(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6228950
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】採暖用温度制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/56 20060101AFI20171030BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20171030BHJP
G05D 23/19 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
H05B3/56 B
H05B3/00 310D
H05B3/00 355A
G05D23/19 C
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-133360(P2015-133360)
(22)【出願日】2015年7月2日
(65)【公開番号】特開2017-16914(P2017-16914A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】507089528
【氏名又は名称】香港塔祈巴那電器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100075144
【弁理士】
【氏名又は名称】井ノ口 壽
(72)【発明者】
【氏名】野村 卓志
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 正博
【審査官】
宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−073758(JP,A)
【文献】
特開2015−010796(JP,A)
【文献】
特開2007−115466(JP,A)
【文献】
特開2003−203747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B3/02−3/86
H05B1/00−3/00
G05D23/00−23/32
F24D13/00−15/04
H05B3/84−3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻芯に所定のピッチで螺旋巻きされる第1の線条、前記第1の線条上に密着配置され所定の温度で溶融する高分子層、前記高分子層の外周に所定のピッチで螺旋巻きされた第2の線条、及び前記第2の線条を絶縁する被覆層を具備したコード状発熱構造を有する採暖用温度制御装置であって、
前記第1及び第2の線条は、一方が発熱素線、他の一方が温度検知素線によって構成され、
温度制御部を駆動する直流安定化電源の両極間に、コンデンサが並列接続された固定抵抗器と前記電源に対し順方向に配置された第1のダイオードと前記温度検知素線とが直列に接続され、
前記温度検知素線の両端に第2と第3のダイオードの各々のアノードが接続され、前記第2と第3のダイオードの両カソードが温度ヒューズ一体型抵抗器の一端に接続され、前記温度ヒューズ一体型抵抗器の他端が交流電源の一方に接続され、
前記第1のダイオードのカソードと前記温度検知素線との接続点の電圧が入力信号として電圧比較器に入力され、
前記入力信号の時間軸上の最大値と最小値の差分を検出することによって、前記高分子層のリークの大きさを判別し、前記差分が増加し所定の設定値に達した場合、
温度制御部が加熱用信号を出力しないよう制御し、過熱を防止し安全性を確保することを特徴とする採暖用温度制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の採暖用温度制御装置に於いて、
前記高分子層はポリアミド樹脂単独、またはポリアミド樹脂とポリアミド・エラストマーとの混和物からなり、溶融温度が130℃以上190℃以下であることを特徴とする採暖用温度制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の採暖用温度制御装置に於いて、
前記温度検知素線は正の温度係数を有する金属線であることを特徴とする採暖用温度制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気毛布、電気カーペットなどの面状採暖具に用いられる採暖用温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電気毛布、電気カーペットなどの面状採暖具に用いられるコード状発熱線は従来よりよく知られており、特に近年多用されているコード状発熱線は、発熱素線と検知素線を一体化した1線式コード状発熱線と呼ばれる構成であり、その構造を
図2に示す。
【0003】
図2に示す1線式コード状発熱線1Hは、ポリエステル繊維等の繊維束の巻芯1と、巻芯1の外周に銅または銅合金の導体を螺旋状に捻回した発熱素線2と、発熱素線2の外周に高分子樹脂を押出し成形してなる高分子層3と、高分子層3の外周にニッケルなどの導体を螺旋状に捻回した温度検知素線4と、最外周にポリ塩化ビニル樹脂等を押出し成形した絶縁被覆層5とからなっている。
【0004】
なお、必要に応じて温度検知素線4と絶縁被覆層5の間にポリエステルテープを螺旋状に捻回し、絶縁被覆層5からの可塑剤移行に対するバリア層が設けられる場合がある。また、発熱素線2と温度検知素線4が逆配置のものが一部見受けられる。
【0005】
このような構造のコード状発熱線1Hに於いて、加熱による温度変化が正の温度係数を有するニッケルからなる温度検知素線4の抵抗値を変化させ、その変化は電気信号に変換されて取り出され温度制御用として利用される。尚、ニッケル線による温度検知素線4は、イオン性導電剤等を用い温度特性を持たせた高分子感熱層と異なり、その抵抗値も温度係数も値は小さいが精度は高く安定しており、長期間にわたって安定した精度の高い温度制御が実現されている。
【0006】
コード状発熱線1Hに於いて、高分子層3は固有の融点を持ち、過熱状態になると高分子層3は溶融し、発熱素線2と温度検知素線4が接触する所謂線間短絡保護機能材として働く。このことは、1線式コード状発熱線1Hに於いて、発熱素線2と温度検知素線4は短絡を検知する一対の電極を兼ねるよう制御回路が構成されている。
また、高分子層3には高分子感熱層として、温度上昇に伴いインピーダンスが減少する所謂負温度係数サーミスタ(以下、「サーミスタ」と略す)特性を持たせたものがあり、温度検知素線4とは別の温度信号を得て、局部過熱防止の機能を持たせた制御装置も実現されている。
【0007】
1線式コード状発熱線1Hの温度制御と線間短絡保護の動作は、
図6の従来例に示す温度制御回路で実現される。
温度制御動作は、温度検知素線4の抵抗変化が、抵抗器R1とR2で分圧され、R3とC2で構成される平滑回路を介し直流の入力電圧Viとして電圧比較器U1のマイナス端子に入力され、予め設定された温度に相当する基準電圧Vref1と比較され、その結果が電圧比較器U1の出力端子より出力され、電力制御スイッチSWの開閉が駆動され発熱素線2への通電が制御される。
ここで、整流ダイオードD4、減電圧用抵抗器R4、電解コンデンサC3、三端子レギュレーターU2は、低電圧の直流安定化電源Vcc=5Vを温度制御部に供給するためのものであり、GNDは前記直流安定化電源のグランドである。
又、AC電源のH点、N点は回路図上の位置を示す呼称であり、電気的意味は含まない。
【0008】
線間短絡保護動作は、温度検知素線4の両端にダイオードD2とD3のアノードが各々接続され、ダイオードD2,D3のカソードはまとめて温度ヒューズ一体形抵抗器RF1の一端に接続され、温度ヒューズ一体形抵抗器RF1の他端がAC100Vの一端に接続されて構成される。尚、
図6の温度制御回路図に於けるD5の役目は、電源のN点側が正のサイクルの場合、温度制御回路の直流安定化電源のグランドGNDを通して前記の線間短絡保護回路に逆方向電流が流れないようにするためのものである。
【0009】
ここで、温度制御部が破損し制御不能に陥った場合は、電力制御スイッチSWがONのままとなり、発熱素線2への通電が連続となり全体が過熱状態になるので、高分子層3が固有の融点で溶融し、発熱素線2と温度検知素線4が短絡し、「AC電源N点→発熱素線2→高分子層3→温度検知素線4→D2又はD3→RF1→F1→AC電源H点」の経路で電流が流れ、温度ヒューズ一体形抵抗器RF1が加熱され所定時間内に温度ヒューズが溶断し電源が遮断され、火災の発生を防止する最終的保護回路が構成される。
【0010】
高分子層3がサーミスタ特性を有し、その温度に対する交流インピーダンスを検出して、局部過熱防止機能を設ける場合は、次のような手段で実現されてきた。
・高分子層3に温度検知素線4とは別に過熱検知線を巻き、発熱素線2との間の交流インピーダンス変化を検出して電圧比較器U1とは別の電圧比較器に入力し、Vref1とは別に設けた基準値Vref2と比較し、その結果によって電力制御スイッチSWの開閉が駆動され発熱素線2への通電が制御される。
・温度検知素線2からの温度信号が、制御回路と云うハード手段によって温度検知用と過熱検知用に時分割で切替られ、各々の信号が温度制御用と過熱防止用の別々の電圧比較器に入力され、各々の基準値と比較され、その結果によって電力制御スイッチSWの開閉が駆動され発熱素線2への通電が制御される。
【0011】
このように、従来の1線式コード状発熱線を使用した採暖用温度制御装置は、温度制御機能も安全保護機能も持ち合わせており、形の上では安全性の確保された温度制御装置とされてきた。
上記説明と外観や構成が類似するものとして特許文献1〜12が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭48−66480号公報
【特許文献2】特開平2−98088号公報
【特許文献3】実開平3−100393号公報
【特許文献4】特開平5−3071号公報
【特許文献5】特開平5−343169号公報
【特許文献6】特開平5−306819号公報
【特許文献7】特開平6−5175号公報
【特許文献8】特開平6−124771号公報
【特許文献9】実開平6−38195号公報
【特許文献10】特開平7−216174号公報
【特許文献11】国際公開第99/30535号パンフレット
【特許文献12】特開2015−26458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
近年、電気カーペットに於いて大面積化が進む一方、単位面積当たりのコード状発熱線の布線密度は少なめにすると云う市場の強いコストダウン要求によって発熱線の高ワット密度での動作が常態化し局部過熱の確率が増加したにも拘わらず、負温度係数サーミスタを使った局部過熱防止回路は大幅なコストアップになったり、特許による制限のため実装が避けられ、局部過熱に対する検知能力が元々高くなかった安価な線間短絡保護機能のみを実装した製品が溢れ、温度制御装置の性能不足が露呈し、局部過熱によるカーペットの過熱変色やワンコイン状のコゲの発生が増加し、火災発生の危険性が指摘される大きな問題になってきた。
【0014】
上記のサーミスタを使った過熱防止付温度制御装置が安価に提供できない理由として、局部過熱の発生過程が明確でなかった点が挙げられる。この点については、本発明者等による別の出願である特開2015−26458号公報(特許文献12)により詳細に解析されているが、ここでは
図6の温度制御回路図に基づきその概略を説明する。
局部過熱のように100℃を超える高温になると1線式コード状発熱線1Hの高分子層3は、特に材質がポリアミド樹脂の場合、イオン性導電剤等の特別な添加物を加えサーミスタの特性を持たせなくても、温度上昇に伴いサーミスタに近い交流インピーダンスの低下が発現し、発熱素線2と温度検知素線4の間に過熱によるリーク電流が流れ、電圧比較器U1のマイナス端子の電圧を変化させ、温度制御機能に悪影響を及ぼす場合がある。
【0015】
具体的には、
図6の回路図に於いて、S1−H1端子間、コード状発熱線1Hの中央部の発熱素線2と温度検知素線4の間、及びS2−H2端子間の3つのリーク位置をパラメーターとして、リーク抵抗Rxと入力電圧Viの関係について、特開2015−26458号公報(特許文献12)を参照したものを
図7に示す。
【0016】
図7によれば、リークする位置が、
(1)中央部よりS1−H1端子側の場合は、過熱によるリーク抵抗Rxが小さくなりリーク電流が増えるに従い、電圧比較器U1のマイナス端子に入力される電圧Viは、リークのない場合より上昇していき、温度制御としては、設定温度より手前の低目の温度で電圧比較器U1の出力がOFFになるように働くので安全性が高い。
(2)中央部よりS2−H2側に近い場合は、過熱によるリーク抵抗Rxが小さくなりリーク電流が増えるに従い、電圧比較器U1のマイナス端子に入力される電圧Viは、リークのない場合より低下していき、温度制御としては設定温度を過ぎた高目の温度で電圧比較器U1の出力がOFFになるように働くので、リーク電流が増える傾向となり過熱に向かう危険な状態が発生し易い。
【0017】
このように、
図6の温度制御回路図に示す従来の温度制御回路では、電力制御スイッチSWがONで1線式コード状発熱線1Hが加熱されている状態に於いて、S2−H2の近傍と云う位置的特徴を持った領域で局部過熱が発生し、コード状発熱線1Hの発熱素線2と温度検知素線4間の高分子層3にリーク電流が流れるようになった場合、リーク電流は電圧比較器U1のマイナス端子の入力電圧を低下させ、温度制御出力がOFFしないように働き、局部加熱の温度を益々上昇させるよう正帰還が働き、安全上極めて危険な点が明確にされている。
【0018】
このような問題に対し、〔特許文献8〕、〔特許文献9〕では、温度検知素線と過熱検知素線が独立して設けられ、各々温度信号とサーミスタによる過熱信号とに分けて検出され、別々の電圧比較器に入力されて温度制御や過熱防止に使われるが、コード状発熱線も温度制御回路も複雑になり、安価に経済的に提供できないと云う欠点があった。
また〔特許文献4〕では、コード状発熱線は、サーミスタ機能を有するが過熱検知素線を持たず、温度検知素線に含まれる温度信号とサーミスタによる過熱信号は、複数のトランジスタにより回路接続を交互に切替えられ、時間的に分離して検出され、別々の電圧比較器に入力されて温度制御と過熱防止に用いられる。しかし、サーミスタが低温で高インピーダンスの領域では、信号電流が小さく安定した切替動作と検知動作が確保できないと云う欠点の他に、温度制御回路が複雑になり、安価に経済的に提供できないと云う欠点があった。
【0019】
更に、〔特許文献11〕では、サーミスタ機能を有するが過熱検知素線を持たず、温度検知素線に含まれる温度信号とサーミスタによる過熱信号が、複数のダイオードにより交流電源の正のサイクルと負のサイクルで電流の経路が分けられ、時間的に分離して検出され、別々の電圧比較器に入力されて温度制御と過熱防止に用いられており、非常に簡単で経済的な手段で両機能を実現するように構成されているが、サーミスタのリークが小さい領域では、ダイオードの挿入損失により信号電圧が埋もれたり、ダイオードの温度依存性により信号電圧がドリフトしたりして、精度の高い安定した検出動作が確保できないと云う欠点があった。
また、前記4つの先行技術文献に於いては、前記〔0014〕項から〔0017〕項で説明したリークの発生位置によって、リーク抵抗が電圧比較器への入力電圧を増減させると云う記述がないので、リーク発生のすべてのモードに対し有効な過熱防止であるとは言い難い欠点があった。
【0020】
本発明の目的は、1線式コード状発熱線1Hの高分子層3の如何なる位置にリークが発生しても、前記4つの先行技術文献のように精度が低く曖昧な過熱防止とならないよう温度検知素線4に含まれる温度信号と過熱信号を加工せずそのまま電圧比較器に入力し、電圧比較器内部で判別し、過熱発生時には電圧比較器の出力端子から加熱用信号を出力しないよう制御し、精度が高く経済的に優れた手段で過熱を防止し安全性を確保できる採暖用温度制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載の採暖用温度制御装置は、
巻芯に所定のピッチで螺旋巻きされる第1の線条、前記第1の線条上に密着配置され所定の温度で溶融する高分子層、前記高分子層の外周に所定のピッチで螺旋巻きされた第2の線条、及び前記第2の線条を絶縁する被覆層を具備したコード状発熱構造を有する採暖用温度制御装置であって、
前記第1及び第2の線条は、一方が発熱素線、他の一方が温度検知素線によって構成され、
温度制御部を駆動する直流安定化電源の両極間に、コンデンサが並列接続された固定抵抗器と前記電源に対し順方向に配置された第1のダイオードと前記温度検知素線とが直列に接続され、
前記温度検知素線の両端に第2と第3のダイオードの各々のアノードが接続され、前記第2と第3のダイオードの両カソードが温度ヒューズ一体型抵抗器の一端に接続され、前記温度ヒューズ一体型抵抗器の他端が交流電源の一方に接続され、
前記第1のダイオードのカソードと前記温度検知素線との接続点の電圧が入力信号として電圧比較器に入力され、
前記入力信号の時間軸上の最大値と最小値の差分を検出することによって、前記高分子層のリークの大きさを判別し、前記差分が増加し所定の設定値に達した場合、
前記電圧比較器の出力端子から加熱用信号が出力しないよう制御し、過熱を防止し安全性を確保することを特徴とする。
【0022】
本発明による請求項2記載の採暖用温度制御装置は、請求項1記載の採暖用温度制御装置に於いて、前記高分子層はポリアミド樹脂単独、またはポリアミド樹脂とポリアミド・エラストマーとの混和物からなり、溶融温度が130℃以上190℃以下であることを特徴とする。
【0023】
本発明による請求項3記載の採暖用温度制御装置は、請求項1または2記載の採暖用温度制御装置に於いて、前記温度検知素線は正の温度係数を有する金属線であることを特徴とする。
【0024】
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
本説明に当たって、巻芯に所定のピッチで螺旋巻きされる第1の線条を発熱素線、高分子層の外周に所定のピッチで螺旋巻きされた第2の線条を温度検知素線とするが、これらは逆配置であっても構わない。
【0025】
本発明の採暖用温度制御装置に用いられる芯線は、ポリエステル繊維束、アラミド繊維束、ガラス繊維束などであるが、耐熱性、柔軟性及びコストの面からポリエステル繊維束が好適であり、用途に応じて耐熱性、柔軟性に優れた繊維束であれば特に限定されないし、また多種繊維の混合束であってもよい。
【0026】
本発明の採暖用温度制御装置に用いられる所定のピッチで螺旋巻きされた発熱素線は、材質として純銅線や銅と錫の合金線、または銅と銀の合金線などがあり、形状は丸線状や薄板状にすることも可能であり、それらは単線のままであったり、撚線にされたり、または多条に引き揃えられて螺旋巻きされるが、所定の寸法で所定の抵抗値を得るために、材質や形状の選択は何ら限定されるものではない。
【0027】
本発明の採暖用温度制御装置に用いられる温度制御部は、直流安定化電源の両極間に固定抵抗器に並列にコンデンサが接続され、固定抵抗器と温度検知素線の間には、直流安定化電源に対し順方向にダイオードが配置されるので、電圧比較器への入力電圧は安定し、電圧比較器内部での温度信号と過熱信号の安定した判別を可能にしている。
また、前記温度検知素線の両端に接続された第2と第3のダイオードと温度ヒューズ一体型抵抗器から成る線間短絡保護回路は、高分子層の短絡以前にリークが発生した場合、電圧比較器への入力電圧の交流電源に対する安定な電位を与える役割も担っており、安定した判別を可能にする別の要素でもある。
尚、温度制御部を駆動する直流安定化電源の両極間に接続される部品のうち、コンデンサが並列接続された固定抵抗器と第1のダイオードは接続順序を入れ替えても、電圧比較器への入力信号を前記温度検知素線と前記固定抵抗器との接続点から取れば、入力電圧は変わらない。
また、発熱素線への通電を開閉する電力スイッチは、交流全波用としてリレーやトライアックを、交流半波用としてサイリスタを用いても、本発明の動作様態は変わらなし、交流電源に於ける部品の位置とその接続方向は、交流電源に対しその配置と接続方向を逆にすれば対称性が保たれるのは勿論である。
従来は線間リークが発生した場合、温度信号と過熱信号の交直信号の混在で生じるノイズや不安定さを防ぐため、前記両信号をまとめて大きな時定数を有する平滑回路を介して直流電圧として電圧比較器に入力していたので、〔特許文献4〕〔特許文献11〕のように、電圧比較器への入力の前段で温度信号と過熱信号とを制御回路と云うハード手段によって切換えて分離し、別々の電圧比較器で判別せざるを得なかったものである。
【0028】
本発明の採暖用温度制御装置に用いられる高分子層は、電気毛布や電気カーペットなどの製品の表面温度やコード状発熱線の耐熱温度及び発熱素線の発熱温度から見て、高分子層の溶融温度は130℃以上190℃以下のポリアミド樹脂、好ましくは150℃〜170℃で比較的急な溶融特性を示すポリアミド樹脂とポリアミド・エラストマーとの混和物が好適である。
【0029】
ここで、高分子層の溶融温度が130℃以下では、通常の温度制御に於いて発熱素線のピーク温度が瞬間的に120℃付近まで上昇する場合があり、これが繰り返し発生すると短期間で発熱素線と短絡検知素線が短絡してしまう可能性が高くなり、また190℃以上では、発熱素線の過熱が進み発煙やコゲの発生が増加するので適切ではない。
【0030】
更に、本発明の採暖用温度制御装置に用いられるポリアミド樹脂単独、またはポリアミド樹脂とポリアミド・エラストマーの混和物からなる高分子層に、ポリアルキレン・オキサイドをはじめとする各種導電剤を添加し、溶融温度の調整や温度上昇に伴い電気的インピーダンスが減少する所謂負温度係数サーミスタ特性を持たせてもよい。
【0031】
本発明の採暖用温度制御装置に用いられる温度検知素線は、正の温度係数を有する金属線であれば特に限定されないが、金属の中では温度係数が比較的高めで、伸線加工や巻線加工などの機械的ストレスを受けても抵抗値や温度係数が安定しているニッケルが利用され、正の温度係数を有し温度に対する抵抗特性が直線的で再現性に優れ経時変化の少ない温度検知素線とされる。
【0032】
本発明の採暖用温度制御装置に用いられる被覆層は、温度検知素線の外周に密着し、電気絶縁性が高く、しなやかで且つ安価な塩化ビニル樹脂などの絶縁被覆層が押出し成形などにより形成される。
【発明の効果】
【0033】
本発明による採暖用温度制御装置によれば、温度制御部を駆動する直流安定化電源の両極間に、コンデンサが並列接続された固定抵抗器と前記電源に対し順方向に配置された第1のダイオードと温度検知素線とが直列に接続され、前記温度検知素線の両端に第2と第3のダイオードの各々のアノードが接続され、前記第2と第3のダイオードの両カソードが温度ヒューズ一体型抵抗器の一端に接続され、前記温度ヒューズ一体型抵抗器の他端が交流電源の一方に接続され、前記第1のダイオードのカソードと前記温度検知素線との接続点の電圧が入力信号として電圧比較器に入力され、前記入力信号の時間軸上の最大値と最小値の差分を検出することによって、高分子層のリークの大きさを判別し、前記差分が増加し所定の設定値に達した場合、電圧比較器の出力端子から加熱用信号を出力しないよう制御するので、過熱を防止し安全性を確保することができる。
【0034】
本発明による採暖用温度制御装置によれば、高分子層の溶融温度が130℃以上190℃以下のポリアミド樹脂、好ましくは150℃以上170℃以下で比較的急峻な溶融特性を示すポリアミド樹脂とポリアミド・エラストマーとの混和物から成っているので、溶融温度、溶融時間に関し適切な品種と配合を選択することにより、全体的な線間短絡保護機能を柔軟に確保することができる。
【0035】
本発明による採暖用温度制御装置によれば、温度検知素線は正の温度係数を有する金属線であるため温度係数は小さいが、温度対抵抗特性が直線的で高分子層に比べ経時変化が非常に小さいので、精密で安定性があり再現性に優れた温度制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明による採暖用温度制御装置の温度制御回路の実施の形態を示す回路図であり、電圧比較器はマイコンU1のAD変換器と演算処理部に担わせている。
【
図2】本発明による採暖用温度制御装置の実施の形態を示すコード状発熱線の一部を省略して示した構造図である。
【
図3】本発明による採暖用温度制御装置に於いて、電力制御スイッチSWがONの場合であって、リーク位置をS1−H1端、リーク抵抗Rxを100KΩと固定した場合、マイコンU1のAD変換ポートAD1に入力される電圧Viの位相と、負荷電流Ihの位相を例示する図である。
【
図4】本発明による採暖用温度制御装置に於いて、電力制御スイッチSWがONの場合であって、リーク位置をコード状発熱線1Hの中央部、リーク抵抗Rxを100KΩと固定した場合、マイコンU1のAD変換ポートAD1に入力される入力電圧Viの位相と、負荷電流Ihの位相を例示する図である。
【
図5】本発明による採暖用温度制御装置に於いて、電力制御スイッチSWがONの場合であって、リーク位置をS2−H2端、リーク抵抗Rxを100KΩと固定した場合、マイコンU1のAD変換ポートAD1に入力される入力電圧Viの位相と、負荷電流Ihの位相を例示する図である。
【
図6】従来例による採暖用温度制御装置の温度制御回路の一例を示す回路図である。
【
図7】従来例による採暖用温度制御装置に於いて、電力制御スイッチSWがONの場合であって、リーク位置をパラメーターとして、リーク抵抗Rxと電圧比較器U1のマイナス端子に入力される入力電圧Viの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面などを参照して本発明による採暖用温度制御装置の実施の形態を更に詳しく説明する。なお、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の内容に限定されるものではない。
図2は、本発明の実施形態にかかるコード状発熱線1Hの一方端を示すもので、絶縁被膜層および高分子層などを一部省略して示した図であり、上記の従来例にて説明した構成と同じものである。
【0038】
このコード状発熱線1Hは、ガラス繊維またはポリエステル繊維等の繊維束の巻芯1と、巻芯1の外周に銅または銅合金の平角導体を螺旋状に捻回した発熱素線2と、発熱素線2の外周に高分子樹脂を押出し成形してなる高分子層3と、高分子層3の外周には螺旋巻きされている温度検知素線4と、最外周にポリ塩化ビニル等を押出し成形した絶縁被覆層5とから構成されている。
【0039】
ここで、高分子層3はポリアミド樹脂の中でも吸水率の小さいナイロン12単独、またはナイロン12とポリアミド・エラストマーの混和物が好ましく、絶縁被覆層5の成形温度が低目の場合は、前記混和物にポリエチレン・グリコールやポリエチレン・オキサイド等のポリアルキレン・オキサイドを添加し、高分子層3の軟化点を下げてもよい。これらの材料をニーダー、または多軸押出機にて混練し、混和物としての高分子層3が得られる。尚、これらの材料は一度に投入され混練される場合もあるが、順次投入され、複数回にわたり混練される場合もある。
【0040】
絶縁被覆層5のポリ塩化ビニル樹脂混和物に含まれる可塑剤が高分子層3へ移行するのを防止するため、温度検知素線4と絶縁被覆層5の間にポリエステルテープを縦添え形成したバリア層を設けてもよい。
【0041】
図2に示した実施形態についての具体的な諸データは次の通りである。
巻芯1の材質 :ポリエステル繊維束 φ0.44mm
発熱素線2の材質 :0.7%錫銅合金
発熱素線2の寸法 :断面0.060×0.420mm(平角導体)、ピッチ0.86mm
高分子層3の材質 :ポリアミド樹脂
高分子層3の寸法 :厚さ0.33mm
温度検知素線4の材質 :ニッケル
温度検知素線4の寸法 :断面径φ0.080mm(丸線状の導体)、ピッチ0.86mm
絶縁被覆層5の材質 :ポリ塩化ビニル樹脂混和物
絶縁被覆層5の寸法 :厚さ0.4mm
【0042】
尚、ポリアミド樹脂は、サーミスタ用の添加物を含まない市販のナイロン12(3020X15、UBE製)、ポリ塩化ビニル樹脂混和物は、耐熱グレードのポリ塩化ビニル樹脂を用いた電源電線用の市販の混和物(VM−163、アプコ製)を使用した。
【0043】
前記の各材料を各層の螺旋巻き工程と押出し成形工程とを経て、
図2に示す構造のコード状発熱線1Hとし、これを36mの長さに切断し測定用の試料とした。
同図に於いて、全長36mのコード状発熱線1Hの構成要素である発熱素線2の抵抗値は28.6Ω、温度検知素線4の抵抗値は20℃で1000Ω(温度係数は0.44%/℃)である。
【0044】
本発明の実施例に関する温度制御回路の構成を
図1に示し、各部品の電気的な値と動作を簡単に説明する。
R1,R2,R3およびR4は固定抵抗器であり、R1=1.5KΩF、R2=470ΩF、R3=10KΩ、R4=5.6KΩ,3Wである。C1はフィルム・コンデンサであり、C1=0.1μF,50V、C3は電解コンデンサであり、C3=100μF,35Vである。D1,D2,D3,D4およびD5は整流ダイオード1N4004、ZD1はツェナー・ダイオードであり、Vz=4.7Vである。U1はAD変換器内臓の汎用ワンチップ・フラッシュ型マイコンであり、U2は三端子レギュレーターで、出力電圧は5Vである。GNDは直流安定化電源のグランドである。SWはマイコンU1の比較判定結果により発熱素線2への通電を制御する電力制御スイッチである。
【0045】
図1の回路の動作はつぎの通りである。
温度制御動作は、温度検知素線4の抵抗変化がダイオードD1と温度検知素線4との接続点から温度信号電圧として、過電圧防止用の抵抗器R3とツェナー・ダイオードZD1を介してマイコンU1のAD変換ポートAD1に入力され、マイコンU1内のRAMに記憶される。
本実施例では、AD変換器への取り込み頻度は、1mSごとに連続45回入力され、それら45個のデータの最大値と最小値及びその差分が計算されRAMに記憶される。ここで、コード状発熱線1Hの温度上昇・下降のスピードはそれほど早くないので、45mS掛かるAD変換器への取り込み動作は10秒に1回程度でも十分であり、前記1単位の取り込み時間45mSがマイコンU1の他の処理の障害になることは極めて少ない。
【0046】
前記AD変換の最大値と最小値の差分ΔVが設定値より小さい場合は、過熱によるリークは無いものとして、最大値が温度信号と見做され温度制御に供される。
温度制御は、AD1入力の最大値とAD0ポートより予め設定された温度に相当する電圧として入力され記憶されたVref1とがマイコンU1の演算処理部で比較され、その判定結果が出力ポートPB1より出力され、電力制御スイッチSWの開閉が駆動され発熱素線2への通電が制御される。過熱保護動作は、AD1入力の最大値と最小値の差分ΔVが設定値より大きい場合は、過熱によるリークが有るものとして判定され、その結果が出力ポートPB1より電力制御スイッチSWがOFFとなるよう駆動され、発熱素線2への通電が停止される。
線間短絡保護動作は、背景技術〔0008〕と〔0009〕の項で説明した内容と同じである。
【0047】
〔リーク試験〕
36mのコード状発熱線1Hをフェルトなどの表裏生地間に挟み接着固定し、電気カーペット発熱体とし、発熱素線2の端末を
図1の温度制御回路図に示されたH1,H2端子に接続する。
・温度検知素線4の代わりに1200Ωの固定抵抗器(65.5℃相当の抵抗値)をS1,S2端子間に接続し、温度制御設定電圧Vref1をVccの5VとしマイコンU1のAD0ポートに接続する。
・温度制御回路を交流電源に接続し、3分間の初期安定時間経過後、マイコンU1のAD1ポートの入力電圧Viを測定し、Vi=2.354Vを得て、これをリークのない場合の入力電圧Visとした。
・次に、1200Ωの固定抵抗器を外し、温度検知素線4の両端をS1,S2端子に接続し、温度制御設定電圧Vref1を2.354Vに設定してAD0ポートに入力し、電気カーペットを稼働できる状態にした。
【0048】
・電気カーペットを交流電源に接続し、温度制御回路により電力制御スイッチSWをON/OFF動作させ安定状態にした。
・マイコンU1のAD1ポートの入力電圧Viを測定しながら、電力制御スイッチSWがONの期間でAD1ポートの入力電圧Viが、Vi=2.354Vになった瞬間に、リーク位置S1−H1端子間にリーク抵抗1KΩを接続し、5秒後に入力電圧Viの波形をデジタル・オッシロスコープにより観測し、入力電圧Viの最大値と最小値を読み取った。
【0049】
・同様な方法で、リーク抵抗が、10KΩ、100KΩ、1000KΩの場合について、Viの最大値と最小値を読み取った。
・更に同様な方法で、リーク位置が、コード状発熱線1Hの中央部の場合と、S2−H2端子間の場合について、入力電圧Viの最大値と最小値を読み取った。
・得られたViの最大値、最小値とそれらの差分ΔVを表1に示す。
・前記各リーク位置に於いて、リーク抵抗が100KΩの場合、入力電圧Viの波形と負荷電流の波形Ihを観測した結果について
図3、4、5に示す。
【表1】
この表は、本発明による採暖用温度制御装置に於いて、電力制御スイッチSWがONの場合であって、リーク位置をパラメーターとして、リーク抵抗RxとマイコンU1のAD1ポートに入力される入力電圧Viの最大値(Max)と最小値(Min)、及びそれらの差分(ΔV)を示している。
【0050】
〔局部過熱試験〕
前記〔リーク試験〕と同じく、温度制御設定電圧Vref1を2.354V(65.5℃に相当)に設定してAD0ポートに入力し、電気カーペットを稼働状態にし、温度制御されたコード状発熱線1Hの表面温度を測定した。測定位置は、温度制御回路のS2−H2端子から線条距離で1m離れたコード状発熱線1Hの表面とし、その箇所に直接測定用温度センサを接触固定し温度を測定した結果、局部過熱のない場合は、66℃±2℃であった。
次に、前記温度測定点を中心に1辺が30cm四方の優れた断熱機能を有する断熱材を被せ温度測定した結果は、67℃±2℃であった。
【0051】
各測定値についての評価はつぎの通りである。
〔リーク試験の評価〕
S1−H1端子と中央部でのリーク発生に対しては、リーク抵抗Rxの値に係わらず入力電圧Viの最大値を温度制御信号として用いれば、設定温度より手前の低い温度で電力スイッチSWをOFFすることができ、安全は確保されることが判る。これは、先願の特開2015−26458号(特許文献12)で得られた結果と一致する。
S2−H2端子でのリークに対しては、リーク抵抗が100KΩ以下になると、入力電圧Viは設定電圧Vref1に到達せず設定温度を過ぎた高い温度にならなければマイコンU1の出力ポートPB1からの出力による電力制御スイッチSWはOFFしない。
しかも、コード状発熱線1Hが高い温度になればリークも大きくなるので、電力制御スイッチSWは益々OFFしない側に変化すると云う正帰還が掛かり過熱の危険性が高まる。
【0052】
ここで、表1の入力電圧Viの最大値と最小値の差分ΔVのうちS2−H2端の欄を見ると、ΔV>0.8Vの領域を過熱の判定基準にし、マイコンU1の出力ポートPB1からの出力によって電力制御スイッチSWをOFFにする仕様にすれば、リークが増えても過熱を防げることが判る。
従って、
図1の温度制御回路図と表1の全データから余裕を考慮し、本実施例のコード状発熱線1Hについては、「入力電圧Viの最大値で温度制御する」条件と、「差分ΔV>0.5Vを過熱範囲として電力制御スイッチSWをOFFにする」との2つの条件で制御すれば、過熱を防止でき安全性の高い電気カーペットを提供できることが判った。
【0053】
また、入力電圧Viと負荷電流Ihを観測した
図3、4、5によれば、リークがある場合の入力電圧Viには、リーク位置に応じ負荷電流にきれいに同期した交流成分が重畳している。これは、本発明で加えたコンデンサC1とダイオードD1と線間短絡保護回路の組合せによる効果であり、従来例のように電圧比較器の前段で温度信号と過熱信号をハード手段で分離しなくても、電圧比較器に取り込んでからソフト手段で精度よく安定して分離できることを実証している。
【0054】
〔局部過熱試験の評価〕
前記〔リーク試験〕で説明した「温度制御」と「過熱保護」の条件を制御プログラムに組み込むことにより、局部過熱に弱いS2−H2端子の近傍に強力な局部断熱操作をしても、設定温度から大きく外れる温度制御結果にはならず、安全性の高い温度制御が可能であることを実証できた。
【0055】
以上説明したように本発明によれば、従来の1線式コード状発熱線を使用しながら、温度制御部を駆動する直流安定化電源の両極間に、コンデンサが並列接続された固定抵抗器と前記電源に対し順方向に配置された第1のダイオードと温度検知素線とが直列に接続され、線間短絡保護回路を具備し、前記第1のダイオードのカソードと前記温度検知素線との接続点の電圧が入力信号として電圧比較器に入力され、前記入力信号の時間軸上の最大値と最小値の差分を検出することによって、高分子層のリークの大きさを判別し、前記差分が増加し所定の設定値に達した場合、温度制御部が加熱用信号を出力しないよう制御するので、高い精度と安定性で過熱を防止し安全性を確保するとともに、経済的にも優れた採暖用温度制御装置を提供することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0056】
電気毛布、電気カーペットなどの面状採暖具に用いられる採暖用温度制御装置である。
【符号の説明】
【0057】
1 巻芯
1H コード状発熱線
2 発熱素線
3 高分子層
4 温度検知素線
5 絶縁被覆層