(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体の流路となり前記流体が流入する一方の端面である流入端面から前記流体が流出する他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム基材と、
前記ハニカム基材の外周を取り囲み、前記ハニカム基材の外周から外側に突き出るように形成されたフランジ部と、
前記ハニカム基材の所定のセルである入口セルの前記流出端面側の開口部及び残余のセルである出口セルの前記流入端面の開口部に配設された目封止部と、を備え、
前記フランジ部に、前記フランジ部の側面に開口部を有する温度測定用プローブ挿入用の溝部が少なくとも1つ形成され、
前記フランジ部に形成された前記溝部の深さが、前記フランジ部の高さの値以下の値であるハニカム構造体。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0018】
[1]ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の一実施形態は、
図1,
図2に示すハニカム構造体100である。ハニカム構造体100は、複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有するハニカム基材10と、ハニカム基材10の外周を取り囲み、ハニカム基材10の外周から外側に突き出るように形成されたフランジ部15と、と、を備えている。隔壁1は、流体の流路となり流体が流入する一方の端面である流入端面11から流体が流出する他方の端面である流出端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する。目封止部25は、ハニカム基材10の所定のセルである入口セルの流出端面12側の開口部及び残余のセルである出口セルの流入端面11の開口部に配設されている。ハニカム構造体100は、フランジ部15に、フランジ部15の側面に開口部を有する温度測定用プローブ挿入用の溝部20が少なくとも1つ形成されている。
そして、フランジ部15に形成された溝部20の深さは、フランジ部15の高さの値以下の値である。
【0019】
ハニカム構造体内部の温度は、実際には、ハニカム構造体の軸方向(即ち、ハニカム構造体のセルの延びる方向)、及び径方向において均一ではない。別言すれば、ハニカム構造体の隔壁に担持される触媒の温度は、ハニカム構造体の軸方向、及び径方向において均一ではないということになる。つまり、ハニカム構造体内部(特に隔壁)の温度は、均一ではなく、ハニカム構造体内部には温度分布が存在する。そのため、従来のようにハニカム構造体の数十mm下流に配置した(即ち、ハニカム構造体の外部に配置した)熱電対などの温度測定用プローブ(以下、単に「測定用プローブ」と記す場合がある)でハニカム構造体内部の温度を正確に把握することは難しい。その結果、測定される排ガスの温度とハニカム構造体内部の温度との間には大きな誤差が生じているという問題がある。このように、ハニカム構造体内部の温度、別言すれば、ハニカム構造体の隔壁に担持された触媒の温度を正確に把握することは困難であった。その結果、触媒劣化の判定について余裕を持たせる必要があった。つまり、所定の期間以上、所定以上の温度に曝されると、触媒は、劣化して、触媒機能が十分に得られなくなってしまう。そのため、熱電対などの測定用プローブからの温度情報に基づいて触媒の劣化の基準を設定し、触媒劣化の有無を判定している。この「触媒の劣化の基準」は、上記のように温度にはずれが生じているため、必要以上に余裕を持たせて設定されている。このように、温度の誤差を考慮して、担持させる触媒の量を多く見積もる必要があった。つまり、触媒が無駄になっていることがあった。一方、ハニカム構造体100は、フランジ部15に溝部20を形成し、この溝部20に熱電対(測定用プローブ)30(
図3参照)を挿入してハニカム構造体内部に配置できるのでハニカム構造体100内部の温度を直接測定できる。その結果、ハニカム構造体100内部の温度を高精度で測定することができる。また、触媒が無駄になることを防止できる。
【0020】
また、ハニカム構造体100は、溝部20に挿入されている熱電対30を抜き取り、その後、新しい熱電対30を溝部20に挿入すればよいので熱電対30の交換が容易である。例えば、熱電対の故障時の修理が容易である。
【0021】
更に、従来技術であってもハニカム構造体内部に測定用プローブを挿入することも可能ではある。この場合、出口端面側から測定用プローブを挿入することになるが、測定用プローブを挿入する際に、測定用プローブが隔壁と接触して隔壁が破損することがある。また、排ガスの流路であるセル内に沿って測定用プローブを挿入することになるため、流路抵抗が高くなり、その結果、圧力損失が増大してしまうという問題がある。また、上記のように測定用プローブをセル内に挿入するため、長い測定用プローブが必要になり、その結果、コストアップになってしまう。また、測定用プローブが長くなると、排ガスの流れによる影響が大きくなる。具体的には、排ガスによって測定用プローブが、セル内で動き、ハニカム構造体(隔壁)を破損する。更に、測定用プローブは、特定のセル内に挿入する必要があるが、その場合には、一度コンバーターを解体した後に測定用プローブを挿入する必要がある。そのため、コストや作業時間がかかってしまう。
【0022】
図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
図2は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態におけるセルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。
【0023】
[1−1]フランジ部:
フランジ部は、ハニカム基材の外周を取り囲み、ハニカム基材の外周から外側に突き出るように形成されている。このようなフランジ部を有することにより、ハニカム構造体を缶体に収納する際にハニカム構造体の位置(特にハニカム構造体の中心軸方向の位置)を固定する止め具が不要になる。本発明のハニカム構造体は、フランジ部によってハニカム構造体がその中心軸方向に移動してしまうこと(ズレてしまうこと)が防止されている。
【0024】
フランジ部は、ハニカム基材の外周の「全部」を取り囲むものであってもよい。この場合、フランジ部の外形は、円板(円柱)の中央部分がくりぬかれた形状ということもできる。また、フランジ部は、ハニカム基材の外周の一部を取り囲むものであってもよい。つまり、フランジ部は、ハニカム基材の周方向において途中で途切れていてもよい。
【0025】
フランジ部は、その内部が詰まったいわゆる中実のものであってもよいし、その内部がハニカム構造であってもよい。内部がハニカム構造である場合、フランジ部は、複数のセル(フランジセル)を区画形成する隔壁であるフランジ隔壁を有し、フランジセルは、ハニカム基材のセルと同じ方向に延びるセルとすることができる。複数のフランジセルが形成されている場合、このフランジセルの両端部の開口は全て目封止されていることが好ましい。
【0026】
フランジ部の、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面における厚さ(フランジ部の厚さ、即ち、直径方向の長さ)H(
図2参照)は、1〜30mmであり、3〜25mmであることが好ましく、5〜20mmであることが特に好ましい。フランジ部の、セルの延びる方向に直交する断面における厚さHが1mm未満であると、フランジ部が薄いため、熱電対を挿入できないおそれがある。また、缶体内におけるハニカム構造体のズレを防止することが難しくなるおそれがある。30mm超であると、配管に組み付け難くなったり、ハンドリングし難くなったりすることがある。なお、ハニカム構造体100に外周コート層が配設される場合、「フランジ部の、セルの延びる方向に直交する断面における厚さH」は、外周コート層の表面の位置を基準にした厚さのことである。
【0027】
フランジ部の、ハニカム構造体のセルの延びる方向における長さ(フランジ部の幅)L(
図2参照)は、ハニカム構造体のセルの延びる方向の長さの1〜90%であることが好ましく、3〜50%であることが更に好ましく、5〜30%であることが特に好ましい。フランジ部の幅が上記範囲であることにより、自動車などの床下の限られたスペースに、ハニカム構造体を良好に固定することができる。また、フランジ部が、大き過ぎないため、ハニカム構造体を軽量化できる。フランジ部の幅が1%未満であると、フランジ部の強度が低下することがある。90%超であると、ハニカム構造体が大型化して、自動車などの床下の限られたスペースに、ハニカム構造体を良好に固定することができなくなるおそれがある。なお、ハニカム構造体に外周コート層が配設されている場合、フランジ部の幅は、外周コート層の表面の位置を基準にした厚さである。なお、フランジ部の端部がテーパー状である場合、「フランジ部の幅」は、
図2に示すように、テーパー状の両端部の、両先端の間の距離である。
【0028】
ハニカム構造体100において、フランジ部15は、セル2の延びる方向における両端面(両端部)が、先端ほど直径が小さくなるテーパー状のものである。また、ハニカム構造体において、フランジ部は、セルの延びる方向における両端面がテーパー状でなく、ハニカム基材のセルの延びる方向における両端面が、セルの延びる方向に直交するものであってもよい。
【0029】
ハニカム基材の中心軸を含む平面において、フランジ部の端面とハニカム基材の側面との角度θ(
図2参照)は、90〜150°が好ましく、90〜140°が更に好ましく、90〜135°が特に好ましい。更に、90〜130°が最も好ましい。なお、フランジ部の端面とハニカム基材の側面との角度θは、フランジ部の端面が、セルの延びる方向に直交する場合、90°である。
【0030】
フランジ部は、ハニカム基材のセルの延びる方向において、ハニカム基材のどの位置に配置されていてもよい。例えば、ハニカム基材の中央部に配設してもよいし、端部に配設してもよいし、
図1,
図2に示されるように、ハニカム基材の中央部に配設してもよい。なお、ハニカム基材の中央部は、ハニカム基材のセルが延びる方向における中央部のことである。
【0031】
フランジ部15には、上述のように、熱電対挿入用の溝部20が少なくとも1つ形成されている。「溝部」は、ハニカム構造体の内部の温度を測定する熱電対を挿入するための穴であり、更に言えば、熱電対(特に熱電対のセンサの先端部)と嵌り合う穴のことである。
【0032】
溝部の開口部の形状は、熱電対を挿入可能であれば特に制限はない。即ち、溝部の開口部の形状は、熱電対の形状にあわせて適宜設定することができる。溝部の開口部の形状としては、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形などを挙げることができる。なお、開口部の形状が長方形である場合、溝部は「スリット」ということもできる。
図1,
図2に示す溝部20は、開口部の形状が円形である例である。
【0033】
溝部は、その延びる方向(即ち、溝部の中心軸の延びる方向)について特に制限はない。例えば、溝部は、フランジ部の側面21(
図1,
図2参照)に開口部が形成され、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、溝部の中心軸がフランジ部の側面と直交するように延びていてもよい。また、溝部は、フランジ部の端面23(
図1,
図2参照)に開口部が形成され、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、溝部の中心軸がフランジ部の端面と直交するように延びていてもよい。更には、溝部は、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、溝部の中心軸が、ハニカム構造体の中心を通るように延びるものとすることができる。
【0034】
溝部の、ハニカム基材の周方向の長さ(以下、「溝部の幅」と記す場合がある)は、0.5〜20mmであることが好ましく、0.5〜5mmであることが更に好ましく、0.5〜1.0mmであることが特に好ましい。溝部の幅が上記下限値未満であると、熱電対などの測定用プローブを挿入できないおそれがある。溝部の幅が上記上限値超であると、フランジ部の強度が低下するおそれがある。「溝部の、ハニカム基材の周方向の長さ」は、「溝部の、ハニカム基材の周方向の長さ」が1つの溝部において複数得られるときは、つまり、1つの溝部においても上記長さが均一でないときは、「溝部の、ハニカム基材の周方向の長さ」の最大の長さをいう。
【0035】
溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ(以下、「溝部の長さ」と記す場合がある)Nは、下限値が0.5mm以上であることが好ましい。また、溝部の長さは、上限が、フランジ部の幅と同じであることが好ましく、フランジ部の幅の50%であることが特に好ましい。溝部の長さが上記下限値未満であると、熱電対などの測定用プローブを挿入できないおそれがある。「溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」は、「溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」が1つの溝部において複数得られるときは、「溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」の最大の長さをいう。なお、「1つの溝部において複数得られるとき」とは、1つの溝部においても上記「溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」が均一でないときのことを意味する。
【0036】
溝部は、フランジ部に形成されている限り特に制限はない。つまり、溝部が、フランジ部を越えてハニカム基材まで延びていてもよい。また、溝部が、フランジ部のみに形成されていてもよい。即ち、溝部の深さが、フランジ部の高さの値以下の値であってもよい。これらのうち、溝部は、フランジ部のみに形成されていることが好ましい。このようにすると、溝部がハニカム基材まで延びることにより熱電対を挿入したときに熱電対がセルを塞ぐことに起因して圧力損失が増大したり、ハニカム基材のセル内を流れる排ガスが溝部を通過してハニカム構造体の外部に漏れ出たりすることを防止できる。なお、溝部が、フランジ部を越えてハニカム基材まで延びている場合、ハニカム基材のセル内を流れる排ガスの温度を直接測定することができる。
【0037】
溝部の深さは、フランジ部の高さの値の20〜100%であることが好ましく、30〜100%であることが更に好ましく、50〜100%であることが特に好ましい。溝部の深さが上記下限値未満であると、ハニカム基材内部の温度を精度よく推定できないおそれがある。溝部の深さが上記上限値超であると、排ガスが溝部を通じてハニカム構造体の外部に流出するおそれがある。また、測定用プローブがセル内の排ガスの流れを阻害することに起因して圧力損失が増大するおそれがある。なお、「溝部の深さ」は、1つの溝部において複数得られるときは、つまり、1つの溝部においても上記深さが均一でないときは、溝部の開口部からの距離が最も遠い位置における深さをいう。
【0038】
溝部は、1〜4個形成されることが好ましく、1〜3個形成されることが更に好ましく、1または2個形成されることが特に好ましい。溝部を複数形成することにより、より正確にハニカム構造体内部の温度を測定できる。特に、コンバーター形状や排ガスの流れが、セルの延びる方向に直行する方向に不均一である場合、溝部を複数形成することにより、正確にハニカム構造体内部の温度を測定できる。
【0039】
なお、溝部が複数形成される場合、各溝部は同じ形状であってもよいし異なっていてもよい。
【0040】
溝部はフランジ部に形成されるため、溝部の位置は、フランジ部によって規定されることになるが、溝部を形成する位置(ハニカム基材のセルの延びる方向の位置)は、以下の通りとすることが好ましい。即ち、溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の位置(溝部を形成する位置)は、流入端面からの距離が、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さの5〜95%の範囲内であることが好ましい。そして、上記「溝部を形成する位置」は、流入端面からの距離が、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さの10〜90%の範囲内であることが更に好ましく、10〜50%の範囲内であることが特に好ましい。上記「溝部を形成する位置」が上記下限値未満であると、上記「溝部を形成する位置」が上記上限値超であると、測定精度の向上が十分に図れないおそれがある。
【0041】
溝部には、温度測定用プローブの他に、特定のガスの種類や濃度を検知できるセンサを挿入することもできる。
【0042】
[1−2]ハニカム基材:
ハニカム基材10の隔壁1の厚さは、120〜500μmであることが好ましく、200〜450μmであることが更に好ましく、250〜400μmであることが特に好ましい。上記隔壁1の厚さが120μm未満であると、隔壁1の強度が不足するおそれがある。一方、500μm超であると、圧力損失が増加するおそれがある。
【0043】
ハニカム基材10の隔壁1の気孔率は、30〜75%であることが好ましく、35〜70%であることが更に好ましく、40〜65%であることが特に好ましい。上記気孔率が30%未満であると、圧力損失が増加するおそれがある。一方、75%超であると、隔壁1の強度が低下してしまうおそれがある。ここで、本明細書において「気孔率」は、水銀ポロシメータで測定した値である。
【0044】
ハニカム基材10の隔壁1の平均細孔径は、5〜35μmであることが好ましく、8〜30μmであることが更に好ましく、10〜25μmであることが特に好ましい。上記平均細孔径が5μm未満であると、圧力損失が増加するおそれがある。一方、35μm超であると、排ガスの浄化性能が低下するおそれがある。ここで、本明細書において「平均細孔径」は、水銀ポロシメータで測定した値である。
【0045】
ハニカム基材10のセル密度は、15〜70セル/cm
2であることが好ましく、30〜65セル/cm
2であることが更に好ましく、38〜55セル/cm
2であることが特に好ましい。上記セル密度が15セル/cm
2未満であると、ススが堆積した後の圧力損失が増加するおそれがある。一方、70セル/cm
2超であると、圧力損失が増加するおそれがある。
【0046】
隔壁の材料としては、セラミック材料が好ましい。強度及び耐熱性に優れるという観点からは、コージェライト、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましい。これらの中でも、コージェライトが好ましい。
【0047】
ハニカム基材10のセル2の延びる方向に直交する断面におけるセル2の形状は、四角形状、六角形状などをとすることができる。
【0048】
ハニカム基材10(ハニカム構造体100)のセルの延びる方向の長さは、50〜400mmとすることができる。また、ハニカム構造体100の端面が円形である場合、端面の直径は、100〜400mmとすることができる。
【0049】
ハニカム基材10の形状は、円柱状、楕円柱状、四角柱状、六角柱状などをとすることができる。これらの中でも、円柱状、四角柱状が好ましい。
【0050】
[1−3]目封止部:
ハニカム構造体100は、ハニカム基材10の所定のセル2である入口セルの流出端面12側の開口部と残余のセル2である出口セルの流入端面11の開口部とに配設された目封止部25を備えるものである。
【0051】
目封止部は、流入端面側及び流出端面側のいずれかの端部でセルを目封止するように形成されている限り、その配置状態は特に限定されるものではない。例えば、目封止部25は、入口セルと出口セルとが交互に配置されるように配設されることが好ましい。
【0052】
目封止部の深さ(セルの延びる方向の長さ)は、1〜20mmであることが好ましく、2〜15mmであることが更に好ましく、3〜10mmであることが特に好ましい。
【0053】
目封止部の材質は、隔壁の材質と同じものとすることができる。
【0054】
図1,
図2に示すハニカム構造体100は、外周コート層26を有しているが、外周コート層26を有さなくてもよい。外周コート層26は、セラミック材料をハニカム構造体の外周に塗工して形成することができる。また、外周コート層26は、ハニカム構造体が押出成形等により一体に成形されるものである場合、ハニカム基材10を作製する過程において隔壁とともに形成されてもよい。
【0055】
[1−4]触媒:
本発明のハニカム構造体は、ハニカム基材の隔壁の表面や隔壁の細孔の内表面に触媒が担持されていてもよい。
【0056】
触媒としては、例えば、三元触媒、NO
X吸蔵還元触媒、酸化触媒、NO
X選択還元触媒などを挙げることができる。また、上述した触媒以外にも、排ガス中の有害成分や煤等の酸化、NOxの浄化に適切な触媒種を適宜選択することができる。
【0057】
本発明のハニカム構造体は、
図1,
図2に示すハニカム構造体100のように「セグメント構造のハニカム基材」を有するものであってもよいし、押出成形等により一体に成形されるハニカム基材を有するものであってもよい。
図1,
図2に示すハニカム構造体100は、複数のハニカムセグメント22と複数のハニカムセグメント22を互いに接合する接合層24とを有するハニカム基材10を備えている。
【0058】
[2]排ガス浄化装置:
本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態は、
図3に示す排ガス浄化装置200である。この排ガス浄化装置200は、上述したハニカム構造体100と、このハニカム構造体100を収納する缶体150と、を備えている。缶体150は、排ガスが流入する流入口51、浄化された排ガスが流出する流出口52、及び流入口51と流出口52との間に位置する胴部53を有し、胴部53にハニカム構造体100を収納している。缶体150の胴部53は、ハニカム構造体100のフランジ部15と嵌り合う凸状部54を有している。この凸状部54には、「ハニカム構造体100のフランジ部15に形成された溝部20の開口部の面積以上の面積」の開口部を有する貫通孔55が少なくとも1つ形成されている。ハニカム構造体100は、フランジ部15に形成された溝部20と缶体150の凸状部54の貫通孔55とが連通する位置に配置されている。排ガス浄化装置200は、更に、缶体150の凸状部54の貫通孔55を通り、ハニカム構造体100のフランジ部15の溝部20に挿入されてハニカム構造体内部に配置され、ハニカム構造体内部の温度を測定する熱電対(測定用プローブ)30を備えている。
図3は、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態におけるハニカム構造体のセルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。
【0059】
このような排ガス浄化装置200は、ハニカム構造体100のハニカム基材10に溝部20を形成し、この溝部20に熱電対30を挿入してハニカム構造体100内部に配置できるのでハニカム構造体100内部の温度を直接測定できる。その結果、ハニカム構造体100内部の温度を高精度で測定することができる。また、排ガス浄化装置200は、以下の操作で熱電対(測定用プローブ)30を交換できるので測定用プローブの交換が容易である。即ち、缶体150の貫通孔55とハニカム構造体100のハニカム基材10の溝部20に挿入されている熱電対30を抜き取り、その後、新しい熱電対30を缶体150の貫通孔55とハニカム構造体100のハニカム基材10の溝部20に挿入すればよい。このように排ガス浄化装置200は、熱電対などの測定用プローブの交換が容易である。
【0060】
「溝部の開口部の面積以上の面積の開口部を有する貫通孔」とは、貫通孔が、以下のような開口部を有することを意味する。即ち、缶体とハニカム構造体との位置を調整し、溝部と缶体の貫通孔とが連通するようにハニカム構造体を位置させる。そのときに、貫通孔の開口部の面積が小さ過ぎて溝部の一部が缶体の胴部(凸状部)によって覆われてしまうことがない程度の面積の開口部を、貫通孔が有することを意味する。つまり、溝部が、缶体の胴部(凸状部)によって覆われてしまうことが防止できる。
【0061】
[2−1]缶体:
缶体には、上述したように、ハニカム構造体のハニカム基材に形成された溝部の開口部の面積以上の面積の開口部を有する貫通孔が少なくとも1つ形成されている。
【0062】
缶体の貫通孔は、ハニカム基材に形成された溝部の開口部と同じ形状、同じ数、及び同じ配置で形成されていることが好ましい(
図3参照)。
【0063】
本発明の排ガス浄化装置において、ハニカム構造体は、その外周面を覆うように配置された保持材により保持された状態で、缶体内に固定された状態で収納される。
【0064】
排ガス浄化装置200の缶体150は、流入口51から胴部53まで口径が漸増する拡管部56と、胴部53から流出口52まで口径が漸減する狭管部57とを更に有している。
【0065】
缶体150の材質としては、例えば、ステンレス製であることが好ましく、クロム系、クロム・ニッケル系のステンレス製であることが特に好ましい。
【0066】
[2−2]測定用プローブ:
測定用プローブは、センサ部分がハニカム構造体の溝部に挿入可能な大きさである限り特に制限はなく、従来公知の測定用プローブを用いることができる。測定用プローブとしては、例えば、温度測定用プローブなどを挙げることができる。温度測定用プローブとしては、熱電対、サーミスタなどを挙げることができる。熱電対としては、例えば、K熱電対、J熱電対、T熱電対、E熱電対、N熱電対、R熱電対などを挙げることができる。これらの熱電対やサーミスタのセンサ(溝部に挿入される部分)としては、直径が0.5mmなどのものを採用することができる。
【0067】
[3]ハニカム構造体の製造方法:
本発明のハニカム構造体は、例えば以下のように製造することができる。セグメント構造のハニカム構造体について説明する。
【0068】
まず、ハニカム基材を作製するための坏土を調整し、この坏土を成形して、ハニカムセグメント成形体を作製する(成形工程)。
【0069】
次に、得られたハニカムセグメント成形体(または、必要に応じて行われた乾燥後のハニカムセグメント乾燥体)を焼成してハニカムセグメント焼成体を複数個作製する(ハニカムセグメント焼成体作製工程)。
【0070】
次に、複数のハニカムセグメント焼成体を接合材で接合して、ハニカムセグメント接合体を作製する(接合工程)。
【0071】
接合材の材質は、特に限定されないが、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子やコージェライト粒子などのセラミック粒子に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等を加え、更に水を加えて混練したスラリー等が好ましい。
【0072】
次に、ハニカムセグメント接合体の、一方の端面における「所定のセル」の開口部及び他方の端面における「残余のセル」の開口部に目封止材料を充填して目封止部を配設する。
【0073】
目封止材料は、上記セラミック成形原料の構成要素として挙げた原料を適宜混合して作製することができる。目封止材料に含有されるセラミック原料としては、隔壁の原料として用いるセラミック原料と同じであることが好ましい。
【0074】
ハニカムセグメント接合体の一方の端面において、目封止部が形成されたセルと目封止部が形成されていないセルとが交互に並ぶことが好ましい。この場合、目封止部が形成された一方の端面において、目封止部と「セルの開口部」とにより市松模様が形成されることになる。
【0075】
次に、ハニカムセグメント接合体の外周にフランジ部形成材料を塗工して中実のフランジ部を形成する。中実のフランジ部は、ハニカムセグメント接合体の外周を取り囲み、ハニカムセグメント接合体の外周から外側に突き出るように形成される。フランジ部形成材料は、上述したセラミック成形原料と同じものを採用することができる。
【0076】
なお、フランジ部は、上記のようにフランジ部形成材料を塗工して形成することができるが、ハニカムセグメント接合体の外周部の一部を切削して形成してもよい。即ち、ハニカムセグメント接合体の外周部の一部を切削せずに残し、切削されない部分(残された部分)をフランジ部としてもよい。このようにすると、上述した「複数のフランジセルを区画形成する多孔質のフランジ隔壁」を有するフランジ部を容易に形成することができる。
【0077】
次に、形成したフランジ部に、切削加工により溝部を形成する。
【0078】
[4]排ガス浄化装置の製造方法:
本発明の排ガス浄化装置は、例えば以下のように製造することができる。
【0079】
まず、上記のようにして、ハニカム構造体を作製する。次に、作製したハニカム構造体の外周面をセラミック繊維製マット等の保持材で包み、缶体の胴部に圧入する。缶体には、上記のように胴部に凸状部が形成され、この凸状部に貫通孔が形成されている。ハニカム構造体を缶体に圧入する際には、ハニカム基材に形成された溝部と缶体の貫通孔とが連通する位置にハニカム構造体を調整して配置する。次に、熱電対のセンサの先端部を缶体の貫通孔に通し、ハニカム構造体のハニカム基材の溝部に挿入する。このようにして、本発明の排ガス浄化装置を作製することができる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
(実施例1)
炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合してセラミック原料を得た。得られたセラミック原料に、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加すると共に、水を添加して成形原料とし、成形原料を真空土練機により混練して坏土を作製した。バインダの含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに7質量部であり、造孔材の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに3質量部であり、水の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに42質量部であった。
【0082】
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、ハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、両端面を所定量切断した。次に、乾燥したハニカム成形体を脱脂し、焼成してハニカム焼成体を得た。脱脂の条件は、550℃で3時間とした。焼成の条件は、アルゴン雰囲気下で、1450℃、2時間とした。このようにしてハニカムセグメント焼成体を得た。そして、このようなハニカムセグメント焼成体を16個作製した。
【0083】
得られたハニカムセグメント焼成体は、全て、セルの延びる方向に直交する断面が一辺36mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが152mmであった。
【0084】
次に、得られた16個のハニカムセグメント焼成体について、それぞれの側面同士を接合材で接合し(縦4個×横4個)、乾燥させて、中心軸に直交する断面の形状が正方形のハニカムセグメント接合体(四角柱状のハニカムセグメント接合体)を得た。接合材としては、有機バインダ、発泡樹脂を混合したものに、無機接着剤、分散剤、水を更に混合し、ミキサーにて30分間混練を行って得られたものを用いた。
【0085】
次に、得られた四角柱状のハニカムセグメント接合体の外周部分を切削して円柱状のハニカムセグメント接合体とした。その後、この円柱状のハニカムセグメント接合体の外周部に外周コート材を塗布して外周コート層を形成した。
【0086】
次に、得られた円柱状のハニカムセグメント接合体について、所定のセルの一方の端部と、残余のセルの他方の端部とに目封止部を形成して目封止ハニカムセグメント接合体を得た。なお、所定のセルと残余のセルとは、交互に(互い違いに)並ぶようにして、両端面に、セルの開口部と目封止部とにより市松模様が形成されるようにした。目封止用の充填材には、ハニカムセグメント焼成体と同様の原料を用いた。
【0087】
次に、目封止ハニカムセグメント接合体の外周の一部(セルの延びる方向における中央部)にフランジ部形成材料を塗工して中実のフランジ部を形成した。このようにして、中実ハニカムセグメント接合体を得た。中実のフランジ部は、ハニカムセグメント接合体の外周の全部を取り囲み、ハニカムセグメント接合体の外周から外側に突き出るように形成されていた。中実のフランジ部は、目封止ハニカムセグメント接合体の周方向において途中で途切れることなく形成されていた。フランジ部形成材料には、ハニカムセグメント焼成体と同様の原料を用いた。
【0088】
その後、得られた中実ハニカムセグメント接合体のフランジ部の表面に、外周コート材を塗布してフランジ部コート層を形成した。
【0089】
次に、フランジ部コート層を形成した「中実ハニカムセグメント接合体」のフランジ部にドリル加工を行い、1つの溝部を形成した。溝部は、フランジ部の側面に開口部を有し、溝部の中心軸が「ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体の中心を通る直線」となるものであった。溝部は、開口部の形状が円形でこの開口部の直径が1mmであった。つまり、溝部の幅(溝部の、ハニカム基材の周方向の長さ)は1mmであった。また、溝部の長さ(溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ)は1mmであった。溝部の深さは、5mmであった。溝部の形成位置(溝部の長さ方向の位置)は、流入端面から溝部までの、ハニカム構造体のセルの延びる方向の距離が76mmとなる位置であった。このようにして、ハニカム構造体を作製した。
【0090】
得られたハニカム構造体のハニカム基材は、セルの延びる方向に直交する断面における直径が144mm、セルの延びる方向における長さが152mmの円柱状であった。
【0091】
フランジ部の、ハニカム基材のセルの延びる方向における長さ(フランジ部の幅)Lが、20mmであった。フランジ部の、ハニカム基材セルの延びる方向に直交する断面における最大の厚さ(フランジ部の高さ;直径方向の長さ)Hは、6mmであった。
【0092】
また、ハニカム基材の一方の端面と、このハニカム基材の一方の端面と同じ方向を向くフランジ部の端面との最短の距離X(
図2参照)は、66mmであった。上記「最短の距離X」は、ハニカム基材の一方の端面を基準としたとき、この「一方の端面」からフランジ部までの最短距離である。なお、「一方の端面」は、入口端面及び出口端面のいずれも該当し得るが、上記「最短の距離X」となるのは、フランジ部との距離の値がより小さい方である。
【0093】
また、隔壁の厚さは、0.305mmであった。また、セル密度は、465,000セル/cm
2であった。また、セルの延びる方向に直交する断面におけるハニカム基材のセルの形状は、正方形であった。
【0094】
外周コート層の厚さは、1mmであった。また、フランジ部コート層の厚さは、1mmであった。目封止部の深さは、6mmであった。
【0095】
次に、得られたハニカム構造体について、出口端面からセル内に熱電対(K熱電対、直径0.5mm)を挿入し、配置した。この熱電対によって測定される温度測定位置は、
図6A,
図6Bに示す「TC−01」であった。具体的には、「TC−01」は、以下のように決定される。即ち、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体の中心軸を原点O(
図6A参照)として、X軸、Y軸を想定したとき、原点からX軸方向に18mm、Y軸方向に18mmの位置とした。更に、「TC−01」は、流入端面からの距離が76mmの位置である。なお、「TC−01」が、温度を測定すべき測定対象部位となる。即ち、測定対象部位における温度をハニカム構造体内部の基準温度とし、この基準温度と温度測定位置との誤差を測定した。つまり、測定対象部位において測定される温度との差が小さいほど、高い精度でハニカム構造体内部の温度を測定できていると考えることができる。
図6Aは、ハニカム構造体の一方の端面側から見た、温度測定試験における温度の測定位置を模式的に示す平面図である。
図6Bは、
図6Aに示すA−A’断面を模式的に示す断面図である。なお、
図6A〜
図8では、溝部を省略している。
【0096】
ハニカム構造体は、隔壁の気孔率が60%であった。気孔率は水銀ポロシメータで測定した値である。
【0097】
次に、得られたハニカム構造体に、触媒を担持して、ハニカム触媒体を作製した。触媒としては、CuゼオライトSCR触媒(240g)を用いた。
【0098】
次に、作製したハニカム触媒体を筒状の缶体内に収納した。缶体は、流入口、流出口、及びこれらの間に胴部を有し、この胴部に貫通孔が形成されていた。ハニカム触媒体は、溝部と缶体の貫通孔とが連通する位置に配置した。その後、溝部に熱電対(K熱電対:直径0.5mm)を挿入して、排ガス浄化装置を作製した。
【0099】
作製した排ガス浄化装置について、以下の方法で、「温度測定試験」を行った。
【0100】
[温度測定試験]
まず、2リッターのディーゼルエンジン60(
図4参照)の直下に、酸化触媒を担持させたフロースルーハニカム担体(DOC)62(
図4参照)を配置した。このDOCは、直径が144mmでセルの延びる方向の長さが76mmの円柱状のものであった。また、このDOCは、隔壁の厚さが0.1mmであり、セル密度が620,000セル/m
2であった。そして、このDOCの後方に排ガス浄化装置200(
図4参照)を配置し、この排ガス浄化装置のハニカム構造体の後方10cmの位置(ハニカム構造体の流出端面から10cmの位置)に熱電対64(
図4参照)を配置した。
図4は、温度測定試験におけるエンジン、DOC、及び排ガス浄化装置の配列を示す模式図である。
【0101】
次に、ハニカム触媒体内に22g/Lのススを堆積させた。ススを堆積させる条件は、エンジン回転数を2000rpm、エンジントルクを60Nmとした。次に、エンジン回転数1700rpm、エンジントルク80Nmにおいてポストインジェクションを90秒間行い、その後、エンジン回転数1000rpm、トルクを無負荷状態とした状態を200秒間継続した(
図5参照)。このときの温度の変化を熱電対で測定した。
図5は、実施例1の温度測定試験における測定条件(時間、エンジントルク、エンジン回転数)を示すグラフである。
図5中、「DPF IN」は、フロースルーハニカム担体62と排ガス浄化装置200との中間における排ガスの温度を示す。
【0102】
そして、推定元温度と実際の温度との最大の差を算出した。具体的には、推定元温度と実測温度との最大誤差は、「推定元となる温度(推定元温度)」と「実際のハニカム構造体内部の温度(実測温度)」との相関から最小二乗法により線形近似を行い、推定元温度と実測温度との最大誤差を算出した値である。なお、「推定元となる温度」は、比較例1の場合、ハニカム構造体の後方の熱電対で測定される温度である。「実際のハニカム構造体内部の温度」は、ハニカム構造体内部(「TC−01」の位置)を熱電対で直接測定したときの温度(基準温度)である。結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
表1中、「推定元温度」は、比較例1の場合、ハニカム構造体の後方(TC−OUTの位置)の熱電対64で測定される温度である。「推定元温度」の欄中の「TC−OUT」は、ハニカム構造体の流出端面から10cmの位置の温度を示す。実施例1〜5の場合、「推定元温度」の欄で示す各部位の温度を示す。
【0105】
表1中、「溝部の周方向の位置」は、ハニカム構造体の周方向における溝部の位置を示す。「溝部の周方向の位置」の欄において「A」、「B」、「C」は、以下の通りである。ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体の中心Oと「TC−01」の位置とを通る直線を描き、これを「中心通過直線」とする(
図7中、符号「T0」で示す)。「C」は、溝部の中心軸が「中心通過直線」上に位置するように溝部が形成された場合を示す。「B」は、溝部の中心軸が、下記「第1回転直線(
図7中、符号「T1」で示す)」上に位置するように溝部が形成された場合を示す。「第1回転直線」は、「TC−01」の位置を中心に「中心通過直線」を時計回りに45°回転させて得られる直線である。「A」は、溝部の中心軸が、下記「第2回転直線(
図7中、符号「T2」で示す)」上に位置するように溝部が形成された場合を示す。「第2回転直線」は、ハニカム構造体の中心Oを中心に「中心通過直線」を時計回りに45°回転させて得られる直線である。
図7は、ハニカム構造体の一方の端面側から見た、温度測定試験における温度の測定位置を模式的に示す平面図である。
【0106】
「TC−A1」は、「溝部の周方向の位置」の「A」の位置において、ハニカム構造体におけるフランジ部の外周面からの距離L1が5mm位置の温度を示す(
図8参照)。「TC−B1」は、「溝部の周方向の位置」の「B」の位置において、ハニカム構造体におけるフランジ部の外周面からの距離が5mm位置の温度を示す。「TC−C1」は、「溝部の周方向の位置」の「C」の位置において、ハニカム構造体におけるフランジ部の外周面からの距離が5mm位置の温度を示す。「TC−A2」は、「溝部の周方向の位置」の「A」の位置において、ハニカム構造体におけるフランジ部の外周面からの距離L2が1mm位置の温度を示す(
図8参照)。
図8は、
図6Bの一部を拡大して模式的に示す拡大図である。
【0107】
また、表1中、「推定元温度と実測温度との最大誤差(℃)」の欄の「TC−01(入口側)」は、
図6A,
図6Bに示す「TC−01」の位置における温度を測定したことを示す。
【0108】
(実施例2〜4,比較例1)
まず、実施例1と同様にして表1に示す条件を満たす排ガス浄化装置を作製した。次に、実施例1と同様にして、「温度測定試験」を行った。結果を表1に示す。
【0109】
(実施例5)
まず、実施例1と同様にして表2に示す条件を満たすハニカム構造体を作製した。次に、作製したハニカム構造体について、「熱電対挿入容易性」の評価を行った。
【0110】
[熱電対挿入容易性]
K熱電対(直径0.5mm)をハニカム構造体の溝部に5回挿入した。その後、以下の評価基準で熱電対の挿入のし易さ(熱電対挿入容易性)の評価を行った。「比較的容易に挿入可能である」場合を「○」とし、「挿入できるが、位置合わせに時間がかかる」場合を「△」とする。
【0111】
【表2】
【0112】
(実施例6〜8)
まず、実施例5と同様にして表2に示す条件を満たすハニカム構造体を作製した。次に、実施例5と同様にして、「熱電対挿入容易性」の評価を行った。結果を表2に示す。
【0113】
本発明のハニカム構造体は、実施例1〜8、及び比較例1から明らかなように、内部の温度を高精度で測定することができ、熱電対などの温度測定用プローブの交換が容易であることが確認できた。