数に乱れがない)。
一方、トルクスプリット走行モード時において、キックダウンまたはこれに近いアクセル操作がなされる前の状況下では、ベルト式無段変速機構の変速比γが大きめの状態(たとえば最ローの変速比γ
BL)にある。このため、変速比γ
Bがモード切替え変速比γ
S(=γ
BH)に達する迄の所要時間は長くなり、前記アクセル操作開始時からダウンシフトが実際に完了する迄の時間Tcも長めとなる。キックダウンまたはこれに近いアクセル操作は、ドライバが車両を急いで加速させようとするものであるため、前記したような動作はドライバの意図に沿わず、ドライバビリティが悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4552376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、車両の乗り心地をできる限り損なうようなことなく、キックダウンまたはこれに近いアクセル操作がなされた際のダウンシフト動作が迅速に行なわれるようにし、車両の運転状況に適切に対応した変速性能を得ることが可能なトルクスプリット方式の車両用変速装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明により提供されるトルクスプリット方式の車両用変速装置は、無段変速機構および歯車式変速機構を備えており、これら両変速機構のうち、前記無段変速機構のみを利用してエンジン出力を車軸側に出力可能な無段変速機構走行モードと、前記両変速機構を併用してエンジン出力を車軸側に出力可能なトルクスプリット走行モードとの切り替えが可能とされており、前記トルクスプリット走行モード時において、アクセル開度を増大させるアクセル操作が行なわれたことに対応して前記トルクスプリット走行モードから前記無段変速機構走行モードに切り替わる際には、無段変速機構の変速比γ
Bを
小さくしていく制御が予め行なわれ、かつこの変速比γ
Bが所定のモード切替え変速比γ
Sに達した時点で前記走行モードの切り替え動作が行なわれるように構成されている、トルクスプリット方式の車両用変速装置であって、前記モード切替え変速比γ
Sは、前記アクセル操作時におけるアクセル開速度が高速である場合には低速である場合よりも大きくなるように、前記アクセル開速度に応じて変更されることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、キックダウンまたはこれに近いアクセル操作がなされ、アクセル開速度が高速である場合には、モード切替え変速比γ
Sは大きめの値とされるために、無段変速機構の変速比γ
Bをモード切替え変速比γ
Sまで小さくするための所要時間を短くすることができる。したがって、トルクスプリット走行モードから無段変速機構走行モードへの切り替えを迅速に行ない、アクセル操作がなされてからダウンシフト動作が完了する迄の時間短縮を図ることができる。その結果、ドライバビリティを良くすることができる。
なお、モード切替え変速比γ
Sを大きめの値にすると変速時のショックが大きくなるが、キックダウンまたはこれに近いアクセル操作がなされるのは、ドライバが車両を急いで加速させようとする場合である。このため、変速時のショックがやや大きくなるとしても、ダウンシフト動作の迅速性を優先することがドライバの意図に沿ったものとなる。
第2に、前記とは反対に、アクセル操作がゆっくりとなされた場合には、モード切替え変速比γ
Sは小さめの値とされるために、無段変速機構の変速比γ
Bを歯車式変速機構の変速比と同一または略同一
の値とし、両変速機構を同期させたかたちでの変速動作が可能となる。このため、変速ショックを小さくすることができる。この場合には、前記従来技術と同様に、変速動作完了までの所要時間が長くなるが、アクセル操作がゆっくりとなされた場合には、変速動作の迅速性を優先するよりも変速ショックを小さくして車両の乗り心地を優先することがドライバにとって好ましいものとなる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るトルクスプリット方式の車両用変速装置の概略説明図である。
【
図2】アクセル開速度とモード切替え変速比γ
Sとの関係の一例を示す説明図である。
【
図3】
図1に示す車両用変速装置で実行されるダウンシフト動作の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示す車両用変速装置で実行される動作制御の一例を示すタイムチャートである。
【
図5】
図1に示す車両用変速装置で実行される動作制御の他の例を示すタイムチャートである。
【
図6】トルクスプリット走行モードとベルト式無段変速機構走行モードとの切り替え設定条件の一例を示す説明図である。
【
図7】従来技術における動作制御の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
図1に示すトルクスプリット方式の車両用変速装置Aは、エンジン10の出力軸10aにトルクコンバータ11を介して連結されており、トルクコンバータ11の出力軸11aの回転力を、差動歯車装置2に連結された一対の車軸9a,9bに伝えるためのものである。具体的には、この車両用変速装置Aは、ベルト式無段変速機構4、歯車式変速機構5、遊星歯車機構6、前後進切り替え用のブレーキB1、スプリットクラッチC1,およびドライブクラッチC2を備えている。
【0015】
ベルト式無段変速機構4は、ベルト掛かり径を可変制御可能な一対のプーリ40a,40bにベルト41を掛け回した構造であり、ベルト掛かり径を変更することにより変速比を無段階で変更可能である。プーリ40aは、プライマリ軸72に装着されている。このプライマリ軸72には、トルクコンバータ11から出力される回転駆動力が入力ギヤ70,71を介して伝達される。ベルト式無段変速機構4の出力軸としてのセカンダリ軸80は、遊星歯車機構6のサンギヤ60との連結が図られているとともに、リングギヤ62に対してはドライブクラッチC2を介して連結可能とされている。
【0016】
歯車式変速機構5は、プライマリ軸72にスプリットクラッチC1を介して連結された第1ないし第3の歯車51〜53を有する歯車列であり、第3の歯車53は、遊星歯車機構6のキャリヤ63に連結されている。このため、スプリットクラッチC1をオン状態(接続状態)とした際には、プライマリ軸72の回転駆動力を所定の変速比γ
Gでキャリヤ63に伝達させることが可能である。
【0017】
遊星歯車機構6のリングギヤ62は、歯車式変速機構5およびベルト式無段変速機構4から遊星歯車機構6が受けた駆動力の出力部とされている。この遊星歯車機構6からの出力は、このリングギヤ62に連結された出力軸81、ならびにギヤ82を介して、差動歯車装置2のリングギヤ20に伝達される。
【0018】
この車両用変速装置Aにおいては、前後進切り替え用のブレーキB1のオン・オフにより、後進モードと前進モードとを切り替え可能である。前進モード状態において、スプリットクラッチC1をオフ、ドライブクラッチC2をオンにすると、歯車式変速機構5を利用せず、ベルト式無段変速機構4のみを利用した無段変速機構走行モードとなる。
これに代えて、スプリットクラッチC1をオン、ドライブクラッチC2をオフにすると、ベルト式無段変速機構4および歯車式変速機構5の双方を利用したトルクスプリット走行モードとなる。歯車式変速機構5の変速比γ
Gは一定であるが、トルクスプリット走行モードにおいては、ベルト式無段変速機構4がサンギヤ60およびピニヨンギヤ61を回
転させる結果、両変速機構4,5のトータルの変速比(減速比)については、ベルト式無段変速機構4の変速比γ
Bを変更することにより制御可能である。
無段変速機構走行モードとトルクスプリット走行モードとの切り替え設定は、たとえば先の
図6に示した条件と同様な条件で行なわれる。
【0019】
ベルト式無段変速機構4のプーリ40a,40bのベルト掛かり径変更機構、クラッチC1,C2、およびブレーキB1などは、油圧式であり、油圧制御装置30を利用してその動作制御がなされる。油圧制御装置30は、ECUなどの制御部3からの指令に基づいて油圧制御を実行する。制御部3には、エンジン回転数センサSa、車速センサSb、およびアクセル開度センサScなどからの信号が送信され、それらのデータに基づいて車両走行モードの切り替えや、変速比γ
Bの変更動作などが行なわれる。
【0020】
制御部3は、トルクスプリット走行モードでの車両走行時において、アクセルペダルの踏み込み操作がなされてダウンシフトを行なう場合には、アクセル開度センサScからの信号に基づいてアクセル踏み込み時におけるアクセル開速度を求める。また、このアクセル開速度に応じて、トルクスプリット走行モードから無段変速機構走行モードへの切り替え点となるモード切替え変速比γ
Sを決定するといった処理も行ない、ダウンシフトの動作制御全般を担う。その詳細については、後述する。
【0021】
次に、前記した車両用変速装置Aの作用について説明する。併せて、制御部3による動作制御手順の一例について、
図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0022】
まず、車両がトルクスプリット走行モードで走行している際に、アクセルペダルの踏み込み操作がなされると、制御部3は、その際のアクセル開速度に基づいてモード切替え変速比γ
Sを決定する(S1:YES,S2:YES,S3)。モード切替え変速比γ
Sは、基本的には、アクセル開速度が高速である場合には大きめの値とされ、アクセル開速度が低速の場合には小さめの値とされる。
具体的には、たとえば
図2に示すような値とされる。同図においては、アクセル開速度が所定の速度V1未満の低速である場合には、モード切替え変速比γ
Sは、ベルト式無段変速機構4の最ハイの変速比γ
BHとされる。この変速比γ
BHは、たとえば歯車式変速機構5の変速比γ
Gと同一である。一方、アクセル開速度が所定の速度V2を超える高速である場合には、モード切替え変速比γ
Sは、変速比γ
BHよりも大きい変速比とされる(モード切替え変速比γ
Sを、ベルト式無段変速機構4の最ローの変速比γ
BLと同等程度まで大きくすることは、変速ショックが過大となるため、回避されている)。アクセル開速度が速度V1から速度V2までの中間範囲にある場合、モード切替え変速比γ
Sの値は、アクセル開速度が高速になるにしたがって徐々に大きい値とされる。同図では、前記中間範囲において、アクセル開速度とモード切替え変速比γ
Sとが線形の関係にあるが、非線形の関係に設定することもできる。
【0023】
前記したアクセルペダルの踏み込みがあった場合には、ベルト式無段変速機構4の変速比γ
Bを小さくしていく動作も実行される(S4)。この動作が実行されることにより、変速比γ
Bがモード切替え変速比γ
Sに達すると、その時点で車両の走行モードをトルクスプリット走行モードから無段変速機構走行モードに切り替える動作が実行される(S5:YES,S6)。この切り替え動作は、具体的には、スプリットクラッチC1をオフ、ドライブクラッチC2をオンにする動作である。
【0024】
前記した一連の制御によれば、
図4および
図5に示すような作用が生じる。
【0025】
図4は、符号N1で示す時点でキックダウンまたはこれに近いアクセルペダル踏み込み操作が開始された場合を示しており、同図(a)に示すように、アクセル開度が急激に増
大している。この場合には、モード切替え変速比γ
Sが、最ハイの変速比γ
BHよりも大きめに設定されるために、同図(c)に示すように、ベルト式無段変速機構4の変速比γ
Bが、モード切替え変速比γ
Sに達する迄の時間は短く、符号N2で示す走行モード切り替え時期が早期に招来する。その結果、変速時間の所要時間Taを短くし、ドライバビリティを良くすることができる。
図4の破線Leは、
図7(c)で示した従来技術における変速比γ
Bの変化を示している。これとの比較において、本実施形態によれば、ダウンシフトの所要時間を大幅に短縮することができることが理解できる。
【0026】
図4に示した動作制御においては、変速時のショックがやや大きめとなる(同図(b)に示すようにエンジン回転数に一部急激な変化が生じる)。ただし、キックダウンまたはこれに近いアクセル操作がなされるのは、ドライバが車両を急いで加速させようとする場合であるため、変速時のショックがやや大きめになることは許容され、ダウンシフト動作の迅速性を優先させていることによって、ドライバの意図に沿った車両走行が可能となる。
【0027】
図5は、アクセルペダルの踏み込み操作がゆっくりと行なわれた場合を示している。この場合には、モード切替え変速比γ
Sが小さめに設定されるために、同図(c)に示すように、ベルト式無段変速機構4の変速比が、モード切替え変速比γ
Sに達する迄の時間は長くなる。これは
図7に示した従来技術の場合と同様であり、ダウンシフト動作が完了する迄の所要時間Tbも長くなる。ただし、この場合には、ベルト式無段変速機構4および歯車式変速機構5の変速比γ
B,γ
Gを同一または略同一に揃え、これらを同期させた状態での変速動作が可能であるために、変速ショックを相当に小さくすることができる(同図(b)に示すようにエンジン回転数に急激な変化部分がない)。この場合には、前記従来技術と同様に、変速動作完了時期が遅くなるものの、アクセル操作がゆっくりとなされた場合には、ドライバが車両をさほど急激には加速させようとはしていないと考えられる。したがって、このような場合には、変速動作の迅速性を優先するよりも、変速ショックを小さくして車両の乗り心地を優先することがドライバにとって好ましいものとなる。
【0028】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るトルクスプリット方式の車両用変速装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0029】
本発明でいう「モード切替え変速比γ
S」は、アクセル操作時におけるアクセル開速度が高速である場合には低速である場合よりも大きくなるように、アクセル開速度に応じて変更されればよい。モード切替え変速比γ
Sとアクセル開速度との関係は、
図2に示した例に限らない。
本発明でいう無段変速機構は、ベルト式無段変速機構に代えて、トロイダル方式、あるいは油圧方式の無段変速機構とすることもできる。歯車式変速機構については、具体的な歯車列の構成や変速比を問わない。
【符号の説明】
【0030】
A 車両用変速装置
2 差動歯車装置
4 ベルト式無段変速機構
5 歯車式変速機構
6 遊星歯車機構
10 エンジン