【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の側面が、添付請求項において請求されるように、方法、システム、車両を提供する。
【0007】
保護が求められる本発明の別側面によれば、少なくとも部分的に水に浸る時の車両との関係における渡り深さを決定する方法が提供され、当該方法が:
(a)車両の姿勢を決定し、
(b)車両の第1参照ポイントに関する水面の第1高さを測定し、及び
(c)車両の姿勢及び第1高さに基づいて渡り深さを決定する。
【0008】
少なくとも一つの水平参照軸に対する車両の姿勢を決定することにより、車両に関する渡り深さが推定できる。より端的には、最大渡り深さ(すなわち、エンジンのための空気吸入口の高さ若しくは車両全体の重量及び占有面積といった車両の物理的特徴に基づく、車両に対する最高水レベル)が決定できる。渡り深さは、閾値渡り深さに到達若しくは超過した時に運転手に通知を提供するために用いられ得る。
【0009】
方法は、車両サスペンションの運行姿勢(travel position)を決定することを含むことができる。運行姿勢は、例えば、変位センサーにより測定され得る。代替として、若しくは加えて、運行姿勢は、車両サスペンションセッティングの参照で決定され得る。例えば、サスペンションが異なる動作モードのために調整可能であり、選択された動作モードに基づいて運行姿勢が決定され得る。
【0010】
渡り深さを決定するためのサスペンションの運行姿勢の利用は、独立して特許可能であるものと信じる。従って、更なる側面においては、本発明が、少なくとも部分的に水に浸る時の車両との関係における渡り深さを決定する方法に関し、当該方法が、
(a)車両サスペンションの運行姿勢を決定し;
(b)車両の第1参照ポイントに関する水面の第1高さを測定し;及び
(c)運行姿勢と第1高さに基づいて車両との関係における渡り深さを決定する。
【0011】
運行姿勢と測定された第1高さを組み合わせることにより、渡り深さが改善された精度で決定され得る。サスペンションの運行姿勢を活用した渡り深さの決定方法が、車両の姿勢を決定することを含むことができる。
【0012】
車両の姿勢が車両ロール(すなわち、車両の縦軸(長手軸)周りの回転)及び/又は車両ピッチ(すなわち、横軸周りの回転)を意味し得る。車両の姿勢は、典型的には水平軸又は面に対しての角度として測定される。
【0013】
第1参照高さは、第1参照ポイントのために規定され得る。代替として、若しくは加えて、第1参照高さは、車両が渡りイベントではない時、例えば、較正シーケンスの一部で測定され得る。第1参照高さから測定された第1高さを減算することにより水深が計算可能である。車両サスペンションの運行姿勢は、また、オプションとして、適切なように、加算若しくは減算され得る。渡り深さは、水深及びまたオプションとして車両の姿勢に基づいて決定可能である。
【0014】
本明細書に記述の方法が、第1位置における第1垂直オフセットを決定し、第1参照ポイントにおける測定された水の高さに前述の垂直オフセットを加えることを含むことができる。第1垂直オフセットは、例えば、三角法を用いて計算できる。代替として、第1垂直オフセットが参照テーブルにおいて検索され得る。第1位置は、第1参照ポイントから縦及び/又は横に変位され得る。第1位置は、車両のフロント若しくはバック若しくは車両の横端といった車両の端部を表すことができる。従って、第1垂直オフセットは、最大垂直オフセットを示す。方法は、1以上の垂直オフセットを決定することを含むことができ、例えば、車両のフロント及びバックでの垂直オフセットを決定する。
【0015】
渡り深さを決定するステップが、頭部波補償ファクターを適用することを含むことができる。頭部波補償ファクターは、車両が水を介して移動する時に形成される頭部波のプロファイルを見込むことができる。頭部波は車両のフロントホイールの後の水レベルを低減し得、水の高さがこの領域で測定されるならば、間違って低い渡り深さが決定され得る。頭部波補償ファクターは、実験的な分析若しくはコンピューターモデリングにより決定することができる。更には、頭部波補償ファクターは、1以上の次の動作パラメーターに基づいてカスタマイズされ得る:車両前進速度;車両加速度;車両姿勢(ピッチ及び/又はロール);サスペンション運行;車両旋回角度;水深;水の速度及び方向;及び測定した第1高さ。
【0016】
第1高さは、水面から離れる反射した信号を検出することにより測定可能である。例えば、信号は、超音波若しくはレーザーであり得る。第1高さは、送信器から受信器への信号の飛行時間を計測することにより決定可能である。
【0017】
検出された信号は、信号減衰を補償するために増幅可能である。信号減衰は、例えば、水面に対する車両の姿勢に起因して発生し得る。検出信号に対して適用される増幅は、車両姿勢に基づくものであり得る。
【0018】
方法が、車両の第2参照ポイントに関する第2高さを測定することを含むことができる。方法は、第1及び第2高さを比較して車両の姿勢を決定することを含むことができる。第1及び第2参照ポイントが横方向にオフセットされるならば、第1及び第2高さの比較が、横方向の勾配を決定することができる。第1参照ポイントは、車両の第1側に設定可能であり、第2参照ポイントが車両の第2側に設定可能である。もし第1及び第2参照ポイントが縦方向にオフセットされるならば、縦方向の勾配が決定される。もちろん、方法が、2以上の参照ポイントでの高さを測定することを含むことができる。
【0019】
専用姿勢センサーが、車両の姿勢を測定するために提供され得る。姿勢センサーは、例えば、ジャイロスコープ及び/又は加速度計を備えることができる。姿勢センサーは、1以上の軸の周りの車両の姿勢を検出することができる。一軸姿勢センサーは、例えば、車両の縦軸若しくは横軸周りの車両の姿勢を測定することができる。二軸姿勢センサーは、縦軸及び横軸の両方の周りの車両の姿勢を測定することができる。姿勢センサーは、典型的には、水平面に対する車両の角度配向を測定する。
【0020】
姿勢センサーは、縦方向の加速度計を備えることができる。方法は、動的な車両(ホイール速度)加速度を減算することにより測定された縦方向の加速度を修正し、重力に起因する加速度及びその故の縦方向の勾配を求めることを含むことができる。方法が、姿勢センサーからの信号にフィルターを適用し、例えば、車両の制動及び/又は加速から帰結する加速度変動を補うことを含むことができる。ブレーキ圧及びスロットル入力の両方の大きさ及び変化率がモニターされて改善されたフィルタリングが提供される。方法は、計算された縦方向の勾配を出力し、少なくとも第1センサーを用いて車両の最深ポイントでの最大深さの計算をサポートすることができる。
【0021】
また更なる側面においては、本発明は、少なくとも部分的に水に浸る時の車両との関係における渡り深さを決定するためのシステムに関し、当該システムが、
水平軸に対しての車両の角度配向を測定するための姿勢センサー;
車両の第1参照ポイントに関する水面の第1高さを測定するための少なくとも一つの第1センサー;及び
測定された角度配向及び第1高さに基づいて車両との関係における渡り深さを決定するためのプロセッサーを備える。
【0022】
システムは、車両サスペンションの運行姿勢を決定するための手段を備えることができる。姿勢センサーは、ピッチ(すなわち、車両の横軸周りの回転角)及び/又はロール(すなわち、車両の縦軸周りの回転角)を測定するように構成され得る。
【0023】
また更なる側面においては、本発明は、少なくとも部分的に水に浸る時の車両との関係における渡り深さを決定するためのシステムに関し、当該システムが、
車両サスペンションの運行姿勢を決定するための手段;
車両の第1参照ポイントに関する水面の第1高さを測定するための少なくとも一つの第1センサー;及び
運行姿勢及び第1高さに基づいて車両との関係における渡り深さを決定するためのプロセッサーを備える。
【0024】
システムは、水平軸に対する車両の配向を測定するための姿勢センサーを備えることができる。姿勢センサーは、ピッチ(すなわち、車両の横軸周りの回転角)及び/又はロール(すなわち、車両の縦軸周りの回転角)を測定するように構成され得る。
【0025】
車両サスペンションの運行姿勢を決定するための手段が、変位センサー若しくは車両の動作モードに基づいて運行姿勢を特定する参照テーブルを備えることができる。
【0026】
本発明のシステムが、システムにより決定される時に車両姿勢及び/又は渡り深さを運転手に示すための手段を提供するように構成され得る。
【0027】
第1センサーが車両の第1サイドミラーアセンブリーに設けられ得る。サイドミラーアセンブリーは、典型的には、運転手の視界にある車両の外部に実装される。第2センサーが車両の第2参照ポイントに関する水面の第2高さを測定するために設けられ得る。第2センサーは、車両の第2サイドミラーアセンブリーに設けられ得る。少なくとも第1センサーは、信号を発信し、水面から離れる反射した信号を検出するトランシーバーを備えることができる。少なくとも第1センサーが、超音波若しくはレーザーのものであり得る。
【0028】
更なる側面においては、本発明は、本明細書に記述のシステムを備える車両に関する。
【0029】
本明細書に記述の方法(群)が機械実施され得る。本明細書に記述の方法が、電子マイクロプロセッサーといった1以上のプロセッサーを備える計算装置上で実施され得る。プロセッサー(群)は、メモリー若しくは記憶装置に記憶された計算指令を実行するように構成され得る。本明細書に記述の装置は、計算指令を実行するように構成された1以上のプロセッサーを備えることができる。
【0030】
更なる側面においては、本発明は、プログラマブル回路;及び本明細書に記述の方法を実行するようにプログラマブル回路をプログラムするように少なくとも一つのコンピューター読み取り可能媒体上にエンコードされたソフトウェアを備えるコンピューターシステムに関する。
【0031】
また更なる側面によれば、本発明は、コンピューターにより実行される時、本明細書に記述の方法(群)の全ステップをコンピューターが実行するようにさせるコンピューター読み取り可能指令を其処に有する1以上のコンピューター読み取り可能媒体に関する。
【0032】
車両姿勢に関する本明細書の参照が、水平参照面に対する車両の配向に言及する。車両姿勢は、水平参照軸若しくは垂直参照軸に対する車両の縦軸及び/又は横軸の角度配向として定義され得る。参照軸は、添付図面において破線で図示される。
【0033】
本出願の範囲内において、先述の段落、請求項、及び/又は次の記述及び図面にて立案した様々な側面、実施形態、実施例、及び変形、また特にはこれらの個々の特徴は、独立に若しくは任意の組み合わせにおいて理解されることが明示的に意図される。例えば、一つの実施形態に関連して記述した特徴は、そのような特徴が相容れないものでない限り、全ての実施形態に適用可能である。